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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08L
管理番号 1081277
異議申立番号 異議2000-72589  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-03-19 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-06-27 
確定日 2003-05-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2995310号「硬化性組成物」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2995310号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第2995310号の請求項1〜2に係る発明についての出願は、平成3年9月9日に特許出願され、平成11年10月29日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、特許異議の申立がなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成13年1月9日付けで訂正請求がなされたものである。
II.訂正請求について
1.訂正の内容
訂正事項a
請求項1に記載の「ケイ素原子含有基を少なくとも1個有し」を「ケイ素原子含有基を1.1〜5個有し」と訂正し、「前記オキシプロピレン重合体を含有する」を「前記オキシプロピレン重合体が混合されてなる」と訂正する。
訂正事項b
明細書の段落【0010】に記載の「反応性ケイ素原子基を少なくとも1個有する」を「反応性ケイ素原子基を1.1〜5個有する」と訂正する。
訂正事項c
明細書の段落【0022】に記載の「1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。」を「1分子中に1.1〜5個存在する。」と訂正する。
2.訂正の適否について
訂正事項aは、訂正前の請求項1に記載のケイ素原子含有基を特定の値である1.1〜5にするものであり、プロピレン重合体を混合されてなるプロピレン重合体にするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項b〜cは、特許請求の範囲の訂正に伴い生じた発明の詳細な説明の記載との齟齬を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
そして、いずれの訂正事項も、明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
III.本件発明
訂正後の請求項1〜2に係る発明は、訂正明細書の請求項1〜2に記載されたとおりのものであって、次のとおりのものである。
「【請求項1】重合主鎖が本質的に、
【化1】
式-CH(-CH3)-CH2-O-
で示される繰り返し単位からなり、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を1.1〜5個有し、Mw/Mnが1.6以下であるオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物であって、
Mnが異なる2種以上の前記オキシブロピレン重合体が混合されてなることを特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】Mnが1,000以上異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。」
IV.特許異議申立について
1.特許異議申立の概要
特許異議申立人 旭硝子株式会社は、甲第1号証(特開平3-72527号公報)、甲第2号証(Building Sealants: Materials, Properties and Performance, ASTM STP 1069, 271〜281頁(1990))、甲第3号証(渡部崇作成の実験報告書-1)、甲第4号証(田中英明作成の実験報告書-2)、甲第5号証(特開昭53-134095号公報)、甲第6号証(渡部崇作成の実験報告書-3)、甲第7号証(特開平5-59267号公報)、参考資料1を提出して、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第1、5号証に記載された発明であるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、また、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第1、5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、さらに、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第7号証に係る先願明細書に記載された発明と同一であるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条の2第1項の規定に違反してされたものであるから取り消されるべきものである旨主張している。
2.特許異議申立についての判断
(1)引用刊行物
当審が通知した取消の理由に引用した刊行物1(特開平3-72527号公報)には、以下の事項が記載されている。
「(4)複合金属シアン化物錯体触媒の存在下イニシエーターに炭素数3以上のモノエポキサイドを開環付加重合させ、つづいて分子末端の水酸基を不飽和基に変換し、さらに不飽和基に加水分解性基を有するヒドロシリコン化合物を反応させることを特徴とする、加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドの製造法。
(10)ヒドロシリコン化合物が、
HSiX’3-kR’k
ただし、R’;1価の炭化水素基あるいはハロゲン化炭化水素基
X’;加水分解性基
k ;0、1あるいは2の整数
で表される化合物である、請求項4項記載の製造法。
(12)請求項第4項記載の方法で製造された加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドを硬化成分とする湿気硬化性樹脂組成物。」(特許請求の範囲(1)、(10)、(12)項)
「本発明で用いられる炭素数3以上のモノエポキサイドとしては、プロピレンオキシド、・・・などを挙げる事ができるが、脂肪族アルキレンオキシドが好ましく、特にプロピレンオキシドが好ましい。」(3頁左上欄11〜19行)
「本発明で用いられるイニシエーターとしては多価アルコール、多価フェノール、多価カルボン酸などの多価活性水素含有化合物、目的物よりも低分子量のそのモノエポキサイド付加物、不飽和アルコール、不飽和フェノール、不飽和カルボン酸などの不飽和基含有活性水素含有化合物、目的物よりも低分子量のそのモノエポキサイド付加物などが用いうる。多価活性水素含有化合物としては2〜8価の多価アルコールが好ましい。特に、3〜4価の多価アルコール、2価アルコールと3〜8価の多価アルコールとの混合物等が好ましい。不飽和基含有活性水素含有化合物としては特にアリルアルコールが好ましい。」(3頁右上欄2〜15行)
