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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1081317
異議申立番号 異議2001-73503  
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-09-14 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-12-28 
確定日 2003-05-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3181887号「連結セラミック配線基板、その製造方法及びセラミック配線基板の製造方法」の請求項1〜6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3181887号の請求項1〜6に係る特許を維持する。 
理由 [1]手続の経緯
本件特許第3181887号(平成11年3月1日出願、平成13年4月20日設定登録)は、異議申立人大和田百合子により特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成15年3月7日に訂正請求がなされたものである。

[2]訂正の適否についての判断
(1)訂正事項の内容
(1-1)訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1を下記のように訂正する。
「【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、
隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、
隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、
上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、
上記第1ブレイク溝は、断面の幅が-定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。」

(1-2)訂正事項2
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項4を下記のように訂正する。
「【請求項4】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成する焼成工程と、
を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。」

(1-3)訂正事項3
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項6を下記のように訂正する。
「【請求項6】
第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔か形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに,上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、
上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、
上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、
を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。」

(1-4)訂正事項4
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落【0010】を下記のように訂正する。
「【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さいことを特徴とする連結セラミック配線基板である。」

(1-5)訂正事項5
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落【0018】を下記のように訂正する。
「また、他の解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が-定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリ-ンシ-ト側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法である。」

(1-6)訂正事項6
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落【0024】を下記のように訂正する。
「また、他の解決手段は、第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法である。」

(2)訂正の適否
(2-1)訂正事項1について
訂正事項1の「第1ブレイク溝と連通した有底孔の底面の開口は、ブレイク刃のうち先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり」の点は、特許明細書の段落【0037】〜【0039】の記載、及び図4の記載からみて、また訂正事項1の「有底孔の底面の開口の幅が第1ブレイク溝の第1主面上での幅より小さい」の点は、特許明細書の段落【0029】、【0030】の記載、及び図2の記載からみて、それぞれ特許請求の範囲の減縮に該当するものである。

(2-2)訂正事項2、3について
訂正事項2、3の「ブレイク刃の先端部の一部により」の点、及び訂正事項2、3の「有底孔の底面にその幅が第1ブレイク溝の第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し」の点は、特許明細書の段落【0037】、【0038】に記載の第1ブレイク刃の基部の幅とその先端部の高さと開口の幅との具体的な数値、及び図4の記載からみて、それぞれ特許請求の範囲の減縮に該当するものである。

(2-3)訂正事項4について
訂正事項4は、請求項1の訂正に伴い発明の詳細な説明の記載との整合をはかるための訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。

(2-4)訂正事項5について
訂正事項5は、請求項4の訂正に伴い発明の詳細な説明の記載との整合をはかるための訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。

(2-5)訂正事項6について
訂正事項6は、請求項6の訂正に伴い発明の詳細な説明の記載との整合をはかるための訂正であり、明りょうでない記載の釈明に該当するものである。

そして、上記訂正事項1〜6については、いずれも願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)まとめ
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成11年改正前の特許法第120条の4第2項ただし書及び同条第3項において準用する同法第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

[3]異議申立てについて
(1)異議申立ての概要
異議申立人大和田百合子は、証拠として、

甲第1号証:特開平9-74151号公報
甲第2号証:特開平8-236877号公報

を提出して、本件特許の請求項1〜6に係る発明は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同法第113条第1項の規定に該当し、取り消すべきものである旨主張している。

(2)本件発明
訂正が認められた訂正明細書の請求項1〜6に係る発明(以下、「本件発明1〜6」という。)は、訂正明細書の請求項1〜6に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、
隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、
隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、
上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、 上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、
上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の連結セラミック配線基板であって、
前記有底孔の内壁面に形成された前記メタライズ層上に、メッキ層を形成してなることを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の連結セラミック配線基板であって、
前記複数のセラミック配線基板は、隣り合うすべての上記セラミック配線基板が、互いに接して繋がっている
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項4】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリ一ンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成する焼成工程と、
を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の連結セラミック配線基板の製造方法であって、
前記焼成工程後、前記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程を備える
ことを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。
【請求項6】
第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、
上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、
上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、
を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。」

(3)証拠の記載事項
<甲第1号証>
甲第1号証の特開平9-74151号公報には、リードレスチップキャリアパッケージの製造に好適に使用できるチップキャリア用基板及びその製造方法に関する発明が図1〜5とともに開示され、さらに以下の事項が記載されている。
「セラミック基板に製品を配列する際に製品を互いに隣接して配列し、シールフレーム6を形成する最上層まで最下層のセラミック基板からノッチ孔9を貫通させることも考えられた。しかしながら、この場合にはシールフレーム6の側面にノッチ孔による溝が形成され、小型製品の場合にはシールフレームとして十分なシール幅を確保することができないという問題点があった。」(段落【0008】)、
「チップキャリア用基板はセラミック層を何層か積層して形成し、多数個取りするため製品を縦横に隣接させて配列したことを特徴とする。各々隣接して連接した製品は、最終的に境界線位置でブレイクして個片の製品(パッケージ)になる。」(段落【0010】)、
「図で10は製品を分割するために製品の境界線位置に設けたスリットである。スリットはセラミック層を焼成する前のグリーンシートの段階で細刃のカッタ刃を所定深さまで進入させて形成する。スリットは後工程で製品をブレイクするために設けるもので,チップキャリア用基板の外観では図のように単なる線状に見えるのみである。」(段落【0011】)、
「リードレスチップキャリアは側面に電極パッド3を設けるから、前述したようにチップキャリア基板には電極パッド3を形成するためのノッチ孔9を形成する。本実施形態ではシールフレーム6として完全な矩形枠の形状を確保するようにするからこのノッチ孔9を第4層のシールフレーム層までは貫通させないようにしなければならない。そのため、ノッチ孔9を設ける場合は第1層と第2層、第3層を積層した状態でパンチにより各層を貫通させてノッチ孔9を設け、次いでその上に第4層を積層する。・・・ノッチ孔9の内部には導体ペーストを充填し、焼成後にノッチ孔9の内壁面に導体部が形成されるようにする。」(段落【0014】)、
「ノッチ孔9の内壁にはメタライスペーストによって導体部が形成され、めっきを施して電極パッド3とするが、この電極パッド3と配線パターン5とは電気的に接続されている。」(段落【0016】)、
「本実施形態ではスリット10によってめっき液の流通を確保しようとするから、スリット10は第4層を通過して少なくともノッチ孔9の上端まで到達するようにしなければならない。」(段落【0019】)、
「26はノッチ孔9の内面に設けた導体部を示す。ノッチ孔9が第4層の下面まで通じていること、配線パターン5のアウター側が導体部26に接続していること、導通パターン24が導体部26に接続していること等を示す。スリット10を設けるためのカッタ刃を矢印P、Qによって示す。」(段落【0021】)、
「本実施形態では上側のカッタ刃は矢印Pに示すように配線パターン5を形成した第3層の内部まで進入させて止める。これによって、スリット10とノッチ孔9とが連通し、カッタ刃が導通パターン24を分断することを回避して導通パターン24による配線パターン5の電気的導通が確保される。」(段落【0022】)
「製品を分割するためのスリットはなるべく基板の内部まで進入させる方が、分割が確実にできて好適である。本実施形態では図5に示すようにカッタ刃を深く進入させることができ、製品の分割が容易にできるという利点がある。」(段落【0023】)
「セラミック層を積層する際には、上記のように配線パターン5等の他に導通パターン24を設け、積層した後、上下からスリット10を設けて焼成する。焼成後、導通パターン24を介して配線パターン5およびノッチ孔9の内面の導体部26の電気的導通をとって所要の保護めっきを施す。」(段落【0024】)、
「リードレスチップキャリア製品はチップキャリア基板をスリット10部分で割るようにして得ることができる。」(段落【0025】)
「【発明の効果】・・・基板上で製品を隣接して配置可能としたことによって基板からの製品の取れ数を増大させることができ、製品の製造コストを効果的に引き下げることが可能になる。また、シールフレームのシール幅を十分に確保できることから、キャップシールした際の気密性を確保して信頼性の高い製品を得ることができる」(段落【0027】)、

