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審決分類 審判 訂正 特123条1項8号訂正、訂正請求の適否 訂正する A63F
審判 訂正 2項進歩性 訂正する A63F
管理番号 1088870
審判番号 訂正2003-39162  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-01-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-08-12 
確定日 2003-10-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3238724号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3238724号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.本件審判請求の要旨は、特許第3238724号発明(平成3年7月5日出願、特願平3-191248号)の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、すなわち下記のとおり訂正することを求めるというものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1を、
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 補助枠に設けた挿排口より挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を球供給皿に排出するカード式遊技装置において、
カードに記録された有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数のデータを度数表示出力として、基準単位数に満たない端数のデータを端数表示出力として、夫々選択的に出力制御可能な残高表示制御手段と、
前記残高表示制御手段よりの度数表示出力あるいは端数表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器と、
を備え、
前記残高表示制御手段は、
残高表示器への度数表示あるいは端数表示を選択的に切り換える表示態様変更手段を有し、
該表示態様変更手段は、前記残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に前記球貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、かつ、前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を度数表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにしたことを特徴とするカード式遊技装置。」
と訂正する。
イ.訂正事項b
特許明細書の段落【0007】を、
「【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み為されたもので、補助枠に設けた挿排口より挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を球供給皿に排出するカード式遊技装置において、カードに記録された有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数のデータを度数表示出力として、基準単位数に満たない端数のデータを端数表示出力として、夫々選択的に出力制御可能な残高表示制御手段と、前記残高表示制御手段よりの度数表示出力あるいは端数表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器と、を備え、前記残高表示制御手段は、残高表示器への度数表示あるいは端数表示を選択的に切り換える表示態様変更手段を有し、該表示態様変更手段は、前記残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に前記球貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、かつ、前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を度数表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにした。」
と訂正する。
ウ.訂正事項c
特許明細書の段落【0008】を、
「【0008】
【作用】
斯く構成したカード式遊技装置においては、表示態様変更手段を備えることによって、残高表示制御手段より残高表示への表示出力が度数表示あるいは端数表示に端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより選択的に切り換えられ、残高表示器にカードの端数データが表示されることとなり、また、残高表示制御手段の表示態様変更手段が端数表示がされた残高表示器の表示態様を所定時間遅延させて度数表示に切り換えることで、適宜に設定した遅延時間だけ端数表示を保持させておき、その後に残高表示器の表示を度数表示に自動的に切り換えることが可能となる。
また、残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に球貸操作部が操作されると、残高表示器の表示内容を度数表示に変更するので、残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」
と訂正する。
エ.訂正事項d
特許明細書の段落【0047】を、
「【0047】
ここで、遊技者の意志に基づいて端数表示スイッチ15が操作されることにより、該端数表示スイッチ15から端数表示要求操作信号線L25を介して残高表示制御手段56へ供給される“端数表示要求操作信号”は、残高表示制御手段56の端数表示指令信号発生手段60へ入力され、該端数表示指令信号発生手段60より端数表示指令信号線L26を介して“端数表示指令信号”が表示態様変更手段58へ供給される。この端数表示指令信号が入力されることによって、表示態様変更手段58は残高表示器12への表示出力を端数表示出力に変更し、当該プリペイドカード52の有価データのうち基準単位に満たない端数データが残高表示器12に表示されるのである。」
と訂正する。
オ.訂正事項e
特許明細書の段落【0048】を、
「【0048】
なお、本実施例においては、端数表示スイッチ15が操作されなくても、カード残高判定手段54より端数信号線L18を介して端数信号(プリペイドカード52の残度数がゼロで、端数データのみであることを示す信号)が入力されることに基づいて、端数表示指令信号発生手段60より端数表示指令信号が表示態様変更手段58へ出力され、残高表示器12の表示内容が端数データに変更されるものとしてある。」
と訂正する。
カ.訂正事項f
特許明細書の段落【0052】を、
「【0052】
また、残高表示制御手段56が残高表示器12へ端数表示出力を行っている間に、端数表示スイッチ15より端数表示要求操作信号が入力された場合には、残高表示器12への出力を度数表示に切り換えるように残高表示制御手段56を構成してもよい。なお、同一スイッチの操作による2状態の交互変換動作は、公知技術によって、容易に構成することができる。」
と訂正する。
キ.訂正事項g
特許明細書の段落【0053】を、