「本発明における上記のような複合金属シアン化物錯体触媒を用いてポリアルキレンオキシドを製造すると、不飽和モノオールの含量の少ない極めて高分子量の水酸基末端ポリアルキレンオキシドを製造することが可能である。この水酸基末端ポリアルキレンオキシドはまた分子量分布が極めて狭いという特徴も有している。」(3頁右下欄末行〜4頁左上欄6行)
「本発明においては、前記イニシエーターに上記複合金属シアン化物錯体触媒を用いて、まずモノエポキサイドの開環重合を行い末端に水酸基を含有したポリアルキレンオキシドを製造する。得られるポリアルキレンオキシドは、用いたイニシエーターの官能基数に応じた数の水酸基を末端に有する高分子量のポリアルキレンオキシドである。具体的には、例えば、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオール・・・などである。これらのポリアルキレンオキシドは、2種以上の混合物であってもよい。このポリアルキレンオキシドの末端基当たりの分子量は、2000以上、特に4000以上が好ましい。また、末端基の数は2〜8,特に2〜6が好ましい。分子量(末端基当たりの分子量×末端基の数)は、1.5万〜8万、特に2万〜5万が好ましい。・・・末端基の数は2を越えることがより好ましい。即ち、末端基数の2ポリアルキレンオキシドが高分子量になる程硬化物の架橋点間分子量が大きくなる・・・。従って、末端基数が2を越えるポリアルキレンオキシドを使用することによって架橋点を導入しておくことが好ましい。よって特に、ポリアルキレンオキシドとしては2.3〜4の末端基を有するポリアルキレンオキシドが好ましい。」(4頁左上欄7〜右上欄17行)
「上記水酸基末端ポリアルキレンオキシドを製造した後、次いで水酸基末端に不飽和基を導入して不飽和末端ポリアルキレンオキシドを製造する。」(4頁右上欄8行〜左下欄1行)
「不飽和基を加水分解性シリル基に変換する方法としては、不飽和基に加水分解性基を有するヒドロシリコン化合物を反応させる方法が用いられる。」(4頁右下欄11〜14行)
「得られた加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドにおける1分子当たり平均の加水分解性基シリル基の数は、1.5以上有することが好ましい。より好ましくは、1.8以上、特に2.1〜4である。」(5頁右上欄8〜12行)
「実施例1
アリルアルコールを開始剤として・・・重合を行い、片末端不飽和基含有ポリプロピレンオキシドを得た。・・・末端の水酸基を不飽和基に変換した。
得られた不飽和基末端ポリアルキレンオキシドの・・・数平均分子量は11,800、分子量分布(Mw/Mn)は、1.10であった。
上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン2モル反応させ、1分子当たり平均2個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。・・・数平均分子量は12,000、分子量分布(Mw/Mn)は、1.10であった。」(実施例1)
「実施例2
分子量1,000のジエチレングリコール-プロピレンオキシド付加物を開始剤として・・・重合を行い、両末端の水酸基を不飽和基に変換した。得られた不飽和基末端ポリアルキレンオキシドの・・・数平均分子量は14,800分子量分布(Mw/Mn)は、1.10であった。
上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン2モル反応させて、1分子当たり平均2個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。・・・数平均分子量は15,000、分子量分布(Mw/Mn)は、1.10であった。」(実施例2)
「実施例3
分子量1,000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として・・・重合を行い、ポリプロピレントリオールを得た。・・・水酸基を不飽和基に変換し、1分子当たり平均3個のアリル基を有する不飽和基末端ポリアルキレンオキシドを製造した。得られた不飽和基末端ポリアルキレンオキシドの・・・数平均分子量は24,800、分子量分布(Mw/Mn)は、1.20であった。
上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン2.3モル反応させて、1分子当たり平均2.3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。・・・数平均分子量は25,000、分子量分布(Mw/Mn)は、1.20であった。」(実施例3)
「実施例4
分子量1000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として・・・重合を行い、ポリプロピレントリオールを得た。これに・・・アリルクロリドを加えて水酸基を不飽和基に変換し、1分子当たり平均3個のアリル基を有する不飽和基末端ポリアルキレンオキシドを製造した。得られた不飽和基末端ポリアルキレンオキシドの・・・数平均分子量は24,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。
上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン3モルを反応させて、1分子当たり平均3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。・・・数平均分子量は25,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。」(実施例4)
「実施例5
分子量1000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として・・・重合を行い、ポリプロピレントリオールを得た。・・・アリルクロリドを加えて水酸基を不飽和基に変換し、1分子当たり平均3個のアリル基を有する不飽和基末端ポリアルキレンオキシドを製造した。得られた不飽和基末端ポリアルキレンオキシドの・・・数平均分子量は34,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.23であった。
上記末端がアリル基である不飽和基末端ポリアルキレンオキシド1モルに塩化白金酸の存在下メチルジメトキシシラン3モルを反応させて、1分子当たり平均3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドを得た。・・・数平均分子量は35,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.23であった。」(実施例5)
同じく、取消の理由に引用した刊行物2(特開昭53-134095号公報)には、以下の事項が記載されている。
「3.主鎖が本質的に
式 -R1-O-
(式中、R1炭素数が2〜4である2価のアルキレン基)で示される化学的に結合された繰り返し単価を含み、分子末端が実質的にCH2=CHCH2-(O)a-,CH2CH=CH-(O)a-,M-(O)a-,およびH-(O)a-(式中aは0または1の整数、MはNa又はK)から選択される基であり、かつM-(O)a-基とH-(O)a-基の合計が全末端基の50%以上含まれれているアルキレンオキシド重合体のM-(O)a-基と多価ハロゲン化合物とを反応させる事によりアルキレン重合体の分子量を増大させ、しかる後
