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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する A61B
管理番号 1083955
審判番号 訂正2003-39022  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-11-21 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-02-13 
確定日 2003-07-03 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3140007号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3140007号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 [1]手続の経緯
特許3140007の出願日;平成11年5月6日(特願平11-125886号)
異議申立;平成13年8月31日(異議2001-72335号)
異議決定発送日;平成14年6月7日
東京高裁出訴;平成14年6月17日(平成14年(行ケ)第306号)
本件訂正審判請求;平成15年2月13日(訂正2003-39022号)
上申書(フクダ電子株式会社);平成15年4月16日受付
上申書(日本コーリン株式会社);平成15年6月5日受付

[2]請求の要旨
本件訂正審判の請求の要旨は、特許第3140007号の特許請求の範囲の請求項1を次のように訂正しようとするものである。
「生体の下肢において足首カフを用いて足首の血圧値を決定する第1血圧値決定手段と、該生体の上肢において上腕カフを用いて上腕の血圧値を決定する第2血圧値決定手段と、該第1血圧値決定手段により決定された第1血圧値および該第2血圧値決定手段により決定された第2血圧値とに基づいて下肢上肢血圧指数を算出する下肢上肢血圧指数算出手段と、該下肢上肢血圧指数を表示する表示器とを備えた下肢上肢血圧指数測定装置であって、
前記生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報を決定する脈波伝播速度関連情報決定手段において、前記2部位のうちの1部位の脈波を検出する第1脈波検出装置と、前記2部位のうちのもう一方の部位の脈波を検出する第2脈波検出装置とを有し、前記第2脈波検出装置が右足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサまたは左足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサによって脈波を検出する装置である、脈波伝播速度関連情報決定手段と、該脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された脈波伝播速度関連情報を前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された下肢上肢血圧指数と同時に前記表示器に表示する同時表示手段とを、含むことを特徴とする下肢上肢血圧指数測定装置。」

(以下、訂正後の請求項1に係る発明を本件訂正発明1と言い、下肢上肢血圧指数をAAI、脈波伝播速度をPWVという。また、請求項1を引用する請求項2に係る発明も上記訂正に伴い変わるからこれを本件訂正発明2という。)

[3]訂正の適否(1)
本件訂正は、
a 第1血圧値決定手段が足首カフを用いて足首の血圧値を決定するものであることに限定し、
b 第2血圧値決定手段が上腕カフを用いて上腕の血圧値を決定するものであることに限定し、
c 脈波伝播速度関連情報決定手段が、生体の2部位のうちの1部位の脈波を検出する第1脈波検出装置と、前記2部位のうちのもう一方の部位の脈波を検出する第2脈波検出装置とを有し、前記第2脈波検出装置が右足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサまたは左足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサによって脈波を検出する装置であることに限定、
するもので、特許請求の範囲を減縮することを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

そして、上記aは、特許明細書の【0014】,【0017】,【0025】に記載されており、上記bは、特許明細書の【0018】,【0026】に記載されており、上記cのうち、脈波伝播速度関連情報決定手段が、2部位のうちの1部位の脈波を検出する第1脈波検出装置と、前記2部位のうちのもう一方の部位の脈波を検出する第2脈波検出装置とを有することは、特許明細書の【0027】に記載されており、その第2脈波検出装置が右又は左足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサである実施例は、特許明細書の【0054】及び図面に記載されていたことである。
したがって、本件訂正は願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内でなされている。

[4]訂正の適否(2)
4-1 次に、独立特許要件について検討するに、審判請求人提出の異議申立の取消決定で引用された刊行物及びその取消訴訟で提出された技術文献のうち主なものは次のとおりである。
刊行物1(本件審判甲1の1、甲1の2(翻訳));
J-G Roegel et.al,
"Vascular and neuroendocrine components in
altered blood pressure regulation after surgical
repair of coarctation of the aorta"
Journal of Human Hypertension(1998)12,pp517-525)
刊行物2(同甲2);特開平3-162827号公報
刊行物3(同甲3);特開昭60-220037号公報
刊行物4(同甲4);「循環器情報システムFCP-2000Aについて」
循環器情報処理研究会雑誌Volume7,平成4年11月1日発行,第13-18頁)
刊行物5(同甲5);「大動脈脈波速度検査法のかいせつ」
フクダ電子株式会社 S63.2.1発行
刊行物6(同甲6);「わかりやすい生理機能検査マニュアル」
株式会社メデイカ出版 1999.3.10発行
目次、pp231-240
刊行物7(同甲7);
"Non-invasive assessment of cardiovascular
disease in diabetes mellitus"
The lancet 350号 1997年7月発行
刊行物8(同甲8);「主要臓器における動脈硬化度の相対的評価とその進展因子に関する研究」日本老年医学会雑誌30巻9号 1993年9月発行

4-2 各刊行物に記載された内容
(1)刊行物1
「足首腕収縮血圧指数(AAI)の測定:
この試験は、残留縮さくを評価するものである。AAIは、足首の収縮期動脈圧・・・AAI計算において考慮の対象とした収縮期動脈圧値(SAP)は、それぞれ、上腕レベル、頸骨レベルで得られたより高い方の値とした。
脈波伝播速度(PWV)の測定;
この試験は、動脈のコンプライアンスを測定するものである。・・・PWVは、この二つのセンサーを隔てる距離を・・・二点を隔てる時間間隔に相当する時間で割ることによって求めた。・・・(Complior,Colson,Garges les Ggonesse、フランス)。」(第519ページ、左欄、第3-第4段落)
「しかしながら全体的に見てみると、患者の大部分においてAAIは、正常範囲にあった。それなのに、PWVで推定した大動脈の平均コンプライアンスは特に低かった。・・・従って、観察された頚動脈・大腿動脈PWV低値は、縮さく矯正術部位上流・下流の大動脈、および、その他の大きな動脈における、構造的、および・または、機能的変化によって生じたことが考えられる。」(第523ページ、左欄、第2-15行)

(2)刊行物2
「身体の右側上腕又は左側上腕のいずれか一方と左右両側足関節部との計三箇所に夫々血圧測定用圧迫帯(以下、カフと記す)を巻着し、前記三箇所の血圧を略同時刻に測定し、演算回路を用いて、下記の式
API=足関節部収縮期血圧÷上腕収縮期血圧
に基づいて右側及び左側の夫々の足関節部血圧指数即ちAPIを算出し、この算出されたAPIを表示手段にて表示させるようにしたことを特徴とする血圧測定方法。」(特許請求の範囲(1))

