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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G06F
管理番号 1077928
異議申立番号 異議2001-72199  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-11-21 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-08-10 
確定日 2003-03-26 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3134664号「地図表示装置及び地図表示方法」の請求項1ないし4、6ないし10、12に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。特許第3134664号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3134664号の請求項1乃至12に係る発明は、平成6年5月12日に特許出願され、平成12年12月1日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人小野浩一より特許異議の申立てがなされ、平成13年12月25日に取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年3月7日に訂正請求がされた後、平成14年11月5日に訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成14年12月26日に上記訂正請求についての手続補正がなされたものである。

2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、平成14年12月26日付で補正された訂正請求書及びそれに添付された訂正明細書の記載によれば、以下のa、b及びcのとおりである。
a.特許請求の範囲の訂正
明細書の特許請求の範囲のうち、請求項1乃至請求項5及び請求項7乃至請求項12を削除するとともに、特許異議の申立てがなされている請求項である請求項6に記載された「前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して記憶される対応情報記憶手段」を「前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段」と訂正する。
b.発明の詳細な説明の訂正
(イ)段落【0007】乃至【0011】を削除する。
(ロ)段落【0012】を「請求項1に対応する発明は、地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、互いに異なる複数のランドマークが記憶されたランドマーク一覧記憶部と、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部と、前記カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えたことを特徴とする地図表示装置である。」と訂正する。
(ハ)段落【0014】乃至【0016】を削除する。
(ニ)段落【0018】の「さらに、請求項6、12に対応する発明は、」を「したがって、請求項1に対応する発明は、」と訂正する。
(ホ)段落【0097】乃至【0099】を削除する。
(ヘ)段落【0101】の「さらに、請求項6、12の発明によれば、」を「以上説明したように請求項1の発明によれば、」と訂正する。
c.発明の名称の訂正
発明の名称を「地図表示装置及び地図表示方法」から、「地図表示装置」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正aは、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、また実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
また、上記訂正b及びcは、特許請求の範囲の減縮に伴って、明細書の明りょうでない記載の釈明をしたものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申し立てについて
(1)本件発明
平成14年3月7日付けで提出され、平成14年12月26日付けで補正された訂正明細書の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項である
「地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、互いに異なる複数のランドマークが記憶されたランドマーク一覧記憶部と、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部と、前記カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えたことを特徴とする地図表示装置。」により特定されるとおりのものである。
(2)引用例に記載された発明
当審が通知した取消の理由において引用した特開平5-313580号公報(平成5年11月26日出願公開。以下、「引用例1」という。)には、地図を表示できるという機能を活用し、地図データと関連づけて種々の付加データが記憶でき、多用途に活用できるナビゲーション装置に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。
(イ)移動体に搭載されて使用され、地図メモリから読出された地図を表示器に表示させることのできるナビゲーション装置において、電話番号の市外局番を含む任意のデータを登録することのできるデータ登録手段と、市外局番と、その市外局番の領域の地図との関係が予め記憶された地図特定手段と、データ検索信号入力手段と、データ検索信号入力手段からの検索信号入力に応答して、データ登録手段に登録されたデータを検索し、表示器に表示させるデータ表示制御手段と、地図表示信号入力手段と、表示器にデータが表示中に、地図表示信号入力手段から表示信号が入力されたことに応答して、表示中のデータに含まれる市外局番を地図特定手段と照合し、表示中のデータに含まれる市外局番の領域の地図を地図メモリから読出して表示器に表示させる地図表示制御手段と、を含むことを特徴とするナビゲーション装置。(特許請求の範囲請求項1、2頁左欄2行乃至19行)
(ロ)移動体に搭載されて使用され、地図メモリから読出された地図を表示器に表示させることのできるナビゲーション装置において、地図上の所望の位置に表示すべき登録地マークを記憶するマーク記憶手段と、マーク記憶手段に記憶された登録地マークに関連する任意のデータを登録するデータ登録手段と、表示器に表示される地図が前記登録地マークの表示位置を含むとき、マーク記憶手段に記憶された登録地マークをその登録位置に表示する登録地マーク表示制御手段と、表示器に表示された地図に登録地マークが表示されている場合において、その表示された登録地マークのデータを出力すべき信号を入力する手段と、信号入力手段の入力に応答して、表示された登録地マークに関連したデータをデータ登録手段から読出して表示器に表示させる表示制御手段と、を含むことを特徴とするナビゲーション装置。(特許請求の範囲請求項3、2頁左欄28行乃至45行)
(ハ)メモメニュー画面において、電話帳のタッチスイッチ13aが押圧されると、表示部12は、図3Bの電話帳表示画面になる。この画面では、画面が「電話帳」であることを示す表示21と、「ア行」〜「ワ行」および「他」の11個のタッチスイッチとが表示される。
そこで、たとえば「ア行」のタッチスイッチ13bが押圧されると、画面は図3Cとなる。すなわち、登録されている電話番号のうち、ア行の名前および電話番号が4人分(図示では、簡略化して、表示は一例だけ示されている。)表示される。もし、ア行の名前の電話番号が3つしか登録されていない場合には、最下行にはカ行等の名前の電話番号が表示される。この表示は、カーソルキー14e(図2参照)の操作によってスクロールすることができる。したがって、電話帳表示では、氏名および電話番号の一覧を見ることができる。
【0026】 図3Cの画面において、たとえばタッチスイッチ13cが押圧されると、表示画面は、図4Aに示すものとなり、名前22および電話番号23のみでなく、そのデータを入力した日付24および住所等のメモデータ25が表示される。さらに、地図呼出用のタッチスイッチ13dが表示される。この画面において、タッチスイッチ13dが押圧されると、表示部12の表示画面は図4Bに示す地図表示画面となり、登録された電話番号23の市外局番「06」の領域の地図(具体的な地図表示は省略する。)の表示になる。これにより、操作者は、この名前の者の地図上の概略的位置を視覚的に確認できる。(5頁左欄10行乃至36行)
