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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A61K 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61K |
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管理番号 | 1081331 |
異議申立番号 | 異議2000-73262 |
総通号数 | 45 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1999-03-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-08-28 |
確定日 | 2003-06-09 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3014459号「TiO▲下2▼微小顔料とアシルアミノ酸を含有する光保護用化粧品組成物」の請求項1ないし14に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3014459号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 |
理由 |
理 由 1.手続の経緯 本件特許第3014459号の発明については、平成8年9月10日に出願され、平成11年12月17日にその特許権の設定登録がなされ、その後、中島 理及び福島一郎より特許異議の申し立てがなされ、当審により取り消し理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年7月6日に訂正請求(後日取下げ)がなされた後、再度の取消理由が通知され、その指定期間内である平成15年5月14日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容 特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。 (i)訂正事項a. 特許請求の範囲における請求項1〜14を次の請求項1〜4に訂正する。 「【請求項1】少なくとも1つのアシルグルタマートを、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微少顔料を含有する組成物に導入することを特徴とする該組成物の光青化を減少させる方法。 【請求項2】前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微少顔料の存在による光青化を減少させるための、該顔料を含有する組成物へのアシルグルタマートの使用。 【請求項4】前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項3に記載の使用。」 イ.訂正の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記の訂正事項a.は、訂正前の請求項1〜10を削除し、訂正前の請求項11及び13をそれぞれ請求項3及び1とし、訂正前の請求項12及び14におけるアシルグルタマートを訂正前の請求項5に列挙された化合物に限定して、それぞれ請求項4及び2としたものであり、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当する。 そして、上記の訂正事項は、特許明細書に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 ウ.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについて ア.本件発明 特許第3014459号の請求項1〜4に係る発明は、上記訂正事項1に記載されたとおりのものである。 イ.申立の理由の概要 特許異議申立人中島 理(以下、「申立人A」という。)は、証拠として甲第1号証(特公昭61-11924号公報)、甲第2号証(特公昭47-42502号公報)、甲第3号証(特開昭58-62106号公報)、甲第4号証(特開昭49-450号公報)、甲第5号証(「化粧品原料辞典」、第251頁、252頁、456頁、511頁及び522頁、平成3年11月29日、日光ケミカルズ株式会社他発行)、甲第6号証(特開昭58-72512号公報)、甲第7号証(特開平7-252125号公報)、甲第8号証(「化学大辞典」、第5巻、第544-545頁、1989年8月15日、共立出版株式会社発行)、甲第9号証(「化学大辞典」、第3巻、第736-739頁、1989年8月15日、共立出版株式会社発行)及び甲第10号証(特開平9-136028号公報)を提出し、訂正前の本件請求項1〜7及び訂正前の請求項8〜14に係る発明は、甲第1または7号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、訂正前の本件請求項1に係る発明は、甲第1〜6号証もしくは甲第7〜9号証及び甲第5号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の本件請求項2〜14に係る発明は、甲第1〜9号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定違反し特許を受けることができないので、訂正前の請求項1〜14に係る発明の特許を取り消すべき旨主張する。 