ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N |
---|---|
管理番号 | 1079517 |
異議申立番号 | 異議2002-72491 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-08-13 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-10-09 |
確定日 | 2003-04-21 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3275266号「映像機器におけるモード選択装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3275266号の請求項1、2に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1.手続きの経緯 特許第3275266号の請求項1及び2に係る発明についての出願は,平成4年1月27日に特許出願され,平成15年2月8日に設定登録され,その後,その特許について異議申立人,佐藤光男から特許異議の申立てがなされ,取消理由通知がなされ,その指定期間内である平成15年2月18日に訂正請求がなされたものである。 第2.訂正の適否についての判断 1 訂正の概要 平成15年2月18日付け訂正請求によって特許権者が求めている訂正の内容は以下のとおりである。 a.請求項1の記載を「操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と, メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と, 選択したモードを確定するための第3の入力手段と, 前記第3の入力手段によって確定したモードを保持する保持手段とを備えた映像機器におけるモード選択装置であって, 前記入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成し,当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出すると共に,前記保持手段からの設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を,該項目が他の項目に変更されるまでの間,前記第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示するメニュー作成手段を備えた ことを特徴とする映像機器におけるモード選択装置。」と訂正する。 b.明細書の段落番号0013の【課題を解決するための手段】を特許請求の範囲の訂正に整合するよう全文訂正明細書のとおり訂正する。 2 訂正の目的,新規事項の有無等の判断 上記aの訂正は,現在の設定モードに係る項目の表示が,第2の入力手段により選択される項目の表示とは区別して行われることを明確化し,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり,かつ明細書段落番号0044ないし0049及び図8,図9に記載されている範囲内であるから,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 上記bの訂正は,特許請求の範囲の訂正と整合をとるために必要となる訂正であるから,明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり,明細書を実質的に拡張及び変更するものではない。 3 むすび よって,上記訂正は,特許法120条の4第2項の規定及び同条3項で準用する126条2項から4項までの規定に適合するので,当該訂正を認める。 第3.特許異議の申し立てについて 1 本件発明 上記2に記載したとおり,平成15年2月18日付け訂正請求書による訂正請求は認められるところとなったので,本件発明は,同訂正請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1(以下,「本件発明」という。)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 申立の概要 特許異議申立人は特許異議の申立て時に,証拠として 甲第1号証:特開昭59― 60628号公報 甲第2号証:特開平 3―248684号公報 を提示し,本件発明は,甲第1及び2号証に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法29条2項の規定に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。 3 当審の判断 特許異議申立人が提示した甲第1号証に記載された発明は,本件発明と「キー入力によって主メニューを表示させた後,メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択すると,選択された項目を他と区別して表示すると同時に選択された項目の副メニューを表示するモード選択装置」である点でなんら相違は認められない。 また,入力手段や記憶部の構成は,甲第2号証に示されておりこれらの存在にも進歩性は認められない。 