式 CH2=CH-R2-X
(式中-R2-は式-R’-,-R’-O-R”-,-R’-OCO-および-R”-CO-(式中R’,R”は炭素数1〜20の2価の炭化水素基)で示される2価の有機基から選ばれる基;Xはハロゲン基)で示される有機ハロゲン化合物と反応させる事により、重合体分子全末端基の70%以上が、CH2=CH-R2-(O)a-基であり、かつ平均分子量が4000〜15000であるアルキレンオキシド重合体を得、これに更に
式 Y3-bSi(-R3b)-H
(・・・)
で表される水素化珪素化合物と反応させる事を特徴とする
式 Y3-bSi(-R3b)-CH2-CH2-R2-(O)a-
〔式中aは0又は1の整数〕
で示されるシリル基を少なくとも1つの末端に有するアルキレンオキシド重合体の製造法。」(特許請求の範囲第3項)
「このような構造単位を有するアルキレンオキシド重合体はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシド・・・などを原料としてカチオン重合、アニオン重合の方法を用いて製造される。アルキレンオキシドのアニオン重合の際には開始剤としてエチレングリコール、プロピレングリコールグリセリン・・・などのような多価アルコール類が使用されるが、これらの多価アルコール類の残基がアルキレンオキシド重合体主鎖の中に含有されうる。」(3頁右下欄下から6行〜4頁左上欄5行)
「本発明においては、アルキレンオキシド重合体の末端アルコキシ基に多価ハロゲン化合物を反応させる事によりアルキレンオキシド重合体の分子量を増大させる。・・・分子量を増大させるために使用される1分子中に少なくとも2個のハロゲン原子を有する多価ハロゲン化合物としては
一般式




〔式中nは0〜2の整数、mは1〜4の整数、lは1〜2の整数、pは、2〜4の整数;R4は-C-X4-n基と炭素原子をとおして結合し・・・Q3〜Q6のうち少なくとも2個以上はハロゲン原子である;Xはハロゲン原子〕
で表される化合物が適当である。」(4頁右下欄4〜5頁左上欄末行)
「本発明においては多価ハロゲン化合物と反応させて分子量を増大させた後、末端の残存アルコキシ基(M-(O)a-基)に対し
式 CH2=CH-R2-X (2)
で示される有機ハロゲン化合物を反応させる事により、アルキレンオキシド重合体分子の全末端基の70%以上がCH2=CH-R2-(O)a-基であるアルキレンオキシド重合体を製造する。・・・具体的に有機ハロゲン化合物を例示すると・・・安価でかつ容易に反応することからアリルクロライドが特に好ましい。
本発明においては末端基のCH2=CH-R2-(O)a-基に
式 Y3-bSi(-R3b)-H (4)
で示される水素化珪素化合物を反応させる事により
式 Y3-bSi(-R3b)-CH2-CH2-R2-(O)a- (5)
で示されるシリル基を少なくとも1つの末端に有するアルキレンオキシド重合体が製造される。水素化珪素化合物を具体的に例示すると・・・特にハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。」(5頁右下欄4行〜6頁右上欄11行)
「実施例8
平均分子量が3600であるポリオキシプロピレングリコール(全末端基中アリルエーテル基が16%、プロペニルエーテル基4%、ヒドロキシル基80%である)360gを窒素置換された1lの撹拌機付耐圧反応器にとる。続いて金属ナトリウム3.7gを加えた後、120℃に昇温しヒドロキシル基のアルコキシ基への変換反応(・・・)を行う。・・・この後塩化メチレン4.3gを加え120℃で8時間反応させる。この後80℃に温度を下げアリルクロライド5.4gを加えて6時間反応させる。・・・平均分子量7500のプロピレンオキシド重合体が360g得られる。該重合体の末端基としてはアリルエーテル基87%、プロペニルエーテル基9%、ヒドロキシル基4%である。」(8頁右下欄17行〜9頁左上欄末行)
「実施例9〜14
・・・実施例8の方法にて反応を行なつた場合の結果は表2に示す通りである。」(10頁左上欄)


」(10頁)
「実施例17
500mlの撹拌機付耐圧反応容器に実施例9で得られたポリマーを84gとる。・・・メチルジメトキシシラン4.2g加え・・・反応させた後、揮発分を除去すると末端基の84%が
(CH3O)3Si(-CH3)-CH2CH2CH2O-基であるアルキレンオキシド重合体が得られる。」(実施例17)
また、表3には、


が示されている。(11頁表3)
(2)判断
(2)-1、訂正後の請求項1〜2に係る発明が刊行物1に記載された発明であるかどうか検討する。
(i)訂正後の請求項1に係る発明(以下、本件発明1という。)について
刊行物1には、加水分解性シリル基末端ポリアルキレンオキシドを硬化成分とする湿気硬化性樹脂組成物が記載され、ポリアルキレンオキシドは、用いたイニシエーターの官能基数に応じた数の水酸基を末端に有する高分子量のポリアルキレンオキシドで、具体的には、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオールなどがあること、これらのポリアルキレンオキシドは、2種以上の混合物であってもよいこと、ポリアルキレンオキシドの末端基当たりの分子量は、2000以上、特に4000以上が好ましいこと、また、末端基の数は2〜8,特に2〜6が好ましいこと、分子量は、15、000〜80,000、特に20,000〜50,000が好ましいことが記載されている。
また、末端基の数は2を越えることがより好ましいこと、末端基数の2ポリアルキレンオキシドが高分子量になる程硬化物架橋点間分子量が大きくなること、従って、末端基数が2を越えるポリアルキレンオキシドを使用することによって架橋点を導入しておくことが好ましいこと、特に、ポリアルキレンオキシドとしては2.3〜4の末端基を有するポリアルキレンオキシドが好ましいことが記載されている。
また、実施例1において、数平均分子量が12,000、分子量分布(Mw/Mn)が、1.10である、1分子当たり平均2個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドが示され、実施例2において、分子量1,000のジエチレングリコール-プロピレンオキシド付加物を開始剤として、数平均分子量が15,000、分子量分布(Mw/Mn)が、1.10である、1分子当たり平均2個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドが示され、実施例3において、分子量1,000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として、数平均分子量が25,000、分子量分布(Mw/Mn)が、1.20である、1分子当たり平均2.3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドが示され、実施例4において、分子量1,000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として、数平均分子量が25,100、分子量分布(Mw/Mn)が、1.20でる、1分子当たり平均3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドが示され、実施例5において、分子量1,000のグリセリン-プロピレンオキシド付加物を開始剤として、数平均分子量が35,100、分子量分布(Mw/Mn)が、1.23である、1分子当たり平均3個のメチルジメトキシシリル基を有する加水分解性基シリル基末端ポリアルキレンオキシドが示されている。
