• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1084118
審判番号 不服2000-16516  
総通号数 47 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-03-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-10-16 
確定日 2003-09-17 
事件の表示 平成 9年特許願第183142号「半導体装置及びその製造方法」拒絶査定に対する審判事件[平成10年 3月10日出願公開、特開平10- 70272]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年6月24日(パリ条約による優先権主張 平成8年6月29日 大韓民国)の出願であって、平成12年7月7日付けで拒絶査定がなされ、平成12年10月16日に審判請求がなされ、その後審判請求と同時になされた補正について平成13年5月8日付けで最後の拒絶理由が通知されたものである。

2.平成13年11月15日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成13年11月15日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)平成13年11月15日付の手続補正の内容
平成13年11月15日付の手続補正の内容は、発明の名称を半導体装置の製造方法と補正し特許請求の範囲を次のように補正するとともに、発明の詳細な説明及び図面の簡単な説明を全文訂正するものである。
「【請求項1】所定の導電型の半導体基板上にフィールド酸化膜を形成して、所定領域だけ拡張された突出部位を含むように、低いしきい電圧を有するNMOSトランジスタの活性領域を定める工程と、
前記活性領域上にスクリーン絶縁膜を形成する工程と、
前記フィールド酸化膜を囲むとともに、前記拡張された活性領域の突出部位を含むように前記基板にウェルを形成する工程と、
活性領域上にスクリーン絶縁膜を形成する工程と、
前記活性領域にしきい電圧調節用不純物イオンを注入する工程と、
前記スクリーン絶縁膜を除去した後、前記活性領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記基板上部にゲート形成する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】前記半導体基板は、不純物イオンがドーピングされていない初期の基板であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】前記しきい値電圧調整用不純物イオンを注入する工程は、Bイオンを約10〜50KeVのエネルギーと5×1011〜5×1012ions/cm2の濃度でイオン注入することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】前記しきい値電圧調整用不純物イオンを注入する工程は、BF2イオンを30〜80keVのエネルギーと5×1011〜5×1012ions/cm2の濃度でイオン注入することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】前記半導体基板は、ウェルが形成された基板であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】前記ウェルは、Bイオンを50〜150KeVのエネルギーと5×1012〜5×1013ions/cm2の濃度でイオン注入して形成することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】前記ウェルは、Bイオンを60〜150KeVのエネルギーと1×1012〜1×1013ions/cm2の濃度でイオン注入して形成することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。」
(2)平成13年11月15日付の手続補正についての検討
平成12年11月15日付け補正書の特許請求の範囲は次のとおりである。
【請求項1】所定の導電型の半導体基板と、
前記基板上に形成されたフィールド絶縁膜と、
前記フィールド絶縁膜によって前記基板内に定められた活性領域と、
前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域と、
前記基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜及びフィールド絶縁膜上に形成されたゲートパターンとを含む低いしきい値電圧を持つ半導体装置であって、
ゲート形成予定領域の対向する両端の活性領域部分が所定幅にて外方に突出するように前記フィールド絶縁膜にて定められることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】所定の導電型の半導体基板上にフィールド絶縁膜を形成して活性領域を定める工程と、
前記基板内に前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板と同一の導電型の不純物領域を形成する工程と、
前記基板内にしきい値電圧調節イオンを注入する工程と、
前記基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜及びフィールド絶縁膜上にゲートパターンを形成する工程とを含む低いしきい値電圧を持つ半導体装置の製造方法であって、
