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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A01N 審判 全部申し立て 発明同一 A01N 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 A01N 審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 A01N |
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管理番号 | 1089752 |
異議申立番号 | 異議2002-71728 |
総通号数 | 50 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-01-18 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-07-11 |
確定日 | 2003-10-20 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3248244号「衣料用防虫剤」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3248244号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3248244号の請求項1に係る発明は、平成4年6月26日に特許出願され、平成13年11月9日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議申立人アース製薬株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由の通知がなされ、その指定期間内である平成14年12月12日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (ア)訂正の内容 訂正請求は、本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正の内容は次の(a)のとおりである。 (a)特許請求の範囲請求項1に、「セルロース材質に担持させてなる衣料用防虫剤」とあるのを「セルロース材質に担持させてなる、Tinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫防除用衣料用防虫剤」と訂正する。 (イ)訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 上記訂正事項(a)は、本件発明に係る衣料用防虫剤の防除対象を特定の属の虫に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、これらの属の虫が防除対象であることは、明細書段落【0006】に記載されているので、上記訂正事項(a)は新規事項を追加するものではなく、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (ウ)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 (ア)本件発明 前述のように、本件訂正は適法なものであるので、本件の請求項1に係る発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 有効成分として(+)-1R,トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジルを、厚紙および濾紙を除く緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質に担持させてなる、Tinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫防除用衣料用防虫剤」 (以下、「本件発明」という。) (イ)申立ての理由の概要 特許異議申立人アース製薬株式会社は、証拠として甲第1号証を提出し、本件発明は甲第1号証に係る出願の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であり、本件発明についての特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるから、また、本件明細書の記載が不備であるから、特許法第36条第4項、第5項及び第6項の規定を満たしていないので、本件発明に係る特許は取り消されるべき旨を主張してる。 (ウ)当審で通知した取消しの理由 当審において通知した取消しの理由の概要は、上記の特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるとするものに加えて、本件発明は、刊行物1〜3に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるとするものである。 (エ)甲号証、引用刊行物及びその記載内容 (a)甲第1号証(特願平3-310277号の公開公報である特開平6-92807号公報) 甲第1号証には、「次の一般式(1)・・〈構造式及び置換基の説明省略〉・・で表される化合物を有効成分として含有することを特徴とする衣類用防虫剤。」