「【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るカード式遊技装置においては、表示態様変更手段を備えることによって、残高表示制御手段より残高表示への表示出力が度数表示あるいは端数表示に、端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより選択的に切り換えられ、残高表示器にカードの端数データが表示されるものとしたので、端数表示用の表示器を別途設けることなく、端数表示を行うことが可能となり、しかも、残高表示制御手段の表示態様変更手段が端数表示がされた残高表示器の表示態様を所定時間遅延させて度数表示に切り換えるので、適宜に設定した遅延時間だけ端数表示を保持させておき、その後に残高表示器の表示を自動的に度数表示に切り換えることが可能となり、切り換わる前のデータと切り換わった後のデータとを一つの表示器で効率よく確認することができる。
また、残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に球貸操作部が操作されると、残高表示器の表示内容を度数表示に変更するので、残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」
と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aの「補助枠に設けた挿排口より挿入されたカードに基づいて」は、特許明細書の段落【0011】の記載に基づくものであり、特許請求の範囲に記載された「カード」について実施例の記載に基づいてより下位概念に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮に相当する。
上記訂正事項aの「前記残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に前記球貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、」は、特許明細書の段落【0049】の記載に基づくものであり、特許請求の範囲に記載された残高表示器の表示態様の切り換えについて、実施例の記載に基づいてより下位概念に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮に相当する。
上記訂正事項aの「前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を度数表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換える」は、特許明細書の段落【0013】【0047】【0049】【0051】の記載に基づくものであり、特許請求の範囲に記載された残高表示器の表示態様の切り換えについて、実施例の記載に基づいてより下位概念に限定するものであり、特許請求の範囲の減縮に相当する。
上記訂正事項bは、特許請求の範囲を訂正するのに伴い、課題を解決するための手段の記載を特許請求の範囲に対応するように訂正するものであるので、明りょうでない記載の釈明に相当する。
上記訂正事項cは、特許請求の範囲を訂正するのに伴い、作用の記載を特許請求の範囲に対応するように訂正するものであるので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに相当する。そして、訂正事項cのうち、「残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」は、特許明細書の段落【0049】の記載に基づくものと認められる。
上記訂正事項d、e、fのうち、「端数表示スイッチ16」を「端数表示スイッチ15」とする訂正は、本来「端数表示スイッチ15」と記載すべきであったものに正すものであるから、誤記の訂正に相当する。
上記訂正事項fのうち、「残高表示器56」を「残高表示制御手段56」とする訂正は、本来「残高表示制御手段56」と記載すべきであったものに正すものであるから、誤記の訂正に相当する。
上記訂正事項gは、特許請求の範囲を訂正するのに伴い、発明の効果の記載を特許請求の範囲に対応するように訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明に相当する。また、訂正事項gのうち、「残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」は、特許明細書の段落【0049】の記載に基づくものと認められる。
そして、上記訂正事項a〜gは、何れも新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)独立特許要件
1)本件発明
本件の請求項1に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。(上記訂正事項a参照)
2)刊行物に記載された発明
本件特許出願前に国内において頒布された刊行物である特開平2-279191号公報(以下、引用例1という)には、
特に、
(ア)「カード2により遊技媒体を貸し出す・・・玉貸機4・・・と、借り出した遊技媒体により遊技を行なう遊技機としてのパチンコ機6」(第2頁右下欄第18行〜第3頁左上欄第1行)及び「玉貸機4aは上記パチンコ機6とパチンコ機6との間に設置するもので・・・表示操作部23を有する。表示操作部23には・・・カード挿入部25を設け・・・カード2に記憶された有価データの残高を表示する残高表示部26を設け・・・遊技者の指示により有価データの範囲内で球を貸し出す金額を指示するための購入スイッチ28を設け・・・下方には球排出部29を設けてある」(第4頁左上欄第3〜15行)の記載から、
カードを用いるパチンコ機6においては、パチンコ機6間に設置された玉貸機4aに設けたカード挿入部25より挿入されたカード2に基づいて購入スイッチ28の操作により遊技媒体を排出するようになっているものと認められること、
(イ)「上記カードに記憶した有価データの範囲内で遊技媒体を貸し出す」(第2頁右上欄第3,4行)、「この残高表示器26で残高を表示するには、例えば、橙色での表示は1万〜99万円、緑色で100円〜9900円、赤色で1円〜99円を表す。そして・・・表示を順次変換することにより残高を示す」(第4頁右上欄第12〜17行)及び「玉貸機4aの各機器を制御するための制御装置41」(第4頁右下欄第13,14行)の記載から、
制御装置41は、遊技媒体に変換可能な100円以上を100円以上表示出力として、遊技媒体に変換可能な100円未満を100円未満表示出力として、夫々順次出力制御可能であり、また、残高表示器26は、制御装置41よりの100円以上表示出力あるいは100円未満表示出力に応じたデータ表示が可能であるものと認められること、
(ウ)「残高をスクロールで全部見せる」(第16頁第14図左下部二重丸右)、上記(イ)の第4頁右上欄第12〜17行及び上記(イ)の第4頁右下欄第13,14行の記載から、
制御装置41は、残高表示器26への100円以上表示あるいは100円未満表示を順次(スクロール)変換する表示態様変更手段を有し、該表示態様変更手段により残高表示器26に100円未満を表示し、100円未満表示がされた残高表示器26の表示態様を100円以上表示に変換する際に所定時間遅延させて変換するようにしているものと認められる(1つしかない表示器で、1万〜99万円の表示、100円〜9900円の表示、1円〜99円の表示を同時に行えば、遊技者が表示内容を読取れないことは自明であるから、残高表示器で1万〜99万円の表示、100円〜9900円の表示、1円〜99円の表示を順次変換する際に所定時間遅延させて変換することは自明であるものと認められる)こと、
からみて、
「玉貸機4aに設けたカード挿入部25より挿入されたカード2に基づいて購入スイッチ28の操作により遊技媒体を排出するカードを用いるパチンコ機6において、
カードに記憶された有価データのうち、遊技媒体に変換可能な100円以上を100円以上表示出力として、遊技媒体に変換可能な100円未満を100円未満表示出力として、夫々順次(スクロール)出力制御可能な制御装置41と、
