• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する A47L
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する A47L
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A47L
管理番号 1080499
審判番号 訂正2003-39071  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-06-20 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-04-09 
確定日 2003-05-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3284991号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3284991号に係る明細書を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第3284991号は、平成10年12月11日に特許出願され、平成14年3月8日に設定登録されたものである。そして、当該特許の願書に添付された明細書(以下「登録明細書」という。)の訂正に係る本件審判請求は、平成15年4月9日付でなされたものである。
第2 請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許の登録明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり、上記訂正明細書の訂正事項は以下のとおりである。
1 訂正事項
(1)訂正事項a
登録明細書の特許請求の範囲に記載の、
「【請求項1】給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置し、前記給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方と、前記置き台の前方近傍まで突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項2】置き台は、取り外し自在の扉を有する請求項1記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項3】置き台内部には、収納可能な棚を有し、その棚の下方の前方近傍で、給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方を配管に接続する請求項1または2記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項4】置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方の前方近傍で、給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方を配管に接続する請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項5】置き台内部には、上下左右の少なくとも一方に給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方を収納する配管スペースを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項6】置き台内部には、配管スペースと収納スペースを区切る遮蔽板を有する請求項5記載の食器洗浄機のホース類接種方法。
【請求項7】遮蔽板は、給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方を配管に接続した後、設置可能とした請求項6記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項8】置き台内部には、収納可能な棚を有し、その棚の下方の前方近傍で、給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方と配管とを接続し、前記棚には前記接続部が点検可能な点検口を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の食器洗浄機のホース類接続方法。
【請求項9】置き台内部には、給水ホースおよび排水ホースの少なくとも一方または接続部からの漏水を受ける受け皿を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の食器洗浄機のホース類接続方法。」を、
「【請求項1】給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法。」と訂正する。
上記特許請求の範囲の訂正箇所は、次の如きものである。
ア 登録明細書の特許請求の範囲における請求項1〜3、請求項1、2を引用する請求項4及び請求項5〜9を削除する。
イ 登録明細書の特許請求の範囲の請求項3を引用する請求項4において、請求項4及び引用している請求項1、請求項3の
(ア)「給水ホースおよび排水ホースの少なくともいずれか一方」を「給水ホースおよび排水ホース」に、
(イ)「その棚の下方の前方近傍で」を「その棚の下方で」
にそれぞれ訂正し、引用している請求項1の
(ウ)「前記食器洗浄機本体を置き台上に設置し」を「前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後」に、また、
(エ)「前方近傍まで突出した配管」を「前方近傍まで水平方向前方に突出した配管」
に訂正する。そして、請求項4を独立型式の記載に書き改めるために、
(オ)「…接続する方法であって、かつ前記置き台部内部には…」
と文言を追加する訂正を行い、かつ
(カ)請求項4の「引き出し可能な棚」と引用している請求項3の「収納可能な棚」とを、まとめるため「収納可能でかつ引き出し可能な棚」