ゲート形成予定領域の対向する両端の活性領域部分が所定幅にて外方に突出するように前記フィールド絶縁膜にて定められることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】前記半導体基板は不純物がドーピングされていない初期の基板であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】前記しきい値電圧調節イオンを注入する工程はBイオンを約10〜50KeVのエネルギーと5×1011〜5×1012ions/cm2の濃度でイオン注入することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】前記しきい値電圧調節イオンを注入する工程はBF2を30〜80keVのエネルギーと5×1011〜5×1012ions/cm2の濃度でイオン注入することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】前記半導体基板はウェルが形成された基板であることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】前記ウェルはBイオンを50〜150KeVのエネルギーと5×1012〜5×1013ions/cm2の濃度でイオン注入して形成することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】前記不純物領域はBイオンを60〜150KeVのエネルギーと1×1012〜1×1013ions/cm2でイオン注入して形成することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
以下請求項の補正の適否について検討する。ここでは平成12年11月15日付け補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至8については、「旧請求項1乃至8」と略称する。
<旧請求項1の削除>
旧請求項1は削除されており、これを削除する補正は、特許請求の範囲の減縮に当たる。
<請求項1>
請求項1は、旧請求項2を補正するものであるが、旧請求項2では「所定領域だけ拡張された突出部位」の位置が「ゲート形成予定領域の対向する両端の活性領域部分が所定幅にて外方に突出するように」定められているのに対し、請求項1では「所定領域だけ拡張された突出部位」の位置の特定が外れているから、特許請求の範囲の拡張に当たる。
また旧請求項2では「フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板と同一の導電型の不純物領域を形成」するのに対し、請求項1では「フィールド酸化膜を囲む(とともに、前記拡張された活性領域の突出部位を含む)ように前記基板にウェルを形成する」ため下部を囲むような限定が外れているから、特許請求の範囲の拡張に当たる。
更に請求項1において、「活性領域上にスクリーン絶縁膜を形成する工程」を付加すること及び工程の内容を変更することは、特許請求の範囲の変更に当たる。
<請求項3、4>
請求項3、4は、旧請求項4、5における「しきい値電圧調節イオン」をそれぞれ「しきい値電圧調整用不純物イオン」と補正するもので、明りょうでない記載の釈明に当たるが、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものではない。
<請求項2〜7>
請求項2〜7において引用する請求項を繰り上げる補正は、旧請求項1の削除に伴うものである。

(3)むすび
以上のとおり、請求項1及び請求項3、4に係る平成13年11月15日付の補正は、特許法第17条の2第4項第2号及び第4号の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成12年1月13日付け及び平成12年11月15日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至8(以下、「本願発明1乃至8」という。)により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1により特定される発明(以下、「本願発明1」という。)は次のとおりである。
「所定の導電型の半導体基板と、
前記基板上に形成されたフィールド絶縁膜と、
前記フィールド絶縁膜によって前記基板内に定められた活性領域と、
前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域と、
前記基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜及びフィールド絶縁膜上に形成されたゲートパターンとを含む低いしきい値電圧を持つ半導体装置であって、
ゲート形成予定領域の対向する両端の活性領域部分が所定幅にて外方に突出するように前記フィールド絶縁膜にて定められることを特徴とする半導体装置。」

4.引用例
これに対して、平成13年5月8日付けの(最後の)拒絶の理由で引用され、本願出願前に頒布された刊行物である、特開平3-89555号公報(以下、「引用例」という。)には、MOS型構造の半導体装置が図面とともに開示されている。そして同公報には、次の事項が記載されている。
「本発明は半導体装置に係り、特にデイープサブミクロン(deep Sub-μm)時代に予想される電源電圧の低下に対応するに好適なMOS型構造の半導体装置に関する。」(第2頁右下欄11〜14行)
