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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04G
管理番号 1089822
異議申立番号 異議2002-71764  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-07-19 
確定日 2003-10-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3248454号「コンクリートの表面処理方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3248454号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 
理由 第1.手続きの経緯
平成 9年 6月18日:出願(特願平9-160706号)
平成13年11月 9日:設定登録
平成14年 7月15日:浅野幸一より全請求項に対し特許異議の申立て
平成14年 7月19日:三井化学産資株式会社より全請求項に対し特許異議の申立て
平成14年10月10日:取消理由通知
平成14年12月24日:意見書及び訂正請求書提出
平成15年 2月14日:取消理由通知
平成15年 4月28日:意見書提出

第2.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
平成14年12月24日付け訂正請求は、本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである。
a.特許請求の範囲【請求項1】に「下地処理材として施工し」とあるのを、「下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し」訂正する。
b.明細書の【0005】に「下地処理材として施工し」とあるのを、「下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し」訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項について検討すると、訂正事項aは特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項bは訂正事項aにより訂正しようとする特許請求の範囲の記載に、特許明細書の記載を整合させる訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項a及びbは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項に規定する訂正の目的を満たすものであり、かつ同条第3項において準用する、同法第126条第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、本件訂正請求のとおりの訂正を認める。

第3.特許異議申立についての判断
1.本件発明
上記第2に示したとおり、本件に係る訂正が認められるから、本件の請求項1ないし3に係る発明は、上記訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】 水可溶性エポキシ樹脂の水溶液をシーラー材として下地コンクリート面に塗布して含浸させた後、水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材をコンクリート欠損部の断面修復材や塗装などの下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し、その上に仕上材を施すことを特徴とするコンクリートの表面処理方法。
【請求項2】 前記水可溶性エポキシ樹脂は、乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したものであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの表面処理方法。
【請求項3】 前記セメントモルタルに早強セメント又は超早強セメントを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリートの表面処理方法。」

2.取消理由の概要
当審で平成15年2月14日付けで通知した取消理由の概要は、本件請求項1ないし3に係る発明は本件出願前に頒布された刊行物1ないし3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許をうけることができないものであり、本件特許は取り消されるべきものであるというものである。

3.刊行物の記載事項
(1)上記取消理由で引用された刊行物1(特開平7-187859号公報)には、「コンクリート面の仕上げ用下地処理方法」に関し、以下のとおり記載されている。
ア.「【請求項1】 コンクリートの打設後より、該コンクリートの表面に、親水性エポキシ樹脂混合物、セメント、及び水、必要に応じて細骨材を配合したエポキシ樹脂混合物を一面に塗布し、下地処理材層を形成することを特徴とするコンクリート面の仕上げ用下地処理方法。
【請求項2】 前記エポキシ樹脂は、乳化可能な二液反応形エポキシ樹脂、……から選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート面の仕上げ用下地処理方法。
【請求項3】 前記乳化可能な二液反応形エポキシ樹脂混合物は、乳化不能エポキシ樹脂基材と乳化形硬化剤との組合わせからなる二液反応形エポキシ樹脂混合物、……から選ばれたものであることを特徴とする請求項2記載のコンクリート面の仕上げ用下地処理方法。」(特許請求の範囲)、
イ.「本発明は、例えばコンクリート床に樹脂系の仕上げ材を塗布したり貼る場合において、下地コンクリートの材令や乾燥状態にかかわらず任意に仕上げを施せるようにしたコンクリート面の仕上げ用下地処理方法に関する。」(段落【0001】)、
ウ.「【作用】……親水性エポキシ樹脂混合物は、セメント、及び水、必要に応じて細骨材を混合して打設直後のコンクリートの表面に塗布しても当該セメントの水和反応を阻害せず、逆に樹脂自体も水分やアルカリ性によって硬化反応や付着性を阻害されず、両者の硬化反応および水和反応は同時進行し、コンクリートの表層に樹脂成分に富んだ三次元網目構造の下地処理層を形成する。」(段落【0014】)、
エ.「以下本発明の実施例を説明する。図1(a)〜(c)は床コンクリート表面に塗り床仕上げを施す場合の施工手順を示すもので、(a)において、床コンクリート1は打設直後から任意の材令までのものまで、施工の都合に応じて任意に選択できる。
床コンクリート1の表面に(b)下地処理層2を所定の厚みで塗布する。この下地処理層2を構成する材料は、エポキシ樹脂セメントモルタルであり、親水性エポキシ樹脂混合物100重量部に対し、普通セメントまたは早強セメント50〜200重量部、細骨材として硅砂100〜200重量部および水30〜130重量部からなる配合からなるものであって、必要に応じて補強用繊維等を混合できる。」(段落【0015】〜【0016】)、
オ.「乳化形硬化剤は、自己乳化形と強制乳化形があり、この中の自己乳化形硬化剤は、それ自体は乳化していないが、基材を乳化させることができる硬化剤であって、具体的商品名としてトーマイドTXS-53C(富士化成工業社製)、ACRハードナーH-4121(ACR社製)が掲げられる。」(段落【0021】)、
カ.「エポキシ樹脂セメントモルタルの作り方としては、現場において前記エポキシ樹脂基剤と硬化剤と硅砂を予め練り混ぜたものに、前記組成の水-セメント比で練り混ぜられたセメントペーストを加え、再度練り混ぜることにより、エポキシ樹脂は水に均一に分散され全体的にペースト状となる。
これを可使時間以内に金ゴテ等を用いて塗布厚み1〜3mmに塗布する。塗布終了後この状態で10〜24(時間)養生することによって下地処理層2は硬化する。」(段落【0024】〜【0025】)、
キ.「下地処理層2の硬化後(c)に示すように、この下地処理層2の表面に親和性のある樹脂材料を固形分とする塗料層3を塗布すれば、施工を完了する。」(段落【0029】)。
ク.「また前記実施例ではこの発明を塗り床の施工に適用した場合を示したが、付着性に優れているため、他の仕上げ材、例えばタイルの接着用にも適用できる。」(段落【0032】)
これらの記載及び図面の記載からみて刊行物1には、
「親水性エポキシ樹脂混合物、セメント、水及び細骨材を配合したエポキシ樹脂混合物を、コンクリートの塗装などの下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し、その上に仕上材を積層するコンクリートの表面処理方法。」
の発明が記載されていると認められ、さらに、エポキシ樹脂として「乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したもの」からなるものが記載され、セメントモルタルとして「早強セメント」を用いることが記載されている。