(3)刊行物3
「第3図において、10は人体の皮膚表面近くに現れている動脈、たとえば頸動脈に押圧される脈波センサユニットであって、・・・伝播する頸動脈波を検出し、その検出した頸動脈波を表す脈波信号SMa-SMfを出力するようになっている。」(3頁左下欄18行-右上欄9行)
「あるいはそのように1つの脈波センサユニット内に一対の脈波センサを設けるのではなく、・・・また、一対の脈波センサが押圧されるべき動脈は必ずしも頸動脈である必要はなく、股動脈であっても、あるいはその他の動脈であってもよく、要するに脈波を、・・・それら別々の動脈に脈波センサがそれぞれ押圧されてもよいのである。」(8頁右上欄13行-左下欄8行)

(4)刊行物4
オンラインで心電図等の生体情報を取得可能であるとともに、過去に取得した生体情報を検索可能に記憶し、同一の患者について取得した生体情報を時系列表示可能な生体情報システムが記載、図示されている。(13頁左欄下から3行-右欄12行、同頁右欄下から8行-第14ページ左欄第8行)

(5)刊行物5
「脈波を心臓に近い所と遠い所で同時に記録しますと、両脈波にはわずかな時間的ズレが生じています。これは、脈波がある速さで動脈壁を伝わった時の2点間の時間差です。したがって、この時間差(T)と伝わった血管の長さ(L)からL/Tつまり速度を求めることができます。これを動脈2点間の脈波伝播速度、Pulse Wave Velocity(PWV)といいます。・・・PWVは通常m/secで表示します。」(5頁)
「動脈2点間の脈波を記録し、その距離がわかれば、簡単に脈波速度を算出できますが、どの動脈でも適用できるわけではありません。・・・一番の問題は、血管運動神経です。神経は生体の防御反応として精神ストレス、暑さ、寒さなどで血管を緊張させる役割をもっています。したがって、血管運動神経が働く末梢動脈での脈波速度の測定は、その時々の状態でさまざまに異なり、再現性に問題が残ります。幸い大動脈は弾性タイプの動脈で、血管運動神経の影響を受けずに測定することが可能です。」(7頁)

(6)刊行物6
「1)上下肢血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:API):通常、上肢の血圧測定に使用される血圧計を用いて、両上腕部での収縮期血圧と両足関節部での収縮期血圧(ドプラ法あるいは光電脈波法などが用いられる)を計測する。・・・APIの正常値は1.0以上で、0.9未満は下肢動脈の狭窄を疑い脈波を計測する。」(233頁)
「2)分節的空気容積脈波:四肢の測定部位にカフを装着し、密着させるための圧を加えると動脈拍動による脈波が記録される。・・・さらに診断能力が高くなる。」(234頁)

(7)刊行物7
PWVは連続ドップラー超音波変換器により測定されること、左鎖骨下動脈根部(近位)および腹部大動脈(遠位)の両測定部位間の距離を移行時間tで割ったものであることが記載、図示されている。(図1についての説明)

(8)刊行物8
a 冠動脈造影(CAG)、脈波速度(PWV)の測定、眼底造影、足関節血圧/上腕血圧比(API)の測定を用い、生体におけるこれら各臓器の動脈硬化度を同時に定量しその相対的評価を行ったこと、(807頁<要約>目的)
b 全症例はCAI、PWV、API、S+Hの値によりそれぞれ正常、初期変化群と硬化群の2群に分類し、さらに4つの検査のうち1つが正常または初期変化群であり他のいずれかの検査が硬化群である症例を全ての組合せで算出し、同一個体における動脈硬化度の臓器別差異を検討したこと、(808頁右欄)
c PWVの計測は大動脈脈波速度計(PWV-200フクダ電子、東京)を用いて頚動脈波、股動脈波、心音を同時記録し、大動脈弁口部から股動脈までの脈波伝播時間を求め、所定の計算式から求めたこと、(808頁左欄)
が記載されている。

4-3 対比・判断
ア 刊行物1および刊行物8の記載によれば、生体の動脈の検査において、API(=AAI)に加えてPWVも測定することは周知であることが認められ、それらに、AAIを測定する装置とPWVを測定する装置の構成について具体的に記載されていないとしても、AAIを測定する装置の構成もPWVを測定する装置の構成も刊行物2および刊行物3に記載されており、しかも、刊行物2は複数の血圧測定を一つの装置で行い、複数の測定値を同時に表示器に表示することも開示しているし(3頁右上欄5-18行)の記載参照)、刊行物3はPWV測定装置を開示しているばかりでなく、関連する測定を装置として一体化する方が便利であることも開示している(3頁左上欄10-19行、3頁右上欄14行-左下欄14行)から、刊行物1-刊行物3、刊行物8の記載と図示に共に接した当業者であれば、
「生体の下肢において足首カフを用いて足首の血圧値を決定する第1血圧値決定手段と、該生体の上肢において上腕カフを用いて上腕の血圧値を決定する第2血圧値決定手段と、該第1血圧値決定手段により決定された第1血圧値および該第2血圧値決定手段により決定された第2血圧値とに基づいて下肢上肢血圧指数を算出する下肢上肢血圧指数算出手段と、該下肢上肢血圧指数を表示する表示器とを備えた下肢上肢血圧指数測定装置であって、
前記生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報を決定する脈波伝播速度関連情報決定手段において、前記2部位のうちの1部位の脈波を検出する第1脈波検出装置と、前記2部位のうちのもう一方の部位の脈波を検出する第2脈波検出装置とを有して脈波を検出する装置である、脈波伝播速度関連情報決定手段と、該脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された脈波伝播速度関連情報を前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された下肢上肢血圧指数と同時に前記表示器に表示する同時表示手段とを、含むことを特徴とする下肢上肢血圧指数測定装置。」
を得ることまでは容易に成しうることと言える。

しかしながら、訂正発明1(訂正発明1を引用する訂正発明2も同じ)は、生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報を決定する脈波伝播速度関連情報決定手段において、
「第2脈波検出装置が右足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサまたは左足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサによって脈波を検出する装置である、脈波伝播速度関連情報決定手段」を構成要件としている。(以下、構成要件Aという。)

これに対し、刊行物1および刊行物8に記載されたPWVは大動脈を対象とし、PWV測定のための脈波検出を股動脈について行っているのであって、上記構成要件Aについて記載も示唆もしていない。
また、刊行物7に記載されたPWVも連続波ドップラー変換器を使用し、左鎖骨下動脈根部(近位)および腹部大動脈(遠位)を測定部位としていることが記載、図示されているのであって、上記構成要件Aについて記載も示唆もしていない。

イ ところで、刊行物3には、「また、一対の脈波センサが押圧されるべき動脈は必ずしも頸動脈である必要はなく、股動脈であっても、あるいはその他の動脈であってもよく、要するに脈波を、・・・それら別々の動脈に脈波センサがそれぞれ押圧されてもよいのである。」(8頁左下欄1-8行)との記載があるが、一対の脈波センサを足首に押し付けて脈波を検出することができるか不明であるばかりでなく、一対の脈波センサは上記構成要件Aと異なるものである。