「 【実施例】
本発明の一実施例を第1図,第3図,第4図および第5図を用いて詳細に説明する。
第1図は、本実施例のMOSトランジスタの構造を示す図であり、第1図(a)は、平面パターン図、第1図(b)は第1図(a)の A-A′線に沿った断面図、第1図(c)は第1図(a)のB-B′線に沿った断面図である。第3図は第1図A-A′線に対応する断面方向より見た工程の概略図、第4図はB-B′線に対応する断面方向より見た工程の概略図、第5図は平面図である。NMOSを例に取り説明するが、PMOSの場合も同様である。
実施例中で、第1導電型の半導体基板はp型の半導体基板1、第2導電型領域はn型のソース/ドレイン4、第1の素子分離膜は、第1のフイールド酸化膜(LOCOS膜)2、第2の素子分離膜は、第2のフイールド酸化膜(LOCOS膜)5に相当し、素子分離膜は、この2者を総称するものである。
第1図(a)乃至第1図(c)に示すように、本素子は、離間して設けられた2つのソース/ドレイン4とそれらの間にチヤンネル領域12がゲート電極3への電圧印加によって誘起される電界効果素子である。ゲート電極3と半導体基板との間には、ゲート酸化膜10が形成されており、いわゆるMOS構造となっている。A-A′断面方向において、第1図(b)に示すように本素子領域は、第1のフイールド酸化膜2によって領域の大きさを規定されている。第1フイールド酸化膜2は一般的なLOCOS法によって形成されている。ソース/ドレイン4からは、ポリシリコン等の導電材からなる引出し電極13が形成され、それは、第1フイールド酸化膜2上に延在している。また第1フイールド酸化膜2上においてコンタクトホール8が設けられこれを介して、配線に接続される。ゲート電極3は、半導体基板1の表面とは、ゲート酸化膜10を介して絶縁され接触している。さらに、ゲート電極3は、引出し電極13と酸化膜40を介して絶縁され、平面的には酸化膜40、引出し電極13およびソース・ドレインの一部とオーバラップして形成されている。
B-B′断面においては、本素子の構造は第1図(c)に示すようになっている。ゲート酸化膜10は、第2のフイールド酸化膜5(第1のフイールド酸化膜2よりも薄い)によつてチヤネル領域の幅方向を規定されており、これが、実効的なチヤネル領域の幅となる。B-B′断面において、フイールド酸化膜は、2段階の膜厚を有しており(第1と第2のフイールド酸化膜)、ゲート電極は、一端において、第2のフイールド酸化膜5上にオーバラップするように形成されている。またゲート電極の他端は第2のフイールド酸化膜5および第1のフイールド酸化膜上に延在して形成される。
第1図(a)において、鎖線で囲まれた領域が実効的なチヤネル領域12となる。また、楕円形状の能動領域11の部分のうち、チヤネル領域12およびソース/ドレイン4を除いた部分(後述する第5図(b)の領域51)に第2のフイールド酸化膜5が形成されている。したがって、ソースドレイン4は、その側方は、第2のフイールド酸化膜5にて規定され、ゲート電極3と反対の側は第1のフイールド酸化膜2によって規定されている。」(第4頁左上欄2行〜右下欄6行)
「 次に、能動領域11以外の部分の不純物濃度を高くし、素子間の分離を完全にするため、全面に基板と同じ導電型の不純物を1013〜1014/cm2のオーダーでイオン打込みしチヤネルストツパ領域9を形成する。」(第5頁右上欄9行〜13行)
「 次に、全面に第3のSi3N4膜39を0.05〜0.1nmの厚さに堆積し、第1図(b)に示すソース/ドレインの引出し電極13を残すべき部分にホトレジスト38を形成し、他の部分のポリシリコンをエツチングで除く(第3図(h),第4図(e))。第5図(b)はこの時点の平面図を示す。この工程を終ると引出電極13に合せてソース/ドレインの接合が形成される場所が決まる。なぜなら、上述の如く、ソース/ドレインの接合はポリシリコンからのしみ出し拡散により形成されるからである。
ここで注意すべきは、引出し電極13のダミーゲート36とB-B′と並行な辺は、第3図(h)に示す工程ですでに自己整合的に決定されており、チヤネル長がダミーゲート36によって規定される点である。」(第6頁左上欄5行〜20行)
更に第1図(a)及び第5図(a)、(b)の記載から、チャネル領域12及びソース/ドレイン4の部分を合わせた領域は、そのゲート形成予定領域の対向する両端が所定幅にて外方に突出するように第1及び第2のフィールド酸化膜にて定められていることが読み取れる。
以上第1図及び第5図を参酌してまとめると、引用例には、
「p型の半導体基板1と、
前記基板上に形成された第1及び第2のフィールド酸化膜2及び5(以下、纏めて「フィールド酸化膜」という。)と、
前記フィールド酸化膜によって前記基板内に定められたチャネル領域12及びソース/ドレイン4の部分(以下、纏めて「素子領域」と略称する。)と、
前記フィールド酸化膜の下部を囲むように(第1フィールド酸化膜2の下部の全て及び第2のフィールド酸化膜5の下部の一部が囲まれている)前記基板内に形成された前記基板と同じ導電型のチャネルストッパ領域9と、
前記基板上に形成されたゲート酸化膜10と、
前記ゲート酸化膜10及びフィールド酸化膜10上に形成されたゲート電極3とを含むMOSトランジスタであって、
ゲート形成予定領域の対向する両端の素子領域が所定幅にて外方に突出するように前記フィールド酸化膜にて定められることを特徴とするMOSトランジスタ。」が記載されている。

5.理由1についての対比、判断