また、特許異議申立人福島一郎(以下、「申立人B」という。)は、証拠として甲第1号証(特開平7-101844号公報)、甲第2号証(特公昭47-42502号公報;申立人Aの甲第2号証と同じ)、甲第3号証(垣原高志著「化粧品の実際知識(第2版)」、第178〜181頁、東洋経済新報社、1987年12月3日第1刷、1993年3月3日第4刷)、甲第4号証(田村健夫他著「香粧品化学」、第160〜161頁、フレグランスジャーナル社)、甲第5号証(日本化粧品科学研究会編「機能性化粧品」、第275〜278頁、1990年8月28日、株式会社シーエムシー発行)、甲第6号証(特開昭57-171907号公報)及び甲第7号証(特開平5-70332号公報)を提出し、訂正前の請求項1〜14に係る発明は甲第1または6号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、訂正前の請求項1〜5及び11〜14に係る発明は、甲第1〜6号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項6〜10に係る発明は、甲第1〜7号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定違反し特許を受けることができないので、訂正前の請求項1〜14に係る発明の特許を取り消すべき旨主張する。 ウ.申立人が提出した甲各号証記載の発明 ウー1.申立人Aの提出した甲第1号証は、アルコールを含有したメイクアップ用の乳化化粧料に関するもので、その実施例2には、N-アシル-L-グルタミン酸ソーダ(アシル基はラウロイル基)を0.5重量%及び酸化チタンを10.0重量%含有するサンスクリーンファンデーションが記載され、甲第2号証は、日焼け止め化粧料に関するもので、「平均粒径30〜40mμの酸化チタンを1〜10%配合」した「日焼け止め化粧料」が記載(特許請求の範囲)され、甲第3号証には、平均粒径10〜30mμ(10〜30nm)の超微粒子状酸化チタンを配合した化粧料が記載され(特許請求の範囲)、該化粧料は皮膚を紫外線から保護するためのものであることが記載(第2頁左下欄第14〜18行)され、甲第4号証には、粒径20〜100mμ(20〜100nm)の微粒子状酸化チタンを配合した紫外線防止化粧料が記載(特許請求の範囲)され、甲第5号証には、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウムなどが適度な起泡力、洗浄力を持ち、メイクアップ化粧料、頭髪用化粧品、クリーム、乳液などに使用されることが記載(第251頁、456頁、510〜511頁)され、甲第6号証には、N-ラウロイル、-ミリストイル、またはーステアロイル-グルタミン酸の二価金属塩を含むメークアップ化粧料が記載(特許請求の範囲)されており、甲第7号証には、実施例15として、紫外線遮断効果を有するスキンクリームが記載され、甲第8号証には、ゾルとは、コロイド粒子が液体中に分散していて流動性を示す系をいう、と記載(第544頁、「ゾル」の項)され、甲第9号証には、コロイド粒子とは、コロイド次元の大きさの粒子をいい、コロイド次元とは直径10-5〜10-7cm(100〜1nm)であることが記載(第737頁、「コロイド」の項)され、甲第10号証には、その実施例4において多木化学(株)の酸化チタンゾルが使用されており(第15欄第33〜34行)、該TiO2超微粒子の平均粒子径は0.01μm(10nm)であることが記載(第15欄第49〜50行)されている。 ウー2.申立人Bの提出した甲第1号証は多層エマルジョンに関するもので、内油相中に紫外線吸収剤を配合したO/W/O型の多層エマルジョンが記載(特許請求の範囲)され、処方例7及び8には、N-アシル-L-グルタミン酸ナトリウム0.1重量%、微粒子酸化チタン3.5重量%を配合したサンスクリーンエマルジョンが記載(第12頁第7行〜第13頁第16行)され、甲第2号証は、申立人Aの提出した甲第2号証と同一であり、上記ウー1で述べた内容が記載され、甲第3号証には、酸化チタンについて、0.2μぐらいの粒子のものが光を散乱させてもっとも白く見えること、最近30mμの微粒子状のものが製造され、皮膚に白く着色することなく、紫外線透過率が低く、日焼け防止化粧品に応用されていることが記載(第180頁第2〜8行)され、甲第4号証には、最近、微粒子チタンが開発され、日焼け防止化粧品に紫外線遮断剤として用いられていること、微粒子酸化チタンは、一次粒子平均が0.015〜0.05μmで、可視光線の波長の10分の1と小さいため、着色力や被覆力が小さい反面400nm以下の波長を吸収し、紫外線防止効果を与えることが記載(第160頁第17〜27行)され、甲第5号証には、化粧品に用いられるアミノ酸系香粧品素材が記載され、N-アシルグルタメートは、グルタミン酸と高級脂肪酸を原料とする代表的なアミノ酸系アニオン界面活性剤であることが記載(第275頁末行〜第277頁表下1行)され、甲第6号証は、申立人Aの提出した甲第1号証の対応公開公報であり、その実施例2には、N-アシル-L-グルタミン酸ソーダ(アシル基はラウロイル基)を0.5重量%及び酸化チタンを10.0重量%含有するサンスクリーンファンデーション(全量100部)が記載され、甲第7号証には、乳化化粧料が記載され、第4頁の表2にN-ステアロイルグルタミン酸ソーダ1.0重量%を乳化剤として配合することが記載されている。 エ.判断 訂正前の請求項1〜10は、上記訂正により削除されたので、これら請求項についての申立人A及びBの主張はその対象がなく、いずれも採用できない。 (本件請求項1(訂正前の請求項13)について) 請求項1に係る発明は、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微少顔料を含有する組成物に、少なくとも1つのアシルグルタマートを導入することにより、該組成物の光青化を減少させる方法であるところ、申立人A及びBの提出した甲各号証には、酸化チタン微少顔料を紫外線防止を目的として化粧品に配合すること、アシルグルタマートを界面活性剤として化粧品に配合することは記載されているものの、光青化を減少させることについては、全く記載するところがないので、請求項1に係る発明は、申立人Aの提出した甲第1号証及び甲第7号証、申立人Bの提出した甲第1号証及び甲第6号証に記載された発明ではない。 また、上記のとおり、申立人A及びBの提出した甲各号証には、酸化チタン微小顔料を含有する組成物の光青化を減少させることが全く記載されていないのであるから、そこに記載された発明からは、当業者が、請求項1に係る発明を容易に想到できないものである。 そして、請求項1に係る発明は、酸化チタンの微少顔料を含有させたことによる光青化を減少させるなどの、明細書に記載されたとおりの顕著な効果を奏するものである。 したがって、請求項1に係る発明は、申立人A及びBの提出した甲各号証に記載された発明ではなく、それらに基づいて当業者が容易に発明をし得たものでもなく、申立人A及びBの請求項1についての主張はいずれも妥当でない。 (本件請求項2について) 請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明をさらに技術的に限定したものであるから、上記と同様の理由で、申立人A及びBの主張は妥当でない。 (本件請求項3(訂正前の請求項11)について) 請求項3に係る発明は、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微少顔料の存在による光青化を減少させるための、該顔料を含有する組成物へのアシルグルタマートの使用であるから、請求項1において述べたのと同様な理由で、申立人A及びBの提出した甲各号証に記載された発明ではなく、それらに基づいて当業者が容易に発明をし得たものでもないので、申立人A及びBの請求項3についての主張はいずれも妥当でない。 (本件請求項4について) 請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明をさらに技術的に限定したものであるから、上記と同様の理由で、申立人A及びBの主張は妥当でない。 オ.むすび したがって、本件特許は、特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。 また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 TiO2微小顔料とアシルアミノ酸を含有する光保護用化粧品組成物 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1つのアシルグルタマートを、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料を含有する組成物に導入することを特徴とする該組成物の光青化を減少させる方法。 【請求項2】 前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料の存在による光青化を減少させるための、該顔料を含有する組成物へのアシルグルタマートの使用。 【請求項4】 前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項3に記載の使用。 【発明の詳細な説明】 本発明は、局所使用用で、特に、紫外線に対して皮膚および髪を光保護することを意図した新規の化粧品組成物、およびその美容分野における使用に関する。さらに厳密には、化粧品的に許容可能なビヒクルに、少なくとも1つの酸化チタン微小顔料(ナノ顔料)、および1つのアシルアミノ酸を含有する、安定した有色の組成物に関する。 280nmと400nmの間の波長の光線によりヒトの表皮は日焼し、UV-Bとして知られている280と320nmの間の波長の光線により、皮膚は、自然なプロンズ化の形成の障害となるサンバーン状態となったり、また紅斑か形成されたりするため、UV-Bは遮蔽しなければならない。 また、皮膚をサンタン状態にする320nmと400nmの間の波長を有するUV-Aは、特に、敏感肌または頻繁に太陽光線にさらされている皮膚に好ましくなく変化を与えうる。UV-Aは、特に、皮膚の弾性を喪失させ、しわを出現せしめ、時期尚早の加齢に導く原因となるものである。それらは、紅斑反応の誘因を促進し、ある患者においては、この反応を悪化させ、光毒性または光アレルギー反応の原因となる恐れがある。よって、UV-Aもまた遮蔽することが望ましい。 UV-AおよびUV-Bを遮蔽するための、様々な種類のサンスクリーン剤類:無機顔料および有機スクリーン剤が商業的に入手可能である。これらのスクリーン剤は、使用者に不快感を与えないものであると同時に、太陽からの有害な光線をプロックまたは吸収するものでなければならない。 この目的のため、金属酸化物の顔料類か、それらがUVを反射および散乱させ、光保護に関して非常に有利である故に、抗日光製品、および日中用製品、特にメークアップ製品において、益々使用されつつある:単独で使用すると、UVに、対して良好に保護することが可能であり;有機スクリーン剤と組み合わせると、高い光保護性を有する製品を生産することが可能になる。 