しかし,訂正により限定された構成である「現在の設定モードに係る項目を,該項目が他の項目に変更されるまでの間,前記第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示する」副メニューの構成までは,各証拠に示されておらず,それを示唆する記載もない。 メニュー表示においては甲第2号証にも示されるとおり,通常,現在の設定モードに係る項目と選択されている項目とは区別せずに同一の表示とする,すなわち,選択されている項目のみ表示するものであり,上記減縮された,区別して表示する構成は,甲各号証と比して進歩性を有するといえる。 したがって,本件発明は甲第1号証及び甲第2号証から,当業者が容易に発明をすることができたこととはいえない。 請求項2に係る発明は,請求項1に係る発明を引用して更に限定するものであり,上記と同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたこととはいえない 第4.むすび 以上のとおりであるから,特許異議の申立ての理由及び証拠によっては,本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 また,他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 映像機器におけるモード選択装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、 メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、 選択したモードを確定するための第3の入力手段と、 前記第3の入力手段によって確定したモードを保持する保持手段とを備えた映像機器におけるモード選択装置であって、 前記入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成し、当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出すると共に、前記保持手段からの設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を、該項目が他の項目に変更されるまでの間、前記第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示するメニュー作成手段を備えた ことを特徴とする映像機器におけるモード選択装置。 【請求項2】 押圧操作によりモードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための入力手段及び回転操作によってメニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための入力手段の両機能を備えることで当該入力手段が一体化されている ことを特徴とする請求項1に記載の映像機器におけるモード選択装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、映像機器において操作モードに係るメニュー表示の階層化を図るとともに、モード設定を容易にして操作性の向上を図ることができるようにした新規な映像機器におけるモード選択装置を提供しようとするものである。 【0002】 【従来の技術】 小型ビデオカメラ等の携帯型映像機器においては、多機能化に伴って機器のもつファンクションに関してユーザーが行うモードの数も増加する傾向がみられる。 【0003】 例えば、携帯用ビデオカメラでは、現在選択されているモードを記号や文字等でEVF(Electronic View Finder)や外部モニタ上に表示する機能を備えており、キー操作で選択したモードに対応した指標が画面上に記号等によって表示されるので、これによってユーザーはモード変更時に指標の有無及び種類から選択されているモードを把握することができるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、従来の装置にあっては、モード設定用キーの操作やメニューの表示形式に関して次のような問題がある。 【0005】 (1)モード設定用キーの配列や形状に関する問題点。 【0006】 (1-a)キーの配列が、モード設定の操作手順に対応していない。 【0007】 (1-b)キー操作に関して方向性が、統一されていない。 【0008】 (1-c)キーの形状が類似しているため、キーの数が多い場合にキーを区別しづらい。 【0009】 (2)メニュー表示に関する問題点。 【0010】 (2-a)メイン(主)メニューの選択肢に対してモード数の多いサブ(副)メニューによる表示には困難が伴う。 【0011】 (2-b)モード設定の際に、現在の設定モードに関する情報が表示されない。 【0012】 上記の問題点により、モード設定操作が非常に複雑なものとなり、ユーザーが機器の機能を自由に使いこなせるようになるには相当の習熟と時間を費やさねばならず、購入後直ちに活用することが困難であった。 