しかも、刊行物5の記載、「動脈2点間の脈波を記録し、その距離がわかれば、簡単に脈波速度を算出できますが、どの動脈でも適用できるわけではありません。・・・一番の問題は、血管運動神経です。神経は生体の防御反応として精神ストレス、暑さ、寒さなどで血管を緊張させる役割をもっています。したがって、血管運動神経が働く末梢動脈での脈波速度の測定は、その時々の状態でさまざまに異なり、再現性に問題が残ります。幸い大動脈は弾性タイプの動脈で、血管運動神経の影響を受けずに測定することが可能です。」(7頁)によれば、PWVの測定にあたって抹消動脈では再現性に問題が残ることが認められるから、刊行物3において、頸動脈や股動脈と並列的に記載された「その他の動脈」との記載が末梢動脈を示唆していると解することは困難である。

刊行物6には、四肢の測定部位にカフを装着し、密着させるための圧を加えると動脈拍動による脈波が記録されることが記載されているが、脈波の記録と脈波の診断に止まり、その脈波をPWVの測定に使用することは記載されていない。
さらに、刊行物6に、足首カフにより容積脈波が検出できることが記載されているとしても、上記のとおりPWVの測定にあたって抹消動脈では再現性に問題が残ることが認められるから、その脈波をPWVの測定に使用することを当業者が容易に考えつくとは言えない。

ウ もとより、構成要件Aを有する本件訂正発明は、PWVの測定にあたって血管運動神経の影響を受け、精神ストレス、暑さ、寒さなどで再現性に問題が残る欠点を有するものとならざらをえず、また、動脈の狭窄の影響も受けざるをえないが、PWVを測定することができないとまでは言うことはできない。
他方、訂正発明は足首カフで検出された脈波を使用しているから下肢動脈を含む経路についてPWVを測定することができるとともに、下肢動脈の状態の影響を受けるAAIも足首カフによって測定しているからPWVの測定とAAIの測定は共通の下肢動脈の状態についての情報を含み、それらの測定値によって下肢動脈の状態を多面的に知ることができることが認められる。

4-4 フクダ電子株式会社の提出した参考資料のうち主なものは次のとおりであり、これらの刊行物の記載についても以下検討する。
ア 各参考資料
参考資料1の3および参考資料1の5;「QvlP84」USER MANUAL

参考資料2;Milan Cachovan他
「Segmental Pulse Wave Velocity in the Lower Limbs in man」
Angiology 19巻 277-287頁(1968)

参考資料3;
京谷晋吾他「168.動脈脈波速度に影響を及ぼす疫学調査による検討」
日本老年医学会31巻345-346頁(1994)

参考資料4;京谷晋吾他「D1-21疫学調査における動脈脈波速度と脳血管特性」脈管学33巻737頁(1993)
参考資料5;特開平8-215156号公報
参考資料6;特開平8-257002号公報
参考資料7;B.N.Baird他
「Segmental air plethysmography during arterial reconstruction」
Br.J.Surg.Vol.66(11979) 718-722

イ 参考資料1の3および参考資料1の5は、足首を含む人体各部位にカフを装着すること、装着されたカフにより測定された空気容積脈波を画面に表示することが記載、図示されている(17.3章の記載および図17.3.2と図17.3.8)にすぎず、刊行物6についての上記説示と同じである。

参考資料2には、下肢に6つの電極を付し、電極1,2および3,4によって分節Iを規定し、電極2,3および4,5によって分節IIを規定し、電極3,4および5,6によって分節IIIを規定し、電極1,2および5,6によって分節I-IIIを規定して、インピーダンス法により各分節の脈波およびPWVを測定し、比較検討したことが記載、図示されている(277-279頁)にすぎず、訂正発明1の構成要件Aについて記載されていない。

参考資料3には、
「我々はトノメトリ法圧脈波測定によるPWVの測定について検討し、従来より行われてきた大動脈脈波速度と同等の臨床的意義を有していることがわかった。本研究の目的はトノメトリ法を用いて、PWVに影響を及ぼす因子を一般住民に対する疫学的調査結果より検討することである。・・・圧脈波はJENTOW-7700(日本コーリン)を用い、右橈骨動脈及び右足背動脈脈波を計測し,心臓から両部位までの距離の差を到達時間の差で除してPWVとした。」(345頁右段12-24行)が記載されており、
参考資料4には、
「圧脈波測定にはJENTOW-7700(日本コーリン)を用い、右橈骨動脈及び右足背動脈脈波を同時計測し、心臓から両部位までの距離の差を到達時間の差で除してPWVtとした。」(737頁左段15-19行)が記載されている。
上記各記載において「右橈骨動脈及び右足背動脈脈波を計測し」は、足首と異なる2箇所の測定箇所を限定しており、また、トノメトリ法圧脈波測定で計測しているから、訂正発明1の構成要件Aについて記載しているとはいえない。

参考資料5には、上腕に装着された血圧測定用カフの圧力を検出する圧力センサの信号から脈波を弁別すること、関連する測定(末梢循環抵抗、最高血圧値、平均血圧値、最低血圧値、脈拍数など)を一つの装置として行い、表示器に表示することが記載、図示されているが(【0045】、【0031】-【0033】、図1)、PWVの測定について記載されておらず、また、足首カフから脈波を弁別することについても記載されておらず、当然に、足首カフでの脈波をPWV測定に使用することについても記載されていない。

参考資料6には、PWV測定について記載されており、従来の脈波伝搬速度測定装置では撓骨動脈、足背動脈などに脈波センサを押圧して脈波伝搬速度を測定しているのが一般的であること(【0003】)や、圧脈波センサを撓骨動脈に押し付けることが記載、図示(【0022】、図1と図2)されており、また、別の実施例としてPWV測定のための脈波センサを「カフ、圧力センサ、脈波弁別回路」から構成すること、血圧測定装置に用いるものと兼用することができることが記載、図示(【0031】、図6と図7)されているが、そのカフは上腕に装着されたもので、足首カフから脈波を弁別することについては記載されておらず、当然に、足首カフでの脈波をPWV測定に使用することについても記載されていない。

参考資料7には、足首に巻回したカフで容積脈波を検出し、そのピーク位置とECGのR波との時間差を観察することが記載、図示(719-721頁、Fig.7)されているが、その脈波によってPWVを測定することについては記載されていない。
さらに、参考資料7に、足首カフにより容積脈波が検出できることが記載されているとしても、上記のとおりPWVの測定にあたって抹消動脈では再現性に問題が残ることが認められるから、その脈波をPWVの測定に使用することを当業者が容易に考えつくとは言えない。

