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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04F |
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管理番号 | 1081137 |
審判番号 | 不服2002-3386 |
総通号数 | 45 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-06-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-02-27 |
確定日 | 2003-08-06 |
事件の表示 | 平成6年特許願第309594号「収納構造」拒絶査定に対する審判事件[平成8年6月4日出願公開、特開平8-144496]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】手続の経緯・本願発明 本願は、平成6年11月18日の出願であって、その各請求項に係る発明は、平成13年8月17日受付の手続補正書により補正された明細書、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された次のとおりのものと認める。 「【請求項1】(記載を省略) 【請求項2】居住空間の全部又は一部を仕切るように床面に立設される収納構造であって、この収納構造が、一対の側板と、背板と、棚板と、天板と、前記一対の側板間において該側板に平行に設置される該側板と略同一形状で同一寸法の中間側板と、該側板および該中間側板のそれぞれにおける上部両側端をそれぞれ連結するように設置される頭継材と、前記側板および前記中間側板のそれぞれにおける下部両側をそれぞれ連結するように設置される足元継材とを少なくとも備えていると共に、これらの各板および頭継材並びに足元継材が、組付け、組外し可能としてあることを特徴とする収納構造。 【請求項3】(記載を省略)」 (以下、請求項2記載の発明を「本願発明」という。) 【2】刊行物記載の発明 これに対し、原査定の拒絶の理由で引用された、特開平3-236806号公報(以下、「刊行物」という。)には、以下の記載がある。 「本発明は、主として、事務所用、店舗用の組立式間仕切兼収納壁の構成に係り……空間を縦横に分断して組立て設置し……特に、空間を分断して間仕切壁兼収納壁として設置する場合には、正面側及び背面側……の区別なく両面を自在に使い分けできるように構成したことを特徴とするものである。」(2頁右下欄下から4行〜3頁7行) 「本発明の実施例を図面につき説明すると、本発明は、長方形板の表裏両面の左右側辺に沿った直線上に等間隔にフック金具C等係合用のスロットAを列設すると共に、該スロットAに沿った直線上に天板2、構造棚板3及びベース4等連結用のねじ孔11をあけ、左右側端面に上記スロットAと等間隔にフック金具C係合用のスロットBを列設した側板パネル1と、 左右側端部に上記側板パネル1のねじ孔11に螺合するねじの挿通孔12を形成した長方形板状の天板2、構造棚板3及びベース4と、 小直方体の一側面にヒンジ金具E、枠6、背面板7等を螺着するねじ孔13を貫設し、他側面に側板パネル1のスロットB係合用のフック14を突設したフック金具Cとを、収納壁骨格の構成部材として備え、(以上、第1〜8図参照) 側板パネル1のスロットBにフック金具Cを係合設置し、天板2、構造棚板3及びベース4のねじ挿通孔12を通したねじを側板パネル1のねじ孔11に螺合緊締して側板パネル1、天板2、構造棚板3及びベース4を一体的に連結して収納壁骨格を構成し、 該収納壁骨格の正面若しくは背面に、第14図示の如くして、開き扉5を、スロットBに係合設置したフック金具Cにねじ15で螺着したヒンジ金具Eと、開き扉5側にねじ16で螺着したヒンジ金具Fを枢軸17をもって枢着して設置し、 枠6を、同じくフック金具Cにねじ18でねじ止めして設置し、 背面板7を、同じくフック金具Cにねじ止めするか、若しくは背面板7側縁に設けたフック19をスロットBに係合して設置し、(第15図参照) 移動棚板8を、側板パネル1のスロットAに係合したフック金具Dに係合して設置し、 引出し9を、側板パネル1のスロットAにフック21を係合して取付けた引出しレール20を乗せて設置して、組立式間仕切兼収納壁全体を組立て構成したものである。(第17、18、19図参照)」(4頁左上欄10行〜左下欄11行) 「第17図において、35は天レール、36は地レール、37は笠木、38は巾木である。」