<甲第2号証>
甲第2号証の特開平8-236877号公報には、実装用装置などに狭持された際、応力によるクラックの発生の恐れがない積層電子部品及びその製造方法に関する発明が図1〜15とともに開示され、さらに以下の事項が記載されている。
「マザー基板5は、セラミック等の絶縁体をシート状に成形してなる複数枚のマザーシート成形体6の表面に、例えば導電膜や抵抗膜(図示せず)等を印刷し、これらを積層することにより、内部に内部回路(図示せず)を形成してなる。また、マザー基板5には立体配線7が形成される。立体配線7は、マザー基板5の一方の主面5aから厚み方向に形成された孔に、導体8が充填等の方法によって付与されてなり、導体8は、一方の主面5aに露出する。また、立体配線7は、一部が内部回路に接続される。このように構成されるマザー基板5は、切断線9に沿って切断、分割されることによって、複数の積層電子部品1を供給するものであり、切断線9によって区画される各領域に、個々の積層電子部品1のための内部回路およひ立体配線7が分布している。また、切断線9は、マザー基板5の主面5aに露出した導体8(立体配線7)上を通る位置に設定される。」(段落【0021】)、
「図3に示すように、例えばダイシングマシンを用いて、マザー基板5の一方の主面5aに、切断線9(図2)に沿って溝10が形成される。」(段落【0022】)、
「溝18の形成に用いられるダイシングマシンは、外周にダイサー刃19を備える円板状の回転駆動部(図示せず)を含む。そして、ダイサー刃19の厚み方向に沿う断面は、ゆるやかな曲線からなる略V字状に形成され、先端は鈍角状に形成される。このようなダイサー刃19によって形成される溝18は、平面および曲面からなる内壁18aと、底部18bとが略V字状に連続した形状となり、立体配線7を構成する導体8が、内壁18 aに露出する。そして、マザー基板5は、焼成された後、溝18に沿って割ることによって切断、分割され、機能的に独立した複数個の積層電子部品13が得られる。このとき、溝18の内壁18aが分断され、個々の積層電子部品13の切欠部14となり、内壁18aに露出した導体8が外部電極17となる。」(段落【0029】)、
「外部電極をメッキする場合に用いるエッチング液か窪みに溜って、メッキの付着不良が発生したり、無電解メッキの触媒付与液が窪みに溜まって、メッキの異常析出が発生したりする恐れはない。」(段落【0051】)

(4)対比・判断
(4-1)本件発明1について
本件発明1と甲第1号証に記載の発明とを対比すると、甲第1号証に記載の発明の「スリット」、「導体部」、「ノッチ孔」、「カッタ刃」は、本件発明1の「第1ブレイク溝」、「メタライズ層」、「有底孔」、「ブレイク刃」に相当する。また、甲第1号証に記載のセラミック基板も個々の製品に分離する以上、複数のセラミック基板が互いに接して繋がっていることは明らかである。またセラミック基板が表面(第1主面)、裏面(第2主面)を有することは当然のことである。
してみると、両者は、本件特許の請求項1の記載に沿って記載すると、「第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、 隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、上記第1ブレイク溝は、ブレイク刃を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃を差し入れて形成した後に焼成してなるものである連結セラミック配線基板。」の点で一致するものの、以下の点で相違する。

本件発明1の第1ブレイク溝が、「断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した」ものであり、また有底孔の開口が、「ブレイク刃のうち先端部の一部を差し入れて形成した」ものであり、しかも、第1ブレイク溝の第1主面上での幅が有底孔の径よりも小さく、有底孔の底面の開口の幅が第1ブレイク溝の第1主面上での幅よりも小さいのに対し、甲第1号証に記載の発明のスリットとノッチ孔の開口とは、どのような形状のカッタ刃をどのように差し入れて形成したものなのかわからないし、しかも、スリットの表面上での幅とノッチ孔の径とその底面の開口の幅との関係もわからない点。