4-5 以上の検討によれば、本件訂正発明1は、刊行物1-刊行物3、刊行物5-刊行物8、その他の刊行物(フクダ電子株式会社提出の上申書添付の参考資料)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

本件訂正発明2は、要するに、経時的に測定した生体毎のAAIとPWVという生体情報を生体毎に記憶し、今回取得した生体情報と過去に取得した生体情報とを対比可能に表示するための構成を本件訂正発明1の構成に付加したものであるところ、前提となる部分については訂正発明1についての説示があてはまるから、訂正発明2は、刊行物1-刊行物8、その他の刊行物(フクダ電子株式会社提出の上申書添付の参考資料)に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

したがって、本件訂正発明1、訂正発明2は、いずれも特許出願の際独立して特許を受けることができるものと認められる。

[5]むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同法第126条第2項乃至第4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
下肢上肢血圧指数測定装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の下肢において足首カフを用いて足首の血圧値を決定する第1血圧値決定手段と、該生体の上肢において上腕カフを用いて上腕の血圧値を決定する第2血圧値決定手段と、該第1血圧値決定手段により決定された第1血圧値および該第2血圧値決定手段により決定された第2血圧値とに基づいて下肢上肢血圧指数を算出する下肢上肢血圧指数算出手段と、該下肢上肢血圧指数を表示する表示器とを備えた下肢上肢血圧指数測定装置であって、
前記生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報を決定する脈波伝播速度関連情報決定手段において、前記2部位のうちの1部位の脈波を検出する第1脈波検出装置と、前記2部位のうちのもう一方の部位の脈波を検出する第2脈波検出装置とを有し、前記第2脈波検出装置が右足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサまたは左足首に巻回されるカフおよびそれに接続された圧力センサによって脈波を検出する装置である、脈波伝播速度関連情報決定手段と、
該脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された脈波伝播速度関連情報を前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された下肢上肢血圧指数と同時に前記表示器に表示する同時表示手段とを、含むことを特徴とする下肢上肢血圧指数測定装置。
【請求項2】
前記下肢上肢血圧指数が測定される前記生体を識別する識別手段と、
該識別手段により識別された生体毎に、前記下肢上肢血圧指数および前記脈波伝播速度関連情報を記憶する記憶装置と、
前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された今回の下肢上肢血圧指数および前記脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された今回の脈波伝播速度関連情報と、前記記憶装置に記憶されている該生体の過去の下肢上肢血圧指数および脈波伝播速度関連情報とを対比可能に表示する経時変化表示手段とを、さらに含むものである請求項1記載の下肢上肢血圧指数測定装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下肢上肢血圧指数(足首における血圧値に対する上腕における血圧値の比、或いは上腕における血圧値に対する足首における血圧値の比)を測定するための下肢上肢血圧指数測定装置に関し、特に、測定された下肢上肢血圧指数の評価に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢な女性、たとえば65歳以上の女性では、動脈硬化性心血管疾患が死亡の大きな原因となるが、潜在性動脈硬化症を検出する簡単な一般的な方法はない。しかし、下肢上肢血圧指数は、下肢動脈疾患の簡単、かつ再現性ある検査法であり、全身の心血管系の健康状態を迅速、かつ容易に検査しうるので、死亡率や罹患率を減らすため特別な治療を要する個人を同定するのに役立つことが知られている。
【0003】
下肢上肢血圧指数は、下肢の血圧値として足首における収縮期圧を用い、上肢の血圧値として上腕における収縮期圧を用いたもの、すなわち、足首/上腕血圧指数(AnKle/Arm Blood Pressure Index=AAI,API,またはABIと呼ばれる。)が用いられ、足首における収縮期圧を上腕における収縮期圧で割ることにより算出されることが一般的である。そして、そのようにして算出された足首/上腕血圧指数に基づく診断は、その足首/上腕血圧指数がたとえば0.9程度に設定された所定値以下であるか否かにより行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、足首/上腕血圧指数に代表される下肢上肢血圧指数は下肢動脈疾患を検査するものであるが、下肢動脈疾患が存在していても、下肢上肢血圧指数が正常値を示してしまうことがある。すなわち、腹部動脈から下側に狭窄があっても、下肢だけでなく全身に動脈硬化が進んでいる場合には、足首における血圧値が高くなってしまい、下肢上肢血圧指数は正常値を示してしまうのである。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、下肢上肢血圧指数が正常値である場合に、その値が全身に動脈硬化が進んでいるためであるかを判断することができる下肢上肢血圧指数測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、下肢上肢血圧指数測定装置において、全身の動脈硬化度を評価することができる指標として知られている脈波伝播速度関連情報をも測定すれば、下肢上肢血圧指数が正常値であっても、その値が全身に動脈硬化が進んでいるためであるかを判断できることを見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。なお、上記脈波伝播速度関連情報とは、脈波伝播速度および脈波伝播時間を意味する脈波伝播速度情報、その脈波伝播速度情報を所定の血圧値における値に補正した補正脈波伝播速度情報を意味する。
【0007】
すなわち、本発明の要旨とするところは、生体の下肢における第1血圧値を決定する第1血圧値決定手段と、その生体の上肢における第2血圧値を決定する第2血圧値決定手段と、その第1血圧値決定手段により決定された第1血圧値およびその第2血圧値決定手段により決定された第2血圧値とに基づいて下肢上肢血圧指数を算出する下肢上肢血圧指数算出手段と、その下肢上肢血圧指数を表示する表示器とを備えた下肢上肢血圧指数測定装置であって、(a)前記生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報を決定する脈波伝播速度関連情報決定手段と、(b)その脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された脈波伝播速度関連情報を前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された下肢上肢血圧指数と同時に前記表示器に表示する同時表示手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、下肢上肢血圧指数算出手段により、第1血圧値決定手段によって決定された第1血圧値と第2血圧値決定手段によって決定された第2血圧値とに基づいて、下肢上肢血圧指数が算出されるとともに、脈波伝播速度関連情報決定手段により、生体の所定の2部位間を脈波が伝播する脈波伝播速度に関連する脈波伝播速度関連情報が決定される。