よって、現在使用されている、最も普及している無機顔料は、遮蔽特性がよく知られている、酸化チタン、好ましくは微小顔料の形態のものである。 しかしながら、酸化チタン顔料類を含有する組成物類は、無酸素媒体中において、光に対し不安定になることが観察されており、不安定さは青い着色か出現することにより露呈する。光青化(photoblueing)として知られているこの光着色は、美的観点から好ましくないことは明らかである。 この光反応現象を制限する目的で、表面処理されたTiO2顔料か提供されており:例えば、欧州特許公告第0461130号には、リン酸アニオンで処理されたTiO2微小粒子(ナノ粒子)か記載されている。同様に、シリカまたはアルミナで表面処理されたTiO2顔料を化粧品に使用することも知られている。しかしながら、これらの処理は、実施するには高価で困難である。 最後に、これらの表面処理により、金属酸化物顔料の光不安定性、特に、TiO2顔料を含有する調製物の光青化が減少することは事実であるが、今だ不十分なままである。 まだ未公開の仏国特許出願第95-07001号において、本出願人は、脂質小胞体に金属酸化物を包含させることにより、上述した問題か解決されることを提案している。 ミクロスフェア分散液と少なくとも1つの金属酸化物を含有する化粧品組成物は、国際特許出願第95/12381号に記載されている。この出願の実施例において、とりわけ、1〜10%の二酸化チタンと、0〜10%のラウロイルリシンを含有する組成物が提供されている。しかしなから、この実施例では、使用される酸化チタンの大きさについても、ラウロイルリシンにより、混合されている該酸化チタンの光青化か減少するといった効果の可能性についても明記されていない。 よって、酸化チタン顔料を含有し、一方保護用の小胞体類を含有しない光安定性組成物が入手可能になることが必要とされ続けている。本発明が意味するところにおいて、光安定性とは、得られた組成物が、上述した光着色現象を受けないか、わずかに受けるにすきないことを意味するものと解される。 このように、上述した光保護の分野において、多くの研究を行ったところ、本出願人は、TiO2顔料を含有する組成物に、アシルアミノ酸類、特に、アシルグルタマート類から選択される少なくとも1つのイオン性の両親媒性脂質を導入することにより、この組成物に関して内在する光青化現象が、かなり減少することを見いだした。 この発見が、本発明の基礎をなすものである。 よって、本発明の主題は、局所使用用、特に、皮膚および/または髪の光保護用で、小胞体は含有しないか、化粧品的に許容可能なビヒクルに、少なくとも1つの酸化チタン微小顔料と、アシルアミノ酸から選択される少なくとも1つのイオン性の両親媒性脂質を含有する化粧品組成物にある。 イオン性の両親媒性脂質は、有利には、アシルグルタマート類から選択される。 本発明の組成物は、光青化への感作性をほとんど示さないという利点を有する。 本発明の組成物は、それらを皮膚に適用した場合に、白色化への感作性をほとんど示さないという付加的な利点を有する。最後に、これらの組成物は、非常に柔軟で、優れた日光保護ファクターを有する。 本発明の他の主題は、紫外線、特に太陽光線から、皮膚および/または髪を保護することを意図した化粧品組成物類の製造、または上述した組成物としての使用にある。 また、本発明の他の主題は、上述した組成物を有効量、皮膚および/または髪に適用することからなる、紫外線、特にに太陽光線から、皮膚および/または髪を保護するための美容処理方法にある。 さらに、本発明の主題は、酸化チタン顔料の存在による光青化を減少させるために、該顔料を含有する組成物に、好ましくはアシルグルタマート類から選択されるアシルアミノ酸を使用することにある。 またさらに、本発明の主題は、好ましくはアシルグルタマート類から選択される少なくとも1つのアシルグルタマート類を、酸化チタン顔料を含有する化粧品用および/または皮膚病用組成物に導入することからなる、該組成物の光青化を減少させる方法にある。 本発明の他の特徴、観点および利点は、以下の詳細な記載を読むことにより、明らかになるであろう。 本発明において使用される両親媒性脂質は、アシルアミノ酸から選択される、イオン性の両親媒性脂質である。 本発明の好ましい実施態様において、イオン性の両親媒性脂質は、アシルグルタマート類、特に、アシル鎖が10〜30の炭素原子を有するアシルグルタマート類から選択される。この鎖は、好ましくは10〜20の炭素原子を有する。本発明の好ましい実施態様において、アシルグルタマート類は、アシルグルタミン酸ーナトリウム、またはアシルグルタミン酸ニナトリウムから選択される。本発明の組成物において特に良好で適切な化合物は、それぞれ味の素社から、「アシルグルタマートHS11」、「アシルグルタマートMS11」、「アシルグルタマートLS11」および「アシルグルタマートHS21」の商品名て販売されているステアロイルグルタミン酸-ナトリウム、ミリストイル(Myristoyl)グルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸ニナトリウムである。 本発明で使用されるアシルグルタマート類は、本発明の組成物中に、一般的に、組成物の全重量に対して、0.2重量%より多く、好ましくは0.5重量%より多い含有量で存在する。 本発明において目標とされる組成物類に必須の特徴の一つは、酸化チタンの微小顔料類を含有するということである。微小顔料とは、基本粒子の平均径が、5〜100nmである粒子を意味するものと解される。