(ニ)記憶された地図は、メッシュ状に区画されて正方形または長方形の地図単位に分けられており、それぞれにメッシュ番号が付されている。MIC7では、必要なメッシュ番号の地図を読出すようにCDドライブ8を制御し、読出された地図を表示部12に表示させる。
この実施例の特徴の1つは、これまで説明したように、ナビゲーション装置に備えられたメモ機能を用いて種々のデータがナビゲーション装置に登録可能であるとともに、登録されたデータを、地図データと関連付けて呼び出し、表示器12に表示可能にされていることである。
【0038】そのために、MIC7には、図9に示すデータ登録用メモリテーブルおよび図10に示す電話番号テーブルが備えられている。まず、図9を参照して説明すると、データ登録用メモリテーブルには、登録データごとに、入力日付、名前、電話番号、登録マークデータおよびメモ内容記憶用エリアが備えられている。登録マークデータとは、たとえば登録したい建造物を略号化したマークであり、スキー場、別荘、ガソリンスタンド、レストラン等のマークと、そのマークの登録位置データである。また、メモ内容記憶用エリアは、自由にデータが書込めるように細分化された項目が付されていないエリアになっている。また、他の実施例としては、破線で示すように、たとえば住所記憶エリア、スケジュールデータ記憶エリア、メモデータ記憶エリアという3つの細項目に区分されていてもよい。登録データであるメモ内容に、入力日付、名前、電話番号、登録マーク等のインデックスを付与することにより、登録データを入力日付、名前、電話番号または登録マークをインデックスとして検索することが可能となる。(6頁左欄36行乃至右欄50行)
(ホ)図10の電話番号テーブルは、登録データに含まれる電話番号から対応の地図データを呼出す場合に使用するためにテーブルである。電話番号テーブルには、市外局番と、その市外局番領域を表示する地図のメッシュ番号とが対応づけて記憶されている。それゆえ、市外局番が指定されると、その市外局番領域を表示する地図のメッシュ番号が検索でき、その地図を表示することができる。(7頁左欄1行乃至8行)

上記記載事項(ニ)の「データ登録用メモリテーブル」は上記記載事項(イ)の「データ登録手段」の実施例であること、その「データ登録用メモリテーブル」の登録地マークを記憶する部分は、上記記載事項(ロ)のマーク記憶手段に該当することから、引用例1には、
「地図メモリから読出された地図を表示器に表示させることのできるナビゲーション装置において、登録データ毎に登録地マークデータ、電話番号の市外局番を含む任意のデータを登録するデータ登録用メモリテーブルと、市外局番と、その市外局番の領域の地図との関係が予め記憶された地図特定手段と、データ検索信号入力手段と、データ検索信号入力手段からの検索信号入力に応答して、データ登録手段に登録されたデータを検索し、表示器に表示させる表示制御手段と地図表示信号入力手段と、表示器にデータが表示中に、地図表示信号入力手段から表示信号が入力されたことに応答して、表示中のデータに含まれる市外局番を地図特定手段と照合し、表示中のデータに含まれる市外局番の領域の地図を地図メモリから読出して表示器に表示させる地図表示制御手段と、表示器に表示される地図が前記登録地マークの表示位置を含むとき、データ登録用メモリテーブルに記憶された登録地マークをその登録位置に表示する登録地マーク表示制御手段と、を含むことを特徴とするナビゲーション装置。」(以下、引用例1に記載された発明という。)が記載されていると認められる。

同じく引用した引用した特開平6-43807号公報(平成6年2月18日出願公開。以下、「引用例2」という。)には、周辺施設および周辺登録地をその種類に応じたマークを持って地図上に表示可能なナビゲーション装置において、周辺施設および周辺登録地の情報を記憶するメモリを有するものが記載されており、当該メモリについて、「例えばSRAM等の随時データの書き込み、読み出し、消去が可能なメモリが使用されており、例えば2つのメモリ領域に分割されている。一方のメモリ領域には、地図メモリ50から読み出された周辺施設が存在するメッシュNo、当該メッシュでの座標、施設マーク、周辺施設の名称およびメモ情報(電話番号、住所等)が記憶されており、他方のメモリ領域には、周辺登録地が存在するメッシュNo、当該メッシュでの座標、登録地マーク、周辺施設の名称およびメモ情報(電話番号、住所等)が記憶されている。」と記載されている。(4頁左欄14行乃至24行)

同じく引用した特開平4-360260号公報(平成4年12月14日出願公開。以下、「引用例3」という。)には、メモ内容の入力において入力する内容に応じた質問項目名を設定でき、設定された質問項目名に対応したガイダンス表示を視認しながらメモ内容を入力できる電子手帳等の小型情報端末機に関して、次の事項が記載されている。
(イ)キー入力されるメモ内容に応じた質問項目名を記憶部に登録できるモードを備えた小型情報端末機であって、該メモ内容の入力処理を選択するメモキーおよび他の機能を選択できる複数の機能キーを有する機能選択キーと、該機能選択キーで選択される機能を実行させる複数のアプリケーションプログラムを内蔵するプログラム格納手段と、該メモキーが選択され、対応するアプリケーションプログラムが起動されると、該記憶部に登録された該質問項目名の中から該メモ内容に応じた質問項目名を選択し、該質問項目名の内容を複数頁の表示ガイダンスとして表示部に表示させる制御手段と、該表示ガイダンスに対応したデータが入力されると、該表示ガイダンスを次頁の表示ガイダンスにシフトして行く表示画面シフト手段と、全ての表示ガイダンスに対応したデータが入力されると、入力されたデータを該記憶部又は他の記憶部に格納するデータ格納手段とを備えた小型情報端末機。(特許請求の範囲)
(ロ)図4は質問項目名の登録処理時におけるCPU1の制御手順を示す。CPU1はオペレータのキー入力により、ステップS30で質問項目名の設定モードが設定されると、質問項目名数nをn=1にセットし、ステップS31で、例えば一定のメモ内容を入力処理する際に必要な質問項目名の入力処理に関するサブルーチンを実行し、最初の質問項目名に関する入力処理を行う。次に、ステップS32で次の質問項目名の入力があるか否かを判定し、入力があったことを確認すると、項目名数nを2にセットし(S33)、ステップS31の入力処理を再行する。
【0022】そして、新たな質問項目名の入力がある都度、項目名数nを1個ずつインクリメントして行き、ステップS32で新たな質問項目名の入力がないことを確認すると、それ迄に入力された数の質問項目名をRAM3に転送して書き込む(S34)。これにより、複数の質問項目数からなる質問項目名がRAM3に登録される。(3頁右欄46行乃至4頁左欄13行)
(ハ)質問項目名は複数の質問項目からなり、各質問項目毎の表示ガイダンスがLCD10に表示されるようになつている。従って、以後RAM3に登録された質問項目名を読み出し、表示ガイダンスをLCD10に順次表示すれば、該表示ガイダンスに従ってメモ内容の入力処理が行える(4頁左欄14行乃至18行)
(ニ)メモ内容として書籍の内容を入力する場合は、ステップS51で書籍名を入力する旨をオペレータに促す表示ガイダンス「書籍名?」が表示される。
【0027】次いで、メモキー153の2回目のオン操作が行われると、ステップS51の表示ガイダンスの初期画面を2種目目の表示ガイダンスにシフトする(S52)。具体的には、著者名を入力する旨をオペレータに促す表示ガイダンス「著者名?」が表示される。以下同様にして出版社名等を入力する旨を促す表示ガイダンスが表示される。(4頁左欄49行乃至右欄9行)
(ホ)なお、上記実施例ではメモ内容として、書籍に関するものを例示したが、他のメモ内容についても同様に行える。また、電子手帳以外の小型情報端末機にも同様に適用できる。(5頁左欄12行乃至15行)
(ヘ)同様のメモ内容を入力する場合は、同一の質問項目名のフォーマットで行えるので、この点においても入力操作を簡単、且つ迅速、正確に行える利点がある。(5頁左欄25行乃至28行)

同じく引用した引用した特開平5-94129号公報(平成5年4月16日出願公開。以下、「引用例4」という。)には、施設の情報(メモ情報)を登録できるナビゲーション装置において、装置内のメモリに記号列情報として記憶された記号を選択し、施設の位置を地図上に表示する際の目印とするものが記載されている。
(3)対比・判断