そして、同時表示手段により、その脈波伝播速度関連情報が下肢上肢血圧指数と同時に表示器に表示されることから、脈波伝播速度関連情報が異常値である場合には、下肢上肢血圧指数が正常値であっても、全身に動脈硬化が進んでいるために下肢上肢血圧指数が正常値になったと判断できる。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記下肢上肢血圧指数測定装置は、(c)前記下肢上肢血圧指数が測定される前記生体を識別する識別手段と、(d)その識別手段により識別された生体毎に、前記下肢上肢血圧指数および前記脈波伝播速度関連情報を記憶する記憶装置と、(e)前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された今回の下肢上肢血圧指数および前記脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された今回の脈波伝播速度関連情報と、前記記憶装置に記憶されているその生体の過去の下肢上肢血圧指数および脈波伝播速度関連情報とを対比可能に表示する経時変化表示手段とを、さらに含むものである。このようにすれば、経時変化表示手段により、今回測定された下肢上肢血圧指数および脈波伝播速度関連情報と、その生体の過去の下肢上肢血圧指数および脈波伝播速度関連情報とが表示器に対比可能に表示されることから、下肢動脈狭窄および全身の動脈硬化の進行速度が容易に認識できる利点がある。
【0010】
また、好適には、前記同時表示手段は、下肢上肢血圧指数軸と脈波伝播速度関連情報軸とからなる二次元平面上に、前記下肢上肢血圧指数算出手段により算出された下肢上肢血圧指数と前記脈波伝播速度関連情報決定手段により決定された脈波伝播速度関連情報とにより定まる位置に印を表示するものである。このようにすれば、一見して、下肢上肢血圧指数の評価と脈波伝播速度関連情報の評価とが行える利点がある。
【0011】
また、好適には、前記経時変化表示手段は、下肢上肢血圧指数軸と脈波伝播速度関連情報軸とからなる二次元平面上に、今回の下肢上肢血圧指数および今回の脈波伝播速度関連情報により定まる位置と、前記記憶装置に記憶されたその生体の過去の下肢上肢血圧指数および脈波伝播速度関連情報により定まる位置とにそれぞれ印を表示するものである。このようにすれば、一見して、下肢動脈狭窄および全身の動脈硬化の進行速度が認識できる利点がある。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明が適用された足首/上腕血圧指数測定装置10の構成を説明するブロック線図である。すなわち、足首/上腕血圧指数測定装置10は、下肢として足首が選択され、上肢として上腕が選択された下肢上肢血圧指数測定装置である。なお、この足首/上腕血圧指数測定装置10による測定は、上腕と足首とが略同じ高さとなるように、患者が伏臥位・側臥位・側臥位のいずれかの状態で測定される。
【0013】
図1において、足首/上腕血圧指数測定装置10は、右足首12における血圧を測定する右足側第1血圧測定装置14、左足首16における血圧を測定する左足側第1血圧測定装置18、上腕20における血圧を測定する第2血圧測定装置22等を備えて構成されている。
【0014】
右足側第1血圧測定装置14は、ゴム製袋を布製帯状袋内に有して患者の右足首12に巻回されるカフ24と、このカフ24に配管26を介してそれぞれ接続された圧力センサ28、切換弁30、および空気ポンプ32とを備えている。この切換弁30は、カフ24内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ24内を任意の速度で徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ24内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0015】
圧力センサ28は、カフ24内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SP1を静圧弁別回路34および脈波弁別回路36にそれぞれ供給する。静圧弁別回路34はローパスフィルタを備え、圧力信号SP1に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC1を表すカフ圧信号SK1を弁別してそのカフ圧信号SK1を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0016】
上記脈波弁別回路36はバンドパスフィルタを備え、圧力信号SP1の振動成分である脈波信号SM1を周波数的に弁別してその脈波信号SM1を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0017】
左足側第1血圧測定装置18は、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有するカフ40、配管42、圧力センサ44、および切換弁46とを備え、切換弁46は前記空気ポンプ32に接続されている。そして、圧力センサ44は、カフ40内の圧力を表す圧力信号SP2を、前記右足側血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する静圧弁別回路48および脈波弁別回路50にそれぞれ供給する。静圧弁別回路48は圧力信号SP2に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC2を表すカフ圧信号SK2を弁別してそのカフ圧信号SK2を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給し、脈波弁別回路50は、圧力信号SP2の振動成分である脈波信号SM2を周波数的に弁別してその脈波信号SM2を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0018】
第2血圧測定装置22は、前記カフ24または40と同様に構成されて患者の上腕部20(たとえば右腕の上腕部)に巻回されるカフ52と、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する配管54、圧力センサ56、および切換弁58とを備え、切換弁58は前記空気ポンプ32に接続されている。そして、圧力センサ56は、カフ52内の圧力を表す圧力信号SP3を、前記右足側第1血圧測定装置14に備えられたものと同一の構成を有する静圧弁別回路60および脈波弁別回路62にそれぞれ供給する。静圧弁別回路60は圧力信号SP3に含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC3を表すカフ圧信号SK3を弁別してそのカフ圧信号SK3を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給し、脈波弁別回路62は、圧力信号SP3の振動成分である脈波信号SM3を周波数的に弁別してその脈波信号SM3を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。
【0019】
上記電子制御装置38は、CPU64,ROM66,RAM68,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU64、ROM66に予め記憶されたプログラムに従ってRAM68の記憶機能を利用しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して空気ポンプ32および3つの切換弁30、46、58を制御するとともに、表示器70の表示内容を制御する。
【0020】
