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審決分類 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C09K
審判 全部申し立て 1項1号公知  C09K
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09K
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09K
審判 全部申し立て 1項2号公然実施  C09K
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C09K
管理番号 1079542
異議申立番号 異議1999-72772  
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-11-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-19 
確定日 2003-04-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2849883号「シーリング材組成物」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2849883号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第2849883号の請求項1に係る発明は、平成4年4月10日に出願され、平成10年11月13日に設定登録されたところ、当該請求項1に係る発明の特許について、日立化成ポリマー株式会社、積水化学工業株式会社、サンスター技研株式会社、横浜ゴム株式会社および旭硝子株式会社(以下、「申立人1」〜「申立人5」という。)から、特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、再度の取消理由通知がなされたものである。

II.訂正の適否
(II-1)訂正事項
(あ)特許請求の範囲を次のとおりに訂正する。
「【請求項1】常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体から成るサイジングボード用シーリング材組成物。」
(い)明細書2頁25〜26行の「硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体」を、「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体」と訂正する。
(う)明細書7頁28行の「実施例1〜2、比較例1」を、「参考例1〜2、比較参考例1」と訂正する。
(え)明細書8頁17行の「実施例3」を、「実施例1」と訂正する。
(お)明細書9頁の表1中の「実施例1」、「実施例2」、「比較例3」を、それぞれ、「参考例1」、「参考例2」、「比較参考例1」と訂正する。

(II-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について:
訂正事項(あ)は、訂正前の請求項1を、訂正前の願書に添付された明細書の記載(公報3欄24〜25行、7欄8〜9行、8欄16〜17行の記載)に基づいて減縮したものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する(平成12年12月11日付け特許異議意見書参照)。
訂正事項(い)〜(お)は、発明の詳細な説明の欄の記載を訂正事項(あ)に係る訂正と整合させるべく訂正するものであるから、明りようでない記載の釈明に該当する。
また、訂正事項(あ)〜(お)は、ともに、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(II-3)独立特許要件
訂正後の特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明は、以下の「III.特許異議申立てについて」で述べる理由によって、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
(II-4)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、同条第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

III.特許異議申立てについて
(III-1)本件発明
本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、前記訂正請求において添付された訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(訂正事項(11-1)の(あ)参照)。

(III-2)異議申立人の主張
申立人1は、下記の証拠方法1〜3を提示して、(1)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、旨を主張し、
申立人2は、(2)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法3、4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、旨を主張し、
申立人3は、(3)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法1、5〜9からみて、本件出願前に公然と知られた又は実施された発明であるから、特許法第29条第1項第1号又は2号に規定する発明に該当し特許を受けることができないものである、(4)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法6、10〜13に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、(5)本件の願書に添付された明細書および図面の記載は、特許請求の範囲の記載および実施例の記載に関して、特許法第36条第4項および第5項の規定を満足するものでない、旨を主張し、
申立人4は、(6)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法12、14〜22からみて、本件出願前に公然と知られた又は実施された発明であるから、特許法第29条第1項第1号又は2号に規定する発明に該当し特許を受けることができないものである、旨を主張し、
申立人5は、(7)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法11〜13、23〜26に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し特許を受けることができないものである、(8)訂正前の請求項1に係る発明は、証拠方法28、29を参照すると、証拠方法4、11〜13、23〜27に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、(9)本件の願書に添付された明細書および図面の記載は、本件発明を当業者が容易に実施できる程度になされてないから、特許法第36条第4項の規定を満足するものでない、旨を主張している。

証拠方法1:「接着の技術 Vol.5 No.2 1985」日本接着協会、昭和60年12月15日発行、p.121〜124(申立人1の甲第1号証、申立人3の甲第3号証)
証拠方法2:特公平3-57943(申立人1の甲第2号証)
証拠方法3:「日本接着協会誌 Vol.19 No.6 1983」日本接着協会、昭和58年6月1日発行、p.32〜39(申立人1の甲第3号証、申立人2の甲第1号証)
証拠方法4:「シーリングニュース 第35号」日本シーリング工業会、1989年1月25日発行、p.15〜27(申立人2の甲第2号証、申立人5の甲第9号証)
証拠方法5:「接着便覧 第15版」株式会社高分子刊行会、昭和62年8月20日発行、p.49〜74、254(申立人3の甲第1号証)
証拠方法6:「シーリングニュース 第34号」日本シーリング工業会、1988年10月25日、p.9〜15(申立人3の甲第2号証)
証拠方法7:「接着便覧 第17版」株式会社高分子刊行会、平成3年9月30日発行、p.252(申立人3の甲第4号証)
証拠方法8:「sunstar カラフルに2タイプ30色 サイディング材・ALC板用」と題したサンスター技研株式会社のカタログ(申立人3の甲第5号証)
証拠方法9:旭硝子株式会社宛の「題目 サイディングボード用シーリング材Z-2570の性能について(中間報告)」と題したサンスター技研株式会社の技術報告書(1991年8月9日発行)(申立人3の甲第6号証)
証拠方法10:特公平1-29821号公報(申立人3の甲第7号証)
証拠方法11:特開昭57-155250号公報(申立人3の甲第8号証、申立人5の甲第2号証)
証拠方法12:「AdhesivesAge Vol.34、No.2」1991年2月発行、p.26〜31(申立人3の甲第9号証、申立人4と申立人5がそれぞれ甲第10号証および甲第6号証として転載したもの)
証拠方法13:特開平3-72527号公報(申立人3の甲第10号証、申立人5の甲第7号証)
証拠方法14:横浜ゴム株式会社の顧客発行の施工記録書(申立人4の甲第1号証)
証拠方法15:横浜ゴム株式会社発行の「HAMATITE OneComponentSealingMaterialsSeries」と題するカタログ)(申立人4の甲第2号証)
証拠方法16:甲第2号証カタログの発行日の証明書(申立人4の甲第3号証)
証拠方法17:横浜ゴム株式会社発行の配合仕様書(申立人4の甲第4号証)
証拠方法18:横浜ゴム株式会社発行の「変性シリコンポリマー 採用銘柄 カネカMBポリマー20A」とする原料規格(申立人4の甲第5号証)
証拠方法19:横浜ゴム株式会社発行の「ジブチルスズオキサイド(40%)とフタル酸ジ2-エチルへキシルの混合物」に係る原料規格(申立人4の甲第6号証)
証拠方法20:鐘淵化学工業株式会社発行のカネカ/液状樹脂の商品説明 MS/SAT/MA/ACS/EPIONについて」と題する資料(申立人4の甲第7号証)
証拠方法21:鐘淵化学工業株式会社発行の「I-2)MS1液 塗装性」と題する評価結果に係る技術資料(申立人4の甲第8号証)
証拠方法22:横浜ゴム株式会社発行の変性シリコーン系シーリング材の加熱圧縮復元率に係る試験結果報告書(申立人4の甲第9号証)
証拠方法23:特開平58-2342号公報(申立人5の甲第1号証)
証拠方法24:特開昭57-182350号公報(申立人5の甲第3号証)
証拠方法25:特開昭62-209164号公報(申立人5の甲第4号証)
証拠方法26:特開昭57-205443号公報(申立人5の甲第5号証)
証拠方法27:「月刊 防水ジャーナル6月号」有限会社新樹社、昭和63年6月5日発行、p.39〜53(申立人5の甲第8号証)
証拠方法28:「高性能シーリング材・高分子防水材の新動向」石油化学工業研究所、1983年10月1日発行、p.36〜45(申立人5の甲第10号証)
証拠方法29:旭硝子株式会社中央研究所内の田中英明による実験報告書(申立人5の甲第11号証)。