前記制御装置41よりの100円以上表示出力あるいは100円未満表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器26と、
を備え、
前記制御装置41は、
残高表示器26への100円以上表示あるいは100円未満表示を順次(スクロール)変換する表示態様変更手段を有し、前記表示態様変更手段により残高表示器26に100円未満を表示し、100円未満表示がされた残高表示器26の表示態様を100円以上表示に変換する際に所定時間遅延させて変換するようにしたカードを用いるパチンコ機6」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
同じく、本件特許出願前に国内において頒布された刊行物である特開平1-136681号公報(以下、引用例2という)には、
特に、
(ア)「カード式パチンコ機・・・において、符号1はパチンコ玉を貯留する上皿であり・・・上皿1上のパチンコ玉の流れを容易に視認できる」(第2頁第4欄第1〜4行)、「度数選択スイッチはパチンコ玉の貸出し数を選択するためのスイッチである」(第2頁第5欄第1、2行)及び「玉貸しレートk1,即ち、100円で貸出されるパチンコ玉の数を払い出し」(第6頁第21欄第8,9行)の記載から、
カード式パチンコ機は、カード挿入口5より挿入されたカード36に基づいて度数選択スイッチA〜Eの操作によりパチンコ玉を上皿1に払い出すものと認められること、
(イ)「カードに磁気記憶された現度数と玉保有数」(第4頁第12欄第14,15行)、「度数選択スイッチはパチンコ玉の貸出し数を選択するためのスイッチで・・・度数を媒介変数としてパチンコ玉の貸出しを行っており、1度数が100円に対応する単位となっている」(第2頁第5欄第1〜5行)及び「制御系要部について簡単に説明する・・・度数選択スイッチA〜Eは入出力回路32を介してCPU33に操作信号を入力し・・・現度数表示ディスプレイ4・・・は入出力回路32を介したCPU33の指令で・・・表示内容を制御される」(第3頁第8欄第3行〜第9欄第15行)の記載から、
制御系は、カード36に記憶された度数と玉保有数のうち、パチンコ玉に変換可能な100円に対応する単位を度数表示出力として出力制御可能であり、また、現度数表示ディスプレイ4は、前記制御系よりの度数表示出力に応じたデータ表示が可能であるものと認められること、
からみて、
「カード挿入口5より挿入されたカード36に基づいて度数選択スイッチA〜Eの操作によりパチンコ玉を上皿1に払い出すカード式パチンコ機において、
カード36に記憶された度数と玉保有数のうち、パチンコ玉に変換可能な100円に対応する単位を度数表示出力として出力制御可能な制御系と、
前記制御系よりの度数表示出力に応じたデータ表示が可能な現度数表示ディスプレイ4と、
を備えたカード式パチンコ機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
同じく、本件特許出願前に国内において頒布された刊行物である特開平1-163694号公報(以下、引用例3という)には、
「主要都市の時刻のうち、特定の都市の時刻をホームシティの時刻表示出力として、ホームシティ以外の都市の時刻を他の時刻表示出力として、夫々選択的に出力制御可能な制御回路8と、
前記制御回路8よりのホームシティの時刻表示出力あるいは他の時刻表示出力に応じた時刻表示が可能な表示部4と、
を備え、
前記制御回路8は、
表示部4へのホームシティの時刻表示あるいは他の時刻表示を選択的に切り換える選択スイッチ1が操作者の意志に基づいて操作されることにより、表示部4に他の時刻を表示し、他の時刻表示がされた表示部4の表示態様をホームシティの時刻表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにした世界時計」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
同じく、本件特許出願前に国内において頒布された刊行物である特開平2-160570号公報(以下、引用例4という)には、
「設定されたモードの表示が可能な表示板10を備え、
表示板10の表示を設定モードの表示に選択的に切り換える予め定められたキーが確認者の意志に基づいて操作されることにより、表示板10に複数種類の設定モードを次々と切り換え表示し、切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにしたプリンタ装置の設定モード表示方法」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
(3)対比及び判断
本件請求項1に係る発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、
後者の
「カード挿入部25」、「購入スイッチ28」、「遊技媒体」、「カードを用いるパチンコ機6」、「記憶」、「遊技媒体」、「100円未満を100円未満表示出力」、「制御装置41」、「100円未満表示出力」、「100円未満表示」、「変換する」及び「100円未満」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「挿排口」、「球貸操作部」、「貸球」、「カード式遊技装置」、「記録」、「遊技球」、「端数のデータを端数表示出力」、「残高表示制御手段」、「端数表示出力」、「端数表示」、「切り換える」及び「端数データ」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「挿排口より挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を排出するカード式遊技装置において、
カードに記録された有価データのうち、遊技球に変換可能な基準となる或る値のデータを基準値表示出力として、基準となる或る値に満たない端数のデータを端数表示出力として、夫々出力制御可能な残高表示制御手段と、
前記残高表示制御手段よりの基準値表示出力あるいは端数表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器と、
を備え、
前記残高表示制御手段は、
残高表示器への基準値表示あるいは端数表示を切り換える表示態様変更手段を有し、前記表示態様変更手段により残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を基準値表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにしたカード式遊技装置」である、
点において一致し、
ア.前者においては、カードの挿排口が補助枠に設けられ、貸球が球供給皿に排出されるようになっているのに対し、後者においては、カードの挿排口が遊技装置間に設置される玉貸機4aに設けられ、貸球が球供給皿に排出されるようになっていない、
イ.前者においては、基準となる或る値のデータが基準単位数のデータ、すなわち、度数、であり、基準となる或る値に満たない端数のデータでは、特許明細書の段落【0054】の「遊技媒体の貸出最小単位(例えば100円)よりも少額しかカードに残っておらず、遊技媒体を借り受けることができない場合」という記載からみて、遊技球に変換不可能であるのに対し、後者においては、基準となる或る値のデータが100円以上、であり、基準となる或る値に満たない端数のデータでも、遊技球に変換可能である、
ウ.前者において、表示態様変更手段は、前記残高表示機の表示内容を端数データに変更した後に前記玉貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、かつ、前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示するのに対し、後者においては、端数表示選択操作手段がなく、表示が順次切り換えられる(スクロールされる)、