そして、前記記載及び実施例によれば、刊行物1に記載のオキシプロピレン重合体のMW/Mnの値については、1.10〜1.23のものが示されている。
また、刊行物1には、「これらのポリアルキレンオキシドは、2種以上の混合物であってもよい。」と記載され、さらに、「ポリアルキレンオキシドとしては2.3〜4の末端基を有するポリアルキレンオキシドが好ましい」と記載されていることから、末端基が2からなるものと末端基が3以上からなるものとの2種以上のポリアルキレンオキシドの混合物を用いたものも実質的に開示されているというべきである。
そうすると、刊行物1には、2種以上のポリアルキレンオキシドの混合物を用い、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を有するオキシプロピレン重合体が記載されているといえ、しかも、2種以上のポリアルキレンオキシドの混合物において構造の異なる各ポリアルキレンオキシドの分子量を同一とすべき理由はないし、また、そのようにするには多大の困難が予測されることを勘案すると、結局、刊行物1には、Mnが異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物が記載されているというべきである。
また、特許異議申立人が提出した、甲第3号証である渡部崇の作成した「実験報告書-1」によれば、刊行物1に示された実施例3〜5に記載されたポリアルキレンオキシドの製造方法にしたがって製造されたポリアルキレンオキシド得ており、前記実験報告書-1に示された結果によれば、これに示されたデータからみて、刊行物1の実施例3〜5に記載された方法で製造した水酸基末端ポリアルキレンオキシドは、それぞれ1.6以下のMw/Mnを有しMnが相違する2つのピークをもつ分子量分布を有するものいえる。
してみると、本件発明1と刊行物1に記載された発明とには実質的な差異はなく、本件発明1は刊行物1に記載された発明である。
(ii)訂正後の請求項2に係る発明(以下、本件発明2という。)について
本件発明2は、本件発明1において「2種以上のオキシプロピレン重合体のMnが1000以上異なる」との限定を付加したものであるが、前記「実験報告書-1」の表1の結果によると、これらのポリアルキレンオキシドはいずれも明確に分離できる2つのピークを有するものであること、分離できるそれぞれのポリアルキレンオキシドのピーク相互の分子量の差は1000以上となっていることが認められ、これらのことを勘案すると、本件発明2の組成物は、刊行物1に記載のポリアルキレンオキシドからなる組成物と比較し、組成物として明確に区別がつくものということはできない。
したがって、本件発明2は、本件発明1と同様の理由により、刊行物1に記載された発明である。
(2)-2、本件発明1,2が刊行物2に記載された発明であるかどうか検討する。
(i)本件発明1について
本件発明1と刊行物2に記載された発明とを対比すると、両者は、
「重合主鎖が本質的に、
式-CH(-CH3)-CH2-O-
で示される繰り返し単位(なお、刊行物2においては「単価」と記載されているが、単位であることを示すものである。)からなり、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を含有する硬化性組成物」の点で一致し、次の点で一応相違している。
(イ)水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を、本件発明1が「1.1〜5個有し」としているのに対し、刊行物2に記載の発明においては、「シリル基を少なくとも1つの末端に有する」としている点
(ロ)オキシプロピレン重合体について、本件発明1が、「Mw/Mnが1.6以下であるオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物であって、Mnが異なる2種以上の前記オキシプロピレン重合体が混合されてなる」としているのに対し、刊行物2に記載の発明においては、特に明記していない点
これらの相違点につて検討する。
相違点(イ)について
刊行物2に記載のアルキレンオキシド重合体においては、実施例17〜19によれば、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基の含有量が80〜84%となっており、これらの値を勘案すると、刊行物2に記載のポリアルキレンオキシド重合体における水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基の含有量については、本件発明1において規定している範囲のものを含んでいるものといえる。
したがって、この点に実質的な差異があるということはできない。
相違点(ロ)について
特許異議申立人が提出した甲第6号証である渡部崇の作成した「実験報告書-3」には、実験報告書-3の結果から、重合体混合物のうち、少なくとも、未反応成分である原料の分子量3600のポリオキシプロピレングリコールから得られた末端メチルジメトキシシリル基含有オキシアルキレン重合体は、1.6以下の分子量分布を有するものと認められるし、残りの、分子量の増大した方の末端メチルジメトキシシリル基含有オキシアルキレン重合体も1.6以下の分子量分布を有することが説明されている。また、実験報告書-3のFig.1の(A)成分ピークは、末反応成分である原料の分子量3600のポリオキシプロピレングリコールから得られた末端メチルジメトキシシリル基含有オキシアルキレン重合体に相当し、(B)成分ピークが分子量の増大した方の末端メチルジメトキシシリル基含有オキシアルキレン重合体に相当するものである事が説明されている。そして、実験報告書-3のデータからみて、刊行物2の実施例17に準拠して製造した末端メチルジメトキシシリル基変成オキシプロピレン重合体は、それぞれ1.6以下のMw/Mnを有しMnが相違する2つのピークをもつ分子量分布を有するものと解され、異なる分子量を有する重合体同士を混合したものと区別し得ない。
そうであれば、オキシプロピレン重合体を含有してなる硬化性組成物については、結局、Mnが異なる2種以上のオキシプロピレン重合体が混合されてなる硬化性組成物と、刊行物2に記載されているMnが相違する2つのピークをもつ分子量分布を有する硬化性組成物とは区別できず実質的に同一というべきで、前記相違点に実質的な差異はない。
したがって、本件発明1は、刊行物2に記載された発明である。
(ii)本件発明2について
前記「実験報告書-3」に記載のデータからみると、これらのポリアルキレンオキシドはいずれも明確に分離できる2つのピークを有するものであること、分離できるそれぞれのポリアルキレンオキシドのピーク相互の分子量の差は1000以上となっていることが認められ、これらのことを勘案すると、本件発明2の組成物は、刊行物2に記載のポリアルキレンオキシドからなる組成物と比較し、組成物として明確に区別がつくものということはできない。
したがって、本件発明2は、本件発明1で示したと同様の理由により、刊行物2に記載された発明である。
V.むすび
