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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H01L 審判 全部申し立て 2項進歩性 C09J 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 H01L 審判 全部申し立て 5項3号及び6項 請求の範囲の記載形式不備 H01L 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 H05K |
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管理番号 | 1079565 |
異議申立番号 | 異議2001-72978 |
総通号数 | 44 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1999-12-14 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-10-25 |
確定日 | 2003-05-06 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3161601号「TAB用銅張基板および接着剤シ-ト」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3161601号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許は、特許法第41条の規定に基づく優先権主張を伴う平成3年7月26日(優先日、平成2年11月30日)に出願した特願平3-274459号の一部を平成11年3月26日に新たな特許出願としたものであって、請求項1及び2に係る発明につき平成13年2月23日に特許権の設定登録がなされた後、平成13年10月25日に特許異議申立人である東レ株式会社より、請求項1及び2に係る特許について特許異議の申立がなされて、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成15年3月18日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 訂正事項a. 特許請求の範囲【請求項1】及び【請求項2】の「積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上」を「積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上」と訂正する。 訂正事項b. 明細書の段落番号【0011】及び【0012】の「積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上」を「積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上」と訂正する。 訂正事項c. 明細書の段落番号【0047】の記載を「接着強度は、インテスコ社製の引張り試験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を行って測定した結果である。 また、軟化点は、荷重25kg/cm2、昇温速度10℃/分でペネトレーション法で測定した結果である。」と訂正する。 訂正事項d. 明細書の段落番号【0065】の「実施例3」を「実施例3(参考)」と訂正する。 訂正事項e. 明細書の段落番号【0066】の「実施例4」を「実施例4(参考)」と訂正する。 訂正事項f. 明細書の段落番号【0068】の「実施例6」を「実施例6(参考)」と訂正する。 訂正事項g. 明細書の段落番号【0075】の「実施例9」を「実施例9(参考)」と訂正する。 訂正事項h. 明細書の段落番号【0077】の「実施例11」を「実施例11(参考)」と訂正する。 訂正事項i. 明細書の段落番号【0078】の「実施例12」を「実施例12(参考)」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の適否 上記訂正事項aは、本件特許公報の実施例2における「得られた積層体について、・・・180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を示す。・・・接着強度(180℃):0.6kg/cm」、実施例10における「得られた積層体について接着強度を測定し、・・・。接着強度(180℃):0.60kg/cm」の記載に基づいて、「積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上」から「積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上」に特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、上記訂正事項b及びd〜iは、訂正事項aと整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものである。 また、訂正事項cについては、軟化点の測定方法に関して、本件特許公報の【0006】、【0007】に「・・・接着性フィルム・・・が提案されている。(例えば、特開昭62-232475号公報及び特開昭62-235382号公報を参照) しかし、前記接着性フィルムはその軟化点が180℃以上であり、・・・」と記載されており、それらの公開公報にはいずれも「軟化点は荷重25kg/cm2、昇温速度10℃/分でペネトレーション法で測定した。」との記載があることから、本件特許においてもその軟化点は「荷重25kg/cm2、昇温速度10℃/分でペネトレーション法で測定」した値であることは明らかであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものである。 そして、上記訂正事項a〜iは、いずれも願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立についての判断 (1)申立の理由の概要 特許異議申立人は、甲第1及び2号証を提出して、請求項1及び2に係る発明は、甲第2号証(東レ株式会社、電子情報材料研究所、渡辺拓生による実験報告書)を参酌すれば、甲第1号証(特開平2-124971号公報)に記載された発明であるか、又は甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第1項又は同法第29条第2項の規定に違反したものであり、請求項1及び2に係る発明の特許は同法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきと主張している。 さらに、特許異議申立人は、参考資料1を提出し、軟化点の測定方法は参考資料1(JIS K7206「熱可塑性プラスチックのビカット軟化温度試験方法」)に記載のとおり明確に定義されていなくてはならないところ、請求項1及び2に係る発明の接着剤の軟化点の測定方法が不明であるため、特許法第36条第4〜6項に規定する要件を満たしていないから、請求項1及び2に係る発明の特許は同法第113条第1項第4号の規定により取り消されるべきと主張している。 (2)本件の請求項1及び2に係る発明 上記「2.訂正に適否についての判断」で示したように上記訂正が認められるから、訂正後の本件の請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1」及び「本件発明2」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカール性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板。 【請求項2】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカール性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シート。」 (3)甲号証の記載事項 甲第1号証には、以下の事項が記載されている。 (1-a)「比較例3 フィルム状接着剤のかわりにパイララックス(デュポン社製アクリル系フィルム状接着剤)を用い、実施例1と同様の構成で・・・積層し、フレキシブル印刷配線板用基板を得た。」(第9頁左上欄第4〜9行) (1-b)「実施例8 ・・・ポリイミドフィルムと・・・銅箔の間に・・・フィルム状接着剤を1枚はさんで、・・・積層し、フレキシブル印刷配線板用基板を得た。」(第8頁右上欄下から第4行〜同頁左下欄第2行) 甲第2号証は、東レ株式会社、電子情報材料研究所、渡辺拓生による実験報告書であり、甲第1号証の比較例3に記載されたデュポン社製アクリル系フィルム状接着剤「パイララックス」の軟化温度、及びそれを用いたフレキシブル印刷配線板用基板の180℃での接着強度、銅箔をエッチング処理した後のカールによる曲率半径の測定結果を示したものである。実験測定結果として、「パイララックス」の軟化温度が64℃であったこと、それを用いたフレキシブル印刷配線板用基板の180℃での接着強度が4回の実験のうち3回は0.51kg/cm、残り1回は0.52kg/cmであったこと、銅箔をエッチング処理した後のカールによる曲率半径が「÷∞」(審判PLシステム上、概ね等しいとの符号を「÷」で示す)であったことが示されている。 (4)対比判断 (イ)本件発明1について 上記摘記事項(1-a)において「実施例1と同様の構成で・・・積層し、フレキシブル印刷配線板用基板を得た。」との記載があるが、甲第1号証の実施例1は単にフィルム状接着剤を示したもので、フレキシブル印刷配線板用基板を得たものでないため、上記摘記事項の(1-b)のフレキシブル印刷配線板用基板を得ている実施例8を参照すると、比較例3のフレキシブル印刷配線板用基板は、ポリイミドフィルム、すなわち耐熱性フィルムと銅箔とをフィルム状接着剤である「パイララックス」によって張り合わせた積層体からなるものと認められる。