そこで、上記相違点について検討すると、甲第2号証には、マザー基板(甲第1号証に記載の「セラミック基板」に相当する。)の一方の主面に形成された孔に導体を充填することにより立体配線を形成し、この立体配線を構成する導体(甲第1号証に記載のノッチ孔の内面に設けた「導体部」に相当する。)を含むマザー基板を、基部と先端部を有するダイサー刃(甲第1号証に記載の「カッタ刃」に相当する。)により切断、分割して複数の積層電子部品を供給するものにおいて、先端部断面が略V字状に形成されたダイサー刃により形成された溝により、導体の内壁と底部とが略V字状となることが開示され、さらに図4、6、8には、溝のマザー基板表面上での幅と孔の径と孔の底面の開口との関係が、溝のマザー基板表面上での幅が孔の径よりも小さく、孔の底面の開口の幅が溝のマザー基板表面上での幅よりも小さいことが記載されている。
しかしながら、甲第2号証に記載の溝は、孔に充填した立体配線を構成する導体を含むマザー基板に形成されるものであって、甲第1号証に記載のスリットのように、シールフレームとして十分なシール幅を確保するとともに、めっき液の流通を確保しつつ、製品を確実に分割することを目的として、セラミック基板の裏面側に開口したノッチ孔の底面にスリットの一部が貫通してノッチ孔とスリットとを連通させるものではない。そうすると、甲第2号証に記載の、導体を充填した孔を含むマザー基板の表面に形成する溝とダイサー刃の形状を、甲第1号証に記載の、裏面にノッチ孔を有するセラミック基板の表面に形成するスリットとカッタ刃に適用する動機付けはないから、本件発明1の相違点のようにすることは容易に想到することはできない。
そして、本件発明1は、メッキ液が、有底孔を通じて第1主面と第2主面との間を流通し易くなり、メッキ液が有底孔の内壁面のメタライズ層上にメッキ層を均一に形成することができるという明細書に記載の顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4-2)本件発明2、3
本件発明2、3は、請求項2、3がいずれも請求項1を引用する形式のものであって、本件発明1を全て含む発明であるから、本件発明1が甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、本件発明2、3についても甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)本件発明4
本件発明4と甲第1号証に記載の発明とを対比すると、甲第1号証に記載の、「ノッチ孔」、「セラミック層」、「シールフレーム層」、「カッタ刃」、「スリット」は、本件発明4の「貫通孔」、「第2セラミックグリーンシート」、「第1セラミックグリーンシート」、「ブレイク刃」、「ブレイク溝」に相当する。
してみると、両者は、本件請求項4の記載に沿って記載すると、「第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、貫通孔が形成された複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、ブレイク刃をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記第1セラミックグリ一ンシートを貫通する深さで、上記第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面に開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成する焼成工程と、を備える連結セラミック配線基板の製造方法。」の点で一致するものの、以下の点で相違する。

a:本件発明4の貫通孔は、その内壁面に未焼成のメタライズ層を有するものであるが、甲第1号証に記載のノッチ孔は、その内部に導体ペーストを充填し、焼成後にその内壁面に導体部を形成するものである点。
b:本件発明4の溝形成工程は、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成するのに対し、甲第1号証に記載のスリットはそのような形成工程を有していない点。

そこで上記相違点bについて検討すると、この相違点bは上記本件発明1と甲第1号証に記載の発明との相違点と同様であって、本件発明1が甲第1、2号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができない以上、相違点aについては検討するまでもなく、本件発明4についても、甲第1、2号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることはできない。

(4-4)本件発明5について
本件発明5は、請求項5が請求項4を引用する形式のものであって、本件発明4を全て含む発明であるから、本件発明4が甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができない以上、本件発明5についても甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4-5)本件発明6について
本件発明6は、本件発明4の「第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、・・・上記積層体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。」を、「第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、・・・上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。」に限定したものである。
しかしながら、本件発明6は、本件発明4を特定するために必要と認める事項の一つである「第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝の第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい」点を、発明を特定するために必要と認める事項の一つとするものである。
そして、この点は、本件発明4と甲第1号証に記載の発明との相違点bと同様のものであって、この相違点bにより本件発明4は甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないとしている以上、本件発明6についても、甲第1、2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