と訂正して、請求項4の内、請求項3を引用する内容でかつ、請求項3において請求項1を引用する内容を訂正明細書の請求項1の記載事項としたものである。
(2)訂正事項b
登録明細書の段落0011の記載を次のように訂正する。
「【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続するものである。」
(3)訂正事項c
登録明細書の段落0013の記載を次のように訂正する。
「【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法であり、食器洗浄機をシステムキッチンなどにビルトインする場合に、食器洗浄機の背面部に接続した給水ホース、排水ホースなどのホースを置き台の前方近傍で配管と接続することができ、給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。」
(4)訂正事項d
登録明細書の段落0014の記載を削除する。
(5)訂正事項e
登録明細書の段落0015の記載内容を次のように訂正する。
「【0015】また食器洗浄機の下部空間を配管スペースだけでなく、収納棚としても使用することができ、有効に活用することができる。」
(6)訂正事項f
登録明細書の段落0016の記載を次のように訂正する。
「【0016】さらに、置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法であり、機器本体の下部空間をさらに有効に活用することができる。」
(7)訂正事項g
登録明細書の段落0017〜0021の記載を削除する。
(8)訂正事項h
登録明細書の段落0022の記載を下記のように訂正する。
「【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例、参考例について、図面を参照しながら説明する。」
(9)訂正事項i
登録明細書の段落0023の記載を次のように訂正する。
「【0023】(参考例1)
図1に示すように、食器洗浄機本体(機器本体)9はシステムキッチン10にビルトインして設置するよう構成し、この食器洗浄機本体9の背面後方には、食器洗浄機本体9内に水道水などを給水する給水ホース11と、洗浄機本体9内で食器を洗浄した洗浄水などを排水する排水ホース12とを背面に接続している。この食器洗浄機本体9は、置き台13上に設置している。」
(10)訂正事項j
登録明細書の段落0028〜0030の記載を削除する。
(11)訂正事項k
登録明細書の段落0031の記載内容を次のように訂正する。
「【0031】(参考例2)
図2に示すように、置き台18は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、内部に収納可能な棚19を設け、棚19の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11a、排水ホース12aと、置き台18の背面の壁から置き台18の前方近傍まで突出させた給水管14a、排水管15aを収納し、置き台18の前方近傍で接続作業ができるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。」
(12)訂正事項l
登録明細書の段落0033の記載を次のように訂正する。
「【0033】(実施例)
図3に示すように、置き台20は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、内部に引き出し可能な棚21を設け、棚21の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホースl1b、排水ホース12bと、置き台20の背面の壁から置き台20の前方近傍まで突出させた給水管14b、排水管15bを収納し、置き台20の前方近傍で接続作業ができるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。」
(13)訂正事項m
登録明細書の段落0035の記載を次のように訂正する。
「【0035】(参考例3)
図4に示すように、置き台22は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台22の内部に遮蔽板23を設け、置き台22の右側の空間内を配管スペース24としている。配管スペース24に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11c、排水ホース12cと、置き台22の背面の壁から置き台22の前方近傍まで突出させた給水管14c、排水管15cを収納し、置き台22の前方近傍で接続作業ができるようにしている。また、遮蔽板23は取り外し可能な構成としており、施工工事時には取り外して工事を行い、工事後遮蔽板23を取り付けできるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。」
(14)訂正事項n
登録明細書の段落0038の記載を次のように訂正する。
「【0038】なお、参考例3では、遮蔽板23の右側の空間を配管スペース24としているが、上下左右の一方を配管スペースとしても同様の効果を得ることができる。」
(15)訂正事項o
登録明細書の段落0039の記載を次のように訂正する。
「【0039】(参考例4)
図5に示すように、置き台26は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台26の内部に棚27を設け、棚27の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホースl1d、排水ホース12dと、置き台26の背面の壁から置き台26の前方近傍まで突出させた給水管14d、排水管15dを収納し、置き台26の前方近傍で接続作業ができるようにしている。」
(16)訂正事項p
登録明細書の段落0040の記載を次のように訂正する。