【0013】 【課題を解決するための手段】 そこで、本発明映像機器におけるモード選択装置は上記した課題を解決するために、操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、選択したモードを確定するための第3の入力手段とこれによって確定したモードを保持する保持手段とを設けるとともに、これら入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成して当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出し、かつ保持手段による設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を、該項目が他の項目に変更されるまでの間、第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示するメニュー作成手段を設けたものである。 【0014】 【作用】 本発明によれば、第1の入力手段によってメニュー表示を行った後、第2の入力手段により所望のモードを選んでこれを第3の入力手段によって確定するにあたって、主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成しこれを主メニューとともに表示してメニュー表示を参照しながらモード設定を行うことができる。 【0015】 よって、操作手順については、主メニューからその下層に位置する副メニューへと順番に進んで行けば良く、また、各メニューにおけるモード設定を選択と確定という統一された操作によって必要最小限のキーのみで行うことができる。 【0016】 そして、モード数の多い副メニューについては、階層構造を採用することによって表示が煩雑化しないように考慮し、かつ、副メニューに係るモードの選択時には、主メニューを消さずにこれを残して副メニューとともに表示することにより、最上位である主メニューと副メニューとの観念的なつながりを常に把握することができ、また、現在の設定モードに係る項目を他と区別して表示することによって重複した設定操作の無駄を省くことができる。 【0017】 【実施例】 以下に、本発明映像機器におけるモード選択装置を、小型ビデオカメラに適用した実施例に従って説明する。 【0018】 図1はビデオカメラ1の概要を示すものである。 【0019】 被写体からの光はレンズ2を通ってCCD型エリアイメージセンサー等の固体撮像素子3に受光した後カメラ信号プロセス回路4に送出される。 【0020】 カメラ信号プロセス回路4においてマトリクス処理により色再現に係る処理等を施された後の映像出力は混合部5に送られ、ここで後述するOSDC(On Screen Display Controller)部からのメニュー表示信号と合成された後、EVF6に送出されたり、ビデオ信号出力端子7を介して図示しない外部モニタ等に出力されるようになっている。 【0021】 8は入力部であり、メニューキー9、選択リング10、送り/確定キー11を有する。 【0022】 これらのキーのうち、メニューキー9はモード設定に係るメインメニューの表示を行うために設けられたキーであり、選択リング10はモード設定に係る選択肢を選択するために設けられており、また、送り/確定キー11は、あるメニューからその下の階層に位置するサブメニューへの送り(移行)や選択リング10によって選んだ項目について確定するために設けられている。 【0023】 尚、この例ではメニューキー9と送り/確定キー11に関してプッシュ式のスイッチを用い、その大きさに違いをもたせることで両者を区別するようにしており、また、選択リング10に関しては回動式のスイッチを用いている。 【0024】 12はキー入力部であり、キー入力読取部13と、回転検出部14とを有する。 【0025】 キー入力読取部13は、メニューキー9や、送り/確定キー11が押圧されたかどうかを検出するために設けられ、また、回転検出部14は、選択リング10の回転量や速さ、方向を検出するために設けられている。 【0026】 そして、これらキー入力読取部13や回転検出部14の検出結果は、後段のメニュー作成部15に送出される。 【0027】 メニュー作成部15は、設定モード状態記憶部16やカーソル位置記憶部17、表示データ作成部18、OSDC部19とからなっている。 【0028】 表示データ作成部18は、設定モード状態記憶部16やカーソル位置記憶部17の記憶情報を参照しながら、上記キー入力部12からの信号を受けてメニュー表示情報を作り出してこれをOSDC部19を介して混合部5に送出したり、既定モード等の予め決められている情報については、これらを設定モード状態記憶部16やカーソル位置記憶部17に保持するようになっている。 【0029】 図4は、上記ビデオカメラ1におけるメニュー表示を概念的に示すものであり、この例では画面の横方向において、左に行くに従ってメニューの階層が下るように配置された表示形式が用いており、画面の縦方向には同等の資格をもった選択肢が並列的に配列されるように決められている。 【0030】 即ち、画面20が横方向に亘って3分の1に区分けされており、メインメニューの表示領域21が最も左寄りに位置、その右隣の領域22がその直下のサブメニュー(図では「サブ(1)」と記す。)の表示領域とされ、そしてその右隣に位置する領域23がさらにその下のサブメニュー(図では「サブ(2)」と記す。)