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審決分類 |
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G03F 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 G03F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03F 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G03F 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G03F |
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管理番号 | 1088976 |
審判番号 | 不服2002-9599 |
総通号数 | 50 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-05-16 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-05-29 |
確定日 | 2003-12-11 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第303389号「大サイズ基板用露光装置および露光方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 9年 5月16日出願公開、特開平 9-127702]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成7年10月30日に出願された特願平7-303389号であって、平成14年4月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成14年5月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、同年6月26日付けで手続補正がなされた。 2.平成14年6月26日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成14年6月26日付けの手続補正を却下する。 [理由] 特許法第17条の2第4項違反 本件補正により、特許請求の範囲の請求項4は、平成14年3月15日付け手続補正書の請求項4の、「請求項3において、原版が電子ビーム露光装置にて描画作製されたものであることを特徴とする大サイズ基板露光方法。」から「請求項3において、原版(マスク)は単位のパターンを複数配列して面付けしたもので、転写する露光に際し、前記複数の面付け全部の一括露光の他に、1回以上、マスキングアパーチャにて、原版の露光する領域を所望のパターン数に制限して、前記転写する露光を行なうものであることを特徴とする大サイズ基板露光方法。」と補正された。 この補正は、「原版が電子ビーム露光装置にて描画作製されたものである」という原板の製造方法を限定したものから、「転写する露光に際し、前記複数の面付け全部の一括露光の他に、1回以上、マスキングアパーチャにて、原版の露光する領域を所望のパターン数に制限して、前記転写する露光を行なうものである」という転写露光の際の原板の用い方を限定したものへと補正したものである。 このような補正は、請求項の削除、減縮、誤記の訂正、不明りょう記載の釈明のいずれでもなく、特許法第17条の2第4項の各号で掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明 平成14年6月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成14年3月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「基板を感光材面を上にして保持して、X、Y、Z軸方向及びθ方向に微動制御でき、且つ、少なくともX、Y方向の1方向に所定の距離だけステップ移動できるステージと、基板上側に原版をマスク面を下にして保持する原版保持部と、原版の裏面から基板側へ露光光を照射するための光源部とを有し、原版の絵柄を等倍にて、露光する位置をずらして複数回、露光転写するための露光装置であって、ステージ上の基板と、原版との位置合せを自動で行う自動アライメント機構と、原版の絵柄領域を遮蔽することにより露光領域を制御する露光領域制御機構と、該基板と原版とのギヤップを制御するギヤップ制御機構とを備え、基板と原版と近接させ、間隔を所定のギヤップに保ちながら露光を行う近接露光にて、基板を所定のピッチでステップ移動させ、複数の位置にて原版を介して基板への露光を行い、原版の絵柄を転写露光するものであり、且つ、原版は、転写に際してのたわみが許容範囲内となるサイズで、基板は、転写に際して原版のたわみが許容範囲を超えるマスクサイズに相当する大サイズ基板であり、原版の絵柄領域よりも広い範囲に複数回露光して原版の絵柄よりも大サイズの絵柄を設けるものであることを特徴とする大サイズ基板用露光装置。」 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用された米国特許第4,669,868号明細書(以下、引用例1という。)には、以下の点が記載されている。 