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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1080822
審判番号 不服2002-3020  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-02-21 
確定日 2003-07-24 
事件の表示 平成 4年特許願第293994号「通信装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 4月28日出願公開、特開平 6-119260]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.出願の経緯・発明の要旨
本件発明は、平成4年10月8日に出願されたものであって、その発明の要旨は、特許請求の範囲に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に記載された発明(以下、第1発明という。)は、下記のとおりのものである。
【請求項1】情報管理装置を接続している電話交換装置にISDN基本インタフェースによって接続され、該情報管理装置と通信を行う通信装置であって、前記情報管理装置との通信路が設定されるように前記電話交換装置に要求する接続要求手段と、前記ISDN基本インタフェースのBチャネルを用いて文字情報を含む表示情報を受信する受信手段と、前記送受信手段で受信した前記表示情報に応じてメニュー画面を構成して表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記メニュー画面に含まれる文字情報を操作に応じて選択して選択指令を発生する選択手段と、前記ISDN基本インタフェースを介して接続された情報管理装置に対して前記選択指令を送信し、該選択指令に応じて前記情報管理装置が記憶管理する表示情報を受信する通信手段と、を備えた通信装置。

2.引用発明
原審において通知した拒絶理由に引用した特開平4-98519号公報には、以下の点が記載されている。
(a)メニュー画面に表示された機能を選択実行する対話処理システムのメニュー画面表示方式において、前記対話処理システムのホストコンピュータに、階層的に構成されているメニュー画面の表示イメージを保有するメニューデータベースと、前記メニューデータベースを検索して表示すべきメニュー画面の表示イメージを端末装置に転送するメニュー画面転送装置と、利用者が選択した機能を実行する機能実行手段とを備える・・・メニュー表示方式。(公報、第1頁特許請求の範囲の記載。)
(b)従来の対話処理システムのメニュー画面表示方式は、機能の選択のために、利用者が操作する端末装置に表示するメニュー画面を、ホストシステムにより表示の度に転送していた。(公報、第1頁右欄[従来の技術]の記載。)

3.対比・判断
第1発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「ホストコンピュータ」、「端末装置」及び「メニュー画面の表示イメージ」は、第1発明における「情報管理装置」、「通信装置」及び「メニュー画面」に相当する。
引用発明における「ホストコンピュータ」と「端末装置」との間は、「通信」を行っている。
また、引用発明の端末装置も第1発明と同じく「文字情報を含む表示情報を受信する受信手段」、「メニュー画面を構成して表示する表示手段」及び「選択指令を発生する選択手段」を当然具備したものであり、(b)に記載された従来技術を参照すれば、「情報管理装置に対して前記選択指令を送信し、該選択指令に応じて前記情報管理装置が記憶管理する表示情報を受信する」技術も実質的に記載されている。
したがって、両者は、「該情報管理装置と通信を行う通信装置であって、文字情報を含む表示情報を受信する受信手段と、前記送受信手段で受信した前記表示情報に応じてメニュー画面を構成して表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記メニュー画面に含まれる文字情報を操作に応じて選択して選択指令を発生する選択手段と、情報管理装置に対して前記選択指令を送信し、該選択指令に応じて前記情報管理装置が記憶管理する表示情報を受信する通信手段と、を備えた通信装置。」である点において一致し、本件第1発明が、情報管理装置と通信装置との間の通信手段として、「ISDN」及びそのプロトコルを用いているのに対し、引用発明ではそうではない点で相違する。
当該相違点につき検討するに、通信手段として「ISDN」は、周知技術であり、その通信プロトコルは、電話交換装置を介在させて発呼及び通信路の形成を行い、2n個あるBチャンネルを用いて情報の相互転送を行うものである。(周知技術の例として、特開平1-292991号公報、特開昭63-199562号公報及び特開平3-293851号公報等参照。)
してみると、本件第1発明は、引用発明における通信手段として周知の「ISDN」を用いたものにすぎず、該技術から、当業者が容易に構成し得たものであり、その作用効果も引用発明及び周知技術からみて格別のものでもない。
したがって、本件第1発明は、前記引用発明から当業者が容易に発明できたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-05-27 
結審通知日 2003-05-27 
審決日 2003-06-10 
出願番号 特願平4-293994
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鳥居 稔小林 義晴  
特許庁審判長 川嵜 健
特許庁審判官 東森 秀朋
仲間 晃
発明の名称 通信装置  
代理人 青木 輝夫  

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