「【0040】また、棚27の略中央部に穴を設けて点検口28を形成し、置き台26の内部を点検できる構成としている。また、この点検口28を覆う蓋29を設けている。他の構成は上記参考例1と同じである。」
(17)訂正事項q
登録明細書の段落0043の記載を次のように訂正する。
「【0043】(参考例5)
図6に示すように、置き台30は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台30の内部に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホースl1e、排水ホース12eと、置き台30の背面の壁から置き台30の前方近傍まで突出させた給水管14e、排水管15eを収納し、置き台30の前方近傍で接続作業ができるようにしている。」
(18)訂正事項r
登録明細書の段落0044の記載を次のように訂正する。
「【0044】また、置き台30の下方に、受け皿31を設け、給水ホースl1e、排水ホース12eまたはこれらの接続部からの水漏れが生じた場合に水を受けるよう構成している。他の構成は上記参考例1と同じである。」
(19)訂正事項s
登録明細書の段落0046の記載を次のように訂正する。
「【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、食器洗浄機をシステムキッチンなどにビルトインする場合に、食器洗浄機の背面部に接続した給水ホース、排水ホースなどのホースを置き台の前方近傍で配管と接続することができ、給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。」
(20)訂正事項t
登録明細書の段落0047の記載を削除する。
(21)訂正事項u
登録明細書の段落0048の記載を次のように訂正する。
「【0048】また、請求項1に記載の発明によれば、置き台内部には、収納可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、機器本体の下部空間を配管スペースだけでなく、収納棚としても使用することができ、有効に活用することができる。」
(22)訂正事項v
登録明細書の段落0049の記載を次のように訂正する。
「【0049】また、請求項1に記載の発明によれば、置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、機器本体の下部空間をさらに有効に活用することができる。」
(23)訂正事項w
登録明細書の段落0050〜0054の記載を削除する。
(24)訂正事項x
登録明細書の【図面の簡単な説明】の記載を次のように訂正する。
「【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の水使用機器の縦断面図
【図2】参考例2の水使用機器の縦断面図
【図3】本発明の実施例の水使用機器の縦断面図
【図4】参考例3の水使用機器の正面図
【図5】参考例4の水使用機器の縦断面図
【図6】参考例5の水使用機器の縦断面図
【図7】従来の水使用機器の背面斜視図
【図8】同水使用機器の給排水管立ち上げ状態を示す斜視図
【符号の説明】9食器洗浄機本体(機器本体) 11給水ホース 12排水ホース 13置き台 14給水管(配管) 15排水管(配管)」
第3 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
1 訂正事項a
訂正事項aにおけるアの訂正は、請求項を削除する訂正であるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、訂正事項aにおけるイの(ア)、(エ)、の訂正は、それぞれ構成を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。更に、訂正事項aにおけるイの(イ)、(ウ)、(オ)、及び(カ)の訂正は、それぞれ明りようでない記載の釈明を目的とするものである。
上記訂正事項aにおけるイの(ア)〜(カ)の訂正の根拠について、判断する。
(1)イの(ア)、(イ)の訂正については、登録明細書に「図3に示すように、置き台20は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、内部に引き出し可能な棚21を設け、棚21の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホースl1b、排水ホース12bと、」(段落0033)と記載されている。
(2)イの(ウ)の訂正については、登録明細書に「施工者は置き台13の天面部に食器洗浄機本体9を設置した後、置き台13の前方近傍で、給水ホースl1を給水管14の接続部に接続し、排水ホース12を排水管15に接続する。」(段落0025)と記載されている。
(3)イの(エ)の訂正については、登録明細書に「図3に示すように、・・・置き台20の背面の壁から置き台20の前方近傍まで突出させた給水管14b、排水管15bを収納し、」(段落0033)と記載されていること及び図3を参照すると、配管としての給水管14bと排水管15bが、水平方向前方に突出していることが認められる。
(4)イの(カ)の訂正の「引き出し可能な棚」については、登録明細書に上記(1)で引用した段落0033に記載されており、「収納可能な棚」については、登録明細書に「内部に収納可能な棚19を設け、」(段落0031)と記載されている。
したがって、訂正事項aにおけるイの(ア)〜(カ)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項に基づくものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
2 訂正事項b〜g,s〜w
訂正事項b〜g,s〜wは、上記aの特許請求の範囲の訂正にともない、明細書の記載をこれと整合させるためのものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
3 訂正事項h,i,k〜r,x