また、上記「フレキシブル印刷配線板用基板」はTAB用基板も含めて示していることは当業者において自明のことである。してみれば、甲第1号証には、ポリイミドフィルム、すなわち耐熱性フィルムと銅箔とをフィルム状接着剤である「パイララックス」によって張り合わせた積層体からなるTAB用銅張基板が記載されている。また、甲第2号証を参酌すれば、当該「パイララックス」はその軟化温度が64℃であり、それを用いたフレキシブル印刷配線板用基板の180℃での接着強度が0.51kg/cm、0.52kg/cmであり、銅箔をエッチング処理した後のカールによる曲率半径は「÷∞」であるものであるから、軟化点が150℃以下、銅箔をエッチング処理して測定したカール性を示す曲率半径が100mm以上であることを満たすものである。 本件発明1と甲第1号証記載の発明とを対比すると、両者は「耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、銅箔をエッチング処理して測定したカール性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板」の点で一致しているが、本件発明1が「積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上」であるのに対し、甲第1号証記載の発明では、甲第2号証を参酌すれば、その積層体の180℃での接着強度は高々0.51kg/cm、0.52kg/cmである点で相違している。 上記相違点について検討するに、甲第1号証ではもともと、積層体の180℃での接着強度について何ら言及されておらず、甲第2号証の実験報告書での「パイララックス」を用いたフレキシブル印刷配線板用基板の180℃での接着強度の測定結果をいくら参照しても、「積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上」との構成は導かれるものではない。また、本件発明1の構成を有することにより、明細書記載の「基板が耐熱性樹脂接着剤が加熱硬化された後であっても、耐熱性(150℃以上の温度での接着性が優れている)とともに可とう性などに優れているので、TAB用銅張基板などの柔軟性を必要とする配線基板として好適に使用することができる。」という顕著な効果を奏するものである。 よって、本件発明1は、甲第2号証を参酌しても、甲第1号証に記載された発明とも、また甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (ロ)本件発明2につてい 本件発明2は、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成されてなる接着剤シートについての発明であるが、本件発明1の「耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカール性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板」であること、及び「未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である」ことを構成要件とする発明であるから、上記(イ)と同様、本件発明2について、甲第2号証を参酌しても、甲第1号証に記載された発明とも、それに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (5)記載不備について 上記「2.訂正に適否についての判断」で示したように上記訂正は認められるものである。訂正事項cによって、接着剤の軟化点の測定方法が明確に定義されたため、本件特許明細書は特許法第36条第4〜6項に規定する要件を満たすものである。 (6)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1及び2に係る特許については、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるとすることができないし、しかも他に拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものであるとする理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 TAB用銅張基板および接着剤シ-ト (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板。 【請求項2】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-ト。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、TAB用銅張基板および該基板用接着剤シ-トに係わり、さらに詳しくは、耐熱性フィルムと銅箔と耐熱性樹脂接着剤との積層体からなり、積層が容易で耐熱性があってカ-ル性の少ないTAB用銅張基板、および耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性接着剤の薄層を形成してなる該基板用接着剤シ-トに係わる。 【0002】 この発明における耐熱性樹脂接着剤は、銅箔と耐熱性フィルムとの張り合わせを比較的低温で行うことができると共に、前記耐熱性樹脂接着剤で張り合わされた積層体は、接着剤層が充分な接着力を示し、しかも、優れた耐熱性を示すので、TAB(Tape Automated Bonding)用銅張基板として使用すれば、基板が、その後のハンダ処理などの各種の高温処理工程を安心して行うことができ、最終製品の品質を高めたり、不良率を低下させたりできる。 【0003】 【従来の技術】 従来、フレキシブル配線基板などの基板は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの接着剤を用いて、芳香族ポリイミドフィルムと銅箔とを張り合わせることによって製造されていることが多かった。 【0004】 しかし、公知の接着剤を使用して製造された配線基板は、その後のハンダ工程で高温に曝されると、接着剤層において、ふくれや剥がれを生じるという問題があり、接着剤の耐熱性の向上が望まれていた。 【0005】 耐熱性接着剤として、イミド樹脂系接着剤、例えば、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミドと、4,4’-ジアミノジフェニルメタンからなる予備縮合物が知られている。しかし、この予備縮合物自体は、脆いために、フレキシブル回路用基板用の接着剤としては適していない。 【0006】 前記欠点を改良する方法として、ベンゾフェノンテトラカルボン酸類と芳香族ジアミンとから得られる芳香族ポリイミドとポリビスマレイミドとを混合した樹脂組成物から接着性フィルム(ドライフィルム)を形成し、その接着性フィルムをポリイミドフィルムなどの耐熱性フィルムと銅箔との間に挟み込んで熱圧着する方法が提案されている。(特開昭62-232475号公報および特開昭62-235382号公報を参照) 【0007】 しかし、前記の接着性フィルムはその軟化点が180℃以上であり、ポリイミドフィルムと銅箔との接着を、約260-280℃程度の高い温度下で、しかも約30-60kg/cm2程度の高い圧力下で行う必要があり、このような接着条件では、有機樹脂製の圧着ロ-ルを使用して連続的に、ポリイミドフィルムと銅箔とをラミネ-トすることが極めて困難であり、実用性という点で問題であった。 【0008】 なお、配線板等の電子部品のコ-ティング用組成物として、芳香族ポリイミド等にエポキシ樹脂を配合した樹脂溶液(ワニス)が、前記樹脂硬化物からなる耐熱性コ-ティング層と配線板等との接着性を改良するために、種々提案されている。 【0009】 しかし、公知の組成物は前述のような銅張基板の製造における「銅箔と芳香族ポリイミドフィルムとを接着するための接着剤」としては、張り合わせ又は硬化の温度が高くなったり、芳香族ポリイミドとエポキシ樹脂との相溶性又は芳香族ポリイミドと溶媒との相溶性が低かったり、あるいは接着・硬化した後の接着剤層が柔軟でなかったりという問題があり、実際に接着剤として使用できるものではなかった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 この発明の目的は、前述の公知の接着剤における問題点が解消されたTAB用銅張基板および基板用接着剤シ-トを提供することを目的とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】 この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に関する。 【0012】 また、この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-トに関する。 【0013】 この発明における耐熱性樹脂接着剤としては、(a)ビフェニルテトラカルボン酸類を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分と、一般式I H2N-R-[Si(R1R2)-O-]n-Si(R3R4)-R-NH2(I) 【0014】 (ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、R1、R2、R3及びR4は低級アルキル基又はフェニル基を示し、nは3-60の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン20-80モル%及び芳香族ジアミン20-80モル%からなるジアミン成分とから得られた可溶性のポリイミドシロキサン100重量部、(b)エポキシ基を有するエポキシ化合物10-100重量部、及び(c)エポキシ硬化剤が、樹脂成分として含有されている組成物が好適に使用される。 