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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G09B |
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管理番号 | 1083148 |
異議申立番号 | 異議2002-72276 |
総通号数 | 46 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-11-16 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-09-18 |
確定日 | 2003-07-07 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3266934号「演奏練習装置」の請求項1乃至3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3266934号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件特許第3266934号の請求項1乃至3に係る発明の出願は、平成4年4月24日に出願され、平成14年1月11日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、和田悦子より請求項1乃至3に係る発明の特許について特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年5月22日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 1)訂正事項a 特許請求の範囲を、請求項2及び3を削除すると共に、次のように訂正する。 「【請求項1】曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、 該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、 演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、 該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、 該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、 該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、 該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、 前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、 を備えたことを特徴とする演奏練習装置。」(下線は訂正個所を示す) 2)訂正事項b 明細書段落【0006】〜【0008】を次のように訂正する。 「【0006】 【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するための本発明にあっては、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、を備えている。 【0007】 【作用】 前記構成において、読出手段により記憶されたレベルの異なる複数の曲データの内、いずれかの曲データの音符データが順次読み出され、かつ、入力手段から操作された演奏操作に対応する演奏データが入力されると、検出手段は両データを比較し、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する。また、判別手段は、検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの音符データに基づき、不適な演奏操作の種別を判別する。 【0008】 つまり、音符データは曲を構成する各音符の音高及び音長を示すデータであることから、その音高における両データの不一致により、例えば演奏操作が鍵盤の白鍵において不適であるのか黒鍵において不適であるのか、あるいは、左鍵において不適であるのか右鍵において不適であるのか等の不適な演奏操作の種別を判別し得る。そこで、前記判別手段は、これら不適な演奏操作の種別を判別し、カウント手段はこの種別毎に、不適な演奏操作の回数をカウントする。さらに、表示手段は、カウント手段によりカウントされた白鍵又は黒鍵、左鍵域又は右鍵域における演奏操作の不適回教に応じて練習者が行った演奏操作の評価を表示し、よって、この表示手段により表示された評価の内容により練習者は不適な演奏操作の種別を客観的に認識し得る。そして、このカウントされた全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後読み出される曲データは、レベルの高いものに切り替わり、逆に全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後読み出される曲データはよりレベルの低いものに切り替わる。また、これらの場合以外は、再度同じ曲を読み出すようにする。これによってより適切なレベルの曲により演奏練習することができる。」(下線は訂正個所を示す) 3)訂正事項c 明細書段落【0027】〜【0034】、【0071】〜【0079】、【0081】、【0082】、【0084】の記載中の、「M以下」、「許容値未満」、「許容値以上であった」、「N1未満」、「N1以上」、「N1以上である」、「N2未満」、「N2以上」、「N2以上である」を、それぞれ、「M未満」、「許容値以下」、「許容値を上回った」、「N1以下」、「N1を上回る場合」、「N1を上回る」、「N2以下」、「N2を上回る場合」、「N2を上回る」と訂正する。 4)訂正事項d 明細書段落【0018】と【0062】の記載中の「であるあるか」を「であるか」と訂正する。 (2)訂正の目的、新規事項の有無、拡張変更の存否の各要件についての判断 1)訂正事項aについて 本訂正は、請求項2及び3を削除すると共に、請求項1について、記憶手段にレベルの異なる複数種の曲データが記憶され、その中から何れかの曲データの音符データを読み出すこと、及び、所定の条件のもとにレベルの高い曲データ、レベルの低い曲データあるいは再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段を備えていることを、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項(特に明細書段落【0011】〜【0013】、【0030】〜【0034】等参照)の範囲内で限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 2)訂正事項bについて 本訂正は、訂正された特許請求の範囲に発明の詳細な説明の記載を整合させるためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 3)訂正事項cについて 本訂正は、「許容値」が文字通り許容される値であること等からみて正しい記載といえる図5の記載に発明の詳細な説明の記載を整合させるためのものであり、誤記の訂正あるいは明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 4)訂正事項dについて 本訂正は、日本語として明らかな誤記の訂正を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3)訂正の適否のまとめ 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める 3.異議申立てについての判断 (1)申立ての理由の概要 特許異議申立人和田悦子が申立てている申立ての理由のうち、申立理由2の概要は、本件特許第3266934号の請求項1乃至3に係る発明は、少なくとも甲第2乃至6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものである、というものである。 なお、申立ての理由のうち、申立理由1は、請求項2及び請求項3が訂正により削除され、それに伴い明細書段落【0006】〜【0008】の記載も訂正されたため解消している。 (2)本件発明 本件請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(上記訂正事項a参照)。 (3)証拠 甲各号証とその記載事項は次のとおりである(記載中「・・・」は中略を示す)。 1)甲第2号証:特開平2-15293号公報 2-a.「演奏操作鍵を指定する演奏情報を記憶した記憶装置と、この記憶装置から上記記憶された演奏情報を演奏順序にしたがって読み出し制御する手段と、演奏操作する鍵盤と、この鍵盤から鍵操作に伴い発生される演奏情報を、上記記憶装置から読み出される演奏情報と逐次比較する正押鍵判断回路と、この判断回路で判断された結果を計数する計数回路と、上記記憶装置に記憶され演奏順序にしたがって読み出され演奏情報のイベント数を計数する手段と、この手段で計数されたイベント数と上記計数回路で計数された計数結果との比から正解率を算出する手段と、この手段で得られた演奏操作に伴う正解率を逐次表示する表示手段と、を具備したことを特徴とする電子楽器。」(特許請求の範囲) 2-b.「記憶装置11には、練習しようとする演奏曲を表現する演奏情報が書き込み設定される。・・・例えば楽符・・・を、その順序にしたがって楽符長情報と共にアドレス順序に書き込み設定され・・・、読み出し回路14においてその各楽符に対応する楽符情報(・・・音高情報と符長情報・・・)を、順次にアドレス指定して・・・音高情報を音符長に対応する時間経過毎に順次読み出すようにし・・・読み出された音高情報は、順次にデータラッチ回路16においてラッチ記憶される。」(2頁左下欄3行〜右下欄7行) 2-c.「鍵盤17からは、鍵の操作に対応してそのタイミング情報および操作鍵音高を表現する音高情報並びに符長情報を含む演奏情報が発生され、・・・楽音信号とされ・・・発音される。」(2頁右下欄9〜16行) 2-d.「鍵操作に伴う演奏情報は・・・ラッチ符長情報と共に、正押鍵判断回路21に供給し、・・・正解に操作されたと判断されたときには正押鍵信号を・・・採点回路22に供給される。」(2頁右下欄17行〜3頁左上欄4行) 2-e.「母数カウンタ23は、例えばデータラッチ回路16からの情報によって、順次読み出される楽符情報の数、すなわち演奏情報のイベント数を計数するもので、採点回路22では正解押鍵数と・・・イベント数の計数値との関係から、正解率等の点数を算出し、表示回路24で採点表示させる」(3頁左上欄6〜12行) 2-f.「記憶装置11から符長タイミングに合わせて順次読み出される音高情報と・・・鍵の操作タイミングとが一致する状態のときカウンタ56が計数され、音高情報と操作鍵音高とが一致したときにカウンタ61が計数され・・・鍵操作継続期間で表現される音符長が、記憶音符長と一致する状態のときに、カウンタ79が計数され・・・イベント数に対応する母数情報を分母として・・・タイミング正解率、音高正解率、符長正解率の正押鍵判断情報が得られ・・・それぞれ表示装置85、86、87で適宜パーセント演算して表示する。」(7頁左上欄8行〜右上欄4行) 2-g.「演算回路82〜84、88を減算回路で構成すれば、誤りあるいは正解の数を具体的に演算し、表示することができる」(7頁右下欄9〜11行) 等が図面と共に記載されている。 これらの記載を含む明細書及び図面の記載からみて、甲第2号証には、「演奏曲を構成する各楽符の音高情報と符長情報を含む楽符情報からなる演奏情報を記憶した記憶装置11と、該記憶装置11に記憶された演奏情報の楽符情報を読み出す読み出し回路14と、演奏操作に対応する音高情報と符長情報を含む演奏情報を入力する鍵盤17等からなる手段と、を備え、該鍵盤17等からなる手段から入力された演奏情報と前記読み出し回路14により読み出された楽符情報を比較して、演奏操作の正解率を表示する練習用の電子楽器。」に係る発明(以下、「甲2発明」という)が記載されている。 2)甲第3号証:特開昭61-254991号公報 3-a.「鍵盤・・・を操作し・・・正規の音高データと押鍵データとが一致するかどうかを比較する比較手段・・・の不一致検出回数をカウントするカウント手段と、正規の音長データと演奏により得られる音長データとを比較しその差値を算出する比較演算手段・・・により算出される差値を累算する累算手段と、上記カウント手段のカウント結果または累算手段の累算結果に対応したデータを表示する表示手段とを具備した・・・電子楽器。」(特許請求の範囲第3項) 3-b.「ROMパック5に記憶されている自動演奏曲が自動演奏用RAM6に一曲分づつ読出されて自動演奏され」(2頁右下欄19行〜3頁左上欄1行) 3-c.「正規の音高データと押鍵データとを比較してその不一致数をカウントし、あるいは更に正規の音長データと演奏した音長データとを比較してそのタイミングのずれを累算し、ミス押鍵数又はタイミングのずれの大きさから対応する得点を算出して得点に応じて表示させる」(6頁右下欄20行〜7頁左上欄6行) 等が図面と共に記載されている。 3)甲第4号証:実願平1-148752号(実開平3-89465号)のマイクロフイルム 4-a.「複数単位の曲データを記憶する曲データ記憶手段と、・・・演奏操作手段と、・・・1単位分の前記曲データを順次読み出し、該曲データと・・・演奏操作手段から順次出力される演奏データとを順次比較し、誤った演奏操作が行われたか否かを検出する誤演奏操作検出手段と、・・・誤演奏操作回数計測手段と、・・・1単位の前記曲データを読み出した場合に、・・・誤演奏操作回数に応じて・・・次に読み出すべき前記曲データの単位を選択する曲データ選択手段と、を有する・・・自動演奏装置。」(実用新案登録請求の範囲第1項) 4-b.「前記曲データは、音高データと音符長データとを含み、前記誤演奏操作検出手段は、・・・音高データ比較手段と、・・・タイミング比較手段とを含み、前記誤演奏操作回数計測手段は・・・各比較結果に基づいて、誤った演奏操作の回数を計測する・・・自動演奏装置。」(同第2項) 4-c.「音符長データは時間データであり、前記タイミング比較手段は、・・・音符長データを現在の曲の先頭から順次累算する累算手段と、前記演奏操作手段からの前記各音高データの出力タイミングを現在の曲単位の先頭からの経過時間として検出する検出手段と、・・・出力タイミングが・・・累算結果に対して所定の許容値範囲内に入っているか否かを比較する比較手段と、を含む・・・自動演奏装置。」(同第3項) 4-d.「演奏者の演奏能力に応じた最適な練習曲を自動的に選択できるようにし、また、押鍵位置のみならず、押鍵タイミングまで正確に練習できるようにする」(明細書5頁19行〜6頁2行) 4-e.