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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B65H
管理番号 1079598
異議申立番号 異議2001-73284  
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-04-13 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-12-05 
確定日 2003-04-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3174761号「画像形成装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3174761号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3174761号の発明についての出願は、昭和60年3月25日に出願された特願昭60-58585号の出願の一部を、平成8年7月31日に新たに出願した特願平8-202341号の一部を、さらに平成10年7月21日に特願平10-205353号として出願したものであり、平成13年3月30日に特許権の設定登録がなされたが、平成13年12月5日に異議申立人神田泰貴より異議申立があり、その後以下の手続が行われた。

第1回取消理由通知 平成14年2月22日発送
第1回訂正請求 平成14年4月22日(平成15年1月 21日取り下げ)
訂正拒絶理由通知 平成14年5月24日発送
手続補正書(訂正請求書) 平成14年7月23日
第2回取消理由通知 平成14年11月22日発送
第2回訂正請求 平成15年1月21日

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
訂正事項a:特許請求の範囲の請求項2乃至請求項4を削除する。
訂正事項b:明細書の段落【0007】、【0008】及び【0136】を削除する。
訂正事項c:明細書の段落【0134】に記載された「請求項1記載の発明」を「本発明」とする訂正。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aについて:
請求項2乃至4は実施態様項であり、明りょうでない実施態様の記載を削除したものである。よって、請求項2乃至請求項4を削除する訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的としたものである。
そして、願書に添付された明細書に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
訂正事項bについて:
請求項の削除に対応しての訂正であるので、明りょうでない記載の釈明を目的としたものである。
そして、願書に添付された明細書に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

訂正事項cについて
請求項の削除に対応しての訂正であるので、明りょうでない記載の釈明を目的としたものである。
そして、願書に添付された明細書に記載した事項の範囲内においてなされた訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立についての判断
(1)本件発明
上記訂正が認められるから、本件発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のものである。

「上位装置と信号線を介して接続可能な画像形成装置において、
前記上位装置から前記信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する排出手段と、
前記排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドを前記上位装置から前記信号線を介して受信する受信手段と、
前記受信手段により前記コマンドを受信したことに応じて、前記排出部のシート積載状態を示すデータを前記信号線を介して前記上位装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。」

(2)引用刊行物に記載された発明
当審が平成14年11月11日付けで通知した取消しの理由(平成14年11月22日発送)において引用した刊行物(特開昭58-63654号公報、異議申立人の提出した甲第1号証)には、以下の事項が記載されている。
記載1:「装置全体の中央処理装置としてのホストコンピュータ1から記録装置(LBP)10に対して、信号線SL1を介し、指定丁合装置の指定ビンに記録済み用紙を収容させる指令、あるいはその指定ビンの用紙収容状態を検知させる指令等を伝える。ついで、記録装置(LBP)10からは、信号線SL2を介し、丁合装置20,30に対してビン切換指令信号あるいは状態検知指令信号を送出する。一方、丁合装置20,30からは、信号線SL3を介し、記録装置10に対して、指定の丁合装置のビンに関する用紙収容状態情報等を送出し、記録装置10からは、ホストコンピュータ1に対して、信号線SL4を介し、丁合装置のビンの状態情報や記録装置自身の状態を送出する。」(2頁左上欄10行〜右上欄3行、下線は、合議体が付与した。)
記載2:「ホストコンピュータ1は、用紙に記録すべき画像信号を作成し、信号線SL1を介して記録装置10に送出し、あるいは、記録装置10および丁合装置20,30の制御を行うものである。また、記録装置10はレーザビーム記録装置LBPであり、・・・・・一次帯電をした感光ドラム11上を記録信号によって変調したレーザビーム12により照射して潜像を形成し、その潜像を現像器13により顕像にし、その顕像を転写器15により記録紙14上に転写し、さらに、かかる記録紙14を定着ローラ16の間を通すことによって紙14上の顕像を紙14に定着させる。このようにして記録像の定着を終った記録紙14は、排紙ローラ17により装置10外に排出するものであるが、・・・。丁合装置20,30は、紙類に、通例、頁毎などの分類を施して仕分けする、いわゆる丁合を行うものであり、上述のようにして順次に排出された用紙14を丁合してビン31a〜31jにそれぞれ収容する。」(2頁右上欄4行〜左下欄11行参照)
記載3:「そのビン31aにおける用紙14の収容状態を光源50aと受光素子51aとの組合わせによって検知し、光源50aからの矢印Eの光路の光をビン31aに収容した用紙14が遮ることにより、その収容を受光素子51aが検知し、反対に、受光素子51aの受光により空ビン状態を検知する。さらに、ビン31aの満ビン状態は、ビン31aに満載した用紙14が、光源52aからの矢印Fの光路の光を渡るのを受光素子51bにより検知することによって検出する。なお、光路Fの遮光によりビン31aに用紙14が収容されつつある状態も検知する。また、受光素子51bは光源50bからの光路Gの光を受光してビン31bの空ビン状態をも検知する」(3頁右上欄4行〜17行参照)
記載4:「ACK信号は、8ビット構成のシリアル信号であって、指定ビンが空ビン,満ビンのいずれであるかの情報およびデータ再送要求枚数の情報を含んでいる。・・・・・。かかる丁合装置の状態を表すソータステータス信号は、通常、当該丁合装置に対するビン切換信号、もしくはソータステータス要求信号の入来に応じて、対応するビンに関するステータス信号をACK信号として記録装置10の制御回路75に返送する」(5頁左上欄1行〜13行参照)
記載5:「記憶装置10に対してホストコンピュータ1から、ビン切換信号BCH1、もしくは、ソータステータス検知要求信号SRQ1が送出されると、ステップ300〜303にて、ビン切換要求フラグBCHFLGもしくはソータステータス検知要求フラグSQRFLGを記録装置10の制御回路75に立てておく。ステップ304と305においてソータステータス検知要求信号SRQやビン切換信号BCHが丁合装置20および30に出力されている際には、新たにSRQやBCHの信号は出力しない。もし、信号SRQや信号BCHが現在丁合装置20や30に出力されていないと、ステップ306〜309にて、ソータステータス検知要求フラグSQRFLGおよびビン切換要求フラグBCHFLGを調べて、・・・・・、そのフラグに対応した方の信号を、ソータ番号及びビン選択信号A〜Dとともに送出し、同時にそのフラグをリセットしておく。ついで、ステップ310〜314にて、丁合装置20もしくは30からビン切換要求信号およびソータステータス検知要求信号に対するACK信号として、ソータステータス信号STATUSを8ビット構成のシリアル信号にして記録装置10の制御回路75に返送することにより、丁合装置20もしくは30に対して送出中のビン切換信号BCHもしくはソータステータス検知要求信号SQRをリセットする」(5頁左下欄13行〜右下欄20行参照)