以上のとおり、訂正後の請求項1〜2に係る発明は、上記刊行物1、2に記載された発明であるから、訂正後の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、訂正後の請求項1〜2に係る発明の特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認められ、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
硬化性組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合主鎖が本質的に、
【化1】

で示される繰り返し単位からなり、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を1.1〜5個有し、Mw/Mnが1.6以下であるオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物であって、
Mnが異なる2種以上の前記オキシプロピレン重合体が混合されてなることを特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】
Mnが1,000以上異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、反応性ケイ素基(水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基であって、シロキサン結合を形成し得る基、以下同様)を有するオキシプロピレン重合体を含有する新規な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
反応性ケイ素基を有するオキシプロピレン重合体は液状の重合体となり得るもので、湿分などにより室温で硬化してゴム状弾性硬化物を生じる。このため、建築物の弾性シーラント接着剤などに用いられている。
【0003】
これらは、配合時、及び使用時に適度な粘度を有することが望ましく、さらに、硬化物の力学特性、特に柔軟性に富むゴム弾性を発現させるためには、一定の分子量を有することが望ましい。
【0004】
分子内に反応性ケイ素基を有する有機重合体の製造方法について多くの提案がなされており、例えば、鐘淵化学工業(株)から製造、販売されている、主鎖がオキシプロピレン重合体で末端にメトキシシリル基が結合した有機重合体(商品名;MSポリマー)がある。
【0005】
しかしながら、従来、分子量分布の狭い(GPCによるMw/Mnが小さい)高分子量のオキシプロピレン重合体の製造が困難であったため、反応性ケイ素基を含有するオキシプロピレン重合体においても、分子量分布の広い(GPCによるMw/Mnが大きい)重合体しか用いられていなかった。
【0006】
最近、分子量分布の狭いオキシプロピレン重合体が得られることが報告されている。分子量分布の狭いオキシプロピレン重合体を主鎖として用い、末端に反応性ケイ素基を導入した重合体は硬化前において粘度が低い。
【0007】
本発明者らは、Mnが異なる2種以上の前記オキシプロピレン重合体を含有してなる硬化性組成物の硬化後における引裂き強度が、それぞれ単独の重合体の硬化物の引裂き強度から推定される値より大きく向上することを見出し、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明の硬化性組成物は、
重合主鎖が本質的に、
【化2】

で示される繰り返し単位からなり、反応性ケイ素基を1.1〜5個有するオキシプロピレン重合体であって、Mw/Mn(重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、以下同様)が1.6以下であるオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物であって、
Mnが異なる2種以上の前記オキシプロピレン重合体が混合されてなるものである。
【0009】
Mnが1,000以上異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を含有することが好適である。
【0010】
本発明でいう反応性ケイ素基は特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えば、下記一般式[化3]で表わされる基が挙げられる。
【0011】
【化3】

[式中、R1およびR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示す。また、m個の
【化4】

におけるbは異なっていてもよい。mは0〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする。]
上記Xで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ―ト基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ―ト基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
【0012】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜5であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0013】
反応性ケイ素基中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あってもよいが、シロキサン結合等によりケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよい。
【0014】
なお、下記一般式[化5]で表わされる反応性ケイ素基が、入手容易の点からは好ましい。
【0015】
【化5】

(式中、R2、X、aは前記と同じ。)
また、上記一般式[化3]におけるR1およびR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリ―ル基、ベンジル基などのアラルキル基、R’がメチル基やフェニル基などである(R’)3SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。R1、R2、R’としてはメチル基が特に好ましい。
【0016】
反応性ケイ素基はオキシプロピレン重合体1分子中に1.1〜5個存在する。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム状弾性挙動を発現しにくくなる。
【0017】
反応性ケイ素基はオキシプロピレン重合体分子鎖の末端に存在してもよく、内部に存在してもよい。反応性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれるオキシプロピレン重合体成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
本発明の重合体における重合主鎖を構成するオキシプロピレン重合体は、
【化6】

で示される繰り返し単位を含有するものである。このオキシプロピレン重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、[化6]に表される単量体単位が重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0018】