「ROM2は演奏の難易度の異なる種々の曲データも記憶している」(明細書15頁4〜5行) 4-f.「ROM2より練習曲の1音符分のデータをCPU3内の・・・2つのレジスタに読み出す。これが、第1図の音高レジスタ21と音符長レジスタ22に対応し、それぞれノートナンバーanと音符長データBがセットされる。」(明細書17頁2〜6行) 4-g.「練習回数がm回に達したら、・・・m回の練習において発生した誤打鍵回数をmで除算して平均化処理を行い、・・・平均値が0〜3の場合は・・・1段階難しい曲にステップアップし・・・4〜6の場合は・・・現状と同じ難易度の曲を練習することになり、・・・7以上の場合は・・・1段階易しい曲にステップダウンして、・・・それに応じた練習曲の曲データが、ROM4より読み出されて、練習が続けられる。」(明細書23頁2行〜24頁2行) 等が図面と共に記載されている。 4)甲第5号証:特開昭58-31372号公報 5-a.「キーボード6で出力されたピッチに関する情報と記憶部3から・・・読み出されたピッチに関する情報とを比較し・・・結果を演奏者に表示するピッチ差表示器10と、キーボード6で出力された音長に関する情報と記憶部3から・・・読み出された音長に関する情報とを比較し・・・結果を演奏者に表示する音長差表示器12とから成っている。」(2頁右下欄9〜末行) 5-b.「演奏者は演奏中の楽曲について各音毎にピッチと音長とを標準と比較した結果の表示を見ることが出来るので、各音毎に演奏の誤りを認識することができ、自習により楽器演奏の訓練を行なうことが出来る。」(3頁右上欄18行〜左下欄2行) 等が図面と共に記載されている。 5)甲第6号証:特開昭58-200293号公報 6-a.「この発明は電子楽器に関し、特にフラツト、およびシヤープの付いている音名の黒鍵をわかりやすく鍵盤上に表示しその音名に対し演者が誤まつて白鍵を押した場合はランプ、あるいはブザー等の表示により奏者に知らせる」(1頁右下欄4〜8行) 等が図面と共に記載されている。 (3)対比・判断 本件発明(前者)と甲2発明(後者)とを対比するに、後者の「演奏曲を構成する各楽符の音高情報と符長情報を含む楽符情報からなる演奏情報」は、前者の「曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データから」なる「曲データ」ということができ、これを記憶した後者の「記憶装置11」は、前者の「記憶手段」と対応し、後者の「記憶装置11に記憶された演奏情報の楽符情報を読み出す読み出し回路14」は、前者の「記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段」に対し、「記憶手段に記憶された曲データの音符データを読み出す読出手段」である点で共通する。 また、後者の「演奏操作に対応する音高情報と符長情報を含む演奏情報」は、前者の「演奏操作に対応する演奏データ」ということができ、これを入力する後者の「鍵盤17等からなる手段」は、前者の「演奏データ入力手段」と対応する。 さらに、後者の「鍵盤17等からなる手段から入力された演奏情報と前記読み出し回路14により読み出された楽符情報を比較して、演奏操作の正解率を表示する」は、前者の「演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段」に対し、「演奏データ入力手段から入力された演奏データと読出手段により読み出された音符データを比較して、演奏操作の評価を表示する」点で共通する。 そして、後者の「練習用の電子楽器」は前者の「演奏練習装置」ということができる。 そうすると、両者は、「曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなる曲データを記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶された曲データの音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、を備え、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、演奏操作の評価を表示する演奏練習装置。」において一致し、次の点で相違する。 <相違点1>演奏データと音符データを比較して、演奏操作の評価を表示するために、前者が「比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段」を備えているのに対し、後者はこれらを備えていない点。 <相違点2>前者が、記憶手段に「夫々レベルの異なる曲データを複数種」記憶し、読出手段が「該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す」ようにした上で、「前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段」を備えているのに対し、後者はそもそも記憶手段に複数種の曲データを記憶させていない点。 相違点1について検討するに、甲2発明は、正解率を表示するものであって、比較した両データの正解即ち一致を検出することに基づく表示を行うものではあるが、甲第3号証に不一致を検出することが記載され(記載事項3-a,b等参照)、甲第4号証にも誤った演奏操作を検出することが記載され(記載事項4-a,g等参照)、しかも、甲第2号証には、誤りの数即ち不一致の数を具体的に演算して表示することもできる旨記載があることから(記載事項2-g等参照)、甲2発明においても、比較した両データの不一致により演奏操作の不適を検出してその回数をカウントすることに基づく表示を行う手段を設けることは、適宜なし得ることと認められる。 また、甲2発明は、甲第2号証の記載によれば、具体的にはタイミングや音高や符長(即ち音長)などの演奏操作の種別毎に正解率を表示するものであるから(記載事項2-f等参照)、上記の如く正解率の表示を不一致の数に基づく評価の表示に代える場合には、当然に、演奏操作の不適が検出されたときの音符データに基づいて不適な演奏操作の種別がタイミングや音高や音長のいずれであるかを判別し、判別された種別毎に不適な演奏操作の回数をカウントし、カウントされた種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価をパーセントなどで表示しなければならず、そのための手段を設けることは容易に想起できることである。 したがって、相違点1は当業者が容易になし得た設計の変更である。 相違点2について検討するに、上記甲第3号証に、演奏練習装置において、自動演奏曲を複数記憶させておくことが示唆され(記載事項3-b等参照)、特に、上記甲第4号証には、演奏練習装置において、記憶手段に夫々レベルの異なる複数種の曲データを記憶しておき(記載事項4-e等参照)、これらの曲データの内、次の練習に供すべき曲データとして、不適な演奏操作の操作回数に応じて、よりレベルの高い曲データか、同じレベルの曲データか、よりレベルの低い曲データか、のいずれかを自動的に選択して記憶手段から読出すことが記載されていることから(記載事項4-a,g等参照)、甲2発明においても、記憶手段に夫々レベルの異なる複数種の曲データを記憶させておき、読出手段により、記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出すようになし、不適な演奏操作の操作回数に応じて、よりレベルの高い曲データか、同じレベルの曲データか、よりレベルの低い曲データか、のいずれかを自動的に選択して読出手段により記憶手段から読出すようになすことは容易に想起できることである。 しかしながら、本件発明が、種別毎に不適な演奏操作の操作回数について許容値を定め、不適な演奏操作の操作回数が、全ての種別において種別毎に定めた該許容値以下か、全ての種別において種別毎に定めた該許容値を上回ったか、あるいはこれら以外か、に応じて次に読み出す曲データのレベルを決定しているのに対し、甲第4号証記載のものは、例えば、m回の練習による1回平均における全種別の不適な演奏操作の操作回数の総計が、0〜3なら曲をレベルアップし、4〜6なら現状の曲のレベルとし、7以上なら曲をレベルダウンするものであって(記載事項4-g等参照)、種別毎に不適な演奏操作の操作回数について許容値を定めることも、種別毎の不適な演奏操作の操作回数と種別毎の該許容値との関係に基づいて次に読み出す曲データのレベルを決定することも示唆するものではなく、他の証拠にもこれらのことを示唆するものはない。 また、例えばピアノ教室などにおいて、種別毎に熟練度のチェックと指導はなされていると思われるのであるが、練習曲をレベルアップするに当たっては、現在の練習曲について幾つかの種別に十分な熟練度がみられないとしても、その曲の演奏全体を総合的に判断(その曲の練習期間など種別以外の要素も判断材料とされ得る)して決定するのが一般的なことと考えられ、そのような場において行われているであろうことを考慮しても、種別毎に不適な演奏操作の操作回数について許容値を定め、かつ、種別毎の不適な演奏操作の操作回数と種別毎の該許容値との関係に基づいて次に読み出す曲データのレベルを決定することまで容易に想起できることであったとはいえない。 してみれば、相違点2は当業者が容易になし得た設計の変更であるとは認められない。 そして、本件発明は、特に上記相違点2に係る構成を備えることにより、注意すべき種別を念頭に置きながら、より無理のないレベルにあった練習ができるという明細書記載の作用効果を奏するものであるから、上記甲第2乃至6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 演奏練習装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、 該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、 演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、 該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、 該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、 該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、 該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、 前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合には、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、 を備えたことを特徴とする演奏練習装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、曲の演奏練習に用いられる演奏練習装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、曲の演奏練習に際しては練習者の演奏レベルに合った曲を選択して、その曲がマスターできたか否かを第三者が評価し、マスターできたならばよりレベルの高い曲の演奏練習を行う練習形態が採られる。しかし、このような練習形態にあっては、練習者が当該曲をマスターできたか否の評価を行い得る第三者の存在が必要となることから、手軽に独習を行うことができない。そこで、第三者がいなくとも、予め記憶された曲の演奏練習を可能にする演奏練習装置が提案されるに至っている。 【0003】 この演奏練習装置は、一連の音符データからなる曲データをもって記憶されている複数の練習曲の中から、練習者が自己の演奏レベルに応じた難易度の練習曲を選択すると、その練習曲の曲データを構成する音符データが読み出される。そして、練習者が演奏操作を行うとこの演奏操作に対応する演奏データが入力されて、練習曲の音符データと比較され、これにより押鍵の音高ミス、あるいはタイミングミスが検出されてカウントされる。このカウントされた、ミス回数の多少により、次により難易度の高い曲を練習させるか、より難易度の低い曲を練習させるかが決定されて、当該難易度の曲データが出力され、練習者がこの曲データに対応する曲の練習を継続することにより、演奏レベルの向上に伴って難易度の低い曲から難易度の高い曲を練習する練習形態が形成される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような従来の演奏練習装置にあっては、押鍵の音高ミスとタイミングミスとを区別することなく両者を共に演奏ミスとして取り扱い、演奏ミスの多少により難易度が異なる曲を練習し得るように構成されている。したがって、演奏ミスが多いことにより難易度の低い曲の練習を行うべく決定された場合であっても、当該演奏者は自己の演奏操作がどのような点で不適であるのか、つまり不適な演奏操作の種別を認識することができない。したがって、練習者は練習に際して注意すべき点を喚起されることなく、漫然と練習を行ってしまい、充分な練習効果が得られるものではなかった。 【0005】 本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、練習者に不適な演奏操作の種別を認識させるようにした演奏練習装置を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するための本発明にあっては、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、を備えている。 【0007】 【作用】 前記構成において、読出手段により記憶されたレベルの異なる複数の曲データの内、いずれかの曲データの音符データが順次読み出され、かつ、入力手段から操作された演奏操作に対応する演奏データが入力されると、検出手段は両データを比較し、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する。また、判別手段は、検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの音符データに基づき、不適な演奏操作の種別を判別する。 【0008】 つまり、音符データは曲を構成する各音符の音高及び音長を示すデータであることから、その音高における両データの不一致により、例えば演奏操作が鍵盤の白鍵において不適であるのか黒鍵において不適であるのか、あるいは、左鍵において不適であるのか右鍵において不適であるのか等の不適な演奏操作の種別を判別し得る。そこで、前記判別手段は、これら不適な演奏操作の種別を判別し、カウント手段はこの種別毎に、不適な演奏操作の回数をカウントする。