好ましくは、本発明において目標とされる微小顔料の基本粒子の平均径は、10〜50nmである。このような酸化チタン微小顔料は、スクリーン剤として化粧品の分野で通常使用されている公知の酸化チタン微小顔料に相当するもので、処理されていても、処理されていなくてもよい。 酸化チタンは、ルチル、アナターゼまたはアモルファスの形態であってよいか、好ましくはルチルおよび/またはアナターゼの形態である。 例えば、処理された微小顔料は、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物類、シリコン化合物類、ナトリウム化合物類、酸化鉄、鉄エステル類(iron esters)、ステアリン酸またはグリセロールで処理されてもよい。 特に、処理された微小顔料としては: -シリカおよびアルミナで処理された酸化チタン、例えば、タイカ(Tayca)社の製品で「マイクロチタンジオキシドM‐T100SA」および「マイクロチタンジオキシドMT500SA」、およびチオキシド(Iioxide)社の製品で「ティオベイル(Tioveil)IPM」、「ティオベイルMOTG」、「ティオベイルOP」、「ティオペイルフィン(Fin)」、 -アルミナおよびステアリン酸アルミニウムて処理された酸化チタン、例えば、タイカ社の製品で「マイクロチタンジオキシドMT100T」、 -アルミナおよびラウリン酸アルミニウムで処理された酸化チタン、例えば、タイカ社の製品で、「マイクロチタンジオキシドMT100S」、一酸化鉄およびステアリン酸鉄で処理された酸化チタン、例えば、タイカ社の製品で、「マイクロチタンジオキシドMT100F」、 -シリカ、アルミナおよびシリコーンで処理された酸化チタン、例えば、タイカ社の製品で、「マイクロチタンジオキシドMT100SAS」、「マイクロチタンジオキシドMT600SAS」、および「マイクロチタンジオキシドMT500SAS、 -ヘキサメタリン酸ナトリウムて処理された酸化チタン、例えば、タイカ社の製品で、「マイクロチタンジオキシドMT150W」、 -オクチルトリメトキシシランて処理された酸化チタン、例えぱ、デガッサ(Degussa)社の製品で、「T-805」、 -アルミナおよびステアリン酸で処理された酸化チタン、例えば、ケミラ(Kemira)社の製品で、「UVT一M160」、 -アルミナおよびグリセロールで処理されだ酸化チタン、例えば、ケミラ社の製品で、「UVT一M212」、 -アルミナおよびシリコーンで処理された酸化チタン、例えば、ケミラ社の製品で、「UVT一M262」、であってよい。未処理の酸化チタンとしては、例えば、タイカ社から「マイクロチタンジオキシドMT500B」または「マイクロチタンジオキシドMT600B」の商品名で販売されているものであってよい。 酸化チタン微小顔料(類)は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して0.1〜25重量%、好ましくは、組成物の全重量に対して0.2〜20重量%の割合で存在している。 本発明の手段により、何ら問題なく、比較的多量のTiO2、特に、5重量%より多く、さらに10重量%より多く、またさらに15重量%より多くの量を、上述した光青化の問題なく、またはわずかに不利益を被るのみで、導入することかできる。 もちろん、本発明の抗日光化粧品組成物は、UV-Aおよび/またはUV-Bに対して活性のある、一または複数の親水性または親油性のスクリーン剤(吸収剤)を含有してもよい。これらのスクリーン剤は、特に、ケイ皮酸誘導体類、サリチル酸誘導体類、シヨウノウ誘導体類、トリアジン誘導体類、ベンゾフェノン誘導体類、ジペンゾイルメタン誘導体類、β,β-ジフェニルアクリラート誘導体類、p-アミノ安息香酸誘導体類、または国際特許出願第93/04665号に記載されているシリコーンスクリーン剤類およびポリマースクリーン剤類から選択されうる。本発明の組成物に使用可能なUV-Aスクリーン剤の具体例としては、ギパウダンーローレ(Givaudan-Roure)社から「パーソル(Parsol)1789」の商品名で販売されているプチルメトキシジベンゾイルメタン、または当社から「メキソリル(Mexory1)SX」の商品名で販売されている「ベンゼンー1,4一ジ(3一メチリデンー10-ショウノウスルホン)酸」が挙げられる。本発明の組成物に使用可能なUV一Bスクリーン剤の具体例としては、ロナ/イー.メルク(Rona/E.Merck)社からそれぞれ「ユーソレック(Eusolex)6300」および「ユーソレック232」の商品名で販売されている4一メチルベンジリデンショウノウまたはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸、またはBASF社から「ユビヌル(Uvinul)N539」の商品名で販売されている2-エチルヘキシルー2一シアノー3,3一ジフェニルアクリラートか挙げられる。有機スクリーン剤の他の具体例としては、欧州特許公開第0487404号に記載されているものがある。 また、発明の組成物は、プロンズ化、および/または皮膚を人工的に日焼けした状態にするための薬剤(速効日焼け剤類:instant tanning agents)、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含有してもよい。 さらに、本発明の化粧品組成物は、上述したもの以外の微小顔料類、または顔料類を含有してもよい。