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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F |
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管理番号 | 1089789 |
異議申立番号 | 異議2002-71307 |
総通号数 | 50 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-10-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-05-27 |
確定日 | 2003-11-04 |
異議申立件数 | 3 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3232076号「遊技機」の請求項1〜5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3232076号の請求項1〜4に係る特許を維持する。 |
理由 |
1・手続の経緯 特許第3232076号の請求項1〜5に係る各発明についての特許出願は、平成9年11月26日に出願された特許出願(特願平9-340746号、以下、先の出願という)に基づく優先権を主張して、平成10年9月14日に出願された特願平10-260071号(以下、原出願という)の一部が、平成12年4月11日に、特許法第44条第1項の規定により新たな特許出願として分割されたものであって、平成13年9月14日にその特許権の設定登録がなされ、その後、鈴木良子、安孫子貞子、岡林茂よりそれぞれ特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年12月3日に訂正請求(後日取下げ)がなされ、再度取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年9月4日に訂正請求がなされたものである。 2・訂正の適否についての判断 (2-1)訂正の内容 ア・訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1において、 「前記報知手段は、前記当選フラグおよび遊技状態を参照して選択した報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に報知する」とあるのを、 「前記報知手段は、遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する」と訂正する。 イ・訂正事項b 特許請求の範囲の請求項4を削除して請求項5を請求項4に繰り上げるとともに、請求項5にあった「請求項1から請求項4のいずれか1項」を、繰り上げられた請求項4において「請求項1から請求項3のいずれか1項」と訂正する。 ウ・訂正事項c 発明の詳細な説明の段落【0008】において、 「前記報知手段は、前記当選フラグおよび遊技状態を参照して選択した報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に報知する」とあるのを、 「報知手段は、遊技状態および当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および入賞態様決定手段によってその時に成立している当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる抽選値に割り当てられた報知態様で、小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する」と訂正する。 エ・訂正事項d 発明の詳細な説明の段落【0009】において、 「容易に行える」とあるのを、 「容易に行える。また、報知手段が所定確率で報知を行うため、小当たり入賞態様は遊技者に報知される場合もあり、報知されない場合もある。よって、遊技者によって、小当たり入賞態様の報知が期待されるようになり、この内部抽選結果報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣は向上する」と訂正する。 オ・訂正事項e 発明の詳細な説明の段落【0012】及び【0013】を削除し、段落番号を順次繰り上げる。 (2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明(「遊技者に報知する」を「遊技者に対して報知する」と訂正する部分)を目的とした明細書の訂正に該当し、上記訂正事項b〜eは、上記訂正事項aと整合を図るものである(訂正事項bの請求項4の削除は、削除された請求項4にあった「前記報知手段は所定確率で前記報知を行う」という構成要件が請求項1に付加されたことにより生じたものである)から明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。 (2-3)むすび したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 3・特許異議の申立てについての判断 (3-1)特許異議の申立ての理由の概要 (3-1-1)申立人・鈴木良子の主張 申立人は、 甲第1号証(特開平6-114143号公報)、 甲第2号証(パチスロ攻略マガジン1998年4月号、発行日:1998年4月1日、発行所:双葉社)、 甲第3号証(パチスロ必勝ガイド1998年4月号、発行日:平成10年4月1日、発行所:株式会社白夜書房)、 甲第4号証(特開平7-136313号公報) 及び 甲第5号証(特開平8-336642号公報) を引用し、 本件特許の請求項1〜5に係る各発明は、当業者が甲第1号証,甲第2号証(又は甲第3号証)、甲第4号証及び甲第5号証に記載された各発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。 (3-1-2)申立人・安孫子貞子の主張 申立人は、 甲第1号証(特開平6-114142号公報)、 甲第2号証(特開平7-24104号公報)、 甲第3号証(特開平7-136313号公報)、 甲第4号証(特開平7-80128号公報)、 甲第5号証(特開平7-236732号公報)、 甲第6号証(特開平7-328179号公報)、 甲第7号証(特開平8-71225号公報)、 甲第8号証(特開平9-703号公報)、 甲第9号証(特開平9-271559号公報) 及び 甲第10号証(特開平9-299548号公報)、 を引用し、 本件特許の請求項1〜5に係る各発明は、当業者が甲第1号証,甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証及び甲第5号証に記載された各発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。 (3-1-3)申立人・岡林茂の主張 申立人は、 平成13年7月13日付けで補正された「このボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行い」は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されていない事項であるから、その特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである旨、 又、 発明の詳細な説明に、特許請求の範囲の請求項1の「このボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行い」について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないから、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである旨、 主張している。 (3-2)本件の発明 上記2・で示したように、上記訂正が認められたので、本件特許の請求項1〜4に係る各発明は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される下記のとおりである。 「【請求項1】配当が異なる複数の入賞態様について乱数抽選を行い入賞態様に対応した当選フラグを成立させる入賞態様決定手段と、前記当選フラグが成立したことを遊技者に報知する報知手段とを備えた遊技機において、 前記入賞態様決定手段は、前記当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に前記当選フラグが持ち越されない小当たり入賞態様と、前記当選フラグの成立後前記当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで前記当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様とを有し、このボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行い、 前記報知手段は、遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する ことを特徴とする遊技機。 【請求項2】前記入賞態様決定手段は複数の前記小当たり入賞態様を有し、前記報知手段はこの複数の小当たり入賞態様に対応した複数の当選フラグの種類をも報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 【請求項3】前記報知手段は音によって前記報知を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 【請求項4】前記報知手段は前記ボーナス入賞態様に対応した当選フラグの成立をも報知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機」 (3-3)特許法第29条第2項の規定違反について (3-3-1)特許性判断の基準日について 上記1・に記したように、本件特許出願の原出願は、先の出願に基づく優先権を主張して出願されたものである。 しかして、本件特許の特許請求の範囲の請求項1における「前記報知手段は、遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する」という記載は、先の出願の明細書又は図面に記載されていない事項であるから、本件特許の請求項1〜4に係る各発明については、平成10年9月14日を基準としてその特許性を判断する。 (3-3-2)異議申立人引用の証拠に記載された発明 申立人・鈴木が引用する甲第1号証(特開平6-114143号公報)(以下、引用例1という)には、 特に、 (ア)【図10】(第23頁)のS75Y→S81N→S83Yというフローにより、ボーナス当選の内部当選中であっても小役当選の抽選が行われているものと認められること、 (イ)ランダムカウンタ、S58,S66,S67,ROM47およびCPU46によって入賞態様決定手段が構成されるものと認められること、 からみて、 「付与されるコイン枚数が異なる複数の当選についてランダム値Rを用いた演算結果を各当選の判定値と比較する処理を行い当選に対応した当選フラグを成立させる入賞態様決定手段と、前記当選フラグが成立したことを遊技者に報知する遊技効果ランプ24とを備えたスロットマシンにおいて、 前記入賞態様決定手段は、1ゲームの終了時点で当選フラグがクリアされる複数の小役当選と、前記図柄が有効ライン上に停止するまで当選フラグが引続きセットされたままの状態であるビッグボーナス当選とを有し、このビッグボーナス当選の内部当選中であっても前記小役当選の抽選を行い、 前記遊技効果ランプ24は、ビッグボーナス当選に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に対して報知する スロットマシン」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・鈴木が引用する甲第2号証(パチスロ攻略マガジン1998年4月号、発行日:1998年4月1日、発行所:双葉社)(以下、引用例2という)には、 特に、008頁の記載からみて、 「ボーナス、2or4枚チェリー、ベル、スイカに対応したボーナスフラグ、2or4枚チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグを成立させ、前記ボーナスフラグ、2or4枚チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグが成立したことを遊技者に所定出現率で報知する予告音・リールランプ消灯・フラッシュ発生を備えたサンダーVにおいて、 小役と、ボーナスとを有し、 前記予告音・リールランプ消灯・フラッシュ発生は、ボーナスフラグの成立、未成立などのベースに加えて、小役フラグの有無を加味し、それぞれの状態毎に、各演出の発生を一括して振り分けるテーブルによって、前記複数の小役に対応した複数の2or4枚チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグが成立したことを所定出現率で遊技者に対して報知する サンダーV」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・鈴木が引用する甲第3号証(パチスロ必勝ガイド1998年4月号、発行日:平成10年4月1日、発行所:株式会社白夜書房)(以下、引用例3という)には、 特に、第4〜7頁の記載からみて、 「ボーナス、チェリー、ベル、スイカに対応したボーナスフラグ、チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグを成立させ、前記ボーナスフラグ、チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグが成立したことを遊技者に所定選択率で報知する予告音・消灯・フラッシュを備えたサンダーVにおいて、 小役と、ボーナスとを有し、 前記予告音・消灯・フラッシュは、チャンス予告システムによって役判定の直後に、成立フラグや状態に対応して存在する予告機能テーブルの中から複数の当選役に応じて選択され、そこに記された内容に従う予告音・消灯・フラッシュの一連の動作を実行する サンダーV」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・鈴木が引用する甲第4号証(申立人・安孫子の甲第3号証でもある特開平7-136313号公報)(以下、引用例4という)には、 特に、 【図4】(第7頁)の「小物抽選」及び「大当りフラグセット?」