本件発明と引用例1に記載された発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「地図メモリから読出された地図を表示器に表示させることのできるナビゲーション装置」は、一種の「地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置」であり、その「データ登録用メモリテーブル」は、メモ情報が記憶されるのであるから、メモ情報が記憶される点で、本件発明のメモ情報記憶手段に相当する。また、引用例1に記載された発明の「データ登録用メモリテーブル」と「地図特定手段」は、電話番号の市外局番を介してメモ情報である登録データと地図情報とを対応付けているものであるから、メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と地図情報とが対応して記憶される対応情報記憶手段である点で、本件発明の「対応情報記憶手段」に相当する。さらに、引用例1に記載された発明の「登録地マーク」は本件発明の「ランドマーク」に該当し、引用例1に記載された発明における「データ検索信号入力手段からの検索信号入力に応答して、データ登録手段に登録されたデータを検索し、表示器に表示させる」及び「表示器にデータが表示中に、地図表示信号入力手段から表示信号が入力されたことに応答して、表示中のデータに含まれる市外局番を地図特定手段と照合し、表示中のデータに含まれる市外局番の領域の地図を地図メモリから読出して表示器に表示させる」は、「データ登録手段に登録されたデータを検索し、表示器に表示させる」ことはデータ登録手段に登録されたデータを指定することであるから、本件発明における「メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し」に対応し、引用例1に記載された発明における「表示器に表示される地図が前記登録地マークの表示位置を含むとき、データ登録用メモリテーブルに記憶された登録地マークをその登録位置に表示する」は本件発明の「この地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する」に対応するから、引用例1に記載された発明の「地図表示制御手段」と「登録地マーク表示制御手段」は、本件発明の地点表示手段に相当する。
したがって、本件発明と引用例1に記載された発明は、
「地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えたことを特徴とする地図表示装置。」である点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
本件発明は、ランドマーク一覧記憶部を備えているのに対して、引用例1には、登録地マークを一覧記憶している記憶手段が明記されていない点。
(相違点2)
本件発明は、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部を備え、メモ情報記憶部には、カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるものであるのに対して、引用例1には、メモ情報のカテゴリという概念が明記されていない点。
(相違点3)
本件発明の対応情報記憶手段は結合情報テーブルでメモ情報と地図情報とが直接対応付けられているのに対して、引用例1に記載された発明では、電話番号の市外局番を介して間接的に対応付けている点。

そこで、上記相違点について検討する。
(相違点1について)
引用例4に記載された施設の目印とする記号は、本件発明のランドマークに相当し、記号を記号列情報として記憶した装置内のメモリは、本件発明のランドマーク一覧記憶部に相当するが、引用例1に記載された発明においても、ランドマーク一覧記憶部に相当する登録地マークを一覧記憶している記憶手段を設けることは、引用例4の記載に基づき当業者が容易になし得たことである。
(相違点2について)
引用例3に記載された質問項目名は、引用例3の記載事項(ヘ)によれば「同様のメモ内容を入力する場合は、同一の質問項目名のフォーマットで行える」ものであるから、メモ内容をカテゴライズしたものであり、本件発明のカテゴリに相当し、同じく引用例3に記載された質問項目は、本件発明のキーワードに相当する。
そして、引用例3の記載事項(イ)、(ロ)及び(ハ)によれば、RAM3には複数の質問項目からなる質問項目名が複数個登録されるものであり、質問項目とは独立に質問項目名を表す名称を登録することは明記されていないが、「記憶部に登録された該質問項目名の中から該メモ内容に応じた質問項目名を選択」するものであるから、質問項目名を表す名称を登録しておきその名称を用いて質問項目名を選択できるようにすることは極めて自然であること、引用例3に記載されたメモ内容の記録手法を地図情報と関連づけてメモ情報を記憶する装置に適用することに何らかの困難な事情があったとも認められないこと、及び地図情報と関連づけてメモ情報を記憶する装置においてはランドマークを記憶しておき表示することは周知であり、ランドマークは、施設の種類毎すなわちカテゴリ毎に設けられることが通例であることから、引用例1に記載された発明においても、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部を設けることは、当業者が容易になし得たことである。そして、カテゴリ一覧記憶部にデータを登録するためには何らかの登録手段が必要であることは自明であり、ランドマーク一覧記憶部にランドマークが記憶されていることを前提とすれば、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部を備えるようにすることも当業者が容易になし得たことであり、その結果としてデータ登録用メモリテーブルには、カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるようにすることも、当業者が容易になし得たことである。
以上のとおりであるので、相違点2を格別のものと認めることはできない。
(相違点3について)
引用例2に記載された周辺施設および周辺登録地の情報を記憶するメモリは、メモ情報と地図のメッシュNo及び当該メッシュでの座標を直接対応付けるものであり、引用例2に記載されたものに基づき、引用例1に記載された発明においても、地図特定手段をデータ登録用メモリテーブルと統合し、メモ情報と地図情報を直接対応付けることは当業者が容易になし得たことである。

(4)むすび
以上のとおりであるので、本件発明は、引用例1乃至4に記載された発明に基づいて、本件特許出願前に、当業者が容易になし得たものであるから、本件発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件特許の請求項1に係る発明の特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
地図表示装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、互いに異なる複数のランドマークが記憶されたランドマーク一覧記憶部と、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部と、前記カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えた地図表示装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地図を表示する地図表示装置及び地図表示方法に係わり、特に人手による煩雑な検索作業を省略し、使用性を向上し得る地図表示装置及び地図表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビジネス用の情報産業の分野では、取引先の担当者などを示す住所録、簡単なコメントを示すメモ情報、市役所や美術館などを示す主要施設情報を電気的に登録及び表示可能な携帯用の電子手帳が用いられている。
【0003】一方、この種の電子手帳に関連した技術の進歩に伴い、索引用の索引地図及び詳細地図を画面に表示する携帯用の地図表示装置が開発されている。このような電子手帳や地図表示装置においては、電子手帳の住所録から所望の住所を検索し、検索結果に基づいて地図を調べるという紙の手帳や地図と同等の基本機能を有した上、さらに、小型化及び軽量化が図られており、特に外勤のビジネスマンに広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のような地図表示装置などでは、住所録と地図とが完全に独立したシステムであり、前述した通り、住所の地図上の位置を確認する際に、一旦、住所録を検索して所望の住所を選び出し、その住所を地図上で探すという作業が必要であるが、この種の作業は極めて煩雑であるという問題がある。
【0005】例えば、ある会社を検索する際に、一つの会社が複数の事業所を持つ場合、会社が複数のビルに点在している場合、一つの会社で複数の人と知り合っている場合などのように住所録と地図位置とが一対一で対応しない場合、これらの対応関係を想起しながら住所を地図上で探す必要がある。
【0006】本発明は上記実情を考慮してなされたもので、人手による煩雑な検索作業を省略し、使用性を向上し得る地図表示装置及び地図表示方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】請求項1に対応する発明は、地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、互いに異なる複数のランドマークが記憶されたランドマーク一覧記憶部と、互いに異なる複数のカテゴリ及びカテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマーク前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部、前記カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えた地図表示装置である。