このような顔料類は、被覆された、またはされていない、金属酸化物の微小顔料類、例えば、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムの微小顔料であり、それ自体、UVを物理的にブロック(反射および/または散乱)することにより作用し、全て光保護剤としてよく知られているものである。またさらに、従来からのコーティング剤は、アルミナおよび/またはステアリン酸アルミニウムである。このような、被覆された、または被覆されていない、金属酸化物の微小顔料類としては、特に、欧州特許公開第0518772号および欧州特許公開第0518773号に記載されているものがある。 また、本発明の組成物は、脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の増粘剤、柔軟剤、酸化防止剤、特にAFR酸化防止剤、不透明化剤、安定化剤、エモリエント類、シリコーン類、α-ヒドロキシ酸類、消泡剤、保湿剤、ビタミン類、香料、防腐剤、界面活性剤、フィラー、金属イオン封鎖剤、ポリマー類、噴射剤、塩基性または酸性化剤、染料または化粧品、特に、エマルションの形態の抗日光組成物の製造において一般的に使用されている任意の他の成分から選択される従来よりの化粧品用のアジュバントを含有してもよい。 脂肪物質は油またはロウまたはそれらの混合物からなるものであってよく、また、脂肪酸類、脂肪アルコール類および脂肪酸のエステル類を含有してもよい。油は、動物性油、植物性油、鉱物性油または合成油、特に、流動ワセリン、流動パラフィン、揮発性または非揮発性のシリコーン油、イソパラフィン類、ポリーα-オレフィン、まだはフッ化または過フッ化(perfluorinated)油から選択することかできる。同様に、ロウは、それ自体公知の、動物性、化石、植物性、鉱物性、または合成ロウ類から選択することができる。 有機溶媒としては、低級アルコール類および多価アルコール類を挙げることができる。 増粘剤は、特に、変性した、まだは変性していないセルロース類、およびグアガム類、架橋したポリアクリル酸から選択されうるもので、例えば、ヒドロキシプロピル化されたグアガム、メチルヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。 もちろん、当業者は、本発明の2つの組み合わせによる固有の有利な特性が、考慮される添加により、全く、または実質的に影響されないように、上述した添加可能な化合物(類)(スクリーン剤、顔料、アジュパント等)および/またはそれらの量を、注意して選択するであろう。 本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、特に、水中油型または油中水型のエマルションの調製を意図した技術により、調製することかできる。 この組成物は、特に、単一または複合エマルション(O/W、W/O、O/W/O、およびW/O/W)の形態、例えば、クリーム、ミルク、ゲル、またはクリームゲル、パウダー、または棒状固体の形態で提供されてもよく、また、エアゾールとして包装されていてもよく、さらに、フォームまたはスプレーの形態で提供されてもよい。 本発明の化粧品組成物は、抗日光組成物またはメークアップ製品のような、紫外線に対してヒトの皮膚または髪を保護するための組成物として使用することかできる。 本発明の化粧品組:成物が、紫外線に対してヒトの皮膚を保護するため、すなわち抗日光組成物として使用される場合、それは、脂肪物質類または溶媒に分散または懸濁した形態、またはエマルション、好ましくは水中油型のエマルションの形態、例えば、クリームまたはミルク、膏薬、ゲル、クリームゲル、棒状固体、スティック、泡状エアゾールまたはスプレーの形態で提供されうる。 本発明の化粧品組成物か、髪を保護するために使用される場合、それは、シャンプー、ローション、ゲル、エマルション、または髪用ラッカーの形態で提供されるものであってよく、例えばシャンブーの前または後、染色または脱色の前または後、パーマネントウエープまたは髪のストレート化の前、処理中、後に適用されてすすがれる組成物、スタイリングまたはトリートメント用のローションまたはゲル、プロー乾燥または髪のセット用のローションまたはゲル、またはパーマネントウエーブまたは髪のストレート化用、または髪の脱色または染色用組成物を含むことができる。 組成物が、まつげ、眉毛または皮膚のメークアップ製品、例えば、皮膚のトリートメントクリーム、ファンデーション、棒状口紅、アイシャドウ、ほほ紅、マスカラ、またはアイライナーとして使用される場合、それは、無水または水性、固体またはペーストの形態、例えば、水中油型またば油中水型のエマルション、または懸濁液として提供されうる。 指針として、水中油型のエマルションタイプのビヒクルを有する、本発明の抗日光調製物において、水相(スクリーン剤、または他の親水性アジュバント類を含有する)は、一般的に調製物の全重量に対して50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%、油相(特に、スクリーン剤(類)および他の親油性のアジュパント類を含有する)は、調製物の全重量に対して5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、(共)乳化剤(類)は、調製物の全重量に対して0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。 本発明の組成物は、好ましくは、水中油型のエマルションの形態で提供される。 明細書の最初で示したように、本発明の他の主題は、上述した化粧品組成物を有効量、皮膚または髪に適用することからなる、紫外線の影響に対して皮膚および髪を保護することを意図した、皮膚および髪の美容処理方法にある。 