点において相違するものと認められる。
相違点ウ・について検討すると、
表示の技術において、操作者の意志に基づいて操作される表示選択操作手段により、各表示を選択的に切り換えることは、引用例3及び4に記載された各発明にも備わっているように、そもそも従来周知の構成であるものと認められる。
そして、後者が、各表示が順次切り換えられ(スクロールされ)ていて、各表示を見たいときに見られるようなもの、すなわち、表示選択操作手段は備わっていないが機能的には格別相違がないといってもよいようなもの、であるから、このようなものに、引用例3及び4に記載された各発明にも備わっている「操作者の意志に基づいて操作される表示選択操作手段により各表示を選択的に切り換える」従来周知の構成を適用して、遊技者の意志に基づいて操作される端数表示選択操作手段を設けて表示を選択的に切り換えるようにすることは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきであり、そしてそのときに、端数表示選択操作手段を補助枠に設けることは、当業者が必要に応じて適宜採用し得る単なる設計事項にすぎないというべきである。
しかし、前者の「表示態様変更手段は、前記残高表示機の表示内容を端数データに変更した後に前記玉貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更」する点は、上記引用例3、4及び引用例2に記載された発明も備えておらず、また各引用例には上記点を示唆する記載もない。
そして、本件発明はこの点を備えることにより、
「残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に球貸操作部が操作されると、残高表示器の表示内容を度数表示に変更するので、残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」という訂正明細書記載の効果を奏する。
したがって、本件請求項1に係る発明は、当業者が引用例1及び2に記載された各発明並びに引用例3及び4に記載された各発明にも備わっている従来周知の構成に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえず、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ということはできない。
3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 補助枠に設けた挿排口より挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を球供給皿に排出するカード式遊技装置において、
カードに記録された有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数のデータを度数表示出力として、基準単位数に満たない端数のデータを端数表示出力として、夫々選択的に出力制御可能な残高表示制御手段と、
前記残高表示制御手段よりの度数表示出力あるいは端数表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器と、
を備え、
前記残高表示制御手段は、
残高表示器への度数表示あるいは端数表示を選択的に切り換える表示態様変更手段を有し、
該表示態様変更手段は、前記残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に前記球貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、かつ、前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を度数表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにしたことを特徴とするカード式遊技装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を球供給皿に排出するカード式遊技装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機において使用するための遊技媒体たる小球を、プリペイドカードを使用することによって、金銭を所持していなくても借りることが可能な遊技媒体貸与システムが開発されており、当該遊技機用のプリペイドカードを予め購入しておくことで、例えば各遊技機間に配設された球貸機から球を借りることが可能になっている。この遊技媒体貸与システムによって、遊技者は小銭(例えば100円硬貨)を所持していなくても、金銭の両替といった煩雑なおもいをする事なく、遊技媒体を借り受けることが可能である。
【0003】
また、このようなプリペイドカードによる遊技媒体の貸出が可能な球貸機の機能を遊技機に持たせたカード式遊技装置も提案されており、挿入されたカードに基づいて遊技者が球貸操作部を操作することで、貸球が球供給皿へ直接排出されることから、遊技者の利便性を高めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の遊技媒体貸与システムにおけるプリペイドカードの使用は度数単位(例えば1度数100円分)に限られていると共に、プリペイドカードの残度数を換金することもできないようになっており、遊技店に設けられた各種自動販売機(煙草や飲料等)を利用するためには、別途小銭を所持していなければならない。
【0005】
また、遊技店はゲーム機(アーケードゲーム)が設置されているフロア、飲食店が設置されているフロア等と、パチンコ遊技機だけではなく複合レジャー化して営業を行っている場合もあるため、このプリペイドカードを、遊技媒体たる小球(パチンコ球)を使用する遊技機のみならず、アーケードゲーム機(ゲームセンターに設置されているテレビゲーム等)にも共通使用できるようにしたり、更には飲食店での共通使用が行えるようにすれば遊技者にとって便利であるが、パチンコ遊技機における貸球の最小単位は慣例的に100円であり、飲食店においては最小単位が100円よりも細かいため、遊技媒体の貸出以外にも使用可能なシステムとした場合には、100円未満の金額データが生じてしまうことになる。
【0006】
このように、遊技媒体の貸出最小単位(例えば100円)よりも少額しかプリペイドカードに残っていない場合には、当該プリペイドカードでは遊技媒体を借り受けることができないので、例え他のゲーム機でゲームを行ったり自動販売機の飲料を購入できる程度の金額が残っていたとしても、遊技者が気付かずに当該カードを使用済みと勘違いして廃棄してしまうという問題が発生する可能性があり、遊技者に不利益を与えることになってしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み為されたもので、補助枠に設けた挿排口より挿入されたカードに基づいて球貸操作部の操作により貸球を球供給皿に排出するカード式遊技装置において、カードに記録された有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数のデータを度数表示出力として、基準単位数に満たない端数のデータを端数表示出力として、夫々選択的に出力制御可能な残高表示制御手段と、前記残高表示制御手段よりの度数表示出力あるいは端数表示出力に応じたデータ表示が可能な残高表示器と、を備え、前記残高表示制御手段は、残高表示器への度数表示あるいは端数表示を選択的に切り換える表示態様変更手段を有し、該表示態様変更手段は、前記残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に前記球貸操作部が操作されると、前記残高表示器の表示内容を度数表示に変更し、かつ、前記補助枠に設けた端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより、前記残高表示器に端数データを表示し、端数表示がされた残高表示器の表示態様を度数表示に切り換える際に所定時間遅延させて切り換えるようにした。