(特許請求の範囲)が記載され、「本発明の衣類用防虫剤の有効成分である前記一般式(1)で表わされる化合物は、・・・(+)-1R,3S-トランス-2,2-ジメチル-3(2,2-ジクロロビニル)-シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジル・・・である。」(段落【0011】)こと、および、「また本発明の衣類用防虫剤、例えばこれを予め適当なシート状基材に塗布、含浸、噴霧、滴下、混練等により保持させて、該基材に保持された形態で、目的とする場所に適用することもできる。この際用いられるシート状基材としては、例えば・・・動植物質又は無機質繊維体シート(紙、布、不織布、皮革等)、・・・を例示できる。」(段落【0020】)ことが記載されている。 実施例において、有効成分を100mmφ×3mm、20mmφ×0.5mmのパルプ製厚紙に塗布または含浸しマット状防虫シートを製造している。また、試験例において、直径20mmの濾紙に有効成分を含浸させて試験を行っている。 (b)刊行物1(特開昭63-203649号公報) 刊行物1には、「(+)1R-トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)-シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジルを含有することを特徴とする殺虫剤。」(特許請求の範囲請求項4)が記載され、対象となる有害生物として多くのものが挙げられているが、その一つとして鱗翅目の昆虫が挙げられ、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、ハチミツガ(Galleria mellonella)が例示され(第6頁左上欄第9〜11行)、また、鞘翅目のアントレヌス(Anthrenus)類の昆虫も挙げられている(第6頁左上欄第19行)。さらに、「本件活性化合物を単独で、・・・いわゆる緩徐放出配合剤・・・虫よけ紙(moth paper)・・・に転化させる。」(第6頁右下欄第13行〜第7欄左上欄第7行)ことが記載されている。 (c)刊行物2[家屋害虫、第5、6号、第51〜59頁(昭和55年6月30日発行)] 刊行物2は、繊維害虫についての論文であり、その「1.繊維害虫のあらまし」の項には、「繊維害虫はカツオブシムシ(鰹節虫)とイガ(衣蛾)である。カツオブシムシは鞘翅目カツオブシムシ科の小型の甲虫、イガは鱗翅目ヒロズコガ科の小さな蛾」(第51頁左欄第17〜20行)であると、「2.ヒメマルカツオブシムシ Anthrenus verbasci ヒメカツオブシムシ Attagenus piceus」の項には、「繊維を害するカツオブシムシは、ヒメマル、ヒメ、シラオビ・・・等で、これらはすべて日本中にみられる」(第51頁右欄第5〜7行)と、また、「3.イガ Tinea pellionella コイガ Tineola biselliella」の項には、「繊維を害するイガは、日本ではイガ、コイガ、ジュウタンガの3種といわれている。」(第53頁右欄第9〜10行)、「イガは屋内害虫であり、・・・幼虫は羊毛、羽毛などに穴をあけてボロボロにする。」(第53頁右欄第16〜18行)、「コイガはふ化すると、繊維をかみ切り、糸を吐きながらくもの巣状のトンネルを作りつつ巣を作る。」(第54頁左欄第5〜7行)と記載されている。 (d)刊行物3(米国特許第4845131号明細書) 刊行物3には、イソボルネオールの有効量からなるTineola biselliellaの撲滅方法に関する発明が記載されており(請求項1)、「衣類の蛾(Tineola biselliella)は、動物起源のケラチン含有製品を攻撃し、破壊する広範囲に分布する害虫であるので、織物の害虫として大変恐れられている。」(第1欄第39〜42行)こと、および、「有効化合物を含浸させた天然及び合成材料・・・の如き、蛾を撲滅するための慣用の剤形、例えば、虫よけ紙(moth paper)・・・」(第2欄第7〜12行)が記載されている。また、例7において、D,L-イソボルネオールを坪量80-100g/m2の紙に塗布した虫よけ紙(moth paper)が調製されている(第3欄第63行〜第4欄第5行)。 (オ)対比・判断 (a)特許法第29条の2について 甲第1号証である特開平6-92807号公報は、特願平3-310277号の願書に最初に添付した明細書(以下、「先願明細書」という。)が記載されるものである。 本件発明と先願明細書に記載された発明とを対比すると、両者は(+)-1R-トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジルを有効成分とする衣料用防虫剤である点で一致し、本件発明では該化合物を「厚紙および濾紙を除く緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質に担持させて」いるのに対し、先願明細書に記載された発明では、この限定について明示されていない点で相違する。 以下、この相違点について検討する。 先願明細書において、有効成分は、「これを予め適当なシート状基材に塗布、含浸、噴霧、滴下、混練等により保持させ」た形態で使用すること、シート状基材として「動植物質又は無機質繊維体シート(紙、布、不織布、皮革等)」が使用されること、さらには、実施例、試験例において化合物を厚さ3mmまたは0.5mmのパルプ製厚紙、濾紙に塗布または含浸させることは示されるものの、「厚紙および濾紙を除く緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質」に担持させることについては記載されていない。