(III-3)各証拠方法の記載
証拠方法1:「接着の技術 Vol.5 No.2 1985」日本接着協会、昭和60年12月15日発行、p.121〜124(申立人1の甲第1号証、申立人3の甲第3号証)
「3.1 一成分形変性シリコーンシーラント低モデュラス型、POSシールLM」(121頁左欄、3.1のタイトル)
「特にALCやサイディング材に最も適するように設計された、新しい低モジュラス型の一成分形変成シリコーンシーラントである。」(121頁左欄15〜18行)
「3.1.1 POSシールLMの特長 POSシールLMは、POSシールと同じく、変性シリコーンポリマー則ち、末端にメチルジメトキシシリル基を含有するポリプロピレンオキシド(カネカMSポリマーR)を主成分とし、縮合触媒を含有する脱水された配合物であり、空気中に曝露されると水分と反応し表面から硬化し、ゴム状弾性体を形成する。」(121頁左欄19〜26行)

証拠方法2:特公平3-57943(申立人1の甲第2号証)
「末端に加水分解可能なシリコン官能基を有するポリオキシアルキレン重合体(A)、硬化剤として4価の有機錫化合物、および脱水剤として加水分解性有機チタン化合物もしくは、その加水分解物を含むことを特徴とする室温硬化性組成物。」(特許請求の範囲)
「本発明は・・・とりわけ1液型の可能な湿気硬化性組成物に関する。・・・例えば、建築用のシーラントに応用できる。シーラントには使用直前に主剤、硬化剤を混合した後用いる2液型と、無水条件下で主剤、硬化剤をあらかじめ混合し、密閉状態では安定で、大気中に暴露したときに吸湿して硬化する1液型がある。」(1欄8〜20行参照)
「本発明の組成物には、シラノール縮合触媒として、ジ-n-ブチル錫-ジラウレート、ジ-n-ブチル錫-ジフタレートなどの4価の有機錫が必須成分として単独若しくは混合して用いられる。・・・4価の有機錫化合物は触媒活性が大きく加水分解されにく安定な化合物であるので本発明の組成物が保存された後でも硬化反応がスムーズに進行するという利点がある。」(3頁5欄9〜23行)。

証拠方法3:「日本接着協会誌 Vol.19 No.6 1983」日本接着協会、昭和58年6月1日発行、p.32〜39(申立人1の甲第3号証、申立人2の甲第1号証)
「3.変性シリコーン系シーリング材の基本特性」(34頁右欄12行)
「3.6 耐久性 シーリング材でいう耐久性は前述したように各種性能の組み合わされた総合性能と位置づける事ができる。・・・耐久性の試験方法としては、(1)JIS A 5758耐久試験による方法、及び(2)・・・による方法の2方法が一般に採用されている。(1)については変成シリコーン系シーリング材は最高ランクの9030区分耐久性に合格する。配合上のポイントは硬化物の圧縮永久歪が小さくなる縮合触媒を使用することにある。表3に縮合触媒と永久歪との関係を示すが、スズ(II)カルボン酸塩系の触媒を使用すれば、圧縮永久歪が40%と2液シリコーン系シーリング材の30%に近いレベルのものが得られるようになり耐久試験に合格する。」(36頁右欄の「3.6耐久性」の欄参照)
2成分形変性シリコーンについて90℃-30%圧縮-7日後という条件で測定した圧縮永久歪が4価の有機錫化合物を縮合触媒として使用した場合に100%を示し、2価の有機錫化合物を使用した場合の40%より大きくなること(37頁左下欄表3参照)。

証拠方法4:「シーリングニュース 第35号」日本シーリング工業会、1989年1月25日発行、p.15〜27(申立人2の甲第2号証、申立人5の甲第9号証)
「サイディング材とシーリング」(19頁のタイトル)
「5.2 サイディングに適したシーリング材 現在、窯業系サィディング目地には主として一成分形変成シリコーン系、ポリウレタン系が使用されている。」(26頁左欄3〜6行)。

証拠方法5:「接着便覧 第15版」株式会社高分子刊行会、昭和62年8月20日発行、p.49〜74、254(申立人3の甲第1号証)
オルガノシロキサンを持つ有機ポリマーを主成分とする変成シリコーン系シーリング材には高モデュラス形と低モデュラス形とがあり、その国産化は昭和54年8月頃から開始され、石材や淡色系外壁などに用いられていること(55〜63頁参照)