(3)対比・判断
本件発明と刊行物に記載された発明(以下、「引用発明」という。)とを対比すると、刊行物に記載された発明の、ホストコンピュータ1、記録装置10、記録用紙14、複数のビン31a〜31j、ソータステータス検知要求信号及び丁合装置の状態を表すソータステータス信号は、それぞれ、本件発明の上位装置、画像形成手段、シート、複数の排出部、シートの積載状態に関するデータを要求するコマンド及びシートの積載状態を示すデータにそれぞれ対応するので、両者は、「上位装置と信号線を介して接続可能な画像形成装置において、前記上位装置から前記信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する排出手段と、前記排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドを前記上位装置から前記信号線を介して受信する受信手段と、前記排出部のシート積載状態を示すデータを信号線を介して前記上位装置へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。」である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点:本件発明においては、画像データを上位装置から画像形成装置に送信する信号線と、排出部のシート積載状態を示すデータを上位装置に送信するために用いられる信号線とが同一の信号線であるのに対し、引用発明においては、画像データの信号を送る信号線とシート積載状態を送信する信号線とが同一の信号線ではない点。

なお、権利者は、平成15年1月21日付け特許異議意見書において、上記相違点に加え、更に3つの相違点(相違点2乃至相違点4、なお、特許異議意見書においては丸数字で表現がされている。)がある旨主張しているので、これらの主張について検討する。

相違点2として権利者が主張している内容は、「本件発明においては、信号線を共通化しており、そのことによってトラブルが発生する可能性があるため、シート積載状態を示すデータを送信するタイミングを、「受信手段によりコマンドを受信したことに応じて」行っているのに対し、引用発明においては、信号線が共通化されていないので、タイミングを考慮する必要が全くないこと。」というものである。
しかしながら、コマンド、すなわち、排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドは、文字通り、排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するための指令信号なのだから、排出部のシート積載状態を示すデータの送信は、指令信号であるコマンドを受信してから行われることは当然のことであり、「受信手段によりコマンドを受信したことに応じて」とは、そのことを表現したに過ぎず、その点に相違点があるとはいえない。

また、相違点3に関して、上記記載1に、記録装置10が丁合装置のビンの状態情報をホストコンピューター1に送信することが記載されていたとしても、そのように認めるべきでないとの主張を行い、相違点4に関しても、たとえ、ホストコンピュータ1に送信しているとしても、ホストコンピュータ1に対して、何の応答もしない場合も多々発生することが予測されるので、ホストコンピュータ1にデータを送信するといえるものではないとの主張を行っている。
しかしながら、刊行物の記載1の下線を付した箇所には、「丁合装置20,30からは、信号線SL3を介し、記録装置10に対して、指定の丁合装置のビンに関する用紙収容状態情報等を送出し、記録装置10からは、ホストコンピュータ1に対して、信号線SL4を介し、丁合装置のビンの状態情報や記録装置自身の状態を送出する。」と、ホストコンピュータに丁合装置のビンの状態情報(すなわち、排出部のシート積載状況に関するデータ)が送信されることが明記されており、その記載と対応して、第1図には丁合装置、記録装置、ホストコンピュータと信号線SL1〜SL4が図示されている事実は抗うべきものでもないのであるから、仮に、請求人が意見書で述べている事情があるとしても、シート積載状態を示すデータが上位装置に送信されることが刊行物に記載されていると認定することに誤りはない。
よって、相違点3及び4に関する権利者の主張は採用しない。

そこで、上記相違点ついて検討すると、一般に、信号線を同一のものを用いるか否かは、当業者が必要に応じて適宜選択できる程度のものであり、この点に格別のものはないというべきである。
したがって、本件発明は、上記刊行物に記載のものから当業者が容易に発明することができたものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
画像形成装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】上位装置と信号線を介して接続可能な画像形成装置において、
前記上位装置から前記信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する排出手段と、
前記排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドを前記上位装置から前記信号線を介して受信する受信手段と、
前記受信手段により前記コマンドを受信したことに応じて、前記排出部のシート積載状態を示すデータを前記信号線を介して前記上位装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上位装置から出力された画像データに基づいてシート上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、アナログ及びディジタルの画像形成装置が広く一般に使用されるようになってきている。特に、レーザビームを利用するディジタル画像形成装置においては、外部のホストコンピュータ等と通信回線を介して画像情報を伝送するローカルエリアネットワーク化により、例えば1つのプリンタを複数のユーザが共用できるようになる。
【0003】
このようなプリンタにおいては複数の排紙部を設け、適宜排紙部を選択してプリントアウトを仕分けられることが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなネットワーク化などにより1つのプリンタを複数のユーザが共有するようになると、どの排紙部が空いていてどの排紙部には既に積載されているのかわからないと、ユーザは排紙部を直接確認しに行った後に排紙部を選択しなければならないといった問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたのもで、排出部の積載状態をトラブルが発生すること無く画像形成装置から上位装置に知らせることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、上位装置と信号線を介して接続可能な画像形成装置において、前記上位装置から前記信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する排出手段と、前記排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドを前記上位装置から前記信号線を介して受信する受信手段と、前記受信手段により前記コマンドを受信したことに応じて、前記排出部のシート積載状態を示すデータを前記信号線を介して前記上位装置へ送信する送信手段とを有するものである。
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置の概略を示す斜視図である。
【0010】
図において、11は画像形成部で、画像処理装置12から送出される画像信号をプリントする。12aは前記画像形成部11および他のユニットの状態を表示する操作パネルで、画像処理装置12に設けられている。13,14は給紙カセットで、画像形成部11に装着され、サイズの異なる記録紙を画像形成部11に給紙する。15はペーパデッキで、大容量(例えば2000枚)記録紙を一度に収容できる。
【0011】
16は給紙手段に相当する両面印字装置(両面ユニット)で、記録紙の両面に画像を形成させるため、片面画像形成が終了した記録紙を一時滞留(排紙)させるとともに、再度画像形成部11に記録紙を給紙する。17は垂直搬送部であって、画像形成部11から出力された記録紙を両面印字装置16または2段トレイ18へ振り分ける。垂直搬送部17はフェイスアップトレイ19を有し、2段トレイ18は同一部材で形成した出力トレイ18a,18bを有していて、図示しない駆動手段により記録紙搬送方向と対向する垂直方向に所定量移動することができ、一度に4種類の画像形成を実行できる。
