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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B01D
管理番号 1077955
異議申立番号 異議2001-70974  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-09-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-03-28 
確定日 2003-03-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3094055号「フィルタ装置及びレジスト処理システム」の請求項7ないし10、17ないし20に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3094055号の請求項7ないし9、16ないし18に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3094055号の請求項1〜20に係る発明についての出願は、平成6年5月12日(優先権主張 平成5年5月18日、平成5年12月10日、日本)になされ、平成12年7月28日に、その発明について特許の設定登録がなされ、その後、請求項7〜10、17〜20に係る発明の特許について、特許異議申立人山下千代子より特許異議の申立てがなされ、平成13年9月4日(平成13年8月22日付け)に取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年11月2日に訂正請求がなされ、特許異議申立人に対し審尋がなされ、これに対し回答書が提出され、次いで、平成13年11月2日付け訂正請求に対し補正指令が通知され、その指定期間内に手続補正書(平成15年2月20日付け)が提出されたものである。

2.訂正の適否についての判断
平成13年11月2日付け訂正請求は、平成15年2月20付け手続補正書により誤記が補正されたので、以下、補正された訂正請求について、訂正の適否を判断する。
2-1.訂正の内容
a.特許請求の範囲の請求項7の
「【請求項7】外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とするフィルタ装置。」を
「【請求項7】外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするフィルタ装置。」
と訂正する。

b.特許請求の範囲の請求項9を削除する。

c.特許請求の範囲の請求項10の
「【請求項10】さらに・・・特徴とする請求項9記載のフィルタ装置。」を
「【請求項9】さらに・・・特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。」
と訂正する。

d.特許請求の範囲の請求項11の請求項番号を1つ繰り上げて、「請求項10」と訂正する。

e.特許請求の範囲の請求項12〜16の
「【請求項12】上記フィルタエレメントは・・・特徴とする請求項11記載のレジスト処理システム。
【請求項13】上記フィルタエレメントは・・・特徴とする請求項11記載のレジスト処理システム。
【請求項14】さらに・・・特徴とする請求項13記載ののレジスト処理システム。
【請求項15】さらに・・・特徴とする請求項14記載のレジスト処理システム。
【請求項16】第1のフィルタエレメントが・・・特徴とする請求項13記載のレジスト処理システム。」を
「【請求項11】上記フィルタエレメントは・・・特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項12】上記フィルタエレメントは・・・特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項13】さらに・・・特徴とする請求項12記載ののレジスト処理システム。
【請求項14】さらに・・・特徴とする請求項13記載のレジスト処理システム。
【請求項15】第1のフィルタエレメントが・・・特徴とする請求項12記載のレジスト処理システム。」
と訂正する。

f.特許請求の範囲の請求項17の
「【請求項17】基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、
前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とするレジスト処理システム。」を
「【請求項16】基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、
前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするレジスト処理システム。」
と訂正する。

g.特許請求の範囲の請求項18の
「【請求項18】上記第1のフィルタエレメントは・・・特徴とする請求項17記載のレジスト処理システム。」を
「【請求項17】上記第1のフィルタエレメントは・・・特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。」
と訂正する。

h.特許請求の範囲の請求項19を削除する。

i.特許請求の範囲の請求項20の
「【請求項20】さらに・・・特徴とする請求項19記載のレジスト処理システム。」を
「【請求項18】さらに・・・特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。」と訂正する。

j.明細書の段落【0013】の
「【課題を解決するための手段】
本発明に係るフィルタ装置は、・・・ことを特徴とする。
本発明に係るフィルタ装置は、・・・第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、・・・ことを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、・・・第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とする。」を
「【課題を解決するための手段】
本発明に係るフィルタ装置は、・・・ことを特徴とする。
本発明に係るフィルタ装置は、・・・第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、・・・ことを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、・・・第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。」
と訂正する。

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
aの訂正は、訂正前の請求項9の「さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有すること」、明細書の段落【0040】の記載「この実施例のフィルタ装置9は、2つのエレメント92を持つ第1のフィルタ部91を有し、さらに2組のガス捕集管93、測定部94及び検出部95を有する。一方のガス捕集管93の吸入口は第1フィルタ部91のエレメント相互間に位置する。他方のガス捕集管93の吸入口は第2フィルタ部63のエレメント下部(フィルタ装置9の出口側)に位置する。各ガス捕集管93は各測定部94に連通し、各測定部94は各検出部95に接続されている。測定部94にはガスクロマトグラフィ―、イオンクロマトグラフィ―あるいはガス電極によるpH測定器を用いる。」、及び、図12を根拠として、請求項7の「フィルタ装置」は、さらに「吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段」を有することを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
bの訂正は、請求項9を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
cの訂正は、bの訂正により請求項9が削除されたことに伴い、請求項の項番号を繰り上げるとともに、その引用関係を整理する訂正であり、訂正後の請求項9で引用する訂正後の請求項7がaの訂正により減縮されたことに伴い、訂正後の請求項9は減縮されているから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
d、eの訂正は、bの訂正により請求項9が削除されたことに伴い、各請求項の項番号、及び、各請求項で引用する請求項の項番号をそれぞれ1つずつ繰り上げて整合させる訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
fの訂正は、訂正前の請求項19の「さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有すること」、明細書の段落【0040】の記載「この実施例のフィルタ装置9は、2つのエレメント92を持つ第1のフィルタ部91を有し、さらに2組のガス捕集管93、測定部94及び検出部95を有する。一方のガス捕集管93の吸入口は第1フィルタ部91のエレメント相互間に位置する。他方のガス捕集管93の吸入口は第2フィルタ部63のエレメント下部(フィルタ装置9の出口側)に位置する。各ガス捕集管93は各測定部94に連通し、各測定部94は各検出部95に接続されている。測定部94にはガスクロマトグラフィ―、イオンクロマトグラフィ―あるいはガス電極によるpH測定器を用いる。」、及び、図12を根拠として、訂正前の請求項17の「レジスト処理システム」は、さらに「吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段」を有することを限定するとともに、bの訂正により訂正前の請求項9が削除されたことに伴い、請求項の項番号を1つ繰り上げる訂正であるから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
gの訂正は、bの訂正により訂正前の請求項9が削除されたことに伴い、請求項の項番号、及び、引用する請求項の項番号をそれぞれ1つずつ繰り上げる訂正であり、訂正後の請求項17で引用する訂正後の請求項16がfの訂正により減縮されたことに伴い、訂正後の請求項17は減縮されているから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
hの訂正は、請求項19を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
iの訂正は、b、hの訂正により訂正前の請求項9、19が削除されたことに伴い、請求項の項番号を2つ繰り上げるとともに、その引用関係を整理する訂正であり、訂正後の請求項18で引用する訂正後の請求項16がfの訂正により減縮されたことに伴い、訂正後の請求項18は減縮されているから、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
jの訂正は、a、fの訂正に伴い、明細書の【課題を解決するための手段】の対応する記載を整合するよう訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当する。
そして、a〜jのいずれの訂正も、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
なお、特許異議申立人は、審尋に対する回答書において、a及びfの訂正は、訂正前の請求項に記載された事項によって構成される発明の具体的な目的の範囲を逸脱してその技術的事項を変更するものであるから、訂正要件を満足するものではなく認められない旨主張している。
しかしながら、本件明細書の段落【0012】に、「本発明の目的は、外気に含まれるアルカリ性の成分を高い効率で除去することができるフィルタ装置を提供することにある。」と記載されており、訂正後の請求項7及び請求項16に係る発明は、上記目的の範囲で、さらに、段落【0043】に記載されているように、フィルタエレメントの交換タイミングを適正化するものであるから、訂正前の発明の目的の範囲を逸脱して技術的事項を変更するものとは認められない。