証拠方法6:「シーリングニュース 第34号」日本シーリング工業会、1988年10月25日、p.9〜15(申立人3の甲第2号証)
建築用シーリング材として変性シリコーン系シーリング材があること(10頁図-1参照)
「シーリング材を使用した目地部で、サイディング材表層の界面部から破壊を伴なって剥離する原因と処理方法 剥離の原因は高モジュラスのシーリング材(伸び率に対する引張強度が大きく硬いシーリング材)を使用した場合に発生する現象で、・・・ 処理方法 剥離した部分のシーリング材を完全に除去した後、低モジュラス(軟らかい)のシーリング材を選定し・・・再施工を行なって下さい。」(14頁11〜25行参照)。

証拠方法7:「接着便覧 第17版」株式会社高分子刊行会、平成3年9月30日発行、p.252(申立人3の甲第4号証)
ALCやサイディンボード用のシーリング材として、「ペンギンシール2550LM」という商品があること(252頁参照)

証拠方法8:「sunstar カラフルに2タイプ30色 サイディング材・ALC板用」とのサンスター技研株式会社のカタログ(申立人3の甲第5号証)
「ペンギンシール2550LM」なる商品が、1成分形変性シリコーン系シーリング材であり、低モジュラスのため内部応力が小さく、伸縮の大きいサイディング材や表面強度の弱いALC板などの部材目地に適していること(1頁参照)。

証拠方法9:旭硝子株式会社宛の「題目 サイディングボード用シーリング材Z-2570の性能について(中間報告)」とのサンスター技研株式会社の技術報告書(1991年8月9日発行)(申立人3の甲第6号証)
1成分形変成シリコーン系、低モジュラスタイプの「ペンギンシール2550LM」が応力緩和性に優れていること(6〜7頁参照)
「サイディングボードに対するシーリング工事において、現行の2成分形ポリウレタン及び2成分形変成シリコーン形シーリング材では剥離不具合が多々認められ、原因としては、プライマーの塗布不良及びボードの伸縮によるムーブメントに追従できない事があげられる。これに対し、1成分形変成シリコーン系シーリング材では剥離不具合の発生が極めて少ない。そこで、作業性、コストの面で優れる2成分形で、1成分形変成シリコーン系シーリング材の有する、自己接着性及び応力緩和性を備えた変成シリコーン系シーリング材の開発に着手した。」(1頁4〜11行参照)。

証拠方法10:特公平1-29821号公報(申立人3の甲第7号証)
「本発明は、架橋可能なシリコーン官能基を含有するオキシアルキレン重合体を含む復元性良好な硬化性組成物に関する。大気中水分に暴露するとゴム状物質へと硬化し得る、架橋可能なシリコーン官能基を含有する有機重合体の混合物は、例えば建築用のシーラントなどに利用できる。この場合、物性面及びコスト面より、重合体単独ではなく可塑剤、充填剤などを配合した組成物の形で利用される。建築物の目地の湿度差による変動に対し、追随するためには、その目地を充填するシーラントの復元性が重要になる。」(3欄6〜17行)
比較例として、全末端の80%に(CH3O)2Si(CH3)-基を有する平均分子量9000のオキシプロピレン重合体の配合物30重量部とジブチル錫ジラウレート(4価の錫化合物)1重量部からなる硬化性組成物を、23℃、7日間、さらに50℃、7日間養生したのち、硬化物の復元率を測定したところ、硬化物を50℃温水に1日浸漬後、1日23℃、60%湿度に放置し、90℃で30%圧縮し7日間放置し、圧縮を解除し、1日23℃、60%湿度に放置するという条件の下に、8%という復元率を示したこと(5欄34行〜6欄9行、6欄14〜17行参照)。
証拠方法11:特開昭57-155250号公報(申立人3の甲第8号証、申立人5の甲第2号証)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を主成分とする1液型変成シリコーン系ゴム組成物において、有機錫とエステル化合物の反応物を配合することにより、速硬化性および耐候性、耐熱性に優れた硬化時にゴム状弾性体となる弾性シーラントを製造できること(1頁左下欄4〜15行、2頁左上欄9〜12行、2頁左下欄8〜10行、3頁右下欄2〜6、12〜17行、4頁左上欄10〜13行、4頁右上欄4行〜左下欄5行参照)。
証拠方法12:「AdhesivesAge Vol.34、No.2」1991年2月発行、p.26〜31(申立人3の甲第9号証、申立人4の甲第10号証と申立人5の甲第6号証に転載されたもの)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体をベースとする建築用シーラントにおいて、硬化触媒として、ジブチル錫ジラウレートを用いた例(26頁14〜17、31〜42行、26頁表I、27頁左欄22〜32行、26頁表II、27頁左欄47〜50行、27頁表III、27頁右欄8〜20行参照)。

証拠方法13:特開平3-72527号公報(申立人3の甲第10号証、申立人5の甲第7号証)
「ポリアルキレンオキシド誘導体の製造法」(発明の名称)
「複合金属シアン化物錯体触媒の存在下イニシェーターに炭素数3以上のモノエポキサイドを開環付加重合させ、つづいて分子末端の水酸基を不飽和基に変換し、さらに不飽和基に加水分解性基を有するヒドロシリコン化合物を反応させることを特徴とする、加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドの製造法。」(特許請求の範囲第4項)
「実施例1 アリルアルコールを開始剤として亜鉛へキサシアノコバルテート触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、片末端不飽和基含有ポリプロピレンオキシドを得た。・・・。上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン2モル反応させ、1分子当たり平均2個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。得られた加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドの数平均分子量並びに分子量分布をGPCにて分析した結果、数平均分子量は12,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。」(6頁左上欄6行〜同頁右上欄7行参照)
「硬化反応においては、硬化促進触媒を使用してもしなくてもよい。硬化促進触媒としては・・・ジブチル錫ジラウレート等のごときカルボン酸の金属塩・・・を使用しうる。より好ましくは、この触媒を加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドに対し、0.01〜5wt%配合する。」(5頁左下欄8〜17行参照)
「本発明の加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドを含む湿気硬化性樹脂組成物は、建造物、航空機、自動車等の被覆組成物およびシーリング組成物またはこれ等の類似物として好適に使用する事ができる。」(5頁右下欄17行〜6頁左上欄1行)
証拠方法14:横浜ゴム株式会社の顧客発行の施工記録書(申立人4の甲第1号証)
横浜ゴム(株)が製造販売する「スーパーワンLM(オフホワイト)」を使用して、(株)泉北特殊防水および(有)石原工業が、本件出願前に、シーリング工事をしたこと

