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審決分類 審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正する G01S
審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正する G01S
管理番号 1083960
審判番号 訂正2003-39117  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-01-10 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-06-13 
確定日 2003-08-05 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3151595号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3151595号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判請求は、特許第3151595号(平成7年6月19日特許出願,平成13年1月26日設定登録)の明細書を本件審判請求書に添付した全文訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正事項は、次のとおりのものである。

訂正事項a:
特許請求の範囲に
「【請求項1】対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた同軸形光波測距計において、送光の光束の略中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設たことを特徴とする同軸型光波測距計。」
とあるのを、
「【請求項1】対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた上記反射部材としてコーナプリズムを用いる同軸形光波測距計において、送光の光束の略中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設たことを特徴とする同軸型光波測距計。」
と訂正する。

訂正事項b:
明細書の発明の詳細な説明の欄の段落番号【0006】に
「【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた同軸形光波測距計において、送光の光束の略中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設たことを特徴とする。」
とあるのを、
「【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた上記反射部材としてコーナプリズムを用いる同軸形光波測距計において、送光の光束の路中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設たことを特徴とする。」
と訂正する。

2.訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の実質変更又は拡張の存否について
訂正事項aは、請求項1に、「上記反射部材としてコーナプリズムを用いる」との構成要件を加えたものであり、当該事項は,特許明細書の段落【0007】〜【0011】および図1に記載されているものである。
よって、この訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
また、訂正事項bは、特許請求の範囲の記載内容の訂正に伴い、【0006】の記載に「上記反射部材としてコーナプリズムを用いる」との記載を加えたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない

(2)独立特許要件について
本件特許に対し、特許異議の申立てもなく、無効の審判も請求されておらず、他に本件訂正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものとする理由を発見しない。