の表示領域とされている。 【0031】 尚、メニューの階層が深く、多数のサブメニュー画面を必要とする場合には、サブメニューに関して複数のページ分けを行い、必要に応じて操作対象となるページ画面への切り替えを行って所望の項目を選択することができるようになっている(尚、図4ではページ(1)にサブメニュー(1)とサブメニュー(2)とが含まれ、その下のサブメニュー(3)とサブメニュー(4)とがページ(2)に含まれている例を示す。)。 【0032】 また、一のサブメニューに関してついては、選択肢の数が多岐に亘り画面の縦方向に収まらない場合には、現在の設定モードを中心としてその上下に選択肢を部分的に表示させるとともに、U方向へのアップスクロールや、D方向へのダウンスクロールを行って所望の項目を選択することができるようになっている。 【0033】 次に、モード設定について操作例の幾つかを図5乃至図12に従って説明する。 【0034】 図5乃至図9は、タイトル色を選択する際の操作例を示すものであり、この場合、メインメニューの下には色の選択に係る一のサブメニューだけが存在する。 【0035】 1)メニューキーの押圧。 【0036】 先ず、メニューキー9を押すと図5に示すように画面上にメインメニューが表示される。その際、メインメニューの最上位に位置するモード(図では「撮影モード」)が反転表示され、このモードに対するサブメニューが領域22に表示される。 【0037】 そして、サブメニューにおいては、既に設定されているモード(図では「AEオート」)が反転表示される。 【0038】 2)選択リングによる「タイトル色」の選択。 【0039】 次に、選択リング10を回すと、その回転方向に応じてメインメニューの反転表示が上下に移動する(図6参照。)。 【0040】 その際、選択リングの回転速度が遅い場合にはメインメニューのうち反転表示された項目に対してするサブメニューが表示されるが、選択リングの回転速度が速い場合には、メインメニューの選択項目に対するサブメニューの表示は行われない。 【0041】 尚、図6ではメインメニューの項目「タイトル色」に関して現在の設定モードが「アカ」であることが、反転表示によって示されている。 【0042】 3)送り/確定キーの押圧。 【0043】 送り/確定キー11を押圧すると、図7に示すように、現在の選択されているモード「アカ」の先頭にカーソル24が表示される。 【0044】 4)選択リングを用いたサブメニューのモード選択。 【0045】 選択リング10を回すと、その回転方向に対応してカーソル24が上下方向に移動する(図8ではカーソルが下方に移動し、「クロ」の位置を指している。)。 【0046】 つまり、カーソル24は、選択リング10の回転に合わせて選択されるモードを指し示している。 【0047】 尚、既定のモードに対しては、その項目が反転表示されたままである。 【0048】 5)送り/確定キーの押圧。 【0049】 送り/確定キー11を押すと、図9に示すようにサブメニューのモードが確定する。図ではそれまで「アカ」であったタイトル色が「クロ」に設定される。そして、メインメニューについて選択を行い得る状態に戻る。 【0050】 6)メニューキーの押圧。 【0051】 メニュー表示が画面から消えてこれまで行ってきた一連のモード設定操作が終了する。 【0052】 次に、サブメニューが複数の階層に亘って存在する場合のモード設定操作について、図10に示す表示例に従って説明する。 【0053】 尚、図10ではタイトルに関して反転表示を行うか否か、そして各場合におけるスクロールの有無及び向きの指定についての設定例を示している。 【0054】 メインメニューの直ぐ下に位置するサブメニューに係る操作については、上記した1)乃至3)の手順と同様にして行えば良く、メニューキー9の押した後に選択リング10を用いて「タイトル」を選択してから送り/確定キー11を押す。 【0055】 4′)選択リングや送り/確定キーの操作。 【0056】 既に送り/確定キー11の押圧によってサブメニューが表示されているので、選択リング10によって所望の項目を選んで送り/確定キー11によりこれを確定する。 【0057】 これによって、その下のサブメニューが表示されるので、上記4)、5)と同様の操作で選択肢の一を選んで確定する。 【0058】 図10では、「タイトル」に関する既定モードとして「通常」が設定されており、スクロールの向きは「上」となっている例を示している。 【0059】 例えば、スクロールの向きだけを変更したい場合には、既定値である「通常」について確定したのち、選択リング10によってスクロールについて所望の項目を設定すれば良い。 【0060】 尚、階層が多岐に亘る場合には図4で説明したように、送り/確定キー11の次々に押して行けば、サブメニューのページ画面が切り替わっていく。 【0061】 また、カーソルが最下層のサブメニューに位置する場合には行き止まりとなり、モードの確定後にメインメニューについての選択が可能な状態に戻る。 【0062】 次に、モードの選択肢が多数存在する場合の操作例について図11、図12に示す表示例を用いて説明する。 【0063】 選択肢が多数存在する場合には、前述したようにサブメニューの表示項目に関してスクロール操作を必要する。