証拠方法15:横浜ゴム株式会社発行の「HAMATITE OneComponentSealingMaterialsSeries」と題するカタログ)(申立人4の甲第2号証)
「スーパーワン」および「スーパーワンLM」が、1成分形変成シリコーンであり(第3頁「ハマタイトの性状」参照)、窯業系サイディングボード目地や金属系サイディングボード目地に使用されること(第6頁「ハマタイトの適材適所」参照)、および、「8803 SPC」と記載されていること(カタログの末尾の頁の下端参照)

証拠方法16:証拠方法15のカタログの発行日に係る横浜ゴム(株)の証明書(申立人4の甲第3号証)
証拠方法15における「8803」が、発行予定時期が1988年3月であること

証拠方法17:横浜ゴム株式会社発行の配合仕様書(申立人4の甲第4号証)
「SUPERONE LM GRAY」において、原料番号93123、原料番号90104などを配合成分にすること

証拠方法18:横浜ゴム株式会社発行の「変性シリコンポリマー 採用銘柄 カネカMBポリマー20A」とする原料規格(申立人4の甲第5号証)
原料番号93123の品名が、変成シリコーンポリマー(シリル末端ポリエーテル)であり、具体的には、鐘淵化学工業(株)の商品名「カネカMSポリマー20A」であること

証拠方法19:横浜ゴム株式会社発行の「ジブチルスズオキサイド(40%)とフタル酸ジ2-エチルへキシルの混合物」に係る原料規格(申立人4の甲第6号証)
原料番号90104の品名が、ジブチルスズオキサイド(40%)とフタル酸ジ2-エチルヘキシルの混合物からなる硬化剤であること

証拠方法20:鐘淵化学工業株式会社発行のカネカ/液状樹脂の商品説明 MS/SAT/MA/ACS/EPIONについて」と題する資料(申立人4の甲第7号証)
「カネカ/液状樹脂の商品説明 MS/SAT/MA/ACS/EPIONについて」と題する商品説明資料であり、同社のMS(縮合型)が、主鎖構造がポリプロピレンオキサイドであり、官能基構造がジメトキシメチルシリル基であること

証拠方法21:鐘淵化学工業株式会社発行の「I-2)MS1液 塗装性」と題する評価結果に係る技術資料(申立人4の甲第8号証)
「MS1液 塗装性」と題する技術資料であり、「現行ポリマー(20A)」がDOPを約5%含有すること、「DOP抜きポリマー(MS203)」銘柄が存在すること
証拠方法22:横浜ゴム株式会社発行の変性シリコーン系シーリング材の加熱圧縮復元率に係る試験結果報告書(申立人4の甲第9号証)
「1990年当時使用していた変性シリコーンポリマー(MS-20A)は、発売中止となったために、代替品として、MS-S203に5wt%のDOP(2-エチルヘキシルフタレート)を添加使用した。3.試験方法 3.2 標準養生(20℃×14日+30℃×14日)後、目地幅(L0)を測定する。・・・加熱圧縮復元率=・・・=2.8%」

証拠方法23:特開平58-2342号公報(申立人5の甲第1号証)
「末端に少なくとも1つの加水分解性珪素基を含有し、主鎖が本質的にポリエーテルよりなる重合体をベースポリマーとする湿気硬化型室温硬化組成物に関する。」(1頁右下欄17〜20行)
「本発明組成物とは、・・・であって、且つ分子量が300〜15000であるポリエーテルに必要に応じて充填剤及び可塑剤及び添加剤等を含有する混合物中の水分を揮発性有機化合物を用いて共沸脱水操作により除去することによって得られる。」(2頁左上欄12〜20行参照)
「本発明組成物は、弾性シーリング材として、建築用、自動車用、船舶、土木工事等の分野に有用であり、更に塗料、接着剤としても使用できる。」(3頁左上欄20行〜同頁右上欄2行)
「硬化触媒としては、・・・、ジ-n-ブチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジフタレート、ジブチル錫オキサイドとエステルとの反応物などの有機錫化合物;・・・の公知のものが単独もしくは混合物として使用可能である。」(2頁右下欄20行〜3頁左上欄7行参照)
証拠方法24:特開昭57-182350号公報(申立人5の甲第3号証)
「(a)架橋可能な加水分解性シリコン官能基を有し主鎖が本質的にポリエーテルである重合体100重量部 (b)アミノ基置換シラン系化合物0.01〜20重量部 (c)硬化触媒0.01〜10重量部 を配合してなる密封下では安定で湿気にさらすことにより硬化する室温硬化性組成物。」(特許請求の範囲第1項)
「本発明は、室温硬化性組成物に係り、特に密封下では長期間安定であり湿気にさらすことにより急速に硬化してゴム状物質に変換する1液型変性シリコーン系ゴム組成物に関する。」(1頁右下欄3〜6行)
「本発明では硬化触媒が、前記ポリエーテル重合体に対し0.01〜10重量部使用されるが、使用される硬化触媒を具体的に例示すると、・・・、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズマレエート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイドの様なスズ化合物、・・・が用いられる。」(3頁右下欄第12行〜4頁左上欄1行参照)
「このようにして得られた組成物は、・・・建造物、自動車、船舶、土木工事等の弾性シーリング材として有用であり、更に注型ゴム、型取り用材料、塗料、接着剤としても使用できる。」(4頁左上欄18行〜同頁右上欄5行参照)
証拠方法25:特開昭62-209164号公報(申立人5の甲第4号証)
「(a)架橋可能なアルコキシシリル基を有し主鎖が本質的にポリエーテルである重合体100重量部 (b)アミノ基置換シラン系化合物0.01〜20重量部 (c)硬化触媒0.01〜10重量部 を配合してなる室温硬化性組成物を湿気にさらすことにより硬化する建造物用弾性シーリング材の製造方法。」(特許請求の範囲第1項)
「本発明では硬化触媒(C)が前記ポリエーテル重合体に対し0.01〜10重量部使用されるが、使用される硬化触媒を具体的に例示すると、・・・、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズマレエート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイドの様なスズ化合物、・・・等が用いられる。」(2頁右下欄18行〜3頁左上欄6行参照)