本発明における反応性ケイ素基を有するオキシプロピレン重合体は、官能基を有するオキシプロピレン重合体に反応性ケイ素基を導入することによって得るのが好ましい。
【0019】
高分子量で分子量分布が狭く、官能基を有するオキシプロピレン重合体は、オキシプロピレンの通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)やこの重合体を原料とした鎖延長反応方法によって得ることはきわめて困難であるが、特殊な重合法である特開昭61-197631号、特開昭61-215622号、特開昭61-215623号、特開昭61-218632号、特公昭46-27250号および特公昭59-15336号などに記載された方法により得ることができる。
【0020】
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行なえばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。
【0021】
(1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシプロピレン重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、次いで、得られた反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
【0022】
(2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有するオキシプロピレン重合体に、このY官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y’官能基という)及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0023】
このY’官能基を有するケイ素化合物としては、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカプト基含有シラン類;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン類;γ-クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
以上の方法のなかで、(1)の方法、または(2)のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法、が好ましい。
【0025】
本発明で使用し得る反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体のMnとしては、3,000〜50,000であることが好ましく、5,000〜30,000であることがさらに好ましい。
【0026】
また、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体のMw/Mnは1.6以下であり、分子量分布が狭い(単分散性が大きい)。Mw/Mnの値は好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.4以下である。数平均分子量が大きいにもかかわらず分子量分布が狭い重合体は、硬化前において粘度が低く取扱いが容易である。
【0027】
なお、分子量分布は、各種の方法で測定可能であるが、通常ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法での測定が一般的である。
【0028】
本発明の硬化性組成物を得るには、反応性ケイ素基導入後であってMnが異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を混合する方法や、末端に官能基を有した2種以上のオキシプロピレン重合体を予め混合しておき、その後、前記官能基の部分に反応性ケイ素基を導入する方法などがあるが、これらによって限定されるものではない。
【0029】
本発明で使用する2種以上の反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体は、Mnがそれぞれ異なるものであるが、前記Mnが1,000以上異なる2種以上のオキシプロピレン重合体を使用することが好ましく、3,000以上異なる2種以上を使用することがさらに好ましい。例えば、本発明の硬化性組成物が三成分系である場合、Mnが12,000のものと、15,000のものと、20,000のものとを含有しているといった具合である。
【0030】
本発明の硬化性組成物の硬化物における引裂き強度は、各々の単独重合体の硬化物に比べて大きく向上する。また、本発明では、使用する2種以上の反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体の混合比を変化させることにより、一定の範囲内で硬化物のモジュラス、伸び、強度を設定することが可能となる。さらに、組成物の粘度も作業上適した範囲に設定することが容易となる。
【0031】
特に、引裂き強度の効果は混合成分の分子量の差が小さい場合に顕著ではなく、差が大きい場合に効果が顕著である。
【0032】
本発明の硬化性組成物における各オキシプロピレン重合体の配合割合には特に限定はないが、例えば2種(A成分+B成分)からなる場合にあっては、A成分の重量部:B成分の重量部が、95:5〜5:95であることが好ましく、90:10〜10:90であることがさらに好ましい。また、3種以上からなる場合には、全重合体中における各成分が10〜90重量%の範囲内となるようにすればよい。
【0033】
本発明の組成物を硬化させるにあたっては、硬化触媒を使用してもしなくてもよい。硬化触媒を使用する場合には、従来公知のものを広く使用することができる。その具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン-7(DBU)などのアミン系化合物、あるいはこれらアミン系化合物のカルボン酸などとの塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0034】
これらの硬化触媒の使用量は、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体100重量部(以下、単に「部」という)に対して0.1〜20部程度が好ましく、1〜10部程度が更に好ましい。反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体に対して硬化触媒の使用量が少なすぎると、硬化速度が遅くなり、また硬化反応が充分に進行しにくくなるので、好ましくない。一方、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体に対して硬化触媒の使用量が多すぎると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるので好ましくない。
【0035】
反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体は、種々の充填剤を混入する事により変性しうる。充填剤としては、フユームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油およびシラスバルーンなどの如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤が例示される。