図11及び図12は「エリア」の指定に関して地名の数が、一画面内に入りきらない程多い場合を示している。 【0064】 この場合、図11に示すように、既定モードとされる項目(図では「トウキョウ」)を中心に、その上下に選択肢が部分的に表示され、サブメニューの最上端や最下端に矢印25(上向きの矢印)、26(下向きの矢印)がそれぞれ表示される。 【0065】 但し、選択肢が末端に達した時、例えば、図12に示すように上端に達したときには下向き矢印26だけが表示され、逆に選択肢が下端に達したときには、上向き矢印25だけが表示されるようになっている。 【0066】 以上の選択操作を途中で中断する場合には、サブメニューでのモード選択時にメニューキー9を押せば、最後に送り/確定キー11を押したときの状態に戻り、そのメニュー表示が消えるようになっている。 【0067】 図2及び図3はモード設定の流れを示すフローチャート図であり、図2は処理の前半部を示し、図3は処理の後半部を示している。 【0068】 図2に示すように、ステップa)においてキー入力に関する操作がなされると、次ステップb)においてキー入力読取部13によりメニューキー9が押圧されたか否かが判断され、メニューキー9が押されていれば次ステップc)に進み、メニューキー9が押されていなければステップg)に飛ぶ。 【0069】 ステップc)では既にメニュー表示がなされているか否かを判断し、表示されている場合に次ステップd)で選択途中の項目を取り消してからステップe)においてメニューを消去する。また、メニューが表示されてない場合にはステップf)でメニューの表示を行う。 【0070】 メニュー表示については、メニュー作成部15の表示データ作成部18が設定モード状態記憶部16やカーソル位置記憶部17の記憶情報を参照しながら、メインメニューの場合には最上端の項目を反転表示し、またサブメニューの場合には既定モードに係る項目を反転表示して行う。そして、表示データ作成部18によって得られるメニュー表示データはOSDC部19を介して文字や図形信号となって混合部5で映像信号とスーパーインポーズされ、合成出力がEVF6や外部モニタに送出される。 【0071】 尚、この例ではメニュー情報と映像情報とを電気的な信号合成によって行っているが、液晶表示手段によって表示されるメニュー表示を、ハーフミラー等によって映像画面に光学的に合成するようにしても良い。また、モードによっては、映像の参照を必要としない場合もありうるので、映像とメニューとの合成を行わずにブルーバックの画面にメニューを表示する等、表現形態に多様性を持たせるようにすると良い。 【0072】 続くステップg)においてさらにメニュー表示の有無について判断し、メニューが表示されている場合に次ステップh)に進んで、選択リング10による入力がなされたかどうかを問う。 【0073】 また、メニューが表示されていない場合にはステップa)に戻る。 【0074】 ステップh)において選択リング10の操作がなされたときには、次ステップi)でタイマーがリセットされた後、ステップj)でタイマーの動作が開始し、ステップk)に進む(図3参照。)。 【0075】 尚、ステップh)において選択リング10の操作がなされない場合には単にステップk)に飛ぶ。 【0076】 ステップk)においてタイマーにより所定時間が経過したことが分かると、ステップl)において選択リング10の変化量が回転検出部14によって検出される。 【0077】 その後、ステップm)においてメインメニューにカーソルがあるかどうかが問われ、そうであれば次ステップn)でメインメニュー上でのカーソルの移動を行った後、ステップo)でメインメニュー上の選択モードについてサブメニューの表示を行ってステップp)に進む。また、ステップm)においてメインメニューにカーソルがなければステップq)においてサブメニューにカーソルを移動してステップp)に進む。 【0078】 尚、ステップk)において所定時間が経過しないうちに選択リング10が操作されているときには前述したようにサブメニューの表示は行わずにステップp)に飛ぶ。 【0079】 ステップp)では、送り/確定キー11が押されたかどうかが判断され、押されたならば、次ステップr)に進むが、押されなければステップa)に戻る。 【0080】 ステップr)においては、送り/確定キー11によって最下層のサブメニューにカーソルが移ったかどうかが判断され、これ以下のサブメニューが存在しない場合にはステップs)に進み、さらに下層のサブメニューがある場合には、ステップt)に進む。 【0081】 即ち、最下層のサブメニューに達した場合には、ステップs)において現在選んでいるモードに設定した後、次ステップu)でサブメニューに関するカーソルを消去してから最初のステップa)に戻る。 【0082】 また、さらにサブメニューが控えている場合には、ステップt)において現時点で選んでいる項目を設定して、これに対応するサブメニューを表示する。そして、次ステップv)でサブメニューにおける既定モードに対してカーソル表示を行った後最初のステップa)に戻る。 【0083】 最後に、スイッチやメニュー表示に関する幾つかの実施態様について例示する。 