2-3.訂正の適否についての判断
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立についての判断
3-1.申立て理由及び取消理由の概要
特許異議申立人は、甲第1〜8号証を提出して、本件請求項7〜9、17〜19に係る発明は甲第1〜7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本件請求項10、20に係る発明は甲第1〜8号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項7〜10、17〜20に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきである、と主張している。
なお、平成13年8月22日付け取消理由通知の取消理由の概要は、上記申立て理由の概要と同趣旨である。

3-2.本件発明
上記2で示したとおり、上記訂正が認められるから、特許異議申立の対象である発明は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項7〜9、16〜18に記載された次のとおりのものである。
「【請求項7】外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするフィルタ装置。
【請求項8】上記第1のフィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。
【請求項9】さらに、測定検出されたアルカリ分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。
【請求項16】基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、
前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするレジスト処理システム。
【請求項17】上記第1のフィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。
【請求項18】さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。」

3-3.刊行物に記載された発明
平成13年8月22日付けの取消理由において引用された刊行物1(米国特許第5195922号明細書、特許異議申立人の提出した甲第1号証と同じ)には、「プロセス装置を取り巻く雰囲気や環境を制御するシステム」に関し、
(摘示1)「各ウエハには、感光性のフォトレジストコーティングが塗布され、ウエハステッパーがフォトレジストコーティングを露光するために使用される。コーティングの露光により、各ウエハ上にいくつかの集積チップの像を含む多数のプリントが作成される。
露光に続いて、フォトレジストコーティングは現像され、パターン化したプリントをシリコンウエハ上に固めるために焼き付けられる。」(第1コラム第24〜32行)
(摘示2)「図1は、この発明の雰囲気制御システム10を示し、このシステム10は、1乃至複数の隔離チャンバー14、HVAC装置18、少なくとも1つのCVFフィルター構造22及び1乃至複数の供給ダクト26を備えている。・・・前記モジュラーチャンバー14は、様々な処理、その他の機械や装置28を密閉して、互いに異なる装置28にとって必要となる様々な環境を形成すると同時に、機械や工作物を空気によって搬送されてくる汚染物質から保護している。」(第4コラム第6〜22行)
(摘示3)「図2に示されている矢印は、システム10中を再循環する流体の流れを例示している。図2に呼応したシステム10の実施形態において、HVAC装置18によって加圧されコンディショニングされた空気やその他の流体は、CVFフィルター構造22を通って供給管26へ流れる。供給調整弁46が開いている場合、流体は供給管26を通ってプレナム50へ流れ、その後微粒子フィルター58を備えた筐体54へ流れる。」(第4コラム第39〜46行)
(摘示4)「フレーム122とフィルター構造22は、プローブが様々なフィルター130を通り抜ける空気やその他の流体をサンプリングできるポート134を備えている。また、図4には、HVAC装置18からフィルター構造22へ入るコンディショニングされた空気やその他の流体のための上部ポート138が図示されている。下部ポート(図示せず)は、流体をフィルター構造22から供給管26へと流出させる。
システム10の少なくとも1つの実施形態において、フィルター構造22は、間隔をあけられた4枚のフィルター130、つまり1枚の厚さ1インチのファイバーグラスASHRAEフィルター(130a)と、2枚の厚さ1インチの活性炭フィルター(130b及び130c)と、1枚の厚さ2インチのファイバーグラスASHRAEフィルター(130d)とを含んでおり、それらはフィルター構造22内の上から下に配置されている。これらのフィルター130は、特定の微粒子を捕らえながら、そうしなければフィルター58(典型的なファイバーグラスULPAや同様のフィルター、またはカリフォルニア州サンクレメンテのY Square Ltd.が提供するウルトラフィルター)を通り抜けるかもしれない有機成分やその他の化学物質を吸収する。さらに、最下段に位置するASHRAEフィルター130dによって、いかなる炭微粒子も捕らえることによりフィルター構造22から流出しないようにするために使用することができる。」(第6コラム第16〜36行)
と記載され、
図1には、この発明の雰囲気制御装置を備えたモジュラーチャンバーの立面図が、図2には、図1で示す装置の2-2断面図が、図4には、図1で示す装置のCVFシステムが、それぞれ示されている。

同じく引用された刊行物2(特開昭55-162340号公報、特許異議申立人の提出した甲第2号証と同じ)には、
「(1)無機質担体にリン酸または/および酸性リン酸塩を担持、成型してなる脱臭剤。
(2)無機質担体が合成または天然のゼオライトであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の脱臭剤。
(3)酸性リン酸塩が、アルミニウム、鉄または亜鉛の酸性リン酸塩であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の脱臭剤。」(特許請求の範囲第1〜3項)
「・・・アンモニア、アミン等の塩基性悪臭ガスの脱臭について研究していたところリン酸や酸性リン酸塩と前記ガスとの反応性に注目して無機質担体にリン酸とリン酸塩の1種又は2種以上を添加して固形化したものが、脱臭能力は従来の脱臭剤より優れ、・・・」(第2頁左上欄12〜17行)
と記載されている。

同じく引用された刊行物3(特開昭57-1441号公報、特許異議申立人の提出した甲第3号証と同じ)には、
「(1)活性炭に酸性リン酸塩または/およびリン酸を担持成型してなることを特徴とする脱臭剤。
(2)活性炭は無機質担体と併用使用することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の脱臭剤。
(3)無機質担体が天然又は合成ゼオライト類、ベントナイト、ポールクレー、カオリンあるいは活性白土等の粘土類から選ばれた少なくとも1種の珪酸塩素化合物であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の脱臭剤。
(4)酸性リン酸塩がアルミニウム、鉄又は亜鉛の酸性リン酸塩であることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第3項記載の脱臭剤。」(特許請求の範囲第1〜4項)
「実施例1
粉末活性炭(ヤシガラ炭)10重量部に対して50重量%第一リン酸アルミニウムを10重量部混合し造粒機で長さ10mm、径3mmの大きさに造粒した。次いで100℃、3時間乾燥後、更に100℃〜300℃で2時間焼成し、それぞれ脱臭剤を調製した。このものを用いて・・・アンモニアの吸着量を測定した・・・
実施例2
粉末活性炭とポールクレーと75重量%リン酸を種々の割合で混合し実施例1と同様にそれぞれ脱臭剤を調製し、トリメチルアミンの吸着量及び強度測定を行ない・・・。」(第3頁右下欄第16行〜第4頁右上欄末行)
と記載されている。

同じく引用された刊行物4(特開平5-111607号公報、特許異議申立人の提出した甲第4号証と同じ)には、自動車用エアフィルタに関し、
「現在、各種フィルターが主に粒子除去用に使用されているが、このフィルター素材に放射線グラフト重合によりイオン交換基を導入すれば、圧力損失を変えないで、微粒子と有害ガスや臭気成分の同時除去材料にすることができる。」(第2頁右欄下から2行〜第3頁左欄3行)
「【0019】基材に導入するイオン交換基としては、カチオン交換基ではスルホン基、カルボキシル基やリン酸基」(第3頁右欄1〜3行)
「【0029】(実施例2)実施例1と同様の条件で不織布にスチレンをグラフト重合し、108%のグラフト率を得た。この繊維をクロロスルホン酸でスルホン化し、イオン交換容量2.7meq/gの強酸性カチオン交換繊維を得た。この不織布と実施例1の不織布をプリーツ状に重ね、自動車の車室内の空気吹き出し口に取付けた。」(第4頁左欄下から7〜末行)
と記載されている。