ア.IC、あるいは、ダイレクト又はアクティブマトリクス方式の液晶ディスプレイのような集積電子素子の製造において、フォトリソグラフィ技術は一般的に使われる。(特許明細書第1欄6〜9行) イ.プロキシミティ露光は、いつでも適度な解像度を与えるとは限らない。露光光源が十分に平行光化されていると仮定すると、最大ギャップは典型的には20〜50μmであることが経験的に知られ、露光形状は5μm幅またはそれ以上である。これは特に、基板やマスクの平面度を適切に制御することが難しい大面積への応用において問題となりうる。(特許明細書第1欄54〜62行) ウ.本発明は、フォトレジストのような放射線感光性材料のフィルムを露光し、基板に放射線のパターンを焼き付けるための改善された装置を提供する。そして、その放射線は、露光される放射線感光性材料のフィルムの領域よりかなり小さい領域を持つパターン化されたマスクを介して投影される。装置は、放射線源と、放射線の通路内で、上面に放射線感光性材料を有する基板を、支持する基板支持手段とを含む。マスク保持手段は、放射線源とフィルムの中間で、マスクパターンをフィルムに近接焦点合わせするためにきわめてフィルムに近接した位置で、マスクを支持する。装置はさらに、フィルム領域の露光を可能とするため基板に対しマスクを徐々に移動するステッピング手段を含む。本発明はさらに、フォトレジストのような放射線感光性材料の、フィルムを露光し、放射線パターンを基板に焼き付ける方法を提供する。それには、放射線感光性材料のフィルムの領域よりかなり小さい領域を持つパターン化されたマスクが利用される。(明細書第2欄24〜46行) エ.放射線源18は、上部テーブル18上に載置され、高圧水銀アーク光源が内部に配置された第1ハウジング28を含む。(明細書第3欄32〜34行) オ.基板ホルダー20は、基板移動部材22の上に置かれる。基板移動部材22は、第1ステージ36と第2ステージ38とを含む。ステージ36と38は、好ましくはローラベアリングあるいは空気ベアリングスライドで構成され、相互に垂直な第1、第2の方向で、基板ホルダー20にリニアな動きを与える。(明細書第3欄51〜57行) カ.基板ホルダー20は、また、好ましくは基板をプラスマイナス1度回転するための内部機構を含む。(明細書第4欄8〜10行) キ.このように、基板42上のフォトレジスト表面全面に露光するために、ステップアンドリピートプロセスでマスク44の下の基板移動部材22によって、徐々にまたは段階的に基板42が動かされ、フォトレジスト領域の完全露光を行う。(明細書第4欄42〜47行) ク.横部材54のより大きな柔軟性は、マスク44と基板42を覆うフォトレジストフィルムとの間のプロキシミティギャップを調整するため、垂直動作をマスクホルダー(「基板ホルダー」は誤記と認める。)24に伝えるのに利用される。垂直動作は、横部材52と54との間に矢印60で示されるように力を適用することにより、マスクホルダー24と、そしてマスク44に伝えられる。横部材間に力を出すためにリニアアクチュエータ62が備えられている。(明細書第5欄3〜12行) ケ.複数のエアーゲージは、マスクの周辺に配置されるので、プロキシミティギャップはマスクに隣接するいくつかの点で測定される。これらの測定の平均値は、基板厚みの不安定性によるフォーカスの損失を最小限にするために、ギャップの調整に使われる。(明細書第6欄24〜31行) コ.マスク参照マークと基板アライメントマークが組み合わされた像が、電子カメラにより検知される。その後、自動デジタル画像処理装置がマスク参照マークと基板アライメントマークを直接一致させるのに用いられる。(明細書第7欄20〜25行) サ.2×2インチまたはそれ以上のマスク露光領域を利用すると、投影ステッパーにおける0.8×0.8インチの露光領域と比較して、より少ないステップでより広い領域が露光できる。例えば、6インチ×10インチの露光領域に対して、従来のプロジェクション露光とステップアンドリピート技術を利用した場合の約104ステップに比較して、本発明によればわずか15ステップが必要とされる。(明細書第8欄59〜末行) 上記の各記載事項、及び図面も参照すれば、引用例1には、「上面に放射線感光性材料を有する基板42を保持し、基板をプラスマイナス1度回転するための内部機構を含む基板ホルダー20と、相互に垂直な第1、第2の方向で基板ホルダー20にリニアな動きを伝える、第1ステージ36と第2ステージ38とを含む基板移動部材22と、基板42上側にマスク44を保持するマスクホルダー24と、マスク44の基板42と反対側から基板側へ放射線を照射するための放射線源18を有し、マスクのパターンを近接焦点合わせして、基板42上の放射線感光性材料表面全面に露光するために、ステップアンドリピートプロセスでマスク44の下の基板移動部材22によって、徐々にまたは段階的に基板42が動かされる近接露光装置であって、マスク参照マークと基板アライメントマークを直接一致させる自動デジタル画像処理装置と、横部材52,54間に力を出すためにリニアアクチュエータ62を備え、マスク44と基板42を覆う放射線感光性材料との間のプロキシミティギャップを調整するための機構とを備え、マスク44と基板42とを近接させ、複数のエアーゲージによって、ギャップを測定し、調整しながら、露光する近接露光にて、基板42を所定のピッチでステップ移動させ、複数の位置で、マスク44を介して基板42に露光を行い、マスク44のパターンを近接投影露光するものであり、且つ、基板42は近接投影露光に際してマスク露光領域よりも、広い範囲に複数回露光してマスクのパターンよりも大サイズのパターンを焼き付けるものである基板用露光装置」が記載されている。 