【0012】
図2は、図1に示した画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【0013】
図において、21a〜21cは給紙ローラで、給紙カセット13,14およびペーパデッキ15より記録紙を給送する。22はレジストローラで、給紙された記録紙を一時停止させ画像先端と記録紙の画像形成開始位置を調整する。23は感光ドラムで、レーザビーム走査により潜像が形成される。24は定着ローラで、熱加圧により現像されたトナー像を定着させる。
【0014】
25はデフレクタで、記録紙を両面印字装置16または垂直搬送部17に振り分ける。26はセンサで、両面印字装置16に給送された記録紙を検知する。27は中間トレイで、記録紙の片面に画像が形成された記録紙を滞留する排紙部として機能するとともに、画像処理装置12からの給送指令に応じて、記録紙を再度給送する給紙部として機能する。
【0015】
28は給紙ローラで、中間トレイ27に排紙された記録紙を給送する。29は再給紙ローラであって、中間トレイ27から給送される記録紙を一時停止させて搬送タイミングを制御する。30はセンサで、中間トレイ27から給送される記録紙の搬送状態を検知する。31はデフレクタで、記録紙の搬送方向を制御する。32はセンサで、スイッチバック(後述する)動作を行わせる記録紙を検知する。33はローラで、スイッチバック機構に搬送された記録紙を、再度デフレクタ34の方向に搬送させる。35はデフレクタで、記録紙をフェイスアップトレイ19に排出させるために搬送方向を制御する。20は排紙ローラである。以下、動作について説明する。
【0016】
画像形成部11内の給紙カセット13,14または両面印字装置16に装着されるペーパデッキ15内に収容される記録紙は、画像処理装置12からの制御信号によりいずれかの1つ、例えばペーパデッキ15が選択され、給紙ローラ21cの回動により給紙される。そして、給紙された記録紙はレジストローラ22へ到達し、一旦停止し、画像処理装置12からのタイミング信号により再び給送されるとともに、画像処理装置12から送出される画像信号(画像データ)に応じて公知のレーザ走査光学系により感光ドラム23上に静電潜像が形成され、トナーによりこの静電潜像が可視化され、記録紙に転写された後、定着ローラ24により、現像されたトナー画像が記録紙上に定着される。トナー画像が定着された記録紙は、デフレクタ25により垂直搬送部17または両面印字装置16のいずれかに振り分けられる。例えばデフレクタ25が上方に駆動した場合は、両面印字装置16に記録紙が搬送される。両面印字装置16に給送された記録紙はセンサ26で、記録紙の先端が検出され、それを基準としたタイミングで中間トレイ27へ送り込まれる。そして、中間トレイ27へ送り込まれた記録紙は、給紙ローラ28,再給紙ローラ29により再給紙され、センサ30が配設されている位置まで自動給送され停止する。
【0017】
両面印字装置16が給紙部として選択されると、センサ30の位置に停止している記録紙は給送され、再び第2面(ウラ面)に印字される。そして、定着ローラ24を通過した記録紙が両面印字装置16へ給送されない方向にデフレクタ25が駆動し、記録紙を上方に搬送させる。上方に搬送された記録紙が、例えば両面印字装置16から給送された記録紙である場合は、画像処理装置12の指令に応じてデフレクタ31を駆動させ、センサ32が配設されている方向に記録紙が引き込まれる。
【0018】
そして、記録紙の後端がセンサ32により検知される時点で、ローラ33の回動方向を逆転させるとともに、デフレクタ31をオフさせて、記録紙をデフレクタ34の方向に搬送する。このように、デフレクタ31により記録紙を一旦引き込んで、記録紙の先端と後端を反転させる動作(矢印Aで示す動き)をスイッチバックと呼ぶ。このスイッチバック動作は本来両面印字装置16から給送された記録紙に対して実行するものであり、給紙カセット13,14およびペーパデッキ15等からの記録紙を直接スイッチバックさせる必要はない。何故ならば、2段トレイ18の各正規に使用される出力トレイ18a,18bはフェイスダウンに積載させるもので、画像処理装置12から給送されたページ順で正しく積載させるためには、片面,両面印字紙はいずれの場合でも最初に印字された面が必ず下向きになるように積載させねばならないからである。
【0019】
このため、両面印字装置16から給送された記録紙に対しては、必ずスイッチバック動作を実行する必要がある。また、両面印字装置16から給送された記録紙が連続して搬送される場合は、記録紙と記録紙との間隔の間にスイッチバック動作を瞬時に実行しなければならず、記録紙の材質および状態(例えば紙がカールしている状態)によってはジャムを誘発する恐れがあるので、スイッチバック動作をスキップすることができるように構成されている。
【0020】
スイッチバック動作を終了した記録紙は、片面印字紙はその紙の行先によりデフレクタ34またはデフレクタ35によりフェイスアップトレイ19,出力トレイ18a,18bへ出力される。なお、その際、出力トレイ18a,18bをオフセットする。すなわち、記録紙の搬送方向とは対向する垂直方向に移動させる指令が画像処理装置12からなされた場合は、所定のタイミングで出力トレイ18a,18bを移動させる。以下、図3を参照しながら画像形成装置の制御構成について説明する。
【0021】
図3は、本発明に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【0022】
図において、41はマイクロプロセッサ(CPU)で、画像受信や画像記録のための各種演算や論理判断等を行い、バスB1を介してバスB1に接続された各構成要素を制御する。42は第1のシリアル回路であり、伝送ケーブルCBL1を通じて画像処理装置12から送出された制御指令を受信したり応答情報を逆に出力するための通信処理を行う。
【0023】
43はタイマ回路、44は制御メモリ(ROM)で、CPU41の制御手順を記億している。45はランダムアクセスメモリ(RAM)であって、バスB1に接続する構成要素からのデータの一時記憶やCPU41のワークメモリとして用いる。46は入出力ポート、47は入力インタフェース、48は駆動回路で、図示しないモータや高圧トランス等の負荷を駆動する。入力インタフェース47および駆動回路48はバスB2を介して入出力ポート46に接続されている。
【0024】
画像処理装置12から伝送ケーブルCBL1を通じて送信されたシリアル信号を画像形成部11の第1のシリアル回路42で受信し、CPU41により処理する。CPU41はROM44の制御プログラムにより動作し、上述の各構成要素42〜46を駆動して画像情報受信側の装置全体の制御を行う。
【0025】
49はレーザドライバで、画像信号/VDO(以下、アクティブローとなる信号には「/」を付加する)に応じて半導体レーザ50を駆動する。51はコリメータレンズで、半導体レーザ50から出るレーザ光を平行光束にする。52はポリゴンミラーであて、レーザ光を反射する。53ばf-θレンズで、ポリゴンミラー52で反射されたレーザ光を等速度で感光ドラム23上を走査する。画像処理装置12から送られてくる画像信号/VDOをレーザドライバ49に供給し、半導体レーザ50でレーザ光に変換する。
【0026】
半導体レーザ50から出たレーザ光はコリメータレンズ51で集束し、高速回転するポリゴンミラー52で反射させて感光ドラム23に対して平行な主走査方向(矢印Y方向)に走査する。ポリゴンミラー52で走査されたレーザ光をf-θレンズ53で光量補正を行った後、副走査方向に回転する感光ドラム23上に照射して画像信号/VDOに対応した潜像を形成する。その潜像を静電記録方式により現像剤を用いて現像し、記録用紙に転写および定着する。そして、前述のように記録紙は垂直搬送部17を通り、両面印字装置16または2段トレイ18へ搬送される。さらに、ポリゴンミラー52で走査したレーザ光を、感光ドラム23上に照射する前に感光ドラム23の側方に配設した光ファイバ54に入力させて、光検出器55で電気信号に変換し、この電気信号を水平同期信号BDとして画像処理装置12に送信する。
【0027】
また、画像形成部11内には画像処理装置12と通信処理を行う第1のシリアル回路42の他に伝送ケーブルCBL2を通じて両面印字装置16との通信を行う第2のシリアル回路56および伝送ケーブルCBL3を通じて2段トレイ18と通信を行う第3のシリアル回路57を有し、各々、CPU41とバスB1で接続されている。
【0028】