訂正事項h,i,k〜r,xは、上記aの特許請求の範囲の減縮に伴い、実施例となり得なくなったものを参考例とすることにより、訂正請求書による請求項1に記載の発明の実施例(図3に示されるもの)と、そうでないものの参考例とを明確に区別するためのものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
4 訂正事項j
訂正事項jは、登録明細書の段落0028、0029、0030における記載が、訂正請求書による請求項1に記載の発明と整合させるためのものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
第4 独立特許要件
本件訂正請求における請求項1に係る発明の訂正は、上記の如く特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、次に、訂正請求における請求項1に係る発明(以下、「訂正発明」という。)の独立特許要件について検討する。
1 引用例
(1)引用例1
本件特許に係る出願の拒絶理由に引用された特開平9-253021号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「本発明は、主に一般家庭用の流し台等に並べて設置する床置型食器洗浄乾燥機に関するものである。」(段落0001)
イ 「本発明は、床置型で上部にガスコンロを装着した本体と、この本体のガスコンロの下方に収納設置され、横幅を本体の横幅よりも一回り小さく構成した食器洗浄乾燥器と、この食器洗浄乾燥器の右側又は左側に隣接して形成した収納室とから成り、この収納室内に食器洗浄乾燥器へ給水する給水管や排水管の接続部を配設して成るものである。」(段落0005)
ウ 「図2において、25は上記収納室4の底面を閉塞する底板で、例えば食器洗浄乾燥器3に用いる洗剤等を載置可能に構成していると共に、前端部に切欠溝26を設け、この下方に配設した上記ガス配管5の元栓27の開閉操作が行い易い様に構成している。」(段落0014)
エ 「又上記収納室4には、上記食器洗浄乾燥器3に給水する給水管28と、同じく洗浄後等の排水を排出する排水管29の接続部を収納しており、例えば図5及び図6に示す様に食器洗浄乾燥機本体1を流し台30に隣接して設置した場合、この流し台の水道管31に分岐水栓32を接続し、この分岐水栓に止水栓33を介して上記給水管28に接続し、かつ上記排水管29は、図7にても示す様に流し台30のシンク34の排水パイプ35の途中に排水ホース36を接続し、この排水ホースと上記排水管29とをエルボ37,37等にて例えば複数のバンド38・・を用いて接続している。」(段落0015)
オ 「43は、上記配管スペース6の前面に縦開きにて開閉自在に装着した下扉で、上記食器洗浄乾燥機本体1の底部前面左右に配設した一対の受金具44,44の受溝45,45にて着脱自在に構成され、上記ガス配管5の接続作業時には取り外し、元栓27の開閉操作時には開閉操作して利用する。」(段落0017)
引用例1には、上記ア〜オの事項より、次の発明が記載されている。
給水管28および排水管29を食器洗浄乾燥機本体1の背面部に接続するとともに、食器洗浄乾燥機本体1を床置き状に設置した後、給水管28および排水管29と、流し台の前方近傍水平方向前方に配置された水道管31および排水ホース36とを、流し台内の前方近傍で接続する方法により各管が接続されている食器洗浄乾燥機。
(2)引用例2
同じく本件特許に係る出願の拒絶理由に引用された特開平7-334号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「本発明の食器洗浄機においては、給水管路の接続部又は排水管路の接続部の下方に水受部を設けたことを特徴とする。」(段落0005)
イ 「本発明の一実施例につき、図1ないし図3を参照して説明する。まず図2及び図3には、システムキッチン1と、これに組込んだ食器洗浄機2とを示している。」(段落0013)
ウ 「食器洗浄機2は、内部に、周知の洗浄室(図示せず)を有すると共に、その洗浄室内に連なる機内側給水ホース3を有している。又、この食器洗浄機2の背面の下部並びに両側面の下部には一つに連なる凹部4,5,6を形成しており、上記洗浄室内に連なる排水ホース7を、その背面下部の凹部4の中央部から両側面下部の凹部5,6のうちの前記システムキッチン1のシンク8側の凹部(図示例では右側の凹部6)に導出している。」(段落0014)
エ 「これに対して、システムキッチン1の水栓9に連なる給水管10には、分岐水栓11を介して機外側給水ホース12を接続し、この機外側給水ホース12を、配管孔13から上記食器洗浄機2の凹部6に導出し、更にその凹部6の奥部に形成した導入口14から食器洗浄機2内の前部に導入して、管継手15により、前記機内側給水ホース3と接続し、もって、機外より洗浄室内に給水する給水管路16を構成している。」(段落0015)
オ 「一方、前記排水ホース7は配管孔13からシステムキッチン1内に導出して、該システムキッチン1内のダスターポット17下方の排水管18にT字管継手19により接続しており、もって、洗浄室内より機外に排水する排水管路20を構成している。」(段落0016)
2 対比・判断
本件訂正発明(前者)と引用例1に記載の発明(後者)とを対比すると、後者の「給水管28」、「排水管29」、「食器洗浄乾燥機」、「水道管31および排水ホース36」が、それぞれ、前者の「給水ホース」、「排水ホース」、「食器洗浄機」、「配管」に相当しており、両者は、次の構成で一致している。
給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、水平方向前方に突出した配管とを、接続する方法で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法。
しかし、両者は、次の相違点1、2で相違している。
前者は、食器洗浄機本体を置き台上に設置し、配管は、置き台の前方近傍まで突出しているが、後者は、床置き状であり、配管は、流し台の前方近傍まで突出している点。(相違点1)