証拠方法26:特開昭57-205443号公報(申立人5の甲第5号証)
「加水分解可能なシリコン官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する硬化性組成物において、置換もしくは非置換加水分解性シリコン化合物が添加されていることを特徴とする密閉状態では安定であり湿気に曝すことにより硬化し得る室温硬化性組成物。」(特許請求の範囲第1項)
「大気中、水分に暴露するとゴム状物質へと硬化し得る、加水分解可能なシリコーン官能基を含有したポリオキシアルキレン重合体の配合物は、例えば建築用のシーラントに応用できる。」(1頁右下欄17〜20行)
「本発明のポリオキシアルキレン系重合体としては、・・・分子量が800〜15,000のものが好ましい。」(2頁右下欄7〜12行参照)
「本発明の組成物に用いられるシラノール縮合触媒としては、・・・、ジ-n-ブチル錫--ジ-ラウレート、ジ-n-ブチル錫-ジ-フタレートなどの4価の有機錫、・・・などが単独もしくは混合して使用できる。」(3頁左上欄15行〜同頁右上欄2行参照)

証拠方法27:「月刊 防水ジャーナル6月号」有限会社新樹社、昭和63年6月5日発行、p.39〜53(申立人5の甲第8号証)
「基材別動向 *変成シリコーン系* ・・・特に1成分形は一昨年の伸びを上回る35.7%増を示し、ルート需要での浸透のほか、近年急増しているサイディング材目地への適用がかなり進んでいることを物語っている。」(41頁右欄31〜37行参照)

証拠方法28:「高性能シーリング材・高分子防水材の新動向」石油化学工業研究所、1983年10月1日発行、p.36〜45(申立人5の甲第10号証)
「変成シリコーンポリマーはポリオキシプロピレンエーテルの主鎖の末端に反応性のアルコキシシリル基を有する液状ポリマーである。」(36頁最下行〜37頁第1行)

証拠方法29:旭硝子株式会社中央研究所内の田中英明による実験報告書(申立人5の甲第11号証)
「4.実験方法 1)実験1 ・・・硬化性組成物を製造し(公知例の追試試験)、その硬化物の加熱圧縮復元率を本件特許公報の記載に基づいて測定した。・・・ 方法:・・・組成物を作成した。次いで、本件特許公報の記載に基づき、硬化物の加熱圧縮復元率を測定した。表1に結果を示す。」(1頁19行〜2頁6行参照)
「2)実験2 ・・・ 方法:・・・。すなわち、・・・と混ぜ合わせて組成物を作成した。次いで、本件特許公報の記載に基づき、硬化物の加熱圧縮復元率を測定した。」(3頁5〜20行参照)
「3)実験3-1 ・・・ 方法:・・・、組成物を作成した。次いで、本件特許公報の記載に基づき、硬化物の加熱圧縮復元率を測定した。・・・。次いで、市販サイディングボード(・・・)を使用し、本件特許公報実施例の記載に基づき試験体を作成して接着性に関する試験を行った。・・・ (3-3)評価 ・・・。すなわち、加熱圧縮復元率の値が10%以下の組成物の接着性は良好であるという本件特許が主張する効果が得られなかった。」(4頁24行〜6頁5行参照)
「3)実験3-2 ・・・ 方法:・・・組成物を作成した。その他の点は、実験3-1と同様に行った。・・・ 評価 加熱圧縮復元率の値にかかわらず、予めプライマーを塗布したものは全て接着性がよく、プライマーを塗布しないものは、全て剥離した。」(6頁6行〜7頁2行参照)

(III-4)当審の判断
申立理由(1)、(2)について:
証拠方法1には、前記したように、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を用いて、従来のシーラントより低モジュラスで、内部応力の小さく、サイディング材に適したシーリング材を製造することが記載され、証拠方法2には、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を硬化剤や脱水材とともに建築用のシーラントに用いることが記載され、証拠方法3には、圧縮永久歪が小さくなるように縮合触媒を選択することが、変性シリコーン系シーリング材の配合におけるポイントであることが記載され、証拠方法4には、一成分形変成シリコーン系シーリング材を窯業系サィディング目地に用いることが記載されているものの、いずれの証拠方法にも、サイジングボード用シーリング材として、硬化物の加熱圧縮復元率が低い反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を使用すること、さらには、本件発明のように、「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下」であるものを使用することについて、記載も示唆もない。
特に「加熱圧縮復元率を10%以下」とする点は、証拠方法3の「圧縮永久歪が小さくなるように縮合触媒を選択することが、変性シリコーン系シーリング材の配合におけるポイントである」との記載からみて、当業者が容易に想到できることであるとすることができない。
したがって、本件発明の構成は、証拠方法1〜4に記載された発明に基づいても、当業者が容易に想到することができたものであるとすることはできない。 そして、本件発明は、前記構成により、明細書に記載されたとおりの効果を奏するものである。
よって、本件発明は、証拠方法1〜4に記載された発明に基づいても当業者が容易に発明することができたものであるとすることができず、申立人1、2の(1)、(2)の主張は採用できない。