画像形成部11の第2のシリアル回路56と伝送ケーブルCBL2により接続された両面印字装置16内のシリアル回路58は画像形成部11の内部と同様にCPU59,ROM60,RAM61および入出力ポート62とバスB3で接続されている。2段トレイ18も両面印字装置16の場合と同様の構造となっているので説明は省略する。
【0029】
次に図4を参照しながら画像形成部11の各部を制御する信号系列について説明する。
【0030】
図4は、図3に示した画像処理装置12と画像形成部11とのインタフェースを説明する図である。
【0031】
図において、信号PPRDYは画像形成部11の電源が投入されていることを画像処理装置12に知らせる信号である。信号CPRDYは画像処理装置12の電源が投入されていることを画像形成部11に知らせる信号である。信号/RDYは画像形成部11が画像処理装置12から後述する信号/PRNTを受ければプリント動作を開始できる状態にあることを示す信号であり、例えば用紙カセットが紙無しになった場合に「0」(1ow)とする。
【0032】
信号/PRNTは画像処理装置12が画像形成部11に対し、画像形成動作の開始を指示する信号、あるいは画像形成部11が画像形成中の場合は画像形成継続中を指示する信号である。信号/VSREQは信号/RDYおよび信号/PRNTが共に「1」(high)であって、画像形成部11が後述する信号/VSYNCを受ける準備が完了した状態であることを示す信号である。
【0033】
信号/VSYNCは印字画像の垂直(副走査方向同期信号であって、画像処理装置12が画像形成部11に対し、感光ドラム23上の画像先端と記録紙との同期をとらせるための信号である。信号/VDOは画像処理装置12が出力する画像であり、画像形成部11はこの信号の「1」(high)を出力画像の黒、「0」(low)を白として画像形成を行うものとする。
【0034】
信号SCは画像処理装置12から画像形成部11への指令信号(コマンド信号)と画像形成部11から画像処理装置12への状態通知信号(ステータス信号)とを送受信する双方向シリアル8ビット信号であり、画像処理装置12および画像形成部11は共にこの信号を取り込むために後述するクロック信号/SCLKを用いる。また、双方向性信号であるので、入出力の制御には後述する信号/SBSYと信号/CBSYとを用いる。コマンド信号は8ビットからなるシリアル信号であり、例えば、コマンド信号によりフェイスアップトレイ19,出力トレイ18a,18b並びにそのトレイの移動指令等を行うことができる。さらには記録紙の給紙を給紙カセット13,14から行うカセット給紙指令、ペーパデッキ15からの給紙指令および両面印字装置16からの給紙指令等を含む。/SC信号線は本発明の入力手段の一例である。
【0035】
ステータス信号は8ビットからなるシリアル信号であり、例えば定着器温度がプリント可能な温度まで達していないウェイト状態,ジャムの発生,給紙カセット13,14が紙無し状態等のプリンタの状態を画像処理装置12に通知する信号である。
【0036】
なお、ステータス信号およびコマンド信号は共に8ビットで構成され、/SC信号線上には最上位ビット(1st bit)から送出される。最下位ビット(8th bit)は、ステータス信号およびコマンド信号ともにパリティは奇数パリティとする。
【0037】
コマンド信号は、パリティビットを除く最上位ビット(1st bit)から8th bitまででコード化される。コマンドには、画像形成部11にその装置の情報を要求するステータス要求コマンドと、画像形成部11に動作の実行を要求するステータス要求コマンドと、画像形成部11に動作の実行を要求する実行コマンドがある。
【0038】
信号/SCLKは画像形成部11がコマンド信号を取り組むため、あるいは画像処理装置12がステータス信号を取り込むための同期クロックパルス信号である。信号/SBSYは画像形成部11がステータス信号を送信するに先立ち、信号/SCおよび信号/SCLKを占有するための信号である。信号/CBSYは画像処理装置12がコマンド信号を送信するに先立ち、信号/SCおよび信号/SCLKを占有するための信号である。
【0039】
次に、画像形成部11と画像処理装置12との間の相互動作を説明する。
【0040】
今、プリンタの電源スイッチ(図示しない)が投入され、かつ、画像処理装置12の電源スイッチが投入されたとする。このとき、画像形成部11はプリンタの内部の状態を初期化した後、信号/PPRDYを画像処理装置12に対して送信する。この初期状態においては画像形成部11は給紙モードをカセット給紙モードに初期化するようにする。
【0041】
一方、画像処理装置12は内部の状態を初期化した後、信号CPRDYを画像形成部11に対して送信する。その後、プリンタが印字可能状態となった時、例えば定着ローラの表面の温度が定着可能な温度に達したときに信号/RDYを画像処理装置12に対して送信する。画像処理装置12がこれに応じて、必要に応じ信号/PRNTを画像形成部11に対して送信する。画像形成部11はその信号/PRNTに応じて感光ドラム23を回転させ、感光ドラム23表面上の電位を均一に初期化するとともに、カセット給紙モード時には、例えば給紙ローラ21を回動し、記録紙先端部をレジストローラ22のレジストシャッタ(図示しない)まで搬送する。
【0042】
プリンタが画像信号/VDOを受け入れられる状態になると、信号/VSREQを画像処理装置12に対して送信する。画像処理装置12はその信号/VSREQの受信に応じて信号/VSYNCを画像形成部11に対して送信する。画像形成部11はその信号/VSYNCの受信に応じ、これに同期させてレジストシャッタを駆動させて、搬送路閉鎖状態を解除する。画像処理装置12は信号/VSYNCを出力した後、画像形成部11から送信される水平同期信号/BDに同期させて、記録すべき画像信号/VDOをプリンタに対して順次送信する。画像形成部11は画像信号/VDOに応じて、レーザドライバ49が半導体レーザ50をオン/オフ制御することにより、感光ドラム23上に潜像を形成し、現像器(図示しない)により感光ドラム23にトナー(現像剤)を付着させて現像し、搬送される記録紙上に転写させ、定着ローラ24で定着させる。
【0043】
次に、図5,図6を参照しながらステータス要求コマンドおよび実行コマンドについて説明する。
【0044】
図5は、本発明に係る画像形成装置におけるステータス要求コマンドを説明する図である。
【0045】
図において、SR0〜SR12は命令コードである。命令コードSR0(基本ステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11,両面印字装置16,2段トレイ18等の基本的な状態をステータスとして返送する(図6で説明する)。
【0046】
命令コードSR1(オペレータコールステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11のオペレータが修復可能なコールをステータスとして返送する。命令コードSR2(サービスマンコールステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11のオペレータが修復不可能なコールをステータスとして返送する。
【0047】
命令コードSR3(給紙カセット紙サイズステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、給紙カセット14の紙サイズ情報を得るコールをステータスとして返送する。命令コードSR4(給紙カセット紙サイズステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、給紙カセット13の紙サイズ情報を得るコールをステータスとして返送する。
【0048】
命令コードSR5(ペーパデッキ紙サイズステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、ペーパデッキ15の紙サイズ情報を得るコールをステータスとして返送する。命令コードSR6(排紙部機能ステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11に接続された排紙部の機能を知るコールをステータスとして返送する。
【0049】
命令コードSR7(コール発生ユニットステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11,両面印字装置16,2段トレイ装置18のうちどれがコールされたかをステータスとして返送する。
【0050】
命令コードSR8(被指定給紙部ステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、実行コマンド(EC0〜EC3)により指定されている給紙部をステータスとして返送する。
