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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1078866 |
審判番号 | 不服2001-20276 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2001-01-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-11-12 |
確定日 | 2003-06-16 |
事件の表示 | 平成11年特許願第360030号「オンライントランザクションにおける買い手の匿名性を促進する方法およびシステム」拒絶査定に対する審判事件[平成13年 1月26日出願公開、特開2001- 22663]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件審判請求に係る出願は、平成11年12月17日(パリ条約による優先権主張1999年7月6日、米国)の出願であって、平成13年8月10日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年12月11日付で手続補正がなされたものである。 2.平成13年12月11日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)について [補正却下の決定の結論] 平成13年12月11日付の手続補正を却下する。 [理由] 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、 「買い手と複数の売り手とホストサーバと通信ネットワークとを含むコンピュータシステムを用いて、該買い手と該売り手のうちの少なくとも1人との間でオンライントランザクションを実施する方法であって、 該ホストサーバは、少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、該通信ネットワークと通信可能であり、該通信ネットワークは、該ウェブページを見るように該買い手および該売り手のそれぞれによってアクセス可能であり、 該買い手から購入オファーを該ホストサーバに入力するステップと、 該ウェブページ上に該購入オファーを表示するステップと、 該購入オファーに応答するオファー返答を該売り手のうちの少なくとも1人から該ホストサーバに入力するステップと、 該ウェブページ上に該オファー返答を表示するステップと、 該買い手が該売り手のうちの該少なくとも1人に対して該オファー返答に関連する情報を少なくとも1つの問い合わせの形で匿名で問い合わせることを可能にするステップと、 該売り手のうちの該少なくとも1人が該少なくとも1つの問い合わせに対して少なくとも1つの問い合わせ応答の形で匿名で応答することを可能にするステップと、 該買い手が該少なくとも1つの問い合わせ応答に基づいて該オファー返答を受け入れるか拒否するかを決定することを可能にするステップと を包含する方法。」 と補正された。 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「コンピュータシステム」について「買い手と複数の売り手とホストサーバと通信ネットワークとを含む」、「ホストサーバは、少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、通信ネットワークと通信可能であり、該通信ネットワークは、該ウェブページを見るように該買い手および該売り手のそれぞれによってアクセス可能」との限定を付加し、同じくステップとして「ウェブページ上に購入オファーを表示するステップ」、「ウェブページ上にオファー返答を表示するステップ」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.引用例に記載された事項及び発明 原審における拒絶の理由において引用された米国特許第5794207号明細書(以下、「引用例」という。)には、次の趣旨のものが記載されている。 A.「本発明の一つの実施例では、買い手と売り手の間の通信は、電子的ネットワークを介して、ウェブサーバとして機能する中央コントローラ200で行われる。買い手は中央コントローラ200にログオンし、条件付購入オファー(以下、「CPO100」という。)を作成した後にネットワークから切断する。CPO100は、中央コントローラ200のウェブページ上のCPOに掲示することで売り手(「buyers」は「sellers」の誤記と認める。)に対して利用可能になる。」(第15欄第45行目〜同欄第51行目) B.「売り手の応答110は、中央コントローラ200に伝送され、該中央コントローラ200は、CPO100が契約されたことを示すために買い手と連絡を取る。該中央コントローラ200は、CPO100が契約されるとすぐに売り手にクレジットカード情報を送る。」(第15欄第55行目〜同欄第58行目) C.「CPO100は、中央コントローラ200によって制御される掲示板又はウェブページに載せるようにしてもよい。中央コントローラ200は、幅広い種類のCPO100のフォーマットを許容する複数の送信方法をサポートしている。」(第17欄第17〜21行目) D.「図9は、売り手がCPO100を選択するプロセスを示している。ステップ900では、売り手が売り手側インタフェイス300のモデム350を用いて中央コントローラ200にログオンし、ステップ910では、売り手が適切な主題領域を選択する。