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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04B
管理番号 1084034
審判番号 不服2002-12987  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-11-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-07-11 
確定日 2003-10-07 
事件の表示 平成8年特許願第215479号「デッキ状構造物」拒絶査定に対する審判事件〔平成9年11月11日出願公開、特開平9-291586、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯・本願各発明
本願は平成8年7月26日(優先主張日:平成8年2月27日)の出願であって、その請求項1,2に係る発明(以下、それぞれ「本願第1発明」、「本願第2発明」という。)は、平成14年7月11日付手続補正書により補正された明細書、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1,2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】床材上に降った雨水を、当該床材を支持する第1の構造材および第2の構造材に導くと共に、当該第1の構造材と当該第2の構造材とが交わるコーナー部分に設けた集水ホッパーに集水し、当該集水ホッパーから縦樋に導くデッキ状構造物において、
前記第1の構造材および前記第2の構造材は、下端を面一に配設されると共に、雨水を導く第1横樋部および第2横樋部をそれぞれ有し、
前記集水ホッパーは、前記第1横樋部の端部に形成した切欠き開口からの雨水および前記第2横樋部の端部に形成した切欠き開口からの雨水を別々に受ける集水桝部と、当該集水桝部と前記縦樋を連通する縦樋接続部とを有し、
前記集水桝部には、前記第1横樋部の切欠き開口から前記縦樋接続部に至る雨水の流路と、前記第2横樋部の切欠き開口から前記縦樋接続部に至る雨水の流路とを仕切る隔板部が設けられ、
前記集水ホッパーは、前記第1の構造材、前記第2の構造材および前記床材で構成されるコーナー部空間に納まるように当該第1の構造材に取り付けられ、且つ前記集水桝部の下面が、前記第1の構造材および前記第2の構造材の下端と面一に配設されることを特徴とするデッキ状構造物。
【請求項2】前記隔板部は、前記集水桝部を2つの領域に仕切っていることを特徴とする請求項1に記載のデッキ状構造物。」

2.引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、実願昭55-187484号(実開昭57-110230号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、実用新案登録請求の範囲、2頁18行〜4頁3行、4頁14〜18行、及び第3〜5図の記載によれば、次の発明が記載されていると認められる。
「デッキ材16上に降った雨水を、当該デッキ材16を支持する妻梁10および前桁4に導くと共に、当該妻梁10と当該前桁4とが交わるコーナー部分に設けた雨水受部材21に集水し、当該雨水受部材21から雨樋22に導くバルコニーにおいて、
前記妻梁10および前記前桁4は、下端を面一に配設されると共に、雨水を導く凹溝10’および凹溝4’をそれぞれ有し、前記雨水受部材21は、前記凹溝10’の端部に形成した排水口14からの雨水および前記凹溝4’の端部に形成した排水口17からの雨水を別々に受ける集水部と、当該集水部と連通する前記雨樋22とを有し、前記雨水受部材21は、前記妻梁10、前記前桁4それぞれの下壁10b、4aに跨って取り付けられていることを特徴とするバルコニー。」
同じく、実願昭53-82510号(実開昭54-182941号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、1頁11〜17行、3頁9〜13行、及び第2図の記載によれば、次の発明が記載されていると認められる。
「集水器体1の両側に軒樋接続部2を設け、集水器体1の中央を前方に凸曲させて凸曲部3の下部を排水孔部4とし、集水器体1の中央に止水板5を配して該止水板5の端と凸曲部3の突出基部両端との間をそれぞれ別々の雨水通路6とした軒樋の集水装置。」
同じく、実公昭49-2580号公報(以下、「引用文献3」という。)には、2欄4〜12行、2欄17〜18行、及び第1,2図の記載によれば、次の発明が記載されていると認められる。
「樋用集水器1の内部中央部附近に上下方向にわたって仕切板2が周壁部分間に形成され、該仕切板2は樋4,5の差込口11,12に夫々相対峙して設けられ、樋4,5より流れ出る水が該仕切板2に当たり、樋用集水器1の排出口3に接続した竪樋6を経て排水される樋用集水器。」