同じく引用された刊行物5(「POLYMERS IN MICROLITHOGRAPHY」American Chemical Society発行、1989年、第40〜56頁、特許異議申立人の提出した甲第5号証と同じ)には、化学増幅型レジストのポリマーおよび酸加速剤の影響に関し、
「しかしながら、殆どの化学増幅系においては、時期尚早に酸を破壊するという好ましくない副反応が発生する。つまり、水や酸素、イオン、またはポリマー上の反応点のような汚染物質との反応である(反応2および3)。これらの反応の割合は、汚染物質濃度とその固有の反応速度定数に依存する。」(第50頁下から3行〜第51頁2行)
と記載されている。

同じく引用された刊行物6(特開平4-126513号公報、 特許異議申立人の提出した甲第6号証と同じ)には、クリーンルームに関し、
「半導体用クリーンルーム内では、半導体を製造するため多くの薬品を使用しており、使用時に一部の薬品はガス状になってクリーンルーム内を汚染する。・・・汚染物質としてはフッ酸などの酸性ガス、アンモニアなどのアルカリ性ガス、ホルマリン、イソプロパノールなどの有機物質がある。・・・有害ガスの含有濃度が徐徐に高くなり半導体製品の品質、歩留りに悪影響を与えるという欠点がある。」(第2頁左下欄4〜18行)
と記載されている。

同じく引用された刊行物7(特開昭62-144732号公報、特許異議申立人の提出した甲第7号証と同じ)には、
「(1)空気を強制的に吸排し、生じた空気の流れの途中に消臭フィルターを設置して空気の浄化を行う空気清浄器であって、前記消臭フィルターの消臭能力を判別する手段を備えた空気清浄器。
(2)消臭能力を判別する手段が、消臭フィルター前後に設けられた2つのガスセンサー、それらの出力を比較する比較手段、その結果を表示する表示手段である特許請求の範囲第1項記載の空気清浄器。」(特許請求の範囲第1、2項)
「ガスセンサーは、対象ガスによって、たとえば、可燃性ガス用、アンモニアガス用、硫化水素ガス用等様々あるが、いずれを使用してもよい。」(第2頁左上欄17〜19行)
「この空気清浄器1は内蔵されたモータ4によりファン3が回転し、空気が矢印A方向より吸入される。器内に入った空気は、2枚のフィルター、活性炭添着ウレタンシートフィルター2aと消臭剤含浸活性炭添着ウレタンシートフィルター2bを通過して浄化され、矢印B方向へ排出される。・・・消臭フィルターの前後にガスセンサー5a、5bを配置し・・・2つのセンサーの出力の差を比較手段6により検知させ、表示手段7で読みとり、消臭フィルターの消臭効果をみる。」(第2頁右上欄7〜18行)
と記載され、
第1図には、ファン3の吸入側に消臭フィルター2a、2bが配置され、フィルターの前後にガスセンサー5a、5bを設けた空気清浄機が示されている。

同じく引用された刊行物8(特開平5-102088号公報、特許異議申立人の提出した甲第8号証と同じ)には、
「【請求項1】圧力センサーと自動圧力制御機能を有する半導体装置の製造装置において、圧力制御用の圧力センサーと、モニター用の圧力センサーと、複数の前記圧力センサーからの圧力値を比較する手段を有することを特徴とする半導体装置の製造装置。」(特許請求の範囲)
「【0005】又、圧力センサ4でモニターされた圧力値(デジタル信号15)は、コンピューター1へも常時出力され、又同時に|設定圧力信号7-デジタル信号15|の絶対値の計算が行われ、その値があらかじめ設定されている許容値を超えると、圧力異常のアラームを発生する。なおアラーム発生手段は、コンピューター1が許容値を超えた場合に出力する信号を入力してアラームを鳴らして圧力センサーの異常発生を知らせる装置である。」(第2頁左欄下から17〜9行)
と記載されている。

3-4.当審の判断
(1)本件請求項7に係る発明
刊行物1には、半導体チップを製造するシステム、具体的には、フォトレジストコーティングをウエハに塗布する手段と、フォトレジストコーティングをベークする手段とフォトレジストコーティングを現像する手段とからなるレジスト処理システムが記載され(摘示1、図1)、該システムは、1乃至複数のモジュラーチャンバー14、HVAC装置18、少なくとも1つのフィルター構造22、供給ダクト26等を備え、モジュラーチャンバー14は、互いに異なる処理装置28に必要な環境を形成すると同時に、工作物を空気によって搬送されてくる汚染物質から保護するために、処理装置28を密閉しているものであり(摘示2)、各処理装置28では、空気等は、フィルター構造22の上部に配置されたHVAC装置18により加圧され、図2の矢印の方向に、フィルタ構造22の上部ポート138を介してフィルター構造22を通って、供給管26へ流れ、供給調節弁46が開いている場合は、供給管26を通ってプレナム50を経由して、微粒子フィルター58を備えた筺体54へ流れるものである(摘示3、4、図2)。そして、フィルター構造22には、4つのフィルター130a〜130dがフレーム122に支持されて、フィルター構造22の上から下に配置されており、フィルター130a、130dはファイバーグラスフィルターであり、フィルター130b、130cは活性炭フィルターであり、これらのフィルターにより有機成分やその他の化学物質を吸収するものであり(摘示4)、微粒子フィルター58は、筐体54に支持されおり(摘示3、図2)、筐体54の枠体によって支持されているといえる。
本件請求項7係る発明(前者)と刊行物1記載の発明(後者)を対比すると、フィルター構造22、供給管26、供給調節弁46、プレナム50、微粒子フィルター58を備える後者の構造部分は、前者の「フィルタ装置」に相当し、上部ポート138(外気を取り入れるための開口部に相当)を備え内部にフレーム122を有するフィルター構造22、供給管26、プレナム50、及び、筺体54により包囲する後者の構造部分は、前者の「外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体」に相当し、後者の「フィルター130、130a〜130d、微粒子フィルター58」、「フィルター130、130a〜130d」、「微粒子フィルター58」は、それぞれ前者の「フィルタエレメント」、「第1のフィルタエレメント」、「第2のフィルタエレメント」に相当し、後者の「HVAC装置18」は、空気等を加圧して、上部ポート138を介してフィルタ構造22に取り入れ、微粒子フィルタ58へと流通させるための、開口部に外気を取り入れる手段であるから、両者は、
「外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を取り入れる手段と、この外気を取り入れる手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、第1のフィルタエレメントと、第2のフィルタエレメントと、を有するフィルタ装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

1.前者は、外気を取り入れる手段が、「吸引手段」であるのに対し、後者は、HVAC装置18の加圧手段である点。
2.前者は、第1のフィルタエレメントが「アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する」のに対し、後者は、有機成分やその他の化学物質を吸収するものであるとしか記載がない点。
3.前者は、第1のフィルタエレメントは「吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ」、第2のフィルタエレメントは「吸引手段の送り出し側に設けられ」、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有する」のに対し、後者は、第1及び第2のフィルタエレメントはともに、外気を取り入れる手段の下流側に設けられ、第1のフィルタエレメントは4枚のフィルター130a〜130dを上から下に配置して四段に設けられており、ガス捕集管及びアルカリ成分を測定検出する手段については記載されていない点。