【0008】
【作用】
斯く構成したカード式遊技装置においては、表示態様変更手段を備えることによって、残高表示制御手段より残高表示への表示出力が度数表示あるいは端数表示に端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより選択的に切り換えられ、残高表示器にカードの端数データが表示されることとなり、また、残高表示制御手段の表示態様変更手段が端数表示がされた残高表示器の表示態様を所定時間遅延させて度数表示に切り換えることで、適宜に設定した遅延時間だけ端数表示を保持させておき、その後に残高表示器の表示を度数表示に自動的に切り換えることが可能となる。
また、残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に球貸操作部が操作されると、残高表示器の表示内容を度数表示に変更するので、残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。
【0009】
【実施例】
次に、本発明に係るカード式遊技装置の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
カード式遊技装置1は図1に示すように、主要な遊技機能が設けられる中空箱枠状の機枠2と、その一側方(図面においては左側)に位置するカード制御機能が設けられる補助枠3とから成る。
そして、機枠2の前面側には額縁状の前面枠4を回動可能に設けてあり、該前面枠4の窓部5を後方から塞ぐように遊技盤(図示省略)を配設し、この遊技盤の遊技部内へ遊技媒体たる遊技球を発射した際に、該遊技盤に設けた各種入賞具や変動入賞装置等に遊技球が入賞することで、賞球が得られるパチンコ遊技を行えるようにしてある。また、前面枠4の下部適所には打球発射用の球発射機構を操作するための操作ハンドル6、発射機構へ供給する球を貯留するための球供給皿7、この球供給皿7の下方に設けられた球受皿8等を適宜に設けてある。
【0011】
一方、補助枠3は、パチンコ遊技用のプリペイドカードに記録された有価データの読出・書換が可能なカード制御手段(後に詳述)を内蔵する球貸ユニットであり、前面適所に設けたカード挿排口9よりプリペイドカードをカード制御手段内に挿入するものとしてある。また、この補助枠3の適所には、プリペイドカードの使用が可能であることを表示するためのカード利用可能表示部10、カード制御手段内にプリペイドカードが挿入された状態にあることを表示するためのカード挿入中表示部11等を設けてある。
【0012】
また、上記カード挿排口9よりカード制御手段内に挿入されたプリペイドカードの有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数のデータたる度数を表示するための残高表示器12を、例えば上記球供給皿7の適所に設け、プリペイドカードの残高を遊技者が視認できるようにしてある。そして、遊技者がカード残高の範囲内で球貸を受けるために操作する球貸操作部としての球貸スイッチ13及びこの球貸スイッチ13が使用可能であることを表示するための球貸可能表示部14を、夫々残高表示器12の近傍に設けてある。
【0013】
さらに、カード制御手段が読み出したプリペイドカードの有価データのうち、遊技球に変換可能な基準単位数に満たないデータたる端数データの表示に切り換えるための端数表示選択操作手段たる端数表示スイッチ15を、例えば上記補助枠3の適所に設け、この端数表示スイッチ15の選択操作に基づいて端数データが残高表示器に表示されていることを示すための端数データ表示中表示部16を、例えば残高表示器12の近傍に設けてある。また、これら球貸スイッチ13や球貸可能表示部14の近傍には、遊技者の意志によって操作されることに基づき、カード制御手段よりプリペイドカードを排出させるための返却スイッチ17を設けてある。
【0014】
なお、図面に示す実施例においては、プリペイドカードの読出や書換等を行うためのカード制御手段を、機枠2から独立させた補助枠3に設けるものとしたが、例えば機枠2に適宜なスペースを確保して、機枠2内にカード制御手段を組み込むものとし、前面枠4の適所にカード挿排口が開口するように構成してもよい。また、残高表示器12や球貸スイッチ13等の配設位置も特に限定されるものではなく、カード挿排口9や遊技者の視点等の使用環境に応じて、適宜に配置すれば良い。
【0015】
一方、カード式遊技装置1における機枠2の裏面側(図2に示す)には、遊技盤18の遊技部内へ弾球された球(何れ入賞口に入賞したセーフ球およびアウト口より回収されるアウト球)を回収して、適宜に処理するとともに、各入賞球に応じた賞球の排出制御およびプリペイドカードの使用に基づいた球貸排出制御を行えるように、各種の機構部を備えた裏機構盤19を設けてあり、該裏機構盤19に設けた主な機構部について以下説明する。
【0016】
上記遊技盤18の裏面側には各種入賞口から裏面側へ導かれたセーフ球たる入賞球を集めるための入賞球集合樋(図示省略)を設けてあり、該入賞球集合樋から流下してきた入賞球を受け得る所用位置において上面が開成する入賞球案内樋20によって、遊技盤からの入賞球を集め、磁気センサ等より構成した入賞球検出手段たるセーフセンサ21へ導くための調流樋22へ入賞球を整列状態で供給し、該調流樋22を通過する間に入賞球は上記セーフセンサ21で1個宛検出され、調流樋22と接続する導出樋23からカード式遊技装置1外へ排出される。
【0017】
また、上記調流樋22におけるセーフセンサ21の下流側適所には、セーフ球払出機構24を設けてあり、該セーフ球払出機構24のセーフソレノイド25が駆動することで、調流樋22内のセーフ球の流下が可能となるのである。すなわち、セーフセンサ21が入賞球を検出することに基づいて、当該入賞球に対する賞球の排出動作が行われるまで、上記セーフ球払出機構24によってセーフ球を貯留状態とし、賞球排出動作が完了した時点でセーフ球を1個宛払い出すのである。
【0018】
尚、セーフ球払出機構24は、1個宛セーフ球を払い出すことが可能であれば、特に限定されるものではないが、図面に示すセーフ球払出機構24においては、略扇形の第1流下阻止部材24aの自由端たる弧状部分を調流樋22内に臨ませ、この第1流下阻止部材24aを調流樋22内から引き上げるための適宜なクランク機構を介して第1流下阻止部材24aと接続すると共に、該第1流下阻止部材24aが調流樋22内から引き上げられた際に調流樋22内へ臨む状態となって、セーフセンサ21の直上部に位置する球の流下を阻止する第2流下阻止部材24bとを回動自在に軸着することで構成し、確実に1個のセーフ球のみが払い出されるようにしてある。
【0019】
裏機構盤19の上部には遊技媒体たる球を貯留するための球貯留タンク26を設けてあり、該球貯留タンク26内の球は誘導樋27を経て、遊技媒体たる球を遊技に供し得る遊技球として排出可能な遊技媒体排出装置28へ供給される。上記球貯留タンク26へはパチンコ機列よりなる島設備の球供給樋より補給されるものとしてあり、例えば各カード式遊技装置1…を総括的に管理する管理装置の制御によって、球が適宜に補給されるようにしてある。この球貯留タンク26内の球数が不足したことを検出するための補給センサ29を、例えば誘導樋27の球流入部に配設してあり、上記補給センサ29が球不足を検出し、該検出情報を管理装置が受信することによって、当該カード式遊技装置1の球貯留タンク26への球補給が為されるのである。
【0020】