引用例記載の発明の構成と本願発明1の構成とを対比する。引用例記載の発明における「第1及び第2のフィールド酸化膜2及び5」、「チャネル領域12及びソース/ドレイン4の部分」、「チャネルストッパ領域9」、「ゲート電極3」及び「MOSトランジスタ」は、それぞれ本願発明1の「フィールド絶縁膜」、「活性領域」、「基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域」、「ゲートパターン」及び「半導体装置」に相当する。
また引用例1記載の発明における「チャネルストッパ領域9」は、第1フィールド酸化膜2の下部の全て及び第2のフィールド酸化膜5の下部を囲むように形成されているといえる。
よって、両者は、
「所定の導電型の半導体基板と、
前記基板上に形成されたフィールド絶縁膜と、
前記フィールド絶縁膜によって前記基板内に定められた活性領域と、
前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域と、
前記基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜及びフィールド絶縁膜上に形成されたゲートパターンとを含む低いしきい値電圧を持つ半導体装置であって、
ゲート形成予定領域の対向する両端の活性領域部分が所定幅にて外方に突出するように前記フィールド絶縁膜にて定められることを特徴とする半導体装置。」の点で一致し、
「低いしきい値電圧を持つ半導体装置」の点で一応相違している。
以下上記相違点について検討する。
引用例におけるMOSトランジスタが「低いしきい値電圧を持つ」かどうかの明記はないが、
MOSトランジスタのような半導体装置では、設計上種々のしきい値電圧が選択可能なこと、
低いしきい値電圧は、半導体装置の技術分野では周知の技術課題であること、 引用例においても低電圧化が課題とされていること、
本願発明1において、「低いしきい値電圧を持つ」としたことに伴う構成上の特徴が認められないこと、を勘案すれば、「低いしきい値電圧を持つ」としたことは設計に当たって当業者が考慮すべき事項を単に記述したにすぎない程度のものである。
よって、低いしきい値電圧を持つ半導体装置の点は、実質的な相違点ではない。
以上のとおりであるから、本願発明1は、引用例に記載された発明であると認められ、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることはできない。

6.理由2についての対比、判断
上記5.の項では、本願発明1における、「前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域」の構成を「前記フィールド絶縁膜の下部を全て囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域」と解される余地も無いわけではないので念のためこの点について検討する。
引用例と本願発明1とを対比すると、5.の項で検討した事項に加えて次のような相違点が挙げられる。
なお低いしきい値電圧を持つ半導体装置の点は、実質的な相違点ではないとして上記5.で検討済みであるから、ここでは省略する。
引用例では、第1フィールド酸化膜2の下部の全て及び第2のフィールド酸化膜5の下部の一部が囲まれているのに対し、本願発明1ではフィールド絶縁膜の下部を全て囲むように形成する点で相違している。
即ち引用例において、第1フィールド酸化膜2の下部の全て及び第2のフィールド酸化膜5の下部の全部が囲まれていることに相当する。
以下この点について検討する。
フィールド酸化膜の下部の全てを囲むようにすることは、審査の過程で提示した、特開平3-155651号公報或いは特開昭57-136343号公報にもあるように周知の技術事項であり、引用例における不純物領域9はこのような目的でなされているのであるから、不純物領域9のような構造を第2のフィールド酸化膜5の下部の全部が囲まれるように延長した構造とすることは当業者であれば容易に成し得たものと認められる。
以上のとおりであるから、本願発明1は、本願発明1における、「前記フィールド絶縁膜の下部を囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域」の構成を「前記フィールド絶縁膜の下部を全て囲むように前記基板内に形成された前記基板と同一の導電型の不純物領域」と解しても、引用例に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。

7.結論
以上のとおりであるから、本願発明2乃至8について検討するまでもなく本願は拒絶をするべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-04-09 
結審通知日 2003-04-22 
審決日 2003-05-06 
出願番号 特願平9-183142
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 113- Z (H01L)
P 1 8・ 574- Z (H01L)
P 1 8・ 572- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡 和久今井 拓也  
特許庁審判長 内野 春喜
特許庁審判官 朽名 一夫
池渕 立
発明の名称 半導体装置及びその製造方法  
代理人 斎藤 栄一  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