次に本発明の実施例を例証するが、本発明の範囲を限定するものではない。 実施例1: 酸化チタン微小顔料類を含有する組成物にアシルグルタマート類を導入することにより、光青化に関して改善されることを示すため、比較試験を行った。 各々、味の素社から「アシルグルタマートHS11」の商品名で販売されているステアロイルグルタミン酸一ナトリウムを所定のパーセンテージxと、タイカ社から「MT100T」の商品名で販売されている酸化チタンを5%含有する、4つの水中油型エマルションを調製した。このような4つのエマルションA、B、CおよびDにおいて、xを0〜5%で変化させて調製した。組成物に共通のビヒクル(水中油型エマルション)を以下に示す: ビヒクル: -ICI社から「アルラセル(Arlace1)165」の商品名で販売されているモノステアリン酸グリセリルとジステアリン酸グリセリル/ポリエチレングリコール(100EO)ステアラートの混合物 2% -「フィンソルプ(Finsolv)TN」の商品名で販売されているC12/C15アルコールのベンゾアート 8% -保湿剤 8% -タイカ社から「MT100T」の商品名で販売されている二酸化チタン 5% -味の素社から「アシルグルタマートHS11」の商品名で販売されているステアロイルグルタミン酸一ナトリウム x% -グッドリツチ(Coodrich)社から「カルボポール(Carbopol)980」の商品名で販売されている架橋したポリアクリル酸 0.3% -pH剤 pH=7にする量 -防腐剤 適量 -純水 全体を100%とする量 これらの4つの組成物において、光青化を次の手順に従って評価した:組成物を、UV一透過性プラスチックポックス(50×40×6cm3の結晶性ポリスチレンポックス)に入れ、12時間、UV線にさらした[ヘレウス(Heraeus)の日光テスト CPS]。ミノルタ CM1000比色計を使用し、比色測定を行った:まず、UV線にさらす直前(T0)で測定し、次に、UV線にさらして12時間後(T12h)で測定した。 結果を、Lが輝度を表し、aが赤一緑軸(-a=緑、+a=赤)を表し、bが黄一青軸(-b=青、+b=黄)を表す(L、a、b)系で表示する。 光青化を評価するために、重要な値は△Eであり、全ての色における変化を測定したものである。△Eは、次の式: ![]() [上式中、 -△b=bT12h-bT0で、青色の変化を測定し、 -△L=LT12h-LT0で、組成物の黒化を測定するに従い、△L、△aおよび△bの変動から算出される。△Eが最小値であると、より効果的に光青化に対して保護していることになる。 結果を次の表(I)に示す: ![]() これらの結果には、酸化チタン類を含有する組成物に、アシルグルタマートを導入することにより、明らかに、このような組成物に関して通常、観察される光青化が、かなり減少していることが示されている。 実施例2: 各々、1gのアシルグルタマートと、タイカ社から「MT100T」の名称で販売されている酸化チタンを5%含有する3つの水中油型エマルション、E、FおよびGを調製した。これらの3つのエマルションに共通のビヒクルは、実施例で使用したものと同様であり、アシルグルタマートの性質を変えた。組成物Eは、味の素社から「アシルグルタマートMS11」の商品名で販売されているミリストイルグルタミン酸一ナトリウムを1%含有し、組成物Fは、味の素社から「アシルグルタマ一トLS11」の商品名で販売されているラウロイルグルタミン酸一ナトリウムを1%含有し、さらに組成物Gは、味の.素社から「アシルグルタマートHS21」の商品名で販売されているステアロイルグルタミン酸ニナトリウムを1%含有する。 上述した実施例1と同様の手順に従い得られた結果を、次の表(II)に示す: ![]() これらの結果には、アシルグルタマートを導入することにより、その性質に依らず、酸化チタンの存在に関与する光青化か、明らかに減少していることが示されている。 実施例3: 本発明の抗日光組成物の具体例として、次の水中油型エマルションを付与する。量は、組成物の全重量に対する重量%て示す。 A相: -ICI社から「アルラセル165」の商品名で販売されているモノステアリン酸グリセリルとジステアリン酸グリセリル/ポリエチレングリコール(100EO)ステアラートの混合物 2% -ステアリネリーデュポイス(Stearinerie Dubois)社から「ステアリン(stearine)TP」の名称で販売されているステアリン酸 2.5% -「フィンソルプTN」の商品名で販売されているC12/C15アルコールのベンゾアート 8% -トリエタノールアミン 0.45% B相: -グリセロール 8% -タイカ社から「MT100T」の商品名で販売されている二酸化チタン 5% -味の素社から「アシルグルタマートHS11」の商品名で販売されているステアロイルグルタミン酸一ナトリウム 0.5% C相: -グッドリッチ社から「カルポポール980」の商品名で販売されている架橋したポリアクリル酸 0.3% -「DC245フルイド(Fluid)」の商品名で販売されているシクロペンタジメチルシロキサン 5% D相: -pH剤 pH=7にする量 E相: -防腐剤 適量 -純水 全体を100%とする量 上述した組成物を、次の方法により調製した:A相を撹拌しつつ、80-85℃にした。ついで、B相と水の一部を撹拌しつつ、80-85℃にした。ついで、エマルションを製造するために、撹拌しつつA相をB相に注いだ。混合物を約45・Cに冷却し、ついで、予め分散させておいたC相を添加した。ゲルを中和した。