[4]むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては本件発明1〜6についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1〜6についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
連結セラミック配線基板、その製造方法及びセラミック配線基板の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、
隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、
隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、
上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、
上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、
上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の連結セラミック配線基板であって、
前記有底孔の内壁面に形成された前記メタライズ層上に、メッキ層を形成してなることを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の連結セラミック配線基板であって、
前記複数のセラミック配線基板は、隣り合うすべての上記セラミック配線基板が、互いに接して繋がっている
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。
【請求項4】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成する焼成工程と、
を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の連結セラミック配線基板の製造方法であって、
前記焼成工程後、前記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程を備える
ことを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。
【請求項6】
第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、
上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、
上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、
を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連結セラミック配線基板、その製造方法及びセラミック配線基板の製造方法に関し、特に、メタライズ層が形成された凹部を側面に有するセラミック配線基板が繋がった連結セラミック配線基板、その製造方法、及び上記凹部を側面に有するセラミック配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セラミック配線基板を他の基板等と電気的に接続させるため、側面に設けられた凹部の内壁面に、内部配線層に導通したメタライズ層を形成したセラミック配線基板が知られている。
【0003】
このようなセラミック配線基板として、例えば、図7に示すセラミック配線基板101が挙げられる。このセラミック配線基板101は、上面101A、下面101B、第1側面101C、第2側面101D、第3側面101E、第4側面101Fを有する略直方体形状をなす。
上面101A側には、水晶振動子、フィルタ、集積回路チップなどの電子部品(図示しない)を搭載するための電子部品用凹部103が形成されている。また、第1側面101C及び第3側面101Eには、それぞれ3ヶ所に半円筒状の凹部105が設けられ、その内壁面には、メタライズ層107と、更にその表面に被着されたNi-Auメッキ層108とが形成され、内部配線層(図示しない)と導通している。各凹部105の図中上下方向の寸法は、セラミック配線基板101の厚さ、即ち、第1側面101Cの高さの約3分の2であり、下面101B側に偏って形成されている。つまり、上面101Aには、下面101Bと異なり、その周縁に凹部105による凹みが存在しない。
【0004】
このような形態にすると、例えば、上面101Aに封着用メタライズ層109を形成して、蓋部材(図示しない)を上面101Aに載せてセラミック配線基板101を気密封止するときに、上面101Aに凹みがないことにより、その分封着用メタライズ層109を拡げることができる。このため、蓋部材とセラミック配線基板101との接着強度を確保し易い。
【0005】
ところで、このセラミック配線基板101を製造するにあたり、従来、図8に示すように、隣り合うすべてのセラミック配線基板101が互いに接して繋がった連結セラミック配線基板111を一挙に製造し、これを境界線113の位置で個分けしてセラミック配線基板101とする方法が採られていた。このようにして製造すると、生産性を上げ、安価にセラミック配線基板101を製造することができる。
【0006】
この場合、メタライズ層107が形成されている孔は、図8に示すように、上面101Aと下面101Bとの間を貫通していない、有底孔115である。このため、Ni-Auメッキ層を形成する際、通常の電解メッキを施しても、均一にメッキ層108を形成することが困難である。これは、有底孔115内ではメッキ液の循環が良くない、または、連結セラミック配線基板111をメッキ液に浸したときに、有底孔115内に空気が閉じ込められて、有底孔155内の奥までメッキ液が行き渡らないなどが原因であると考えられる。
このようにメッキ層108の厚さが不均一であると、セラミック配線基板101を他の配線基板などに搭載してハンダ付けした場合に、メタライズ層107上にハンダが流れないなど、接続信頼性が低くなる。また、メッキ層108の厚さ規格を満足しないものが多くなり、連結セラミック配線基板111やセラミック配線基板101の製造歩留まりが低くなるので、実用的ではなかった。
【0007】
そこで、図9に示すように、セラミック配線基板101間に、不要部128を設けた連結セラミック配線基板121が考えられている。この連結セラミック配線基板121は、ちょうど図8に示す連結セラミック配線基板111の境界線113の位置に、不要部128が挿入された状態にされている。セラミック配線基板101と不要部128との境界間には、円筒形の有底孔115に代えて、略長円形状の開口を有する有底孔125が、第2主面101B側に開口するようにして、それぞれ形成されている。また、この有底孔125の内壁面には、メタライズ層107が形成されている。また、不要部128のうち有底孔125の底部には、それぞれ有底孔125と第1主面101A側とを連通する還流孔126が形成されている。
このような連結セラミック配線基板121では、内壁面にメタライズ層107が形成された有底孔125が、下面101B側に開口しているだけでなく、上面101A側にも通じている。このため、メタライズ層107上にメッキを施す際、有底孔125内のメッキ液の流通が良くなることにより、メタライズ層107上に均一にメッキ層108を形成することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記連結セラミック配線基板121では、セラミック配線基板101に境界線123に沿って個分けする際に、廃棄すべき不要部128が出来てしまう。このため、セラミック配線基板101のコストアップとなっていた。
このように、従来は、生産性が高く、安価に製造できるものでありながら、製造時の歩留まりも高く、接続信頼性も高い連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板を製造することが困難であった。
【0009】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであって、凹部のメタライズ層上に均一にメッキ層が形成され、個分けしたセラミック配線基板の接続信頼性の高い連結セラミック配線基板、その製造方法、及び上記メッキ層を有するセラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さいことを特徴とする連結セラミック配線基板である。
【0011】
本発明によれば、連結セラミック配線基板は、隣接するセラミック配線基板間に跨り、第2主面側に開口した有底孔を備える。また、隣接するセラミック配線基板同士の境界上に、第1主面側から形成した第1ブレイク溝を備える。そして、有底孔の底部には、第1ブレイク溝が貫通して、有底孔と第1ブレイク溝とが連通している。つまり、この有底孔は、第1主面側及び第2主面側の両方に通じている。
