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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 B01J
管理番号 1085739
審判番号 不服2002-17126  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-09-05 
確定日 2003-10-16 
事件の表示 平成 7年特許願第120999号「アンモニア分解触媒及びアンモニアの分解方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 8年11月26日出願公開、特開平 8-309188]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願発明
本願は、平成7年5月19日の出願であって、その請求項1〜4に係る発明は、平成14年6月17日付け手続補正書により補正された明細書及び図面からみて、特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】チタン酸化物担体上に、バナジウム、タングステン及びモリブデンよりなる群から選ばれた元素の酸化物の少なくとも1種以上とルテニウムを担持させてなることを特徴とするCOが共存するアンモニア含有ガス中のアンモニアを分解するアンモニア分解触媒。」
2.先願明細書
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用された先願明細書には、次の事項が記載されている。
(1)先願明細書:特願平6-311227号(特開平8-141398号)の願書に最初に添付された明細書
(a)「【請求項1】チタン(Ti)をA成分とし、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)から選ばれた少なくとも1種の元素をB成分とし、希土類(RE)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、銅(Cu)から選ばれた少なくとも1種の元素をC成分としてなる触媒であって、該触媒の組成が、酸化物の重量パーセントでA成分が50〜95%、B成分が0.1〜30%、C成分が0.01〜15%の範囲よりなることを特徴とするアンモニア分解触媒。
【請求項2】前記C成分がルテニウム(Ru)である請求項1記載のアンモニア分解触媒。」(特許請求の範囲)
(b)「さらに詳しくは本発明は、燃焼炉、各種工業装置などから排出される排ガス中の窒素酸化物をアンモニアガスで還元し、分解除去した後に残留するアンモニアを酸化分解する触媒に関するものである。」(先願公開公報第2頁第1欄第19〜23行、以下同じ。)
(c)「本発明の触媒において、(A)成分は基本的にSOxに対する耐被毒性が強く、工業的触媒担体として好適であり、現在工業排ガス処理触媒などに使用されている。」(第3頁第3欄第9〜12行)
(d)第6頁表1には、実施例5として、A成分のTiO2が89.2、B成分のWO3が5.0、V2O5が5.5、C成分のRuO2が0.3の例が記載されており、第7頁の表3には、実施例7として、A成分のTiO2が84.5、B成分のWO3が9.2、V2O5が0.5、C成分のRuO2が1.0の例が記載されている。
(e)「本発明の触媒は、硫黄酸化物の被毒に強く、NOx、N2Oなどの副生物が少ないので、脱硝触媒の後流に本発明の触媒を設置すると、該触媒の(B)成分の作用で残留NOxも除去されるので、排ガス中のNOxの量を低レベルに抑えることができ、しかも、アンモニアをも効率よく除去することができる。」(第8頁第13欄第30〜第14欄第31行)
3.対比・判断
先願明細書の上記(1)(a)(d)には、「TiO2をA成分とし、WO3、V2O5から選ばれた少なくとも1種をB成分とし、RuO2をC成分としてなる触媒であるアンモニア分解触媒。」が記載されていると云える。
ここで、A成分は、上記(1)(c)の「本発明の触媒において、(A)成分は基本的にSOxに対する耐被毒性が強く、工業的触媒担体として好適であり、現在工業排ガス処理触媒などに使用されている」の記載から、触媒担体とみなせる。
そうすると、触媒担体である(A)成分以外の(B)成分、(C)成分は、(A)成分に担持させていると云えるから、これら記載事項を本願発明の記載ぶりに則って整理すると、結局、先願明細書には、「TiO2を触媒担体とし、WO3、V2O5から選ばれた少なくとも1種と、RuO2を担持させてなるアンモニア分解触媒」という発明(以下、「先願明細書発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本願発明と先願明細書発明とを対比すると、両者は「チタン酸化物担体上に、バナジウム、タングステンよりなる群から選ばれた元素の酸化物の少なくとも1種以上とルテニウムを担持させてなるアンモニア分解触媒」という点で一致し、次の点が一応相違していると云える。
相違点:本願発明では、アンモニア分解触媒が、「COが共存するアンモニア含有ガス中のアンモニアを分解する」アンモニア分解触媒であるのに対して、先願明細書発明では、その点が不明である点
次に、この相違点について検討する。
先ず、先願明細書の対象ガスの一つは、上記(1)(b)から「燃焼炉」からの排ガスであるが、一般に「燃焼」によって、一酸化炭素が発生することは普通のことであるから(必要ならば、拒絶査定で引用された公害防止の技術と法規編集委員会編「公害防止の技術と法規〔大気編〕」丸善株式会社 第71頁(昭和53年6月26日)参照)、その排ガスにアンモニア添加して窒素酸化物を還元する(上記(1)(b))以上、還元後の排ガスに余剰のアンモニアと一酸化炭素が共存していることは明らかであると云える。
また、上記(1)(b)(e)から、先願明細書のアンモニア分解触媒は、脱硝触媒の後流に配設されているが、このような脱硝触媒とアンモニア分解触媒を連設した場合の脱硝触媒の後流のガスには、アンモニアと一緒に一酸化炭素が含まれていることも普通に知られている(必要ならば、特開平5-329334号公報、特開平7-213908号公報参照)。
してみると、先願明細書の対象ガスにもアンモニアとCOが共存していると云えるから、上記相違点は実質的な相違とは云えない。
したがって、本願発明は、先願明細書に記載された発明と同一である。
しかも、本願発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、また本願の出願時に、その出願人が上記他の出願の出願人と同一であるとも認められない。
4.むすび
以上のとおり、本願請求項1に係る発明は、特許法第29条の2第1項の規定により特許を受けることができない。
よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-08-07 
結審通知日 2003-08-12 
審決日 2003-09-01 
出願番号 特願平7-120999
審決分類 P 1 8・ 161- Z (B01J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 繁田 えい子  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 野田 直人
米田 健志
発明の名称 アンモニア分解触媒及びアンモニアの分解方法  
代理人 萩原 亮一  
代理人 加藤 公清  
代理人 内田 明  
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