並びに第3頁第4欄第28〜32行の「オレンジの内部当り表示ランプ123、プラムの内部当り表示ランプ124,スイカの内部当り表示ランプ125、1チェリーの内部当り表示ランプ126,2チェリーの内部当り表示ランプ127、3チェリーの内部当り表示ランプ128」の記載から、内部当り表示ランプ123〜128は、賞態様がソフト的に発生しているかどうかおよび大当りフラグがセットされているかどうかを参照して選択した報知態様で、複数の小役の賞態様に対応した複数の賞態様が発生する条件が整ったことを遊技者に告知しているものと認められること、 からみて、 「払い出されるメダル枚数が異なる複数の賞態様について乱数抽出を行い賞態様をソフト的に発生させる電気的制御装置200と、前記賞態様が発生する条件が整ったことを遊技者に告知する内部当り表示ランプ121〜128とを備えたスロットマシンにおいて、 前記電気的制御装置200は、前記賞態様がソフト的に発生してから全てのストップスイッチがオンとなるまでの間の複数の小役の賞態様と、前記賞態様がソフト的に発生してから実際に入賞するまでの間の7-7-7及びBAR-BAR-BARとを有し、 前記内部当り表示ランプ123〜128は、前記賞態様がソフト的に発生しているかどうかおよび大当りフラグがセットされているかどうかを参照した報知態様で、前記複数の小役の賞態様に対応した複数の賞態様が発生する条件が整ったことを遊技者に対して告知する スロットマシン」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・鈴木が引用する甲第5号証(特開平8-336642号公報)(以下、引用例5という)には、 「予告報知手段は、所定の確率で大当たり予告を遊技者に対して報知する遊技機」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第1号証(特開平6-114142号公報)(以下、引用例6という)には、 引用例1に記載された発明と同様の発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第2号証(特開平7-24104号公報)(以下、引用例7という)には、 引用例1に記載された発明と構成部材名が若干異なるものの実質的に引用例1に記載された発明と同様の発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第4号証(特開平7-80128号公報)(以下、引用例8という)には、 「遊技の進行状況をスピーカーから発音させる発音制御手段を備えたパチンコ機」を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第5号証(特開平7-236732号公報)(以下、引用例9という)には、 「各遊技状態毎に定められた表示色となるよう画像表示部の表示色を変更する表示色変更手段を備えたスロットマシン」を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第6号証(特開平7-328179号公報)(以下、引用例10という)には、 「遊技の状況に対応した表示パターンを選択し該表示パターンを画像表示部に表示させる画像表示制御手段を備えたスロットマシン」を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第7号証(特開平8-71225号公報)(以下、引用例11という)には、 「遊技状況が検出されると所定の画像を表示させ、その画像を各回又は所定回毎に内容又は表示パターンが異なるものに変更する表示手段を備えたパチンコ機」を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第8号証(特開平9-703号公報)(以下、引用例12という)には、 「音発生手段は、所定の確率で大当たり予告を遊技者に対して報知する遊技機」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第9号証(特開平9-271559号公報)(以下、引用例13という)には、 「遊技状態の判定結果を2色以上の光源を切り替えて発光させる光源切替手段を備えたスロットマシン」を構成とする発明が記載されているものと認められる。 申立人・安孫子が引用する甲第10号証(特開平9-299548号公報)(以下、引用例14という)には、 「入賞時と非入賞時とで音発生手段が発生する音を異ならせた遊技機」 を構成とする発明が記載されているものと認められる。 (3-3-3)対比・判断 本件請求項1に係る発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、 後者の 「付与されるコイン枚数」、「当選」、「ランダム値Rを用いた演算結果を各当選の判定値と比較する処理」、「遊技効果ランプ24」、「スロットマシン」、「1ゲームの終了時点で当選フラグがクリアされる」、「小役当選」、「図柄が有効ライン上に停止するまで当選フラグが引続きセットされたままの状態である」及び「ビッグボーナス当選」 がそれぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「配当」、「入賞態様」、「乱数抽選」、「報知手段」、「遊技機」、「前記当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に前記当選フラグが持ち越されない」、「小当たり入賞態様」、「当選フラグの成立後前記当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで前記当選フラグが次回の遊技に持ち越される」及び「ボーナス入賞態様」 に相当するものと認められるから、 両者は、 「配当が異なる複数の入賞態様について乱数抽選を行い入賞態様に対応した当選フラグを成立させる入賞態様決定手段と、前記当選フラグが成立したことを遊技者に報知する報知手段とを備えた遊技機において、 前記入賞態様決定手段は、前記当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に前記当選フラグが持ち越されない小当たり入賞態様と、前記当選フラグの成立後前記当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで前記当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様とを有し、このボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行い、 前記報知手段は、入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に対して報知する 遊技機」である、 点において一致し、 報知手段が、 前者は、遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する、 のに対し、 後者は、ボーナス入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に報知する、 点において相違するものと認められる。 そこで、相違点における前者の報知手段の構成が、引用例2〜14に記載された各発明に備わっているか否かについて検討する。 先ず、引用例2及び3に記載された各発明がそれぞれの構成中に「テーブル」を備えているにことに着目して、これら両引用例に記載された各発明について検討するに、 引用例2に記載された発明の 「ボーナス、2or4枚チェリー、ベル、スイカ」、「ボーナスフラグ、2or4枚チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグ」、「出現率」、「予告音・リールランプ消灯・フラッシュ発生」、「サンダーV」、「小役」、「ボーナス」、「ボーナスフラグの成立、未成立などのベースに加えて、小役フラグの有無を加味し、それぞれの状態毎に、各演出の発生を一括して振り分けるテーブルによって」及び「2or4枚チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグ」 がそれぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「複数の入賞態様」、「当選フラグ」、「確率」、「報知手段」、「遊技機」、「小当たり入賞態様」、「ボーナス入賞態様」、「遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、そこにある報知態様で」及び「当選フラグ」 に相当するものと認められ、 又、 引用例3に記載された発明の 「ボーナス、チェリー、ベル、スイカ」、「ボーナスフラグ、チェリーフラグ、ベルフラグ、スイカフラグ」、「選択率」、「予告音・消灯・フラッシュ」、「サンダーV」、「小役」、「ボーナス」及び「チャンス予告システムによって役判定の直後に、成立フラグや状態に対応して存在する予告機能テーブルの中から複数の当選役に応じて選択され、そこに記された内容に従う予告音・消灯・フラッシュの一連の動作を実行する」 がそれぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「複数の入賞態様」、「当選フラグ」、「確率」、「報知手段」、「遊技機」、「小当たり入賞態様」、「ボーナス入賞態様」及び「遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、そこにある報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する」 に相当するものと認められるから、 引用例2及び3に記載された各発明には、 「遊技状態および当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、そこにある報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものの、 この報知手段には、相違点における前者の報知手段の「選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で」という構成がない。 