【0013】
【0014】
【作用】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】従って、請求項1に対応する発明は、複数のランドマークと、複数のカテゴリ及び各カテテゴリに対応してキーワード並びにランドマークとが記憶され、カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と地図情報とが対応して記憶される対応情報記憶手段とを設け、カテゴリ登録部が、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び記憶された複数のランドマークの中から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを登録し、地点表示手段が、メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する。このように、前述した煩雑な検索作業の省略に加え、カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを登録することができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る地図表示装置の構成を示す機能ブロック図である。この地図表示装置は、図示しない携帯用装置本体に、データベース部1、入力処理部2、検索処理部3、登録部4、表示処理部5、リスト作成部6、表示部7及びスクロール制御部8を備えている。
【0023】ここで、データベース部1は、索引用の全体地図を示す全体地図情報及びこの全体地図の詳細を部分毎に示す複数の詳細地図情報が記憶された地図情報記憶部11と、会社並びに個人の名称、所属、肩書、郵便番号、住所、電話番号及びファックス番号が記憶される住所録記憶部12と、ビジネスポイント名称及びその内容が記憶されるビジネス情報記憶部(主要施設情報記憶手段)13と、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されたカテゴリ一覧記憶部14と、互いに異なる複数のランドマーク(シンボルマーク)が記憶されたランドマーク一覧記憶部15と、カテゴリ、このカテゴリに対応するキーワード及びこのキーワードに対応するコメントを示すメモ情報が記憶されるメモ情報記憶部16と、地図情報記憶部11内の各詳細地図とこれら住所録記憶部12、ビジネス情報記憶部13並びにメモ情報記憶部16内の情報とを結合する結合情報が記憶される結合情報テーブル(対応情報記憶手段)17とを備えている。
【0024】結合情報テーブル17は、図2に示すように、地図情報記憶部11内の詳細地図上の位置を特定する地図座標と、住所録記憶部12内の情報を特定する名称並びに住所と、ビジネス情報記憶部13内の情報を特定するビジネスポイント名称と、メモ情報記憶部14内の情報を特定するキーワード,コメントの先頭2文字並びにカテゴリと、ランドマークとが互いに対応するように結合情報として登録されるものである。なお、ビジネス情報記憶部13内の情報は、例えば企業、銀行、ショウルーム、工場、ビルなどのビジネス関連で必要な任意の情報であり、他にもホテル、ショッピング、アミューズメント、公共機関、結婚式場などで必要な情報である。また、必要な情報としては、例えばアミューズメントの場合、施設の名称、住所、電話番号、開園時間、休日、入場料、交通手段、駐車場の規模、主な催しものなどがある。
【0025】入力処理部2は、携帯者の操作に基づいて、表示指令、検索指令、リスト作成指令、登録指令又はスクロール指令などを入力指令として作成し、作成した入力指令をその内容に対応して検索処理部3、リスト作成部6、登録部、表示処理部5又はスクロール制御部8のいずれかに与えるものである。ここで、入力処理部2としては、表示部7の画面上に設けられたタッチパネルを有し、画面の表示内容及びこの画面上でタッチ操作された座標位置に基づいて入力指令を作成している。
【0026】検索処理部3は、入力処理部2から受ける入力指令の内容に基づいてデータベース部1内の結合情報テーブル17を検索し、検索結果を表示処理部5に送出する機能をもっている。
【0027】表示処理部5は検索処理部3、入力処理部2、リスト作成部6、登録部4又はスクロール制御部8に制御されて表示処理を実行し、表示部7を制御する機能をもっている。
【0028】表示部7は表示処理部5に制御されてアイコン、地図情報及びウインドウ画面などを表示する機能を有し、ここでは液晶パネルが使用されている。また、リスト作成部6は入力処理部2から受けるリスト作成指令に基づいて、表示処理部5及びデータベース部1を参照して、現在表示中の地図内のビジネスポイント、住所録又はメモ情報のリストを表示処理部5を通して表示部7に表示させる機能をもっている。
【0029】登録部4は入力処理部2から受ける登録指令に基づいてデータベース部1の住所録記憶部12、ビジネス情報記憶部13、メモ情報記憶部16又は結合情報テーブル17のうち、いずれかの内容を登録する機能をもっている。
【0030】スクロール制御部8は入力処理部2から受けるスクロール指令に基づいて、現在表示中の画面をスクロールするように表示処理部5を制御する機能をもっている。また、表示処理部5はスクロール制御部8から受ける入力指令に従って表示画面をスクロールするように表示部7を制御する機能をもっている。
【0031】次に、以上のように構成された地図表示装置の動作を用いて説明する。なお、以下の動作説明は(1)初期状態、(2)住所録の地図上への登録、(3)詳細地図の検索、(4)メモ地点の登録、(5)メモ地点の検索、(6)ランドマークの表示、(7)ポイントリストの表示及び(8)カテゴリ登録の順序に沿って行なわれる。
(1)初期状態
いま、図示しない電源が携帯者の操作により、オン状態にされたとする。表示処理部5はデータベース部1内の地図情報記憶部11から全体地図情報を読出して全体地図の表示処理を実行し、表示部7はこの表示処理に従って、例えば図3に示すように、東京都の全体地図を液晶表示する。なお、図3中、曲線21は山手線及び中央線などの鉄道路線を示し、複数の枠22は各詳細地図の境界を示している。
【0032】ここで、入力処理部2は、ある地点P1が携帯者によりペン先等でタッチ操作されると、この地点P1の属する詳細地図の表示指令を検索処理部3に送出する。
【0033】検索処理部3はこの表示指令を受けると、該表示指令に基づいてデータベース部1の地図情報記憶部11を検索し、表示指令の示す詳細地図情報を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの詳細地図情報に基づいて詳細地図の表示処理を実行し、表示部7は全体地図の表示に代えて、図4に示すように、詳細地図を表示する。この詳細地図は、説明を簡単にするために簡略化されて図示されているが、実際には地名等を含めて詳細に表示されている。なお、表示中の詳細地図は表示処理部5に与えられた詳細地図の一部であり、スクロール可能となっている。
【0034】例えば、入力処理部2は、図5の一点鎖線で示すように、画面の周縁部23a 23hのうちのいずれかが携帯者によりタッチ操作されると、タッチされた周縁部の方向に画面をスクロールする旨のスクロール指令をスクロール制御部8に送出する。スクロール制御部8はこのスクロール指令に従って表示処理部5を制御し、画面をスクロールさせる。また、詳細地図の端部がタッチ操作された場合、検索処理部3が地図情報記憶部11を検索し、この詳細地図に隣接した詳細地図を示す詳細地図情報を表示処理部5に送出する。これにより、画面は詳細地図の境界を越えてスクロールされる。
【0035】さらに、この画面の下方には、地図ボタン31、登録ボタン32、検索ボタン33、メモボタン34及び特別ボタン35が表示されている。なお、地図ボタン31は索引地図を表示させるためのものであり、登録ボタン32は地点を登録するためのものである。また、検索ボタン33は詳細地図を探して表示するためのものであり、メモボタン34は地点情報と共に、メモ情報を記録するためのものである。特別ボタン35は、ランドマーク表示、ポイントリスト表示及びカテゴリ表示を行うためのものである。以下、本実施例装置において、これらのボタンを用いた動作を説明する。
(2)住所録の地図上への登録
ここでは、始めに、地点を指定してから登録する第1の方式を用いて述べ、次に、住所録記憶部12から登録対象となる名称を検索してから地点を指定して登録する第2の方式を説明する。また、本実施例装置はこれら第1及び第2の方式のいずれも使用可能となっている。