【0015】 前記の可溶性ポリイミドシロキサンとしては、特に3,3’,4,4’-又は2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸類(特に2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸又はその酸二無水物、或いはその酸エステル化物)などのビフェニルテトラカルボン酸類を主成分とする(60モル%以上、特に80〜100モル%含有する)芳香族テトラカルボン酸成分と、▲1▼前記一般式Iで示されるジアミノポリシロキサン20-80モル%(特に20-70モル%、更に好ましくは22-66モル%)、及び、▲2▼芳香族ジアミン80-20モル%(特に80-30モル%、更に好ましくは78-34モル%)からなるジアミン成分とを、重合及びイミド化することにより得られる高分子量のポリイミドシロキサンが好適である。 【0016】 また、可溶性樹脂成分のエポキシ化合物としては、ビスフェノ-ルAグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂、ビスフェノ-ルFグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂、フェノ-ルノボラックグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂あるいはグリシジルアミン型エポキシ樹脂などの1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の単独又は複数種の併用系が好適である。 【0017】 前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度(測定濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N-メチル-2-ピロリドン:NMP、測定温度;30℃)が0.05-7、特に0.07-4、さらに0.1-3程度である重合体であり、さらに、有機極性溶媒のいずれかに(特にアミド系溶媒)少なくとも3重量%、特に5-40重量%程度の濃度で均一に溶解させることができるものが好ましい。 【0018】 前記のポリイミドシロキサンは、赤外線吸収スペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以上、特に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分析においてポリマ-のアミド-酸結合に係わる吸収ピ-クが実質的に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピークのみが見られるような高いイミド化率であることが好ましい。 【0019】 前記の可溶性のポリイミドシロキサンは、フィルムに成形した場合に、その弾性率が250kg/mm2以下、特に好ましくは200kg/mm2以下、さらに好ましくは0.5-150kg/mm2であることが好ましく、そしてさらに軟化温度が-10℃以上、特に5-250℃、熱分解開始温度が250℃以上、特に300℃以上であり、二次転位温度が-10℃以上、特に30〜250℃程度であることが好ましい。 【0020】 ポリイミドシロキサンの製法としては、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸類(好適には2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸類)を主成分とする(好適には約60モル%以上含有)芳香族テトラカルボン酸成分と▲1▼前記一般式Iで示されるジアミノポリシロキサン20-80モル%及び▲2▼芳香族ジアミン80-20モル%からなるジアミン成分とを使用して、フェノ-ル系溶媒、アミド系溶媒、硫黄原子を有する化合物の溶媒、グリコ-ル系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機極性溶媒中、高温下(特に好ましくは140℃以上の温度下)に、両モノマー成分を重合及びイミド化するという製法を挙げることができる。 【0021】 前記のビフェニルテトラカルボン酸類は、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン二無水物(a-BPDA)が、ジアミン成分との重合によって得られたポリイミドシロキサンの有機極性溶媒に対する溶解性及びエポキシ化合物との相溶性の点で最適である。 【0022】 また、前記のポリイミドシロキサンの製法としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機極性溶媒中で0-80℃の低温下に重合して、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を製造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイミド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方法であってもよい。 【0023】 さらに、前記のポリイミドシロキサンの製法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過剰量とジアミノポリシロキサンのみからなるジアミン成分とを重合して得られたイミドシロキサンオリゴマ-(X成分:平均重合度が1〜10程度であり、末端に酸又は酸無水基を有する。)、および、前記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンのみからなるジアミン成分の過剰量とを重合して得られたイミドオリゴマ-(Y成分:重合度が1-10程度であり、末端にアミノ基を有する。)を準備して、次いで、前記X成分及びY成分を、両者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル付近となるように混合し反応させて、ブロックポリイミドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることができる。 【0024】 前記の耐熱性樹脂接着剤において、ポリイミドシロキサンが、ビフェニルテトラカルボン酸類以外の他のテトラカルボン酸類を主成分として製造されたものであると、そのポリイミドシロキサンが有機極性溶媒に対して難溶性となったり、エポキシ樹脂との相溶性が悪化したりする。 【0025】 前記のポリイミドシロキサンの製造に使用される芳香族テトラカルボン酸成分として、a-BPDAなどと共に使用することができるテトラカルボン酸化合物としては、例えば、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルエ-テルテトラカルボン酸、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、ピロメリット酸、または、それらの酸二無水物、エステル化物などを好適に挙げることができる。 【0026】 前記のポリイミドシロキサンの製造に使用される前記一般式Iで示されるジアミノポリシロキサンとしては、一般式I中のRが炭素数2-6個、特に3-5個の「複数のメチレン基」またはフェニレン基からなる2価の炭化水素残基であり、R1-R4がメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1-5個の低級アルキル基またはフェニル基であることが好ましく、さらに、nが特に5-20、さらに好ましくは5-15程度であることが好ましい。 【0027】 前記のポリイミドシロキサンの製造に使用される芳香族ジアミンとしては、例えば、(1) ビフェニル系ジアミン化合物、ジフェニルエ-テル系ジアミン化合物、ベンゾフェノン系ジアミン化合物、ジフェニルスルホン系ジアミン化合物、ジフェニルメタン系ジアミン化合物、2,2-ビス(フェニル)プロパンなどのジフェニルアルカン系ジアミン化合物、2,2-ビス(フェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン系化合物、ジフェニレンスルホン系ジアミン化合物、 【0028】 (2) ジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、ジ(フェニル)ベンゼン系ジアミン化合物、(3) ジ(フェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン系化合物、ジ(フェノキシフェニル)プロパン系ジアミン系化合物、ジ(フェノキシフェニル)スルホン系ジアミン化合物などの「芳香族環(ベンゼン環など)を2個以上、特に2-5個有する芳香族ジアミン化合物」を主として含有する芳香族ジアミンを挙げることができ、それらを単独、あるいは、混合物として使用することができる。 【0029】 前記芳香族ジアミンとしては、特に、1,4-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ジアミノジフェニルエ-テルなどのジフェニルエ-テル系ジアミン化合物、1,3-ジ(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ジ(4-アミノフェノキシ)ベンゼンなどのジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、2,2-ジ〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ジ〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等のジ(フェノキシフェニル)プロパン系ジアミン系化合物、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのジ(フェノキシフェニル)スルホン系ジアミン化合物などの「芳香族環を2-4個有する芳香族ジアミン化合物」を主として(90モル%以上)含有する芳香族ジアミンを好適に挙げることができる。 