このため、有底孔の内壁面に形成されたメタライズ層上に、酸化防止などの目的からNi-Auメッキなどのメッキ層を形成する際、メッキ液が、有底孔を通じて、第1主面と第2主面との間を流通し易い。また、連結セラミック配線基板をメッキ液中に浸す際、有底孔内に空気が閉じ込められ難いので、メッキ液が有底孔内全体に行き渡る。
【0012】
従って、本発明の連結セラミック配線基板は、複数のセラミック配線基板が互いに接して繋がったものでありながら、有底孔の内壁面のメタライズ層上にメッキ層を均一に形成することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、連結セラミック配線基板を個分けする際に無駄になる部分をなくすことができるので、安価な連結セラミック配線基板とすることができる。
また、メッキ層が形成された連結セラミック配線基板をブレイク溝に沿って破断して、個々のセラミック配線基板とした場合、有底孔が分割されてできるセラミック配線基板側面の凹部には、均一にメッキ層が形成されている。従って、接続信頼性が高いセラミック配線基板となる。
【0013】
ここで、有底孔としては、隣接するセラミック配線基板に跨り、第2主面側に開口しているものであれば良く、その形状としては、略円形状や略楕円形状などの開口をなすものが挙げられる。
また、第1ブレイク溝の形状や大きさも、適宜変更することができる。特に、有底孔の底面のうち、第1ブレイク溝と連通した部分の開口面積を考慮して、メッキを施す際のメッキ液の循環等が良好な形状、大きさを選択すれば良い。
また、隣接するセラミック配線基板同士の境界上に形成されたブレイク溝については、第1主面側から形成した上記第1ブレイク溝の他、これに対向するように第2主面側から形成した第2ブレイク溝を備えていても良い。
【0014】
さらに、上記の連結セラミック配線基板であって、前記有底孔の内壁面に形成された前記メタライズ層上に、メッキ層を形成してなることを特徴とする連結セラミック配線基板とすると良い。
【0015】
本発明の連結セラミック配線基板は、第2主面側に開口した有底孔と、第1主面側から形成された第1ブレイク溝とが連通している。このため、有底孔のメタライズ層上にメッキ層を形成する際に、メッキ液の流通が良好であるので、メタライズ層上に形成されたメッキ層の厚さが均一になる。
従って、本発明の連結セラミック配線基板は、複数のセラミック配線基板が互いに接して繋がったものでありながら、有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層が均一に形成されてなる。
また、この連結セラミック配線基板をブレイク溝で破断して、個分けすると、有底孔が分割されてできるセラミック配線基板側面の凹部には、均一にメッキ層が形成されている。従って、接続信頼性が高いセラミック配線基板となる。
【0016】
さらに、上記の連結セラミック配線基板であって、前記複数のセラミック配線基板は、隣り合うすべての上記セラミック配線基板が、互いに接して繋がっていることを特徴とする連結セラミック配線基板とすると良い。
【0017】
本発明によれば、連結セラミック配線基板は、隣り合うすべてのセラミック配線基板が、互いに接して繋がっている。即ち、連結セラミック配線基板には、セラミック配線基板に個分けする際に、無駄になる部分が存在しない。このため、安価な連結セラミック配線基板とすることができる。
【0018】
また、他の解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法である。
【0019】
本発明によれば、積層工程において、1又は複数の第1セラミックグリーンシートと、1又は複数の第2セラミックグリーンシートとを順に重ねて、セラミックグリーンシートの積層体を形成する。このとき、第2セラミックグリーンシートに形成された貫通孔と、第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とにより、有底孔が形成される。
そして、溝形成工程において、第1主面側から第1ブレイク溝を形成するとともに、積層工程で形成された有底孔の底部を貫通させて、有底孔と第1ブレイク溝とを連通させる。
つまり、有底孔が第1主面側にも通じた状態にするために、不要部を設け、有底孔の底部を別工程で別途貫通させる必要がなく、第1ブレイク溝の形成と同時に行える。このため、作業工程を簡略化でき、安価に連結セラミック配線基板を製造することができる。
【0020】
また、本発明の製造方法により製造する連結セラミック配線基板は、第2主面側に開口した有底孔が、第1主面側にも通じている。このため、有底孔の内壁面に形成されたメタライズ層上にメッキ層を形成する際、メッキ液が有底孔を通して第1主面と第2主面との間を流通し易い。また、有底孔内に空気が閉じ込められ難いので、メッキ液が有底孔内全体に行き渡る。従って、メタライズ層上にメッキ層を均一に形成することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、連結セラミック配線基板をセラミック配線基板に個分けする際に不要となる部分をなくすことができるので、より安価な連結セラミック配線基板とすることができる。
【0021】
ここで、第2セラミックグリーンシートに形成された貫通孔については、第2セラミックグリーンシートが複数ある場合には、予め各第2セラミックグリーンシート毎に貫通孔を形成した後に、積層するようにすれば良い。また、貫通孔が形成されていない状態で第2セラミックグリーンシート同士を積層し、後に一挙に貫通孔を穿孔するようにしても良い。
また、貫通孔の内壁面に形成された未焼成メタライズ層についても、第2セラミックグリーンシートが複数ある場合には、予め各第2セラミックグリーンシート毎に未焼成メタライズ層を形成した後に、積層するようにすれば良い。また、各第2セラミックグリーンシートを積層後、貫通孔内に未焼成メタライズ層を形成するようにしても良い。
【0022】
さらに、上記の連結セラミック配線基板の製造方法であって、前記焼成工程後、前記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法とすると良い。
【0023】
本発明によれば、焼成工程後、有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成する。このとき、有底孔は、第1主面側及び第2主面側の両方に通じているので、メッキ液が有底孔を通じて両主面間を流通し易く、また、メッキ液が有底孔内全体に行き渡る。従って、メタライズ層上にメッキ層を均一に形成することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の製造方法により製造した連結セラミック配線基板を、ブレイク溝で破断して個分けしたセラミック配線基板は、有底孔が分割されてできた側面の凹部に、均一にメッキ層が形成されているので、接続信頼性が高い。
【0024】
また、他の解決手段は、第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法である。
【0025】
本発明によれば、溝形成工程において、第1ブレイク溝を形成するとともに、有底孔の底部を貫通し、有底孔と第1ブレイク溝とを連通させる。このため、作業工程を簡略化でき、安価にセラミック配線基板を製造することができる。
さらに、焼成工程後、有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成すとき、メタライズ層が形成された有底孔は、両主面側に通じているので、メッキ液が有底孔を通じて流通し易く、また、メッキ液が有底孔内全体に行き渡る。
従って、メタライズ層上にメッキ層を均一に形成することができ、歩留まりを向上させることができる。
【0026】
また、個分工程において破断されたセラミック配線基板は、有底孔が分割されてできた側面の凹部に、均一にメッキ層が形成されているので、接続信頼性が高い。さらに、個分工程において、セラミック配線基板同士の間に不要な部分を形成しておく必要がないので、その分多数のセラミック配線基板を製造できるなど、安価なセラミック配線基板とすることができる。
従って、本発明によれば、生産性が高く、安価に製造できるセラミック配線基板でありながら、製造時の歩留まりも高く、接続信頼性も高い製品を製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
本実施形態で製造されるセラミック配線基板1を、図1(a)に示す。
このセラミック配線基板1は、3.8×3.8×1.1mmの略直方体形状をなし、第1主面(上面)1A、第2主面(下面)1B、第1側面1C、第2側面1D、第3側面1E、第4側面1Fを有する。第1主面1A側には、水晶振動子(図示しない)を搭載するために、階段状の電子部品用凹部3が形成されている。また、第1主面1Aには、このセラミック配線基板1に蓋部材(図示しない)を載置して気密封止するために、第1主面1Aの外周縁1AM及び内周縁1ANよりもそれぞれ僅かに引き下げた略口字形状の封着用メタライズ層9が形成されている。