【0036】図6は第1の登録方式を説明するためのフローチャートである。いま、入力処理部2では、図7(a)に示すように、携帯者により、画面の同一地点P2が2回タッチ操作され(ST1)、且つ登録ボタン32がタッチ操作されると(ST2)、ステップST1でタッチ操作により指定された地点P2を対象として登録処理を開始する旨の登録指令を登録部4に送出する。
【0037】登録部4はこの登録指令を受けると、図7(b)に示すように、名称入力ウインドウ画面41を表示処理部5を介して表示部7に表示させる(ST3)。この名称入力ウインドウ画面41では、図8(c)に示すように、携帯者のペン入力操作により、氏名もしくは会社名を示す名称の一部がペン入力される(ST4)。このとき、入力処理部2では、実行ボタン41aのタッチ操作の待状態をとる。
【0038】ここで、入力処理部2では、携帯者によりボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が実行ボタン41aであるか否かを判定し(ST5)、実行ボタン41aでは無くキャンセルボタン41bであるとき、当該名称及び地点の登録処理を取消して(ST6)処理を終了し、ステップST5の判定が実行ボタン41aのタッチ操作を示すとき、ステップST4でペン入力された名称を対象としたリストを作成して表示させる旨のリスト作成指令をリスト作成部6に送出する。
【0039】リスト作成部6は、このリスト作成指令を受けると、ステップST4でペン入力された文字列に基づいてデータベース部1の住所録記憶部12における全件の名称を前方一致検索すると共に(ST7)、該当する名称の候補の有無を判定し(ST8)、名称候補の有るとき、住所録記憶部12内の各名称のうち、ペン入力された名称に該当する名称についてリストを作成し(ST9)、該リストを表示処理部5に通知する。表示処理部は、図8(d)に示すように、このリスト42のウインドウ表示処理を実行する(ST10)。
【0040】登録部4では、このリスト42に表示された各名称のうち、氏名もしくは会社名をタッチ操作で選択されると(ST11)、この名称とステップST1で指定された地点の地図座標とを結合情報テーブル17に登録すると共に(ST12)、登録の完了表示を実行し(ST13)、指定地点P2の表示を消去して登録処理を終了する。
【0041】なお、ステップST8において、該当候補の名称無しと判定されたとき、表示処理部5では、該当する候補の無い旨を表示処理すると共に(ST14)、名称を再入力するか否かをメッセージ表示し(ST15)、この結果、名称が再入力されるとき、名称入力ウインドウ画面41をリセットして(ST16)ステップST3に戻る。また、表示処理部5はステップST15
の結果、名称が再入力されないとき、名称入力ウインドウ画面41及び指定地点P2の表示を消去して登録処理を終了する。
【0042】次に、第2の方式として、住所録記憶部12内で登録対象となる名称を検索してから地点を指定して登録する方法を説明する。図9はこの第2の登録動作を説明するためのフローチャートであり、図6とほぼ同一部分にはaの添字を付してその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0043】始めに、表示中の地図がタッチ操作されずに登録ボタン32をタッチ操作されると(ST2a)、名称入力ウインドウ画面41が表示される(ST3a)。続いて、名称がペン入力されると共に(ST4a)、実行ボタン41aがタッチされると(ST5a)、前述した通り、住所録記憶部12が検索されて(ST7a)、リスト42が作成及び表示される(ST9a、ST10a)。
【0044】ここで、リスト42から名称が選択されると(ST11a)、検索処理部3では、住所録記憶部12内におけるST11aで選択された名称に対応する住所を検索して検索結果を表示処理部5に与え、表示処理部5が、現在表示中の地図を当該住所地点をもつ詳細地図に変更するように表示処理する(ST21)。
【0045】これにより、登録部4では、携帯者の操作により、変更後の詳細地図上で所望の地点が指定されると(ST22)、該指定された地点の地図座標及び名称を結合情報テーブル17に登録する(ST12a)。以下、前述同様に登録完了表示を実行して(ST13a)登録処理を終了する。
【0046】このように、第2の方式では、名称を入力した後に変更表示された地図から所望の地点を指定するので、予め該当する詳細地図を探す必要を無くし、地図座標及び名称からなる複数の組を連続して登録し易くしている。
(3)詳細地図の検索
図10はある地点の名称又は住所が指示されたときにおける当該地点を含む詳細地図の検索動作を説明するためのフローチャートである。
【0047】いま、携帯者に検索ボタン33がタッチ操作されたとする(ST31)。入力処理部2は、この検索ボタン33のタッチ操作に基づいて検索指令を検索処理部3に送出する。検索処理部3は、この検索指令に基づいて、名称ボタン及び住所ボタンからなる検索項目選択ウインドウの表示指令を表示処理部5に送出し、表示処理部は、図11(e)に示すように、検索項目選択ウインドウ43の表示処理を実行する(ST32)。
【0048】ここで、入力処理部2では、携帯者により、検索項目選択ウインドウ43内のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が名称ボタン43aであるか否かを判定し(ST33)、名称ボタン43aではないときに住所入力ウインドウ画面を表示するように表示指令を表示処理部に与えるが(ST34)、ステップST33の判定結果が名称ボタン43aを示すとき、名称入力ウインドウ画面41を表示する旨の表示指令を表示処理部5に与える。
【0049】表示処理部5はこの表示指令に従って名称入力ウインドウ画面41を表示処理する(ST35)。続いて、名称入力ウインドウ画面41では、携帯者の操作により、名称がペン入力される(ST36)。【0050】入力処理部2ではこのペン入力された名称を対象とするリスト42を作成して表示する旨のリスト作成指令をリスト作成部6に送出する。リスト作成部6はこのリスト作成指令を受けると、ステップST36でペン入力された文字列に基づいてデータベース部1の住所録記憶部12における全件の名称を前方一致検索すると共に(ST37)、該当する名称の候補の有無を判定し(ST38)、名称候補の無いとき、候補の無い旨を表示させる表示指令を表示処理部5に通知して検索処理を終了し(ST39)、ステップST38による判定が名称候補の有る旨を示すとき、住所録記憶部12内の各名称のうち、ペン入力された名称に該当する名称についてリストを作成し(ST40)、該リストを表示処理部5に通知する。表示処理部5はこのリスト42の表示処理を実行する(ST41)。
【0051】検索処理部3では、このリスト42に表示された各名称のうち、氏名もしくは会社名をタッチ操作で選択されると(ST42)、この名称に従って結合情報テーブル17内に該名称及びその地図座標が登録されているか否かを判定し(ST43)、地図座標が未登録のとき、未登録の旨を表示処理部5を通して表示させて(ST44)検索処理を終了するが、地図座標が登録済のとき、この地図座標を含む詳細地図情報を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの詳細地図情報に基づいて詳細地図の表示処理を実行する(ST45)。
【0052】このように、本実施例装置は、ペン入力された名称に対応する地点を含む詳細地図を検索して表示することができる。一方、ステップST34により、図12(f)に示すように、住所入力ウインドウ画面44が表示されたとき、この住所入力ウインドウ画面44では、図12(g)に示すように、携帯者の操作により住所がペン入力される(ST46)。
【0053】入力処理部ではこのペン入力された住所を検索するように検索指令を検索処理部3に送出する。検索処理部3は、ステップST46でペン入力された住所の文字列に基づいて地図情報記憶部11における詳細地図情報を前方一致検索すると共に(ST47)、ステップST43に進む。以下、前述同様に、詳細地図を検索して表示処理を実行する。このように、本実施例装置は、住所がペン入力された場合であっても、当該ペン入力された住所に対応する地点を含む詳細地図を検索して表示することができる。
(4)メモ地点の登録
図13はある地点へのメモ情報の登録動作を説明するためのフローチャートである。
【0054】いま、入力処理部2では、携帯者により、詳細地図画面の同一地点が2回タッチ操作され(ST51)、且つメモボタン34がタッチ操作されると(ST52)、ステップST51でタッチ操作により指定された地点を対象としてメモ情報の登録処理を開始する旨の登録指令を登録部4に送出する。
【0055】登録部4はこの登録指令を受けると、カテゴリ一覧をカテゴリ一覧記憶部14から読出すと共に、図14(h)に示すように、該カテゴリ一覧45を表示処理部5を介して表示部7に表示させる(ST53)。
【0056】ここで、入力処理部2では、携帯者のタッチ操作により、カテゴリ一覧45のうちのいずれかのカ