さらに、表示手段は、カウント手段によりカウントされた白鍵又は黒鍵、左鍵域又は右鍵域における演奏操作の不適回数に応じて練習者が行った演奏操作の評価を表示し、よって、この表示手段により表示された評価の内容により練習者は不適な演奏操作の種別を客観的に認識し得る。そして、このカウントされた全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後読み出される曲データは、レベルの高いものに切り替わり、逆に全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後読み出される曲データはよりレベルの低いものに切り替わる。また、これらの場合以外は、再度同じ曲を読み出すようにする。これによってより適切なレベルの曲により演奏練習することができる。 【0009】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図にしたがって説明する。すなわち、図1は本発明の演奏練習装置を適用した電子楽器のブロック図であって、CPU1はROM2内に記憶されたデータ及びプログラム、ワーキングRAM3内に一時記憶されるデータ等に基づき、この電子楽器において必要となる全ての制御を実行する。CPU1には、鍵盤部4とスイッチ部5から各々操作情報が入力され、前記鍵盤部4は、白鍵と黒鍵とからなり各鍵にノートナンバーが付された鍵盤と押鍵検出及び発音割り当て回路よりなる。前記スイッチ部5には、練習曲の難易度を設定する際に操作される各々レベル値に対応する複数のレベル選択スイッチや、電子楽器として必要なスイッチ類が設けられている。 【0010】 また、タイマー6は、練習者の押鍵タイミングを計時する場合等に用いられる一定周波数のクロックを生成してCPU1に入力し、CPU1はタイマー6からのクロックにより計時するタイマーカウンタを有している。楽音生成部7は、CPU1が行う発音の指示に従って楽音信号を生成し、該楽音信号はD/A変換器8及びアンプ9を介してスピーカ10に与えられ、該スピーカ10より外部に放音される。表示部11は、楽曲の拍子を例えばLED等の点滅で表示するメトロノームや、前記鍵盤部4の各鍵ごとに配置され押鍵すべき鍵を点灯表示するナビゲート用のLED等が設けられおり、表示装置12は演奏結果に関する評価を文字表示可能なLCD及びこのLCDを駆動する回路で構成されている。 【0011】 ROM2には、難易度が異なる複数の曲の曲データとが記憶されており、各曲データにはそのレベルを示す値が記憶されているとともに、図2に示したフォーマットにて曲を構成する音符のノートナンバーと音符長データが記憶されている。図2に示した曲データは図3(a)のメロディに対応したものであって、ノートナンバーと音符長データとが交互に書き込まれており、曲データの最終部分にはENDマークである00 00が記憶されている。さらに、ROM2には、図4に示したA〜Dまでの文字表示を前記表示装置12に表示されるための文字データが記憶されている。 【0012】 次に、以上の構成にかかる本実施例のミスカウント動作について説明する。すなわち、本実施例では、押鍵すべき鍵の適否つまり音高に関する適否の他に、押鍵タイミングの適否も判別してカウントするようにしている。先ず、押鍵すべき鍵の適否に関して説明すると、ROM2からワーキングRAM3に転送されて、該ワーキングRAM3より順次読み出される音高データ、つまり図2のノートナンバーがCPU1内の音高レジスタに格納される。一方、鍵盤部4からは演奏データとして押鍵された鍵の音高データ(ノートナンバー)が入力され、この音高データは前述とは異なる音高レジスタに格納される。そして、この両レジスタに内容がCPU1により比較され、両者が一致しなければ練習者の押鍵ミスがあったものとして、ワーキングRAM3内に設けられたミスカウンタがカウントアップされる。 【0013】 また、押鍵タイミングに関しては、ROM2より前記ノートナンバーと対で記憶されている音符長データが読み出され、音符長レジスタに格納される。そして、この音符長データは1音ごとに累算されるが、この累算値Xは曲の開始時にリセットされるため、曲の開始時から現在の曲位置までの時間を示すことになる。これに対して、練習者が鍵盤部4を演奏操作すると、鍵盤部4からは前述のように押鍵された鍵の音高データが出力されるとともに、その押鍵タイミングで曲の開始時から順次カウントアップしているCPU1内のカウンタの時間データがタイミングデータTとして出力される。 【0014】 このタイミングデータTが、前記音符長データの累算値Xに対して、許容値t(図3(b)参照)以内に入るか否かが判別される。すなわち、音符長データの累算値Xと許容値tを用いて、CPU1で上限許容値X+t/2、及び下限許容値X-t/2が演算され、これを用いて、タイミングデータTが許容範囲X±t/2に入っているか否かが判別される。この判別の結果、タイミングデータTが前記許容範囲に入っていない場合は、タイミングミスとしてミスカウンタがカウントアップされる。 【0015】 次に、本発明の第1実施例におけるCPU1の具体的な動作を図5,6に示したフローチャートに従って説明する。図5に示した本実施例の全体動作フローにおいて、mは1曲を単位とした演奏回数、Mは同じ曲を繰り返す際の基準回数(例えば5回)、ミスカウンタ1は鍵盤の黒鍵の演奏ミスを、ミスカウンタ2は白鍵の演奏ミスを各々カウントするカウンタであり、N1は黒鍵の演奏ミスの許容値、N2は白鍵の演奏ミスの許容値を各々示す。 【0016】 この全体動作フローはCPU1が、ROM2内に記憶されているプログラムを実行する処理として実現され、先ず演奏回数をカウントするmが0リセットされ(SA1)、引き続き、ミスカウンタ計測処理が実行される(SA2)。 【0017】 このミスカウンタ計測処理は、図6に示したフローチャートに従った処理であり、練習者の黒鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ1と、白鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ2とがクリアされ(SB1)、次いで前述したCPU1内のレジスタXが0リセットされる(SB2)。このSB1とSB2によりイニシャライズ処理が実行された後、ワーキングRAM3より練習曲の1音符分のデータ、すなわち、音高データであるノートナンバーanと音符長データBがCPU1内の音高レジスタと音符長レジスタとにロードされる(SB3)。このとき、練習者は表示部11のLEDのメトロノームに従って鍵盤部4の鍵を操作するか、ナビゲート用のLEDにしたがって鍵を操作するか、あるいは通常のピアノレッスンのように楽譜を見て押鍵する。 【0018】 次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SB4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが黒鍵であるか否かが判別される(SB5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、黒鍵に対応するノートナンバーであるか、白鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SB5ではこのノートナンバーanが示す値が黒鍵であるか否かが判別され、黒鍵である場合にはこれを示すC1フラグがセットされ(SB7)、また、白鍵である場合にはC1フラグがリセットされる(SB6)。 【0019】 しかる後に、鍵盤部4の鍵が走査されて(SB8)、押鍵があったか否かが判別される(SB9)。押鍵があった場合には、当該鍵のノートナンバー(a1)に基づき押鍵処理が実行され(SB11)、このノートナンバー(a1)が音高レジスタにセットされる。さらに、別の音高レジスタに読み出された曲データの音符のノートナンバーanと押鍵された鍵のノートナンバーa1とが等しいか否かが判別され(SB12)、等しくない場合には誤った鍵が押されたこととなり、このときC1フラグがセットされているか否かが判別される(SB13)。 【0020】 C1フラグがセットされていれば、黒鍵に対応して誤った鍵が押鍵されたこととなることから、黒鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ1の計数値がカウントアップされる(SB14)。また、SB13の判別においてC1フラグがリセットされていれば、白鍵に対応して誤った鍵が押されたこととなることから、白鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ2の計数値がカウントアップされる(SB15)。さらに、SB12の判別において、a1=anであって、正しい押鍵がなされた場合には、SB14およびSB15の処理が実行されることなくSB16に進む。 【0021】 他方、SB9の判別において押鍵がなかった場合には、図3(b)をもって説明したように、現在の時間を示すタイミングデータTが前記上限許容値X+t/2を越えたか否かが判別される(SB10)。そして、この判別がNOであって、未だ上限許容値を越えていない場合には、SB8に戻ってさらに押鍵を待つ。これに対して、タイミングデータTが上限許容値以上となると(図3の▲2▼区間)、SB10の判別はYESとなる。これにより、押鍵すべきときに練習者の押鍵がないことが検出され、SB13に進んでC1フラグがセットされているか否かが判別され、この判別結果に応じてミスカウンタ1(SB14)またはミスカウンタ2(SB15)がカウントアップされる。 【0022】 引き続き、いままでの累算値Xの値にCPU1内のレジスタにセットされている音符長データBが加算され、図3の▲2▼点に対応する新たな累算値Xとされる(SB16)。次に、鍵盤部4の鍵が走査されて(SB17)、押鍵があったか否かが判別され(SB18)、この判別がYESの場合は、押鍵に基づくノートナンバーa2で押鍵処理が実行されてその楽音が発音される(SB20)。 【0023】 しかしこの場合は、次の音符データがロードされる前に、楽譜(図3(a))の音符より早い押鍵があったことになることから、この場合もC1フラグがセットされているか否かが判別され(SB21)、その判別結果に応じてミスカウンタ1(SB22)またはミスカウンタ2(SB23)がカウントアップされる。また、SB18の判別がNOであれば、押鍵がないことになり、離鍵がなされたか否かが判別される(SB19)。この判別がYESの場合には、離鍵処理(SB24)が実行されて楽音生成部7に対して発音停止が指示され、また、NOの場合はSB25に進む。 【0024】 そして、SB20、SB22またはSB23、SB24の処理の後、SB25においては、前述の音符長の累算値Xから許容値tの1/2を減算した差X-t/2を下限許容値として、現在の時間を示すタイミングデータTがこの下限許容値X-t/2以上となっているか否かが判別される。タイミングデータTが下限許容値X-t/2(図3の▲4▼点)より小さい間は、SB25の判別はNOとなりSB17に戻って、次の押鍵を待つ。したがって、その間SB17→SB18→SB19→SB25→SB17のループが繰り返され、タイミングデータTが下限許容値X-t/2以上となると、SB25の判別がYESとなりSB3に戻る。 【0025】 再びSB3において、ワーキングRAM3より練習曲の次の1音符分の曲データがロードされて、図3(b)の▲4▼点から▲5▼点までの間にSB10を含んだループの処理が繰り返される。その間に押鍵があれば押鍵の音高a1と音符データのノートナンバーanとが合っているか否かが判別され、また押鍵がなければC1フラグのセット、リセットに応じてミスカウンタ1またはミスカウンタ2の計数値がカウントアップされる。その後、図3(b)の▲5▼点を過ぎると、次の音のt/2手前の時点(図3(b)の▲6▼点)までの間で、余分な新たな押鍵があったか否かがSB17〜SB25→SB17のループの処理で判別される。 【0026】 以上のように、1音符ずつ曲データがロードされる度に、SB16におけるXは曲データの音符長の累算値によって更新され、練習者の押鍵操作のタイミングに関する適否は、タイミングデータTがXに対する許容範囲内にあるか否かによって行われる。また、SB4において読み出した曲データが曲の最終の部分であれば、この判別がYESとなり、図5に示したメインルーチンにリターンする。よって、メインルーチンにリターンした時点においては、ミスカウンタ1には練習曲を1回演奏した場合の黒鍵の押鍵ミスとタイミングミスが、ミスカウンタ2には同様に練習曲を1回演奏した場合の白鍵の押鍵ミスとタイミングミスとが各々カウントされている。 【0027】 そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M未満である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され、演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の黒鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の白鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。 【0028】 そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの黒鍵の演奏ミスの平均値を求め、この黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるか否かが判別される。このSA5の判別結果に応じて、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合にはAフラグがセットされる(SA6)。 【0029】 引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの白鍵の演奏ミスの平均値を求め、この白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であるか否かが判別される。このSA8の判別結果に応じて、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合にはBフラグがセットされる(SA9)。 【0030】 したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。 【0031】 よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値以下であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。 【0032】 また、“A=1,B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合には、図4に示したB表示「黒鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により黒鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。