申立理由(3)について:
証拠方法1、5〜9からみて、サイディングボード用シーリング材として変性シリコーン系シーリング材があり、低モデュラスタイプのものが製品化されていたと解されるものの、当該製品における変性シリコーンが本件発明における「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下」という要件を満足するものであるとする証拠はない。
したがって、本件発明が、その出願前に日本国内において公然と知られた又は実施された発明であるとすることはできず、申立人3の(3)の主張は採用できない。

申立理由(4)について:
証拠方法10には、本件発明と類似した方法で調整したときの硬化物の加熱圧縮復元率が8%である組成物が記載されているものの、建築用シーラントには、シーラントの復元性が重要になるとされたうえで、当該組成物が、建築用シーラントとして適する組成物の比較例として記載されていることからみて、証拠方法10が、前記組成物を建築用シーラントとして用いることを示唆しているとすることはできない。
証拠方法11には、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を硬化時にゴム状弾性体となる弾性シーラントが記載され、証拠方法12には、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を建築物用シーラントとすることが記載され、証拠方法6には、サイジング材目地部における変性シリコーンシーラントの使用方法が記載され、証拠方法13には、分子量および分子量分布を本件発明と同じくする反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体を建造物用シーラントに用いることが記載されているといえるものの、加熱圧縮復元率についての記載はなく、したがって、証拠方法6、11〜13が、建築物のシーラントにおいて、加熱圧縮復元率を10%以下にすることを示唆しているとすることはできない。
してみると、証拠方法6、10〜13を総合しても、変性シリコーン重合体を建築物用シーラントに用いるに際して、「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下」とすること、すなわち、本件発明の構成を示唆しているとすることはできず、本件発明の構成が当業者に容易に想到することができたものであるとすることはできない。
そして、、本件発明は、前記構成を採用することにより、願書に添付された明細書に記載されたとおりの効果を奏するものである。
したがって、申立人3の(4)の主張は採用できない。

申立理由(5)について:
申立理由(5)は、(ハ)特許請求の範囲には、添加成分について記載がなく、本件発明の構成が明確に記載されていない、(ニ)実施例1の記載は、触媒の添加量が具体的に記載されておらず、不明確である、(ホ)試験片を実施例の記載に基づいて作成したが、実施例の再現ができなかった、というものであるが、(ハ)については、本件の特許請求の範囲の記載は、添加成分の有無に関係なく明確であるから、本件発明の構成が不明確であるとすることはできず、(ニ)については、触媒の使用量は本件発明がその構成とするものでなく、その使用量は、具体的な記載が無くとも、本出願前に周知の技術(必要ならば、前記証拠方法13、23〜25参照)を参考にして当業者が適宜採用できるものと解されるうえに、それにより本件発明の構成および効果が理解できないというものでないから、特許を受けることができないとするほどの不備であるとすることはできず、(ホ)については、試験片を作成したとする条件が明らかにされていないから、当該主張のみで、実施例が再現できないものであるとすることはできず、結局、(ハ)、(ニ)、(ホ)のいずれをみても、本件の願書に記載された明細書の記載が、特許法第36条第4項および第5項の規定を満足しないとすることはできない。
したがって、申立人3の(5)の主張は採用できない。

申立理由(6)について:
証拠方法12、14〜22のうち、「加熱圧縮復元率」について記載されているのは、証拠方法22のみであるところ、証拠方法22に記載の「加熱圧縮復元率」は「標準養生(20℃×14日+30℃×14日)後」に測定したとされるものであり、本件発明における「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いた硬化物」について測定したものでないから、証拠方法22の結果をみても、証拠方法12、14〜21により、本件発明におけると同様の「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下」である反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体がサイジングボード用シーラントとして用いられていたとすることはできない。
したがって、証拠方法12、14〜22をみても、本件発明がその出願前に公然と知られた又は実施された発明であるとすることはできず、申立人3の(6)の主張は採用できない。

申立理由(7)について:
証拠方法11〜13、23〜26には 前記した内容が記載されているものの、加熱圧縮復元率について記載するところはなく、本件発明における「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下」という構成を有する発明が記載されているとすることはできない。
したがって、本件発明が証拠方法11〜13、23〜26に記載された発明であるとすることはできず、申立人5の(7)の主張は採用できない。

申立理由(8)について:
証拠方法12、13、23〜26には、前記したとおり、加熱圧縮復元率について記載するところはなく、証拠方法4、27にも、加熱圧縮復元率について記載するところはないうえに、証拠方法23〜25には、建造物用シーラントにゴム状物質や弾性体という、復元率の高いものを使用することが示されていることを考慮すると、証拠方法4、12、13、23〜27を総合しても、本件発明における「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であるサイジングボード用シーリング材組成物」という構成を有する発明が示唆されているとすることはできない。
また、証拠方法28には、加熱圧縮復元率についての記載がなく、証拠方法29には、加熱圧縮復元率に係る実験結果が示されているものの、その加熱圧縮復元率は、「組成物を作成した。次いで、本件特許公報の記載に基づき、硬化物の加熱圧縮復元率を測定した。」等とされ、養生条件等を明らかにすることなく本件特許公報を単に引用して特定された方法により測定したというものであるから、証拠方法29の加熱圧縮復元率の実験結果が本件発明における加熱圧縮復元率についての示唆を含んでいるとすることはできない。
したがって、証拠方法28、29を参照しても、本件発明の構成が証拠方法4、11〜13、23〜27に記載された発明に基づいて当業者に容易に想到されえたものであるとすることはできない。
そして、本件発明は、前記構成を採用することにより、願書に添付された明細書に記載されたとおりの効果を奏するものである。
したがって、本件発明は、証拠方法28、29を参照しても、証拠方法4、11〜13、23〜27に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできず、申立人5の(8)の主張は採用することができない。