【0051】
命令コードSR9(給紙部構成ステータス要求コママンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、画像形成部11に接統された給紙手段をステータスとして返送する。命令コードSR10(両面印字装置ステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、両面印字装置16でのコール内容をステータスとして返送する。
【0052】
命令コードSR11(2段トレイコールステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、2段トレイ18でのコール内容をステータスとして返送する。命令コードSR12(2段トレイ状態ステータス要求コマンド)を画像形成部11へ出力すると、画像形成部11は、2段トレイ18の各トレイの状態をステータスとして返送する。
【0053】
図6は、本発明に係る画像形成装置における実行コマンドを説明する図である。
【0054】
図おいて、EC0〜EC4は命令コードである。命令コードEC0(給紙カセット給紙指定実行コマンド)は、給紙カセット14から記録紙を給紙する指定を行う。命令コードEC1(給紙カセット給紙指定実行コママンド)は、給紙カセット13から記録紙を給紙する指定を行う。命令コードEC2は(ペーパデッキ給紙指定実行コマンド)は、ペーパデッキ15から記録紙を給紙する指定を行う。
【0055】
命令コードEC3(両面印字装置実行コマンド)は、両面印字装置16から給紙する指定を行う。命令コードEC4(行先指定実行コマンド)は、2段トレイ18の各トレイおよびフェイスアップトレイ19,両面印字装置16への搬送指定を行う。
【0056】
図7〜図10は、図5に示したステータス要求コードSR0〜SR12に対応して返送されるステータス内容を示すビットデータの一例を示す図である。なお、各ステータスは8ビットで構成されており、最下位ビット(8th bit)は奇数パリティビットである。各ビットは、事象が発生しているときは「1」となり、発生していないときは「0」となる。なお、図7〜図11において、stをST,ndをND,rdをRD,thをTHと記す。
【0057】
図7の(a)は基本ステータスのビットデータで、画像形成部11,両面印字装置16,2段トレイ18等の状態を全体的に示し、ステータス要求コード(SR0)または実行コマンドEC0〜EC4が画像処理装置12から出力された時に画像形成部11から出力される。
【0058】
命令コードSR0の1stビットは「0」である。2ndビットはプリントリクエストを示し、信号/PRNT(画像形成部11に対し給紙開始を指令する信号)により給紙可能となった時に「1」となり、信号/PRNTを受付けた後か、あるいは信号/PRNTが入力されても画像形成部11が給紙動作を開始できない場合に「0」となる。
【0059】
3rdビットは記録紙搬送中を示し、画像形成部11,両面印字装置16,2段トレイ18(以後11,16,18を総称する場合システムと呼ぶ)内に記録紙が存在する時「1」となる。そして、システム内に存在する記録紙が全て正常に各トレイ(フェイスアップトレイ19,出力トレイ18a,18b)へ出力された場合、またはジャム等で搬送動作が停止した時点で、「0」となる。
【0060】
5thビットは画像形成部11が定着器低温等によりウエイト中である時に「1」となり、ウエイトが終了した時点で「0」となる。7thビットはシステム内にエラーが発生したとき、すなわちコール発生ユニットステータスの2nd,3rd,4thビットのいずれかに「1」がセットされた時、「1」がセットされる。
【0061】
図7の(b),(c)は画像形成部11のオペレータコールステータス,サービスマンコールステータスの基本的な内容を示すものであるが、この発明に直接関係がないので、説明は省略する。
【0062】
図8の(d)〜(f)は給紙カセット14,13,ペーパデッキ15にセットされた記録紙のサイズを示すステータスで、あらかじめ決められた6ビットのコード(20〜25ビット)とパリティビットが付加されたデータとなる。図9の(g)は排紙部機能ステータスのビットデータ(命令コードSR6に対応)を示し、4thビットは画像形成部11に両面印字装置16が接統されている時、「1」となり、画像形成部11に両面印字装置16が接続されていないとき、「0」となる。また、5th〜7thは排紙部の接続状態を示し、2段トレイ18が接続されている場合は「001(バイナリコード)」となり、排紙部が接続されていない場合は「000(バイナリコード)となり、何らかの排紙部が接続されていても、その排紙部に電源が投入されていない場合は、電源未投入ということで、「111(バイナリコード)」がセットされる。
【0063】
図9の(h)はコール発生ユニットコールステータス(命令コードSR7に対応)のビットデータを示し、2ndビットは画像形成部11内でコールが発生した場合、すなわち、オペレータコールおよびサービスマンステータス要求コマンド(SR1,SR2)のいずれかのビットデータが「1」になったとき、このビットが「1」になる。3rd,4thビットは、各々両面印字装置16および排紙部の1つである2段トレイ18にコールが発生した場合にセットされる。すなわち、後述する両面印字装置コールステータス要求コマンドの4th〜7thビットのいずれか1つに「1」がセットされたとき、このステータスの3rdビットに「1」がセットされ、2段トレイコールステータス要求コマンドの4th〜6thビットのいずれか1つに「1」がセットされると、このステータスの4thビットに「1」がセットされる。
【0064】
図9の(i)の被指定給紙部ステータス(SR8に対応する)のビットデータを示し、実行コマンドEC0〜EC4により各給紙段のいずれかが指定されているかを示すものである。このステータスの2nd〜5thビットの中で「1」がセットされている給紙部が次の信号/PRNTを受け付けた時に、記録紙を給紙する。
【0065】
図10の(j)は給紙部構成ステータス(SR9に対応)のビットデータを示し、各機能に対応するビットに「1」がセットされる。本実施形態では、2nd〜4thビットまで全て「1」となる。
【0066】
図10の(k)は両面印字装置コールステータス(SR10に対応)のビットデータを示し、このステータスの3rdビットは両面印字装置16のスキップを示す。すなわち、このビットが「1」の場合、行先(後述する)指定で両面印字装置16へ記録紙を搬送するように指示されたにもかかわらず、両面印字装置16へ搬送せず、2段トレイ18に出力したような場合にこのビットが「1」になる。これは、既に両面印字装置16内に記録紙が存在しており、それとはサイズの異なる記録紙が両面印字装置16に搬送されることにより発生する紙ジャムを未然に防ぐために行われる。
【0067】
また、中間トレイ27に所定枚数以上の記録紙が搬送された場合にこのビットが「1」となる。4thビットが「1」のとき、中間トレイ27に記録紙が残留していることを示す。中間トレイ27に紙搬送中(基本ステータスの3rdビットが「1」の時)以外で記録紙が存在する場合に、このビットが「1」となり、中間トレイ27に紙搬送中(ステータス「0」の3rdビットが「1」の時)以外で記録紙が存在しない場合に、このビットが「0」となる。
【0068】
5thビットは両面印字装置16内でジャムが発生した場合にこのビットが「1」となり、ジャム解除または正常状態時は、このビットが「0」となる。6thビットはシステム内のジャム紙除去等のため搬送路を解放したときに、このビットが「1」となり、正常に閉められたとき、このビットが「0」となる。
【0069】
7thビットは中間トレイ27がフル状態、すなわち、規定枚数の記録紙が積載された場合に、このビットが「1」となり、中間トレイ27上に記録紙が1枚もない状態のとき、このビットが「0」となる。
【0070】
図10の(l)は2段トレイコールステータス(SR11に対応)のビットデータを示し、このステータスの3rdビットは行先スキップを示し、行先指定(後述する)により指定された行先に記録紙が排出されない場合、このビットが「1」となる。また、両面印字装置16から給送された記録紙をスイッチバック動作をさせる時、連続して片面のみの印字が行われた記録紙が画像形成部11より搬送されると、スイッチバック動作に要する時間がかかるため、片面印字紙に対してスイッチバック動作を実行しない場合、前の記録紙(スイッチバック中の記録紙)と重なりジャムを誘発するので、これを避けるため、連続して搬送される記録紙に対し、強制的にスイッチバック動作を行わせる。
【0071】