各相違点について検討する。
相違点1について
刊行物7には、空気を強制的に吸排し、生じた空気の流れの途中に消臭フィルターを配置して空気の浄化を行う空気清浄器であって、ファン3により空気が吸入されて、空気清浄器に空気を強制的に吸排することが記載されており、ファン3は、吸い込み側と送り出し側を有する「吸引手段」である。
刊行物1記載のフィルタ装置においても、図2の矢印のように、HVAC装置18により加圧された空気等が、上部ポート138を介してフィルター構造22内のフィルター130(本件請求項7に係る発明の「第1のフィルタエレメント」に相当)に取り込まれた後、微粒子フィルター58(本件請求項7に係る発明の「第2のフィルタエレメント」に相当)へと流入、排出するものであるから(摘示3、4)、刊行物7に記載されるような吸引手段を、HVAC装置18に代えて設けることは、当業者にとって困難なことではない。

相違点2について
刊行物2、3には、アンモニア、アミン等の塩基性ガスを、ゼオライト等(本件請求項7に係る発明の「多孔質体」に相当)の無機質担体に、リン酸、酸性リン酸塩を担持した脱臭剤によって化学的反応により吸着除去することが記載され、刊行物4には、有害ガス、臭気など塩基性ガスを、スルホン基、カルボキシル基やリン酸基等のイオン交換基により化学的に吸着除去する自動車用エアフィルタが記載されているように、空気中のアルカリ成分を、酸成分により反応吸着して除去することは、本件出願前周知である。
刊行物1記載の発明は、レジスト処理システムにおいて、フィルター構造22内にフィルター130(本件請求項7に係る発明の「第1フィルタエレメント」に相当)を設けることにより空気中の有機成分やその他の化学物質を吸収除去するものであるが、吸収除去する具体的な成分や物質については記載されていない。しかしながら、この種のシステムにおいて塩基性の汚染物質の存在によって半導体製品の品質や歩留りに悪影響が及ぶという課題があることは刊行物5や刊行物に記載されており、このような課題を解決するためには、汚染物質の濃度を低減させることが有効な手段となることについては、本件出願前周知である。
そして、刊行物2、3に記載される脱臭剤、及び、刊行物4に記載される自動車用エアフィルタは、空気中の特定物質や成分を除去することを主目的とするフィルタリング技術である点で刊行物1記載の発明と技術的に共通であるから、刊行物1記載の発明において、塩基性汚染物質の濃度を低減させるという上記周知の目的で(刊行物5、6)、空気中のアルカリ成分を、酸成分により反応吸着して除去する手段(刊行物2〜4)を適用することは、当業者が容易になし得る事項である。