前者は、置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続するのに対して、後者は、このような棚を有しない点。(相違点2)
相違点1について検討すると、引用例2の食器洗浄機本体は、引用例1と同様に床置き状であって、機外側給水ホース12は、食器洗浄機2内の前部に導入して、管継手15により、機内側給水ホース3と接続するものであって、食器洗浄機本体を置き台上に設置するものでなく、配管の接続も前者とは、異なる。また、引用例2には、相違点2の前者の構成も記載されていない。
そして、前者は、引用例1及び2にはみられないつぎの(1)〜(3)の格別な効果が認められる。
(1)食器洗浄機をシステムキッチンなどにビルトインする場合に、食器洗浄機の背面部に接続した給水ホース、排水ホースなどのホースを置き台の前方近傍で配管と接続することができ、給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。(段落0046)
(2)機器本体の下部空間を配管スペースだけでなく、収納棚としても使用することができ、有効に活用することができる。(段落0048)
(3)置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、機器本体の下部空間をさらに有効に活用することができる。(段落0049)
したがって、前者を引用例1又は引用例2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできないものである。
4 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正発明は、引用例1又は引用例2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできないものであり、本件訂正明細書の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとすることはできず、この訂正は、特許法第126条第4項の規定に適合している。
第5 むすび
以上のとおり、本件審判請求は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項から第4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
食器洗浄機のホース類接続方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食器洗浄機におけるホース類と配管との接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の食器洗浄機は図7に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】図に示すように、食器洗浄機本体(機器本体)1は、食器洗浄機本体1内に水道水などを給水する給水ホース2と、洗浄機本体1内で食器を洗浄した洗浄水などを排水する排水ホース3とを背面に接続している。この食器洗浄機本体1は、置き台4上に設置し、置き台4の下方の略中央部には、給水ホース2、排水ホース3と接続する屋内からの給水管(配管)5と、排水管(配管)6を設けている。
【0004】給水管5と排水管6は、図8に示すように、それぞれ床面から立ち上げるように設け、給水管5には、立ち上がった部分から給水ホース2に接続する給水ホース接続部7と、給水を停止するための給水止水栓8とを設けている。また、他の屋内配管の方法として、床面に屋内配管部材を置き、置き台4の下方略中央部で上記同様の給水、排水ホースと接続する構成のものがある。
【0005】また、置き台4には、扉を設けるとともに、給排水ホースの経路の邪魔にならない程度の棚等を設けているものもある。
【0006】上記構成において、給排水工事の施工順序を説明すると、施工者が食器洗浄機本体1の設置空間に置き台4を設置する。このとき、既に屋内からの給水管5と、排水管6は、図8に示すように、置き台4の下方の略中央部に立ち上げられている。施工者は置き台4の天面部に食器洗浄機本体1を設置した後、置き台4の下部の略中央部にて、給水ホース2を給水管5の接続部7に、排水ホース3を排水管6にそれぞれ接続する。
【0007】置き台4に扉を設けているものについては、扉を取り付け、棚を有するものについては棚を設置し、扉を取り付けて施工作業が完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成では、置き台4の下部に、給水ホース2、排水ホース3と接続する屋内からの給水管5と、排水管6を置き台4の下方の略中央部に設けているため、置き台4の前面からの給排水接続作業が置き台4の中に潜り込んで行う作業となり、作業性が悪いとともに、狭い空間内での作業となるため、接続部の接続が不確実で水漏れを生じるという問題があった。
【0009】また、食器洗浄機本体1に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓8を止める場合でも、給水止水栓8が置き台4の下部略中央部にあるため、潜り込んで行う作業となり、容易に止めることができないという問題があった。
【0010】本発明は上記課題を解決するもので、給水ホース、排水ホースの接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくし、接続部を確実に接続施工するとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業できるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続するものである。