また、誘導樋27の球流路の下流側適所(遊技媒体排出装置28へ球を供給する球出口の適宜上流側)には、排出待機球検出機構部30を設けてあり、上記補給センサ29の破損や球補給機構の破損等によって球が補給されなかった場合、もしくは当該カード式遊技装置1において極短時間に大量の遊技媒体排出が行われた為に球補給が間に合わなかった場合等に、この排出待機球検出機構部30によって排出用の遊技媒体が極端に減少している状態(例えば球貸要求に対する十分な排出球が残存していない状態や、入賞球に対する賞球用の球が十分に残存していない状態等)を検出するのである。そして、該状態の発生は、排出待機球検出機構部30の半端センサ31がオンすることで検出されるものとしてある。
【0021】
上記誘導樋27より供給された遊技媒体は、遊技媒体排出装置28の流入樋を経て、ユニット形状の排出ロック機構33の球待機樋34へ供給される。この排出ロック機構33は、球待機樋34内に位置する球の流下を阻止することで待機状態とし、賞球排出要求もしくは貸球排出要求に基づいて、所定数の遊技媒体排出を行う場合にのみ、球待機樋34内の球を1個宛排出させるのである。
【0022】
なお、この排出ロック機構33の構成は、特に限定されるものではないが、図3に示す実施例においては、球上受け用の凹部を外周に有する球受スプロケット35と、該球受スプロケット35と同数の歯を有する係止用スプロケット36とを、同軸上で一体的に回動するように設けると共に、上記係止用スプロケット36の回転を阻止するように係止用スプロケット36の歯に係止可能な所用形状の有弾性金属よりなるストッパ片37を所用位置に設け、且つ係止用スプロケット36を係止した状態のストッパ片37を係止状態から解放する方向に吸引する排出マグネット38を所用位置に設ける構成としてある。
【0023】
上記のように構成した排出ロック機構33においては、ストッパ片37が係止用スプロケット36の歯に係止され、球受スプロケット35の回転を阻止する第1状態にあるとき、球待機樋34内の最下部(最上流側)に位置する球が球受スプロケット35の球受凹部に流下を阻止された状態となっており、この球受スプロケット35の球受凹部に受けられた状態にある球を、排出準備球検出器39によって検出するものとしてある。
【0024】
一方、ストッパ片37が排出マグネット38に吸引されて係止用スプロケット36の係止が解かれ、球受スプロケット35が回転可能な第2状態にあるとき、球受スプロケット35及び係止用スプロケット36は球待機樋34内の球から受ける圧力によって、球受けスプロケット35の球受凹部に位置する球を下方へ導く方向に回転し、球待機樋34内の球が1個宛排出される。なお、排出される球は排出センサ40によって検出されるものとしてあり、この排出センサ40の検出出力に基づいて排出球数を正確にカウントし、所定数の球排出が為された際に、所定のタイミングでストッパ片37を常態に復帰させることで第1状態に再変換し、球排出動作を停止させるのである。
【0025】
上記のようにして遊技媒体排出装置28より排出された球は、球排出樋41を経て流下樋42へ至り、球供給皿7へ排出される。また、この球供給皿7がパチンコ球で一杯になると、流下樋42の下部とつながる分配樋43から球受皿8へ排出されるようにしてある。上記分配樋43には樋壁を兼ねる検知片44に連動するオーバーフロースイッチ45を設けてあり、分配樋43内が球で一杯になった場合には、その押圧力で検知片44が押圧されて、オーバーフロースイッチ45がオン信号を出力し、分配樋43内が溢球状態にあることを知らせるのである。
【0026】
また、球排出樋41の途中から分岐する球抜き樋46の流入部には、例えば板上の球抜ゲート47を回動自在に配設してあり、この球抜ゲート47を回動させることによって、球抜き樋46への分岐路を適宜に開閉できるようにしてある。なお、この球抜ゲート47は、適宜なリンク機構を介して接続された球抜ソレノイド48のオン・オフ動作に応じて、開閉動作するものとしてある。
【0027】
次に、上記したカード式遊技装置1の動作制御を行うための制御装置の概要について説明する。この制御装置は、マイクロコンピュータ等の各種電子部品を機能的に接続して構成するもので、上記した裏機構盤19の背面適所等へ収納ケースに収納された状態で取り付ける。尚、本実施例においては、カード制御手段を補助枠3へ独立させて設けるものとしてある。
【0028】
各種入賞具や入賞装置等に入賞した入賞球をセーフセンサ21が検出すると、該セーフセンサ21より“入賞球検出信号”が入賞球検出信号線L1を介して排出制御手段49に入力され、該排出制御手段49は賞球数確定手段50へ“賞球排出数要求信号”を賞球排出数要求信号線L2を介して出力し、この賞球数確定手段50が予め設定された入賞球に対する排出賞球数のデータしての“賞球排出数信号”を賞球排出数信号線L3を介して排出制御手段49へ出力する。
【0029】
そして、賞球排出数信号に応じた数の賞球を排出させるように、賞球排出手段たる遊技媒体排出装置28の排出マグネット38へ“排出手段駆動信号”を排出手段駆動信号線L4を介して出力し、第2状態とした遊技媒体排出装置28より球を排出させる。かくして遊技媒体排出装置28より排出される球は排出センサ40によって検出され、この排出センサ40より排出球検出に基づく“排出球検出信号”が排出球検出信号線L5を介して排出制御手段49へ入力される。この排出球検出信号をカウントすることによって、所定数の賞球排出動作が完了したと判定すると、排出制御手段49は、排出マグネット38への排出手段駆動信号を出力停止し、遊技媒体排出装置28を再び第1状態に復帰させ、賞球排出動作を終了すると共に、セーフソレノイド25へ“入賞球払出手段駆動信号”を入賞球払出手段駆動信号線L6を介して出力し、賞球排出動作の完了したセーフ球を払い出すのである。
【0030】
なお、上記排出制御手段49には半端センサ31より“排出待機球検出信号”が排出待機球検出信号線L7を介して入力されるものとしてあり、この半端センサ31よりの排出待機球検出信号が入力されていない間においては、賞球排出に要する十分な球が存在しないものとして、排出制御手段49による賞球排出動作が規制されるように構成してある。また、遊技媒体排出装置28の排出準備球検出器39より排出準備球検出信号が排出制御手段49へ入力されるように構成し、遊技媒体排出に供し得る球が無くなった時点で、排出制御手段49が賞球排出動作を一旦停止するようにしてもよい。
【0031】
また、カード挿排口9よりカード制御手段51内に挿入されたプリペイドカード52の有価データは、遊技球に変換可能な基準単位数のデータたる度数データと、基準単位に満たない端数のデータたる端数データとから成るもので、これらのデータはプリペイドカード52挿入時の読み込みデータとして挿入残高信号線L8を介してカード残高記憶手段53へ供給される。そして、この残高記憶手段53は、プリペイドカード52の使用前においては挿入残高に等しいデータの“残高信号”を残高信号線L9を介してカード残高判定手段54、球貸要求制御手段55及び残高表示制御手段56へ出力する。
【0032】
上記のようにして残高信号が入力されたカード残高判定手段54は、プリペイドカード52のカード残高が「0」か否かを判定し、残高が「0」であった場合にのみ、“残高ゼロ信号”を残高ゼロ信号線L10を介してカード制御手段51及び残高表示制御手段56へ出力する。そして、残高ゼロ信号を受信したカード制御手段51は、使用不可能なプリペイドカード52を強制的に排出するものとしてある。
【0033】
一方、有価データの残度数がゼロでないプリペイドカード52がカード制御手段51内に挿入された状態において、当該プリペイドカードの有価データの範囲内で遊技者が球貸スイッチ13を操作することにより、選択された球貸スイッチ13に応じた“球貸要求操作信号”が球貸要求操作信号線L11を介して球貸要求制御手段55へ入力されると、この球貸要求制御手段55は、入力された球貸要求操作信号に応じた“球貸排出要求信号”を排出制御手段49へ出力する。
