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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G09F |
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管理番号 | 1081485 |
異議申立番号 | 異議2001-73433 |
総通号数 | 45 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-12-17 |
確定日 | 2003-07-19 |
異議申立件数 | 3 |
事件の表示 | 特許第3235312号「タクシーの表示灯」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3235312号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件発明 本件特許の請求項1ないし6に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものであると認められるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、次のとおりである。 「前面に透視窓を設けたケースと、 赤色発光可能な発光ダイオードエレメントと緑色発光可能な発光ダイオードエレメントが封入されて構成された多色発光可能な発光ダイオード素子を縦横にマトリックス状に配置し、その表示面を前記透視窓に向けた状態で前記ケース内に立設収納したLED表示パネルと、 タクシーの現在の状態を示すタリフの表示文字パターンを予め記憶させたメモリ回路を内蔵し、タクシーメータから出力される制御信号に基づいて前記LED表示パネルに、タクシーの現在の状態を示すタリフをドットマトリックス文字で表示する点灯制御回路と、 を備え、「空車」は赤色、「割増」は緑色で表示を行い、他は橙色で表示するタクシーの表示灯。」 2.取消理由で引用された刊行物に記載された発明 (2-1)刊行物1 刊行物1[「ハイヤー・タクシーに関する表示等の改正について(表示通達)」平成元年7月21日 東陸旅第2648号の2 東陸整第394号の2の2 関東運輸局 東京陸運支局、(異議申立人・株式会社ニッコーが提出した甲第5号証の1、同・山本福一が提出した甲第3号証の1)]の第2頁及び第21頁の記載によれば、刊行物1には、「その表示面を前面に向けた状態で立設した表示手段と、空車、割増等の表示項目の表示文字パターンを予め内蔵し、運賃メーター器と連動して作動し前記表示手段に、空車、割増等の表示項目を文字で表示する表示作動手段と、を備え、車内側に面しては表示項目を車内に向けて表示する手段が設けられ、「空車」は赤色、「割増」は緑色で表示を行い、他は黄色で表示するタクシーの昼間夜間を問わず表示を車内外において明瞭に確認できる表示装置」の発明が記載されていると認められる。 (2-2)刊行物2 刊行物2[実願平3-105218号(実開平5-45773号)のCD-ROM、(異議申立人・株式会社ニッコーが提出した甲第6号証、同・山本福一が提出した甲第4号証)]の明細書の段落【0002】及び【0005】の記載並びに図1〜図3の図示内容によれば、刊行物2には、「赤色を発光する発光ダイオードチップ2aと緑色を発光する発光ダイオードチップ2bが同一のカソードリード端子3の載置面にマウントされて形成された赤色あるいは緑色の単色、赤色と緑色とによる中間色及び混合色を発光する発光ダイオード1を縦横にマトリックス状に配列した発光ダイオード表示装置」の発明が記載されていると認められる。 (2-3)刊行物3 刊行物3[特開平5-205124号公報、(異議申立人・株式会社ニッコーが提出した甲第4号証、同・山本福一が提出した甲第2号証、同・株式会社ニシベ計器製造所が提出した甲第4号証)]の第2頁第2欄第16〜29行及び第47〜50行の記載並びに図4,5,7〜10の図示内容によれば、刊行物3には、「タクシーの営業状態を示す空車・迎車・賃走・割増・支払等のタリフの表示文字パターンを予めメモリさせた格納部を内蔵し、タクシーメーターのタリフ設定入力部から出力される操作信号に基づいて発光ダイオードを縦横にドットマトリックス状に配列して構成したグラフィック表示部2に、タクシーの営業状態を示す空車・迎車・賃走・割増・支払等のタリフをドット表示するタクシーメーターのグラフィック表示装置」の発明が記載されていると認められる。 3.