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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A01F
管理番号 1079057
審判番号 不服2001-18742  
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-01-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-18 
確定日 2003-06-23 
事件の表示 平成3年特許願第158749号「脱穀機における選別装置」拒絶査定に対する審判事件[平成5年1月14日出願公開、特開平5-3720]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成3年6月28日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、平成14年11月11日に提出した手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「扱胴5を軸架した扱室4の前側に穀稈供給口1を後側に排藁口2を設け、該扱室4の下方には揺動選別装置9を略水平状に設け、該揺動選別装置9の下方には一番移送螺旋12と二番移送螺旋13を前後に設け、一番移送螺旋12と二番移送螺旋13の上方を吹き抜ける選別風を起こす第一唐箕11を側面視で揺動選別装置9より下方で前記グレンシーブ6の前端位置に対して前方寄りに配置するとともに、前記グレンシーブ6の前方下方から後方上方へと吹き抜ける選別風を起こす第二唐箕14を側面視で前記第一唐箕11の前方に近接配置し、前記第一唐箕11は前記第二唐箕14よりも大径に構成し、前記第二唐箕14は、側面視で前記第一唐箕11の上半部の前方に近接し、且つ、第二唐箕14の中心が側面視で第一唐箕11の上端より下方で中心より上方に位置するように配置し、該第二唐箕14から吹き出す選別風の風路を側面視でグレンシーブ6より下方で第一唐箕11の上方に形成し、前記第二唐箕14の回転速度を増速可能に構成したことを特徴とする脱穀機における選別装置。」である。

2.引用例記載の発明
(a)当審において通知した拒絶の理由に引用した実願昭62-14109号(実開昭63-122036号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という)には、脱穀機に関し、
(a-1)「脱穀機8は機体上部に、扱胴9を回転可能に設けた扱室3と・・・処理室11とを並設している。そして、該扱室3の下部外周に扱室受網12を設け、・・・該扱室受網12の端部を扱胴9よりも短かく形成し排塵口14を設けている。
そして、機体の下部に設けた風選室1には、機体側面視において、選別終端部を前記扱室受網12の中間部下方に位置し、選別終端部を前記排塵口14の下方に位置したグレンシーブ2と、・・・第2グレンシーブ15と、・・・ストローラック16とを備えた選別棚17を前記扱胴9の扱胴軸芯方向に揺動可能に設けている。また、風選室1の底部には選別棚17の選別始端側から唐箕18と、第2グレンシーブ15から落下した毅粒を回収する1番物回収装置19と、グレンシーブ2及びストローラック16から落下した穀粒を回収する2番物回収装置20を設けている。
そして、扱室受網12と選別棚17の空間部に搬送始端部を扱室3の前壁に形成した供給口21側に位置し搬送終端部を排塵口7に近接して回転可能に設けた搬送ラセン4とこの搬送ラセン4の下面に近接して設けた案内板5とを備えてなる搬送装置6を設置している。」(3頁12行〜5頁1行)、
(a-2)「23は搬送装置6と選別棚17間に形成された空間部に選別風を送風する第2唐箕である。24は扱室3の後壁に設けた排出口、」(5頁9〜11行)、
(a-3)「扱室受網12から漏下した脱穀物は各搬送装置6に回収されて搬送ラセン4によって失印方向に搬送され、一部は小孔22から残部は落下口7からグレンシーブ2上に落下する。・・・そして、グレンシーブ2に落下した穀粒は、揺動作用および唐箕18と第2唐箕23の選別風によって揺動風選作用を受けるので、グレンシーブ2から落下した落下物は直接あるいは第2グレンシーブ15を介して落下して1番物回収装置19に回収される。・・・ストローラック16から漏下した穀粒や枝梗付着粒やカギ又や一部の稈切れ等は下方の2番物回収装置20に回収される」(6頁8行〜7頁11行)と記載されている。
(a-4)第1図には、選別棚17を略水平状に設けた構成が示されている。
上記記載及び図面の記載によると、引用例1には、
扱胴9を軸架した扱室3の前側に穀稈供給口21を後側に排出口24を設け、該扱室3の下方には選別棚17を略水平状に設け、該選別棚17の下方には1番物回収装置19と2番物回収装置20を前後に設け、1番物回収装置19と2番物回収装置20の上方を吹き抜ける選別風を起こす唐箕18を側面視で選別棚17より下方で前記グレンシーブ2の前端位置に対して前方寄りに配置するとともに、前記グレンシーブ2の前方から後方へと吹き抜ける選別風を起こす第2唐箕23を側面視で前記唐箕18の前方に近接配置し、前記唐箕18と前記第2唐箕23とをほぼ同径に構成し、前記第2唐箕23は、側面視で前記唐箕18の斜め前方上方に近接し、且つ、第2唐箕23の中心が側面視で唐箕18の中心より上方に位置するように配置し、該第2唐箕23から吹き出す選別風の風路を側面視でグレンシーブ2の上方に形成した脱穀機における選別装置(以下、「引用例1の発明」という)が記載されていると認められる。
(b)同じく拒絶の理由に引用した、本願出願前に頒布された実願平1-69048号(実開平3-10732号)のマイクロフイルム(以下、「引用例2」という)には、
(b-1)「揺動移送選別体10は、上段のチヤブシーブ11と、下段の無孔波型移送板12および選別網13からなる移送選別板14とから構成されている。・・・
上段のチヤブシーブ11と下段の移送選別板14との間には、第1シロツコフアン17の吹出口17aが開口され、また選別網13の下方には第2シロツコフアン19からの選別風が吹き抜ける一番物選別風路20が形成され、」(7頁9行〜8頁1行)
(b-2)第1図には、第1シロツコフアン17の風路が第2シロツコフアン19の上方に形成され、第1シロツコフアン17からの選別風が、チヤブシーブ11の前方下方から後方上方へと吹き抜けていることが示されている。
(c)同じく拒絶の理由に引用した特開昭61-195619号公報(以下、「引用例3」という)には、
(c-1)「揺動選別板(6)とクリンプ網(5)との間に、チャフシーブ(18)・・を設けるとともに、揺動選別板(6)による移送方向に向かって送風する横断流ファン(19)を唐箕(7)の上方に設けてあり、」(3頁左上欄19行〜同頁右上欄3行)と記載されている。
(c-2)第1図には、唐箕(7)を横断流ファン(19)よりも大径に構成していることが示されている。