【0034】
なお、上記球貸要求制御手段55は、当該カード式遊技装置1において、プリペイドカード52の使用が可能な状態においては、カード利用可能表示駆動信号線L13を介して“カード利用可能表示駆動信号”をカード利用可能表示部10へ出力し、球貸スイッチ13の操作が可能な状態にあることを示すものとしてある。また、プリペイドカード52がカード制御手段51内に挿入されることに基づいて、カード残高記憶手段53より残高信号が入力された場合においては、当該プリペイドカード52を使用することによって球貸排出が可能であることを示す球貸可能表示部14へ球貸可能表示駆動信号線L14を介して“球貸可能表示駆動信号”を出力するものとしてある。
【0035】
上記球貸要求制御手段55よりの球貸排出要求信号が入力された排出制御手段49は、排出マグネット38へ排出手段駆動信号を出力することで、遊技媒体排出制御装置28を第2状態に変換させ、球貸用の遊技媒体を排出させる。そして、所定数の球貸排出動作が完了すると、排出制御装置49は排出マグネット38への排出手段駆動信号を出力停止して、遊技媒体排出装置28を第1状態に再変換すると共に、所定数の球貸排出動作が終了したことを意味する“球貸排出終了信号 ”を球貸排出終了信号線L15を介して球貸要求制御手段55へ送出するのである。
【0036】
なお、上記排出制御手段49がセーフセンサ21よりの入賞球検出信号もしくは球貸要求制御手段55よりの球貸排出要求信号を受信することに基づいて、排出制御手段49が賞球排出動作もしくは貸球排出動作を行っている間においては、排出制御稼動中信号線L16を介して“排出制御稼動中信号”を球貸要求制御手段55へ出力するものとしてある。そして、この排出制御稼動中信号が入力されている間においては、球貸スイッチ13より球貸要求操作信号が入力されても、球貸要求制御手段55より球貸排出要求信号が排出制御手段49へ出力されないようにしてある。
【0037】
すなわち、遊技媒体排出装置28の動作中に為された球貸要求に基づく球貸排出要求を規制することで、排出制御手段49への球貸排出要求が無効になることを防止するのである。なお、排出制御手段49より排出制御稼動中信号が入力されている間に、球貸スイッチ13より為された球貸要求を無効とするように球貸要求制御手段55を構成しても、球貸要求操作信号に基づく球貸要求を一旦記憶保持しておき、排出制御手段49より排出制御稼動中信号が入力されなくなった時点で、球貸排出要求信号を排出制御手段49へ送出するように球貸要求制御手段55を構成してもよい。
【0038】
上記のようにして、プリペイドカード52の使用に基づく球貸排出動作が終了すると、球貸要求制御手段55は“残高減算信号”を残高減算信号線L17を介してカード残高記憶手段53へ出力する。この残高減算信号が入力されると、カード残高記憶手段53は、カード制御手段51より供給された挿入残高からプリペイドカード52の使用に基づく度数を減算し、減算後の残高を新たな残高信号として、残高信号線L9を介して各制御手段へ出力するのである。
【0039】
ここで、新たな残高信号に基づく有価データが、遊技球に変換可能な基準単位数に満たない端数データになっていた場合には、カード残高判定手段54が該状態を判定し、“端数信号”を残高表示制御手段56及び端数報知手段57へ出力する。この端数報知手段57は、該状態を遊技者に知らせ得る手段であれば、視覚的・聴覚的を問わないが、例えば、残高表示器12の表示内容が端数表示であることを示すための端数データ表示中表示部16を点灯させるように構成しても良い。
【0040】
上記のように、カード残高が端数のみになったことを遊技者に対して報知することで、当該プリペイドカード52による球貸を行えないことを遊技者にいち早く認識させることができ、次の球貸操作に備えて新たなプリペイドカード52を購入する等、迅速な対応を促すことができる。
【0041】
また、プリペイドカード52の使用によって、カード残高が端数のみになった場合には、返却スイッチ17より“カード返却要求操作信号”がカード返却要求信号線L19を介してカード制御手段51へ入力されていなくても、プリペイドカード52を強制的に排出する用に構成するために、カード残高判定手段54より端数信号線L18´を介してカード制御手段51へ端数信号を出力させてもよい。なお、カード制御手段51内にプリペイドカード52が挿入されている間においては、カード挿入表示駆動信号線L20を介して“カード挿入表示駆動信号”をカード挿入表示部11へ継続出力し、プリペイドカード52が挿入中であることを明示するものとしてある。
【0042】
さらに、カード制御手段51は、プリペイドカード52の有価データを読み取る際に、当該プリペイドカード52が、パチンコ遊技用のカードとして適正に販売された物であるか等の情報も読み取り、これらの情報に異常があった場合や、カード制御手段自体に異常が発生した場合等には、“エラー信号”をエラー信号線L21を介して残高表示制御手段56及び球貸要求制御手段55へ出力する。このエラー信号が入力された球貸要求制御手段55はプリペイドカード52の使用ができないものとして、カード利用可能表示部10へのカード利用可能表示駆動信号を出力停止するのである。
【0043】
一方、カード制御手段51内に適正なプリペイドカード52が挿入され、かつカード制御手段51自身も正常な制御動作が可能である場合には、“カード制御状態信号”をカード制御状態信号線L22を介して残高表示制御手段56へ出力するものとしてある。
【0044】
次に、プリペイドカード52の有価データの度数データと端数データとの表示制御を行う残高表示制御手段56について、図5に基づき詳述する。
【0045】
上記カード制御手段51よりカード制御状態信号線L22を介して入力されるカード制御状態信号と、カード残高記憶手段53より残高信号線L9を介して入力される残高信号は、残高表示制御手段56の表示態様変更手段58へ入力され、両信号が入力されることに基づいて、表示態様変更手段58は残高表示器駆動信号線L23を介して残高表示器12へ“残高表示器駆動信号”を出力する。なお、初期状態における残高表示制御手段56より残高表示器12に出力される残高表示器駆動信号は、カード残高記憶手段53より入力された残高信号に基づく有価データの度数表示出力であり、遊技球に変換可能な基準単位数のデータが残高表示器12に表示されるものとしてある。
【0046】
また、カード制御手段51より残高表示制御手段56に入力されるエラー信号は、エラー表示指令信号発生手段59に供給されるものとしてあり、このエラー信号が入力されることによってエラー表示指令信号発生手段59は“エラー表示指令信号”をエラー表示指令信号線L24を介して表示態様変更手段58へ出力する。このエラー表示指令信号が入力されることによって、表示態様変更手段58は残高表示器12へエラー表示指令信号の内容に応じた残高表示器駆動信号を出力し、カード制御手段51より入力されたエラー信号に応じたエラー内容を残高表示器12に表示させるのである。
【0047】
ここで、遊技者の意志に基づいて端数表示スイッチ15が操作されることにより、該端数表示スイッチ15から端数表示要求操作信号線L25を介して残高表示制御手段56へ供給される“端数表示要求操作信号”は、残高表示制御手段56の端数表示指令信号発生手段60へ入力され、該端数表示指令信号発生手段60より端数表示指令信号線L26を介して“端数表示指令信号”が表示態様変更手段58へ供給される。この端数表示指令信号が入力されることによって、表示態様変更手段58は残高表示器12への表示出力を端数表示出力に変更し、当該プリペイドカード52の有価データのうち基準単位に満たない端数データが残高表示器12に表示されるのである。
【0048】