例えば、会議用の部屋をキャンセルされたシカゴにあるホテルは、この期間でシカゴのホテルを希望するCPO100をホテルの主題領域からから検索することができる。ステップ920では、売り手が利用可能なCPO100(すなわち、ステータスが“アクティブ”なもの)のリストをブラウズする。CPO100は、リストには最小限の詳細事項を表示されており、その詳細事項に付加的情報を売り手がCPO100に興味を持ったときにのみ利用可能にしてもよい。CPO100について、より多くの情報を望む売り手は、ステップ940で付加的なデータを要求してもよい。一つの実施例では、それぞれのCPO100は、完全な詳細事項を提供する別のウェブページにリンクされている。売り手がCPO100をクリックすると、即座に詳細事項をサポートするページが送られる。別の実施例では、CPO100は、電子メール、FAX、電話、ポケットベルなどを通して、電子的に売り手に直接送られる。 図10,11は、CPO100が売り手によって契約されるまでのプロセスを示している。ステップ1000では、売り手が、契約したいCPO100を選択し、契約の意思を示す売り手の応答を表明する。ステップ1010では、中央コントローラ200は売り手から応答110を受信する。」(第18欄第56行目〜第19欄第18行目) E.「中央コントローラ200は、ステップ1030において、CPO100のステータスを確かめる。それは、ステップ1040でCPO100が“アクティブ”かどうかで決定するすることにより行う。CPO100が現在“アクティブ”なら、ステップ1060で、売り手の応答110に固有のトラッキング番号が付加される。そして、中央コントローラ200は、ステップ1070において、該応答110を売り手応答データベース270に格納する。」(第19欄第45〜52行目) F.「本発明の一実施例では、売り手は、契約しないでCPO100に対して改良された及び/又は付加的な条件を付けて対案として応答する。例えば、ある航空会社が500ドルのファーストクラスのチケットに対するCPO100を考察して、その会社は600ドルで売りたいので、そのCPO100と契約するよりは対案を開発し提案することを望むかもしれない。この対案は、売り手が買い手と契約する代わりに、買い手が売り手と契約することを除いて、CPO100と類似している。そして、この対案は、多くの売り手に送られるCPO100と違い、特定の集団(買い手)に対して送られる。 図18は、対案140の開発を説明している。ステップ1800で、売り手が、対案を作成したいCPO100を選択する。ステップ1810では、売り手が条件を変更した対案140を準備する。売り手は、買い手がCPO100を開発するときと同様のプロセス(ステップ500から580)に従い、対案140の条件を選択する。代わりに、売り手は、CPO100の電子的コピーを渡されて、売り手の変更したい条件を編集するようにしてもよい。ステップ1820では、売り手は、CPO100のトラッキング番号に対案140を付す。ステップ1830で、中央コントローラ200は対案140を受け取り、ステータスを“アクティブ”にする。そして、ステップ1840で、中央コントローラ200は、対案140に唯一のトラッキング番号を加え、ステップ1850で対案データベース267に格納する。中央コントローラ200は、ステップ1860で対案140を送られた買い手を見つけるために対案140に付されたCPO100のトラッキング番号を抽出する。 図19は、買い手が、対案140に応答するプロセスを示している。ステップ1900では、買い手は、対案140を契約するかどうか決定する。契約しないなら、対案140は、ステップ1910で売り手に送り返される。買い手が契約することを決定すると、ステップ1920で、買い手の応答150が中央コントローラ200に送られる。」(第22欄第39行目〜第23欄第18行目) G.「前述のように、本発明は、買い手と売り手の匿名性を提供する。当該匿名性は、すべてのトランザクションについてのすべての個人名に関する表記を排除することによって達成される。例えば、CPOを受け取った売り手が買い手の本人であることを発見するのを防ぐために、買い手は、CPOに名前よりもIDを含むようにする。同様にして、売り手もまた、そのアイデンティティを秘密にしておきたいこともある。航空会社は、ある都市間の料金を大きく値下げすることを公に知られたくないかもしれない。」(第26欄第55〜67行目) H.図1には、一人の買い手インターフェース400と複数の売り手インターフェース300と中央コントローラ200と通信ネットワークとからなるコンピュータシステムが記載されている。 上記A〜C、Gの記載からみて、 引用例には、一人の買い手と複数の売り手と中央コントローラと通信ネットワークとを含むコンピュータシステムを用いて、該買い手と該売り手のうちの少なくとも1人との間でオンライントランザクションを実施する方法、そして、中央コントローラは少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、該通信ネットワークと通信可能であることが記載されている。 上記F、Gには、買い手と売り手の匿名性を担保して双方のそれぞれに電子メールを介してアクセス可能であることが記載されている 上記Aには、買い手が中央コントローラにログオンし、条件付購入オファーを作成して、中央コントローラのウェブページ上に掲示することが記載されているから、引用例には、買い手から条件付購入オファーを中央コントローラに入力するステップと、ウェブページ上に該条件付購入オファーを表示するステップとが記載されている。 