マイクロホン72は、胸部中央の表皮上の、心尖、第4肋間胸骨左縁、第2肋間胸骨左縁、第2肋間胸骨右縁、および第4肋間胸骨右縁等の真上に位置する所定の心音検出部位に、図示しない粘着テープ等により貼りつけられ、その心音検出部位の皮膚に伝達される心音を検出する。この心音は、心臓から大動脈への血液の拍出開始および終了時に発生するものであるから、大動脈の最上流部における脈波を表している。従って、マイクロホン72は、第1脈波検出装置として機能している。
【0021】
マイクロホン72に検出された音は、マイクロホン72の内部に備えられている図示しない圧電素子において電気信号すなわち心音信号SHに変換されて出力される。その心音信号SHは、図示しない前置増幅器により増幅された後、フィルタ74、および、図示しない主増幅器・A/D変換器を介して電子制御装置38に供給される。フィルタ74は、図示しない4種類のフィルタを備えており、その4種類のフィルタが随時切り替えられて、人間の聴覚に近くなるように、心音信号SHの低音成分が減衰され、高音成分が強調される。図2は、マイクロホン72により検出される心音図の一例を示す図であり、心音には、僧帽弁の閉鎖および大動脈弁の開放に基づくI音、および大動脈弁の閉鎖に基づくII音等が存在する。
【0022】
頸動脈波センサ76は、第1脈波検出装置の下流部位に装着されて、その装着部位の動脈内を伝播する脈波を検出する第2脈波検出装置として機能するものであり、先端押圧部の振動を検出する図示しない振動センサを備え、生体の頸部において頸動脈78を押圧するように装着され、その頸動脈78から発生する頸動脈波を検出し、その頸動脈波を表す信号SM4を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置38へ供給する。図2には、頸動脈センサ76により検出される頸動脈波の一例が示してある。なお、頸動脈78は、比較的大きな径であり、且つ、大動脈に直結しているので、頸動脈波の形状は大動脈波の形状と略一致する。
【0023】
入力装置80は、図示しないキーボードを備え、そのキーボードにより患者毎に決定されたID番号が入力され、その入力されたID番号を表す信号を演算制御装置38へ出力する。記憶装置82は、磁気ディスク、磁気テープ、揮発性半導体メモリ、或いは不揮発性半導体メモリなどのよく知られた記憶装置により構成され、演算制御装置38により算出・決定された足首/上腕血圧指数(=AAI)や脈波伝播速度関連情報を所定の記憶領域に記憶する。
【0024】
図3は、上記の電子制御装置38の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。カフ圧制御手段84は、空気ポンプ32およびそれに接続された3つの切換弁30、46、58を制御して、3つのカフ24、40、52の圧迫圧力を所定の目標圧力値PCM(たとえば、180mmHg程度の圧力値)まで急速昇圧させ、その後、3mmHg/sec程度の速度で徐速降圧させる。
【0025】
第1血圧値決定手段86は、カフ圧制御手段84により、右足首12に巻回されたカフ24が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM1が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて右足首における血圧値BP、すなわち右足側第1血圧値BP1Rを決定するとともに、カフ圧制御手段84により、左足首16に巻回されたカフ40が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM2が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて左足側第1血圧値BP1Lを決定する。上記右足側第1血圧値BP1Rには、最高血圧値BP1RSYS・最低血圧値BP1RDIA等が含まれ、上記左足側第1血圧値BP1Lには、最高血圧値BP1LSYS・最低血圧値BP1LDIA等が含まれる。以下、右足側第1血圧値BP1Rと左足側第1血圧値BP1Lとを特に区別しないときは、単に第1血圧値BP1という。
【0026】
第2血圧値決定手段88は、カフ圧制御手段84により、上腕20に巻回されたカフ52が徐速降圧させられる過程において、順次採取される脈波信号SM3が表す脈波の振幅の変化に基づきよく知られたオシロメトリック法を用いて第2血圧値BP2(最高血圧値BP2SYS・最低血圧値BP2DIA等)を決定する。
【0027】
脈波伝播速度関連情報決定手段89として機能する脈波伝播速度情報算出手段90は、第1脈波検出装置により検出された第1脈波の周期毎に発生する所定の部位から、第2脈波検出装置により検出された第2脈波の周期毎に発生する所定の部位までの時間差に基づいてその脈波の伝播速度に関連する脈波伝播速度情報を逐次算出する。たとえば、図2に示す時間差DT、すなわち、マイクロホン72により第2心音IIの開始点が検出された時点(この時点は、大動脈波において、急激に振幅が減少した後その振幅が増加に転じる点すなわちノッチが検出される点と一致する)から、頸動脈波センサ76により頸動脈波のノッチが検出されるまでの時間差(脈波伝播時間)DTを逐次算出する時間差算出手段を備え、その時間差算出手段により逐次算出される時間差DTに基づいて、予め記憶される数式1から、被測定者の動脈内を伝播する脈波の伝播速度PWV(m/sec)を逐次算出する。尚、数式1において、L(m)は左心室から大動脈を経て頸動脈波センサ76が装着される部位までの距離であり、予め実験的に求められた一定値が用いられる。
【0028】
【数1】
VM=L/DT
【0029】
上記脈波伝播速度情報算出手段90と同様に、脈波伝播速度関連情報決定手段89として機能する補正脈波伝播速度情報決定手段92は、脈波伝播速度情報算出段90により算出された脈波伝播速度情報を、予め設定された血圧値(たとえば80mmHg)における値に補正した補正脈波伝播速度情報を決定する。この補正脈波伝播速度情報は全身の動脈硬化度を評価することができる指標として一般的に知られているものであり、従来の種々の手段が用いられる。たとえば、以下の▲2▼、▲3▼の手段が用いられる。▲2▼第1血圧値決定手段86または第2血圧値決定手段88等の生体の所定の部位における血圧値を決定する血圧値決定手段により決定された血圧値BPに基づいて脈波伝播速度情報を算出する。▲3▼脈波伝播速度情報と血圧の変動に関連して変動する血圧関連情報とから補正脈波伝播速度情報を決定する予め設定された関係を用いて、前記生体から実際に決定された脈波伝播速度情報および血圧関連情報から補正脈波伝播速度情報を算出する。ここで、上記血圧関連情報には、生体の左心室から血液が駆出されている駆出期間ET、生体の左心室の心筋の収縮開始から、左心室から血液が駆出するまでの前駆出期間PEP、心拍数HR等が含まれる。
【0030】
上記▲2▼により補正脈波伝播速度情報を決定する場合、たとえば、ROM66に図4に示す最低血圧値と脈波伝播速度との関係を模式化した計算図表が記憶され、前記血圧値決定手段により実際に決定された最低血圧値BPDIAおよび脈波伝播速度情報算出手段90により実際に算出された脈波伝播速度PWVから、そのROM66に記憶された計算図表から最も近い関係線を選択し、その選択された関係線が80mmHgにおいて示す値を補正脈波伝播速度PWVcに決定する。そして、識別手段94は、入力装置80から供給されるID番号に基づいて識別された患者毎に、その補正脈波伝播速度PWVcを記憶装置82に記憶する。
【0031】
下肢上肢血圧指数算出手段として機能する足首/上腕血圧指数算出手段96は、第1血圧値決定手段86により決定された第1血圧値BP1と第2血圧値決定手段88により決定された第2血圧値BP2の第1血圧値BP1に対応するもの(たとえば、第1最高血圧値BP1SYSには第2最高血圧値BP2SYSが対応する)とに基づいて、足首/上腕血圧指数(Ankle/Arm Blood Pressure Index 以下、AAIと言う。)を算出する。たとえば、AAIは、第1血圧値BP1を第2血圧値BP2で割った値、または、逆に、第2血圧値BP2を第1血圧値BP1で割った値である。そして、そのAAIを記憶装置82に記憶する。