このとき、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において黒鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。 【0033】 また、“A=0,B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるが、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合には、図4に示したC表示「白鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により白鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17と同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになるが、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において白鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。 【0034】 さらに、“A=B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値以上であったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行され、練習者のレベルにあった無理のない練習形態が形成される。 【0035】 図7は、本発明の第2実施例における全体動作フローを示すものであり、先ずイニシャライズ処理が実行されて本実施例で用いられるフラグ等が初期化される(SC1)。引き続き、前述したスイッチ部5に設けられているレベル選択スイッチが操作されたか否かが判別され(SC2)、操作されたならば、ROM2からこのレベル選択スイッチの操作により設定されたレベルに対応した曲データがワーキングRAM3へ転送される(SC3)。さらに、演奏回数m、黒鍵の演奏ミス累算値M1、白鍵の演奏ミス累算値M2が0リセットされた後(SC4)、ミスカウンタ計測処理が実行される(SC5)。 【0036】 このミスカウンタ計測処理(SC5)は、図6をもって説明した第1実施例と同様の処理であり、したがってミスカウンタ1には練習曲を1回演奏した場合において発生した黒鍵の演奏ミスが、また、ミスカウンタ2には練習曲を1回演奏した場合において発生した白鍵の演奏ミスが、各々計測されている。そして、ミスカウンタ計測処理が実行された後、今回のミスカウンタ1の値が今までの黒鍵のミス累算値に累算されて新たな黒鍵のミス累算値M1とされるとともに(SC6)、今回のミスカウンタ2の値が今までの白鍵のミス累算値に累算されて新たな白鍵のミス累算値M2とされ(SC7)、引き続き演奏回数mがインクリメントされる(SC8)。 【0037】 次に、演奏回数mが基準回数Mを上回ったか否かが判別され(SC9)、演奏回数mが基準回数M以下である場合にはSC2に戻る。このSC2からの判別処理が実行された際に、レベル選択スイッチの操作を行っていない状態にあれば、SC4で既にワーキングRAM3に転送されている、前回と同一の曲データによりミスカウンタ計測処理が実行される(SC5)。したがって、SC9の判別がYESとなってm>Mとなるまでに、同じ曲データを用いてM+1回ミスカウンタ計測処理(SC5)が実行されることになる。 【0038】 そして、SC9に続くSC10では、M+1回分の黒鍵のミス累算値M1が所定の最大値Max1以上であるか否かが判別され、黒鍵のミス累算値M1が所定の最大値Max1以上である場合には、さらにM+1回分の白鍵のミス累算値M2が所定の最大値Max2以上であるか否かが判別される(SC11)。SC10とSC11の判別が共にYESであって、黒鍵のミス累算値M1が所定の最大値Max1以上であり、かつ、白鍵のミス累算値M2が所定の最大値Max2以上である場合には、黒鍵及び白鍵とも不適正である。よって、m,M1,M2がリセットされた後(SC12)、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が一定時間表示装置12に表示される。 【0039】 そこで、この表示にしたがって練習者がレベル選択スイッチを操作して、レベルの低い練習曲を選択すると、SC2の判別がYESとなってSC2からSC3に進み、SC3ではROM2から予めレベル選択スイッチの操作によりダウンされたレベルに対応した曲データが読み出されてワーキングRAM3に転送された後、ミスカウンタ計測処理(SC5)が実行される。よって、SC10とSC11の判別が共にYESとなった場合には、練習者が表示にしたがってレベル選択スイッチを操作することにより、自己のレベルに合った練習曲にて適正な練習を行い得る。 【0040】 また、SC10の判別がYESであってSC11の判別がNOとなった場合には、黒鍵のミス累算値M1は所定の最大値Max1以上であるが、白鍵のミス累算値M2が所定の最大値Max2未満であって、白鍵は適正であるが黒鍵が不適正である場合である。かかる場合には、m,M1,M2がリセットされた後(SC14)、図4に示したB表示「黒鍵のミスが多いようです。もう1度」が一定時間表示装置12に表示される(SC15)。 【0041】 そこで、この表示にしたがって練習者がレベ選択スイッチを操作して、前回と同じレベルの曲を選択すると、再度SC2に戻って判別処理が実行された際、練前回と同じ練習曲の曲データが読み出されてワーキングRAM3に転送された後、ミスカウンタ計測処理(SC5)が実行される。よって、SC10の判別がYESであって、SC11の判別がNOであった場合には、練習者が表示にしたがってレベル選択スイッチを操作することにより、同じ曲で黒鍵の操作を意識して効果的な練習が可能となる。 【0042】 また、SC10の判別がNOであって、黒鍵のミス累算値M1が所定の最大値Max1未満である場合、つまり黒鍵に関しては適正である場合には、SC10からSC16に進んで、白鍵のミス累算値M2が所定の最大値Max2以下であるか否かが判別される。このSC16のの判別がNOとなった場合には、黒鍵のミス累算値M1は所定の最大値Max1未満であるが、白鍵のミス累算値M2が所定の最大値Max2を超える場合であって、黒鍵は適正であるが白鍵が不適正である場合である。かかる場合には、m,M1,M2がリセットされた後(SC17)、図4に示したC表示「白鍵のミスが多いようです。もう1度」が一定時間表示装置12に表示される(SC18)。 【0043】 そこで、この表示にしたがって練習者がレベル選択スイッチを操作して、前回と同じレベルの曲を選択すると、再度SC2に戻って判別処理が実行された際、前回と同じ練習曲の曲データが読み出されてワーキングRAM3に転送された後、ミスカウンタ計測処理(SC5)が実行される。よって、SC10とSC16の判別が共にNOであった場合には、練習者が表示にしたがってレベル選択スイッチを操作することにより、同じ曲で白鍵の操作を意識して効果的な練習が可能となる。 【0044】 これらに対し、SC16の判別がYESであれば、黒鍵と白鍵とが共に適正であって、演奏者はこのレベルの練習曲をマスターしたものとすることができる。この場合には、m,M1,M2がリセットされた後(SC19)、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が一定時間表示装置12に表示される(SC20)。そこで、この表示にしたがって練習者がレベル選択スイッチを操作して、レベルの高い曲を選択すると、再度SC2に戻って判別処理が実行された際、練習者がSC3ではROM2から予めレベル選択スイッチの操作によりレベルアップされたレベルに対応した曲データが読み出されてワーキングRAM3に転送された後、ミスカウンタ計測処理(SC5)が実行される。よって、SC10の判別がNOであって、SC16の判別がYESとなった場合には、練習者が表示にしたがってレベル選択スイッチを操作することにより、自己のレベルアップに合った練習曲にて適正な練習を行い得る。 【0045】 図8〜10は、本発明の第3実施例を示すものであり、この第3実施例においては、ROM2に図8に示したA〜Dの文字表示を前記表示装置12に表示させるための文字データが記憶されている。そして、図9の全体動作フローにおいては、先ず1曲を単位とした演奏回数m及びフラグAが0リセットされ(SD1)、引き続き、ミスカウンタ計測処理が実行される(SD2)。 【0046】 このミスカウンタ計測処理は、図10に示したフローチャートに従った処理であり、練習者の黒鍵の押鍵ミスをカウントするミスカウンタ1と、白鍵の押鍵ミスをカウントするミスカウンタ2、及びタイミングミスをカウントするミスカウンタ3がクリアされ(SE1)、次いで前述したCPU1内のレジスタXが0リセットされる(SE2)。このSE1とSE2によりイニシャライズ処理が実行された後、ワーキングRAM3より練習曲の1音符分のデータ、すなわち、音高データであるノートナンバーanと音符長データBがCPU1内の音高レジスタと音符長レジスタとにロードされる(SE3)。このとき、練習者は表示部11のLEDのメトロノームに従って鍵盤部4の鍵を操作するか、ナビゲート用のLEDにしたがって鍵を操作するか、あるいは通常のピアノレッスンのように楽譜を見て押鍵する。 【0047】 次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SE4)、終わりでなければ鍵盤部4の鍵が走査されて(SE5)、押鍵があったか否かが判別される(SE6)。押鍵があった場合には、当該鍵のノートナンバー(a1)に基づき押鍵処理が実行され(SE9)、このノートナンバー(a1)が音高レジスタにセットされる。さらに、別の音高レジスタに読み出された曲データの音符のノートナンバーanと押鍵された鍵のノートナンバーa1とが等しいか否かが判別され(SE10)、等しくない場合には誤った鍵が押されたこととなる。 【0048】 次に、ノートナンバーanが黒鍵のノートナンバーであるか否かが判別され(SE11)、黒鍵のノートナンバーであれば、黒鍵の押鍵ミスであることからミスカウンタ1の計数値がカウントアップされる(SE12)。また、ノートナンバーanが黒鍵のノートナンバーでなければ、必然的に白鍵のノートナンバーであって、白鍵の押鍵ミスであることから、ミスカウンタ2の計数値がカウントアップされる。さらに、SE10の判別において、a1=anであって、正しい押鍵がなされた場合には、SE12およびSE13の処理が実行されることなくSE14に進む。 【0049】 他方、SE6の判別において押鍵がなかった場合には、現在の時間を示すタイミングデータTが前記上限許容値X+t/2を越えたか否かが判別される(SE7)。そして、この判別がNOであって、未だ上限許容値を越えていない場合には、SE5に戻ってさらに押鍵を待つ。これに対して、タイミングデータTが上限許容値以上となると(図3の▲2▼区間)、SE7の判別はYESとなる。これにより、押鍵すべきときに練習者の押鍵がないことが検出され、SE8に進んでタイミングミスをカウントしているミスカウンタ3の計数値がカウントアップされる(SE8)。 【0050】 引き続き、いままでの累算値Xの値にCPU1内のレジスタにセットされている音符長データBが加算され、図3の▲2▼点に対応する新たな累算値Xとされる(SE14)。次に、鍵盤部4の鍵が走査されて(SE15)、押鍵があったか否かが判別され(SE16)、この判別がYESの場合は、押鍵に基づくノートナンバーa2で押鍵処理が実行されてその楽音が発音される(SE18)。 【0051】 しかしこの場合は、次の音符データがロードされる前に、楽譜(図3(a))の音符より早い押鍵がありタイミングミスであることから、この場合もミスカウンタ3の計数値がカウントアップされる(SE19)。また、SE16の判別がNOであれば、押鍵がないことになり、離鍵がなされたか否かが判別される(SE17)。この判別がYESの場合には、離鍵処理(SE20)が実行されて楽音生成部7に対して発音停止が指示され、また、NOの場合はSE21に進む。 【0052】 そして、SE18、SE19またはSE20の処理の後、SE21においては、前述の音符長の累算値Xから許容値tの1/2を減算した差X-t/2を下限許容値として、現在の時間を示すタイミングデータTがこの下限許容値X-t/2以上となっているか否かが判別される。タイミングデータTが下限許容値X-t/2(図3の▲4▼点)より小さい間は、SE21の判別はNOとなりSE15に戻って、次の押鍵を待つ。したがって、その間SE15→SE16→SE17→SE21→SE15のループが繰り返され、タイミングデータTが下限許容値X-t/2以上となると、SE21の判別がYESとなりSE3に戻る。 【0053】 再びSE3において、ワーキングRAM3より練習曲の次の1音符分の曲データがロードされて、図3(b)の▲4▼点から▲5▼点までの間にSE7を含んだループの処理が繰り返される。その間に押鍵があれば押鍵の音高a1と音符データのノートナンバーanとが合っているか否かが判別され、また押鍵がなければミスカウンタ3の計数値がカウントアップされる。その後、図3(b)の▲5▼点を過ぎると、次の音のt/2手前の時点(図3(b)の▲6▼点)までの間で、余分な新たな押鍵があったか否かがSE15〜SE21→SE15のループの処理で判別される。 【0054】 以上のように、1音符ずつ曲データがロードされる度に、SE14におけるXは曲データの音符長の累算値によって更新され、練習者の押鍵操作のタイミングに関する適否は、タイミングデータTがXに対する許容範囲内にあるか否かによって行われる。また、SE4において読み出した曲データが曲の最終の部分であれば、この判別がYESとなり、図9に示したメインルーチンにリターンする。よって、メインルーチンにリターンした時点においては、ミスカウンタ1には練習曲を1回演奏した場合の黒鍵の押鍵ミスが、ミスカウンタ2には白鍵の押鍵ミスが、またミスカウンタ3には黒鍵と白鍵とを問わず全体のタイミングミスが各々カウントされている。 【0055】 そして、図9のメインルーチンではSD2に続くSD3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数Mとなったか否かが判別される(SD4)。この演奏回数mが基準回数Mとなっていない場合にはSD2に戻って、SD2及びSD3の処理が実行され演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SD4からSD5に進む。