そこで次に、報知手段ないし報知手段に相当する構成に注目して、引用例4〜14に記載された各発明について検討するに、 引用例4に記載された発明には、 引用例4に記載された発明の 「払い出されるメダル枚数」、「賞態様」、「乱数抽出」、「賞態様をソフト的に発生させる」、「電気的制御装置200」、「賞態様が発生する条件が整った」、「告知」、「内部当り表示ランプ121〜128」、「スロットマシン」、「賞態様がソフト的に発生してから全てのストップスイッチがオンとなるまでの間の」、「小役の賞態様」、「賞態様がソフト的に発生してから実際に入賞するまでの間の」、「7-7-7及びBAR-BAR-BAR」及び「賞態様がソフト的に発生しているかどうかおよび大当りフラグがセットされているかどうか」 がそれぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「配当」、「入賞態様」、「乱数抽選」、「入賞態様に対応した当選フラグを成立させる」、「入賞態様決定手段」、「当選フラグが成立した」、「報知」、「報知手段」、「遊技機」、「前記当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に前記当選フラグが持ち越されない」、「小当たり入賞態様」、「前記当選フラグの成立後前記当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで前記当選フラグが次回の遊技に持ち越される」、「ボーナス入賞態様」及び「遊技状態および前記当選フラグ」 に相当するものと認められるから、 「遊技状態および前記当選フラグを参照した報知態様で、前記複数の小当たり入賞態様に対応した複数の当選フラグが成立したことを遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例5に記載された発明には、 「所定の確率で大当たり予告を遊技者に対して報知する」予告報知手段が備わっているものと認められ、 引用例6及び7に記載された各発明には、 引用例1に記載された発明と同様の報知手段、すなわち、「ボーナス入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを遊技者に報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例8に記載された発明には、 引用例8に記載された発明の 「スピーカーから発音させる発音制御手段」及び「パチンコ機」が それぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「遊技者に対して報知する報知手段」及び「遊技機」 に相当するものと認められるから、 「遊技の進行状況を遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例9に記載された発明には、 引用例9に記載された発明の 「定められた表示色となるよう画像表示部の表示色を変更する表示色変更手段」及び「スロットマシン」が それぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「遊技者に対して報知する報知手段」及び「遊技機」 に相当するものと認められるから、 「各遊技状態毎に遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例10に記載された発明には、 引用例10に記載された発明の 「該表示パターンを画像表示部に表示させる画像表示制御手段」及び「スロットマシン」が それぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「遊技者に対して報知する報知手段」及び「遊技機」 に相当するものと認められるから、 「遊技の状況に対応した表示パターンを選択し遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例11に記載された発明には、 引用例11に記載された発明の 「所定の画像を表示させ、その画像を各回又は所定回毎に内容又は表示パターンが異なるものに変更する表示手段」及び「パチンコ機」が それぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「遊技者に対して報知する報知手段」及び「遊技機」 に相当するものと認められるから、 「遊技状況が検出されると遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例12に記載された発明には、 引用例12に記載された発明の 「音発生手段」が その機能に照らし、 前者の 「報知手段」 に相当するものと認められるから、 「所定の確率で大当たり予告を遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例13に記載された発明には、 引用例13に記載された発明の 「2色以上の光源を切り替えて発光させる光源切替手段」及び「スロットマシン」が それぞれの機能に照らし、それぞれ 前者の 「遊技者に対して報知する報知手段」及び「遊技機」 に相当するものと認められるから、 「遊技状態の判定結果を遊技者に対して報知する」報知手段が備わっているものと認められ、 引用例14に記載された発明には、 引用例14に記載された発明の 「音発生手段」が その機能に照らし、 前者の 「報知手段」 に相当するものと認められるから、 「入賞時と非入賞時とで発生する音を異ならせた」報知手段が備わっているものと認められるものの、 引用例4〜14に記載された各発明には、やはり、相違点における前者の報知手段の構成が備わっていない。 要するに、引用例1〜14に記載された各発明の何れにも、前者の報知手段の「選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で」という構成がなく、また、上記各引用例にこれを示唆する記載もない。 そして、上記相違点に係る構成を含む請求項1に係る発明は、「内部抽選によって小当たり入賞が発生したことを、報知手段が発生する報知音や、報知手段が点灯制御するリールバックランプの点灯等によって予め知ることが出来るため、遊技者は停止ボタン操作を容易に行えるようになる。また、報知手段が小当たり入賞の種類をも遊技者に報知する構成とすれば、遊技者による停止ボタン操作はより容易に行えるようになる。また、遊技者は小当たり入賞の予兆報知が行われたときに報知音を聞いたりランプの表示態様を見て楽しむことも出来、遊技の興趣は増すようになる。また 、この報知を所定確率で行う構成とすれば、報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣はさらに向上するようになる。」という明細書記載の効果を奏するものである。 したがって、前者は、申立人・鈴木良子、安孫子貞子がそれぞれ引用した甲号各証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 また、請求項2〜4に係る発明は、請求項1に係る発明を引用するものであるから、請求項1に係る発明と同じ理由により当業者が容易に発明することができたものということはできない。 (3-4)特許法第17条の2第3項及び特許法第36条第4項第1号に規定する各要件を満たしていないという主張について 本件特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面の「まず・・・メダルBETがなされたかどうかが判別される(図8,ステップ101参照)・・・この判別が“YES”の場合、前述した入賞態様決定手段によって入賞判定(確率抽選処理)が行われる(ステップ103)・・・入賞態様決定手段で決定された入賞態様は当選フラグの種類によって表される」(特開2000-300725号公報第5頁の段落【0041】、【0042】及び【0043】)、「次に、この入賞判定の結果、小当たり入賞当選フラグが立ったか否かが判断される(ステップ104」(同公報第5頁の段落【0045】)、「これら停止制御は機械によって全て行われるのではなく、遊技者による各停止ボタン16〜18の操作タイミングも問われる。つまり、内部抽選の結果入賞当選フラグが立っていても、遊技者によって停止ボタン16〜18が所定タイミングに操作されないと、有効化入賞ライン上に入賞シンボル組合せは揃わず、入賞は発生しない。このため、次に、リール停止時の表示が所定のシンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ステップ108)。入賞が得られなかったときには“NO”となって処理は初めのステップ101に戻る」(同公報第6頁の段落【0050】及び【0051】)及び「小当たり入賞当選フラグはその回の遊技においてだけ有効であり、新たなメダル投入によって行われる次回の遊技には持ち越されない・・・これに対してRB当選フラグやBB当選フラグは数回の遊技にわたって持ち越される」(同公報第5頁の段落【0044】)並びに【図8】(同公報第17頁)という記載からみて、 ステップ103の入賞判定でRBやBBに当選しても、停止ボタン16〜18が所定タイミングに操作されないと入賞は発生しないが、RB当選やBB当選は数回の遊技にわたって持ち越されるから、次回の遊技のステップ103では小当たりの入賞判定が行われること、すなわち、「ボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行」うことは自明であり、したがって、特許法第17条の2第3項及び特許法第36条第4項第1号に規定する各要件を満たしていないという上記(3-1-3)の主張は採用できない。 (3-5)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1〜4に係る各発明の特許を取り消すことはできない。 又、他に本件請求項1〜4に係る各発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 なお、平成15年10月14日付の申立人・鈴木良子の上申書をみても、上記判断に影響を与えない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 遊技機 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 配当が異なる複数の入賞態様について乱数抽選を行い入賞態様に対応した当選フラグを成立させる入賞態様決定手段と、前記当選フラグが成立したことを遊技者に報知する報知手段とを備えた遊技機において、 前記入賞態様決定手段は、前記当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に前記当選フラグが持ち越されない小当たり入賞態様と、前記当選フラグの成立後前記当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで前記当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様とを有し、このボーナス入賞態様の内部当選中であっても前記小当たり入賞態様の抽選を行い、 前記報知手段は、遊技状態および前記当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および前記入賞態様決定手段によってその時に成立している前記当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる前記抽選値に割り当てられた報知態様で、前記小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知する ことを特徴とする遊技機。 【請求項2】 前記入賞態様決定手段は複数の前記小当たり入賞態様を有し、前記報知手段はこの複数の小当たり入賞態様に対応した複数の当選フラグの種類をも報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 【請求項3】 前記報知手段は音によって前記報知を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 【請求項4】 前記報知手段は前記ボーナス入賞態様に対応した当選フラグの成立をも報知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、乱数抽選によって入賞態様が決定され、小当たり入賞が発生する遊技機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種の遊技機としては例えばスロットマシンがある。一般的なスロットマシンでは、図22(a)に示すように、前面パネル2の背後に3個のリール3,4,5が3列に並設されている。各リール3〜5の外周には種々の図柄が描かれており、これら図柄は、各リール毎に設けられた図示しない内蔵光源(バックライト)によって背後から照明され、前面パネル2に形成された各窓6,7,8を介して観察される。この窓には5本の入賞ラインが記されており、スロットマシン遊技は、いずれかのこの入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが揃うか否かによって行われる。 【0003】 遊技は遊技者によって投入口にメダルが投入されることによって開始され、投入口にメダルが投入されると、同図(a)に示すようにバックライトが全部点灯する。このバックライトは遊技終了後一定期間、遊技者のメダル投入操作等がなかった場合には、同図(b)に示すように全部消灯している。各リール3〜5は遊技者によるスタートレバーの操作に応じて回転し、各窓6〜8には図柄が列方向に回転移動表示される。各リール3〜5が一定速度に達すると各リール3〜5に対応して設けられた各ストップボタンの操作は有効となる。 【0004】 遊技者は移動する図柄を観察しながら各ストップボタンを操作し、各リール3〜5の回転を停止させ、所望の図柄をいずれかの入賞ライン上に停止表示させようとする。各リール3〜5は各ストップボタンの操作タイミングに応じてその回転が停止する。この停止時にいずれかの入賞ライン上に所定の図柄組み合わせが表示されると、その図柄組み合わせに応じた入賞が得られる。 【0005】 入賞態様には大当たり入賞や中当たり入賞,小当たり入賞等があり、大当たり入賞や中当たり入賞は図柄「7」や所定のキャラクタ図柄が入賞ライン上に3個揃うと発生する。大当たり入賞ではビッグ・ボーナス・ゲーム(BBゲーム)、中当たり入賞ではレギュラー・ボーナス・ゲーム(RBゲーム)といった特別遊技が行え、大量のコインを獲得することが出来る。