相違点3について
刊行物7には、ファン3(本件請求項7に係る発明の「吸引装置」に相当)の吸い込み側に消臭フィルター2a、2b(本件請求項7に係る発明の「フィルタエレメント」、「第1のフィルタエレメント」に相当)が二段に設けられ、消臭フィルター2a、2bの前後に2つのガスセンサー5a,5bを備え、2つのセンサーの出力の差を比較手段により検出させる空気清浄器が記載されており、ガスセンサーは、対象ガスによって、アンモニア(本件請求項7に係る発明の「アルカリ成分」に相当)ガス用が使用できることも記載されているから、第1のフィルタエレメントが吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、ガスに含まれるアルカリ成分を検出する手段が第1のフィルタエレメントの前後に位置するフィルタ装置が記載されているといえるが、刊行物7記載の空気清浄器は、吸引装置の送り出し側に第2のフィルタエレメントを有するものではなく、さらに、前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出するアルカリ成分用ガスセンサーについては記載がない。
よって、刊行物7には、相違点3の本件請求項7に係る発明の構成は記載も、示唆もされていない。
また、特許異議申立人が審尋に対する回答書に甲第9号証として添付した特開平5-9123号公報には、粗フィルタ(プレフィルタ)23及びイオン交換フィルタ10を備えた空気清浄器において、入口(粗フィルタ後方)及び出口(イオン交換フィルタ後方)に粒子測定器を用い、濃度を測定する技術が記載され、粗フィルタ23にもイオン交換フィルタを使用することも出来る旨も記載されている(第9欄38行〜第10欄12行、表1、第2図)から、イオン交換フィルタが二段に設けられ、二段に設けられたイオン交換フィルタの相互間で粒子濃度を測定する空気清浄器、及び、ガス捕集管も実質的に開示されているといえる。そして、イオン交換フィルタとしてカチオン交換基を有するものを使用した場合、アルカリ成分はイオン交換フィルタの酸成分に反応吸着するものであるから、二段に設けられたイオン交換フィルタは、本件請求項7に係る発明の「第1のフィルタエレメント」に相当するともいえる。
しかしながら、第2図によると、ファン部8(本件請求項7に係る発明の「吸引装置」に相当)は、二段に設けられたイオン交換フィルタの上部に配置されているから、二段に設けられたイオン交換フィルタは、吸引装置の吸い込み側に設けられたものではない上に、第2のフィルタエレメントについての記載はない。さらに、アニオン交換フィルタは負荷電の微粒子の捕集に、又カチオン交換フィルタは正荷電の微粒子の捕集に効果的であり(第9欄27〜29行)、第2図に示した空気清浄器の例は、煙草の煙を、粗フィルタ23とイオン交換フィルタ10(充填割合:アニオン交換フィルタ70%:カチオン交換フィルタ30%)を用いて浄化するもので、表1によると、入口(粗フィルタ後方)及び出口(イオン交換フィルタ後方)の粒子濃度はそれぞれ、11000個/l、3〜4個/lであることが示されているが、この粒子濃度は、負荷電粒子と正荷電粒子の合計の濃度であり、アルカリ成分を担持した粒子濃度を示すものではないから、本件請求項7に係る発明の「ガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段」も、開示されているとはいえない。
よって、回答書に添付した甲第9号証に記載される事項からは、相違点3の本件請求項7に係る発明の構成が、本件出願前周知であったとすることはできない。
そして、本件請求項7に係る発明は、上記相違点3に係る構成を具備することにより、外気に含まれるアルカリ成分が十分に除去されるという作用効果(明細書の段落【0014】)、及び、明細書の段落【0042】、【0043】に記載されるようなフィルタエレメントの交換のうえの格別な作用効果に加え、プロセス部内における風速を好ましい範囲にすることができるという作用効果(明細書の段落【0047】)を奏するものである。
したがって、本件請求項7に係る発明は、刊行物1〜7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件請求項8に係る発明
本件請求項8に係る発明において、その「外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有するフィルタエレメント」は、刊行物4に記載されるように本件出願前公知の事項であるが、その他の構成については、本件請求項7に係る発明と共通である。
したがって、本件請求項8に係る発明は、前記(1)で検討したように刊行物1〜7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件請求項9に係る発明
本件請求項9に係る発明において、その「測定検出値がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有する」点は、刊行物8に記載されるように本件出願前公知の事項であるが、その他の構成については、本件請求項7に係る発明と共通である。
したがって、本件請求項9に係る発明は、前記(1)で検討したように刊行物1〜8に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)本件請求項16に係る発明
本件請求項16に係る発明は、レジスト処理システムの発明であるが、その特徴とする構成は、本件請求項7に係る発明と同じである。
したがって、本件請求項16に係る発明は、前記(1)で検討したように刊行物1〜7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(5)本件請求項17に係る発明
本件請求項17に係る発明は、レジスト処理システムの発明であるが、その特徴とする構成は、本件請求項8係る発明と同じである。
したがって、本件請求項17に係る発明は、前記(2)で検討したように刊行物1〜7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(6)本件請求項18に係る発明
本件請求項18に係る発明は、レジスト処理システムの発明であるが、その特徴とする構成は、本件請求項9に係る発明と同じである。
したがって、本件請求項18に係る発明は、前記(3)で検討したように刊行物1〜8に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項7〜9、16〜18に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項7〜9、16〜18に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
フィルタ装置及びレジスト処理システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】 上記フィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
【請求項3】 上記フィルタエレメントは、上記吸引手段の吸い込み側に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む上記多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、上記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
【請求項4】 さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有することを特徴とする請求項3記載のフィルタ装置。
【請求項5】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項4記載のフィルタ装置。
【請求項6】 第1のフィルタエレメントが二段になっていることを特徴とする請求項3記載のフィルタ装置。
【請求項7】 外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするフィルタ装置。
【請求項8】 上記第1のフィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。
【請求項9】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。
【請求項10】 基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とするレジスト処理システム。
【請求項11】 上記フィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項12】 上記フィルタエレメントは、上記吸引手段の吸い込み側に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む上記多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、上記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項13】 さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有することを特徴とする請求項12記載のレジスト処理システム。
【請求項14】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項13記載のレジスト処理システム。
【請求項15】 第1のフィルタエレメントが二段になっていることを特徴とする請求項12記載のレジスト処理システム。
【請求項16】 基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするレジスト処理システム。
【請求項17】 上記第1のフィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。
【請求項18】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は半導体ウェハ等の基板をレジスト処理するシステムに用いられるフィルタ装置及びそのようなフィルタを備えたレジスト処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造のフォトレジスト処理工程にあっては、半導体ウエハ上に形成された例えばSiO2などの薄膜上にレジストを塗布し、レジスト膜を所定のパタ―ンで露光した後に現像し、マスクパタ―ンを形成している。このような処理を行うためにレジスト処理システムが用いられている。
【0003】
レジスト処理システムは、疎水化処理(アドヒ―ジョン)部、レジスト塗布部、ベーキング部、露光部、現像部などを備えている。レジスト処理システムのプロセス部(露光部を除く)には搬送路が設けられ、レジスト塗布部やべーキング部が搬送路の両側に設けられている。搬送アーム機構が搬送路上を走行可能に設けられ、この搬送アーム機構によってウエハが疎水化処理部やレジスト塗布部にそれぞれ搬送されるようになっている。露光部は外部機構としてプロセス部に連結されている。