冷却し続け、最後に、防腐剤と、残りの水を添加した。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 ▲1▼訂正事項a 本件特許の特許明細書中の特許請求の範囲の記載 「【請求項1】 小胞体を含有せず、化粧品的に許容可能な媒体中に、5から100nmの間の平均径を有する少なくとも1つの酸化チタン微小顔料と、アシルグルタマートから選択される少なくとも1つのイオン性の両親媒性脂質を含有することを特徴とする、皮膚および/または髪の光保護用の局所使用用化粧品組成物。 【請求項2】 アシルグルタマートが、10〜30の炭素原子を有するアシル鎖を含有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 アシルグルタマートが、10〜20の炭素原子を有するアシル鎖を含有することを特徴とする請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 イオン性の両親媒性脂質が、アシルグルタミン酸一ナトリウム、またはアシルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項2ないし3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項5】 アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。 【請求項6】 イオン性の両親媒性脂質が、組成物の全重量に対して、0.2重量%より多くの量で存在していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項7】 前記含有量が、組成物の全重量に対して、0.5重量%より多いことを特徴とする請求項6に記載の組成物。 【請求項8】 酸化チタン微小顔料が、組成物の全重量に対して、0.1〜25重量%の範囲内の含有量で存在していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項9】 太陽光線等の紫外線から、皮膚および/または髪を保護するための化粧品組成物としての、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物の使用。 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物を有効量、皮膚および/または髪に適用することからなる、太陽光線などの紫外線から、皮膚および/または髪を保護するための美容処理方法。 【請求項11】 5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料の存在による光青化を減少させるための、該顔料を含有する組成物へのアシルグルタマートの使用。 【請求項12】 前記アシルグルタマートが、請求項2ないし5のいずれか1項に定義されているものであることを特徴とする請求項11に記載の使用。 【請求項13】 少なくとも1つのアシルグルタマートを、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料を含有する組成物に導入することを特徴とする該組成物の光青化を減少させる方法。 【請求項14】 前記アシルグルタマートが、請求項2ないしし5のいずれか1項に定義されているものであることを特徴とする請求項13に記載の方法。」 を、 「【請求項1】 少なくとも1つのアシルグルタマートを、5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料を含有する組成物に導入することを特徴とする該組成物の光青化を減少させる方法。 【請求項2】 前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 5から100nmの間の平均径を有する酸化チタン微小顔料の存在による光青化を減少させるための、該顔料を含有する組成物へのアシルグルタマートの使用。 【請求項4】 前記アシルグルタマートが、ステアロイルグルタミン酸一ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸一ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸一ナトリウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項3に記載の使用。」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2003-05-22 |
出願番号 | 特願平9-514002 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A61K)
P 1 651・ 113- YA (A61K) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 塚中 直子、福井 悟 |
特許庁審判長 |
竹林 則幸 |
特許庁審判官 |
松浦 新司 深津 弘 |
登録日 | 1999-12-17 |
登録番号 | 特許第3014459号(P3014459) |
権利者 | ロレアル |
発明の名称 | TiO▲下2▼微小顔料とアシルアミノ酸を含有する光保護用化粧品組成物 |
代理人 | 成瀬 重雄 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 渡辺 隆 |
代理人 | 成瀬 重雄 |