3.対比・判断
3-1.本願第1発明について
本願第1発明と引用文献1記載の発明とを比較すると、引用文献1記載の発明の「デッキ材16」、「妻梁10」、「前桁4」、「雨水受部材21」、「雨樋22」、「バルコニー」、「排水口14」又は「排水口17」、及び「集水部」は、本願第1発明の「床材」、「第1の構造材」、「第2の構造材」、「集水ホッパー」、「縦樋」、「デッキ状構造物」、「切欠き開口」、及び「集水桝部」に相当するから、両者は、
「床材上に降った雨水を、当該床材を支持する第1の構造材および第2の構造材に導くと共に、当該第1の構造材と当該第2の構造材とが交わるコーナー部分に設けた集水ホッパーに集水し、当該集水ホッパーから縦樋に導くデッキ状構造物において、
前記第1の構造材および前記第2の構造材は、下端を面一に配設されると共に、雨水を導く部分をそれぞれ有し、前記集水ホッパーは、前記それぞれの雨水を導く部分の端部に形成した切欠き開口からの雨水を別々に受ける集水桝部と、当該集水桝部と連通する前記縦樋とを有するデッキ状構造物。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:雨水を導く部分が、本願第1発明では、第1の構造材および第2の構造材に、雨水を導く第1横樋部および第2横樋部をそれぞれ具備したのに対して、引用文献1記載の発明は、第1の構造材および第2の構造材自体の各凹溝を利用するものである点
相違点2:本願第1発明の、集水桝部には、第1横樋部の切欠き開口から縦樋接続部に至る雨水の流路と、第2横樋部の切欠き開口から前記縦樋接続部に至る雨水の流路とを仕切る隔板部が設けられていることについては、引用文献1には、記載がない点
相違点3:本願第1発明の、集水ホッパーは、第1の構造材、第2の構造材および床材で構成されるコーナー部空間に納まるように第1の構造材に取り付けられ、且つ集水桝部の下面が、第1の構造材および第2の構造材の下端と面一に配設されることについては、引用文献1には、記載がない点

そこで、上記相違点3について検討する。
引用文献2,3記載の発明は、いずれも相違点3における本願第1発明について記載されておらず、そして、本願第1発明は、上記相違点3における事項を含むことにより、審判請求書の3頁27〜28行記載の「集水ホッパーの取付け作業性やデッキ状構造物の意匠性を向上する」という作用効果すなわち具体的には5頁20行〜6頁1行記載の「集水ホッパーの取り付けが、第1・第2の構造材のうち、第1構造材のみへの作業で済みます。また、……デッキ状構造物の意匠性を向上させることができると共に、……集水ホッパーの取付け作業を簡単にすることができます。
具体的には、それぞれの下端を面一に配設されている第1・第2の構造材に対し、集水桝部の下面が面一になるように、集水ホッパーをコーナー部空間に納めることで、集水ホッパーを第1の構造材に簡単且つ適切に取り付けることができます。しかも、このような取付け方であるため、第1・第2の構造材に形成した各切欠き開口に対する、集水桝部の各流路(雨水の受け口)の位置合わせ作業を、煩雑化することなく簡単に行うことができます。」という引用文献1〜3記載の発明からは期待することができない特有の効果を奏するものと認められる。
よって、上記相違点1,2について検討する迄もなく、上記相違点3により、本願第1発明は、引用文献1〜3記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

3-2.本願第2発明について
本願第2発明は、本願第1発明を引用するものであるから、上記3-1.で検討したとおり、本願第2発明も、引用文献1〜3記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1,2に係る発明は、引用文献1〜3記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
また、他に、本願の請求項1,2に係る発明を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2003-09-25 
出願番号 特願平8-215479
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小山 清二鉄 豊郎  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 長島 和子
新井夕起子
発明の名称 デッキ状構造物  
代理人 落合 稔  

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