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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1082189 |
審判番号 | 不服2001-2578 |
総通号数 | 46 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-09-11 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-02-22 |
確定日 | 2003-08-14 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第364321号「文書認識装置および文書認識方法」拒絶査定に対する審判事件[平成10年 9月11日出願公開、特開平10-240650]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.出願の経緯・発明の要旨 本件発明は、平成4年1月9日に出願された特願平4-19402号を分割の原出願として平成9年12月19日に出願されたものであって、その発明の要旨は、特許請求の範囲に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に記載された発明(以下、第1発明という。)は、下記のとおりのものである。 【請求項1】 文書画像入力手段により入力され転送されてきた文書画像の認識対象ファイルに対応している操作者名を取り出す操作者名取出手段と、認識対象ファイルの文書画像をコード情報に変換する認識手段と、取り出された操作者名を宛先とした場合にその宛先があるか否かを判定する判定手段と、宛先があると判定された場合に該当の宛先に認識手段により変換された文書画像のコード情報を電子メイルとして送信する電子メイル送信手段と、宛先がないと判定された場合にファイル用情報処理機器に対して認識手段により変換されたコード情報を転送する認識結果送信手段を具備することを特徴とする文書認識装置。 2.引用発明 当審において通知した拒絶理由において示した刊行物には、下記のとおりの事項が記載されている。 刊行物1:特開昭59-64956号公報 1-a.本発明の複合文書処理ネットワーク・システムには、次の機能が具備される。 (a)文書作成編集機能・・・ワークス・テーションにおいて、各種の文書を作成、編集することができ、・・・画像の入力と編集・・・の各機能を具備する。 ・・・ (g)保管機能・・・作成された文書を、ファイル・ステーションおよびワーク・ステーションにおいて保管する機能を具備する。 ・・・ (i)文字認識機能・・・ワークステーションから手書き文字を入力し、OCRステーションを使用してコード変換する機能を具備する。 (j)伝達機能・・・ローカルネットワークを使用して、各ステーション間で文書の送受信を行う機能、・・・具備する。(公報、第4頁左上欄第5乃至左下欄第2行。) 1-b.(a)ワーク・ステーション11が分担する機能・・・第4図のスキャナ1171から入力される。なお、スキャナ1171からは、文字や図形情報も入力できるが、入力された時点では、これらはイメージ情報として扱われる。(公報、第5頁左上欄第20乃至右上欄第14行。) 1-c.(e)OCRステーションが分担する機能、(a-1)ワーク・ステーション11、ファクシミリ装置5等のスキャナから入力され、転送されてきたイメージ情報としての文字まじり文書を受け取り、この中の文字をOCRで認識してコード化情報に変換し、指定されたステーションに転送する機能を有する。(公報、第6頁右上欄第19乃至左下欄第5行。) 1-d.次に、スキャナの利用方法として大量文書の入力がある。この場合、ワーク・ステーション11のスキャナ1171から入力されたピクセル情報は、OCRステーション15に送られ、ここでコードに変換された後、返送されてくる。(公報、第7頁右下欄第12乃至16行。) 刊行物2:特開昭64-12657号公報 「複数のワークステーションとファクシミリステーションとを伝送路により結合したファクシミリ通信機能を有するローカルエリアネットワークにおいて、アドレスのある場合には、画情報を送出し、ない場合には、画情報をディスクに格納する点。(第1及び4図参照。)」 3.対比・判断 刊行物1記載の事項と第1発明とを対比すると、刊行物1に記載された「スキャナ1171」および「OCRステーション」は、それぞれ第1発明の「文書画像入力手段」と「認識手段」に相当する。 また、刊行物1の記載1-dからみて、刊行物1に記載されたものにおいても、転送された文書画像をコード情報に変換した後、操作者宛に返信している。 したがって、両者は、「文書画像入力手段により入力され転送されてきた文書画像の認識対象ファイルの文書画像をコード情報に変換する認識手段と、操作者宛に認識手段により変換された文書画像のコード情報を送信する送信手段と、を具備する文書認識装置」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1:第1発明においては、文書画像の認識対象ファイルに対応している操作者名を取り出す操作者名取出手段を備えているのに対し、刊行物1には、特段の記載がない点。 相違点2:送信手段が第1発明では、電子メイルであるのに対し、刊行物1に記載されたものでは、ローカルネットワークである点。 相違点3:第1発明においては、文書画像のコード情報を返送すべき宛先があるか否かを判定する判定手段と、宛先があると判定された場合に該当の宛先に送信し、宛先がないと判定された場合にファイル用情報処理機器に対して認識手段により変換されたコード情報を転送するようにしているのに対し、刊行物1には、特段の記載がない点。 上記相違点につき検討する。 相違点1:送信されてきた文書画像から宛先を取り出すことは、本件出願前周知技術(例えば、特開昭60-24771号公報等参照。)であり、刊行物1に記載された送信手段の宛先として、当該周知技術を採用して、文書画像から取り出した操作者名とすることに格別の創意を要するものではない。 相違点2:送信手段として「電子メイル」を用いることは、慣用されており、刊行物1に記載されたローカルネットワークに該技術を採用して、第1発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。 相違点3:宛先があれば該宛先に、なければ当該ファイルを保存すべく転送することは、刊行物2に記載されたように、本件出願前公知技術であり、該技術を刊行物1記載のものに適用して第1発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。 また、該構成を採用することによる作用効果も、刊行物1に記載されたものからみて格別のものではない。 したがって、第1発明は、刊行物1乃至2に記載された事項から当業者が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおりであるから、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-06-11 |
結審通知日 | 2003-06-17 |
審決日 | 2003-06-30 |
出願番号 | 特願平9-364321 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鳥居 稔、後藤 和茂 |
特許庁審判長 |
川嵜 健 |
特許庁審判官 |
東森 秀朋 植松 伸二 |
発明の名称 | 文書認識装置および文書認識方法 |
代理人 | 南野 貞男 |