【0012】これにより、食器洗浄機に接続した給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法であり、食器洗浄機をシステムキッチンなどにビルトインする場合に、食器洗浄機の背面部に接続した給水ホース、排水ホースなどのホースを置き台の前方近傍で配管と接続することができ、給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。
【0014】
【0015】また食器洗浄機の下部空間を配管スペースだけでなく、収納棚としても使用することができ、有効に活用することができる。
【0016】さらに、置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法であり、機器本体の下部空間をさらに有効に活用することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例、参考例について、図面を参照しながら説明する。
【0023】(参考例1)
図1に示すように、食器洗浄機本体(機器本体)9はシステムキッチン10にビルトインして設置するよう構成し、この食器洗浄機本体9の背面後方には、食器洗浄機本体9内に水道水などを給水する給水ホース11と、洗浄機本体9内で食器を洗浄した洗浄水などを排水する排水ホース12とを背面に接続している。この食器洗浄機本体9は、置き台13上に設置している。
【0024】屋内の給水管(配管)14は壁から出しており、置き台13の前方近傍まで突出している。給水ホース11は置き台13の前方近傍で給水管14との接続作業を可能としている。屋内の排水管(配管)15も給水管14と同様に、壁から出して置き台13の前方まで突出し、置き台13の前方近傍で、排水ホース12と排水管15との接続作業ができるようにしている。給水管14の前方には給水止水栓16を設け、食器洗浄機本体9への給水を開閉できるようにしている。置き台13の前面に扉17を取り付けている。
【0025】上記構成において、給排水工事の施工順序を説明すると、施工者がシステムキッチン10の食器洗浄機本体9の設置空間に置き台13を設置する。このとき、既に屋内からの給水管14と排水管15は、置き台13の背面の壁から置き台13の前方近傍まで突出してきている。施工者は置き台13の天面部に食器洗浄機本体9を設置した後、置き台13の前方近傍で、給水ホース11を給水管14の接続部に接続し、排水ホース12を排水管15に接続する。置き台13に扉17を取り付けて施工作業が完了する。
【0026】したがって、置き台13の前方近傍で給水ホース11と排水ホース12とを接続することができるため、特に給水側のように、水圧が高くねじ締め作業を伴い、工具等を用いて作業する場合でも、容易に置き台13の前方近傍で締め付け作業ができ、水漏れを防止できる。また、置き台13の前方近傍に接続部があるため、作業後の水漏れ確認も容易であり、置き台13の下面や置き台13の設置面への水漏れを防止できる。
【0027】また、機器本体として、システムキッチンなどにビルトインする食器洗浄機本体9としているので、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11と排水ホース12を置き台13の前方近傍で、それぞれ給水管14と排水管15と接続することができ、給水ホース11、排水ホース12の接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて接続部を確実に接続施工することができる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】(参考例2)
図2に示すように、置き台18は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、内部に収納可能な棚19を設け、棚19の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11a、排水ホース12aと、置き台18の背面の壁から置き台18の前方近傍まで突出させた給水管14a、排水管15aを収納し、置き台18の前方近傍で接続作業ができるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。
【0032】上記構成により、棚19の下方に、給水ホース11a、排水ホース12a、給水管14a、排水管15aを収納しているため、棚19の上部に空間を確保することができ、棚19の上方を収納部として有効に活用することができる。
【0033】(実施例)
図3に示すように、置き台20は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、内部に引き出し可能な棚21を設け、棚21の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11b、排水ホース12bと、置き台20の背面の壁から置き台20の前方近傍まで突出させた給水管14b、排水管15bを収納し、置き台20の前方近傍で接続作業ができるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。
【0034】上記構成により、引き出し可能な棚21の下方に、給水ホース11b、排水ホース12b、給水管14b、排水管15bを収納しているため、棚21の上部に空間を確保することができ、棚21の上方を収納部として、さらに有効に活用することができる。
【0035】(参考例3)
図4に示すように、置き台22は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台22の内部に遮蔽板23を設け、置き台22の右側の空間内を配管スペース24としている。配管スペース24に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11c、排水ホース12cと、置き台22の背面の壁から置き台22の前方近傍まで突出させた給水管14c、排水管15cを収納し、置き台22の前方近傍で接続作業ができるようにしている。また、遮蔽板23は取り外し可能な構成としており、施工工事時には取り外して工事を行い、工事後遮蔽板23を取り付けできるようにしている。他の構成は上記参考例1と同じである。