このとき、このステータスの3rdビットを「1」とし、スイッチバックをスキップしたことを示す。さらに、2段トレイ18内に設けるスイッチ(図示しない)等でスイッチバック動作を実行しないようなモードを指定した場合にもこのステータスの3rdビットが「1」となる。このステータスの4thビットはシフトエラーを示すビットであり、出力トレイ18a,18bが正常にシフトされない場合に、このビットが「1」となる。
【0072】
出力トレイ18a,18bのシフト操作は、モータ(図示しない)を使用し、出力トレイ18a,18bが正常な位置に移動したかどうかを、各出力トレイ18a,18bの可動部に取り付けられたレバーとシステム本体に取り付けられたフォトインタラプタ(共に図示しない)で検出するものである。そして、出力トレイ18a,18bが移動開始時点から一定時間内に移動しなかった場合に、このビットが「1」となり、正常に移動した場合は、このビットが「1」となる。6th,7thビットは前述の両面印字装置コールステータス要求コマンド(ズ11の(k)参照)のビットデータと本質的に同じなので説明は省く。
【0073】
図10の(m)は2段トレイ状態ステータス(SR12に対応)のビットデータを示し、3rdビット,4thビットは実行コマンドEC4により指定される記録紙の行先で、出力トレイ18a,18bもしくはフェイスアップトレイ19の状態が示される。特に、3rd,4thビットの内容が「00」であれば、そのトレイが空であることを示し、「01」であれば、そのトレイがアクセス中であることを示し、「11」であれば、そのトレイが満載状態であることを示す。ただし、フェイスアップトレイ19はサンプルトレイの意味も有するので、フェイスアップトレイ19の状態は「01」となるように設定されている。また、このステータスの2ndビットは第1面を印字された記録紙が両面印字装置16へ送られ中間トレイ27を通過し、センサ30の位置へ記録紙が到達した場合に、「1」となり、画像形成部11からの給送信号を受けたとき、またはセンサ30の位置に記録紙がないとき、「0」となる。
【0074】
図11は、本発明に係る画像形成装置における給紙された記録紙の行先を示す実行コマンドを説明する図であり、該コマンドが2バイトで構成される場合に対応する。
【0075】
図11の(a)に示されるように、1バイト目に、例えば94「h」を出力し、それに対応して画像形成部11から基本ステータスを返送し、その後に2バイト目で行先を指定する。図11の(b)に示される2バイト目の2ndビットは両面印字装置16に記録紙を搬送させるための行先指定ビットで、このビットが「1」のとき、給紙された記録紙が両面印字装置16へ返送される。この時、3rd,6th,7thビットが何であろうと2ndビットが優先し、他のビットは無視される。ただし、その記録紙が両面印字装置16から給送された記録紙である場合は、同一面、すなわち、画像形成された面に印字されることになるので、この記録紙をフェイスアップトレイ19に排出するようにセットする。
【0076】
また、この実行コマンドの3rdビット目は、後述する6th,7thビットで示されるトレイのシフトを指令するものであり、このビットが「1」のとき、シフトポジション(図2の裏面から表面に向う方向に所定量移動)を示し、「0」のとき、ホームポジション(図2の裏面方向に所定量移動)を意味する。
【0077】
さらに、この実行コマンドの6th,7thビットは出力トレイ18a,18bおよびフェイスアップトレイ19を指定するビットであり、これらのビットが「00」のとき、記録紙の行先がフェイスアップトレイ19で、「01」のとき、記録紙の行先が出力トレイ18aで、「10」のとき、記録紙の行先が出力トレイ18bに指定される。
【0078】
次に、図12を参照しながら画像形成部11と両面印字装置16との情報授受について説明する。
【0079】
図12は、図3に示した画像形成部11と両面印字装置16との間で取り交わされる命令コードを説明する図である。
【0080】
図12の(a)は画像形成部11から両面印字装置16に対して送出される情報を説明する図であり、各情報コードD00〜D09(奇数パリティ付きの8ビットデータ)により構成されている。
【0081】
情報コードD00(画像形成部レディ指令)は、画像形成部11がプリント可能であることを示すデータである。情報コードD01(画像形成部ジャム指令)は、画像形成部11および2段トレイ18でジャムが発生したことを示す指令である。情報コードD02(排紙信号指令)画像形成部11より記録紙が排出されることを示す指令である。
【0082】
情報コードD03(スタート指令)は、記録紙搬送系の駆動手段(図示しない)を駆動させるスタート指令である。情報コードD04(給紙指定指令)両面印字装置16またはペーパデッキ15を選択する指令である。
【0083】
情報コードD05〜D09(紙サイズ指定指令)は、両面印字装置16内を搬送されている記録紙のサイズを示す指令である。
【0084】
図12の(b)は両面印字装置16から画像形成部11に対して送出される命令コードに対応し、情報コードD10〜D24から構成されている。
【0085】
情報コードD10(出口紙有指令)は、両面印字装置16から記録紙を給送可能であることを示す指令である。情報コードD11(給送中指令)両面印字装置16から記録紙を搬送中であることを示す指令である。情報コードD12(ペーパデッキ接続指令)は、ペーパデッキ15が接続されていることを示す指令である。
【0086】
情報コードD13(両面印字装置接続指令)は、両面印字装置16が接続されていることを示す指令である。情報コードD14(ペーパデッキ紙無指令)は、ペーパデッキ15に記録紙が無いことを示す指令である。情報コードD15(中間トレイ紙有指令)は、中間トレイ27に記録紙が存在することを示す指令である。
【0087】
情報コードD16(両面印字装置ジャム指令)は、両面印字装置16内で、ジャムが発生したことを示す指令である。情報コードD17(両面印字装置扉開放指令)は、両面印字装置16の扉が開放状態にあることを示す指令である。情報コードD18〜D22(ペーパデッキ紙サイズ指令)は、ペーパデッキ15に収容される記録紙のサイズを示す指令である。
【0088】
情報コードD23(両面印字装置スキップ指令)は、両面印字装置16に記録紙を搬送させないための指令である。情報コードD24(中間トレイフル指令)は、中間トレイ27が規定枚数に達したことを示す指令である。
【0089】
次に、図13を参照しながら画像形成部11と2段トレイ18との情報授受について説明する。
【0090】
図13は、図3に示した画像形成部11と2段トレイ18との間で取り交わされる命令コードを説明する図である。
【0091】
図13の(a)は伝送ケーブルCBL3を介して画像形成部11から2段トレイ18に対して送出される命令コードに対応し、情報コードD30〜D41より構成されている。
【0092】
情報コードD30(画像形成部レディ指令)は、画像形成部11がプリント可能状態にあることを示す指令である。情報コードD31(排紙指令)は、画像形成部11から記録紙が出力されることを示す。情報コードD32(スタート指令)は、記録紙を搬送する駆動手段(図示しない)に対して駆動を開始させる指令である。
【0093】
情報コードD33〜D34(行先指令)は、記録紙の排出先を示す指令である。情報コードD35(シフト指令)は、出力トレイのシフト有無を示す指令である。情報コードD36〜D40(紙サイズ指令)は、画像形成部11を搬送されている記録紙サイズを示す指令である。
【0094】
情報コードD41(給紙部指定指令)は、排紙されている記録紙の給紙源を示す指令である。
【0095】
図13の(b)は伝送ケーブルCBL3を介して2段トレイ18から画像形成部11に対して送出される命令コードに対応し、情報コードD50〜D60より構成されている。情報コードD50(記録紙搬送中指令)は、2段トレイ18に記録紙を搬送していることを示す指令である。情報コードD51(シフトエラー指令)は、2段トレイのシフトエラー発生を示す指令である。
【0096】
情報コードD52(ジャム指令)は、2段トレイ18内でジャムが発生したことを示す指令である。情報コードD53(ドアオープン指令)は2段トレイ18の扉(図示しない)が開放されている状態であることを示す。情報コードD54〜D55(出力トレイ状態指令)は出力トレイ18aの状態を示す指令である。
【0097】
情報コードD56〜D57(出力トレイ状態指令)は、出力トレイ18bの状態を示す指令である。情報コードD58〜D59(フェイスアップトレイ状態指令)は、フェイスアップトレイ19の状態を示す指令である。情報コードD60(行先スキップ指令)は、記録紙のスキップ状態を示す指令である。
【0098】
次に図14を参照しながら図2に示した画像形成部11の制御動作について説明する。