対比・判断 (3-1)一致点・相違点の認定 本件発明1と刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、 「その表示面を立設した表示パネルと、タクシーの現在の状態を示すタリフの表示文字パターンを予め内蔵し、タクシーメータから出力される制御信号に基づいて前記表示パネルに、タクシーの現在の状態を示すタリフを文字で表示する点灯制御回路と、を備え、「空車」は赤色、「割増」は緑色で表示を行い、他は他の色で表示するタクシーの表示灯」において一致するが、先ず次の点で相違する。 相違点;刊行物1に記載された発明は、本件発明1の「赤色発光可能な発光ダイオードエレメントと緑色発光可能な発光ダイオードエレメントが封入されて構成された多色発光可能な発光ダイオード素子を縦横にマトリックス状に配置したLED表示パネル」を用い、且つ、空車の赤色及び割増の緑色以外の他の表示色を「橙色」とし、タリフの表示文字パターンを予め「記憶させたメモリ回路」を内蔵し、且つ、該タリフを「ドットマトリクス」文字で表示するという構成を有しない点。 (3-2)相違点の判断 上記相違点について検討するに、刊行物2には、「赤色発光可能な発光ダイオードエレメントと緑色発光可能な発光ダイオードエレメントが封入されて構成された多色発光可能な発光ダイオード素子を縦横にマトリックス状に配置したLED表示パネル」それ自体の構成が記載されているが、このLED表示パネルをタクシーの表示灯に関連付けるための、タリフの文字及び表示色に関する具体的な制御手段は開示されていない。 また、刊行物3には、「タリフの表示文字パターンを予めメモリさせた格納部を内蔵し、発光ダイオードを縦横にドットマトリックス状に配列して構成したグラフィック表示部に、タリフをドット表示するタクシーメーターのグラフィック表示装置」が記載されているが、このグラフィック表示装置は、タクシーメーター用の表示装置、即ち、タクシー車内の搭乗者用の表示装置であると共に、多色発光可能な発光ダイオード素子を用いたタリフの表示色制御手段を備えたものでもない。 そうすると、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載されたLED表示パネルあるいは刊行物3に記載されたグラフィック表示装置を単に採用しても、タクシー車外用で特有の表示色からなるタリフ表示が可能な本件発明1に至らないことは明らかである。 さらに、異議申立人・株式会社ニッコー、同・山本福一、同・株式会社ニシベ計器製造所が提出した上記刊行物以外の証拠を参酌しても、上記相違点に係る構成を当業者が容易に想到し得たものとすることはできない。 したがって、本件発明1と刊行物1に記載された発明との他の相違点についての検討、判断を示すまでもなく、本件発明1は、前記の各刊行物に記載された発明及び各異議申立人の提出した証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (3-3)他の請求項に係る発明 本件特許の請求項2ないし6に係る発明(以下、「本件発明2ないし6」という。)は、本件発明1を更に限定するものであるから、同様に各刊行物に記載された発明及び各異議申立人の提出した証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件発明1ないし6についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1ないし6についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明1ないし6についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-06-30 |
出願番号 | 特願平5-329260 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(G09F)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 柿崎 拓 |
特許庁審判長 |
田中 秀夫 |
特許庁審判官 |
平上 悦司 千壽 哲郎 |
登録日 | 2001-09-28 |
登録番号 | 特許第3235312号(P3235312) |
権利者 | 三和計器株式会社 鐘淵化学工業株式会社 |
発明の名称 | タクシーの表示灯 |
代理人 | 岸田 正行 |
代理人 | 朝日奈 宗太 |
代理人 | 佐木 啓二 |
代理人 | 田中 弘 |
代理人 | 田中 弘 |
代理人 | 秋山 文男 |
代理人 | 大島 一公 |
代理人 | 佐木 啓二 |
代理人 | 水本 敦也 |
代理人 | 大西 哲夫 |
代理人 | 小花 弘路 |
代理人 | 秋山 文男 |
代理人 | 朝日奈 宗太 |