よって、SD4からSD5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の黒鍵の押鍵ミスが計測され、ミスカウンタ2にはM回分の白鍵の押鍵ミスが計測され、ミスカウンタ3にはM回分のタイミングミスが計測されている。 【0056】 そこで、SD5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの黒鍵の押鍵ミスの平均値を求め、この黒鍵の押鍵ミスの平均値が許容値N1以下であるか否かが判別される。黒鍵の押鍵ミスの平均値が許容値N1を上回る場合には、Aフラグがセットされるとともに(SD6)、図8に示したA表示「黒鍵の押鍵ミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示される(SD7)。 【0057】 SD5の判別がYESであった場合、または、SD6,SD7の処理が実行された後、SD8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの白鍵の押鍵ミスの平均値を求め、この白鍵の押鍵ミスの平均値が許容値N2以下であるか否かが判別される。白鍵の押鍵ミスの平均値が許容値N2を上回る場合には、Aフラグがセットされるとともに(SD9)、図8に示したB表示「白鍵の押鍵ミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示される(SD10)。 【0058】 SD8の判別がYESであった場合、または、SD9,SD10の処理が実行された後、SD11ではミスカウンタ3の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりのタイミングミスの平均値を求め、このタイミングミスの平均値が許容値N3以下であるか否かが判別される。タイミングミスの平均値が許容値N3を上回る場合には、Aフラグがセットされるとともに(SD13)、図8に示したC表示「タイミングミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示される(SD14)。また、SD11の判別がYESであって、タイミングミスが許容値N3以下であった場合には、図8に示したC表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示される(SD12)。 【0059】 そして、対応する判別結果に応じて、SD7、SD10、SD12、SD14で表示が実行された後、一定時間が経過したか否かが判別され(SD15)、その間、表示装置12に前記判別結果に応じた表示が継続され、一定時間が経過後、Aフラグがセットされているか否かが判別され、D表示が実行された場合のようにAフラグがセットされていないときには、曲がステップアップされる(SD7)。また、A〜C表示が実行された場合のようにAフラグがセットされているときには、Aフラグのリセットのみを行ってSD1にリターンする。したがって、A〜C表示が実行された場合には、曲がステップアップされることなく、同一曲に対して再度ミスカウンタ計測処理が実行されることになるが、この実施例においては、黒鍵及び白鍵の押鍵ミスとタイミングミスに対する評価が区別して表示される。よって、練習者は再度同じ曲を演奏練習する際に、より具体的に自己の欠点を意識しつつ練習を行うことができ、これにより一層効果的な練習が可能となる。 【0060】 図11〜13は、本発明の第4実施例を示すものであり、この第4実施例においては、ROM2には図11に示したA〜Dの文字表示を前記表示装置12に表示させるための文字データが記憶されている。また、この第4実施例の全体動作フローは図5に示した第1実施例と共通であり、SA2のミスカウンタ計測処理の処理内容が、第1実施例とは異なっている。すなわち、図5の全体動作フローにおいては、先ず演奏回数をカウントするmが0リセットされ(SA1)、引き続き、ミスカウンタ計測処理が実行される(SA2)。 【0061】 このミスカウンタ計測処理は、図12,13に示した一連のフローチャートに従った処理であり、練習者の右鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ1と、左鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ2とがクリアされ(SF1)、次いで前述したCPU1内のレジスタXが0リセットされる(SF2)。このSF1とSF2によりイニシャライズ処理が実行された後、ワーキングRAM3より練習曲の1音符分のデータ、すなわち、音高データであるノートナンバーanと音符長データBがCPU1内の音高レジスタと音符長レジスタとにロードされる(SF3)。このとき、練習者は表示部11のLEDのメトロノームに従って鍵盤部4の鍵を操作するか、ナビゲート用のLEDにしたがって鍵を操作するか、あるいは通常のピアノレッスンのように楽譜を見て押鍵する。 【0062】 次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SF4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが右鍵であるか否かが判別される(SF5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、右鍵に対応するノートナンバーであるか、左鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SF5ではこのノートナンバーanが示す値が右鍵であるか否かが判別され、右鍵である場合にはこれを示すCフラグがセットされ(SF7)、また、左鍵である場合にはCフラグがリセットされる(SF6)。 【0063】 しかる後に、後述するAフラグがセットされているか否かが判別され(SF8)、Aフラグがセットされていない場合には、さらにBフラグがセットされているか否かが判別される(SF13)。ここで、AフラグとBフラグとが共にセットされていないとすると、SA13からSF18に進んで鍵盤部4の鍵が走査されて、押鍵があったか否かが判別される(SF19)。押鍵があった場合には、当該鍵のノートナンバー(a1)に基づき押鍵処理が実行され(SF24)、このノートナンバー(a1)が音高レジスタにセットされる。 【0064】 さらに、別の音高レジスタに読み出された曲データの音符のノートナンバーanと押鍵された鍵のノートナンバーa1とが等しいか否かが判別され(SF25)、等しくない場合には誤った鍵が押されたこととなり、このときCフラグがセットされているか否かが判別される(SF26)。Cフラグがセットされていれば、右鍵において誤った押鍵がなされたことになることから、右鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ1の計数値がカウントアップされる(SF27)。また、SF26の判別がNOであれば、左鍵に対応して誤った鍵が押されたことになることから、左鍵の演奏ミスをカウントするミスカウンタ2の計数値がカウントアップされる(SF28)。さらに、SF25の判別において、a1=anであって、正しい押鍵がなされた場合には、SF27およびSF28の処理が実行されることなくSF29に進む。 【0065】 他方、SF19の判別において押鍵がなかった場合には、図3(b)をもって説明したように、現在の時間を示すタイミングデータTが前記上限許容値X+t/2を越えたか否かが判別される(SF20)。そして、この判別がNOであって、未だ上限許容値を越えていない場合には、SF18に戻ってさらに押鍵を待つ。これに対して、タイミングデータTが上限許容値以上となると(図3の▲2▼区間)、SF20の判別はYESとなる。これにより、押鍵すべきときに練習者の押鍵がないことが検出され、SF21に進んでCフラグがセットされているか否かが判別され、この判別結果に応じてミスカウンタ1(SF22)またはミスカウンタ2(SF23)がカウントアップされる。 【0066】 引き続き、いままでの累算値Xの値にCPU1内のレジスタにセットされている音符長データBが加算され、図3の▲2▼点に対応する新たな累算値Xとされる(SF29)。次に、鍵盤部4の鍵が走査されて(図13のSF30)、押鍵があったか否かが判別され(SF31)、この判別がYESの場合は、押鍵に基づくノートナンバーa2で押鍵処理が実行されてその楽音が発音される(SF34)。 【0067】 しかしこの場合は、次の音符データがロードされる前に、楽譜(図3(a))の音符より早い押鍵があったことになることから、この場合もCフラグがセットされているか否かが判別され(SF35)、その判別結果に応じてミスカウンタ1(SF36)またはミスカウンタ2(SF37)がカウントアップされる。また、SF31の判別がNOであれば、押鍵がないことになり、離鍵がなされたか否かが判別される(SF32)。この判別がYESの場合には、離鍵処理(SF33)が実行されて楽音生成部7に対して発音停止が指示され、また、NOの場合はSF38に進む。 【0068】 そして、SF84、SF36またはSF37、SF33の処理の後、SF38においては、前述の音符長の累算値Xから許容値tの1/2を減算した差X-t/2を下限許容値として、現在の時間を示すタイミングデータTがこの下限許容値X-t/2以上となっているか否かが判別される。タイミングデータTが下限許容値X-t/2(図3の▲4▼点)より小さい間は、SF28の判別はNOとなりSF30に戻って、次の押鍵を待つ。したがって、その間SF30→SF31→SF32→SF38→SF30のループが繰り返され、タイミングデータTが下限許容値X-t/2以上となると、SF38の判別がYESとなりSF3に戻る。 【0069】 再びSF3において、ワーキングRAM3より練習曲の次の1音符分の曲データがロードされて、図3(b)の▲4▼点から▲5▼点までの間にSF20を含んだループの処理が繰り返される。その間に押鍵があれば押鍵の音高a1と音符データのノートナンバーanとが合っているか否かが判別され、また押鍵がなければCフラグのセット、リセットに応じてミスカウンタ1またはミスカウンタ2の計数値がカウントアップされる。その後、図3(b)の▲5▼点を過ぎると、次の音のt/2手前の時点(図3(b)の▲6▼点)までの間で、余分な新たな押鍵があったか否かがSF30〜SF38→SF30のループの処理で判別される。 【0070】 以上のように、1音符ずつ曲データがロードされる度に、SF29におけるXは曲データの音符長の累算値によって更新され、練習者の押鍵操作のタイミングに関する適否は、タイミングデータTがXに対する許容範囲内にあるか否かによって行われる。また、SF4において読み出した曲データが曲の最終の部分であれば、この判別がYESとなり、図5に示したメインルーチンにリターンする。よって、メインルーチンにリターンした時点においては、ミスカウンタ1には練習曲を1回演奏した場合の右鍵の押鍵ミスとタイミングミスが、ミスカウンタ2には同様に練習曲を1回演奏した場合の左鍵の押鍵ミスとタイミングミスとが各々カウントされている。 【0071】 そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M未満である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の右鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の左鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。 【0072】 そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの右鍵の演奏ミスの平均値を求め、この右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるか否かが判別される。さらに、このSA5の判別結果に応じて、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合にはAフラグがセットされる(SA6)。 【0073】 引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの左鍵の演奏ミスの平均値を求め、この左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であるか否かが判別される。さらに、このSA8の判別結果に応じて、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合にはBフラグがセットされる(SA9)。 【0074】 したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。 【0075】 よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値以下であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。 【0076】 また、“A=1,B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合には、図4に示したB表示「右鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により右鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行される。 【0077】 また、“A=0,B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるが、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合には、図4に示したC表示「左鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により左鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。 【0078】 さらに、“A=B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値を上回ったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。 【0079】 そして、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=1,B=0とされた場合、つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であって、右鍵のミスが多い場合には、図12のSF8の判別がYESとなる。