【0099】
図14は、本発明に係る画像形成装置の制御手段の動作の一例を示すフローチャートである。なお、(1)〜(26)は各ステップを示す。
【0100】
画像形成部11は、両面印字装置16,ペーパデッキ15,2段トレイ18等のシステムをチェックし(1)、図9の(g)に示した排紙部機能ステータスおよび給紙部構成ステータスのビットデータのセット/リセットを行う。次に、システム全体のレディ状態をチェックし(2)、既にジャムが発生していないかどうかまたは両面印字装置16等の扉が開放された状態にあるかどうかをチェックする。
【0101】
具体的には、画像形成部11内のコールステータス、すなわち、図7の(b)に示すオペレータコールステータスおよび図7の(c)に示すサービスマンコールステータスのビットデータをチェックして、各ビットに対する事象が発生していないかどうかをチェックする。
【0102】
また、両面印字装置16に対しては、図12の(b)に示す情報コードD14〜D17に対応する事象が発生していないかどうか、また、2段トレイ18に対しては図13の(b)に示す情報コードD51〜D53に相当する事象が発生していないかどうかをチェックし、それらの内容により、図10の(k)に示した両面印字装置コールステータスおよび2段トレイコールステータスの各ビットデータをセットする。
【0103】
次に、システムがレディ状態であるかどうかを判断し(3)、NOならば信号/RDYを送出せず、レディ状態が解除されるのを待機する(4)。
【0104】
一方、ステップ(3)の判断でYESの場合は、信号/RDYを画像処理装置12に送出する(5)。信号/PRNTが画像処理装置12から画像形成部11に送出されるのを待機し(6)、送出されたら感光ドラム23が前回転動作(鮮明な画像を形成するため感光ドラム23の表面を静電的に均一化するための回転動作)を開始し(7)、次いで、両面印字装置16および2段トレイ18へスタート信号を送出する(8)。このスタート信号は、図12の(a)に示す情報コードD03および図13の(a)に示した情報の事象のことを云う。
【0105】
次に、前回転終了を待機し(9)、終了したら、給紙部のチェックを行う(10)。この給紙部のチェックは、図6に示される実行コマンド(給紙を指定する)EC0〜EC3のいずれを最後に受付けているかをチェックすることである。
【0106】
例えば、この中で実行コマンドEC2および実行コマンドEC3を受付けた場合は、その旨を図12の(a)に示す情報コードD04にセットし、両面印字装置16へ通知する。ただし、搬送路内に記録紙が存在しない場合は実行コマンドEC3を無視する。
【0107】
次に、行先チェックを行う(11)。この行先チェックは、図6に示す実行コマンドEC4をチェックすることにより行われる。続いて、給紙動作を開始するとともに(12)、プリントリクエスト(信号/PRNT)をオフする(13)。次に、記録紙が所定位置まで給送されるまで待機し(14)、給送された時点で、信号/VSREQが画像形成部11より画像処理装置12に送出し(15)、記録紙を一旦停止させる(18)。
【0108】
次いで、信号/VSYNC入力を待機し(17)、信号/VSYNCが入力されたら記録紙の搬送を再開する(18)。次いで、所定のタイミングで転写され、定着ローラ24で定着された記録紙が、画像形成部11の排出部へ搬送されるのを待機し(19)、搬送されたら、排紙信号出力シーケンスを実行する(20)。続いて、記録紙が画像形成部11より排出されたかどうかをチェックし(21)、排出されたら次の記録紙を給紙するための信号/PRNTが画像処理装置12より画像形成部11に送出されるのを待機し(22)、YESならばステップ(10)に戻り、NOならばさらに、システムの搬送路上の記録紙がすべて搬送されるのを待機し(23)、すなわち、図12の(b)に示した情報コードD11および図13の(b)に示した情報コードD50より調べ、搬送路上の記録紙が全て指定される各トレイに搬送されたら、基本ステータス要求コマンドの3rdビットを「0」にセットする。
【0109】
次いで、搬送される記録紙が両面印字装置16から給紙されたものかどうかを判断し(24)、NOならばステップ(26)に進み、YES、すなわち、両面印字装置16より給紙されたもので、図6に示す実行コマンドEC0〜EC2が出力されていなければ自動的に下段給紙(給紙カセット14からの給紙)に変更する(25)。
【0110】
次いで、システム全体の搬送駆動手段を停止させるため、両面印字装置16と2段トレイ18へそれぞれストップ信号を出力する(26)。すなわち、図12の(a)に示した情報コードD03および図13の(a)の情報コードD32をリセットする。
【0111】
図15は、図14に示したフローチャートのステップ(20)で実行される排紙信号出力動作の詳細を示すフローチャートである。なお、(31)〜(34)は各ステップを示す。
【0112】
図11の(b)に示した2バイト目のビットデータの2ndビットが「1」かどうかを判断し(31)、YESならば他のビットは無視して優先的に両面印字装置16に対して図12の(a)に示す情報コードD02を送出して制御を終了する(32)。
【0113】
一方、ステップ(31)の判断で、NO、すなわち、記録紙の行先が2段トレイ18ならば、図11の(b)に示した2バイト目のビットデータの3rd,6th,7thビットの内容を図13の(a)に示す情報コードD33〜D35、すなわち、記録紙のシフト/行先を2段トレイ18に通知するとともに(33)、排紙信号(図13の(a)に示す情報コードD31)を送出する(34)。
【0114】
次に図16を参照しながら両面印字装置16の制御動作について説明する。
【0115】
図16は、図2に示した両面印字装置16の制御動作を説明するフローチャートである。なお、(51)〜(70)は各ステップを示す。
【0116】
両面印字装置16内の各部がレディ状態になるのを待機し(51)、次いで、画像形成部11よりスタート信号が送出されるのを待機する(52)。すなわち、図12の(a)に示す情報コードD03が「1」となるのを待機し、スタート信号が送出されたら、両面印字装置16内の記録紙搬送駆動手段(図示しない)を駆動させ(53)、排紙信号を待機し(54)、排紙信号を受けたら、既に記録紙が両面印字装置16内に存在するかどうかを判断し(55)、NOならばデフレクタ25をオンし、両面印字装置16内に記録紙を引き込みステップ(62)に進み(56)、YESならば存在する記録紙のサイズと次に給送される記録紙サイズが一致するかどうかを判断し(57)、YESならばステップ(56)に進み、NOならばさらに、スキップモードであるかどうかを判断し(58)、NOならばジャム発生と認め両面印字装置16を停止させ、制御を終了する(59)。
【0117】
一方、ステップ(58)の判断で、YESならばデフレクタ25をオフし(60)、スキップモードであることを通知して制御を終了する(61)。
【0118】
そして、ステップ(62)では、中間トレイ27に積載された記録紙が規定枚数に達したかどうかを判断し、NOならばステップ(66)に進み、YESならば通知モードであるかどうかを判断する(63)。この判断で、NOならばジャム発生と認知して両面印字装置16を停止させ制御を終了し(64)、YESの場合は、中間トレイ27がフル状態であることを通知する(65)。次いで、センサ30の位置に記録紙が搬送されるのを待機し(66)、搬送されたら、出口紙有り、すなわち、図12の(b)に示す情報コードD10をセットする(67)。
【0119】
次に、画像形成部11より給送指令がなされるのを待機し(68)、給送指令がなされたら、記録紙の給送を開始し(69)、出口紙有りをオフして制御を終了する(70)。
【0120】
次に、図17を参照しながら図2に示した2段トレイ18の動作について説明する。
【0121】
図17は、図2に示した2段トレイ18の制御動作を説明するフローチャートである。なお、(71)〜(84)は各ステップを示す。
【0122】
まず、2段トレイ18内の各部のレディを待機し(71)、さらに、画像形成部11からスタート信号が送出されるのを待機し(72)、スタート信号が送出されたら、2段トレイ18を駆動させる(73)。次いで、排紙信号を待機し(74)、排紙信号を受取ると、その時点で、受付けた行先をチェックする(75)。
【0123】
次いで、受付けた記録紙の給紙部が両面印字装置16であるかどうかを、図13の(a)に示す情報コードD41を調べることにより判断し(76)、YESならばステップ(81)に進み、NOの場合は、さらに、受付けた記録紙の直前の記録紙がスイッチバック動作を実行したかどうかを判断する(77)。この判断で、直前の記録紙がスイッチバック動作を実行しなかった記録紙である場合は、スイッチバック動作を実行せずに(78)、ステップ(82)に進む。