【0032】
同時表示手段98は、脈波伝播速度関連情報決定手段89により決定された脈波伝播速度情報と、足首/上腕血圧指数算出手段96により算出されたAAIとを、表示器70に同時に表示する。たとえば、その脈波伝播速度関連情報(数値)と、AAI(数値)とを、表示器70に同時に並べて表示する。あるいは、表示器70に表示された足首/上腕血圧指数軸と脈波伝播速度関連情報軸とからなる二次元平面上において、実際のAAIと脈波伝播速度関連情報とを示す位置に印を表示する。
【0033】
経時変化表示手段100は、たとえば、前記同時表示手段98により今回のAAIと脈波伝播速度関連情報とを表す印が表示された二次元平面上に、記憶装置82の所定の記憶領域に記憶された今回の測定者についての過去のAAIおよび脈波伝播速度関連情報により定まる位置に印を表示する。なお、上記過去の脈波伝播速度関連情報は、上記過去のAAIが算出されたときに決定されたものである。また、上記過去の値を表す印は、今回の値を表す印と同じ印でもよいが、好適には、今回の値を表す印と区別できるように、今回の値を表す印と異なる印が用いられる。
【0034】
図5は、上記演算制御装置38の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図5において、まず、識別手段94に対応するステップS1(以下、ステップを省略する。)では、入力装置80から患者のID番号が入力されたか否かが判断される。この判断が否定されるうちは、このS1が繰り返し実行されることにより待機させられる。そして、患者のID番号が入力されてS1の判断が肯定された場合は、続いて、カフ圧制御手段84に対応するS2乃至S4が実行される。S2では、3つの切換弁30、46、58が圧力供給状態に切り換えられ且つ空気ポンプ32が駆動されることにより、3つのカフ24、40、52の急速昇圧が開始され、S3では、3つのカフ24、40、52のすべてのカフ圧PCが180mmHg程度に予め設定された目標圧迫圧PCM以上となったか否かが判断される。このS3の判断が否定された場合は、上記S2以下が繰り返し実行されることによりカフ圧PCの上昇が継続される。
【0035】
そして、カフ圧PCの上昇により上記S3の判断が肯定されると、続くS4では、空気ポンプ32が停止され且つ切換弁30、46、58が徐速排圧状態に切り換えられて、それぞれのカフ24、40、52内の圧力が予め定められた3mmHg/sec程度の緩やかな速度で下降させられる。
【0036】
次に、脈波伝播速度情報算出手段90に対応するS5において、マイクロホン72により第2心音の開始が検出された時点から、頸動脈波センサ76により頸動脈波のノッチが検出された時点までの時間差、すなわち心臓から頸動脈波センサ76が装着された部位までを脈波が伝播する脈波伝播時間DTが算出され、さらに、前記数式1に、その脈波伝播時間DTが代入されて脈波伝播速度PWVが算出される。
【0037】
次に、第1血圧値決定手段86および第2血圧値決定手段88に対応するS6の血圧値決定ルーチンが実行される。すなわち、脈波弁別回路36から逐次供給される脈波信号SM1が表すカフ脈波の振幅が一拍毎に決定され、その振幅の変化に基づいて、よく知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って右足側第1最高血圧値BP1RSYS等が決定され、同様に、脈波弁別回路50から供給される脈波信号SM2が表すカフ脈波の振幅の変化に基づいて、オシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って左足側第1最高血圧値BP1LSYS等が決定され、脈波弁別回路62から供給される脈波信号SM3が表すカフ脈波の振幅の変化に基づいて、オシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って第2最高血圧値BP2SYS、第2最低血圧値BP2DIA等が決定される。
【0038】
上記S6の血圧値決定ルーチンにおいて全ての血圧値の決定が終了すると、続くカフ圧制御手段84に対応するS7において、3つの切換弁30、46、58が急速排圧状態に切り換えられることにより、すべてのカフ24、40、52内が急速に排圧させられる。
【0039】
続く補正脈波伝播速度情報決定手段92に対応するS8では、ROM66に記憶された図4に示す計算図表の複数の関係線のうち、前記S5で算出された脈波伝播速度PWVと上記S6で決定された第2最低血圧値BP2DIAとにより定まる点から最も近い一つの関係線が選択され、その選択された関係線が80mmHgにおいて示す値が補正脈波伝播速度PWVcに決定される。
【0040】
続く足首/上腕血圧指数算出手段96に対応するS9では、前記S6で決定された右足側第1最高血圧値BP1RSYSが、同じく前記S6で決定された第2最高血圧値BP2SYSで割られることにより、右足側のAAIRが算出されるとともに、前記S6で決定された左足側第1最高血圧値BP1LSYSが、上記第2最高血圧値BP2SYSで割られることにより、左足側のAAILが算出される。
【0041】
そして、続くS10では、上記S9で算出された右足側のAAIRおよび左足側のAAILが、前記S8で算出された補正脈波伝播速度PWVcとともに記憶装置82の所定の記憶領域に患者毎に記憶される。
【0042】
続く同時表示手段98に対応するS11では、図6に示すように、表示器70の表示画面上のAAI軸102と補正脈波伝播速度軸104とから成る二次元グラフ106上に、前記S9で算出された右足側AAIRおよび左足側AAILのうち低い側の値と、前記S8で算出された補正脈波伝播速度PWVcとにより決定される位置に「●」が表示される。なお、上記二次元グラフ106の背景色は、診断結果をより一層分かりやすくするために、AAIの異常範囲として予め実験に基づいて決定されている範囲(0.9以下)および補正脈波伝播速度PWVcの異常範囲として予め実験に基づいて決定されている範囲(1000(cm/sec)以上)と、AAIおよび補正脈波伝播速度PWVcがともに正常である範囲とが、異なる色で表示されている。
【0043】
続く経時変化表示手段100に対応するS12では、二次元グラフ106の、前記S1で識別された患者について記憶装置82に記憶されている過去のAAIRとAAILのいずれか低い方とその時の補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置に、過去のAAIと補正脈波伝播速度PWVcとを表す印が表示される。図6の例では、今回の測定が3回目である患者についての表示内容の一例が示されており、「▲」が前回の測定値を「■」が前々回の測定値を表している。さらに、変化傾向を分かりやすくするために、一つの印とその印よりも一回前の測定値を意味する印との間は、矢印で結ばれている。
【0044】
上述のように、本実施例によれば、足首/上腕血圧指数算出手段96(S9)により、第1血圧値決定手段86(S6)によって決定された第1最高血圧値BP1SYSが第2血圧値決定手段88(S6)によって決定された第2最高血圧値BP2SYSで割られることによりAAIが算出されるとともに、補正脈波伝播速度情報決定手段92により心臓から頸部までを脈波が伝播する脈波伝播速度PWVに関連する補正脈波伝播速度PWVcが決定される。そして、同時表示手段98(S11)により、その補正脈波伝播速度PWVcがAAIと同時に表示器70の二次元グラフ106上に表示されることから、補正脈波伝播速度PWVcが異常値である場合には、AAIが正常値であっても、全身に動脈硬化が進んでいるためにAAIが正常値になったと判断できる。
【0045】