【0036】
これら充填剤で強度の高い硬化組成物を得たい場合には、主にフユームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、および活性亜鉛華などから選ばれる充填剤を反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体100部に対し、1〜100部の範囲で使用すれば好ましい結果が得られる。また、低強度で伸びが大である硬化組成物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、およびシラスバルーンなどから選ばれる充填剤を反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体100部に対し5〜200部の範囲で使用すれば好ましい結果が得られる。もちろんこれら充填剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。なお、低粘度化により多くの充填剤の使用が可能となるので好適である。
【0037】
本発明の硬化性組成物においては、可塑剤を充填剤と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填剤を混入できたりするのでより有効である。この可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどの如きフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチルなどの如き脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどの如きグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなどの如き脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルなどの如きリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどの如きエポキシ可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ-α-メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類;ポリブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、塩素化パラフィン類などの可塑剤が単独又は2種類以上の混合物の形で任意に使用できる。可塑剤量は、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン重合体100部に対し、1〜100部の範囲で使用すると好ましい結果が得られる。
【0038】
本発明の硬化性組成物の調整法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用され得る。また、これら成分を適当に組合わせることにより、1液型や2液型の配合物をつくり使用することもできる。
【0039】
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。
【0040】
本発明の硬化性組成物を使用するに際しては、更に、必要に応じて、接着性改良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、滑剤、顔料、発泡剤などの各種添加剤を適宜添加することが可能である。
【0041】
本発明の硬化性組成物は弾性シーラントとして特に有用であり、建造物、船舶、自動車、道路などの密封剤として使用しうる。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着しうるので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。更に、食品包装材料、注型ゴム材料、型取り用材料、塗料としても有用である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物の硬化物は、優れた引裂き強度を有している。
【0043】
【実施例】
本発明をより一層明らかにするために、以下に実施例を挙げる。
【0044】
合成例1
1.5リットル耐圧ガラス製反応容器に分子量15,000のポリオキシプロピレントリオール(Mw/Mn=1.38、粘度89ポイズ)401g(0.081当量)を仕込み、窒素雰囲気にした。
【0045】
137℃で、滴下漏斗からナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液19.1g(0.099当量)を滴下し、5時間反応させた後、減圧脱揮した。窒素雰囲気下にもどし塩化アリル9.0g(0.118当量)を滴下、1.5時間反応させた後、さらにナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液5.6g(0.029当量)と塩化アリル2.7g(0.035当量)を用いてアリル化をおこなった。
【0046】
この反応物をヘキサンに溶かしケイ酸アルミニウムで吸着処理した後、ヘキサンを減圧除去すると311gの黄色透明なポリマーが得られた(粘度68ポイズ)。
【0047】
このポリマー270g(0.065当量)を耐圧ガラス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気にした。塩化白金酸の触媒溶液(H2PtCl6・6H2O 25gをイソプロピルアルコール500gに溶かした溶液)0.075mlを添加後、30分撹拌した。ジメトキシメチルシラン6.24g(0.059当量)を滴下漏斗より加え、90℃で4時間反応させた後、脱揮すると260gの黄色透明なポリマー(Mn=1.8×104、Mw/Mn=1.5;GPC)が得られた。
【0048】
合成例2
1.5リットル耐圧ガラス製反応容器に分子量6,000のポリオキシプロピレントリオール(Mw/Mn=1.1、粘度11ポイズ)381g(0.183当量)を仕込み、窒素雰囲気にした。
【0049】
137℃で、滴下漏斗からナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液42.5g(0.220当量)を滴下し、5時間反応させた後、減圧脱揮した。窒素雰囲気下にもどし塩化アリル28.5g(0.372当量)を滴下、1.5時間反応させた後、さらにナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液16.9g(0.088当量)と塩化アリル7.9g(0.103当量)を用いてアリル化をおこなった。
【0050】
この反応物をヘキサンに溶かしケイ酸アルミニウムで吸着処理した後、ヘキサンを減圧除去すると313gの黄色透明なポリマーが得られた(粘度10ポイズ)。
【0051】