また、小当たり入賞は「チェリー」や「ベル」といった図柄が入賞ライン上に3個揃うと発生し、この小当たり入賞では数枚のメダルを獲得することが出来る。同図(c)は図柄「ベル」が中央の入賞ラインに揃った場合を示しており、この場合にはバックライトは点滅する。 【0006】 このような入賞態様は、スタートレバーが操作された直後に行われる乱数抽選によって決定され、各リールが遊技者によって停止操作される前には既に定まっている。この乱数抽選は遊技機内部に構成された入賞態様決定手段で実施される。この乱数抽選によって大当たり入賞が決定されると、機器前面パネルに設けられたランプが点灯し、機械の内部抽選によって大当たり入賞が発生したことが遊技者に報知される。その後、遊技者の停止ボタン操作に応じて各リールの回転が停止制御され、乱数抽選によって決定された入賞の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されると、入賞が発生する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来の遊技機では、内部抽選によって大当たり入賞が発生したことは遊技者に報知されるが、小当たり入賞が内部抽選によって発生したことは報知されない。このため、小当たり入賞は、各窓に図柄が実際に停止表示されるまで、機械内部の乱数抽選で決定されたことが分からなかった。従って、内部抽選によって小当たり入賞が決定された場合、遊技者は、この内部抽選結果を予め把握できないため、リールの回転を最初に停止操作する際、どのような図柄を入賞ライン上に揃えれば良いかを知ることは出来なかった。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、配当が異なる複数の入賞態様について乱数抽選を行い入賞態様に対応した当選フラグを成立させる入賞態様決定手段と、当選フラグが成立したことを遊技者に報知する報知手段とを備えた遊技機において、入賞態様決定手段は、当選フラグが成立したその遊技において完結し次回の遊技に当選フラグが持ち越されない小当たり入賞態様と、当選フラグの成立後当選フラグに対応した入賞態様が発生するまで当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様とを有し、このボーナス入賞態様の内部当選中であっても小当たり入賞態様の抽選を行い、報知手段は、遊技状態および当選フラグの各組み合わせ毎にデモ抽選テーブルの種類が割り当てられたデモ抽選テーブル選択テーブルを参照して、その時の遊技状態および入賞態様決定手段によってその時に成立している当選フラグに応じてデモ抽選テーブルを選択し、選択したデモ抽選テーブルに各報知態様毎に記憶された各抽選値を参照し、参照した抽選値と抽出した乱数値とを演算して、この演算結果が所定の結果になる抽選値に割り当てられた報知態様で、小当たり入賞態様に対応した当選フラグが成立したことを所定確率で遊技者に対して報知することを特徴とする。 【0009】 本構成によれば、遊技者は内部抽選によって小当たり入賞が発生したことを予め知ることが出来、停止ボタン操作は容易に行える。また、報知手段が所定確率で報知を行うため、小当たり入賞態様は遊技者に報知される場合もあり、報知されない場合もある。よって、遊技者によって小当たり入賞態様の報知が期待されるようになり、この内部抽選結果報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣は向上する。 【0010】 また、本発明は複数の小当たり入賞態様に対応した複数の当選フラグの種類をも遊技者に報知することを特徴とする。例えば、複数の音を発生させて小当たり入賞の種類を遊技者に報知する。 【0011】 本構成によれば、小当たり入賞の種類を予め知ることが出来るため、停止ボタン操作はより容易に行える。 【0012】 【発明の実施の形態】 次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第1の実施形態について説明する。 【0013】 図1は本実施形態によるスロットマシン1の正面図である。 【0014】 スロットマシン1の前面パネル2の背後には可変表示装置を構成する3個のリール3,4,5が回転自在に設けられている。各リール3,4,5の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓6,7,8を通してそれぞれ3個ずつ観察される。また、表示窓6,7,8の下方右側には、遊技者がメダルを入れるための投入口9が設けられている。 【0015】 各リール3〜5は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム51にブラケット52を介して取り付けられている。各リール3〜5はリールドラム53の外周にリール帯54が貼られて構成されている。リール帯54の外周面には上記のシンボル列が描かれている。また、各ブラケット52にはステッピングモータ55が設けられており、各リール3〜5はこれらモータ55が駆動されて回転する。 【0016】 各リール3〜5の構造は図3(a)に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。リール帯54の背後のリールドラム53内部にはランプケース56が設けられており、このランプケース56の3個の各部屋にはそれぞれバックランプ57a,57b,57cが取り付けられている。これらバックランプ57a〜57cは図3(b)に示すように基板58に実装されており、この基板58がランプケース56の背後に取り付けられている。また、ブラケット52にはホトセンサ59が取り付けられている。このホトセンサ59は、リールドラム53に設けられた遮蔽板60がリールドラム53の回転に伴ってホトセンサ59を通過するのを検出する。 【0017】 各バックランプ57a〜57cは後述するランプ駆動回路48によって個別に点灯制御される。各バックランプ57a〜57cの点灯により、リール帯54に描かれたシンボルの内、各バックランプ57の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓6〜8にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。 【0018】 また、図1に示す表示窓6〜8には、横3本(中央L1および上下L2A,L2B)および斜め2本(斜め右下がりL3A,斜め右上がりL3B)の入賞ラインが記されている。ゲーム開始に先立ち、遊技者がメダル投入口9に1枚のメダルを投入したときは、各リール3〜5上にある中央の入賞ラインL1だけが図4(a)に示すように有効化される。また、2枚のメダルを投入口9に投入したときはこれに上下の入賞ラインL2A,L2Bが加わり、横3本の入賞ラインL1,L2AおよびL2Bが同図(b)に示すように有効化される。また、3枚のメダルを投入口9に投入したときは全ての入賞ラインL1,L2A,L2B,L3AおよびL3Bが同図(c)に示すように有効化される。 【0019】 なお、同図における丸印は各リール3〜5上に描かれたシンボルを表している。このような入賞ラインの有効化は、各入賞ラインの端部に配置された有効化ライン表示ランプ23(図1参照)が点灯することにより、遊技者に表示される。 【0020】 また、表示窓6〜8の下方左側には、1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12が設けられている。クレジット数表示部13にメダルがクレジットされている場合には、メダル投入口9へのメダル投入に代え、これら1BETスイッチ10,2BETスイッチ11およびマックスBETスイッチ12の各押ボタン操作により、1回のゲームにそれぞれ1枚,2枚および3枚のメダルが賭けられる。クレジット数表示部13は、表示する数値の桁数に応じた個数の7セグメントLEDで構成されており、現在クレジットされているメダル数を表示する。 【0021】 これらBETスイッチ10〜12の下方にはクレジット/精算切換スイッチ(C/Pスイッチ)14およびスタートレバー15が設けられており、スタートレバー15の右方の機器中央部には停止ボタン16,17,18が設けられている。C/Pスイッチ14の押しボタン操作により、メダルのクレジット/払い出し(PLAY CREDIT/PAY OUT)を切り換えることが出来る。 【0022】 スタートレバー15のレバー操作により、リール3,4,5の回転が一斉に開始する。停止ボタン16,17,18は、各リール3,4,5に対応して配置されている。各リール3〜5の回転速度が一定速度に達したときに各停止ボタン16〜18の操作が有効化され、各停止ボタン16〜18は遊技者の押しボタン操作に応じて各リール3〜5の回転を停止させる。 【0023】 また、スロットマシン1の正面下部には透音孔19およびメダル受皿20が設けられている。透音孔19は、機器内部に収納されたスピーカから発生した音を外部へ出すものである。メダル受皿20はメダル払出口21から払い出されるメダルを貯めるものである。また、スロットマシン1の正面上部には、各入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかが示されている配当表示部22が設けられている。 【0024】 また、各リール3,4,5の右方の前面パネル2には液晶表示部24が設けられている。この液晶表示部24は各リール3,4,5の回転表示をしたり、遊技履歴を表示したり、ボーナスゲーム中に演出を行ったりするディスプレイ装置である。 【0025】 図5は、本実施形態のスロットマシン1における遊技処理動作を制御する制御部と、これに電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とを含む回路構成を示している。 【0026】 制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32およびRAM33を含んで構成されている。CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、一定範囲の乱数を発生させる乱数発生手段である乱数発生器36および発生した乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段である乱数サンプリング回路37が接続されている。 【0027】 マイコン30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、リール3,4,5を回転駆動する各ステッピングモータ55、メダルを収納するホッパ38、液晶表示部24、スピーカ39およびバックランプ57a〜57cがある。これらはそれぞれモータ駆動回路40、ホッパ駆動回路41、表示駆動回路42、スピーカ駆動回路43およびランプ駆動回路48によって駆動される。これら駆動回路40〜43,48は、マイコン30のI/Oポートを介してCPU31に接続されている。各ステッピングモータ55はモータ駆動回路40によって1-2相励磁されており、400パルスの駆動信号が供給されるとそれぞれ1回転する。 【0028】 また、マイコン30が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートレバー15の操作を検出するスタートスイッチ15Sと、メダル投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9Sと、前述したC/Pスイッチ14とがある。また、ホトセンサ59、およびこのホトセンサ59からの出力パルス信号を受けて各リール3,4,5の回転位置を検出するリール位置検出回路44もある。 【0029】 ホトセンサ59は各リール3,4,5が一回転する毎に遮蔽板60を検出してリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路44を介してCPU31に与えられる。RAM33内には、各リール3〜5について、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されており、CPU31はリセットパルスを受け取ると、RAM33内に形成されたこの計数値を“0”にクリアする。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ55の回転との間に生じるずれが、一回転毎に解消されている。 【0030】 さらに、上記の入力信号発生手段として、リール停止信号回路45と、払出し完了信号発生回路46とがある。リール停止信号回路45は、停止ボタン16,17,18が押された時に、対応するリール3,4,5を停止させる信号を発生する。また、メダル検出部47はホッパ38から払い出されるメダル数を計数し、払出し完了信号発生回路46は、このメダル検出部47から入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が所定の配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を知らせる信号をCPU31へ出力する。 