上記B、D及びFの記載からみて、 引用例には、買い手からの条件付購入オファーに応答する応答情報を、売り手のうち少なくとも一人から中央コントローラにログオンして、特定の買い手に送信することが記載されている。 上記Fには、買い手の条件付購入オファーの売り手の対案に対して受け入れるか拒否するかを決定することが記載されている。 以上の記載事項を総合的に勘案してみて、引用例には、次のような発明が記載されていると認められる(以下、「引用例に記載された発明」という。)。 「買い手と複数の売り手と中央コントローラと通信ネットワークとを含むコンピュータシステムを用いて、該買い手と該売り手のうちの少なくとも1人との間でオンライントランザクションを実施する方法であって、該中央コントローラは少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、該通信ネットワークと通信可能であり、買い手と売り手の匿名性を担保して双方のそれぞれに電子メールを介してアクセス可能であり、買い手が中央コントローラにログオンし、条件付購入オファーを作成して中央コントローラのウェブページ上に掲示し、買い手からの条件付購入オファーに応答する対案を、売り手のうち少なくとも一人から中央コントローラにログオンして特定の買い手に送信し、該条件付購入オファーの売り手の対案に対して受け入れるか拒否するかを決定する方法」 3.対比・判断 本願発明(以下「前者」という。)と引用例に記載された発明(以下「後者」という。)を比較する。 後者の「中央コントローラ」は、その機能からみて、前者の「ホストサーバ」に相当し、後者の「条件付購入オファー」は、前者の「購入オファー」に相当し、後者の「対案」は、買い手の購入オファーに対する売り手の返答であるので、後者の「対案」は前者の「オファー返答」に相当しているから、両者は、次の一致点、相違点を有するものと認められる。 【一致点】 買い手と複数の売り手とホストサーバと通信ネットワークとを含むコンピュータシステムを用いて、該買い手と該売り手のうちの少なくとも1人との間でオンライントランザクションを実施する方法であって、該ホストサーバは、少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、該通信ネットワークと通信可能であり、該通信ネットワークは、該買い手および該売り手のそれぞれによってアクセス可能であり、該買い手から購入オファーを該ホストサーバに入力するステップと、該ウェブページ上に該購入オファーを表示するステップと、該購入オファーに応答するオファー返答を該売り手のうちの少なくとも1人から該ホストサーバに入力するステップと、該買い手が該オファー返答を受け入れるか拒否するかを決定することを可能にするステップとを包含する方法 【相違点1】 買い手および売り手のそれぞれに対して、 前者の通信ネットワークがウェブページを見るようにアクセス可能であるのに対して 後者はウェブページを見るようにアクセス可能であるか否か不明な点。 【相違点2】 前者がウェブページ上にオファー返答を表示するステップを有するのに対して、 後者はそのような構成を有していない点。 【相違点3について】 前者は、買い手が売り手に対してオファー返答に関連する情報を問い合わせの形で問い合わせ、それに対して、該売り手が該問い合わせに対して応答の形で応答することを可能とし、該買い手が該問い合わせ応答に基づいて該オファー返答を受け入れるか拒否するかを決定するステップを有するのに対して、 後者は、購入オファーの売り手の対案に対して受け入れるか拒否するかを決定しているが、前者の上記ステップを有していない点。 上記相違点について検討する。 【相違点1について】 前者の「ウェブページを見るように」の記載は、前者の構成の記載からみて、買い手と売り手が匿名で情報を送信できることを意味しているのか、あるいは、文言上の意味しか有していないのか不明である。そこで、発明の詳細な説明を参酌して検討してみたが、上記記載事項に関する記載は全く存在しないので、上記した両者の意味と解して容易性の判断を行う。 匿名で情報を送信できることは、引用例に記載されており、また、前者は、ウェブページ上に購入オファー及びオファー返答を表示するために通信ネットワークを用いていることから、「ウェブページを見るように」の記載は、当然のことを記載したにすぎない。 【相違点2について】 前者の「ウェブページ上にオファー返答を表示する」に関連する記載事項として、発明の詳細な説明には、「買い手が複数の対抗オファー(counteroffer)を考慮する選択肢を有する逆トランザクションフォーマットを提供する方法が望ましい。買い手は契約を結ぶ前に多くの対抗オファーから選択し得るので、このように、買い手はより確実に保護される。」(段落番号【0004】)と記載されている。この記載からみて、「ウェブページ上にオファー返答を表示する」ことの技術的意義は、買い手は契約を結ぶ前にウェブページ上に表示された多くの対抗オファーから選択できるので、満足のいくものを選択することが可能となる点にあるものと認められる。 ところで、引用例の上記Dには、買い手からの最小限の詳細事項の購入オファーのリストがウェブページ上に表示され、売り手が興味のある購入オファーを選択することが可能であり、その時には、該購入オファーの付加情報を利用することも可能であることが記載されている。また、上記Fの記載からみて、買い手の購入オファーに対して興味を持つ売り手は、対案を買い手に送るが、興味を持っている売り手が複数人いる場合には、当然、買い手は複数の対案を受け取ること、そして、売り手は、購入オファーのトラッキング番号に対案を付けて中央コントローラに送り、中央コントローラは、該対案にトラッキング番号を加えて対案データベースに格納し、該対案に付されたトラッキング番号を抽出することにより、該購入オファーを送った買い手を見つけて該対案を送り、受け取った買い手は、該複数の対案の中から満足のいくものを選択して決定することが記載されていることは明らかである。 