【0030】 前記ポリイミドシロキサンの製造で使用される有機極性溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾ-ル、フェノ-ル、キシレノ-ルなどのフェノ-ル系溶媒、アセトン、メタノ-ル、エタノ-ル、エチレングリコ-ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素などのその他の溶媒を挙げることができ、さらに、必要であれば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルのような他の種類の有機溶媒を併用することも可能である。 【0031】 前記のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノ-ルAグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 828)、ビスフェノ-ルFグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂、フェノ-ルノボラックグリシジルエ-テル型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂〔例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 871、岡村製油株式会社製、商品名:IPU 22G〕あるいはグリシジルアミン型エポキシ樹脂〔例えば、三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッド X〕などの1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を挙げることができ、前述の各種のエポキシ樹脂を複数併用することもできる。この発明では、エポキシ樹脂は、融点が90℃以下、特に0〜80℃程度であるもの、あるいは、30℃以下の温度で液状であるものが特に好ましい。 【0032】 また、前記の耐熱性樹脂接着剤においては、前述のエポキシ化合物(樹脂組成物)の適当な硬化剤、硬化促進剤などが少量添加されていてもよい。前記のエポキシ化合物の硬化剤、硬化促進剤としては、イミダ-ル類、第3級アミン類、フェノ-ル類、トリフェニルフォスフィン類、ジシアンジアミド類、ヒドラジン類、芳香族ジアミン類、有機過酸化物などを挙げることができる。 【0033】 前記のエポキシ硬化剤は、その使用割合を適宜決めることができるが、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01-60重量部、特に0.03-50重量部程度使用することことが好ましい。 【0034】 前記の耐熱性樹脂接着剤としては、特に、(a-1)前記のビフェニルテトラカルボン酸類を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分と、前述の一般式Iで示されるジアミノポリシロキサン20-80モル%及び芳香族ジアミン20-80モル%からなる芳香族ジアミン成分とから得られた可溶性のポリマ-であって、フィルムに形成した場合に弾性率が150kg/mm2以下、特に好ましくは0.5-100kg/mm2であって、さらに、そのフィルムの軟化温度が5℃以上、特に5〜250℃程度であるポリイミドシロキサン、 【0035】 (b-1)エポキシ基を有するエポキシ化合物10-100重量部、好ましくは20-80重量部、および、(c-1)エポキシ硬化剤がエポキシ化合物100重量部に対して0.01-60重量部、特に0.03-50重量部が樹脂成分としてとして含有されている耐熱性樹脂接着剤が、金属箔と耐熱性フィルムとを比較的低い接着温度で接着させることができると共に、接着剤層として加熱硬化された後にもかなり柔軟性を有しているので好適である。 【0036】 すなわち、前記の最適な耐熱性接着剤は、前述の種々の優れた点を有していると共に、厚さ5〜150μm程度の柔軟な耐熱性樹脂フィルムと銅箔、アルミニウム箔などの金属箔とがこの接着剤層を介して接合して得られた金属箔張合わせ材料(フレキシブル銅張り板)をエッチング処理して配線基板とした場合に、接着操作において加熱硬化された接着剤層が極めて柔軟であって、その配線基板が極めて激しいカ-ルを生じることがないのである。 【0037】 前記の耐熱性樹脂接着剤は、前記のポリイミドシロキサンと、エポキシ化合物と、場合によりさらにエポキシ硬化剤とからなる特定の組成比の樹脂成分が、主成分として(特に好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95-100重量%程度)含有されている耐熱性樹脂接着剤であればよいが、前記の全樹脂成分が、適当な有機極性溶媒中に、特に3-50重量%、さらに好ましくは5-40重量%の濃度で均一に溶解されている耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物として使用される。 【0038】 その耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物は、その溶液粘度(30℃)が、0.1-10000ポイズ、特に0.2-5000ポイズ、さらに1-1000ポイズ程度であることが好ましい。 【0039】 また、前記の溶液組成物は、無機充填剤が前記樹脂成分の1-50重量%、特に5-40重量%の濃度で均一に分散されている耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物であってもよい。 【0040】 なお、この発明における耐熱性樹脂接着剤は、未硬化の樹脂成分のみの組成物の軟化点(熱板上で軟化が開始する温度)が、150℃以下、特に120℃以下、さらに好ましくは100℃以下であることが好ましい。この発明における耐熱性樹脂接着剤は、130-400℃、さらに好ましくは140-350℃の硬化温度に加熱することによって熱硬化することができるものであることが好ましい。 【0041】 また、この発明における耐熱性樹脂接着剤は、樹脂成分として、フェノール樹脂などの他の熱硬化性樹脂などが少ない割合で含有されていてもよい。前記の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を調製する際に使用される有機極性溶媒は、前述のポリイミドシロキサンの製造に使用される有機極性溶媒をそのまま使用することができ、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有する有機極性溶媒を好適に使用することがでる。 【0042】 この発明における耐熱性樹脂接着剤は、前述の樹脂成分の全てが有機極性溶媒に均一に溶解されている耐熱性の接着剤の溶液組成物を、適当な金属箔、芳香族ポリイミドフィルムなどの耐熱性フィルム、または、ポリエステルやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂性のフィルムである樹脂フィルムの面上に塗布し、その塗布層を60-140℃、特に80-130℃の温度で20秒-100分間、特に30-60分間乾燥することによって、実質的に溶媒が除去された(好ましくは溶媒残存割合が1重量%以下、特に0.5重量%以下である)未硬化状態の耐熱性樹脂接着剤の薄膜(厚さが約1-200μmであるドライフィルムまたはシート)を形成することができる。 【0043】 前述のようにして製造された未硬化の耐熱性接着剤の薄膜は、好適な柔軟性を有しており、紙管などに巻きつけたり、また、打ち抜き法などの穴開け加工をすることもでき、さらに、例えば、前記の耐熱性又は熱可塑性フィルム上に未硬化の耐熱性接着剤の薄層が形成されている積層シ-トと、転写先用の金属箔または耐熱性フィルムなどとを重ね合わせて、約20-140℃、特に30-130℃の温度に加熱された一対のロ-ル(ラミネ-トロ-ル)間を通すことによって転写先用の金属箔又は耐熱性フィルム上に転写することも可能である。このように、実質的に溶媒が除去された未硬化状態の耐熱性樹脂接着剤の薄膜は耐熱性又は熱可塑性フィルムから容易に引き剥がすことが容易である。 【0044】 この発明における耐熱性樹脂接着剤を使用して耐熱性フィルムと銅箔とを接合させて銅張基板などの積層体を形成するには、例えば、前述のように形成された薄膜状の耐熱性樹脂接着剤を介して、耐熱性フィルムと銅箔とを80-190℃、特に100-180℃の温度でラミネ-ト(張り合わせ)して、さらに、そのラミネ-トされたものを、80-350℃の温度で、30分間-40時間、特に1-30時間加熱して、前記耐熱性の接着剤層を加熱硬化させることによって前述の積層体を何らの支障もなく容易に連続的に製造することができる。 【0045】 前記の耐熱性フィルムとしては、芳香族ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエ-テルエ-テルケトン、PEEKフィルム、ポリエ-テルスルホンフィルムなどが挙げられる。 【0046】 【実施例】 以下、実施例を示し、この発明をさらに詳しく説明する。以下の実施例においては、対数粘度(ηinh)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ml溶媒となるように、芳香族ポリイミドシロキサンまたはイミドオリゴマ-を、N-メチル-2-ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液を調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶液粘度を30℃で測定して下記の計算式で算出された値である。 対数粘度(ηinh)=In(溶液粘度/溶媒粘度)/溶液の濃度 また、ポリイミドシロキサン中のシロキサン単位の含有率は、ジアミノシロキサン使用量を全ジアミン化合物使用量で割った値(モル%)から求められる。 【0047】 接着強度は、インテスコ社製の引張り試験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を行って測定した結果である。 また、軟化点は、荷重25kg/cm2、昇温速度10℃/分でペネトレ-ション法で測定した結果である。 