また、そのようなセルロース材質が、先願明細書に記載されているに等しい事項であるとされるものでもない。 したがって、本件発明は先願明細書に記載された発明と同一であるとすることはできない。 (b)特許法第29条第2項について 刊行物1に記載の化合物「(+)1R-トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)-シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジル」は、本件発明の一般式(1)で表される化合物において、X1,X2がともに塩素のもの(以下、「本件化合物」という。)であるから、刊行物1には、本件化合物からなる殺虫剤が記載されており、その使用形態として虫よけ紙(moth paper)が挙げられている。 また、刊行物2を参照すれば「Tineola biselliella」はコイガであるから、刊行物3には、イソボルネオールの有効量からなるTineola属害虫の撲滅方法が記載されており、その態様として虫よけ紙(moth paper)を使用する方法が記載されている。 しかしながら、刊行物1には、殺虫剤の対象となる有害生物として鱗翅目の昆虫が挙げられ、いくつかの蛾が例示されているが、本件発明の防除対象となるTinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫に有効であるかどうかは具体的に明らかでなく、さらには、刊行物1には、本件化合物がTinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫に対して忌避的に働く防虫剤としての作用を有することについてはなにも示されていない。そうしてみると、甲第1号証にはTinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫を防除するための衣料用防虫剤が示唆されているとはいえない。 また、刊行物3に虫よけ紙を用いたTineola属害虫の撲滅方法が記載され、刊行物1にも殺虫剤が虫よけ紙の形態で使用し得ることが記載されているが、刊行物3の方法は特定の有効成分(イソボルネオール)を用いることを特徴とするものであるから、たとえ、刊行物1に虫よけ紙の形態で使用できることが記載されていたとしても、Tineola属害虫に対し有効であることが明らかでない本件化合物を、刊行物3のTineola属害虫の撲滅方法に使用する虫よけ紙における特定の有効成分に代えて使用しようとすることは、当業者といえども容易に想到し得ることではない。さらに、刊行物3には、虫よけ紙として坪量80-100g/m2の紙を用いていることが記載されているが、その緊度、厚さについて特定の数値範囲内のものを使用することが示唆されるものではない。 そして、本件発明は、本件特許明細書に記載の試験例にみられるように、衣料害虫に対して長期間にわたって食害防止効力を有するという刊行物1〜刊行物3の記載から予測し得ない格別の効果を奏するものである。 したがって、本件発明は、刊行物1〜刊行物3に記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたとされるものではない。 (c)特許法第36条第4項、第5項及び第6項について 特許異議申立人は、(1)本件発明における「厚紙および濾紙を除く緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質」がどのようなものであるか試験例に記載がなく、発明の詳細な説明を参酌してもいかなるものであるか具体的に把握することができない旨、(2)本件特許明細書中に、セルロース材質として本件発明と相違する厚紙、濾紙、コットンリンターが記載されている旨を述べて、本件明細書の記載が不備であると主張する。 しかしながら、(1)については、厚紙および濾紙を除く所定の緊度、厚さを有するセルロース材質との記載によって、当業者が本件発明を容易に実施することができないとされるものではなく、また、(2)についても、明細書中に厚紙、濾紙、コットンリンターが記載されているからといって、本件発明の内容が不明確になるとまではいえないので、いずれも本件発明に係る特許を取り消すべきほどの明細書の記載の不備であるとされるものではない。 4.むすび 以上のとおりであるから、取消しの理由、異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものと認めない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 衣料用防虫剤 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】有効成分として(+)-1R,トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジルを、厚紙および濾紙を除く緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質に担持させてなる、Tinea属、Tineola属、又はTrichophaga属害虫防除用衣料用防虫剤 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は衣料用防虫剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 (+)-1R,トランス-2,2-ジメチル-3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸2,3,5,6-テトラフルオロベンジル(以下、化合物Aと記す。)