【0004】
ところで近年の急激なデバイスの集積化に伴いフォトリソグラフィ技術についても改良がなされている。例えばDRAMの場合、4MのDRAMのパタ―ンについては、0.7〜0.8μm程度の線幅が要求されており、露光の光源としてはg線やi線などが用いられると共にレジスト材料としてはノボラック系の樹脂が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら次世代のデバイス、例えば16Mビット、64Mビットあるいはそれ以上の容量のDRAMに対応するためには光源波長の短波長化を進めることが必要であり、例えばエキシマレ―ザ光などの紫外線が有力視されている。しかし、ノボラック系樹脂は短波長光に対して光吸収率が相当大きいので、エッチングされたレジスト側壁の垂直性(形状)が悪い。
【0006】
そこで最近ではノボラック系樹脂の代わりに化学増幅型のレジスト材料が用いられるようになってきている。化学増幅型のレジスト材料は、露光すると感光剤から酸が発生し、この酸がベーキングにより拡散して触媒として作用する。酸の作用によりレジスト材料の主成分であるベ―ス樹脂が分解されたり分子構造が変化し、その結果レジスト材料は現像液に対して可溶性あるいは不溶性となる。
【0007】
各種化学増幅型のレジスト材料の特徴を下記(1)〜(3)にあげる。
(1)例えばポリビニルフェノ―ルなどのポリマ―中の水酸基をアルキル基やシリル基でブロックし、酸によりこのブロックを外してアルカリ可溶性を回復させる(ポジ型レジスト)。
【0008】
(2)ノボラック樹脂に溶解阻止作用を示す物質を混合し、露光により生成した酸の触媒作用で溶解阻止成分を分解、変性させて溶解性を復元または促進させる。
【0009】
(3)酸発生剤、架橋剤及びベ―ス樹脂によりレジスト材料を構成し、酸触媒縮合反応により架橋剤がベ―ス樹脂を硬化(架橋)し、この架橋反応がアルカリ水溶液に対する溶解性を著しく低下させる。
【0010】
従って、化学増幅型のレジスト材料は、触媒(酸)1分子が複数の化学反応に寄与するため、従来のものに比べて原理的に光感度が高く、また短波長領域における光透過率が高くなる。このため、化学増幅型のレジスト材料にエキシマレ―ザ光を用いた場合に、膜厚方向の光強度分布を緩和することができ、結果として0.3μmレベルの線幅に対応することができる。しかしながら上述の化学増幅型のレジスト膜にパタ―ンを形成する場合に、露光後のベーキング及び現像工程において、パタ―ンの平面形状及び深さ方向の形状(コンタクトホール形状)が劣化するという問題点がある。
【0011】
例えば上述(1)のポジ型レジストの場合は、図1(a)に示すように露光部3bのレジスト中に酸(水素イオン)が発生し、図1(b)に示すように酸がアルカリ成分(アルカリ性の成分)と反応して中和層4が形成される。この中和層4では現像液に対して不溶性又は難溶性の化合物が生成されるので、図1(c)に示すように現像後においても不溶化部5が残留する。不溶化部5はコンタクトホール6の開口を狭めるので、後工程においてエッチング不良を生じる。なお、符号2はシリコン基板を、符号3aは未露光部を示す。
【0012】
ところで上述のアルカリ成分は、空気中に含まれている微量なアンモニア、あるいは壁の塗料や疎水化処理に用いられるHMDS(ヘキサメチルジシラサン)から発生するアミンに起因している。外気中に含まれるこれらの微量アルカリ成分がレジスト膜の表面近傍の酸と反応すると推定されている。本発明の目的は、外気に含まれるアルカリ性の成分を高い効率で除去することができるフィルタ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフィルタ装置は、外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とする。
本発明に係るフィルタ装置は、外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
【作用】
多孔質体を酸溶液に浸漬すると、微細孔に酸溶液が侵入する。そして遠心分離機により処理すると、微細孔内の酸溶液がはじき飛ばされて空洞が形成され、その内壁面に酸溶液の分子が吸着した状態となる。更にこの多孔質体をプレスすることにより微細孔の密度が高まり、しかも多孔質体の微細孔は形状が揃っており、また規則正しく配列されているので比表面積が大きく、従ってアルカリ成分を高い効率で除去できる。また、酸成分を含む多孔質体をもつ第1のフィルタエレメントを吸引手段の吸い込み側に二段に設けるので、十分な吸着表面積が確保され、外気に含まれるアルカリ成分が化学増幅型レジストの露光現像処理に無害な程度になるまで十分に除去される。
【0015】
【実施例】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の種々の実施例について説明する。図2、図3、図4に示すように、レジスト処理システムはプロセス部20、ロード/アンロード部21、インターフェイス部22及び露光部100を備えている。プロセス部20には搬送路31が設けられ、搬送路31上をロボット30が走行するようになっている。搬送路31はロード/アンロード部21からインターフェイス部22のところまで設けられており、ロボット30のアーム機構によって半導体ウェハWが搬送されるようになっている。搬送路31の両側には処理ユニット40,51,52,53,54が並んでいる。露光部100はインターフェイス部22を介してプロセス部20に連結されている。
【0016】
ロード/アンロード部21はカセット載置用のステ―ジ23を備えている。カセットステージ23には移載機構21aが設けられ、移載機構21aによってウェハカセットがX軸、Y軸、Z軸、θ回転軸の各方向に移動されるようになっている。なお、インターフェイス部22の移載機構22aは実質的に上記移載機構21aと同じである。
【0017】
疎水化(アドヒ―ジョン)処理部40ではHMDS(ヘキサメチルジシラサン)の蒸気によりウエハ表面を疎水化し、これによりウエハ表面へのレジスト膜の密着性を向上させる。レジスト塗布部51では化学増幅型のレジスト液がウエハに均一に塗布される。
【0018】
ベーキング部52はウエハWを加熱する加熱板を有する。ベーキング部52ではウエハWに塗布されたレジスト材から溶剤を蒸発させ、あるいは露光後のレジスト膜をベークして露光時に発生した酸を拡散させる。4つのベーキング部52を交互に使うことによりスル―プットを向上させるようになっている。冷却部53は、処理部40での疎水化処理後、塗布部51でのレジスト塗布前にウェハWを冷却するためのものである。現像部54は、露光後、ベーキング部52を経たウエハWに対してアルカリ性の現像液により現像を行うためのものである。なお、プロセス部20及びロード/アンロード部21の上部には電源ユニット24及びフィルタユニット70がそれぞれ設けられている。また、インターフェイス部22の上部にはフィルタユニット70aのみが設けられている。
【0019】
図5に示すように、システム全体はカバ―16で覆われ、このカバ―16の上面側には空気取り入れ口60が設けられている。カバ―16の前後にはウエハ搬入出口がそれぞれ形成されている。なお、カバ―16は一体のものである必要はなく、メンテナンスや運搬の容易性などを考慮して別体ものを組み合わせたものであってもよい。
【0020】
図6に示すように、プロセス部20、ロード/アンロード部21並びにインターフェイス部22の床にはパンチングメタル板78が敷かれている。ダウンフローエアはパンチングメタル板78の孔78aを通って床下空間79に流れ込むようになっている。ダクト77はカバー16の外に設けられ、空気取り入れ口60および床下空間79の両者に連通している。エアはフィルタ装置70a、インターフェイス部22、床下空間79、ダクト77を循環するようになっている(セミクローズドシステム)。
【0021】
図2に示すように、プロセス部20及びロード/アンロード部21の空気取り入れ口60には3個のフィルタユニット70が設けられている。一方、インターフェイス部22の上部には1個のフィルタユニット70aが設けられている。
【0022】
図5に示すように、フィルタユニット70の四方は支持枠72で取り囲まれている。支持枠72内には、上から順に第1のフィルタ部61、ファン62、第2のフィルタ部63が設けられている。なお、フィルタユニット70内の第1フィルタ部61および第2フィルタ部63は支持枠72から取り外せるので、第1フィルタ部61および第2フィルタ部63を新品に取換えることが容易である。
【0023】
第1のフィルタ部61は、空気中に含まれるアンモニアやアミンなどのアルカリ成分を数PPb以下のオーダーに抑えるためのケミカルフィルタである。第2のフィルタ部63は、空気中に含まれるパ―ティクルを除去するためのものである。
【0024】
図7に示すように、第1フィルタ部61のエレメント71はシ―ト71aを蛇腹状に折り曲げた形状をなしている。シ―ト71aとシ―ト71aとの間をエアが通過するようになっている。図8に示すように、各シ―ト71aの相互間には部材71bが設けられ、フィルタエレメント71は全体としてハニカム構造をなしている。シ―ト71a及び部材71bは炭素繊維でできている。エレメント71にはリン酸が添着されている。
【0025】
第2フィルタ部63は、フィルタエレメントの材質としてグラスファイバよりなるシ―トを用いた点と、シ―トにはリン酸を添着していない点とを除けば、第1のフィルタ部61と実質的に同じである。なお、第1及び第2のフィルタ部61、63に用いられるガスケットの材質としては、アンモニアの発生が少ないものが望ましく、例えばシリコンゴムやPVCなどが好適である。これらの材質は超純水に浸漬してアンモニアの溶出量を測定したところ1cm2当り20ng/cm2以下の溶出量であるので、空気中ではアンモニアが実質的に発生しない。
【0026】
次に、上記システムを用いてウェハWをレジスト処理する場合について説明する。8インチ径のウエハWをプロセス部20に搬入し、これをアドヒージョン処理し、冷却し、レジスト塗布し、べークする。次に、ウエハWをインターフェイス部22を介して露光部100に搬入し、露光する。ウエハWをプロセス部20に戻し、ベーキング部52に入れる。ウエハWをベークすると、レジスト膜の露光された部分に酸が発生する。そして、レジスト膜中で酸が拡散して酸触媒反応が起こり、レジスト膜は現像液に対して可溶になる。
【0027】
外気はフィルタユニット70のファン62によりプロセス部20内に引き込まれる。この外気(例えばクリ―ンル―ムの中の空気)には、壁の塗料などから発生したアンモニアやアミンなどのアルカリ成分が微量ながら含まれている。これらのアルカリ成分は、第1フィルタ部61のエレメント71を通過するときにリン酸と中和反応を起こしてトラップされる。
【0028】
表1は、酸を添着した各種材質のフィルタエレメントを用いて、エアに含まれるアンモニアの捕集効率を調べた結果である。