【0048】 さらに、耐熱性接着剤を使用して銅張り基板を形成し、その銅箔をエッチング処理して除去した後の配線板のカ-ル性を示す曲率半径は、JIS規格C5012に示された計算式〔曲率半径(mm)=L2/8h(L:試料長さ、h:そり高さ)〕で算出された値である。 【0049】 参考例1 〔イミドシロキサンオリゴマ-X1の製造〕容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)88.27g(0.3モル) (b)一般式Iで示されるジアミノポリシロキサン(R:-CH2CH2CH2-、R1-R4:-CH3、n:9)176g(0.2モル)、および、 (c)N-メチル-2-ピロリドン(NMP)1957.08g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間撹拌して、アミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約200℃に昇温し、その温度で3時間撹拌して末端に無水基を有するイミドシロキサンオリゴマ-(X1成分、平均重合度:2)を生成させた。 【0050】 参考例2 〔イミドシロキサンオリゴマーX5の製造〕容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)205.95g(0.7モル) (b)一般式で示されるジアミノポリシロキサン(R:-CH2CH2CH2-、R1-R4:-CH3、n:9)528g(0.6モル)、および、 (c)N-メチル-2-ピロリドン(NMP)1057.08g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間撹拌してアミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約200℃に昇温して、その温度で3時間撹拌して末端に無水基を有するイミドシロキサンオリゴマ-(X5成分、平均重合度:6)を生成させた。 【0051】 参考例3 〔イミドオリゴマ-Y1の製造〕容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)58.84g(0.2モル)、 (b)2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)123.16g(0.3モル) (c)N-メチル-2-ピロリドン(NMP)1855.58g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間撹拌してアミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約200℃に昇温して、その温度で3時間撹拌して末端にアミノ基を有するイミドオリゴマ-(Y1成分、平均重合度:2)を生成させた。 【0052】 参考例4 〔イミドオリゴマ-Y5の製造〕容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)176.53g(0.6モル) (b)2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)287.36g(0.7モル) (c)N-メチル-2-ピロリドン(NMP)1855.58g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間撹拌してアミック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約200℃に昇温して、その温度で3時間撹拌して末端にアミノ基を有するイミドオリゴマ-(Y5成分、平均重合度:6)を生成させた。 【0053】 参考例5 〔ポリイミドシロキサンの製法〕 参考例1において製造されたイミドシロキサンオリゴマ-(X1成分)25.71g、参考例4において製造されたイミドオリゴマ-(Y5成分)44.23g(各成分のモル比、a-BPDA0.3mol:DASi0.2mol:a-BPDA0.6mol:BAPP0.7mol)、および、NMP299.76gを、容量500mlのガラス製フラスコに仕込み、窒素気流中、50℃で1時間撹拌して、ポリアミック酸ブロックポリマーを生成させ、次いで、その反応液を200℃に昇温してその温度で3時間撹拌して、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y5)を生成させた。前記のポリイミドシロキサンは、イミド化率が95%以上であり、対数粘度が0.49であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルム(厚さ50μm、以下同じ)の弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:120kg/mm2 軟化温度:230℃ 【0054】 参考例6 前述の参考例1で製造されたオリゴマ-:(X1成分)23.81g、参考例3において製造されたイミドオリゴマ-(Y1成分)16.19g(各成分のモル比、a-BPDA0.3mol:DASi0.2mol:a-BPDA0.2mol:BAPP0.3mol)、およびNMP160.00gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y1)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.48であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:62kg/mm2 軟化温度:185℃ 【0055】 参考例7 前述の参考例2で製造されたオリゴマ-:(X5成分)24.68g、参考例4において製造されたイミドオリゴマ-(Y5成分)15.32g(各成分のモル比、a-BPDA0.7mol:DASi0.6mol:a-BPDA0.6mol:BAPP0.7mol)、およびNMP160.00gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X5-Y5)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.55であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:25kg/mm2 軟化温度:110℃ 【0056】 参考例8 前述の参考例1で製造されたオリゴマ-:(X1成分)25.71g、参考例4において製造されたイミドオリゴマ-(Y5成分)44.23g(各成分のモル比、a-BPDA0.3mol:DASi0.2mol:a-BPDA0.6mol:BAPP0.7mol)、およびNMP279.76gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y5)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.49であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:120kg/mm2 軟化温度:230℃ 【0057】 参考例9 前述の参考例1で製造されたオリゴマ-:(X1成分)23.81g、参考例3において製造されたイミドオリゴマ-(Y1成分)16.19g(各成分のモル比、a-BPDA0.3mol:DASi0.2mol:a-BPDA0.2mol:BAPP0.3mol)、およびNMP160.00gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y1)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.48であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:62kg/mm2 軟化温度:185℃ 【0058】 参考例10 前述の参考例2で製造されたオリゴマ-:(X5成分)32.12g、参考例3において製造されたイミドオリゴマ-(Y1成分)7.88g(各成分のモル比、a-BPDA0.7mol:DASi0.6mol:a-BPDA0.2mol:BAPP0.3mol)、およびNMP160.00gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X5-Y1)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.40であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:1kg/mm2 軟化温度:12℃ 【0059】 参考例11 前述の参考例2で製造されたオリゴマ-:(X5成分)24.68g、参考例4において製造されたイミドオリゴマ-(Y5成分)15.32g(各成分のモル比、a-BPDA0.7mol:DASi0.6mol:a-BPDA0.6mol:BAPP0.7mol)、およびNMP160.00gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X5-Y5)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.55であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:25kg/mm2 軟化温度:110℃ 【0060】 参考例12 前述の参考例1で製造されたオリゴマ-:(X1成分)25.71g、参考例4において製造されたイミドオリゴマ-(Y5成分)44.23g(各成分のモル比、a-BPDA0.3mol:DASi0.2mol:a-BPDA0.6mol:BAPP0.7mol)、およびNMP279.76gを使用したほかは、参考例5と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y5)を製造した。前記のポリイミドシロキサンは、対数粘度が0.55であった。また、このポリイミドシロキサンから成形したフィルムの弾性率及び軟化温度を次に示す。 