【0084】 上記の例では、選択リング10の操作によって選択肢のうち所望のものにカーソルを移動させるようにしたが、これは操作の容易性を考慮したためであり、スイッチの形状については、例えば、図13に示すようにアップキー27とダウンキー28とにより方向キーを構成して、アップキー27の押圧時にカーソルが上方に進み、ダウンキー28の押圧時にカーソルが下方に進むようにしても良い。 【0085】 また、上記の例では、図13(a)に示すように、表示画面の縦方向をモードの選択方向に選ぶとともに表示画面の横方向をメニューの階層に方向に選んで選択リング10(又はアップ/ダウンキー)の操作方向がモードの変更方向に対応するよう縦型の配置にしたが、これとは逆に図13(b)に示すように、表示画面の横方向をモードの選択方向に選ぶとともに表示画面の縦方向をメニューの階層に方向に選んで選択リング10(又はアップ/ダウンキー)の操作方向をモードの変更方向に対応するような横型の配置を採用しても良い。 【0086】 また、メニュー表示に関しては、様々な表現形態を採ることができ、例えば、選択した項目の表示に関して上記の例では、選択項目の指示を3角形状のカーソルによって行ったが、項目の色分けや表示文字に種類を変えることによって選択した項目とそれ以外の項目とを区別するようにしたり、選択した項目をブリンク表示で区別しても良い。 【0087】 そして、選択肢の表現方法についても文字による表示に限らず、アイコンを取り入れたり、また、量の設定、例えば、日時の設定を行うような場合に、図14に示すように数字を列記するディジタル的な表現形態の他、図15に示すようバーグラフ表示によるアナログ的な表現形態を採ることができる。 【0088】 そして、メニューの形状に関しても選択肢を直線的に配置する他、曲線的或いは円環状に配置する等、操作や選択肢の把握についての容易性を考慮して決定することが好ましい。 【0089】 【発明の効果】 以上に記載したところから明らかなように、本発明によれば、主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを主メニューとともに参照しながらモード設定を行うことができ、主メニューからその下層に位置する副メニューへと順番に進む場合において、各階層でのモード設定を選択と確定という統一された操作によって行うことができる。 【0090】 また、モード数の多い副メニューについては、階層構造を採用することによって表示が煩雑化しないように考慮し、かつ、副メニューに係るモードの選択時には、主メニューを消さずにこれを残して副メニューとともに表示することにより、最上位である主メニューに関する選択モードとその下の副メニューの選択肢との間の観念的なつながりやモードの全容を把握することができる。そして、現在の設定モードに係る項目を他と区別して表示することによって重複設定の無駄を省くことができる。 【0091】 尚、前記した実施例においてはモードに係る選択肢についてスクロール操作を行うことができるようにしたが、これによって、選択肢の数が多いのメニュー表示に対応することができる。 【0092】 また、本発明によれば、メニュー表示の有無、選択、確定という比較的少数の操作手段によってモード設定を行うことができ、その際、キーの形状や大きさ等をそれぞれに変えて触覚によりキーを容易に区別できるようにすれば、表示画像から目を離さずにブラインドタッチで操作を行うことができる。 【0093】 尚、前記した実施例は、本発明の一実施例にすぎず、この例のみによって、本発明の技術的範囲が狭く解釈されるわけではない。 【0094】 例えば、前記した例では、メニューキー、選択リング、送り/確定キーを各別に設けた例を示したが、メニューキーと選択リングの機能を兼ね備えたキー(例えば、押圧操作によってメニューキーの役割を果たし、回動操作によって選択リングの役割を果たすもの等)と送り/確定キーとの組み合わせを選ぶことも可能である。 【0095】 また、本発明はビデオカメラに限らず、VTR等の映像機器に広く適用することができることは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係るビデオカメラの概要を示すブロック図である。 【図2】 メニュー表示及びモード設定に関する処理の流れの前半部を示すフローチャート図である。 【図3】 図2の続く処理の流れを示すフローチャート図である。 【図4】 メニュー表示方法についての概念的な説明図である。 【図5】 メニュースイッチを初めて押したときのメニュー表示例を示す図である。 【図6】 メインメニューとサブメニューとの関係についての画面表示例を示す説明図である。 【図7】 メインメニューについてのモード設定時における画面表示例を示す説明図である。 【図8】 サブメニューにおけるカーソルの表示と移動に関する画面表示例を示す説明図である。 【図9】 サブメニューについてのモード設定時における画面表示例を示す説明図である。 【図10】 サブメニューが複数の階層に亘って存在する場合の画面表示例を示す説明図である。 【図11】 サブメニューの選択肢が多数存在する場合において、カーソルで指示される項目を中心にその前後の選択項目が表示された状態の画面表示例を示す説明図である。 【図12】 サブメニューの選択肢が多数存在する場合において、選択項目が末端部に達した状態の画面表示例を示す説明図である。 【図13】 メニュー構造と選択キーとの対応関係を概念的に示す説明図であり、(a)はモードに選択を画面の縦方向に亘って行う例を示し、(b)はモードの選択を画面の横方向に亘って行う例を示す。 【図14】 サブメニューのモード設定時に関して量的な選択を行う場合の画面表示例を示す説明図である。 【図15】 サブメニューのモード設定時に関して量的な選択を行う場合の、図14とは別の画面表示例を示す説明図である。 【符号の説明】 1 映像機器におけるモード選択装置 6 表示手段 9 第1の入力手段 10 第2の入力手段 11 第3の入力手段 16 保持手段 18 メニュー作成手段 21 主メニュー 22、23 副メニュー |