上記のことから、引用例には、ウェブページ上に複数の購入オファーを表示することにより、売り手が興味のある購入オファーを選択することが可能であること、そして、売り手からの対案は、中央コントローラを介して購入オファーを作成した買い手に対して送られ、買い手は複数の対案を受け取ることにより、該複数の対案の中から満足のいくものを選択して決定すること、が記載されているものと認められるから、引用例に記載の売り手からの対案の電子メールを中央コントローラを介して買い手に送信する代わりに、ウェブページ上に該対案を表示し本願発明の構成のようにすることは、当業者が容易に推考できたことと認める。 【相違点3について】 前者の「該買い手が該売り手のうちの該少なくとも1人に対して該オファー返答に関連する情報を少なくとも1つの問い合わせの形で匿名で問い合わせることを可能にするステップ」に関連する記載事項として、発明の詳細な説明には、「買い手は、対オファー返答を受け入れるまたは拒否するための情報を、いつも十分に有しているとは限らない。従って、本発明は、買い手が売り手に匿名で問合わせを行うことができる2つの簡単な方法を提供する。一方は、匿名電子メールによる方法であり、他方は、匿名チャットによる方法である。」(段落番号【0059】)と記載されている。この記載からみて、上記記載事項の技術的意義は、買い手が対オファー返答の可否判断の情報を十分に有していないので、その情報を売り手から入手する点にあるものと認められる。 ところで、引用例の上記F及びGには、買い手と売り手の匿名性を担保して双方のそれぞれに電子メールを介してアクセス可能であることが記載されており、そして、知りたい情報を持っている者に対して、電子メールやチャットを介して入手することは、良く知られた技術手段であるから、引用例に記載の購入オファーの売り手の対案に対して、該対案の可否を決定する前に対案に関連する質問を匿名の電子メール等で問い合わせるようにすることは、当業者が容易に推考できたことであり、そして、その問い合わせに対して売り手が応答を匿名の電子メール等で行い、その応答に基づいて該対案の可否を決定することも当業者が容易に推考できたことである。 【作用効果について】 前者の奏する作用効果も、後者、引用例に記載の発明の奏する作用効果から予測できる以上の格別のものとも認められない。 したがって、本願補正発明は、上記引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 5.本願発明について 平成13年12月11日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成13年6月25日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「コンピュータシステムを用いて、買い手と少なくとも1人のり手との間でオンライントランザクションを実施する方法であって、 該買い手からの購入オファーを該コンピュータシステムに入力するステップと、 該購入オファーに応答して、該少なくとも1人の売り手からの少なくとも1つのオファー返答を該コンピュータシステムに入力するステップと、 該買い手が該少なくとも1人の売り手のうちの1人に対して該少なくとも1つのオファー返答のうちの1つに関連する情報を少なくとも1つの問い合わせの形で匿名で問い合わせることを可能にするステップと、 該少なくとも1人の売り手のうちの該1人が該少なくとも1つの問い合わせに対して少なくとも1つの問い合わせ応答の形で匿名で応答することを可能にするステップと、 該買い手が該少なくとも1つの問い合わせ応答に基づいて該少なくとも1つのオファー返答のうちの該1つを受け入れるか拒否するかを決定することを可能にするステップと を包含する方法。」 (1)引用例に記載された事項及び発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記2.に記載したとおりである。 (2)対比・判断 本願発明は、前記3.で検討した本願補正発明から「コンピュータシステム」の限定事項である「買い手と複数の売り手とホストサーバと通信ネットワークとを含む」、「ホストサーバは、少なくとも1つのウェブページを含み、かつ、通信ネットワークと通信可能であり、該通信ネットワークは、該ウェブページを見るように該買い手および該売り手のそれぞれによってアクセス可能」との構成を省き、ステップとして「ウェブページ上に購入オファーを表示するステップ」、「ウェブページ上にオファー返答を表示するステップ」の構成を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記3.に記載したとおり、引用例に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-01-20 |
結審通知日 | 2003-01-21 |
審決日 | 2003-02-03 |
出願番号 | 特願平11-360030 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 菅原 浩二 |
特許庁審判長 |
佐藤 荘助 |
特許庁審判官 |
辻本 泰隆 岡 千代子 |
発明の名称 | オンライントランザクションにおける買い手の匿名性を促進する方法およびシステム |
代理人 | 山本 秀策 |