弾性率:120kg/mm2 軟化温度:230℃ 【0061】 実施例1 〔耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物の調製〕 容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、前述の参考例5で製造したポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)60g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)40g、硬化剤:2-フェニルイミダゾ-ル0.1g、ジオキサン200gを仕込み、室温(25℃)で、約2時間撹拌して均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:6ポイズ)を調製した。この溶液組成物は、室温に1週間放置しても均一な溶液の状態を保持していた。 【0062】 〔耐熱性樹脂接着剤による積層体の製造〕 前述の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をポリイミドフィルム〔宇部興産製、商品名:UPILEX Sタイプ、厚さ75μm)上にドクタ-ブレ-ドで175μmの厚さで塗布し、次いで、その塗布層を60℃で10分間、100℃で10分間、さらに、120℃で10分間加熱して乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:95℃)を形成した。 【0063】 この耐熱性樹脂接着剤層を有するポリイミドフィルムと銅箔(35μm)とを重ね合わせて、160℃に加熱したラミネ-トロ-ル間で圧力をかけながら通過させることにより圧着し、この圧着した積層体を180℃で2時間、200℃で2時間、220℃で1時間、240℃で1時間、さらに260℃で10時間、窒素気流中、加熱処理して耐熱性樹脂接着剤層を硬化させ、積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.7kg/cm 接着強度(180℃):1.0kg/cm 【0064】 実施例2 参考例6で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)60g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)40gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:5ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:90℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.0kg/cm 接着強度(180℃):0.6kg/cm 【0065】 実施例3(参考) 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)60g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)40gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:5ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:80℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.1kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm 【0066】 実施例4(参考) 参考例8で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)20g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)80gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:2ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:55℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.6kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm 【0067】 実施例5 参考例9で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)50g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 871)50gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:5ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:80℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):0.9kg/cm 接着強度(180℃):0.7kg/cm 【0068】 実施例6(参考) 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 871)50gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:4ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:60℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.0kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm 【0069】 比較例1 参考例11で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)10g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)90gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:1ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:<25℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):0.6kg/cm 接着強度(180℃):0.1kg/cm 【0070】 比較例2 参考例12で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.22モル%)95g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)5gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:15ポイズ)を調製した。この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層を形成した。この耐熱性樹脂接着剤は軟化点が180℃と高く、積層体を製造するためには使用不可であった。 【0071】 実施例7 〔耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物の調製〕 容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、前述の参考例5で製造されたポリイミドシロキサン(ブロックポリマ-、X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)70g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 828および871)30g、硬化剤:2-PZ(2-フェニルイミダゾ-ル)0.2g、ジオキサン200gを仕込み、室温(25℃)で、約2時間撹拌して均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:25ポイズ)を調製した。この溶液組成物は、室温に1週間放置しても均一な溶液の状態を保持していた。 【0072】 〔耐熱性樹脂接着剤による積層体の製造〕 前記耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名:UPILEX Sタイプ、厚さ75μm)上にドクタ-ブレ-ドで175μmの厚さで塗布し、次いで、その塗布層を60℃で10分間、100℃で10分間、さらに、120℃10分間加熱して乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:95℃)を形成した。 