なお、本実施例においては、端数表示スイッチ15が操作されなくても、カード残高判定手段54より端数信号線L18を介して端数信号(プリペイドカード52の残度数がゼロで、端数データのみであることを示す信号)が入力されることに基づいて、端数表示指令信号発生手段60より端数表示指令信号が表示態様変更手段58へ出力され、残高表示器12の表示内容が端数データに変更されるものとしてある。
【0049】
上記のようにして、残高表示器12の表示内容が端数表示に変わった後に、例えば球貸スイッチ13が操作されることに基づいて、球貸スイッチ13より球貸要求操作信号線L11を介して球貸要求操作信号が残高表示制御手段56へ入力されると、該球貸要求操作信号が供給される度数表示指令信号発生手段61は、“度数表示指令信号”を度数表示指令信号線L27を介して表示態様変更手段58へ出力する。斯くして、度数表示指令信号を受信した表示態様変更手段58は残高表示器12への表示出力を度数表示に変更し、再び残高表示器12の表示内容が度数表示に変更されるのである。すなわち、残高表示器12に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカード52の使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器12に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能になるのである。
【0050】
また、図面に示す実施例においては、プリペイドカード52の残度数がゼロになることにもとづいてカード残高判定手段11より残高ゼロ信号が入力された場合、及び返却スイッチ17が操作されることに基づいて返却スイッチ17よりカード返却要求操作信号が入力された場合にも、夫々度数表示指令信号発生手段61より度数表示指令信号が出力されるものとしてある。かくすることにより、プリペイドカード52の残度数がゼロになって、球貸が受けられない状態になった場合や、プリペイドカード52がカード制御手段51から排出されて、残高表示を帰零させる場合には、カード残高記憶手段53よりの残高信号(度数ゼロを示す)と、度数表示指令信号発生手段61よりの度数表示指令信号とによって、残高表示態様変更手段58より残高表示器12へカード残高ゼロを示す度数データ表示出力が為されるのである。
【0051】
なお、残高表示器12の表示内容が端数表示から度数表示に変更されるタイミングは、上記した場合のみに限定されるものではなく、例えば、残高表示制御手段56内に適宜な遅延回路62を設けておき、この遅延回路62へ端数表示要求操作信号線L25´を介して端数表示要求操作信号を供給し、当該端数表示要求操作信号の入力から所定時間(例えば4秒)経過後に、遅延回路62より度数表示指令信号発生手段61へ“端数表示解除指令信号”が端数表示解除指令信号線L28を介して入力させ、該端数表示解除指令信号が入力されることに基づいて、度数表示指令信号発生手段61より表示態様変更手段58へ度数表示指令信号が出力されるようにしてもよい。このように、一つの表示要求操作に基づいて、複数の表示要求(端数表示要求と端数表示解除要求)を行うと共に、適宜な遅延時間をおいて要求された表示に切り換えるものとすれば、一つの表示要求スイッチと一つの表示器で複数の表示内容に順次切り換えて自動的に表示することが可能となり、切り換わる前のデータと切り換わった後のデータとを一つの表示器で効率よく確認することができる。
【0052】
また、残高表示制御手段56が残高表示器12へ端数表示出力を行っている間に、端数表示スイッチ15より端数表示要求操作信号が入力された場合には、残高表示器12への出力を度数表示に切り換えるように残高表示制御手段56を構成してもよい。なお、同一スイッチの操作による2状態の交互変換動作は、公知技術によって、容易に構成することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るカード式遊技装置においては、表示態様変更手段を備えることによって、残高表示制御手段より残高表示への表示出力が度数表示あるいは端数表示に、端数表示選択操作手段が遊技者の意志に基づいて操作されることにより選択的に切り換えられ、残高表示器にカードの端数データが表示されるものとしたので、端数表示用の表示器を別途設けることなく、端数表示を行うことが可能となり、しかも、残高表示制御手段の表示態様変更手段が端数表示がされた残高表示器の表示態様を所定時間遅延させて度数表示に切り換えるので、適宜に設定した遅延時間だけ端数表示を保持させておき、その後に残高表示器の表示を自動的に度数表示に切り換えることが可能となり、切り換わる前のデータと切り換わった後のデータとを一つの表示器で効率よく確認することができる。
また、残高表示器の表示内容を端数データに変更した後に球貸操作部が操作されると、残高表示器の表示内容を度数表示に変更するので、残高表示器に端数表示が行われている場合に、当該プリペイドカードの使用に基づく球貸要求を行うことで、新たな操作を行うことなく、表示器に表示されるデータを度数表示に復帰させることが可能となる。」と訂正する。
【0054】
したがって、遊技媒体の貸出最小単位(例えば100円)よりも少額しかカードに残っておらず、遊技媒体を借り受けることができない場合でも、当該カードの端数データをカード式遊技装置で確認できるので、他のゲーム機でゲームを行ったり自動販売機の飲料を購入できる程度の金額が当該カードに残っていたにも拘わらず、遊技者が当該カードを使用済みと勘違いして廃棄してしまうような遊技者の不利益を防ぐことができる。
【0055】
しかも、端数表示用の表示器を新たに設ける場合の如く、遊技機自体の製造コストを高くしたり、端数表示用の表示器を取り付けるためのスペースを確保する(一般に残高表示器が設けられる位置は遊技者に対する視認性の良好な部位に設定されているために、端数表示用の表示器を別途設けるとすれば、従来の残高表示器が設置されている場所よりも視認性が低くなることは否めない。)必要がないので、この点においても軽量小型かつ低コストを期せるのである。しかも、端数表示用の表示器を追加しないことで、配線の数が増加して複雑になることを防止できるので、断線等による故障の要因を小ならしめ、装置の安定動作を期せる信頼性の高い遊技機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
カード式遊技装置の斜視図である。
【図2】
カード式遊技装置における機枠の背面図である。
【図3】
遊技媒体排出装置における排出ロック機構の概略正面図である。
【図4】
カード式遊技装置の動作制御を行う制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】
残高表示制御手段の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 カード式遊技装置
7 球供給皿
12 残高表示器
13 球貸スイッチ
52 プリペイドカード
56 残高表示制御手段
58 表示態様変更手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2003-10-15 
出願番号 特願平3-191248
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A63F)
P 1 41・ 831- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉村 尚  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 川島 陵司
二宮 千久
白樫 泰子
中村 和夫
登録日 2001-10-05 
登録番号 特許第3238724号(P3238724)
発明の名称 カード式遊技装置  
代理人 後藤 政喜  
代理人 後藤 政喜  

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