申立理由(9)について:
申立理由(9)は、(ヘ)「硬化触媒として4価のスズ化合物を用いるという条件だけでは、加熱圧縮復元率は10%以下となるものの、サイディングに対して剥離しない組成物は必ずしも得られない。」、(ト)証拠方法29に示されるように、硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であろうとなかろうと、剥離防止効果における差異はほとんど認められず、本件特許公報に記載された本件発明の効果が認められない、というものであるが、(へ)は、「サイディングに対して剥離しない組成物は必ずしも得られない。」とするものであり、当該組成物が「得られない」とするものでなく、(ト)は、前記したように、証拠方法29には本件発明と同じ条件で養生した硬化物に対する実験結果が記載されているとすることはできないから、前提において誤りであり、結局、(ヘ)、(ト)は、ともに、本件発明の接着性に係る効果を否定するものではない。
そして、本件の願書に添付された明細書および図面には、前記効果が、実施例および比較例を用いて、当業者が容易に理解できる程度に具体的に記載されている。
してみると、本件の願書に添付された明細書および図面の記載が、前記効果の点で特許法第36条第4項の規定を満足しないとすることはできず、申立人5の(9)の理由は採用することができない。

(III-5)むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては、本件発明に係る特許が拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるとすることはできない。
また、他に本件発明に係る特許が拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるとする理由を発見しない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
シーリング材組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体から成るサイジングボード用シーリング材組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シーリング材組成物及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サイジングボードは建物の外壁等に用いられる、種々の材料でできている板である。サイジングボード自体が取付けられると、サイジングボードと建物の他の部材との間やサイジングボードと他のサイジングボードの間に必ず隙間(目地)が生じる。この目地にはシーリング材が充填され、防水および外気との遮断がなされる。
【0003】
この目地は温度変化、建物の動き等によりその幅が変動する。従って、シーリング材は幅の変動に追随できるようにゴムとしての性質すなわち復元性に優れたものである必要がある。すなわち、一度目地が広がったり、狭くなった後に、もとの幅に戻った場合、シーリング材ももとの状態に復元する必要があり、シーリング材が復元せず広がったまま、あるいは収縮したままの状態では外観が損なわれたり、シーリング材が接着面から剥離するという問題が生じる。
特に剥離はシーリング材にとって致命的である。
【0004】
シーリング材の復元性はJISA5758に耐久性として規定されており、区分9030に位置づけさられるものは優れた復元性を有するものである。しかし、反応性珪素基含有ポリオキシアルキレン重合体を用いたシーリング材(上記JISでは変成シリコン系のものが該当する)では区分9030に属するものでも経時的に界面から剥離する場合がある。
このような問題の解決策として通常考えられるのは、シーリング材に接着付与剤を添加したり、サイジングボード表面にプライマーを塗布して、接着強度を上げる方法、硬化物の引っ張りモジュラスを低下させ接着界面への応力を減少させる方法が考えられる。しかし、これらの方法は煩雑であったりコスト上昇になったり、硬化物の物性に変化をきたすといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記以外の方法により接着耐久性に優れたシーリング材組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、サイジングボード目地の特異的な動き、すなわち一定目地幅を中心としての伸縮(これはJISA5758の耐久性試験に相当する)ではなく、サイジングボードの乾燥に伴う収縮による一定方向(目地が広がる方向)への動き、それに伴って起こる、そりやねじれによるボードの面外への一定方向への動きに着目して、鋭意研究した結果本発明に達した。
【0007】
すなわち剥離は目地が広がる方向に動きのある箇所で多く発生しており、このような箇所には復元性の良いシーリング材よりもむしろ復元性が悪く変形が固定され界面に応力がかからないシーリング材を使用するのが適切なのである。
そして、復元性が悪いシーリング材を用いても目地の伸縮が繰り返される箇所では考えられるほど伸縮が大きくなく復元性が悪くても十分に用いることができることが判明したのである。
従って、上記課題は常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体から成るサイジングボード用シーリング材組成物により達成される。
【0008】
本発明でいう加熱圧縮復元率とは、JISA5758の耐久性評価項に準拠して、90℃にて1サイクル実施後、常温で1日放置後に測定した数字を用いて下記(1)式にて算出される。
加熱圧縮復元率=(L2-L1/L0-L1)×100・・・・(1)
ここで、
L0:加熱圧縮前のシーリング材の圧縮方向の厚み
L1:加熱圧縮時のシーリング材の圧縮方向の厚み
L2:JISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後、常温で1日間放置後のシーリング材の圧縮方向の厚み
加熱圧縮復元率は%で表される。
【0009】
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体の反応性ケイ素基の代表的なものを示すと、例えば、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R3)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。また、m個の下記〔化2〕基におけるbは異なっていてもよい。mは0〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする。〕
【0012】
【化2】

【0013】
上記Xで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基及びアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
【0014】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜5であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素中に2個以上存在する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
反応性ケイ素中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あってもよいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよい。
なお、下記〔化3〕の一般式(2)で表される反応性ケイ素基が、入手容易の点からは好ましい。
【0015】
【化3】