【0028】
第1側面1C及び第3側面1Eには、それぞれ3ヶ所に半円筒状の凹部5(直径0.3mm、高さ0.8mm)が設けられている。その内壁面にはメタライズ層7と、更にその表面に被着されたNi-Auメッキ層8とが形成され、メタライズ層7は、内部配線層(図示しない)と導通している。これらの凹部5は、第2主面1B側に偏って形成されている。つまり、第1主面1Aの外周縁1AMには、第2主面1Bの外周縁と異なり、半円筒状の凹部5による凹みが存在しない。このため、封着用メタライズ層9は、凹部5の有無に拘わらず、第1主面の外周縁1AMの近傍まで拡げられて、幅太で凹みのない略口字形状にされている。
【0029】
次に、本実施形態に係る連結セラミック配線基板について、図2を参照しつつ説明する。
この連結セラミック配線基板11は、隣り合うすべての上記セラミック配線基板1が、互いに接して繋がったものである。隣接するセラミック配線基板1同士の境界12上には、第1主面1A側から第1ブレイク溝13(第1主面1A上で幅0.2mm)が形成されている。また、隣接するセラミック配線基板1間に跨る有底孔15が、第2主面1B側に開口して形成されている。有底孔15の内壁面15Bには、メタライズ層7が形成され、更にその表面にNi-Auメッキ層8が被着されている。
【0030】
有底孔15の底部14には第1ブレイク溝13の一部が貫通して、有底孔15と第1ブレイク溝13とが連通している。具体的には、有底孔15の略円形状の底面15Aの略中央に、第1ブレイク溝13によって、幅0.05〜0.08mmの開口が形成され、有底孔15と第1ブレイク溝13とが連通している。従って、有底孔15は、第2主面1B側に開口するだけでなく、第1主面1A側にも通じている。
この連結セラミック配線基板11を第1ブレイク溝13に沿って破断して、個々のセラミック配線基板1に個分けすると、この有底孔15が、それぞれ軸線方向(図中上下方向)に2分割され、それぞれ第1側面1C及び第3側面1Eの半円筒形状の凹部5となる(図1参照)。
【0031】
次に、上記連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法について、図3〜図5を参照しつつ説明する。
まず、積層工程において、図3(a)及び(b)に示すようにして、セラミックグリーンシートの積層体21を形成する。
具体的には、図3(a)に示すように、セラミック配線基板1に対応する略板形状をなす領域が、互いに接して繋がった下側セラミックグリーンシート25(第2セラミックグリーンシート)を用意する。下側セラミックグリーンシート25には、予め隣接するセラミック配線基板1に対応する領域間に跨る貫通孔32を所定の位置に穿孔し、さらに、この貫通孔32の内壁面32Bに未焼成メタライズ層36も形成しておく。また、この上面25Aには、未焼成配線層(図示しない)を形成して、未焼成メタライズ層36と接続させておく。
【0032】
また、セラミック配線基板1に対応し、略中央に第2透孔28を有し、口字状をなす領域が、互いに接して繋がった中央セラミックグリーンシート24(第2セラミックグリーンシート)を用意する。この中央セラミックグリーンシート24にも、予め隣接するセラミック配線基板1に対応する領域間に跨る貫通孔31を所定の位置に穿孔し、さらに、貫通孔31の内壁面31Bに未焼成メタライズ層35を形成しておく。また、中央セラミックグリーンシート24の上面24Aにも、未焼成配線層(図示しない)を形成して、未焼成メタライズ層35と接続させておく。
【0033】
そして、これら中央セラミックグリーンシート24と下側セラミックグリーンシート25とを位置合わせをして重ねる。このとき、中央セラミックグリーンシート24の貫通孔31と、下側セラミックグリーンシート25の貫通孔32とが同軸に重なり、略円筒形状の貫通孔33が形成される。また、貫通孔32,33内の未焼成メタライズ層35,36も接続され、1つの未焼成メタライズ層7Aとなる。
【0034】
次に、図3(b)に示すように、セラミック配線基板1に対応し、略中央に第1透孔27を有し、口字状をなす領域が、互いに接して繋がった上側セラミックグリーンシート23(第1セラミックグリーンシート)を用意する。そして、この上側セラミックグリーンシート23を、中央セラミックグリーンシート24と下側セラミックグリーンシート25との積層体のうちの中央セラミックグリーンシート24上に、位置合わせをして重ね、セラミックグリーンシートの積層体21を形成する。
【0035】
この上側セラミックグリーンシート23のうち、中央セラミックグリーンシート24と下側セラミックグリーンシート25とを貫通する貫通孔30に対応する部分には、貫通孔を有しない。このため、貫通孔30と上側セラミックグリーンシート23の貫通孔内露出面23Aとより、有底孔15が形成される。また、上側セラミックグリーンシート23の第1透孔27と中央セラミックグリーンシート24の第2透孔28によって、階段状の電子部品用凹部3が形成される。
【0036】
次に、溝形成工程において、図3(c)に示すように、隣接するセラミック配線基板1対応する領域同士の境界12に沿って、第1主面1A側(図中上方)から第1ブレイク溝13を形成する。このとき同時に、有底孔15の底部14を貫通するようにして、有底孔15と第1ブレイク溝13とを連通させる。この工程によって、内壁面15Bに未焼成メタライズ層7Aを有する有底孔15は、第2主面2B側だけでなく、第1主面2A側にも通じた状態になる。
【0037】
具体的には、本実施形態では、図4に示すように、ブレイク刃を用いて第1ブレイク溝13を形成している。
有底孔15と第1ブレイク溝13とを連通させるためには、第1ブレイク溝13の深さは、少なくとも上側セラミックグリーンシート23を貫通する深さ以上である必要がある。ここでは、セラミックグリーンシートの積層体21の厚さ1.1mmの約半分の深さまで第1ブレイク刃P1を差し入れ、積層体21の厚さの約半分の深さの第1ブレイク溝13を形成している。なお、第1ブレイク刃P1は、基部P1Bと先端部P1Aからなる。基部P1Bは、その断面の幅が0.2mmである。また、先端部P1Aは、先端が30度開いた略三角形状をなし、その高さ(長さ)が0.37mmである。
【0038】
第1ブレイク刃P1でプレスをしたとき、第1ブレイク刃P1の先端部P1A全体と、基部P1Bの一部が積層体21に入り、この第1ブレイク刃P1の外形と略同様の形状の第1ブレイク溝13が形成される。このようにプレスをすると、有底孔15の底部14が貫通して、有底孔15と第1ブレイク溝13とが連通する。なお、有底孔15の底面15Aの略中央には、前記のように、第1ブレイク溝13と連通した、幅0.05〜0.08mmの開口15Cが形成される。
【0039】
次に、焼成工程において、図5(a)に示すように、この積層体21を焼成すると、複数のセラミック配線基板1が繋がった連結セラミック配線基板11ができる。このとき、有底孔15の内壁面15Bの未焼成メタライズ層7Aが焼成されて、メタライズ層7が形成される。
焼成後、メッキ層形成工程において、有底孔15の内壁面15Bに形成されたメタライズ層7の酸化防止及びハンダ付け性向上のために、公知の手法により、電解メッキを施し、メタライズ層7上に、Niメッキ層(厚さ2.0μm)及びAuメッキ層(厚さ1.0μm)からなるメッキ層8を形成する。
【0040】
その後、図5(b)に示すように、連結セラミック配線基板11を第1ブレイク溝13に沿って破断して、個々のセラミック配線基板1とする。このとき、連結セラミック配線基板11の円筒形状の有底孔15がそれぞれ軸線方向に2分割されることにより、セラミック配線基板1の第1側面1C及び第3側面1Eに、それぞれ半円筒形状の凹部5が形成される。
このようにして、連結セラミック配線基板11及びセラミック配線基板1が製造される。
【0041】
本実施形態の連結セラミック配線基板11について、有底孔15の連通の有無とメッキ層8の厚さとの関係について、以下のように調査した。
上述したようにして、連結セラミック配線基板11を製造し、メタライズ層7上に被着されたメッキ層8の厚さを測定した。メッキ層8は、Niメッキ層とAuメッキ層について、それぞれその厚さを測定した。測定試料とした連結セラミック配線基板11は、30ヶであり、連結セラミック配線基板11当たり、5ヶの有底孔15について、従って、全部で150ヶの有底孔15について、底部14から0.2mmの位置の各メッキ層の厚さを測定し、その平均値を求めた。
【0042】
また、比較形態1として、ブレイク溝13を形成しなかった為に、有底孔の底部が第1主面側に通じていない点が、本実施形態と異なる連結セラミック配線基板(図8参照)を製造し、本実施形態と同様に測定した。
また、比較形態2として、有底孔15の代わりに、第1主面と第2主面との間を貫通し、内壁面にメタライズ層が形成された貫通孔を有する連結セラミック配線基板を製造し、本実施形態と同様に測定した。
その結果をまとめて表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