【0036】上記構成により、遮蔽板23によって、配管スペース24を区切り、給水ホース11c、排水ホース12c、給水管14c、排水管15cを収納しているため、配管スペース24の左側を収納スペース25として有効に活用することができる。また、遮蔽板23によって、配管スペース24と収納スペース25を区切ることで、配管部を隠蔽でき、デザイン性を向上することができる。
【0037】また、遮蔽板23を取り外し可能とすることで、施工工事時には置き台22内部を広く活用でき、工事性を向上することができる。
【0038】なお、参考例3では、遮蔽板23の右側の空間を配管スペース24としているが、上下左右の一方を配管スペースとしても同様の効果を得ることができる。
【0039】(参考例4)
図5に示すように、置き台26は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台26の内部に棚27を設け、棚27の下方に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11d、排水ホース12dと、置き台26の背面の壁から置き台26の前方近傍まで突出させた給水管14d、排水管15dを収納し、置き台26の前方近傍で接続作業ができるようにしている。
【0040】また、棚27の略中央部に穴を設けて点検口28を形成し、置き台26の内部を点検できる構成としている。また、この点検口28を覆う蓋29を設けている。他の構成は上記参考例1と同じである。
【0041】上記構成により、棚27の下方に、水ホース11d、排水ホース12dと、給水管14d、排水管15dを収納しているため、棚27の上部に空間を確保することができ、棚27の上方を収納部として有効に活用することができる。
【0042】また、棚27に点検口28を設けており、蓋29を外すことで、容易に給排水接続部を確認することができ、施工工事不良などによる水漏れを防止できる。
【0043】(参考例5)
図6に示すように、置き台30は、上面にシステムキッチン10にビルトインする食器洗浄機本体9を設置し、置き台30の内部に、食器洗浄機本体9に接続した給水ホース11e、排水ホース12eと、置き台30の背面の壁から置き台30の前方近傍まで突出させた給水管14e、排水管15eを収納し、置き台30の前方近傍で接続作業ができるようにしている。
【0044】また、置き台30の下方に、受け皿31を設け、給水ホース11e、排水ホース12eまたはこれらの接続部からの水漏れが生じた場合に水を受けるよう構成している。他の構成は上記参考例1と同じである。
【0045】上記構成により、施工工事不良による接続部などから水漏れが生じても、受け皿31によって受けることができ、置き台31の下面や、置き台31の設置面への水漏れを防止できる。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、給水ホースおよび排水ホースを食器洗浄機本体の背面部に接続するとともに、前記食器洗浄機本体を置き台上に設置した後、前記給水ホースおよび排水ホースと、前記置き台の前方近傍まで水平方向前方に突出した配管とを、前記置き台内の前方近傍で接続する方法であって、かつ前記置き台内部には、収納可能でかつ引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、食器洗浄機をシステムキッチンなどにビルトインする場合に、食器洗浄機の背面部に接続した給水ホース、排水ホースなどのホースを置き台の前方近傍で配管と接続することができ、給水ホース、排水ホースの配管との接続作業性を向上し、狭い空間内での作業をなくすることができて、給水ホース、排水ホースと配管との接続部を確実に接続施工することができるとともに、機器本体に何らかの異常が生じ、使用者が給水止水栓を止める場合でも、容易に作業することができる。
【0047】
【0048】また、請求項1に記載の発明によれば、置き台内部には、収納可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、機器本体の下部空間を配管スペースだけでなく、収納棚としても使用することができ、有効に活用することができる。
【0049】また、請求項1に記載の発明によれば、置き台内部には、引き出し可能な棚を有し、その棚の下方で、給水ホースおよび排水ホースを配管に接続する食器洗浄機のホース類接続方法としたから、機器本体の下部空間をさらに有効に活用することができる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の水使用機器の縦断面図
【図2】参考例2の水使用機器の縦断面図
【図3】本発明の実施例の水使用機器の縦断面図
【図4】参考例3の水使用機器の正面図
【図5】参考例4の水使用機器の縦断面図
【図6】参考例5の水使用機器の縦断面図
【図7】従来の水使用機器の背面斜視図
【図8】同水使用機器の給排水管立ち上げ状態を示す斜視図
【符号の説明】
9 食器洗浄機本体(機器本体)
11 給水ホース
12 排水ホース
13 置き台
14 給水管(配管)
15 排水管(配管)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2003-05-20 
出願番号 特願平10-352722
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A47L)
P 1 41・ 856- Y (A47L)
P 1 41・ 832- Y (A47L)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 三原 彰英
鈴木 孝幸
登録日 2002-03-08 
登録番号 特許第3284991号(P3284991)
発明の名称 食器洗浄機のホース類接続方法  
代理人 石原 勝  
代理人 石原 勝  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