【0031】 ROM32には、このスロットマシン1で実行されるゲーム処理の手順がシーケンスプログラムとして記憶されている他、入賞確率テーブル,シンボルテーブルおよび入賞シンボル組合せテーブル等がそれぞれ区分されて格納されている。 【0032】 入賞確率テーブルは、サンプリング回路37で抽出された乱数を各入賞態様に区分けする乱数区分手段を構成しており、乱数発生器36で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。このような入賞確率テーブルは例えば図6に示すように構成される。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路37で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。 【0033】 これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がa未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がa以上b未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がb以上f未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、b以上c未満の場合には「スイカ」当選フラグが立ち、c以上d未満の場合には「ベル」当選フラグ、d以上e未満の場合には「4枚チェリー」当選フラグ、e以上f未満の場合には「2枚チェリー」当選フラグが立つ。また、抽出された乱数値がf以上g未満であれば「再遊技」当選フラグが立ち、g以上であれば入賞なしの「ハズレ」当選フラグが立つ。 【0034】 つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、「ハズレ」および「再遊技」を含めて合計8種類の当選フラグによって表される。ここで、乱数発生器36,サンプリング回路37,入賞確率テーブルおよびマイコン30は入賞態様決定手段を構成している。各種のヒットはこのような入賞確率テーブルのデータ設定に応じた確率の下で発生するため、遊技者の技量に極端に左右されることなく、例えば1日の営業時間内でのトータル的なメダル支払い率がほぼ一定に維持されている。 【0035】 また、シンボルテーブルは図7に概念的に示される。このシンボルテーブルは各リール3〜5の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルにはコードナンバに対応したシンボルコードが各リール3〜5毎に記憶されている。コードナンバは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として各リール3〜5の一定の回転ピッチ毎に順次付与されている。シンボルコードはそれぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示している。 【0036】 また、入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部22に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、特定ゲーム発生のフラグが成立していることを遊技者に示唆する「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール3,第2リール4、第3リール5の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。 【0037】 次に、本実施形態においてマイコン30で制御される遊技機の動作について説明する。 【0038】 図8および図9はこの遊技処理の概略を示すフローチャートである。 【0039】 まず、CPU31により、メダルBETがなされたかどうかが判別される(図8,ステップ101参照)。この判別は、メダル投入口9にメダルが投入され、メダルセンサ9Sからの検出信号入力があった場合、あるいはBETスイッチ10,11,12からの信号入力があった場合に“YES”となる。その場合、次にスタートレバー15の操作によりスタートスイッチ15Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ102)。 【0040】 この判別が“YES”の場合、前述した入賞態様決定手段によって入賞判定(確率抽選処理)が行われる(ステップ103)。入賞判定が行われるタイミングは、図10(e)のタイミングチャートに示され、同図(d)に示すスタートレバー15の操作時に行われる。前述したように入賞判定は、乱数発生器36で発生し、サンプリング回路37によって特定された1つの乱数値が、入賞確率テーブルにおいてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。 【0041】 入賞態様決定手段で決定された入賞態様は当選フラグの種類によって表される。当選フラグの種類には「ハズレ」,「2枚チェリー」,「4枚チェリー」,「ベル」,「スイカ」,「再遊技」,「RB」および「BB」の8種類がある。これら当選フラグのうち、「2枚チェリー」,「4枚チェリー」,「ベル」および「スイカ」の各フラグは、内部抽選の結果小当たり入賞に当選した場合に立つ。また、「RB」フラグは内部抽選の結果中当たり入賞に当選した場合、「BB」フラグは内部抽選の結果大当たり入賞に当選した場合に立つ。 【0042】 小当たり入賞当選フラグはその回の遊技においてだけ有効であり、新たなメダル投入によって行われる次回の遊技には持ち越されない。つまり、小当たり入賞態様は、入賞態様決定手段によって小当たり当選フラグがセットされたその遊技において完結する。これに対してRB当選フラグやBB当選フラグは数回の遊技にわたって持ち越される。つまり、中当たり入賞や大当たり入賞といったボーナス入賞態様は、入賞態様決定手段によってRB当選フラグやBB当選フラグが一旦セットされると、通常、RB入賞やBB入賞が発生するまでその遊技状態(RB内部当たり中やBB内部当たり中)が続く。そして、RB入賞が発生すると遊技状態はRB作動中になって後述するRBゲームが行われ、BB入賞が発生すると遊技状態はBB作動中になって後述するBBゲームが行われる。 【0043】 次に、この入賞判定の結果、小当たり入賞当選フラグが立ったか否かが判断される(ステップ104)。小当たり入賞当選フラグが立っている場合には、次に、小当たり当選報知音出力処理(ステップ105)が行われる。また、小当たり入賞当選フラグが立っていない場合には、処理は後述するステップ106に移る。ステップ105の報知音出力処理では、スピーカ駆動回路43がCPU31によって制御され、スピーカ39から小当たり入賞当選フラグの種類に応じた報知音A〜Dが出力させられる。 【0044】 つまり、小当たり入賞当選フラグが「2枚チェリー」の場合にはスピーカ39から報知音Aが出力され、「4枚チェリー」,「ベル」および「スイカ」の場合にはそれぞれ報知音B,CおよびDがスピーカ39から出力される。これら報知音は機器前面下方の透音孔19を通って遊技者に伝えられる。ここで、スピーカ駆動回路43,スピーカ39およびマイコン30は小当たり入賞当選を報知する報知手段を構成している。小当たり当選報知音A〜Dが出力されるタイミングは図10(a)に示され、同図(e)に示す抽選タイミング直後から時間t1の間出力される。 【0045】 次に、リール3,4,5の回転処理が行われ(ステップ106)、引き続いてリール3,4,5の停止制御が行われる(ステップ107)。このリール停止制御は入賞判定の結果セットされた当選フラグの種類に応じて行われる。つまり、当選フラグが「ハズレ」の場合には、CPU31によってモータ駆動回路40が制御され、いずれの有効化入賞ライン上にも入賞シンボル組合せが揃わないように各リール3〜5が停止制御される。 【0046】 また、当選フラグが「2枚チェリー」の場合には、CPU31によってモータ駆動回路40が制御され、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「チェリー」の組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。また、当選フラグが「4枚チェリー」の場合には、2本の有効化入賞ライン上にシンボル「チェリー」の組合せがそれぞれ揃うように各リール3〜5が停止制御される。また、当選フラグが「ベル」,「スイカ」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「ベル」,「スイカ」の組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。 【0047】 また、当選フラグが「RB」,「BB」の場合には、いずれかの有効化入賞ライン上にシンボル「7」または所定のキャラクタ・シンボルの組合せが揃うように各リール3〜5が停止制御される。 【0048】 しかし、これら停止制御は機械によって全て行われるのではなく、遊技者による各停止ボタン16〜18の操作タイミングも問われる。つまり、内部抽選の結果入賞当選フラグが立っていても、遊技者によって停止ボタン16〜18が所定タイミングに操作されないと、有効化入賞ライン上に入賞シンボル組合せは揃わず、入賞は発生しない。 【0049】 このため、次に、リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ステップ108)。入賞が得られなかったときには“NO”となって処理は初めのステップ101に戻る。また、入賞判定の結果リプレイゲーム(再遊技)であるときは、処理はステップ102のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ109)。リプレイゲームでない入賞のときには、CPU31によってホッパ駆動回路41が制御され、所定枚数のメダルがホッパ38によってコイン受け皿20へ払い出される(図9,ステップ110)。 【0050】 例えば、「2枚チェリー」の小当たり入賞の場合には2枚のメダルが払い出され、「4枚チェリー」の小当たり入賞の場合には4枚のメダルが払い出される。また、「ベル」の小当たり入賞の場合には6枚のメダル、「スイカ」の小当たり入賞の場合には8枚のメダルが払い出される。また、「BB」,「RB」の大当たり入賞の場合にはそれぞれ15枚のメダルが払い出される。 【0051】 次に、BBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ111)、BBゲームが発生している場合にはBBゲームが実行される(ステップ112)。このBBゲームでは一般遊技およびボーナスゲームのセットを複数回行うことが出来る。BBゲーム中の一般遊技では小当たり入賞が高確率で発生する。また、ボーナスゲームは複数回の高配当ゲームが一組となったゲームである。BBゲーム中のこの一般遊技においても、内部抽選によって小当たり入賞の当選フラグが立った場合には、その入賞態様に応じた報知音が上述したようにスピーカ39から出力される。 【0052】 BBゲームが発生していない場合には、次にRBゲームが発生したか否かが判断され(ステップ113)、RBゲームが発生している場合にはRBゲームが実行される(ステップ114)。このRBゲームでは上記のボーナスゲームが1回行える。従って、小当たり入賞では上記のように僅かなメダルしか獲得することが出来ないが、RBゲームやBBゲームではこのように多数回の遊技が行えるため、通常、大量のメダルを獲得することが可能である。 【0053】 その後、上述した処理が繰り返されてスロットマシン遊技が行われる。この際、スタートレバー15は時間t2例えば4.1秒の間隔をおいて操作する必要がある。例えば、図10(d)に示すように前回のスタートレバー操作から時間t2以内に次のレバー操作をすると、リール回転不可音が同図(b)に示すタイミングでスピーカ39から出力される。ここで同図(c)は前回の遊技において最後に停止するリールの回転状態を示しており、このリールは前回遊技の回転開始時から時間t2経過後に回転し出す。このような場合には、次の遊技の小当たり入賞当選報知音も時間t2経過後から出力される。 【0054】 このような本実施形態によれば、遊技者は、スピーカ39から出力される報知音A〜Dを聞くことにより、内部抽選によって小当たり入賞が発生したことを、各停止ボタン16〜18の操作をする前に予め知ることが出来る。従って、停止ボタン16〜18の操作は、配当表示部22に示されている小当たり入賞図柄を停止表示させるように狙って行うことが出来る。もしも、この小当たり入賞当選報知が行われない場合、遊技者は各リール3〜5にどの図柄を停止表示させたらよいか分からないが、本実施形態によれば停止表示させる図柄の種類を絞り込むことが出来、停止ボタン操作は容易になる。 【0055】 さらに本実施形態では、小当たり入賞当選報知手段は、小当たり入賞の態様と1対1に対応した複数の音A〜Dを発生させ、小当たり入賞の種類をも遊技者に報知する構成になっている。このため、小当たり入賞の中のどの小当たり入賞が当選したかを予め知ることが出来、停止ボタン16〜18の操作は最初からその入賞図柄だけを停止表示させるように狙って行える。