ただし、試料1〜3のエレメントは厚さ49mmである。なお、試料3の厚さを0.79mmとしてもよい。試料1及び試料2のエレメントは所定の気孔率及び平均気孔径の多孔質ペレットでできている。試料3の繊維の太さは約15μmである。
【0029】
試料1及び試料2のエレメントにおいてはゼオライト及び活性炭にそれぞれリン酸が物理的に吸着している。活性炭はペレット状(多孔質体)のみならず、繊維状のもの(いわゆる炭素繊維)を用いてもよい。炭素繊維をフィルタエレメントに用いる場合は複数枚の炭素繊維シートを重ね合わせる。炭素繊維の太さは約15μmである。一方、試料3のエレメントにおいてはオレフィン系繊維のベースポリマーにスルホン酸基が化学結合している。
【0030】
試料1ではアンモニア濃度を15.87ppbから0.15ppbまで低減することができた。試料2ではアンモニア濃度を12.51ppbから0.06ppbまで低減することができた。試料3ではアンモニア濃度を10.76ppbから0.11ppbまで低減することができた。いずれの試料でも99%以上のアンモニア補集効率を得た。
【0031】
上記フィルタ装置によれば、プロセス部20内においてレジスト膜中の酸の中和が抑えられ、露光された部分が確実にアルカリ可溶化するので、レジスト膜を高精度に現像することができる。
【0032】
また、上記フィルタ装置によれば、レジスト塗布後のウェハWが搬入出口から搬出されるまでの間にアルカリ成分濃度の極めて低い雰囲気内に置かれるので、レジスト膜表面部へのアルカリ成分の吸着が抑えられる。
【0033】
化学増幅型のレジスト材料には例えばAPEX-E(IBM社の商品名)、AZ-DX46(HOECHST社の商品名)、AXT-248(シープレー社の商品名)などの種々のものを用いることができる。露光後のウエハWを、アンモニア濃度が1PPb程度及び10PPb程度の雰囲気にそれぞれ所定時間だけ放置したところ、前者の場合はパタ―ンの線幅±0.3%の合格基準をクリアしたが後者の場合パタ―ンが大幅に崩れた。従って化学増幅型のレジスト材料においてはアンモニア濃度が1PPb以下であればよいが、0.7PPb以下であれば更に好ましい。
【0034】
ここで本発明では、図9に示すように疎水化処理部40を構成することが好ましい。図中にて符号41は上下に分離可能な密閉容器である。この密閉容器41の上部中央にはHMDSガスを供給するためのガス供給管42が接続され、容器41の下部には第1排気管43が接続されている。密閉容器41の底部には熱板44が配置されている。この熱板44の上面より3本の保持ピン45が突出または退入するようになっている。ウエハWは突起部44aにより支持され、その裏面が熱板44から離れている。密閉容器41の側面にはゲ―ト46により開閉されるウエハWの搬入出口47が形成されている。
【0035】
密閉容器41はカバー18によって取り囲まれている。カバ―18はウエハWの搬入出口81を備えている。また、カバ―18には第2の排気管83が設けられている。第2排気管83は排気ポンプ82の吸込み側に連通している。第2排気管83の端部はクリ―ンル―ム内のダクトに連通している。
【0036】
このような疎水化処理部40によれば、密閉容器41内にてウエハWの上部中央からHMDSガスが供給されウエハWが疎水化処理される。その後第1の排気管43により排気しながらガス供給管42から不活性ガスが導入され、大気圧に戻ったときにゲ―ト64が開かれる。このとき密閉容器41の内壁面などに付着したHMDSが飛散して、微量のHMDSが密閉容器41の外に漏れ出す。この場合に密閉容器41はカバ―18で覆われており、常時カバ―18の内部が排気されているので、HMDSに含まれるアミン系成分はカバ―18の外部には漏れ出さない。
【0037】
さらに、図10及び図11を参照して疎水化処理部40について説明する。図11に示すように、疎水化処理部40はプロセス部20の棚の最下段に設置するのが好ましい。その理由は、図10に示すように疎水化処理部40を棚の最上段に設置すると、漏れ出たHMDSガス49がエアのダウンフローにのってプロセス部20内の広い範囲に拡がり、ガス49がウェハWに接触するからである。従ってガス49に含まれるアミン系成分によるレジスト膜の汚染を防止するためには、疎水化処理部40を棚の最下段に設置するほうがよい。図11に示すように、疎水化処理部40を棚の最下段に設置すると、漏れ出たHMDSガス49がプロセス部20内のきわめて狭い領域のみに限られ、ウェハWがアミン系成分によって汚染されなくなる。
【0038】
なお、疎水化処理部40の下方側には他の処理部が存在せず、かつ疎水化処理部40が搬送路31とほぼ同じ高さレベルに位置することから、漏洩ガス49の拡散領域は搬送路31に対してほとんど重ならない。従ってアミン系成分によりウエハWは実質的に汚染されなくなる。
【0039】
ここで、疎水化処理部40内の雰囲気を不活性ガスに置換し、アミン系成分の飛散量自体を少なくするようにすることも考えられるが、アミン系成分の濃度を極めて低い濃度(数ppbオーダー)に抑えるためには、長時間にわたって疎水化処理部40内をガス置換しなければならない。このため、スル―プットが低下してしまう。
【0040】
次に、図12および図13を参照しながら本発明の他の実施例について説明する。図12に示すように、この実施例のフィルタ装置9は、2つのエレメント92を持つ第1のフィルタ部91を有し、さらに2組のガス捕集管93、測定部94及び検出部95を有する。一方のガス捕集管93の吸入口は第1フィルタ部91のエレメント相互間に位置する。他方のガス捕集管93の吸入口は第2フィルタ部63のエレメント下部(フィルタ装置9の出口側)に位置する。各ガス捕集管93は各測定部94に連通し、各測定部94は各検出部95に接続されている。測定部94にはガスクロマトグラフィ―、イオンクロマトグラフィ―あるいはガス電極によるpH測定器を用いる。一方の検出部95には第1アラーム96aが接続され、他方の検出部95には第2アラーム96bが接続されている。
【0041】
図13に示すように、フィルタエレメント92は炭素繊維シ―トを蛇腹状に折り曲げた形状(プリーツ構造)をなしている。エレメント92の側周部は、折り曲げた面を外気が通気するようにシ―ル層75を介して支持枠72に取り付けられている。エアはスリット73を通って下流側に流れる。支持枠72にはファン62の側にガスケット74が取り付けられている。エレメント92は、炭素繊維網状体(炭素繊維を編み込んだシート)をリン酸溶液に浸漬した後に、微細孔中に侵入したリン酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレ―ト化してつくられる。
【0042】
外気が第1のフィルタ部91を通過するときに、外気中に含まれるアルカリ成分、主としてアミン系成分はリン酸と中和反応を起こしてトラップされる。このとき、外気は、上部側のエレメント92から下部側のエレメント92へ通過する際に、第1のガス捕集管93によって定期的に捕集され、測定部94の水溶液中にバブリングされる。測定部94で測定されたアミン系成分の濃度が一定値を越えると、検出部95は第1アラーム96aに指令信号を送り、第1出力部96aからアラ―ムが発される。オペレータはアラームを聞くと、フィルタエレメント92を別のものと取り換える。この場合に、2つとも新品に取り換えてもよいが、下部側のフィルタエレメント92を上部側に取り付け、新品のフィルタエレメントは下部側のみに取り付けてもよい。
【0043】
上記実施例のフィルタ装置によれば、アミン系成分の吸着能力は上流側に位置するフィルタエレメント92から順に低下していくため、第2のアラ―ム96が鳴るよりも前に、一段目のエレメントを通過した空気を取り込む検出部95におけるアラ―ムが鳴る。従って第1フィルタエレメント92相互間のアミン系成分濃度が所定値を超えたときにその上段側のエレメント92を交換するだけで、装置内のウエハについては処分しなくて済む。なお、第1のフィルタエレメント92の交換の方法については、例えば第1アラ―ム96aが鳴ったときに各段全部を交換してもよいし、下段側のエレメント92については時期をずらして交換してもよい。
【0044】
図13に示すように、エレメント92の折り曲げた面を通気するようにフィルタユニット9を配置した場合には、エレメント92の空気抵抗が大きく、第1のフィルタ部61を2段に積層すると、ファン62の能力を相当大きくしなければならず現実的には多段化が困難である。しかし、本実施例のようにエレメント92を配置すれば、第1のフィルタ部91の空気抵抗が小さくなり、その結果圧力損失も小さくなるため、ファン62を用いて外気を十分に吸引でき、第1のフィルタ部91の多段化が可能となる。
【0045】
上記実施例のフィルタエレメントは、比表面積の大きい炭素繊維網状体を酸溶液に浸漬した後に、遠心分離機で溶液をはじき飛ばし、更にプレスしているので、アルカリ成分の吸着領域が大きく、かつ高密度に配列され、アルカリ成分の吸着効率が高い。
【0046】
なお、アミン系成分は拡散しやすいため、エレメント92をこのように配置しても十分に除去することができる。さらに、第1フィルタエレメント92には、上述実施例のもののみに限られずゼオライトや活性炭などの粒状体または網状体を用いてもよいし、エレメントに添着する酸成分としてはリン酸以外にスルホン酸などであってもよいし、イオン交換繊維のようなものであってもよい。ただし、パ―ティクルの発生が少ない点で繊維状体のフィルタエレメントが好ましい。
【0047】
また、ファン62は、第1のフィルタ部61(91)と第2のフィルタ部63との間に配置すれば、プロセス部20内における風速を0.2〜0.4m/秒の好ましい範囲にすることができる。
【0048】
そしてまた本発明は、塗布装置と現像装置とが分離されているものに対しても適用することができる。更には塗布、現像装置と露光部とが例えば搬送路を介して連結されている場合には、これら全体をカバ―で覆ってこのカバ―にフィルタユニット部を設けてもよい。なお、半導体ウエハ以外にLCD用のガラス基板などを被処理基板としてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、比表面積の大きい多孔質体を酸溶液に浸漬した後に、遠心分離機で過剰な酸溶液を除去し、さらにプレスしてフィルタエレメントを形成している。このようなフィルタエレメントは、多孔質体にアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含むので、アルカリ成分の捕捉率が極めて高い。このため、現像後におけるレジスト塗布膜の形状が良好になる。とくにクリーンルームに設置されたレジスト処理システム内で化学増幅型のレジストを使用する場合に、コンタクトホール側壁の垂直特性が飛躍的に改善され、回路に欠陥を生じなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1(a),図1(b),図1(c)のそれぞれは、従来のレジスト膜の現像処理を模式化して説明する縦断面モデル図。
【図2】
レジスト処理システムの外観を示す斜視図。
【図3】
レジスト処理システムの内部の概略レイアウトを示す平面図。
【図4】
レジスト処理システムを示す外観側面図。
【図5】
レジスト処理システムのプロセス部を示す縦断面図。
【図6】
レジスト処理システムのインターフェイス部を示す縦断面図。
【図7】
フィルタユニットの一部を切り欠いて内部エレメントを示す斜視図。
【図8】
フィルタエレメントの一部を示す部分断面図。
【図9】
疎水化処理部を示す縦断面図。
【図10】
従来のプロセス部を示す縦断面図。
【図11】
実施例のプロセス部を示す縦断面図。
【図12】
他の実施例に係るフィルタユニットを示す正面図。
【図13】
他の実施例のフィルタユニットの一部を切り欠いて内部エレメントを示す斜視図である。
【符号の説明】
20…プロセス部、21…ロード/アンロード部、22…インターフェイス部、60…開口部、61,61a,91…第1のフィルタ部、62,62a…ファン、63,63a…第3のフィルタ部、70,70a…フィルタユニット、71,92…フィルタエレメント、72…支持枠、73…スリット、77…循環ダクト、93…ガス捕集管、94…測定部、95…検出部、100…露光部
 