【0124】
一方、ステップ(77)の判断で、直前の記録紙がスイッチバック動作を実行させた記録紙である場合、ジャム発生有無を判断し(79)、NOならばステップ(78)に戻り、YESならばスイッチバック動作を実行させない通知、すなわち、図13の(b)に示す情報コードD60をセットする(80)。
【0125】
次いで、スイッチバック動作を実行し(81)、ステップ(75)で割り振られた行先によりデフレクタ34,35を制御し(82)、行先のトレイに記録紙を搬送させる。次いで、トレイに記録紙が排出されるのを待機し(83)、記録紙が排出されたら、排出された記録紙の枚数をカウントして制御を終了する(84)。
【0126】
次に、図18を参照しながら図17に示したステップ(71)の2段トレイ18のレディチェック動作について説明する。
【0127】
図18は、図17に示した2段トレイ18のレディチェック動作の一例を示すフローチャートである。なお、(91)〜(97)は各ステップを示す。
【0128】
まず、出力トレイ18aを選択し(91)、出力トレイ18aが前述したホームポジション位置にあるかどうかをチェックし(92)、YESならばステツプ(96)に進み、NOならば出力トレイ18aをホームポジション位置に移動させるシフトを行う(93)。
【0129】
次いで、一定時間内に出力トレイ18aがホームポジションに移動しているかどうか、すなわちシフト終了かどうかを判断し(94)、YES、すなわち、正常な位置に移動していればステップ(96)に進み、NOならばシフト動作エラーを通知する(95)。
【0130】
続いて、出力トレイ18bがホームポジションに位置しているかどうかをチェックし(96)、YESならば制御を終了し、図17に示す後段の各ステップ動作を実行する。
【0131】
一方、ステップ(96)の判断で、NOならば出力トレイ18bを選択し(97)、ステップ(92)に戻り、ステップ(92)以降の動作を実行する。前述したように、2段トレイ18の出力トレイ18a,18bにはシフト動作を伴なうので、電源投入時に、あらかじめ各出力トレイ18a,18bをホームポジションに移動させることにより、記録紙の排出動作を正確に実行できる。
【0132】
なお、上記実施形態では8ビットのデータにより記録紙の搬送制御を実行する場合について説明したが、他のビット数でもよい。
【0133】
以上より、画像発生装置から出力された画像データに基づいて画像形成されたシートを画像発生装置からのコマンドに従って画像形成面を上向きまたは下向きの状態で排出するので、ユーザは画像形成面を上向きに排出させるか下向きに排出するかを簡単に指示することができ、頁順を重視するユーザやプリント結果の確認を重視したユーザ、シートのカールを最小限にしたいユーザなどの様々なニーズに即座に対応することができる。
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上位装置から信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成し、画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する画像形成装置において、排出部のシート積載状態に関するデータを要求するコマンドを上位装置から信号線を介して受信し、前記コマンドを受信したことに応じて、排出部のシートの積載状態を示すデータを信号線を介して上位装置へ送信するので、ユーザは排出部の積載状態を上位装置によって確認することができ、排出部を直接確認する手間を省くことができる。
【0135】
また、排出部のシートの積載状態に関するデータを要求するコマンドを上位装置から受信したことに応じて、排出部のシートの積載状態を示すデータを上位装置に送信することで、排出部の積載状態を示すデータを常に上位装置に出力しつづけないようにし、上位装置から要求があったときに該データを出力させることが出来るので、上位装置と画像形成装置の間において不要なトラフィックを発生させずに、ユーザが排出部の積載状態を知りたいときに上位装置にてそのデータを得られるようにすることができる。
【0136】
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の画像形成装置の概略を示す斜視図である。
【図2】
図1に示した画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図3】
本発明に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】
図3に示した画像処理装置と画像形成部とのインタフェースを説明する図である。
【図5】
本発明に係る画像形成装置におけるステータス要求コマンドを説明する図である。
【図6】
本発明に係る画像形成装置における実行コマンドを説明する図である。
【図7】
図5に示したステータス要求コードに対応して返送されるステータス内容を示すビットデータの一例を示す図である。
【図8】
図5に示したステータス要求コードに対応して返送されるステータス内容を示すビットデータの一例を示す図である。
【図9】
図5に示したステータス要求コードに対応して返送されるステータス内容を示すビットデータの一例を示す図である。
【図10】
図5に示したステータス要求コードに対応して返送されるステータス内容を示すビットデータの一例を示す図である。
【図11】
本発明に係る画像形成装置における給紙された記録紙の行先を示す実行コマンドを説明する図である。
【図12】
図3に示した画像形成部と両面印字装置との間で取り交わされる命令コードを説明する図である。
【図13】
図3に示した画像形成部と2段トレイとの間で取り交わされる命令コードを説明する図である。
【図14】
本発明に係る画像形成装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図15】
図14に示したフローチャートで実行される排紙信号出力動作の詳細を示すフローチャートである。
【図16】
図2に示した両面印字装置の制御動作を説明するフローチャートである。
【図17】
図2に示した2段トレイの制御動作を説明するフローチャートである。
【図18】
図17に示した2段トレイのレディチェック動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 画像形成部
12 画像処理装置
13 給紙カセット
14 給紙カセット
15 ペーパデッキ
16 両面印字装置
17 垂直搬送部
18 2段トレイ
18a 出力トレイ
18b 出力トレイ
19 フェイスアップトレイ
41 CPU
42 第1のシリアル回路
44 ROM
45 RAM
 
訂正の要旨 (イ)特許請求の範囲の【請求項2】を削除する訂正を行う。
(ロ)特許請求の範囲の【請求項3】を削除する訂正を行う。
(ハ)特許請求の範囲の【請求項4】を削除する訂正を行う。
(ニ)明細書の段落番号【0007】を削除する訂正を行う。
(ホ)明細書の段落番号【0008】を削除する訂正を行う。
(ヘ)明細書の段落番号【0134】を、
「 【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上位装置から信号線を介して受信したデータに基づいてシート上に画像を形成し、画像形成されたシートを複数の排出部のいずれかへ排出する画像形成装置において、排出部のシート積載状態に関するデータを要求するコマンドを上位装置から信号線を介して受信し、前記コマンドを受信したことに応じて、排出部のシートの積載状態を示すデータを信号線を介して上位装置へ送信するので、ユーザは排出部の積載状態を上位装置によって確認することができ、排出部を直接確認する手間を省くことができる。」
に訂正する。
(ト)明細書の段落番号【0136】を削除する訂正を行う。
異議決定日 2003-02-26 
出願番号 特願平10-205353
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (B65H)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鹿股 俊雄杉野 裕幸前田 幸雄松縄 正登平岩 正一中島 昭浩  
特許庁審判長 吉国 信雄
特許庁審判官 杉原 進
山崎 勝司
登録日 2001-03-30 
登録番号 特許第3174761号(P3174761)
権利者 キヤノン株式会社
発明の名称 画像形成装置  
代理人 小林 将高  
代理人 小林 将高  

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