テゴリが選択されると、このカテゴリに対応するキーワード毎のコメント入力画面の表示指令を表示処理部5に送出する。表示処理部5はこの表示指令に基づいて、選択されたカテゴリに対応するキーワードをカテゴリ一覧記憶部14から検索し、且つ検索結果に基づいて、図14(i)に示すように、キーワード毎にコメント入力画面を示すコメント入力ウインドウ画面46を表示処理する(ST55)。このコメント入力ウインドウ画面46では、図15(j)に示すように、携帯者のペン入力操作により、コメントがペン入力される。
【0057】続いて、入力処理部2は、携帯者により該ウインドウ画面46内のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が実行ボタンであるか否かを判定し(ST56)、実行ボタンでは無くキャンセルボタンのとき、ステップST51における指定地点への当該メモ情報の登録処理を取消して(ST57)処理を終了し、ステップST56の判定が実行ボタンのタッチ操作を示すとき、ステップST51における指定地点への当該メモ情報の登録指令を登録部4に送出する。
【0058】登録部4ではこの登録指令に基づいて、該指定地点の地図座標と該メモ情報(キーワード、コメントの先頭2文字並びにカテゴリ)とを結合情報テーブル17に登録すると共に(ST58)、登録の完了表示を表示処理部5に実行させる(ST59)。
【0059】このように、詳細地図上で地点及びカテゴリを指定することにより、この指定地点上でカテゴリに対応するキーワード毎にコメントをメモ情報として記録することができる。
(5)メモ地点の検索
図16はある地点に登録されたメモ情報の検索動作を説明するためのフローチャートである。
【0060】いま、携帯者にメモボタン34がタッチ操作されたとする。入力処理部2はこのメモボタン34のタッチ操作に従って検索指令を検索処理部3に送出する(ST61)。検索処理部3は、この検索指令に基づいてカテゴリ一覧をカテゴリ一覧記憶部14から読出すと共に、該カテゴリ一覧を表示処理部5に与える。表示処理部5はカテゴリ一覧45の表示処理を実行する(ST62)。
【0061】ここで、入力処理部2では、携帯者のタッチ操作により、カテゴリ一覧45のうちのいずれかのカテゴリが選択されると(ST63)、キーワード及びコメントの検索入力画面をウインドウ表示する旨の表示指令を表示処理部5に送出する。表示処理部5はこの表示指令に基づいて検索入力画面の表示処理を実行する(ST64)。続いて、検索入力画面では、携帯者の操作により、キーワード及びコメントがペン入力される(ST65)。
【0062】入力処理部2ではこのペン入力されたキーワード及びコメントを検索する旨の検索指令を検索処理部3に送出する。検索処理部3はこの検索指令を受けると、ステップST63で選択されたカテゴリ及びステップST65でペン入力された文字列に基づいてデータベース部1のメモ情報記憶部16における全件のキーワード及びコメントを検索すると共に(ST66)、該当するキーワード及びコメントの候補の有無を判定し(ST67)、判定結果が候補の無い旨を示すとき、候補の無い旨を表示させる表示指令を表示処理部5に通知して処理を終了し(ST68)、ステップST67による判定が候補の有る旨を示すとき、メモ情報記憶部16内のメモ情報のうち、ペン入力されたキーワード及びコメントに該当するものについて名称のリストを作成し(ST69)、該リストを表示処理部5に通知する。表示処理部5はこのリストの表示処理を実行する(ST70)。
【0063】検索処理部3では、このリストに表示された各名称のうち、ある名称をタッチ操作で選択されると(ST71)、この名称に従って結合情報テーブル17内から該名称の地図座標を検索し、この地図座標を含む詳細地図情報を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの詳細地図情報に基づいて詳細地図の表示処理を実行すると共に(ST72)、該地図座標に該当する指定地点のマーク表示処理を実行し(ST73)、該名称のウインドウ表示処理を実行する(ST74)。
【0064】このように、本実施例装置は、ペン入力されたキーワード及びコメントに対応する地点を検索して詳細地図と共に、表示することができる。なお、ステップST74の後、入力処理部2は、携帯者により、ウインドウ画面内のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が実行ボタンであるか否かを判定し(ST75)、実行ボタンでは無くキャンセルボタンのとき、ステップST74における名称の表示処理を取消して(ST76)処理を終了し、ステップST75の判定が実行ボタンのタッチ操作を示すとき、該地点のメモ情報の表示指令を検索処理部3に送出する。
【0065】検索処理部3はこの表示指令に従って該地点のメモ情報をメモ情報記憶部16から読出して表示処理部5に与え、表示処理部5はこのメモ情報のウインドウ表示処理を実行する(ST77)。また、ここではメモ情報の書替えが可能となっている。例えば入力処理部2は、携帯者により画面内のキーワードのいずれかが2回タッチ操作されると、該キーワードのコメントの登録指令を登録部4に送出する。登録部4はこの登録指令により表示処理部5を介して該コメントを画面から消去し、しかる後、該コメントが新たにペン入力されてから実行ボタンがタッチ操作されると、このコメントをメモ情報記憶部16に登録することにより、メモ情報の書替えを実行する。また、入力処理部2は、携帯者にキャンセルボタンがタッチ操作されると、該地点における名称のウインドウ表示に戻る旨の表示指令を表示処理部5に与えることにより、本実施例装置をステップST74に戻す。
(6)ランドマークの表示
図17は住所録、ビジネスポイント及びメモ情報のカテゴリから選択された複数の地点のランドマーク表示動作を説明するためのフローチャートであり、図18はランドマーク表示された地点の情報の参照動作を説明するためのフローチャートである。
【0066】いま、携帯者により特別ボタン35がタッチ操作されたとする。入力処理部2はこの特別ボタン35のタッチ操作に従ってランドマーク表示、ポイントリスト表示及びカテゴリ登録の3つの機能を選択するための機能選択画面の表示指令を表示処理部に送出する(ST81)。表示処理部は、図19(k)に示すように、この表示指令に従って機能選択画面47の表示処理を実行する(ST82)。
【0067】ここで、入力処理部2では、携帯者のタッチ操作により、機能選択画面47のうちの“ランドマーク表示”が選択されると(ST83)、住所録、ビジネスポイント及びメモ情報のカテゴリを示すエントリリストを表示する旨の表示指令をリスト作成部6に送出する。リスト作成部6はこの表示指令に従って結合情報テーブル17内に登録済の情報を対象としたエントリリストを作成し、図19(l)に示すように、作成結果をエントリリスト48として表示処理部5を介して表示させる(ST84)。
【0068】続いて、エントリリスト48では、リストページ移動ボタン48aによるページ移動操作及び実行ボタン48bあるいはキャンセルボタン48cのタッチ操作により、住所録記憶部12の内容、ビジネス情報記憶部13の内容及びメモ情報記憶部16内でカテゴリにより区分される内容のうちのいくつかがランドマーク表示内容として指定あるいは指定解除され、実行ボタンの2回連続のタッチ操作により、ランドマーク表示内容が確定される(ST85)。
【0069】また、入力処理部2では、このランドマーク表示内容の表示指令を検索処理部3に送出する。検索処理部3ではこの表示指令に従って結合情報テーブル17を参照してランドマーク表示内容に該当する地点の地図座標を検索し、検索結果を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの検索結果に基づいてステップST85で選択された内容に関するランドマークの表示処理を実行する(ST86)。
【0070】このように、本実施例装置は、住所録、ビジネスポイント及びメモ情報のカテゴリのうちの所望の内容についてランドマークを表示することができる。次に、入力処理部2では、携帯者の操作によりある地点のランドマークがタッチ操作されると(ST87)、該地点の情報の表示指令を検索処理部3に送出する。検索処理部3はこの表示指令と現在の表示内容とに基づいて該地点の地図座標を求めると共に、この地図座標に従って結合情報テーブル17内から該地点の名称を検索し、検索結果を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの検索結果に基づいて該地点の名称のウインドウ表示処理を実行する(ST88)。
【0071】続いて、入力処理部2は、携帯者により、ウインドウ画面のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が実行ボタンであるか否かを判定し(ST89)、実行ボタンでは無くキャンセルボタンのとき、ステップST88における名称の表示処理を取消して(ST90)処理を終了し、ステップST89の判定が実行ボタンのタッチ操作を示すとき、該地点の情報の表示指令を検索処理部3に送出する。