3.むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)の附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年法律第116号による改正前の特許法126条第1項ただし書き第1号乃至第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項乃び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
同軸型光波測距計
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた上記反射部材としてコーナプリズムを用いる同軸形光波測距計において、送光の光束の略中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設けたことを特徴とする同軸型光波測距計。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波測距計の視準光学系、即ち望遠鏡光学系を構成する対物レンズを介して送光を射出する送光側光学部材と、対物レンズを介して入射した受光を受光する受光側光学部材とが同軸配置された同軸型光波測距計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光波測距計は、光源から送光側光学部材を介して変調光を射出し、目標物で該変調光を反射させ、受光側光学部材を介して検出器が該反射光を受信して得た受信信号と、光源から得た参照信号との位相差を測定し、その位相差から目標物との距離を測定する構造となっている。ところが、反射部材としてコーナプリズムを用い、きわめて平行度の高い送光をコーナプリズムで反射させると、送光の光束と反射された受光の光束とが完全に重なり、受光が受光側光学部材に到達しない場合が生じ、その場合には距離測定が行なえない。そこで、例えば、特開平4-319687号公報により、送光の光束を対物レンズの光軸からずらし、送光の光路と受光の光路とが光軸を挟んで平行になり相互に重なり合わないようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の、送光の光路と受光の光路とが相互に重なり合わないようにしたものでは、測距計が正確に反射部材に正対し、対物レンズの光軸と反射部材の中心軸線とが正確に一致している場合には送光の光路と受光の光路とが光軸を挟んで互いに反対側に位置するが、測距計が正確に反射部材に正対していない場合には送光の光路と受光の光路とが重なり合う場合が生じ、その場合には距離計測ができない。
【0004】また、反射部材としてコーナプリズムではなく反射シートを用いると、受光はある程度拡散して反射されるので送光と受光とが完全に重なりあって距離計測ができないという状態は生じないが、送光の光束が光軸から離れているため、反射シートが傾いていると反射シートと光軸との交点である視準点と送光が反射される点との前後方向の位置がずれる場合が生じ、そのずれは測定結果の誤差となる。
【0005】本発明は、このような不具合に鑑み、計測不能や誤差の生じない同軸型光波測距計を提供することをその目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明は、対物レンズの後方に位置し、送光部からの光を対物レンズの光軸近傍に配置された第1の反射面で反射し対物レンズの前方に配置された反射部材に送光として射出する送光側光学部材と、反射部材で反射された受光を第1の反射面の後方に配置された第2の反射面で反射し上記光軸の側方に配設された受光部に導く受光側光学部材とを備えた上記反射部材としてコーナプリズムを用いる同軸形光波測距計において、送光の光束の略中心部に上記光軸が位置するように上記第1の反射面を配置すると共に、上記送光側光学部材に、送光の光束の断面形状を非点対称形状に整形する送光整形手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
【作用】反射部材としてコーナプリズムを用いると、送光の光束の断面形状と受光の光束の断面形状とは点対称の関係になる。従って送光の光束の断面形状を非点対称形状にすることにより、例え送光の光路と受光の光路とが一致したとしても送光の光束と受光の光束とが完全に重なり合うことはなく、必ず受光の一部は受光側光学部材を介して受光部に到達する。また、送光の光束の略中心部に光軸を位置させることにより反射部材として反射シートを用いた場合でも視準位置と送光の反射位置とを一致させることにより、反射シートの傾きによる誤差が生じない。
【0008】
【実施例】図1及び図2を参照して、1は対物レンズであり、該対物レンズ1の後方であって対物レンズ1の光軸C上に位置するように接眼レンズ2と、対物レンズ1と接眼レンズ2の前方に位置する焦点板8との間に位置する合焦レンズ3とを設け、これら対物レンズ1・接眼レンズ2・合焦レンズ3・焦点板8で望遠鏡を構成し、対物レンズ1の中心と焦点板8の中心とを結んだ線である光軸Cの延長上の任意の点を視準し得るようにした。また、対物レンズ1の後方に透明な円盤状のプリズム保持板4を設け、該プリズム保持板4の後面に第1プリズム5を接着し、更に第1プリズム5に第2プリズム6を接着した。そして更に両プリズム5・6と合焦レンズ3との間に位置するように円盤状のダイクロミラー7を配設した。該ダイクロミラー7は可視光線は透過するが後述する送光部52から照射される波長の光は選択的に反射する機能を有している。
【0009】第1プリズム5には光軸Cと交差する、プリズムの内面であって傾斜した反射面5aが設けられており、該反射面5aの下方には反射鏡51を介して送光部52が光学的に対峙している。また、送光部52と反射鏡51との間には台形穴54が開設された絞り板53が配設されており、従って、送光部52から照射される光のうち、台形穴54を通過した部分が反射鏡51で反射され、更に第1プリズム5の反射面5aで反射され対物レンズ1を通って前方に配設されているコーナプリズムRに送光Paとして射出される。該送光Paの光束の断面形状は上記台形穴54と相似形の台形状になっており、かつ、送光Paの光束の略中心部に光軸Cが含まれる。
【0010】また、第2プリズム6には外面である傾斜した反射面6aが形成されており、コーナプリズムRで反射された受光Pbが第1プリズム5の設置位置を通過した後ダイクロミラー7で反射され、更に該反射面6aで反射され、該反射面6aに対峙する受光部61に受光Pbが入射されるようにした。
【0011】ところで、上記のごとくコーナプリズムRを反射部材として用いると、送光Paの光束の断面形状と受光Pbの光束の断面形状とは点対称の関係になる。本実施例の場合には送光Paの光束の断面形状を台形にしたので、受光Pbはその台形を上下及び左右に反転させた逆台形になる。一方、光軸CをコーナプリズムRの中心軸線に一致させ送光PaをコーナプリズムPbの中心部分で反射させると送光Paの光路と受光Pbの光路とが一致する。ところが、台形は非点対称形状であるため、図3に示すように送光Paと受光Pbとがどのように重なっても、必ず受光Pbの一部Prは送光Paに重なることなくダイクロミラー7に到達し、更に反射面6aで反射され受光Pbの一部Prは受光部61に入射する。
【0012】ところで、上記実施例では第1プリズム5に第2プリズム6を接着したが、図4に示すように、第1プリズム5のみを用い、反射面5aが形成される斜面の外側を反射面5bとして、上記反射面6aの代わりに受光Pbもしくはその一部Prを該反射面Pbで反射させて受光部61に入射させるようにしてもよい。
【0013】また、図5に示すように、上記図4に示すプリズム保持板4を表裏反転させプリズム5を対物レンズ1側にすると共に上下方向に反転させ、反射板51で反射された光をプリズム5の外面である反射面5bで反射して送光Paとすると共に、ダイクロミラー7で反射された受光Pbを内面である反射面5aで反射して受光部61に入射させるようにしてもよい。
【0014】ところで、上記各実施例共に、送光Paの光束の断面形状を台形にしたが、非点対称形状であればその他の形状でもよく、例えば三角形や五角形、あるいは星形や水滴形状でもよい。尚、台形や三角形のように比較的単純な形状であれば絞り板53を使用せず、反射面5a(図5に示す場合には5b)の形状を台形や三角形に形成して送光Paの光束の断面形状を三角形や台形にしてもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されているので、反射部材としてコーナプリズムを用いた場合であっても距離測定が不能になることがなく、常に距離測定を行なうことができる。尚、送光の光束の略中心部に対物レンズの光軸が含まれるようにしているので、反射シートを反射部材として使用した場合に反射シートが傾いても誤差が生じない。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2003-07-24 
出願番号 特願平7-151922
審決分類 P 1 41・ 813- Y (G01S)
P 1 41・ 811- Y (G01S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松下 公一  
特許庁審判長 江藤 保子
特許庁審判官 服部 和男
荒巻 慎哉
登録日 2001-01-26 
登録番号 特許第3151595号(P3151595)
発明の名称 同軸型光波測距計  
代理人 吉岡 正志  
代理人 池田 博毅  
代理人 北村 欣一  
代理人 松本 雅利  
代理人 吉岡 正志  
代理人 高橋 淳  
代理人 生田 哲郎  
代理人 松本 雅利  
代理人 池田 博毅  
代理人 高橋 淳  
代理人 生田 哲郎  
代理人 北村 欣一  

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