訂正の要旨 |
a.特許請求の範囲の請求項1、 「操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、 メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、 選択したモードを確定するための第3の入力手段と、 前記第3の入力手段によって確定したモードを保持する保持手段とを備えた映像機器におけるモード選択装置であって、 前記入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成し、当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出すると共に、前記保持手段からの設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を他と区別して表示するメニュー作成手段を備えた ことを特徴とする映像機器におけるモード選択装置。」を、 「操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、 メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、 選択したモードを確定するための第3の入力手段と、 前記第3の入力手段によって確定したモードを保持する保持手段とを備えた映像機器におけるモード選択装置であって、 前記入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成し、当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出すると共に、前記保持手段からの設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を、該項目が他の項目に変更されるまでの間、前記第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示するメニュー作成手段を備えた ことを特徴とする映像機器におけるモード選択装置。」と訂正する。 b.明細書の段落番号0013、 「【課題を解決するための手段】 そこで、本発明映像機器におけるモード選択装置は上記した課題を解決するために、操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、選択したモードを確定するための第3の入力手段とこれによって確定したモードを保持する保持手段とを設けるとともに、これら入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成して当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出し、かつ保持手段による設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を他と区別して表示するメニュー作成手段を設けたものである。」を、 「【課題を解決するための手段】 そこで、本発明映像機器におけるモード選択装置は上記した課題を解決するために、操作モードに関する主メニューを表示手段に表示し又は表示を消すための第1の入力手段と、メニュー表示された選択肢の内所望の項目を選択するための第2の入力手段と、選択したモードを確定するための第3の入力手段とこれによって確定したモードを保持する保持手段とを設けるとともに、これら入力手段からの指示に応じて主メニューの配下に階層構造をもって設けられる副メニューを作成して当該副メニューを主メニューと一緒に表示させるために表示手段に送出し、かつ保持手段による設定モード情報に基づいて現在の設定モードに係る項目を、該項目が他の項目に変更されるまでの間、第2の入力手段により選択されている項目と区別して表示するメニュー作成手段を設けたものである。」と訂正する。 |
異議決定日 | 2003-04-03 |
出願番号 | 特願平4-33928 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H04N)
|
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
杉山 務 |
特許庁審判官 |
橋本恵一 小林秀美 |
登録日 | 2002-02-08 |
登録番号 | 特許第3275266号(P3275266) |
権利者 | ソニー株式会社 |
発明の名称 | 映像機器におけるモード選択装置 |
代理人 | 小松 祐治 |
代理人 | 小松 祐治 |
代理人 | 岩田 雅信 |
代理人 | 岩田 雅信 |