よって、SF8からSF9に進み、Cフラグがリセットされているか否か、すなわち、SF3で読み出されたノートナンバー(an)が左鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が左鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF10)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。 【0080】 引き続き、いままでの累算値Xの値にCPU1内のレジスタにセットされている音符長データBが加算され、図3の▲2▼点に対応する新たな累算値Xとされる(SF11)。次に、現在の時間を示すタイミングデータTが前記累算値Xとなったか否かが判別され(SF12)、T=Xとなった時点でSF3に戻る。一方、SF9の判別がNOであって、ロードされたノートナンバー(an)が右鍵である場合には、SF9からSF13に進み、Bフラグがセットされているか否かが判別されるが、この例の場合Bフラグはリセットされていることから、SF13からSF18に進み、前述したSF18以降の判別処理が実行される。 【0081】 すなわち、このように右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であって、右鍵のミスが多い場合には、左鍵の音符データ(an,B)を楽音生成部7を転送して、曲データの左鍵側のみを自動演奏させる。これにより、練習者は左鍵の自動演奏に合わせて、右鍵の演奏練習を集中的に行うことができ、右鍵に対する効果的な練習形態を形成することができる。 【0082】 これに対し、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=0,B=1とされた場合、つまり右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合であって、左鍵のミスが多い場合には、SF8の判別がNOとなるとともに、SF13の判別がYESとなる。よって、SF13からSF14に進み、Cフラグがセットされているか否か、すなわちSF3で読み出されたノートナンバー(an)が右鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が右鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF15)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。 【0083】 引き続き、いままでの累算値Xの値にCPU1内のレジスタにセットされている音符長データBが加算され、図3の▲2▼点に対応する新たな累算値Xとされる(SF11)。次に、現在の時間を示すタイミングデータTが前記累算値Xとなったか否かが判別され(SF12)、T=Xとなった時点でSF3に戻る。一方、SF14の判別がNOであって、ロードされたノートナンバー(an)が左鍵である場合には、SF14からSF18に進み、前述したSF18以降の判別処理が実行される。 【0084】 すなわち、このように右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合であって、左鍵のミスが多い場合には、右鍵の音符データ(an,B)を楽音生成部7を転送して、曲データの右鍵側のみを自動演奏させる。これにより、練習者は右鍵の自動演奏に合わせて、左鍵の演奏練習を集中的に行うことができ、左鍵に対する効果的な練習形態を形成することができる。 【0085】 【発明の効果】 以上説明したように本発明は、不適な演奏操作の種別を判別し、判別した種別毎に不適な演奏操作の回数をカウントして、カウントした種別毎の不適な演奏操作の回数に応じた演奏操作の評価を表示するようにした。よって、練習者は表示された評価により、不適な演奏操作の種別を認識することができ、不適な演奏操作の種別を意識しつつ演奏練習を行うことにより、上達をより早く高める優れた練習効果を得ることが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の各実施例にかかる電子楽器の全体構成を示すブロック図である。 【図2】 各実施例の曲データのメモリフォーマットを示す説明図である。 【図3】 楽曲の一例と押鍵時のタイミングとを示す説明図である。 【図4】 本発明の第1及び第2実施例において表示装置に表示される表示形態の一例を示す図である。 【図5】 本発明の第1及び第4実施例の全体動作を示すフローチャートである。 【図6】 本発明の第1実施例のミスカウンタ計測処理の内容を示すフローチャートである。 【図7】 本発明の第2実施例の全体動作を示すフローチャートである。 【図8】 本発明の第3実施例において表示装置に表示される表示形態の一例を示す図である。 【図9】 本発明の第2実施例の全体動作を示すフローチャートである。 【図10】 同実施例のミスカウンタ計測処理の内容を示すフローチャートである。 【図11】 本発明の第4実施例において表示装置に表示される表示形態の一例を示す図である。 【図12】 同実施例のミスカウンタ計測処理の内容の一部を示すフローチャートである。 【図13】 図12に続くフローチャートである。 【符号の説明】 1 CPU 2 ROM 3 ワーキングRAM 4 鍵盤部 11 表示部 12 表示装置 |
訂正の要旨 |
a.特許請求の範囲の請求項1ないし3のうち、請求項1の記載である 「曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなる曲データを記憶した記憶手段と、 該記憶手段から前記音符データを読み出す読出手段と、 演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、 該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、 該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、 該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、 該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、 を備えたことを特徴とする演奏練習装置。」 を 「曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、 該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、 演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、 該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、 該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、 該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、 該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、 前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低い曲データを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、 を備えたことを特徴とする演奏練習装置。」 と訂正し、請求項2及び3を削除する。 これに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合をとるため、明細書の段落番号[0006]〜[0008]の記載である、 「前記課題を解決するための本発明にあっては、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなる曲データを記憶した記憶手段と、該記憶手段から前記音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、を備えている。また、本発明は、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなる曲データを複数種記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを順次読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じて、その後前記読出手段により前記記憶手段から読み出される曲データを決定する決定手段と、を備えている。さらに本発明にあっては、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなる曲データを記憶した記憶手段と、該記憶手段から前記音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、を備えている。」 「 【作用】 前記構成において、読出手段により順次音符データが読み出され、かつ、入力手段から操作された演奏操作に対応する演奏データが入力されると、検出手段は両データを比較し、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する。また、判別手段は、検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの音符データに基づき、不適な演奏操作の種別を判別する。」 「つまり、音符データは曲を構成する各音符の音高及び音長を示すデータであることから、その音高における両データの不一致により、例えば演奏操作が鍵盤の白鍵において不適であるのか黒鍵において不適であるのか、あるいは、左鍵において不適であるのか右鍵において不適であるのか等の不適な演奏操作の種別を判別し得る。そこで、前記判別手段は、これら不適な演奏操作の種別を判別し、カウント手段はこの種別毎に、不適な演奏操作の回数をカウントする。さらに、表示手段は、カウント手段によりカウントされた白鍵又は黒鍵、左鍵域又は右鍵域における演奏操作の不適回数に応じて練習者が行った演奏操作の評価を表示し、よって、この表示手段により表示された評価の内容により練習者は不適な演奏操作の種別を客観的に認識し得る。また、この不適な演奏操作の種別毎の回数に基づいて表示手段に表示するのではなく、曲決定手段により、次に読み出される曲を決定することもできる。これによって次に練習される曲は演奏者のレベルに最も適したものが選ばれるようになる。さらに、前記判別手段により判別された不適な演奏操作の種別に基づいて、前記表示手段に演奏評価の内容を表示するようにしてもよい。これにより、表示手段により表示された評価の内容により練習者は不適な演奏操作の種別を客観的に認識し得る。」 を明りょうでない記載の釈明を目的として、 「前記課題を解決するための本発明にあっては、曲を構成する各音符の音高及び音長を示す音符データからなり、夫々レベルの異なる曲データを複数種記憶した記憶手段と、該記憶手段に記憶された複数種の曲データの内、何れかの曲データの音符データを読み出す読出手段と、演奏操作に対応する演奏データを入力する演奏データ入力手段と、該演奏データ入力手段から入力された演奏データと前記読出手段により読み出された音符データを比較して、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する検出手段と、該検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの前記音符データに基づいて不適な演奏操作の種別を判別する判別手段と、該判別手段により判別された種別毎に、前記検出手段が検出する不適な演奏操作の回数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によりカウントされた前記種別毎の不適な演奏操作の操作回数に応じた演奏操作の評価を表示する表示手段と、前記カウント手段によりカウントされた前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの高い曲データを読出し、前記全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後前記読出手段により前記記憶手段からよりレベルの低いデータを読出し、これらの場合以外は、その後前記読出手段により前記記憶手段から再度同じ曲を読出すように制御する読出制御手段と、を備えている。」 「 【作用】 前記構成において、読出手段により記憶されたレベルの異なる複数の曲データの内、いずれかの曲データの音符データが順次読み出され、かつ、入力手段から操作された演奏操作に対応する演奏データが入力されると、検出手段は両データを比較し、両データの不一致により演奏操作の不適を検出する。また、判別手段は、検出手段により演奏操作の不適が検出されたときの音符データに基づき、不適な演奏操作の種別を判別する。」 「つまり、音符データは曲を構成する各音符の音高及び音長を示すデータであることから、その音高における両データの不一致により、例えば演奏操作が鍵盤の白鍵において不適であるのか黒鍵において不適であるのか、あるいは、左鍵において不適であるのか右鍵において不適であるのか等の不適な演奏操作の種別を判別し得る。そこで、前記判別手段は、これら不適な演奏操作の種別を判別し、カウント手段はこの種別毎に、不適な演奏操作の回数をカウントする。さらに、表示手段は、カウント手段によりカウントされた白鍵又は黒鍵、左鍵域又は右鍵域における演奏操作の不適回数に応じて練習者が行った演奏操作の評価を表示し、よって、この表示手段により表示された評価の内容により練習者は不適な演奏操作の種別を客観的に認識し得る。そして、このカウントされた全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた許容値以下の場合は、その後読み出される曲データは、レベルの高いものに切り替わり、逆に全ての種別の不適な演奏操作の操作回数が種別毎に定められた前記許容値を上回る場合は、その後読み出される曲データはよりレベルの低いものに切り替わる。また、これらの場合以外は、再度同じ曲を読み出すようにする。これによってより適切なレベルの曲により演奏練習することができる。」 と訂正する。 b.明細書の段落番号[0027]の記載である、 「そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M以下である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され、演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の黒鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の白鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。」 