【0072】検索処理部3はこの表示指令に従って該地点の情報を住所録記憶部12、メモ情報記憶部16又はビジネス情報記憶部13のうちの該当する記憶部から読出して表示処理部5に与え、表示処理部5はこの情報のウインドウ表示処理を実行する(ST91)。なお、ステップST91で表示される情報は、該地点に該当する記憶部が住所録記憶部12の場合、氏名、会社名、所属、郵便番号、住所、電話番号及びファックス番号であり、メモ情報記憶部16の場合、キーワード及びコメントである。
【0073】このように、本実施例装置はランドマーク表示中の所望の地点を指定することにより、この指定地点の情報を表示することができる。
(7)ポイントリストの表示
図20は表示中の地図全体に住所録情報、ビジネス情報又はメモ情報として登録されている各情報のリスト表示及び該地点の検索表示動作を説明するためのフローチャートである。
【0074】いま、携帯者により特別ボタン35がタッチ操作されたとする。表示処理部5は、前述した通り、ランドマーク表示、ポイントリスト表示及びカテゴリ登録の3つの機能を選択するための機能選択画面47の表示処理を実行する(ST101)。
【0075】ここで、入力処理部2では、携帯者のタッチ操作により、機能選択画面47のうちの“ポイントリスト表示”が選択されると(ST102)、ポイントリストを作成する旨のリスト作成指令をリスト作成部6に送出する。リスト作成部6はこのリスト作成指令を受けると、表示処理部5内の現在表示中の詳細地図情報を読出し、この詳細地図情報に含まれる地図座標に対応する名称を結合情報テーブル17から検索し、検索結果を表示処理部5に送出する。表示処理部5はこの検索結果に基づいて現在表示中の地図内で結合情報テーブル17に登録済の各情報の名称をリスト化してウインドウ表示処理する(ST103)。
【0076】検索処理部3では、このリストに表示された各名称のうち、ある名称をタッチ操作で選択されると(ST104)、この名称に従って結合情報テーブル17内から該名称の地図座標を検索し、この地図座標に該当する地点をほぼ中心となるようにスクロールする旨の表示指令を表示処理部5に与える。表示処理部5はこの表示指令に基づいて詳細地図のスクロール表示処理を実行すると共に(ST105)、該地図座標に該当する指定地点のマーク表示処理を実行し(ST106)、該名称のウインドウ表示処理を実行する(ST107)。
【0077】このように、現在表示中の詳細地図の範囲において、結合情報テーブル17に登録済の地点をリスト化して表示でき、且つこのリストから選択された地点をマーク表示及び名称表示することができる。なお、ここで、携帯者によりウインドウ画面の実行ボタンがタッチ操作されると(ST108)、前述した通り、該地点の情報が表示され(ST109)、キャンセルボタンがタッチ操作されると、ウインドウ画面が消去される(ST110)。
(8)カテゴリ登録
図21はカテゴリの登録動作並びに削除動作を説明するためのフローチャートである。
【0078】いま、携帯者により特別ボタン35がタッチ操作されたとする。表示処理部5では、前述した通り、機能選択画面47の表示処理を実行する(ST111)。ここで、入力処理部2では、携帯者のタッチ操作により、機能選択画面47のうちの“カテゴリ登録”が選択されると(ST112)、カテゴリ入力ウインドウ画面の表示指令を表示処理部5に送出する。表示処理部5は、図22(m)に示すように、この表示指令に従ってカテゴリ入力ウインドウ画面49の表示処理を実行する(ST113)。このカテゴリ入力ウインドウ画面49では、携帯者のペン入力操作により、カテゴリがペン入力される(ST114)。
【0079】続いて、入力処理部2では、携帯者によりカテゴリ入力ウインドウ画面内のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類が実行ボタン49aであるか否かを判定し(ST115)、実行ボタン49aではなく削除ボタン49bであるとき、該カテゴリの削除指令を登録部4に送出し、実行ボタンであるとき、該カテゴリの登録指令を登録部4に送出する。登録部4は、削除指令を受けたとき、この削除指令に従って結合情報テーブル17内の該カテゴリに対応する地点の登録及びカテゴリ一覧記憶部14内のカテゴリ等の登録を末梢することにより、カテゴリを削除して(ST116)処理を終了する。
【0080】一方、登録部4は該カテゴリの登録指令を受けたとき、該カテゴリに対応するキーワードを設定するためのキーワード項目設定ウインドウの表示指令を表示処理部5に送出する。表示処理部5は、図22(n)に示すように、この表示指令に基づいてキーワード項目設定ウインドウ画面50の表示処理を実行する(ST117)。
【0081】ここで、入力処理部2では、携帯者により、キーワード項目設定ウインドウ画面50内のボタンがタッチ操作されると、このタッチ操作されたボタンの種類がランドマーク設定ボタン50aであるか否かを判定し(ST118)、この判定結果がランドマーク設定ボタン50aを示さないとき、ステップST121に進み、ステップST118の判定結果がランドマーク設定ボタン50aを示すとき、ランドマーク一覧の表示指令を表示処理部5に送出する。
【0082】表示処理部5は、図23(o)に示すように、この表示指令に従ってデータベース部1からランドマーク一覧情報を読出してランドマーク一覧ウインドウ51の表示処理を実行する(ST119)。このランドマーク一覧ウインドウ51は、表示された複数種類のランドマークのうちの任意のランドマーク51aが携帯者のタッチ操作により選択されると(ST120)、図23(p)に示すように、この選択されたランドマーク51aを登録用に残して表示解除される。
【0083】続いて、キーワード項目設定ウインドウ画面50では、携帯者のペン入力操作により、現在登録操作中のカテゴリに対応するキーワードがペン入力され(ST1212)、しかる後、携帯者のタッチ操作により実行ボタン50bがタッチ操作される(ST122)。
【0084】入力処理部2では、実行ボタン50bのタッチ操作により、カテゴリ入力ウインドウ画面49にペン入力されたカテゴリ、キーワード項目設定ウインドウ画面50にペン入力されたキーワード及びランドマーク一覧ウインドウ51で選択されたランドマーク51aを組にして登録する旨の登録指令を登録部4に送出する。
【0085】登録部4はこの登録指令に基づいてこれらカテゴリ、キーワード及びランドマークをカテゴリ一覧記憶部14に登録すると共に、登録完了を示すメッセージの表示指令を表示処理部5に送出して表示処理部5に登録完了メッセージを表示させ(ST123)、カテゴリの登録処理を終了する。
【0086】このように、本実施例装置は、カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを登録することができる。上述したように本実施例によれば、地図情報記憶部11、住所録記憶部12、ビジネス情報記憶部13、カテゴリ一覧記憶部14、ランドマーク一覧記憶部15、メモ情報記憶部16、結合情報テーブル17を備えたデータベース部1を設けている。
【0087】これにより、ステップST1乃至ステップST16に述べたように、携帯者により所望の地点が指定された後、名称の一部が入力されると、リスト作成部6により、名称の一部に基づいて住所記憶部を検索し、当該検索結果をリストにして表示し、登録部4はリスト内の名称が選択されると、この名称と指定地点の地図座標とを結合情報テーブルに登録するので、名称からリストを作成することにより、人手による住所録の検索の手間を省略し、効率的に地図位置と住所録を対応させることができる。
【0088】また、ステップST1a乃至ステップST22に述べたように、携帯者により名称の一部が入力されると、リスト作成部6により、名称の一部に基づいて住所記憶部を検索し、当該検索結果をリストにして表示し、しかる後、携帯者によりリスト内の名称が選択されると、検索処理部3の検索により、この名称に対応する住所を含む詳細地図が表示処理され、この詳細地図内の地点が指定されたとき、登録部4が、該名称と指定地点の地図座標とを結合情報テーブルに登録するので、名称入力後に変更表示された地図から所望の地点を指定できることにより、予め該当する詳細地図を探す必要を無くし、連続した登録を容易に実行することができる。
【0089】さらに、ステップST31乃至ステップST47に述べたように、携帯者のペン入力操作により、名称又は住所が指定されたとき、リスト作成部6が検索処理部3が住所録記憶部12を参照して該当するリストを作成し、携帯者のタッチ操作により、名称又は住所が指定されたとき、検索処理部3の検索により、該指定された名称等に該当する地点を含む詳細地図を表示するので、人手による煩雑な検索作業を省略し、使用性を向上させることができる。