が殺虫活性を有することは、特開昭63-203649号公報に記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、化合物Aを衣料防虫用に用いる場合、長期間にわたって安定した防虫効果を得ることは困難であった。 即ち、一般に衣料用防虫剤というものは、ハエ、カ、ゴキブリ等の衛生害虫を駆除する際に求められる即効的な効力よりも、むしろ長期間にわたって安定した効果を示すものが望ましく、例えば半年間有効であれば衣替えのときに防虫剤を設置するだけで済むといった利点が見込まれるものである。 また、衣料用防虫剤に求められるもう一つの性質は、食害防止効力である。 即ち、毒餌剤のように害虫が食害を及ぼした後に殺虫効果があらわれてもあまり有効とは言えず、貴重な衣料品を食害から防除すること、言い換えると食害を防止する効力が重要である。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上述の望ましい性質を備えた衣料用防虫剤を見出すべく検討を重ねた結果、有効成分化合物として化合物Aを選択し、さらにこれを緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質に担持させてなる衣料用防虫剤が、上述の目的に合致することを見出し、本発明に到った。 【0005】 本発明の衣料用防虫剤を製造するに際して、化合物Aに他の何らの成分も加えず、そのまま緊度0.2〜0.7g/cm3、厚さ0.1〜4mmのセルロース材質に担持させても良いが、通常適当な有機溶媒に溶解させて、含有、浸漬等を行うのが便利である。用いられる有機溶媒としては、例えばエタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。また、これらの溶媒に通常の乳化剤、分散剤、展着剤、安定剤等を添加することもできる。さらに、必要により化合物A以外の防虫剤、防黴剤、共力剤等を添加しても良い。 本発明において用いられるセルロース材質は、緊度、即ち一定容積に対する重量が0.2〜0.7g/cm3、厚さが0.1〜4mmのものであり、例えばこのような数値の範囲内にある厚紙、濾紙、コットンリンター等が挙げられる。 【0006】 本発明の衣料用防虫剤は、有効成分として化合物Aを通常1〜100mg/cm3含有するが、セルロース材質の種類、施用場所、施用方法、施用時期等の状況により異なることもある。 本発明の衣料用防虫剤の防除対象となる害虫としては、例えばイガ等のTinea属、コイガ等のTineola属、ジュウタンガ等のTrichophaga属などが挙げられる。 【0007】 【実施例】 次に、本発明を実施例により、さらに具体的に詳述する。 まず、本発明に係わる衣料用防虫剤の製造例を示す。 製造例1 3.5×2.2×0.28cm3、緊度0.39g/cm3のセルロース材質(コットンリンター)に化合物A50mgを塗布し、本発明の衣料用防虫剤を得た。 製造例2 34×58×0.02cm3、緊度0.50g/cm3のセルロース材質(濾紙)に化合物Aのアセトン溶液を、化合物Aの量が200mgとなるように塗布し、本発明の衣料用防虫剤を得た。 【0008】 次に、衣料害虫に対する試験例を示す。 試験例 後述の表1に示す各セルロース材質を、3.2×3.2cm2の大きさに切り取り、化合物Aのアセトン溶液を、化合物Aの量が20mgとなるように滴下、風乾し、衣料用防虫剤を得た。得られた衣料用防虫剤を30×30×30cm3のダンボール箱の上部中央に吊るした。コイガ幼虫10頭と2×2cm2の羊毛片1枚を各々入れた金網かご(直径5cmの球形)3個をダンボール箱の上部に設置した。ダンボール箱内部を密閉状態に保ち、1週間後に羊毛片の食害の程度を観察した。また、試験2、4、8、16、24週間後にも同様の試験を行った。結果を表1に示す。表中、食害防止効果は以下の基準に従って表示した。 ○ 食害なし △ 一部食害あり × 食害あり 【0009】 【表1】 本発明の衣料用防虫剤を用いた試験である試験例1および2は、24週間の長期間にわたって安定した食害防止効果を示した。 これに対して、材質の緊度および/または厚さの異なる比較例1〜4においては、長期間の残効性が充分でないという結果が示された。 【0010】 【発明の効果】 本発明の衣料用防虫剤は、長期間にわたって安定した食害防止効力を有するものである。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-09-26 |
出願番号 | 特願平4-168898 |
審決分類 |
P
1
651・
534-
YA
(A01N)
P 1 651・ 161- YA (A01N) P 1 651・ 531- YA (A01N) P 1 651・ 121- YA (A01N) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
板橋 一隆 |
特許庁審判官 |
西川 和子 後藤 圭次 |
登録日 | 2001-11-09 |
登録番号 | 特許第3248244号(P3248244) |
権利者 | 住友化学工業株式会社 |
発明の名称 | 衣料用防虫剤 |
代理人 | 久保山 隆 |
代理人 | 榎本 雅之 |
代理人 | 中山 亨 |
代理人 | 久保山 隆 |
代理人 | 榎本 雅之 |
代理人 | 中山 亨 |