このポリマー270g(0.148当量)を耐圧ガラス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気にした。塩化白金酸の触媒溶液(H2PtCl6・6H2O 25gをイソプロピルアルコール500gに溶かした溶液)0.075mlを添加後、30分撹拌した。ジメトキシメチルシラン14.06g(0.132当量)を滴下漏斗より加え、90℃で4時間反応させた後、脱揮すると264gの黄色透明なポリマー(Mn=7.8×103、Mw/Mn=1.1;GPC)が得られた。
【0052】
合成例3
1.5リットル耐圧ガラス製反応容器に分子量9,000のポリオキシプロピレングリコール(Mw/Mn=1.16、粘度48ポイズ)330g(0.067当量)を仕込み、窒素雰囲気にした。
【0053】
130℃で、滴下漏斗からナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液14.1g(0.073当量)を滴下し、5時間反応させた後、減圧脱揮した。窒素雰囲気下にもどし塩化アリル6.7g(0.087当量)を滴下、1.5時間反応させた後、さらにナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4.0g(0.021当量)と塩化アリル1.9g(0.025当量)を用いてアリル化をおこなった。
【0054】
この反応物をヘキサンに溶かしケイ酸アルミニウムで吸着処理した後、ヘキサンを減圧除去すると290gの黄色透明なポリマーが得られた(粘度38ポイズ)。
【0055】
このポリマー210g(0.040当量)を耐圧ガラス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気にした。塩化白金酸の触媒溶液(H2PtCl6・6H2O 25gをイソプロピルアルコール500gに溶かした溶液)0.046mlを添加後、30分撹拌した。ジメトキシメチルシラン6.0g(0.057当量)を滴下漏斗より加え、90℃で4時間反応させた後、脱揮すると200gの黄色透明なポリマー(Mn=12,000、Mw/Mn=1.3;GPC)が得られた。
【0056】
実施例1
合成例1で得られたポリマー50部、及び合成例2で得られたポリマー50部の混合物100部に対し、
ジオクチルフタレート50部、
炭酸カルシウム(白石工業(株)製 CCR)120部、
二酸化チタン(石原産業(株)製 ルチル型酸化チタンR-820)20部、
ビニルトリメトキシシラン 2部、
アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製 A-1120)3部、
チクソ性付与剤(楠本化成(株)製 D-6500)2部、
硬化促進剤(日東化成(株)製 ネオスタンU-220)2部、及び
老化防止剤 2部を加えて混練し、JIS A 5758に規定された1型のH型サンプル、及び厚さ3mmのシート状硬化サンプルを作成し、前記シート状硬化サンプルから引裂き試験用ダンベル(JIS A型)を作成した。
【0057】
実施例2
合成例3で得られたポリマー50部、及び合成例2で得られたポリマー50部の混合物100部に対し、実施例1と同様に、
ジオクチルフタレート50部、
炭酸カルシウム(白石工業(株)製 CCR)120部、
二酸化チタン(石原産業(株)製 ルチル型酸化チタンR-820)20部、
ビニルトリメトキシシラン 2部、
アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製 A-1120)3部、
チクソ性付与剤(楠本化成(株)製 D-6500)2部、
硬化促進剤(日東化成(株)製 ネオスタンU-220)2部、及び
老化防止剤 2部を加えて混練し、JIS A 5758に規定された1型のH型サンプル、及び厚さ3mmのシート状硬化サンプルを作成し、前記シート状硬化サンプルから引裂き試験用ダンベル(JIS A型)を作成した。
【0058】
比較例1〜3
合成例1〜3で得られた各ポリマー100部に対し、実施例と同様に、
ジオクチルフタレート50部、
炭酸カルシウム(白石工業(株)製 CCR)120部、
二酸化チタン(石原産業(株)製 ルチル型酸化チタンR-820)20部、
ビニルトリメトキシシラン 2部、
アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製 A-1120)3部、
チクソ性付与剤(楠本化成(株)製 D-6500)2部、
硬化促進剤(日東化成(株)製 ネオスタンU-220)2部、及び
老化防止剤 2部を加えて混練し、JIS A 5758に規定された1型のH型サンプル、及び厚さ3mmのシート状硬化サンプルを作成し、前記シート状硬化サンプルから引裂き試験用ダンベル(JIS A型)を作成した。(合成例1のポリマーが比較例1に相当し、合成例2のポリマーが比較例2に相当し、合成例3のポリマーが比較例3に相当する。)。
【0059】
実施例1〜2、及び比較例1〜3の各引裂き試験用ダンベルを用いて、引裂き試験を行ない、引裂き強度を測定した。結果を[表1]に記載する。
【0060】
また、実施例1〜2、及び比較例1〜3の各H型サンプルを用いて、引張り試験を行ない、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定した。結果を[表1]に併記する。
【0061】
【表1】

[表1]から明らかなように、実施例1の硬化物の引裂き強度は、比較例1あるいは比較例2の引裂き強度から推定される値より高くなっている。
【0062】
また、実施例2の硬化物の引裂き強度は、比較例2あるいは比較例3の引裂き強度から推定される値より高くなっている。
 
訂正の要旨 (3-1)特許請求の範囲の請求項1を次の通り訂正する。
「 【請求項1】 重合主鎖が本質的に、
【化1】

で示される繰り返し単位からなり、水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基を1.1〜5個有し、Mw/Mnが1.6以下であるオキシプロピレン重合体を含有する硬化性組成物であって、
Mnが異なる2種以上の前記オキシプロピレン重合体が混合されてなることを特徴とする硬化性組成物。」
(3-2)明細書の段落【0010】における「反応性ケイ素原子基を少なくとも1個有するオキシプロピレン重合体」を「反応性ケイ素原子基を1.1〜5個有するオキシプロピレン重合体」と訂正し、また同段落における「前記オキシプロピレン重合体を含有するものである。」を「前記オキシプロピレン重合体が混合されてなるものである。」と訂正する。
(3-3)明細書の段落【0022】における「1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。」を「1分子中に1.1〜5個存在する。」と訂正する。
異議決定日 2003-03-19 
出願番号 特願平3-228107
審決分類 P 1 651・ 113- ZA (C08L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 ▲吉▼澤 英一  
特許庁審判長 谷口 浩行
特許庁審判官 中島 次一
佐野 整博
登録日 1999-10-29 
登録番号 特許第2995310号(P2995310)
権利者 鐘淵化学工業株式会社
発明の名称 硬化性組成物  
代理人 蔦田 璋子  
代理人 蔦田 正人  
代理人 蔦田 璋子  
代理人 萩原 亮一  
代理人 蔦田 正人  
代理人 内田 明  
代理人 安西 篤夫  

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