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲の請求項7の記載
「【請求項7】外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とするフィルタ装置。」
を、
「【請求項7】 外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするフィルタ装置。」
と訂正する。
▲2▼訂正事項b
特許請求の範囲の請求項9の記載
「【請求項9】 さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。」
を削除する。
▲3▼訂正事項c
特許請求の範囲の請求項10から請求項16を順次繰り上げ、
「【請求項9】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項7記載のフィルタ装置。
【請求項10】 基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とするレジスト処理システム。
【請求項11】 上記フィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項12】 上記フィルタエレメントは、上記吸引手段の吸い込み側に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む上記多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、上記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とする請求項10記載のレジスト処理システム。
【請求項13】 さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有することを特徴とする請求項12記載のレジスト処理システム。
【請求項14】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項13記載のレジスト処理システム。
【請求項15】 第1のフィルタエレメントが二段になっていることを特徴とする請求項12記載のレジスト処理システム。」
と訂正する。
▲4▼訂正事項d
特許請求の範囲の請求項17の記載
「【請求項17】 基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、を具備することを特徴とするレジスト処理システム。」

「【請求項16】 基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、
前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とするレジスト処理システム。」
と訂正する。
▲5▼訂正事項e
特許請求の範囲の請求項18を繰り上げ、
「【請求項17】 上記第1のフィルタエレメントは、外気の出口側にスリットをもつプリーツ構造の多孔質体のシートを有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。」
と訂正する。
▲6▼訂正事項f
特許請求の範囲の請求項19の記載
「【請求項19】 さらに、上記第1のフィルタエレメントを通過したガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段を有することを特徴とする請求項17記載のレジスト処理システム。」
を削除する。
▲7▼訂正事項g
特許請求の範囲の請求項20の記載
「【請求項20】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項19記載のレジスト処理システム。」

「【請求項18】 さらに、測定検出されたアルカリ成分がいき値を越えたときにアラームを発するアラーム手段を有することを特徴とする請求項16記載のレジスト処理システム。」
と訂正する。
▲8▼訂正事項h
上記訂正事項a〜hの訂正にともなって、明細書の段落【0013】の記載を特許請求の範囲の記載と整合させるべく、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「 【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るフィルタ装置は、外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とする。
本発明に係るフィルタ装置は、外気をレジスト処理システム内に取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、酸溶液中に浸漬した後に、微細孔中に侵入した酸溶液の一部を遠心分離機によりはじき飛ばし、その後プレスしてプレート化してなるアルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有することを特徴とする。
本発明に係るレジスト処理システムは、基板にレジストを塗布するレジスト塗布手段と、塗布レジストをベークするベーキング手段と、塗布レジストを現像する現像手段と、外気中の不純物を除去するフィルタ手段と、を備えたレジスト処理システムであって、前記フィルタ手段は、前記レジスト塗布手段、ベーキング手段および現像手段のうちの少なくとも1つに外気を取り入れるための開口部をもつ枠体と、前記開口部に外気を吸引する吸引手段と、この吸引手段の少なくとも一方面側に位置するように前記枠体によって支持されたフィルタエレメントと、を有し、前記フィルタエレメントは、前記吸引手段の吸い込み側に二段に設けられ、アルカリ成分と反応吸着しうる酸成分を含む多孔質体を有する第1のフィルタエレメントと、前記吸引手段の送り出し側に設けられた第2のフィルタエレメントと、吸入口が前記二段に設けられた第1のフィルタエレメントの相互間に位置するガス捕集管と、前記ガス捕集管により捕集されたガスに含まれるアルカリ成分を測定検出する手段と、を有することを特徴とする。」
と訂正する。
異議決定日 2003-03-04 
出願番号 特願平6-98443
審決分類 P 1 652・ 121- YA (B01D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 森 健一  
特許庁審判長 松本 悟
特許庁審判官 唐戸 光雄
酒井 美知子
登録日 2000-07-28 
登録番号 特許第3094055号(P3094055)
権利者 東京エレクトロン株式会社
発明の名称 フィルタ装置及びレジスト処理システム  
代理人 高山 宏志  
代理人 高山 宏志  
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