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭60-107833号公報(以下、引用例2という。)には、以下の点が記載されている。 タ.実施例は、露光々学系1に加えてマスキングブレード7とその開閉機構(図示せず)を具備するマスキングブレード結像光学系2と(第4図、第5図参照)ランプハウス18、ウエハ15上へ転写されるべきパターンを有する原画13、原画13を縮小投影する縮小レンズ14とウエハ15、ウエハ15を露光位置に搬送して縮小レンズ14の焦点位置へ位置決めするXYZステージ16、これらの各要素が取り付く基準となる装置のベース17より成るマスキングブレード結像光学系2は露光々学系1に組み入れることなく独立して設けてあり、両光学系の断続は2枚の平面鏡19,22を図示しない駆動源によって出し入れすることで行なうようになっている。(公報第2頁右上欄10行〜左下欄3行) 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平1-91419号公報(以下、引用例3という。)には、以下の点が記載されている。 チ.[従来の技術の説明]半導体露光装置ではマスク上の不要な部分を焼き付けないようマスキング機構をそなえているものがある。この種のマスキング機構は、ステップアンドリピート露光を行なう縮小投影露光装置、いわゆるステッパには、備えられている場合が多い。(公報第1頁右下欄13〜末行) ツ.ステッパの場合、図の様な構成において、照明光学系の中にマスクの焦点面aと光学的に共役な面を設け、この位置にマスキング機構を備えている。図中cがマスク面aと共役となる面で、1がマスキング機構を示す。このようにマスク面と共役な面で、遮光板を駆動することにより、露光光の照射サイズを任意に選択し、露光範囲を制限することが可能となる。(公報第2頁左上欄7〜14行) 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-326507号公報(以下、引用例4という。)には、以下の点が記載されている。 テ.【0003】 従って、マスク上のパターンをウエハ全面に露光するためには、ウエハをマスクに対し、縮小投影光学系光軸に直交する面内でX、Y方向にステップさせるとともに、各露光位置でZ方向に駆動してウエハ面の焦点合わせを行いながら露光を繰り返す必要がある。これは、ステップアンドリピート方式と呼ばれる。 ト.【0012】 操作パネル14のジョイスティックは複数の機能を有し、例えばマスクステージ2およびウエハステージ5のX、Y、θ方向の移動、アライメントスコープ6aのX、Y方向の移動、フォーカシングのためのZ方向の移動およびズーム動作を行わせることができる。これらの機能は、予めシーケンスの特定箇所でその箇所の動作に関連する機能が自動的に選択されるようにプログラムに設定される。具体的には、スタート待ちの状態ではマスクステージ2およびアライメントスコープ6aの駆動が可能になり、プリアライメント後やオートアライメント後にはウエハステージ5の駆動が可能になり、それぞれ対応する機能が自動的に選択される。 【0013】 図2において、ウエハステージ5によりウエハ4を露光位置に移動し、焦点検出器23により焦点ずれを検出し、焦点合わせ制御装置24によりウエハステージ5上のZステージ25を駆動する。これによりウエハ4の焦点合わせが行われる。22は照明系21から出た露光光の露光領域をマスクパターンに応じて遮光させるマスキングブレードである。 (3)対比 そこで、本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「基板42」、「放射線感光性材料」、「プラスマイナス1度回転」、「相互に垂直な第1、第2の方向」、「基板ホルダー20と基板移動部材22」、「マスク44」、「マスクホルダー24」、「放射線源18」、「ステップアンドリピートプロセスでマスク44の下の基板移動部材22によって、徐々にまたは段階的に基板42が動かされる近接露光装置」、「プロキシミティギャップを調整するための機構」、「マスク44と基板42とを近接させ」、「ギャップを測定し、調整しながら」、「露光する近接露光」、「基板42を所定のピッチでステップ移動させ、複数の位置で、マスク44を介して基板42に露光を行い、マスク44のパターンを近接投影露光する」、「マスク露光領域よりも、広い範囲に複数回露光してマスクのパターンよりも大サイズのパターンを焼き付ける」は、本願発明の「基板」、「感光材」、「θ方向」、「X、Y軸方向」、「ステージ」、「原版」、「原版保持部」、「光源部」、「露光する位置をずらして複数回、露光転写するための露光装置」、「ギヤップ制御機構」、「基板と原版と近接させ」、「間隔を所定のギヤップに保ちながら」、「露光を行う近接露光」、「基板を所定のピッチでステップ移動させ、複数の位置にて原版を介して基板への露光を行い、原版の絵柄を転写露光する」、「原版の絵柄領域よりも広い範囲に複数回露光して原版の絵柄よりも大サイズの絵柄を設ける」に相当する。 そして、引用発明においても、基板の放射線感光性材料を上にして保持することは自明である。 また、引用発明においても、ステップアンドリピートプロセスで集積電子素子の製造に用いられることから、ステージが微動制御できることは自明である。 