従って、停止ボタン操作はより容易に行える。 【0056】 また、小当たり入賞当選フラグが立つと報知音A〜Dが鳴るため、遊技者はその音を楽しむことも出来るようになる。例えば、報知音Aを「パオー」といった象の叫び声,報知音Bを「ガオー」といった虎の叫び声というように、各報知音を動物の叫び声などにしたりすることにより、報知音の面白味も増し、スロットマシン遊技の興趣は向上する。 【0057】 なお、上記実施形態では、内部抽選当選報知音を小当たり入賞の各種類に1対1に対応させて複数種類出力させる構成としたが、必ずしも1対1に対応させる必要はない。例えば、報知音をA,Bの2種類とし、入賞態様決定手段で小当たり入賞が決定された場合に報知音Aをスピーカ39から出力し、大当たり入賞が決定された場合に報知音Bをスピーカ39から出力する構成としてもよい。この場合には、報知音A,Bの違いから小当たり入賞の当選フラグが立ったことを知ることが出来る。ただし、小当たり入賞の種類については知ることが出来ない。 【0058】 本構成によっても、内部抽選によって小当たり入賞当選フラグが立ったことを予め知ることが出来、各リール3〜5に停止表示させる図柄の種類を絞り込むことが出来る。従って、停止ボタン操作は容易になり、また、報知音を楽しむことも出来る。 【0059】 次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第2の実施形態について説明する。 【0060】 本実施形態によるスロットマシンの構成は上記の第1の実施形態によるスロットマシンの構成と次の各点が相違しており、これら以外の構成は上記実施形態によるスロットマシンと同じである。 【0061】 つまり、上記実施形態によるスロットマシンでは確率抽選処理(図8,ステップ103)で小当たり入賞が抽選されると、この小当たり入賞が報知手段によって必ず遊技者に報知された。しかし、本実施形態によるスロットマシンでは、確率抽選処理で小当たり入賞が抽選されても、必ずしもこの小当たり入賞が報知されるとは限らない。また、入賞態様決定手段で小当たり入賞以外の入賞態様が決定されても、小当たり入賞が予兆報知される場合がある。また、上記実施形態ではスピーカ39によって報知手段が構成されていたが、本実施形態では各リール3〜5の各バックランプ57a〜57cによって報知手段が構成されている。 【0062】 以下にこの本実施形態によるスロットマシンについて詳述する。 【0063】 本実施形態によるスロットマシンでは、ROM32に入賞態様報知選択抽選確率テーブルが記憶されている。この報知選択抽選確率テーブルは入賞態様決定手段で決定された入賞態様を所定確率で遊技者に報知する際に参照される。 【0064】 図11に例示する報知選択抽選確率テーブルは、図6に示す入賞確率テーブルにおける3枚賭けの確率テーブルに対応して示されている。つまり、この報知選択抽選確率テーブルの上段には、図6に示す3枚賭け時のヒット区画データである数値データa3〜g3の各値が示されている。また、下段には3枚賭け一般遊技時の報知区画データの各値が示されている。ここで、乱数発生器36は0〜65535(=216)の範囲の乱数を発生するものとしている。 【0065】 同テーブルによれば、入賞判定時に0〜200の範囲にある乱数がサンプリング回路37によって抽出されれば、内部抽選結果は大当たり入賞となって「BB」当選フラグが立ち、201〜380の範囲にある乱数がサンプリング回路37によって抽出されれば、内部抽選結果は中当たり入賞となって「RB」当選フラグが立つ。同様に、381〜10000の範囲にある乱数が抽出されれば、各役の小当たり入賞当選フラグが立ち、10001〜18000の範囲にある乱数が抽出されれば、「再遊技」当選フラグが立ち、18001〜65535の範囲にある乱数が抽出されれば、「ハズレ」当選フラグが立つ。 【0066】 また、入賞判定時にサンプリング回路37によって381〜770または20381〜20800の範囲にある乱数が抽出されていれば、「スイカ」当選フラグの予兆報知が行われる。つまり、381〜770の範囲にある乱数が抽出されて「スイカ」当選フラグが立った場合には、「スイカ」当選フラグの入賞態様報知が行われる。また、20381〜20800の範囲にある乱数が抽出されて「ハズレ」当選フラグが立っている場合にも、この「スイカ」当選フラグの入賞態様報知が行われる。一方、771〜800の範囲にある乱数が抽出されて「スイカ」当選フラグが立っていても、この範囲の乱数は「スイカ」当選フラグ報知区画データの範囲外であるため、「スイカ」当選フラグの入賞態様報知は行われない。 【0067】 すなわち、「スイカ」当選フラグの入賞態様報知が行われても、必ずしも内部抽選によって「スイカ」当選フラグが立っているとは限らず、また、「スイカ」当選フラグの入賞態様報知が行われていなくても、内部抽選によって「スイカ」当選フラグが立っていないとは限らない。「スイカ」当選フラグの入賞態様報知は所定の信頼度の下で行われており、図11に示すテーブルの場合には、「スイカ」当選フラグが立っている場合にこの入賞態様報知が行われる確率は390/810で約48%{(381〜770の390)/(381〜770の390と20381〜20800の420との和)}になっている。また、「スイカ」当選フラグが立っていない場合にこの入賞態様報知が行われる確率は420/810で約52%になっている。この結果、入賞態様報知は約52%の確率ではずれることになる。 【0068】 このような入賞態様報知は小当たり入賞の他の各当選フラグや、大当たり,中当たり入賞の「BB」,「RB」当選フラグや、「再遊技」当選フラグについても同様に行われる。ただし、入賞態様報知の信頼度は全ての役において一率である必要はなく、メダル投入枚数や遊技状態によって異ならせてもよい。例えば、図11に示すテーブルでは、「ベル」当選フラグの報知が当たっている確率は1000/1100で約91%であり、この報知がはずれている確率は100/1100で約9%である。 【0069】 次に、本実施形態による遊技処理について図12に示すフローチャートおよび図13に示すタイミングチャートを参照して説明する。 【0070】 同フローチャートのステップ121〜123は第1の実施形態の図8に示すフローチャートの101〜103と同じであり、まず、CPU31によってメダルBETの有無が判別される(ステップ121)。メダルBETが有った場合には次にスタートレバー15の操作が有ったか否かが判別され(ステップ122)、この操作が有った場合には、前述した確率抽選処理(ステップ123)によって入賞態様が決定される。次に、リール3,4,5の回転処理が行われる(ステップ124)。 【0071】 スタートレバー15の操作が図13(h)に示すタイミングで行われると、各リール3〜5は同図(a),(b),(c)に示すようにスタートレバー15の操作に応じて一斉に回転し出す。また、ステップ123の確率抽選処理は同図(i)に示すタイミングで行われ、スタートレバー15の操作時に行われる。 【0072】 次に、この確率抽選処理に引き続き、入賞態様の報知選択抽選処理が行われる(ステップ125)。この報知選択抽選タイミングは図13(j)に示すタイミングで行われ、スタートレバー15の操作直後に行われる。上述したように入賞態様の報知選択抽選処理は、図11に例示する報知選択抽選確率テーブルを用いて行われ、入賞判定時にサンプリング回路37によって特定された1つの乱数値が、この確率テーブルの報知区画データのどの区画に属する値になっているか判断されることによって行われる。この報知選択抽選結果もRAM33の所定領域に書き込まれ、入賞態様が予兆として報知される場合にはステップ125で報知フラグがセットされる。セットされるこの報知フラグは、報知する入賞態様の種類をも表すものとする。 【0073】 次に、この報知選択抽選処理によって小当たり入賞報知フラグが立ったか否か、つまり、サンプリングされた乱数値が小当たり入賞報知区画データに属する値か否かが判断される(ステップ126)。サンプリングされた乱数値が小当たり入賞報知区画データに属し、小当たり入賞報知フラグが立っている場合には、次に、リールランプ点灯制御処理(ステップ127)が行われる。また、小当たり入賞報知フラグが立っていない場合には、処理はステップ128に移る。 【0074】 前述した第1の実施形態では、小当たり入賞予兆報知の際に参照されるフラグは小当たり入賞当選フラグであったが、本実施形態では予兆報知の際に小当たり入賞報知フラグが参照される。従って、上述したように、小当たり入賞は所定の信頼度の下で報知され、その報知が当たっている場合もあり、外れている場合もある。さらに、入賞態様決定手段でハズレ入賞態様が決定された場合にも、小当たり入賞予兆報知が行われる場合がある。 【0075】 ステップ127のリールランプ点灯制御処理では、ランプ駆動回路48がCPU31によって制御され、第1リール3の各バックランプ57a〜57cが小当たり入賞報知フラグの種類に応じて点灯制御される。ここで、ランプ駆動回路48,各バックランプ57a〜57cおよびマイコン30は小当たり入賞を予兆報知する報知手段を構成している。また、各リール3〜5に内蔵された各バックランプ57a〜57cはメダル投入時に一斉に点灯している。 【0076】 例えば、「2枚チェリー」小当たり入賞予兆報知フラグがセットされている場合には、図13(j)に示す報知選択抽選タイミングに対応した同図(g)に示すタイミングで、第1リール3の上段のバックランプ57aだけが図14(a)に示すように消灯される。この際、第1リール3並びに第2リール4および第3リール5は回転し続けている。また、「4枚チェリー」小当たり入賞予兆報知フラグがセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに応じた同様なタイミングで、第1リール3の中断のバックランプ57bだけが同図(b)に示すように消灯される。また、「ベル」小当たり入賞予兆報知フラグがセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに応じたタイミングで、第1リール3の下段のバックランプ57cだけが同図(c)に示すように消灯される。また、「スイカ」小当たり入賞予兆報知フラグがセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに応じたタイミングで、第1リール3の全てのバックランプ57a〜57cが同図(d)に示すように消灯される。 【0077】 その後、リール3,4,5の停止制御が行われる(ステップ128)。このリール停止は、例えば図13(d),(e),(f)に示すタイミングで行われ、第1リール停止ボタン16,第2リール停止ボタン17,第3リール停止ボタン18の各ボタン操作後に行われる。なお、ここでは便宜上、第1リール停止ボタン16,第2リール停止ボタン17,第3リール停止ボタン18がこの順番に操作され、各リール3〜5が第1リール3,第2リール4,第3リールの順番で停止する場合について説明している。しかし、各リール3〜5の停止順序はこれに限定されるものではなく、例えば、第1リール停止ボタン16,第3リール停止ボタン18,第2リール停止ボタン17のように、ランダムな操作順序により停止するようにしてもよい。 【0078】 次に、リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ステップ129)。入賞が得られなかったときには処理は初めのステップ121に戻り、また、入賞判定の結果リプレイゲームであるときは、処理はステップ122のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ130)。 【0079】 その後の処理は、第1の実施形態で説明した図9に示すフローチャートのステップ110〜114に従って同様に行われる。 【0080】 このような本実施形態によれば、遊技者は、スタートレバー15の操作時に通常点灯している各リール3〜5のバックランプ57a〜57cのうち、第1リール3のバックランプ57a〜57cが消灯するのを視認することにより、小当たり入賞の予兆報知が行われたことを知ることが出来る。従って、各停止ボタン16〜18の操作をする前に小当たり入賞が予兆報知されるため、停止ボタン16〜18の操作は、配当表示部22に示されている小当たり入賞図柄を停止表示させるように狙って行うことが出来る。 【0081】 さらに本実施形態では、報知手段は、小当たり入賞の態様と1対1に対応した4つの態様で第1リール3の各バックランプ57a〜57cを点灯制御し、小当たり入賞の種類をも遊技者に予兆報知する構成になっている。このため、小当たり入賞の中のどの小当たり入賞が当選した確率が高いかを遊技者は予め知ることが出来、停止ボタン16〜18の操作は最初からその入賞図柄だけを停止表示させるように狙って行える。また、各バックランプ57a〜57cが種々の態様で点灯するため、遊技者はこの表示態様を楽しむことも出来る。 【0082】 また、小当たり入賞態様の報知は、全ての内部抽選結果に対して行われるのではなく、報知選択抽選確率テーブル(図11参照)に示すような所定確率で行われる。また、入賞態様決定手段で決定された入賞態様と異なる入賞態様が所定確率で報知される場合もある。