上記表1から判るように、実施形態1では、メッキ層の形成が良好な比較形態2と遜色なく、Niメッキ層及びAuメッキ層ともに、十分に厚く、均一に形成されている。これに対し、比較形態1では、Niメッキ層及びAuメッキ層ともに、その厚さは0.1μm未満であり、ほとんど形成されていない。特に、比較形態1では、有底孔の底部近づくに連れ、メッキ層が薄くなる傾向にあった。
【0045】
これは、実施形態1では、メタライズ層7が形成された有底孔15が、比較形態2と同様に、第1主面1Aにも、第2主面1Bにも通じていることに起因すると考えられる。つまり、メッキ層8を形成する際、メッキ液が、有底孔15を通じて、第1主面1Aと第2主面1Bとの間を流通するので、メッキ層8が均一に形成されると考えられる。また、有底孔15内に空気が閉じ込められ難いので、メッキ液が有底孔15の内壁面15B全体に行き渡るためであると考えられる。
【0046】
一方、表1から判るように、比較形態2の連結セラミック配線基板でも、メッキ層を均一に形成することができる。しかし、この連結セラミック配線基板は、メタライズ層が両主面間を貫通する貫通孔の内壁面に形成されているため、セラミック配線基板に個分けすると、第1主面の外周縁にも、貫通孔が分割されてできる凹部により、凹みができる。従って、封着用メタライズ層を、本実施形態1のように、外周縁の近傍まで拡げることができないので、蓋部材を載置してセラミック配線基板を気密封止したときの気密信頼性が低い。
【0047】
以上で説明したように、本実施形態の連結セラミック配線基板11は、有底孔15が、第2主面1Bだけでなく、第1主面1Aにも通じているので、有底孔15の内壁面15Bに形成されたメタライズ層7上に、均一にメッキ層8を形成することができ、歩留まりを向上させることができる。その上、第1ブレイク溝13によって、有底孔15を第1主面1A側にも連通させているので、隣り合うすべてのセラミック配線基板1を、互いに接して繋げることができる。このため、連結セラミック配線基板11をセラミック配線基板1に個分けする際に、無駄になる部分が存在しない。従って、不要な部分を有する連結セラミック配線基板に比して、安価な連結セラミック配線基板1とすることができる。
【0048】
また、封着用メタライズ層9の形状が凹部5によって制限されることがなく、気密信頼性も高くすることができる。
また、メッキ層8が形成された連結セラミック配線基板11を第1ブレイク溝13で破断して、個々のセラミック配線基板1とした場合、有底孔15が分割されてできる凹部5には、均一にメッキ層8が形成されているので、他の配線基板等と接続させる際の接続信頼性が高いセラミック配線基板1となる。
また、本実施形態の製造方法によって、連結セラミック配線基板11及びセラミック配線基板1を製造すれば、溝形成工程において、第1主面1A側から第1ブレイク溝13を形成するとともに、有底孔15の底部14を貫通して、有底孔15と第1ブレイク溝13とを連通させることができる。このため、従来技術のように、不要部を作り、別途有底孔15を連通させる必要がなく、第1ブレイク溝13の形成と同時に行うことができる。従って、作業工程を簡略化でき、安価に連結セラミック配線基板11及びセラミック配線基板1を製造することができる。
【0049】
(変形例)
次いで、上記実施形態1の変形例について説明する。本変形例では、連結セラミック配線基板は、ブレイク溝として、第1主面1A側から形成された第1ブレイク溝43の他、これと対向して、第2主面1B側から形成された第2ブレイク溝44を有している(図6参照)。
【0050】
この連結セラミック配線基板を製造するにあたり、セラミックグリーンシートを積層する積層工程は、上記実施形態1と同様である。
溝形成工程では、図6に示すように、積層工程で形成されたセラミックグリーンシートの積層体51の第1主面1A側から、隣接するセラミック配線基板1に対応する領域同士の境界12に沿って、第1ブレイク刃P1を差し入れると同時に、この第1ブレイク刃P1と対向する第2ブレイク刃P2を、第2主面1B側から差し入れる。
【0051】
具体的には、上側セラミックグリーンシート23(第1セラミックグリーンシート)を十分に貫通する深さまで、上記実施形態1と同様の第1ブレイク刃P1を差し入れる。このとき、第1ブレイク刃P1の先端部P1A全体が積層体51に入り、先端部P1Aの形状に対応した第1ブレイク溝43が形成される。第1ブレイク溝43は、有底孔15の底部14を貫通して形成され、有底孔15と連通する。従って、有底孔15は、第1主面1Aと第2主面1Bの両面に通じた状態になる。
一方、下側セラミックグリーンシート25の厚さの約半分の深さまで、第2ブレイク刃P2を差し入れる。このとき、第2ブレイク刃P2の先端部P2Aの一部が積層体51に入り、先端部P2Aの形状に対応した略V字型の第2ブレイク溝44が形成される。なお、第2ブレイク刃P2は、先端部P2A及び基部P2Bを有し、第1ブレイク刃P1と同様の形状をなす。
【0052】
その後、積層体51を焼成する焼成工程、メタライズ層7上にメッキ層8を形成するメッキ層形成工程は、それぞれ上記実施形態1と同様である。また、個分工程により、上記実施形態1と同様のセラミック配線基板1が製造される。
本変形例においても、連結セラミック配線基板、その製造方法、及びセラミック配線基板1の製造方法について、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
【0053】
以上において、本発明を各実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、貫通孔30を有する第2セラミックグリーンシートが、複数層、即ち中央セラミックグリーンシート24と下側セラミックグリーンシート25の2層からなり、貫通孔30に対応した部分に貫通孔を有しない第1セラミックグリーンシートが、上側セラミックグリーンシート23の1層からなる連結セラミック配線基板を示したが、これに限定されるものではない。第2セラミックグリーンシートが1層からなるものや、第1セラミックグリーンシートが複数層からなる連結セラミック配線基板なども含まれる。
【0054】
また、上記各実施形態では、第1ブレイク溝13,43及び第2ブレイク溝44をプレスにより形成しているが、連結セラミック配線基板の焼成前、あるいは焼成後に、レーザ等を利用してブレイク溝13等を形成することもできる。
また、上記各実施形態では、第1主面1A側に設けられた電子部品用凹部3に、水晶振動子を収納し、第1主面1Aを蓋部材で気密封着するセラミック配線基板1を示したが、これに限定されるものではない。例えば、凹部を有しないセラミック配線基板に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施形態1に係るセラミック配線基板を示す図である。
【図2】
実施形態1に係る連結セラミック配線基板を示す図である。
【図3】
実施形態1に係る連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は中央セラミックグリーンシートと下側セラミックグリーンシートを重ねた状態を示し、(b)は上側セラミックグリーンシートを重ね、積層体を形成した状態を示し、(c)は積層体に第1ブレイク溝を形成した状態を示す。
【図4】
実施形態1に係る連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を示す図であり、積層体に第1ブレイク刃をプレスした状態を示す。
【図5】
実施形態1に係る連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を示す図であり、(a)は焼成した連結セラミック配線基板を示し、(b)は、個分けしたセラミック配線基板を示す。
【図6】
実施形態1の変形例に係る連結セラミック配線基板及びセラミック配線基板の製造方法を示す図であり、積層体に第1ブレイク刃及び第2ブレイク刃をプレスした状態を示す。
【図7】
従来技術に係るセラミック配線基板を示す図である。
【図8】
従来技術に係る連結セラミック配線基板を示す図である。
【図9】
従来技術に係る不要部を有する連結セラミック配線基板を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック配線基板
1A 第1主面
1B 第2主面
1C 第1側面
1E 第3側面
5 凹部
7 メタライズ層
7A 未焼成メタライズ層
8 メッキ層
11 連結セラミック配線基板
12 (セラミック配線基板同士の)境界
13,43 第1ブレイク溝
14 (有底孔の)底部
15 有底孔
15B (有底孔の)内壁面
21 積層体
23 上側セラミックグリーンシート(第1セラミックグリーンシート)
23A 貫通孔内露出面
24 中央セラミックグリーンシート(第2セラミックグリーンシート)
25 下側セラミックグリーンシート(第2セラミックグリーンシート)
30 貫通孔
 
