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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1086214
審判番号 審判1999-1341  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-02-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-01-21 
確定日 2003-11-05 
事件の表示 平成 7年特許願第201406号「クラスタシステム」拒絶査定に対する審判事件[平成 9年 2月 7日出願公開、特開平 9- 34852]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年7月13日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、平成15年6月27日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、
「計算機を複数台接続することで構成されるクラスタシステムにおいて、
障害の検出に応じて障害部分の復旧処理や再構成処理を行なう専用プロセッサを前記計算機毎に備え、
前記専用プロセッサは、自計算機の障害を検出して分析した際に、該障害により自計算機での処理の継続が不可能であるか否かを判定すると共に、処理の継続が不可能であると判定した場合に、自計算機による処理の継続が不可能である旨の通知を前記他の計算機に通知することを特徴とするクラスタシステム。」により特定されるものと認める。
なお、請求項1には、「・・・を特徴とする特徴とするクラスタシステム。」と記載されているが、これは「・・・を特徴とするクラスタシステム。」の誤記と認められるので、本願発明を上記のとおり認定した。

2.引用例
これに対して、当審の平成15年5月27日付で通知した拒絶の理由に引用された特開平7-141303号公報(平成7年6月2日出願公開。以下、引用例1という。)には、並列計算機について、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)図8は、従来の並列計算機の構成例を示した図である。従来の並列計算機では、複数個のプロセッサ(PE) 2が、例えば、共通バス 4を介して相互に接続された構成を取っている。・・・ そして、この並列計算機自体が、耐故障性 (該プロセッサ自身が二重化されていたたり、オペレーティングシステム(OS)に耐故障性機能をもっている) 計算機を構成しており、一部のプロセッサ(PE) 2が故障した場合、その故障プロセッサ(PE) 2を切り離して、縮退運転を行うが、その為に、業務処理を行う該プロセッサ(PE) 2に、故障検出機能, 迂回機能、縮退運転機能や、負荷再配置機能 (上記、ルータ機能) を持たせていた。(段落番号0004乃至0006)
(ロ)本発明は上記従来の欠点に鑑み、業務処理プロセッサ, 及び、そのオペレーティングシステム(OS)に、業務専用のハードウェア, 及び、ソフトウェアを用い、耐故障性機能が要求されるルータ装置 (処理タスクの分割, 分散, 再配置装置)として、元々、耐故障性を高めているフオールトトレラントプロセッサを用いると同時に、上記業務処理プロセッサには、業務処理に適合したアーキテクチャのハードウェア, ソフトウェアを用いることにより、該並列計算機に、高い耐故障性と, 高い業務処理能力を同時に提供すること・・・を目的とするものである。(段落番号0010)
(ハ)各業務処理用プロセッサ(PE) 2は、例えば、ネットワーク(network) 6 を介して、相互に通信を行いながら、配置された業務を並列に処理する。ここで、ある業務処理プロセッサ(PE) 2に故障が発生した場合、該業務処理用プロセッサ(PE) 2の監視を割り当てられた耐故障性のプロセッサ(FTPE) 1が、その故障を検出し、その業務処理用プロセッサ(PE) 2が処理していたタスクを他の空いている業務処理用プロセッサ(PE) 2に再配置する。(段落番号0016)
したがって、引用例1には、
「業務処理用プロセッサを複数台接続することで構成される並列計算機において、監視を割り当てられ、故障を検出するとその業務処理用プロセッサが処理していたタスクを他の空いている業務処理用プロセッサに再配置する耐故障性のプロセッサを前記業務処理用プロセッサ毎に備えたことを特徴とする並列計算機」(以下、引用例1に記載された発明という。)が記載されていると認められる。
同じく引用された特開昭62-147537号公報(昭和62年7月1日出願公開。以下、引用例2という。)には、複数の情報処理装置が伝送路に接続されて相互に通信を行う分散情報処理システムにおいて、情報処理装置は障害を監視し、障害が発生した場合直ちに他の情報処理装置に障害を通知すること、通知される障害情報には障害種別等があり、障害種別には復旧不可能な障害が発生したことを示すものがある旨、記載されている。

3.対比
本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、引用例1に記載された発明の「業務処理用プロセッサ」及び「並列計算機」は、それぞれ本願発明の「計算機」及び「クラスタシステム」に相当し、引用例1に記載された発明の「耐故障性のプロセッサ」は、業務処理用プロセッサ毎に当該業務処理プロセッサの監視を割り当てられているものであって、特定の機能を実行するものであるから、一種の専用プロセッサと認められ、さらに、本願発明の「専用プロセッサ」と引用例1に記載された発明の「耐故障性のプロセッサ」は、障害を検出するものである点でも一致する。
したがって、両者は、
「計算機を複数台接続することで構成されるクラスタシステムにおいて、
障害を検出する専用プロセッサを前記計算機毎に備えたことを特徴とするクラスタシステム。」であることで一致し、本願発明の専用プロセッサは、障害の検出に応じて障害部分の復旧処理や再構成処理を行なうものであって、自計算機の障害を検出して分析した際に、該障害により自計算機での処理の継続が不可能であるか否かを判定すると共に、処理の継続が不可能であると判定した場合に、自計算機による処理の継続が不可能である旨の通知を他の計算機に通知するものであるのに対して、引用例1に記載された発明の耐故障性のプロセッサは、故障を検出した場合に、その業務処理用プロセッサが処理していたタスクを他の空いている業務処理用プロセッサに再配置するものである点で相違する。

4.当審の判断
上記相違点について検討する。
コンピュータシステムにおいて、障害の検出がなされると、初期化等の障害部分の復旧処理や再構成処理を行うことは当業者の常套手段である。
また、引用例2には、障害が発生するとそれを他の情報処理装置に通知すること、そして、障害種別として復旧不可能であることを通知することも記載されていることから、引用例2に記載された情報処理装置は、自情報処理装置の障害を検出して分析した際に、該障害により自情報処理装置での処理の継続が不可能であるか否かを判定すると共に、処理の継続が不可能であると判定した場合に、自情報処理装置による処理の継続が不可能である旨の通知を他の情報処理装置に通知するものと認められる。
してみると、引用例2の記載に基づき、引用例1に記載された発明の耐故障性のプロセッサにおいても、対応する業務処理用プロセッサの障害を検出して分析した際に、該障害により当該業務処理用プロセッサでの処理の継続が不可能であるか否かを判定すると共に、処理の継続が不可能であると判定した場合に、業務処理用プロセッサによる処理の継続が不可能である旨の通知を他の業務処理用プロセッサに通知することは、当業者が容易になし得たことと認められる。
したがって、上記相違点を格別のものと認めることはできない。

5.むすび
以上のとおりであるので、本願発明は、引用例1乃至2に記載された発明及び周知技術思想に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-08-26 
結審通知日 2003-09-05 
審決日 2003-09-17 
出願番号 特願平7-201406
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和  
特許庁審判長 斎藤 操
特許庁審判官 徳永 民雄
村上 友幸
発明の名称 クラスタシステム  
代理人 谷澤 靖久  
代理人 河合 信明  
代理人 机 昌彦  
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