従って、小当たり入賞態様は遊技者に報知される場合もあり、報知されない場合もある。よって、遊技者によって小当たり入賞態様の報知が期待されるようになり、報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣は向上する。 【0083】 なお、上記実施形態の説明においては、第1リール3の各バックランプ57a〜57cを個別に点灯制御して小当たり入賞態様の種類を報知する構成としたが、各リール3〜5毎に各バックランプ57a〜57cを同時に点灯制御して小当たり入賞態様の種類を報知する構成としてもよい。例えば、「2枚チェリー」小当たり入賞予兆報知の場合には第1リール3の各バックランプ57a〜57cを3個同時に消灯させ、「4枚チェリー」小当たり入賞予兆報知の場合には第2リール4の各バックランプ57a〜57cを3個同時に消灯させる。また、「ベル」小当たり入賞予兆報知の場合には第3リール5の各バックランプ57a〜57cを3個同時に消灯させ、「スイカ」小当たり入賞予兆報知の場合には各リール3〜5の全バックランプ57a〜57cを同時に消灯させる。 【0084】 また、上記実施形態の説明においては、報知手段は、入賞態様決定手段で「ハズレ」入賞態様が決定されたときにも小当たり入賞態様の予兆報知をする構成について説明したが、小当たり入賞以外の入賞態様が決定されたときには小当たり入賞態様の予兆報知をせず、小当たり入賞態様が決定されたときにだけこれを所定確率で予兆報知する構成としてもよい。 【0085】 また、前述した第1の実施形態では、小当たり入賞態様およびその種類を、スピーカ39から出力される複数の音によって報知する構成として説明したが、上記の第2実施形態と同様に、各バックランプ57a〜57cを複数の態様で点灯制御して報知する構成とすることも可能である。また、前述した第1の実施形態では小当たり入賞当選フラグが立つと必ず複数の音で予兆報知する構成について説明したが、第2の実施形態で説明したような報知選択抽選確率テーブル(図11参照)を使用して、所定確率で小当たり入賞の予兆報知をする構成としてもよい。 【0086】 次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した第3の実施形態について説明する。 【0087】 本実施形態によるスロットマシンの構成は上述した第2の実施形態によるスロットマシンの構成と次の各点が相違しており、これら以外の構成は上述した第2の実施形態によるスロットマシンと同じである。つまり、この第3の実施形態によるスロットマシンは、第2の実施形態と比較し、報知選択抽選処理(図12,ステップ125)およびリールランプ点灯制御処理(ステップ127)の各内容が異なっている。これに伴い、制御回路のROM32に記憶されているテーブルも異なっている。 【0088】 第2の実施形態によるスロットマシンでは、報知選択抽選処理は、報知選択確率抽選テーブル(図11参照)が参照されて報知する入賞態様が選択され、この入賞態様に応じた報知情報が選択されて予兆報知が行われた。しかし、この第3の実施形態によるスロットマシンの報知選択抽選処理は、後述するように、デモ抽選テーブル選択テーブルが参照され、遊技状態および入賞態様に応じてデモ抽選テーブルが選択される。さらに、選択されたデモ抽選テーブルが参照され、抽選乱数に応じて報知情報が選択されて予兆報知が行われる。 【0089】 また、第2の実施形態によるスロットマシンでは、リールランプ点灯制御処理は、第1リール3の各バックランプ57a〜57cが個別に点灯制御されて行われた。しかし、この第3の実施形態によるスロットマシンでは、後述するように、各リール3〜5毎に各バックランプ57a〜57cが同時に点灯制御されて行われる。 【0090】 以下にこの第3の実施形態によるスロットマシンについて詳述する。 【0091】 本実施形態によるスロットマシンでは、図15に示すデモ抽選テーブル選択テーブルおよび図16〜図18に示すデモ抽選テーブルがROM32に記憶されている。デモ抽選テーブル選択テーブルおよびデモ抽選テーブルは、入賞態様決定手段で決定された入賞態様に応じて報知手段が点灯制御するリールバックランプ消灯パターンの種類を選択する報知態様選択手段を構成している。 【0092】 デモ抽選テーブル選択テーブルは、遊技状態および当選フラグからNo.0〜No.17のデモ抽選テーブルを選択するためのものである。遊技状態は図19(a)に示す遊技状態ステータス(GMLVSTS)格納領域を参照することによって判明する。このGMLVSTS格納領域はRAM33中に1バイトのデータとして記憶されている。ビット0〜4には遊技状態が記憶されており、データが1にセットされてオンになっている遊技状態がその時の遊技状態である。遊技状態の種類にはGMLVSTSに示されるように「RB作動中」,「BB作動中」,「一般遊技中」,「RB内部当たり中」および「BB内部当たり中」の5種類がある。 【0093】 当選フラグは図19(b)に示すフラグカウンタ(FLGCTR)格納領域を参照することによって判明する。このFLGCTR格納領域もRAM33中に1バイトのデータとして記憶されている。16進数の00〜07の1バイトデータにより、その時の当選フラグが示されている。 【0094】 例えば、GMLVSTSのビット2のデータが1(04H)にセットされ、FLGCTRのデータが02Hであれば、遊技状態は一般遊技中で当選フラグは4枚チェリーになる。従って、その時のデモ抽選テーブルは、デモ抽選テーブル選択テーブルからNo.2のデモ抽選テーブルになる。このNo.2のデモ抽選テーブルは図16に示され、同テーブルに示される抽選値を使った後述する抽選により、リールランプ消灯パターンの種類が選択される。例えば、No.2のデモ抽選テーブルで抽選値49の欄の組合せが選択されると、リールランプ消灯パターンはパターン2になる。 【0095】 また、遊技状態ステータスが一般遊技中でフラグカウンタが4枚チェリーの上記の場合において、No.2のデモ抽選テーブルで最下欄の抽選値30の欄の組合せが選択されると、リールランプ消灯パターンはパターン3になる。また、GMLVSTSのビット2のデータが1にセットされ、FLGCTRのデータが04Hであれば、遊技状態は一般遊技中で当選フラグはスイカになる。この時のデモ抽選テーブルは、デモ抽選テーブル選択テーブルからNo.4のデモ抽選テーブルになる。 【0096】 このNo.4のデモ抽選テーブルも図16に示され、同テーブルから抽選値14の欄が抽選によって選択されると、この時の演出態様組合せも、リールランプ消灯パターンはパターン3になる。つまり、異なる当選フラグが成立するゲームにおいても、予兆報知パターン決定用乱数の値によっては、同一の予兆報知パターンが出現する可能性がある。 【0097】 このようにして当選フラグの種類は、その時の遊技状態によって定まるリールランプ消灯パターンの種類によって遊技者に報知されるが、その信頼度は一様ではない。例えば、一般遊技中における4枚チェリーフラグ当選の予兆報知が上記のように行われたとしても、その時に必ずしも4枚チェリーフラグが当選しているとは限らない。つまり、一般遊技中に4枚チェリーフラグが当選している際にその予兆報知が行われる確率はX(=0〜100)%であり、また、一般遊技中に4枚チェリーフラグが当選していないのにその予兆報知が行われる確率は(100-X)%である。 【0098】 また、第2の実施形態と同様に本実施形態においても、ランプ駆動回路48、バックランプ57a〜57cおよびマイコン30は、各リール3〜5の表示を演出して入賞態様を所定確率で遊技者に報知する報知手段を構成している。この報知手段によって演出される表示態様には5種類ある。 【0099】 第1の表示態様は「リールランプ消灯パターンなし」の表示態様であり、報知手段は、スタートレバー15の操作直後に各リール3〜5の各バックランプ57a〜57cを消灯せずに点灯したままの状態にする。第2の表示態様は図20(a)に示す「リールランプ消灯パターン1」の表示態様であり、スタートレバー15の操作直後に第1リール3の各バックランプ57a〜57cが消灯する。第3の表示態様は同図(b)に示す「リールランプ消灯パターン2」の表示態様であり、スタートレバー15の操作直後に第2リール4の各バックランプ57a〜57cが消灯する。第4の表示態様は同図(c)に示す「リールランプ消灯パターン3」の表示態様であり、スタートレバー15の操作直後に第3リール5の各バックランプ57a〜57cが消灯する。第5の表示態様は同図(d)に示す「リールランプ消灯パターン4」の表示態様であり、スタートレバー15の操作直後に全リール3〜5の各バックランプ57a〜57cが消灯する。 【0100】 なお、各リール3〜5に内蔵された各バックランプ57a〜57cはメダル投入時に一斉に点灯している。 【0101】 「リールランプ消灯パターンなし」の表示態様は、デモ抽選テーブル選択テーブルでフラグカウンタが「はずれ」になり、デモ抽選テーブルNo.17が選択される場合や、フラグカウンタが「リプレイ」になり、デモ抽選テーブルNo.0が選択される場合に高い確率で現れる。また、「リールランプ消灯パターン1」の表示態様は、「2枚チェリー」小当たり入賞に対応しており、デモ抽選テーブル選択テーブルでフラグカウンタが「2枚チェリー」になり、デモ抽選テーブルNo.1,No.5,No.9,No.13が選択される場合に高い確率で現れる。また、「リールランプ消灯パターン2」の表示態様は、「4枚チェリー」小当たり入賞に対応しており、デモ抽選テーブル選択テーブルでフラグカウンタが「4枚チェリー」になり、デモ抽選テーブルNo.2,No.6,No.10,No.14が選択される場合に高い確率で現れる。 【0102】 また、「リールランプ消灯パターン3」の表示態様は、「ベル」小当たり入賞に対応しており、デモ抽選テーブル選択テーブルでフラグカウンタが「ベル」になり、デモ抽選テーブルNo.3,No.7,No.11,No.15が選択される場合に高い確率で現れる。また、「リールランプ消灯パターン4」の表示態様は、「スイカ」小当たり入賞に対応しており、デモ抽選テーブル選択テーブルでフラグカウンタが「スイカ」になり、デモ抽選テーブルNo.4,No.8,No.12,No.16が選択される場合に高い確率で現れる。 【0103】 本実施形態による遊技処理も、上述した第2の実施形態で用いられた図12に示すフローチャートおよびこれに続く図9に示すフローチャートと同様に表される。次に、これらフローチャートおよび図13に示すタイミングチャートを参照して本実施形態による遊技処理について説明する。 【0104】 本実施形態においても、まず、CPU31によってメダルBETの有無が判別される(図12,ステップ121)。メダルBETが有った場合には次にスタートレバー15の操作が有ったか否かが判別され(ステップ122)、この操作が有った場合には、前述した確率抽選処理(ステップ123)によって入賞態様が決定される。次に、リール3,4,5の回転処理が行われる(ステップ124)。 【0105】 次に、入賞態様の報知選択抽選処理が行われる(ステップ125)。この報知選択抽選タイミングは前述したように図13(j)に示すタイミングで行われ、スタートレバー15の操作直後に行われる。この報知選択抽選処理は、図21に示すフローチャートに従って行われる。 【0106】 まず、RAM33に格納されたGMLVSTS領域(図19(a)参照)が参照され、その時の遊技状態が把握される(図21、ステップ201)。次に、FLGCTR領域に格納されたデータが参照され、当選フラグの種類が把握される(ステップ202)。次に、その時の遊技状態および当選したフラグの種類から、デモ抽選テーブル選択テーブル(図15参照)を参照してNo.0〜No.17のうちのいずれか1つのデモ抽選テーブルが選択される(ステップ203)。次に、RAM33を一定時間間隔でリフレッシュするためのカウンタから任意のタイミングでカウント値Cが抽出される(ステップ204)。 【0107】 このカウント値Cは0〜127の範囲で変化しており、抽出されたこのカウント値Cを用いて報知態様選択のための乱数抽選が行われる。つまり、このカウント値Cから、ステップ203で選択されたデモ抽選テーブルにおける最上段の抽選値Rが減算され、減算結果A(=C-R)の正負が判断される(ステップ205)。減算結果Aが負にならない場合には、次にテーブルの次段の抽選値が抽選値Rにセットされ(ステップ206)、その後A-Rの減算が行われてその結果A(=A-R)の正負が判断される(ステップ207)。この演算は減算結果Aが負になるまで行われ、負になった場合にはその抽選値Rの欄のリールランプ消灯パターンが予兆報知される演出態様に選択される(ステップ208)。 【0108】 例えば、一般遊技中に4枚チェリーフラグが当選した場合には上述したようにNo.2のデモ抽選テーブルが選択されるが、この際の表示態様の選択抽選処理は次のように行われる。まず、ステップ204でリフレッシュ・カウンタ値Cとして15が抽出されたとすると、ステップ205のC-Rの減算は、抽選値Rに最上段の抽選値3がまずセットされ、減算結果A=15-3=12になる。この減算結果Aは正であるため、次にテーブルの次段の抽選値10が抽選値Rにセットされ、減算結果A=12-10=2の正負が判断される。