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1を下記のように訂正する。
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、
隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、
隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、
上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、
上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、
上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、
上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい
ことを特徴とする連結セラミック配線基板。
▲2▼訂正事項2
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項4を下記のように訂正する。
【請求項4】
第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成する焼成工程と、
を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法。
▲3▼訂正事項3
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項6を下記のように訂正する。
【請求項6】
第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、
隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、
断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、
上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、
上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、
上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、
を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
▲4▼訂正事項4
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落(0010)を下記のように訂正する。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
その解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板であって、隣接する上記セラミック配線基板同士の境界上に、上記第1主面側から形成した第1ブレイク溝と、隣接する上記セラミック配線基板間に跨り、上記第2主面側に開口し、内壁面にメタライズ層が形成された有底孔とを有し、上記有底孔の底部には上記第1ブレイク溝の一部が貫通して、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とが連通してなり、上記第1ブレイク溝は、断面の幅が一定である基部と先端部とを有するブレイク刃のうち上記先端部全体と上記基部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝と連通した上記有底孔の底面の開口は、上記ブレイク刃のうち上記先端部の一部を差し入れて形成した後に焼成してなるものであり、上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅が上記有底孔の径よりも小さく、上記有底孔の底面の開口の幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さいことを特徴とする連結セラミック配線基板である。
▲5▼訂正事項5
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落(0018)を下記のように訂正する。
【0018】
また、他の解決手段は、第1主面及び第2主面を有する複数のセラミック配線基板が、互いに接して繋がった連結セラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成する焼成工程と、を備えることを特徴とする連結セラミック配線基板の製造方法である。
▲6▼訂正事項6
訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、明りょうでない記載の釈明を目的として、段落(0024)を下記のように訂正する。
【0024】
また、他の解決手段は、第1主面と、第2主面と、メタライズ層及びメッキ層が形成された凹部を有する側面と、を備えるセラミック配線基板の製造方法であって、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域間に跨り、内壁面に未焼成メタライズ層を有する貫通孔が形成された1又は複数の第2セラミックグリーンシートと、上記第2セラミックグリーンシートの上記貫通孔に対応する部分に貫通孔を有しない1又は複数の第1セラミックグリーンシートとを積層した積層体を形成する積層工程と、断面の幅が一定である基部と先端部を有するブレイク刃の先端部全体と基部の一部をプレスして入れ、上記積層体のうち少なくとも上記1又は複数の第1セラミックグリーンシートのすべてを貫通する深さで、上記第1主面上での幅が上記貫通孔の径よりも小さい第1ブレイク溝を、隣接する上記セラミック配線基板に対応する領域同士の境界上に、上記第1セラミックグリーンシート側から形成するとともに、上記ブレイク刃の先端部の一部により、上記貫通孔と上記第1セラミックグリーンシートの貫通孔内露出面とからなる有底孔の底部を貫通して、上記有底孔の底面にその幅が上記第1ブレイク溝の上記第1主面上での幅よりも小さい開口を形成し、上記有底孔と上記第1ブレイク溝とを連通させる溝形成工程と、上記積層体を焼成して、連結セラミック配線基板を形成する焼成工程と、上記焼成工程後、上記有底孔の内壁面のメタライズ層上に、メッキ層を形成するメッキ層形成工程と、上記連結セラミック配線基板を上記第1ブレイク溝で破断して、上記有底孔を上記凹部に分割し、上記セラミック配線基板に個分けする個分工程と、を備えることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法である。
異議決定日 2003-05-07 
出願番号 特願平11-52703
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 坂本 薫昭  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 伊藤 明
三崎 仁
登録日 2001-04-20 
登録番号 特許第3181887号(P3181887)
権利者 日本特殊陶業株式会社
発明の名称 連結セラミック配線基板、その製造方法及びセラミック配線基板の製造方法  
代理人 富澤 孝  
代理人 山中 郁生  
代理人 富澤 孝  
代理人 奥田 誠  
代理人 山中 郁生  
代理人 奥田 誠  

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