【0016】
〔式中、R2、X,aは前記と同じ。〕
また、上記一般式(1)におけるR1及びR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基、R3かメチル基やフェニル基などである(R3)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げられる。R1、R2、R3としてはメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基はオキシアルキレン重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。
【0017】
反応性ケイ素基はオキシアルキレン重合体分子鎖の末端に存在してもよく、内部に存在してもよい。反応性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれるオキシアルキレン重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
本発明の重合体における重合鎖を構成するオキシアルキレン重合体は、下記一般式(3)で表されるものが使用できる。
【0018】
一般式(3)
-(R-O)n- :(Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基、nは繰り返しの数を表わす)
しかしながら、入手の容易さの点からは下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有するオキシアルキレン重合体が好ましい。
【0019】
一般式(4)
-CH(CH3)CH2O-
上記オキシアルキレン重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、或いは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体等が含まれていてもよいが、上記一般式(4)で表される単量体単位が重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0020】
本発明の反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体は、官能基を有するオキシアルキレン重合体に反応性ケイ素基を導入することによって得るのが好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、若しくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により得られる不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有オキシアルキレン重合体にメルカプト基及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(3)上記末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y1官能基という)を有するオキシプロピレン重合体に、このY1官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y2官能基という)及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0021】
このY2官能基を有するケイ素化合物としては、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノブロピルトリエトキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカブト基含有シラン類;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン基;γ-クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示され得るが、これらに限定されるものではない。
以上の方法の中で、(1)の方法、または(3)のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法、が好ましい。
【0022】
上記反応性ケイ素基含有オキシアルキレン有機重合体としては、特に限定するものではないが、代表的なものを示すと、例えば、
特開昭50-156599号、同54-6096号、同57-126823号、同59-78223号、同55-82123号、同55-131022号、同55-137129号、同62-230822号、同63-83131号、特開平3-47825号、同3-72527号、同3-122152号、米国特許第3,632,557号、同4,345,053号、同4,366、307号、同4,960,844号等に開示されているものが例示できる。
【0023】
これらの重合体のうち特開平3-47825号、同3-72527号、同3-122152号に示されている、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下である重合体を用いると引っ張りモジュラスの小さい硬化物を得ることができ、硬化物の界面からの剥離を効果的に防ぐことができ好ましい。分子量分布や分子量は東ソー製高速ゲル浸透クロマトグラフ装置HLC8020を使用し、カラムとしてTSKゲルG3000HとG4000Hを直列に接続したもの、溶媒としてTHF、測定温度として40.0℃、溶媒流量として1.0ml/min、試料溶液として0.05gの試料を10ccのTHFに溶解したものを使用して測定できる。
また、硬化物の加熱圧縮復元率を10%以下にするには硬化触媒として4価のスズ化合物を用いることにより得ることができる。なお、2価のスズ化合物を用いると復元率は大きくなる。
シーリング材のサイジングボードへの施工に当たっては、プライマーは必要に応じて使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例によって本発明について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
参考例1〜2、比較参考例1
全末端の85%に(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2-基を含有し、数平均分子量5000、分子量分布(Mw/Mn)が2.0のポリオキシプロピレン重合体を用い、硬化触媒としてジブチルスズフタレート、オクチル酸スズ、ラウリルアミンの混合触媒を用い、ジブチルスズフタレートとオクチル酸スズの割合を変化させて硬化物の加熱圧縮復元率が3%、10%、30%となる硬化性シーリング材組成物を得た。これらのシーリング材について、市販サイジングボードを〔縦(a)×横(b)×高さ(c)〕がそれそれ10cm×5cm×1.2cm角に切断した試験片に、図1のようにシーリング材を〔幅(d)×長さ(e)〕が1.2cm×8cmになるように施工して、常温で7日間、続いて50℃で7日間養生後、30%引っ張り変形〔幅(1.3d)=f〕(図2に示した)と10°ねじり変形〔ねじり角度Θ〕(図3に示した)を与え(この場合Θ=10°)、応力をかけたまま常温で1ケ月間放置して、その後の接着状態を観察した。
観察結果も下記の表1に示した。
【0026】
【表1】

【0027】
実施例1
全末端の85%に(CH3O)2Si(CH3)CH2CH2CH2-基を含有し、数平均分子量10,000、ゲル浸透クロマトグラフで測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.3のポリオキシプロピレン重合体を用い、加熱圧縮復元率が10%のシーリング材を得た。このシーリング材について上記と同様のテストを行ったが30%引っ張り変形、10℃ねじれのいづれの場合も接着異常はなかった。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、接着耐久性に優れたシーリング材組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
10cm×5cm×1.2cm角に切断したサイジングボード試験片にシーリング材を施工した模式図。
【図2】
シーリング材を施工したサイジングボード試験片に30%引っ張り変形を与えた状態を示す模式図。
【図3】
シーリング材を施工したサイジングボード試験片に10°ねじり変形を与えた状態を示す側面模式図。
【符号の説明】
1 サイジングボード(試験片)
2 シーリング材
3 スペーサー
 
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の「硬化物の加熱圧縮復元率10%以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体から成るサイジングボード用シーリング材組成物。」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「常温で7日間、続いて50℃で7日目の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体から成るサイジングボード用シーリング材組成物。」と訂正する。
▲2▼訂正事項b
明細書第2ページ第25〜26行目の「硬化物の加熱圧縮復元率10%以下反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体」を、明瞭でない記載の釈明を目的として、「常温で7日間、続いて50℃で7日間の養生条件を用いたJISA5758耐久性9030試験を1サイクル実施後の硬化物の加熱圧縮復元率が10%以下であり、分子量が10,000以上で分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体」と訂正し、
明細書第7ページ第28行目の「実施例1〜2、比較例1」を、明瞭でない記載の釈明を目的として、「参考例1〜2、比較参考例1」と訂正し、
明細書第8ページ第17行目の「実施例3」を、明瞭でない記載の釈明を目的として、「実施例1」と訂正し、
表1中「実施例1、実施例2、比較例1」を、明瞭でない記載の釈明を目的として、「参考例1、参考例2、比較参考例1」と、それぞれ訂正する。
異議決定日 2003-03-25 
出願番号 特願平4-116798
審決分類 P 1 651・ 113- YA (C09K)
P 1 651・ 111- YA (C09K)
P 1 651・ 121- YA (C09K)
P 1 651・ 531- YA (C09K)
P 1 651・ 534- YA (C09K)
P 1 651・ 112- YA (C09K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 井上 千弥子  
特許庁審判長 雨宮 弘治
特許庁審判官 佐藤 修
井上 彌一
登録日 1998-11-13 
登録番号 特許第2849883号(P2849883)
権利者 鐘淵化学工業株式会社
発明の名称 シーリング材組成物  
代理人 内田 明  
代理人 萩原 亮一  
代理人 萩野 平  
代理人 安西 篤夫  
代理人 高橋 金六  
代理人 添田 全一  
代理人 渡辺 望稔  
代理人 青山 葆  
代理人 松井 茂  
代理人 添田 全一  
代理人 萩野 平  
代理人 三和 晴子  
代理人 田村 恭生  
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