【0073】 この耐熱性樹脂接着剤層を有するポリイミドフィルムと銅箔(35μm)とを重ね合わせて、130℃に加熱したラミネ-トロ-ル間で圧力をかけながら通過させることにより圧着し、この圧着した積層体を80℃で2時間、100℃で2時間、120℃で1時間、140℃で1時間、さらに、160℃で10時間、窒素気流中、加熱処理して耐熱性樹脂接着剤層を硬化させ、積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.85kg/cm 接着強度(180℃):0.70kg/cm 曲率半径:100mm 【0074】 実施例8 参考例6で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)60g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および871)40g、および硬化剤:2-フェニルイミダゾ-ル0.2gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:20ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.75kg/cm 接着強度(180℃):0.65kg/cm 曲率半径:150mm 【0075】 実施例9(参考) 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)40g、および硬化剤:DDM(ジアミノジフェニルメタン)25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:13ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ21μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.45kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:240mm 【0076】 実施例10 参考例8で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)60g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)40g、および硬化剤:DDS(ジアミノジフェニルスルホン)26gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:20ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.80kg/cm 接着強度(180℃):0.60kg/cm 曲率半径:110mm 【0077】 実施例11(参考) 参考例9で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)55g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および岡村製油株式会社製、商品名:IPU 22G)45g、および硬化剤:PHNOV(フェノ-ルノボラック)20gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:15ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.70kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:130mm 【0078】 実施例12(参考) 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 151および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)50g、および硬化剤:2-PZ0.25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:7ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ18μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.20kg/cm 接着強度(180℃):0.50kg/cm 曲率半径:>500mm 【0079】 比較例3 参考例11で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)95g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)5g、および硬化剤:2-PZ0.1gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:35ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ25μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):0.60kg/cm 接着強度(180℃):0.35kg/cm 曲率半径:>500mm 【0080】 比較例4 参考例12で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)20g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)80g、および硬化剤:2-PZ0.2gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:6ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ25μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.85kg/cm 接着強度(180℃):0.15kg/cm 曲率半径:25mm 【0081】 【発明の効果】 この発明によれば、基板が前記の耐熱性樹脂接着剤が加熱硬化された後であっても、耐熱性(150℃以上の温度での接着性が優れている)とともに可とう性などに優れているので、TAB用銅張基板などの柔軟性を必要とする配線基板として好適に使用することができる。 【0082】 さらに、この発明によれば、耐熱性樹脂接着剤シ-トがその薄層の耐熱性樹脂接着剤層が充分な柔軟性を有しており、その支持フィルム上の薄層の耐熱性接着剤層が、穴開け加工を受けても何ら支障がなく、また、他の耐熱性フィルム上へ適当な温度で転写することも可能であり、そして、耐熱性フィルムと銅箔とのラミネ-ト(接合)などを比較的低温で実施することができる作業性のよいものである。 |
訂正の要旨 |
▲1▼訂正事項a 特許請求の範囲の請求項に係わる記載 「【請求項1】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板。 【請求項2】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-ト。」 を、 「【請求項1】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板。 【請求項2】耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-ト。」 と訂正する。 ▲2▼訂正事項b 本明細書の段落番号【0011】の 「【0011】 【課題を解決するための手段】 この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に関する。」 を、 「【0011】 【課題を解決するための手段】 この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下であり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に関する。」 と訂正する。 ▲3▼訂正事項c 本明細書の段落番号【0012】の 「【0012】 また、この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.5kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-トに関する。」 を、 「【0012】 また、この発明は、耐熱性フィルムと銅箔とを耐熱性樹脂接着剤によって張り合わせた積層体からなり、積層体の180℃での接着強度が0.6kg/cm以上であり、銅箔をエッチング処理して測定したカ-ル性を示す曲率半径が100mm以上であるTAB用銅張基板に使用される、耐熱性フィルムあるいは熱可塑性樹脂製フィルムに未硬化の耐熱性樹脂接着剤の薄層が形成され、未硬化の耐熱性樹脂接着剤の軟化点が150℃以下である接着剤シ-トに関する。」 と訂正する。 ▲4▼訂正事項d 本明細書の段落番号【0047】の 「【0047】 また、接着強度は、インテスコ社製の引張り試験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を行って測定した結果である。」 を 「【0047】 接着強度は、インテスコ社製の引張り試験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試験を行って測定した結果である。 また、軟化点は、荷重25kg/cm2、昇温速度10℃/分でペネトレ-ション法で測定した結果である。」 と訂正する。 ▲5▼訂正事項e 本明細書の段落番号【0065】の 「【0065】 実施例3 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)60g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)40gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:5ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:80℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.1kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 を 「【0065】 実施例3(参考) 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)60g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)40gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:5ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:80℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.1kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 と訂正する。 ▲6▼訂正事項f 本明細書の段落番号【0066】の 「【0066】 実施例4 参考例8で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)20g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)80gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:2ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:55℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.6kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 を 「【0066】 実施例4(参考) 参考例8で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y5、シロキサン単位含有率:22.2モル%)20g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152)80gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:2ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:55℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.6kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 と訂正する。 ▲7▼訂正事項g 本明細書の段落番号【0068】の 「【0068】 実施例6 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 871)50gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:4ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:60℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.0kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 を 「【0068】 実施例6(参考) 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、およびエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 871)50gを使用した他は実施例1と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:4ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例1と同様にしてポリイミドフィルム上に厚さ約25μmの耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化点:60℃)を形成し、次いで積層体を製造した。得られた積層体について、25℃および180℃での接着層の接着強度を測定した。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.0kg/cm 接着強度(180℃):0.5kg/cm」 と訂正する。 ▲8▼訂正事項h 本明細書の段落番号【0075】の 「【0075】 実施例9 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)40g、および硬化剤:DDM(ジアミノジフェニルメタン)25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:13ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ21μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.45kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:240mm」 を 「【0075】 実施例9(参考) 参考例7で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y5、シロキサン単位含有率:46.2モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)40g、および硬化剤:DDM(ジアミノジフェニルメタン)25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:13ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ21μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.45kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:240mm」 と訂正する。 ▲9▼訂正事項i 本明細書の段落番号【0077】の 「【0077】 実施例11 参考例9で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)55g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および岡村製油株式会社製、商品名:IPU 22G)45g、および硬化剤:PHNOV(フェノ-ルノボラック)20gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:15ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.70kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:130mm」 を 「【0077】 実施例11(参考) 参考例9で製造したポリイミドシロキサン(X1-Y1、シロキサン単位含有率:40.0モル%)55g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 152および岡村製油株式会社製、商品名:IPU 22G)45g、および硬化剤:PHNOV(フェノ-ルノボラック)20gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:15ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ20μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.70kg/cm 接着強度(180℃):0.55kg/cm 曲率半径:130mm」 と訂正する。 ▲10▼訂正事項j 本明細書の段落番号【0078】の 「【0078】 実施例12 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 151および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)50g、および硬化剤:2-PZ0.25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:7ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ18μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.20kg/cm 接着強度(180℃):0.50kg/cm 曲率半径:>500mm」 を 「【0078】 実施例12(参考) 参考例10で製造したポリイミドシロキサン(X5-Y1、シロキサン単位含有率:66.7モル%)50g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ-ト 151および三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)50g、および硬化剤:2-PZ0.25gを使用した他は実施例7と同様にして、均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:7ポイズ)を調製し、この耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物を使用した他は実施例7と同様にして積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度を測定し、また全面エッチング後の厚さ18μmの耐熱性樹脂接着剤層を有するフィルムについてカ-ル性を示す曲率半径を求めた。その結果を次に示す。 接着強度(25℃):1.20kg/cm 接着強度(180℃):0.50kg/cm 曲率半径:>500mm」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2003-04-09 |
出願番号 | 特願平11-83843 |
審決分類 |
P
1
651・
531-
YA
(H05K)
P 1 651・ 534- YA (H01L) P 1 651・ 535- YA (H01L) P 1 651・ 113- YA (H01L) P 1 651・ 121- YA (C09J) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小林 均、守安 太郎 |
特許庁審判長 |
関根 恒也 |
特許庁審判官 |
三崎 仁 池田 正人 |
登録日 | 2001-02-23 |
登録番号 | 特許第3161601号(P3161601) |
権利者 | 宇部興産株式会社 |
発明の名称 | TAB用銅張基板および接着剤シ-ト |