(5頁左下欄10〜12行) 「より実際的には、収納壁骨格の組立てに先だって床面に地レール36を敷設して設置面を水平に形成し、天井に天レール35を敷設して収納壁骨格の上端を支持し、笠木37、巾木38そして最端末側板パネルカバー用の側板カバー40等を付設して外観を整えるものである。」(6頁右上欄1〜7行) そして、第17図の記載によれば、地レール36及び天レール35はそれぞれ並行に前後一対設けられ、該一対の地レール36上に側板パネル1の下縁の前後部が配置されること、及び、上記最端末側板パネルカバー用の側板カバー40を付設して外観を整えられた収納壁は、側板カバー40が室内に露出するものであるから、空間の一部を仕切るものであること、が当業者に明らかな事項である。 したがって、刊行物には以下の発明が記載されていると認められる。 「事務所などに使用する室空間の一部を分断して、ねじや各種フック金具等により組立て設置される間仕切壁兼収納壁の構造であって、 複数の側板パネル1、天板2、構造棚板3、ベース4、背面板7、移動棚板8、天レール35、地レール36等を構成要素とし、 予め床面に付設した前後一対の地レール36上に、側板パネル1、天板2、構造棚板3及びベース4を一体的に連結して構成した収納壁骨格における側板パネル1を配置すると共に、その上端を、天井に敷設した前後一対の天レール35で支持した、 間仕切壁兼収納壁の構造。」 【3】対比・判断 本願発明と、上記刊行物記載の発明とを対比すると、刊行物記載の発明の「室空間の一部を分断」、「収納構造」、「複数の側板パネル1」、「背面板7」、「構造棚板3と移動棚板8」、「天レール35」、「地レール36」、及び「組立て設置」は、本願発明の「居住空間の一部を仕切る」、「収納壁の構造」、「一対の側板と中間側板」、「背板」、「棚板」、「頭継材」、「足元継材」、及び「組付け可能」にそれぞれ相当するから、両者は、 「居住空間の一部を仕切るように床面に立設される収納構造であって、この収納構造が、一対の側板と、背板と、棚板と、天板と、前記一対の側板間において該側板に平行に設置される該側板と略同一形状で同一寸法の中間側板と、該側板および該中間側板のそれぞれにおける上部をそれぞれ連結するように設置される頭継材と、前記側板および前記中間側板のそれぞれにおける下部両側に設置される足元継材とを少なくとも備えていると共に、これらの各板および頭継材並びに足元継材が、組付け可能としてある収納構造。」の点で一致し、以下の点で相違している。 相違点1:本願発明は、側板および中間側板のそれぞれにおける上部両側端をそれぞれ連結するように頭継材が設置され、側板および中間側板のそれぞれにおける下部両側をそれぞれ連結するように足元継材が設置されるのに対して、刊行物記載の発明は、頭継材が側板および中間側板の上部両端部を連結しているかどうか不明であり、足元継材と側板および中間側板とが連結されているかどうか不明な点 相違点2:各板および頭継材並びに足元継材が、本願発明では、組外し可能としてあるのに対し、刊行物記載の発明では、組外し可能であるかどうか記載されていない点 上記各相違点について検討する。 <相違点1について> 相違点1として摘記した本願発明における、側板および中間側板と、頭継材および足元継材との関連構成は、当業者が必要に応じ適宜なし得る設計的事項、あるいは、当業者が通常当然配慮する程度の事項にすぎない。 <相違点2について> 刊行物記載の収納構造は、上記のとおり、ねじや各種フック金具等により各構成要素を組立てて設置されるものである以上、組立てと逆の手順によって組外し可能なものと理解するのが当業者の常識ともいえる事項であって、この点は実質的な相違点とはいえない。 また、仮に、刊行物記載の収納構造が組外し可能なものとはいえないとしても、刊行物記載のものから、組外し可能なものを当業者が想起する点には何らの困難性も認められない。 そして、本願発明が奏する作用効果も、当業者が予期し得る程度のものであって、格別のものとはいえない。 【4】むすび したがって、本願請求項2に係る発明は、上記刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-05-27 |
結審通知日 | 2003-06-03 |
審決日 | 2003-06-16 |
出願番号 | 特願平6-309594 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(E04F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 七字 ひろみ |
特許庁審判長 |
山田 忠夫 |
特許庁審判官 |
長島 和子 鈴木 憲子 |
発明の名称 | 収納構造 |
代理人 | 中村 信彦 |
代理人 | 桑原 稔 |
代理人 | 桑原 稔 |
代理人 | 中村 信彦 |