また、本実施例によれば、経時変化表示手段100(S12)により、今回測定されたAAIおよび補正脈波伝播速度PWVcと、その患者の過去のAAIおよび補正脈波伝播速度PWVcとが表示器70の二次元グラフ106に同時に表示されることから、下肢動脈狭窄および全身の動脈硬化の進行速度が容易に認識できる利点がある。
【0046】
また、本実施例によれば、同時表示手段98(S11)は、AAI軸102と補正脈波伝播速度軸104とからなる二次元グラフ106上に、足首/上腕血圧指数算出手段96(S9)により算出されたAAIと補正脈波伝播速度情報決定手段92(S8)により決定された補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置に印を表示するものであるので、一見して、AAIの評価と補正脈波伝播速度PWVcの評価とが行える利点がある。
【0047】
また、本実施例によれば、経時変化表示手段100(S12)は、AAI軸102と補正脈波伝播速度軸104とからなる二次元グラフ106上に、今回のAAIおよび今回の補正脈波伝播速度PWVcにより定まる位置と、記憶装置82に記憶されたその患者の過去のAAIおよび補正脈波伝播速度PWVcにより定まる位置とにそれぞれ印を表示するものであるので、一見して、下肢動脈狭窄および全身の動脈硬化の進行速度が認識できる利点がある。
【0048】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0049】
たとえば、前述の実施例の図5のフローチャートにおいて、二次元グラフ106の一方の軸は、補正脈波伝播速度PWVc軸104であったが、補正脈波伝播時間DTc・脈波伝播速度PWV・脈波伝播時間DTを表す軸であってもよい。
【0050】
また、前述の実施例では、右足側第1血圧測定装置14、左足側第1血圧測定装置16、および第2血圧測定装置22は、オシロメトリック法を用いて血圧値を測定するように構成されていたが、コロトコフ音の発生時および消滅時のカフ圧に基づいて血圧値を測定する所謂K音方式により血圧測定するものであってもよいし、或いは、動脈の圧迫圧の変化過程で動脈の直上に置かれた超音波発振器および受信器によりその動脈管の開閉を検出する超音波ドップラー方式により血圧測定するものであっても差し支えない。
【0051】
また、前述の実施例の図5のフローチャートにおいて、同時表示手段98に対応するS11では、S9において算出されたAAIRとAAILのうち低い側の値が選択されて、その選択された値とS8で算出された補正脈波伝播速度PWVcとにより決定される位置に印が表示されていたが、AAIRと補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置、およびAAILと補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置の双方に印が表示されてもよい。また、経時変化表示手段100に対応するS12でも、過去のAAIRと補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置、および過去のAAILと補正脈波伝播速度PWVcとにより定まる位置の双方に印が表示されてもよい。
【0052】
また、前述の実施例の図5のフローチャートにおいて、二次元グラフ106に表示される印は、「●」、「▲」、「■」であったが、その他の形状の印でもよい。また、色を変化させることにより、それぞれを区別してもよいし、印は同じで、添字によりそれぞれが区別されてもよい。
【0053】
また、前述の実施例では、右足首12における右足側第1血圧値BP1Rおよび左足首16における左足側第1血圧値BP1Lが決定されていたが、どちらか一方のみが決定されてもよい。
【0054】
また、前述の実施例において、脈波伝播速度情報を算出するために、第1脈波検出装置として、生体の胸部に装着されるマイクロホン72が用いられていたが、生体の所定の部位に貼り着けられる複数の電極を介して心筋の活動電位を示す心電誘導波を連続的に検出する心電誘導装置が第1脈波検出装置として用いられてもよい。また、上腕20に巻回されたカフ52およびそれに接続された圧力センサ56が第1脈波検出装置として用いられ、右足首12に巻回されたカフ24およびそれに接続された圧力センサ28または左足首16に巻回されたカフ40およびそれに接続された圧力センサ44のいずれか一方が第2脈波検出装置とされたもよい。なお、カフ24および圧力センサ28等が脈波検出装置として用いられる場合、血圧測定前または血圧測定後に、カフ内の圧力が最低血圧値BPDIAよりも十分に低い圧力として予め設定された圧力とされて、その状態で圧力センサに検出される脈波に基づいて脈波伝播速度情報が算出される。
【0055】
また、前述の実施例では、患者のID番号を入力する入力装置80が備えられ、識別手段94は、その入力装置80に入力されるID番号により患者を識別していたが、患者毎にカードが作成されたカードを読み込むカード読み込み装置が備えられ、上記カードに書き込まれた患者毎のコードに基づいて患者を識別するものであってもよいし、指紋・声紋等の患者固有の情報により患者を識別するものであってもよい。
【0056】
また、前述の実施例の足首/上腕血圧指数測定装置10は、下肢として足首が選択され、上肢として上腕が選択された下肢上肢血圧指数測定装置であったが、下肢として大腿部または足先が選択されてもよいし、上肢として手首または指先が選択されてもよい。
【0057】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明が適用された足首/上腕血圧指数測定装置の構成を説明するブロック線図である。
【図2】
図1の実施例のマイクロホンにより検出される心音図、および頸動脈波センサにより検出される頸動脈波の一例を示す図である。
【図3】
図1の実施例の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】
最低血圧値と脈波伝播速度との関係を模式化した計算図表である。
【図5】
図1の実施例の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図6】
図1の実施例において表示器に表示される足首/上腕血圧指数と補正脈波伝播速度との二次元グラフである。
【符合の説明】
10:足首/上腕血圧指数測定装置(下肢上肢血圧指数測定装置)
82:記憶装置
86:第1血圧値決定手段
88:第2血圧値決定手段
96:足首/上腕血圧指数算出手段(下肢上肢血圧指数算出手段)
90:脈波伝播速度情報算出手段(脈波伝播速度関連情報決定手段)
92:補正脈波伝播速度情報決定手段(脈波伝播速度関連情報決定手段)
94:識別手段
98:同時表示手段
100:経時変化表示手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2003-06-23 
出願番号 特願平11-125886
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 神谷 直慈  
特許庁審判長 渡部 利行
特許庁審判官 水垣 親房
河原 正
登録日 2000-12-15 
登録番号 特許第3140007号(P3140007)
発明の名称 下肢上肢血圧指数測定装置  
代理人 古橋 伸茂  
代理人 石野 正弘  
代理人 藤松 文  
代理人 青山 葆  
代理人 池田 治幸  
代理人 片山 英二  
代理人 藤松 文  
代理人 河宮 治  
代理人 古橋 伸茂  
代理人 池田 治幸  
代理人 小林 純子  
代理人 石野 正弘  
代理人 青山 葆  
代理人 片山 英二  
代理人 佐々木 英人  
代理人 河宮 治  
代理人 小林 純子  
代理人 佐々木 英人  

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