を、 「そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M未満である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され、演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の黒鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の白鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0028]の記載である、 「そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの黒鍵の演奏ミスの平均値を求め、この黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であるか否かが判別される。このSA5の判別結果に応じて、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上である場合にはAフラグがセットされる(SA6)。」 を、 「そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの黒鍵の演奏ミスの平均値を求め、この黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるか否かが判別される。このSA5の判別結果に応じて、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合にはAフラグがセットされる(SA6)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0029]の記載である、 「引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの白鍵の演奏ミスの平均値を求め、この白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満であるか否かが判別される。このSA8の判別結果に応じて、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以上である場合にはBフラグがセットされる(SA9)。」 を、 「引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの白鍵の演奏ミスの平均値を求め、この白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であるか否かが判別される。このSA8の判別結果に応じて、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合にはBフラグがセットされる(SA9)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0030]の記載である、 「したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2未満である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。」 を、 「したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0031]の記載である、 「よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値未満であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2未満である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。」 を、 「よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値以下であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0032]の記載である、 「また、“A=1,B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満である場合には、図4に示したB表示「黒鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により黒鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。このとき、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において黒鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。」 を、 「また、“A=1,B=0”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合には、図4に示したB表示「黒鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により黒鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。このとき、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において黒鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0033]の記載である、 「また、“A=0,B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であるが、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以上である場合には、図4に示したC表示「白鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により白鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17と同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになるが、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において白鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。」 を、 「また、“A=0,B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるが、白鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合には、図4に示したC表示「白鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により白鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17と同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになるが、予め表示装置12に表示された評価内容により、自己の演奏において白鍵のミスが多いことを認識していることから、これを意識しつつ練習を行うことができ、これにより効果的な練習が可能となる。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0034]の記載である、 「さらに、“A=B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以上である場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値以上であったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以上である場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行され、練習者のレベルにあった無理のない練習形態が形成される。」 を、 「さらに、“A=B=1”である場合つまり、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により黒鍵及び白鍵の演奏ミスが許容値以上であったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、黒鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、白鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行され、練習者のレベルにあった無理のない練習形態が形成される。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0071]の記載である、 「そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M以下である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の右鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の左鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。」 を、 「そして、図5のメインルーチンではSA2に続くSA3において、演奏回数mがインクリメントされ、次に、演奏回数mが基準回数M以上となったか否かが判別される(SA4)。この演奏回数mが基準回数M未満である場合にはSA2に戻って、SA2及びSA3の処理が実行され演奏回数mが基準回数Mとなった時点で、SA4からSA5に進む。よって、SA4からSA5に進む時点においては、ミスカウンタ計測処理がM回実行され、ミスカウンタ1にはM回分の右鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測され、ミスカウンタ2にはM回分の左鍵の演奏ミス(押鍵ミスとタイミングミス)が計測されている。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0072]の記載である、 「そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの右鍵の演奏ミスの平均値を求め、この右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であるか否かが判別される。さらに、このSA5の判別結果に応じて、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上である場合にはAフラグがセットされる(SA6)。」 を、 「そこで、SA5ではミスカウンタ1の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの右鍵の演奏ミスの平均値を求め、この右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるか否かが判別される。さらに、このSA5の判別結果に応じて、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下である場合にはAフラグがリセットされ(SA7)、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合にはAフラグがセットされる(SA6)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0073]の記載である、 「引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの左鍵の演奏ミスの平均値を求め、この左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満であるか否かが判別される。さらに、このSA8の判別結果に応じて、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以上である場合にはBフラグがセットされる(SA9)。」 を、 「引き続き、SA8ではミスカウンタ2の値を演奏回数m(m=M)で除した値、つまり1回の演奏当たりの左鍵の演奏ミスの平均値を求め、この左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であるか否かが判別される。さらに、このSA8の判別結果に応じて、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合にはBフラグがリセットされ(SA10)、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合にはBフラグがセットされる(SA9)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0074]の記載である、 「したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2未満である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。」 を、 「したがって、SA10またはSA9の処理が実行された後、SA11に進んだ時点においては、A,B両フラグは、“A=B=0”“A=1,B=0”“A=0,B=1”“A=B=1”の4種類の組み合わせ状態のいずれかとなっており、SA11では、A,B両フラグがこの4種類の組み合わせ状態のいずれであるかが判別される。そして、“A=B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、図4に示したA表示「合格です。次の曲にチャレンジして下さい。」が表示装置12に表示された後(SA12)、一定時間が計測される(SA13)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0075]の記載である、 「よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値未満であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2未満である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。」 