また、引用発明においても、基板に対して、マスクのパターンを近接焦点合わせしているので、パターンを等倍で露光転写していることは、自明である。 したがって、本願補正発明と引用発明とは、「基板を感光材面を上にして保持して、X、Y軸方向及びθ方向に微動制御でき、且つ、少なくともX、Y方向の1方向に所定の距離だけステップ移動できるステージと、基板上側に原版を保持する原版保持部と、原版の面から基板側へ露光光を照射するための光源部とを有し、原版の絵柄を等倍にて、露光する位置をずらして複数回、露光転写するための露光装置であって、該基板と原版とのギヤップを制御するギヤップ制御機構とを備え、基板と原版と近接させ、間隔を所定のギヤップに保ちながら露光を行う近接露光にて、基板を所定のピッチでステップ移動させ、複数の位置にて原版を介して基板への露光を行い、原版の絵柄を転写露光するものであり、且つ、原版の絵柄領域よりも広い範囲に複数回露光して原版の絵柄よりも大サイズの絵柄を設けるものであることを特徴とする基板用露光装置。」の点で一致し、以下の点で相違している。 相違点1 本願発明は、ステージがZ方向に移動できるのに対して、引用発明は、その点の記載がない点。 相違点2 本願発明は、原版のマスク面を下にして保持し、裏面から露光光を照射しているのに対して、引用発明は、その点の記載がない点。 相違点3 本願発明は、自動アライメント機構を有しているのに対して、引用発明は、その点の記載がない点。 相違点4 本願発明は、原版の絵柄領域を遮蔽することにより露光領域を制御する露光領域制御機構を有しているのに対して、引用発明は、その点の記載がない点。 相違点5 本願発明は、転写に際して原版のたわみが許容範囲を超えるマスクサイズに相当する大サイズ基板であり、それに用いる原版は、転写に際してのたわみが許容範囲内となるサイズである点を限定しているのに対して、引用発明は、その点の記載がない点。 (4)判断 相違点1について 本願発明のテーブルのZ方向移動は、原版と基板とのギャップ調整のために行われるものであり、引用発明では、マスクと基板との間隔の調整、即ち、Z方向移動をマスクホルダー側で行っており、いずれの側に移動機構を配置するかは、当業者が必要に応じてなし得る設計事項である。 相違点2について 原版のマスク面を下にして保持し、裏面から露光光を照射することは、従来周知(例えば、特開平6-347998号公報、特開平5-175104号公報(図16)、実願平2-85926号(実開平4-44137号公報)のマイクロフィルム(第4図)、特開平2-251851号公報(第1図〜第3図)参照)であり、引用発明においても、原版をそのように保持することは、当業者にとって容易である。 相違点3について 引用発明においても、マスク参照マークと基板アライメントマークを直接一致させる自動デジタル画像処理装置を有しており、さらにこの種の装置において、アライメント機構を有していることは自明であるので、それを自動アライメント機構とすることは、当業者にとって容易である。 相違点4について 原版の絵柄領域を遮蔽することにより露光領域を制御することは、従来周知(例えば、引用例2、引用例3、引用例4、特開平3-191349号公報([課題を解決するための手段]の欄、及び第2図〜第4図)参照)であり、引用発明においても、露光領域制御機構を備えることは、当業者にとって容易である。 相違点5について 基板やマスクが大面積のものになると、平面度を適切に保つことが難しくなるので、プロキシミティ露光において、問題となることが、上記記載事項イ.に示されている。また、引用例1以外にも、マスクが大サイズになると自重でたわみ正しい露光ができないことが示されている(例えば、特開平7-219212号公報、特開平7-50239号公報、特開平5-291112号公報参照)。 一方、上記記載事項サ.にも示されるように、基板に対して、原版のサイズができるだけ大きい方が、露光回数が少なくてすむことも当業者にとって自明なことである。 このような認識のある当業者にとって、基板の大きさが、原版のたわみが許容範囲を超えるマスクサイズに相当する大サイズな基板である場合に、原版の大きさを転写に際してのたわみが許容範囲内となるサイズであるようにすることは、格別の創意工夫を必要とすることではなく、容易になし得ることである。 また、本願発明の効果も引用例1の記載、及び従来周知の技術事項から予測される程度のものにすぎない。 (5)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1、及び従来周知の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-10-08 |
結審通知日 | 2003-10-14 |
審決日 | 2003-10-29 |
出願番号 | 特願平7-303389 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(G03F)
P 1 8・ 574- Z (G03F) P 1 8・ 571- Z (G03F) P 1 8・ 121- Z (G03F) P 1 8・ 573- Z (G03F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大熊 靖夫 |
特許庁審判長 |
末政 清滋 |
特許庁審判官 |
谷山 稔男 柏崎 正男 |
発明の名称 | 大サイズ基板用露光装置および露光方法 |
代理人 | 金山 聡 |