【0090】また、ステップST51乃至ステップST59に述べたように、登録部4により、カテゴリ一覧が表示され、携帯者によりカテゴリが選択され、且つカテゴリに対応するキーワード毎にコメントが入力されると、カテゴリ、キーワード及びコメントを結合情報テーブル17に登録するので、メモ情報の検索の容易化を図ることができる。
【0091】さらに、ステップST61乃至ステップST77に述べたように、携帯者により、カテゴリ、キーワード及びコメントが入力されると、検索処理部3の検索により、入力内容に対応するメモ情報をリスト化し、このリストから名称が選択されると、選択された名称の地点のマーク表示が実行されるので、カテゴリで分野を限定し、且つ限定された分野内でキーワード検索することにより、検索の正確性を確保できると共に、人手による地図及び地図上の地点の検索作業を省略し、一層使用性を向上させることができる。
【0092】また、ステップST81乃至ステップST86に述べたように、携帯者により、住所情報、ビジネスポイント情報及びメモ情報のカテゴリが選択されると、検索処理部3の検索により、選択内容におけるランドマークを表示するので、地図上の位置の把握を容易化し、且つ複数のカテゴリの表示中に各カテゴリにおける位置関係の把握の適格性を向上させることができる。
【0093】さらに、ステップST87乃至ステップST91に述べたように、表示中のランドマークが携帯者により選択されると、検索処理部3の検索により、該選択されたランドマークに対応する情報が表示されるので、人手による煩雑な検索作業を省略し、より一層使用性を向上させることができる。
【0094】また、ステップST101乃至ステップST110に述べたように、リスト作成部6により、現在表示中の詳細地図に含まれて且つ結合情報テーブルに登録済の情報のリストを作成し、このリストから名称が選択されると、この名称の地点のマーク表示及びスクロール表示を実行するので、人手による煩雑な検索作業を省略し、より一層使用性を向上させることができる。
【0095】さらに、ステップST111乃至ステップ123に述べたように、携帯者により、カテゴリ、キーワード及びランドマークが入力されると、登録部4が、これらの入力内容を結合情報テーブル17に登録するので、メモ情報の検索の容易化、地図上における位置の把握の容易化及び位置関係における把握の適格性の向上を期待することができる。
【0096】上記実施例では、ステップST68において候補の無い旨を表示して処理を終了する場合について説明したが、これに限らず、候補の無い旨を表示した後にステップST15及びステップST16と同様に再入力の有無を確認して再入力無しのときに処理を終了し、再入力有りのときにウインドウ画面をリセットしてステップST65に戻る手順としても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0097】
【発明の効果】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】以上説明したように請求項1の発明によれば、複数のランドマークと、複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークとが記憶され、カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と地図情報とが対応して記憶される対応情報記憶手段とを設け、カテゴリ登録部が、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及びランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを登録し、地点表示手段が、メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する。このように、前述した煩雑な検索作業の省略に加え、カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを登録することができる。
【0102】
【0103】
【0104】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る地図表示装置の構成を示す機能ブロック図
【図2】同実施例における結合情報テーブルの構成図
【図3】同実施例における表示画面を示す模式図
【図4】同実施例における表示画面を示す模式図
【図5】同実施例における表示画面を示す模式図
【図6】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図7】同実施例における表示画面を示す模式図
【図8】同実施例における表示画面を示す模式図
【図9】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図10】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図11】同実施例における表示画面を示す模式図
【図12】同実施例における表示画面を示す模式図
【図13】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図14】同実施例における表示画面を示す模式図
【図15】同実施例における表示画面を示す模式図
【図16】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図17】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図18】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図19】同実施例における表示画面を示す模式図
【図20】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図21】同実施例における動作を説明するためのフローチャート
【図22】同実施例における表示画面を示す模式図
【図23】同実施例における表示画面を示す模式図
【符号の説明】
1…データベース部、2…入力処理部、3…検索処理部、4…登録部、5…表示処理部、6…リスト作成部、7…表示部、8…スクロール制御部、11…地図情報記憶部、12…住所録記憶部、13…ビジネス情報記憶部、14…カテゴリ一覧記憶部、15…ランドマーク一覧記憶部、16…メモ情報記憶部、17…結合情報テーブル
 
訂正の要旨 (1)訂正事項a:全文訂正明細書中の特許請求の範囲
請求項1から請求項5を削除し、請求項6を請求項1とするように、「地図情報に基づいて地図を表示する地図表示装置において、互いに異なる複数のランドマークが記憶されたランドマーク一覧記憶部と、互いに異なる複数のカテゴリ及び各カテゴリに対応してキーワード並びにランドマークが記憶されるカテゴリ一覧記憶部と、入力されたカテゴリ、入力されたキーワード及び前記ランドマーク一覧記憶部の記憶内容から選択されたランドマークを組にして登録する旨の登録指令に基づいて、該カテゴリに対応してキーワード及びランドマークを前記カテゴリ一覧記憶部に登録するカテゴリ登録部と、前記カテゴリ登録部により登録されたカテゴリ及びキーワードの組毎に、メモ情報が記憶されるメモ情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段に記憶されたメモ情報と前記地図情報とが対応して結合情報テーブルに記憶される対応情報記憶手段と、前記メモ情報記憶手段内のあるメモ情報が指定されたとき、前記対応情報記憶手段内の対応関係に基づいて、前記指定されたメモ情報に対応する地図情報に従って地図を表示処理し、且つこの地図内で前記指定されたメモ情報に対応する地点をランドマークにより表示する地点表示手段とを備えた地図表示装置。」と訂正する。
(2)訂正事項b
訂正事項aに伴い、特許請求の範囲との整合性を図るため、明瞭でない記載の釈明、誤記の訂正を目的として、以下の補正を行なう。
▲1▼明細書【0007】から【0011】を削除する。
▲2▼明細書【0012】第1行目「さらに、請求項6に対応する発明は、」を、「請求項1に対応する発明は、」となるように、訂正する
▲3▼明細書【0014】から【0016】を削除する。
▲4▼明細書【0018】第1行目「さらに、請求項6に対応する発明は、」を、「従って、請求項1に対応する発明は、」となるように、訂正する。
▲5▼明細書【0097】から【0099】を削除する。
▲6▼明細書【0101】第1行目「さらに、請求項6に対応する発明によれば、」を、「以上説明したように請求項1の発明によれば、」となるように、訂正する。
異議決定日 2003-02-04 
出願番号 特願平6-98788
審決分類 P 1 652・ 121- ZA (G06F)
最終処分 取消  
特許庁審判長 斎藤 操
特許庁審判官 村上 友幸
徳永 民雄
登録日 2000-12-01 
登録番号 特許第3134664号(P3134664)
権利者 凸版印刷株式会社
発明の名称 地図表示装置  

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