3.対比・判断
本願発明と引用例1の発明とを対比すると、引用例1の発明の「供給口21」が本願発明の「穀稈供給口1」に対応し、同様に、「選別棚17」が「揺動選別装置9」に、「排出口24」が「排藁口2」に、「1番物回収装置19」が「一番移送螺旋12」に、「2番物回収装置20」が「二番移送螺旋13」に、「唐箕18」が「第一唐箕11」に、「第2唐箕23」が「第二唐箕14」に、「グレンシーブ2」が「グレンシーブ6」に、それぞれ対応しているので、両者は、
扱胴を軸架した扱室の前側に穀稈供給口を後側に排藁口を設け、該扱室の下方には揺動選別装置を略水平状に設け、該揺動選別装置の下方には一番移送螺旋と二番移送螺旋を前後に設け、一番移送螺旋と二番移送螺旋の上方を吹き抜ける選別風を起こす第一唐箕を側面視で揺動選別装置より下方でグレンシーブの前端位置に対して前方寄りに配置するとともに、選別風を起こす第二唐箕を側面視で前記第一唐箕の前方に近接配置し、且つ、第二唐箕の中心が第一唐箕の中心より上方に位置するように配置した脱穀機における選別装置で一致し、次の点で構成が相違する。
(A)本願発明では、第一唐箕11を、グレンシーブ6の前方下方から後方上方へと吹き抜ける選別風を起こす第二唐箕14よりも大径に構成し、前記第二唐箕14は、側面視で前記第一唐箕11の上半部の前方に近接し、且つ、第二唐箕14の中心が側面視で第一唐箕11の上端より下方で中心より上方に位置するように配置し、該第二唐箕14から吹き出す選別風の風路を側面視でグレンシーブ6より下方で第一唐箕11の上方に形成しているのに対し、引用例1の発明では、第一唐箕(唐箕18)を、グレンシーブの前方から後方へと吹き抜ける選別風を起こす第二唐箕(第2唐箕23)とほぼ同径に構成し、第二唐箕は、側面視で前記第一唐箕の斜め前方上方に近接し、且つ、第二唐箕の中心が側面視で第一唐箕の中心及び上端より上方に位置しているが、第二唐箕から吹き出す選別風の風路がグレンシーブの上方に形成され、第二唐箕の中心が側面視で第一唐箕の上端より下方ではない点、
(B)本願発明では、第二唐箕14の回転速度を増速可能に構成しているのに対し、引用例1の発明では、第二唐箕(第2唐箕23)の回転速度を増速可能に構成していない点。
まず、上記(A)の相違点について検討する。
唐箕が起こす選別風をグレンシーブの前方下方から後方上方へと吹き抜けるように構成することは、引用例2に記載されており、引用例1の発明においても、第二唐箕(第2唐箕23)の選別風をグレンシーブの前方下方から後方上方へと吹き抜けるようにすることは当業者なら容易に想到できることであり、しかも、引用例3からも分かるように、唐箕の大きさは、必要とする風量や唐箕の形式等を考慮して当業者が容易に決定できることである。
そうすると、引用例1の発明において、第二唐箕を第一唐箕(唐箕18)より小径に構成し、第二唐箕の中心を側面視で第一唐箕の上端より下方に位置させ、第二唐箕の選別風をグレンシーブの前方下方から後方上方へと吹き抜けるようにして、本願発明のように構成することは当業者なら容易にできることである。
次に、上記(B)の相違点について検討する。
唐箕の回転速度を変速可能に構成することは周知である(例えば、実願昭55-185083号(実開昭57-107347号)のマイクロフイルム参照)から、引用例1の発明において、第二唐箕(第2唐箕23)の回転速度を増速可能に構成することは当業者なら容易に想到できることである。
そして、本願発明が奏する効果は、引用例1ないし3に記載された発明及び周知技術から予測できる程度のことであって格別顕著なものではない。

4.むすび
したがって、本願発明は、引用例1ないし3に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-01-28 
結審通知日 2003-02-18 
審決日 2003-04-11 
出願番号 特願平3-158749
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A01F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 昭次  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 瀬津 太朗
鈴木 寛治
発明の名称 脱穀機における選別装置  

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