この減算結果Aも正であるため、次にテーブルの次段の抽選値5が抽選値Rにセットされ、減算結果A=2-5=-3の正負が判断される。この減算結果Aは負であるため、抽選値5の欄のリールランプ消灯パターン1が予兆報知態様に選択される。 【0109】 この報知選択抽選結果はRAM33の所定領域に書き込まれ、ステップ125で報知フラグがセットされる。ここで、予兆報知態様として「リールランプ消灯パターンなし」が選択された場合には、報知フラグはセットされない。また、予兆報知態様として「リールランプ消灯パターン1」が選択された場合には、「2枚チェリー」小当たり入賞報知フラグがセットされ、予兆報知態様として「リールランプ消灯パターン2」が選択された場合には、「4枚チェリー」小当たり入賞報知フラグがセットされる。また、予兆報知態様として「リールランプ消灯パターン3」が選択された場合には、「ベル」小当たり入賞報知フラグがセットされ、予兆報知態様として「リールランプ消灯パターン4」が選択された場合には、「スイカ」小当たり入賞報知フラグがセットされる。 【0110】 次に、この報知選択抽選処理によって小当たり入賞報知フラグが立ったか否かが判断される(図12,ステップ126)。この小当たり入賞報知フラグが立っている場合には、次に、リールランプ点灯制御処理(ステップ127)が行われる。また、小当たり入賞報知フラグが立っていない場合には、処理はステップ128に移る。 【0111】 ステップ127のリールランプ点灯制御処理では、ランプ駆動回路48がCPU31によって制御され、各リール3〜5の各バックランプ57a〜57cが入賞報知フラグの種類に応じて点灯制御される。 【0112】 例えば、予兆報知フラグが「2枚チェリー」小当たり入賞としてセットされている場合には、図13(j)に示す報知選択抽選タイミングに対応した同図(g)に示すタイミングで、第1リール3の各バックランプ57a〜57cが図20(a)に示すように消灯される。この際、第1リール3並びに第2リール4および第3リール5は回転し続けている。上述したようにこの表示態様は「リールランプ消灯パターン1」に対応しており、「2枚チェリー」小当たり時に高い確率で現れる。また、予兆報知フラグが「4枚チェリー」小当たり入賞としてセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに対応した同様なタイミングで、第2リール4の各バックランプ57a〜57cが図20(b)に示すように消灯される。この表示態様は「リールランプ消灯パターン2」に対応しており、「4枚チェリー」小当たり時に高い確率で現れる。 【0113】 また、予兆報知フラグが「ベル」小当たり入賞としてセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに対応した同様なタイミングで、第3リール5の各バックランプ57a〜57cが図20(c)に示すように消灯される。この表示態様は「リールランプ消灯パターン3」に対応しており、「ベル」小当たり時に高い確率で現れる。また、予兆報知フラグが「スイカ」小当たり入賞としてセットされている場合には、報知選択抽選タイミングに対応した同様なタイミングで、全リール3〜5の各バックランプ57a〜57cが図20(d)に示すように消灯される。この表示態様は「リールランプ消灯パターン4」に対応しており、「スイカ」小当たり時に高い確率で現れる。 【0114】 その後、リール3,4,5の停止制御が行われる(図12,ステップ128)。このリール停止は、例えば図13(d),(e),(f)に示すタイミングで行われ、第1リール停止ボタン16,第2リール停止ボタン17,第3リール停止ボタン18の各ボタン操作後に行われる。 【0115】 次に、リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ステップ129)。入賞が得られなかったときには処理は初めのステップ121に戻り、また、入賞判定の結果リプレイゲームであるときは、処理はステップ122のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ステップ130)。 【0116】 その後の処理は、第1の実施形態で説明した図9に示すフローチャートのステップ110〜114に従って同様に行われる。 【0117】 このような本実施形態によっても、遊技者は、スタートレバー15の操作時に通常点灯している各リール3〜5のバックランプ57a〜57cが消灯するのを視認することにより、小当たり入賞の予兆報知が行われたことを知ることが出来る。従って、各停止ボタン16〜18の操作をする前に小当たり入賞が予兆報知されるため、停止ボタン16〜18の操作は、配当表示部22に示されている小当たり入賞図柄を停止表示させるように狙って行うことが出来る。 【0118】 さらに本実施形態でも、報知手段は、小当たり入賞の態様と1対1に対応した態様で各リール3〜5の各バックランプ57a〜57cを点灯制御し、小当たり入賞の種類をも遊技者に予兆報知する構成になっている。このため、小当たり入賞の中のどの小当たり入賞が当選した確率が高いかを遊技者は予め知ることが出来、停止ボタン16〜18の操作は最初からその入賞図柄だけを停止表示させるように狙って行える。また、各バックランプ57a〜57cが種々の態様で点灯するため、遊技者はこの表示態様を楽しむことも出来る。 【0119】 また、小当たり入賞態様の報知は、全ての内部抽選結果に対して行われるのではなく、デモ抽選テーブル(図16〜図18参照)を用いた乱数抽選による所定確率で行われる。また、入賞態様決定手段で決定された入賞態様と異なる入賞態様が所定確率で報知される場合もある。従って、小当たり入賞態様は遊技者に報知される場合もあり、報知されない場合もある。よって、遊技者によって小当たり入賞態様の報知が期待されるようになり、報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣は向上する。 【0120】 なお、上記実施形態においても、小当たり入賞以外の入賞態様が決定されたときには小当たり入賞態様の予兆報知をせず、小当たり入賞態様が決定されたときにだけこれを所定確率で予兆報知する構成としてもよい。 【0121】 このような各構成によっても上記の各実施形態と同様な効果が奏される。 【0122】 また、上記各実施形態においては本発明による遊技機をスロットマシンに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、パチンコ機といった弾球遊技機や、その他のアミューズメント機器に適用してもよい。 【0123】 本発明をパチンコ機に適用する場合、上記各実施形態のスロットマシンにおけるスタートレバー操作、入賞態様決定用乱数抽出、リール回転開始、といった遊技の流れは、パチンコ機においては、ある特定の入賞口へのパチンコ球の入賞、入賞態様決定用乱数抽出、パチンコ機に組み込まれたスロットマシン・リールの回転開始、といった遊技の流れに置き換えられる。また、上記各実施形態のスロットマシンで、リールの図柄がある特定の態様で停止表示されたときに行われたメダルの払い出しは、パチンコ機においては、アタッカやチューリップといった変動入賞装置を開放させ、多くの出球を遊技者に付与するというように、パチンコゲーム上での特典を与えることに置き換えられる。 【0124】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、内部抽選によって小当たり入賞が発生したことを、報知手段が発生する報知音や、報知手段が点灯制御するリールバックランプの点灯等によって予め知ることが出来るため、遊技者は停止ボタン操作を容易に行えるようになる。また、報知手段が小当たり入賞の種類をも遊技者に報知する構成とすれば、遊技者による停止ボタン操作はより容易に行えるようになる。また、遊技者は小当たり入賞の予兆報知が行われたときに報知音を聞いたりランプの表示態様を見て楽しむことも出来、遊技の興趣は増すようになる。また、この報知を所定確率で行う構成とすれば、報知があった場合にはその喜びも増し、遊技の興趣はさらに向上するようになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1,第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面図である。 【図2】 図1に示すスロットマシンの回転リールユニットを示す斜視図である。 【図3】 図2に示す回転リールユニットを構成する回転リールの構造を示す斜視図である。 【図4】 図1に示すスロットマシンの表示窓に記された入賞ラインが順次有効化される状態を示す図である。 【図5】 図1に示すスロットマシンの主要な制御回路構成を示すブロック図である。 【図6】 本発明の第1,第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられる入賞確率テーブルを示す図である。 【図7】 本発明の第1,第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられるシンボルテーブルを示す図である。 【図8】 本発明の第1の実施形態によるスロットマシンの遊技処理を示す第1のフローチャートである。 【図9】 本発明の第1,第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの遊技処理を示す第2のフローチャートである。 【図10】 本発明の第1の実施形態によるスロットマシンの遊技処理において報知音が出力されるタイミングを示すタイミングチャート図である。 【図11】 本発明の第2の実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられる入賞態様報知選択抽選確率テーブルを示す図である。 【図12】 本発明の第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの遊技処理を示す第1のフローチャートである。 【図13】 本発明の第2,第3の各実施形態によるスロットマシンの遊技処理における回路各部のタイミングを示すタイミングチャート図である。 【図14】 本発明の第2の実施形態によるスロットマシンの遊技処理において報知手段によって点灯制御されるリールバックランプの表示態様を示す図である。 【図15】 本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられるデモ抽選テーブル選択テーブルを示す図である。 【図16】 本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられる第1のデモ抽選テーブルを示す図である。 【図17】 本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられる第2のデモ抽選テーブルを示す図である。 【図18】 本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの遊技処理に用いられる第3のデモ抽選テーブルを示す図である。 【図19】 (a)は第3の実施形態によるスロットマシンのRAMに記憶された遊技状態ステータス(GMLVSTS)格納領域の内容、(b)は同RAMに記憶されたフラグカウンタ(FLGCTR)格納領域の内容を示す図である。 【図20】 本発明の第3の実施形態によるスロットマシンの遊技処理において報知手段によって点灯制御されるリールバックランプの表示態様を示す図である。 【図21】 本発明の第3の実施形態における報知選択抽選処理の内容を示すフローチャートである。 【図22】 従来のスロットマシンにおけるリールバックランプの点灯状態を示す図である。 【符号の説明】 1…スロットマシン 2…前面パネル 3,4,5…第1,第2,第3リール 6,7,8…窓 9…メダル投入口 10,11,12…BETスイッチ 13…クレジット数表示部 14…クレジット/精算切換スイッチ 15…スタートレバー 16,17,18…停止ボタン 19…透音孔 20…メダル受皿 21…メダル払出口 22…配当表示部 23…有効化ライン表示ランプ 24…液晶表示部 L1,L2A,L2B,L3A,L3B…入賞ライン 57a,57b,57c…バックランプ |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-10-16 |
出願番号 | 特願2000-109295(P2000-109295) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A63F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 土屋 保光 |
特許庁審判長 |
村山 隆 |
特許庁審判官 |
渡部 葉子 瀬津 太朗 |
登録日 | 2001-09-14 |
登録番号 | 特許第3232076号(P3232076) |
権利者 | アルゼ株式会社 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 峯岸 武司 |
代理人 | 峯岸 武司 |