を、 「よって、表示装置12にはSA13で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したA表示が継続し、練習者はこのA表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値以下であったことを認識することができる。さらに、SA13に続くSA14では、選択曲がレベルアップされるとともに、演奏回数をカウントしているmが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以下である場合には、レベルアップされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0076]の記載である、 「また、“A=1,B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満である場合には、図4に示したB表示「右鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により右鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行される。」 を、 「また、“A=1,B=0”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下である場合には、図4に示したB表示「右鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA15)、一定時間が計測される(SA16)。したがって、表示装置12にはSA16で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したB表示が継続し、練習者はこのB表示により右鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA16に続くSA17では、前述のSA14とは異なり選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合には、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行される。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0077]の記載である、 「また、“A=0,B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であるが、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以上である場合には、図4に示したC表示「左鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により左鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。」 を、 「また、“A=0,B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であるが、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合には、図4に示したC表示「左鍵のミスが多いようです。もう一度」が表示装置12に表示された後(SA18)、一定時間が計測される(SA19)。したがって、表示装置12にはSA19で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したC表示が継続し、練習者はこのC表示により左鍵の演奏ミスが多いことを認識することができる。また、SA19に続くSA20では、前述のSA17同様に選択曲がレベルアップされずに、演奏回数をカウントしているmのみが0リセットされた後、SA2に戻る。したがって、この場合にも、同じ曲にてミスカウンタ計測処理が実行され、練習者は同じ曲にて練習を行うことになる。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0078]の記載である、 「さらに、“A=B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以上である場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値以上であったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2以上である場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される。」 を、 「さらに、“A=B=1”である場合つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、図4に示したD表示「全体的にミスが多いようです。前の曲に戻りましょう。」が表示装置12に表示された後(SA21)、一定時間が計測される(SA22)。したがって、表示装置12にはSA22で計測される一定時間をもって、練習者の演奏を評価したD表示が継続し、練習者はこのD表示により右鍵及び左鍵の演奏ミスが許容値を上回ったことを認識することができる。さらに、SA22に続くSA23では、選択曲がレベルダウンされるとともに、演奏回数をカウントしているm及びフラグA,Bがリセットされた後、SA2に戻る。したがって、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値も許容値N2を上回る場合には、レベルダウンされた選択曲により、ミスカウンタ計測処理が実行される」 と訂正する。 明細書の段落番号[0079]の記載である、 「そして、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=1,B=0とされた場合、つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満であって、右鍵のミスが多い場合には、図12のSF8の判別がYESとなる。よって、SF8からSF9に進み、Cフラグがリセットされているか否か、すなわち、SF3で読み出されたノートナンバー(an)が左鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が左鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF10)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。」 を、 「そして、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=1,B=0とされた場合、つまり、右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であって、右鍵のミスが多い場合には、図12のSF8の判別がYESとなる。よって、SF8からSF9に進み、Cフラグがリセットされているか否か、すなわち、SF3で読み出されたノートナンバー(an)が左鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が左鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF10)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0081]の記載である、 「すなわち、このように右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以上であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2未満であって、右鍵のミスが多い場合には、左鍵の音符データ(an,B)を楽音生成部7を転送して、曲データの左鍵側のみを自動演奏させる。これにより、練習者は左鍵の自動演奏に合わせて、右鍵の演奏練習を集中的に行うことができ、右鍵に対する効果的な練習形態を形成することができる。」 を、 「すなわち、このように右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1を上回る場合であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以下であって、右鍵のミスが多い場合には、左鍵の音符データ(an,B)を楽音生成部7を転送して、曲データの左鍵側のみを自動演奏させる。これにより、練習者は左鍵の自動演奏に合わせて、右鍵の演奏練習を集中的に行うことができ、右鍵に対する効果的な練習形態を形成することができる。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0082]の記載である、 「これに対し、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=0,B=1とされた場合、つまり右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1未満であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2以上であって、左鍵のミスが多い場合には、SF8の判別がNOとなるとともに、SF13の判別がYESとなる。よって、SF13からSF14に進み、Cフラグがセットされているか否か、すなわちSF3で読み出されたノートナンバー(an)が右鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が右鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF15)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。」 を、 「これに対し、再びSA2にて図12、13に示したミスカウンタ計測処理が実行された場合において、予め図5のメインルーチンで、A,B両フラグがA=0,B=1とされた場合、つまり右鍵の演奏ミスの平均値が許容値N1以下であり、かつ、左鍵の演奏ミスの平均値が許容値N2を上回る場合であって、左鍵のミスが多い場合には、SF8の判別がNOとなるとともに、SF13の判別がYESとなる。よって、SF13からSF14に進み、Cフラグがセットされているか否か、すなわちSF3で読み出されたノートナンバー(an)が右鍵か否かが判別される。この判別がYESであって、ノートナンバー(an)が右鍵である場合には、音符データ(an,B)が図1の楽音生成部7へ転送され(SF15)、これによりスピーカ10からは音符データ(an,B)にしたがった音高及び音長の楽音が放音される。」 と訂正する。 C.明細書の段落番号[0018]の記載である、 「次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SB4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが黒鍵であるか否かが判別される(SB5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、黒鍵に対応するノートナンバーであるあるか、白鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SB5ではこのノートナンバーanが示す値が黒鍵であるか否かが判別され、黒鍵である場合にはこれを示すC1フラグがセットされ(SB7)、また、白鍵である場合にはC1フラグがリセットされる(SB6)。」 を、 「次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SB4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが黒鍵であるか否かが判別される(SB5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、黒鍵に対応するノートナンバーであるか、白鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SB5ではこのノートナンバーanが示す値が黒鍵であるか否かが判別され、黒鍵である場合にはこれを示すC1フラグがセットされ(SB7)、また、白鍵である場合にはC1フラグがリセットされる(SB6)。」 と訂正する。 明細書の段落番号[0062]の記載である、 「次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SF4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが右鍵であるか否かが判別される(SF5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、右鍵に対応するノートナンバーであるあるか、左鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SF5ではこのノートナンバーanが示す値が右鍵であるか否かが判別され、右鍵である場合にはこれを示すCフラグがセットされ(SF7)、また、左鍵である場合にはCフラグがリセットされる(SF6)。」 を、 「次に、ロードされた1音符分のデータが曲の終わりを示すデータ(an=B=00)か否かが判別され(SF4)、終わりでなければSA3でロードされたノートナンバーanが右鍵であるか否かが判別される(SF5)。つまり、ノートナンバーanは、鍵盤において音高順に付されたシリアルナンバーであることから、その値により、右鍵に対応するノートナンバーであるか、左鍵に対応するノートナンバーであるかを識別することが可能である。そこで、SF5ではこのノートナンバーanが示す値が右鍵であるか否かが判別され、右鍵である場合にはこれを示すCフラグがセットされ(SF7)、また、左鍵である場合にはCフラグがリセットされる(SF6)。」 と訂正する。 |
異議決定日 | 2003-06-13 |
出願番号 | 特願平4-131480 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(G09B)
|
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
小沢 和英 |
特許庁審判官 |
番場 得造 中村 圭伸 |
登録日 | 2002-01-11 |
登録番号 | 特許第3266934号(P3266934) |
権利者 | カシオ計算機株式会社 |
発明の名称 | 演奏練習装置 |