(2)同じく刊行物2(特公平8-14181号公報、異議申立人浅野幸一の提出した甲第1号証)には、「多孔質体表面の塗膜施工方法」に関し、以下のとおり記載されている。
ケ.「多孔質体の表面に、水系の架橋型合成樹脂エマルションまたは水を塗布した後、この表面に、水系の架橋型エポキシ樹脂エマルションと、水硬性微小セメント系フィラーとを含有する下地層用塗布液を塗布し、硬化させて下地層を形成し、この下地層上に塗膜を積層することを特徴とする多孔質体表面の塗膜施工方法。」(特許請求の範囲【請求項1】)、
コ.「本発明は、コンクリート等の多孔質体の表面に塗膜を形成するための塗膜施工方法に関するものである。」(1頁1欄10〜11行)、
サ.「ブリスターの発生を防止するための下地処理としては、例えば、合成樹脂系塗布液を塗布することで得られた、コンクリート等の多孔質体に対する密着性に優れた塗膜により、ブリスターの発生を機械的に抑制する方法や、樹脂と砂とからなる樹脂モルタル等の多孔質層を多孔質体の表面に形成して、この層により、ブリスターの原因となる水分や空気を吸収する方法等が挙げられる。」(2頁3欄18〜25行)、
シ.「後者の下地処理において使用される樹脂モルタル等の層は、現在のところ、最も有効にブリスター等の発生を防止し得るものであるが、水分や空気を十分に吸収できる層を得るためには、その厚みを数mm程度の厚めに設定する必要があり、コストが高くつく、工事所要時間が長くなる、樹脂モルタルの層の厚みを考えて下地としての多孔質体を形成しなければならない等、施工効率の面で種々の問題がある。
しかも、上記各下地処理は、何れも、多孔質体の下地水分率が15%程度までなら、十分に施工できるものであるが、下地水分率が15%を超えると、下地処理層自体が、多孔質体に対して十分な密着性を得ることができないので、例えばコンクリートの場合には、直接に塗膜を形成する場合に比べれば短いものの、依然として、ある程度の期間、コンクリートを養生硬化させる必要があるという問題もある。
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであって、多孔質体の下地水分量に関係なく施工できると共に、施工効率が高く、しかも、ブリスター等の発生を確実に防止することができる多孔質体表面の塗膜施工方法を提供することを目的としている。」(2頁4欄6〜26行)
ス.「この発明の多孔質体表面の塗膜施工方法は、多孔質体の表面に水系が架橋型合成樹脂エマルションまたは水を塗布した後、この表面に、水系の架橋型エポキシ樹脂エマルションと、水硬性微小セメント系フィラーとを含有する下地層用塗布液を塗布し、硬化させて下地層を形成し、この下地層上に塗膜を積層することを特徴としている。」(2頁4欄28〜34行)
セ.「多孔質体の表面に下地調整剤として塗布される水系の架橋型合成樹脂エマルションとしては、下地層用塗布液中に含まれるエポキシ樹脂との相溶性、並びに接着性に優れた種々の合成樹脂材料を使用することができ、特に、エポキシ樹脂が最も好ましく用いられる。」(2頁4欄35〜39行)、
ソ.「この発明の多孔質体表面の塗膜施工方法においては、多孔質体表面に水系の架橋型合成樹脂エマルションまたは水を下地調整剤として塗布し、多孔質体表面の湿潤状態を整えた状態で、水系の架橋型エポキシ樹脂エマルションと水硬性微小セメント系フィラーとを含有する下地層用塗布液を塗布するので、上記下地層用塗布液中の架橋型エポキシ樹脂エマルションのみが、乾燥した多孔質体内に吸収されたりすることなく、上記架橋型合成樹脂エマルションや水、或いは、多孔質体内部の水と混和してピンホール中に入り込む。そして、架橋型エポキシ樹脂エマルションが反応硬化すると共に、水硬性微小セメント系フィラーが吸水して硬化し、ピンホールを完全に埋めた状態で、下地層が形成される。また、上記水硬性微小セメント系フィラーは、多孔質体とエポキシ樹脂との間を繋ぎ止めるバインダーとしても作用し、多孔質体と下地層との密着性を向上させる。」(2頁4欄40行〜3頁5欄6行)
タ.「下地調整剤2は、……同図中に二点鎖線で示すように、多孔質体1の表面1aや、この多孔質体1の表面にあるピンホール11…の内壁面11aから多孔質体1内に浸透させて、これらの面の湿潤状態を整える目的で塗布される。」(3頁5欄20〜27行)、
チ.「以上の工程からなる、この発明の多孔質体表面の塗膜施工方法によれば、ピンホール11中に、ブリスター等の原因となる水や空気を残留させることなく、しかも、多孔質体1との密着性に優れた下地層3を形成することができるので、ブリスター等の発生を確実に防止することができる。
また、この発明の塗膜施工方法においては、上記のように、下地層3によってピンホール内が充填され、当該ピンホール内に、ブリスター等の原因となる水や空気等が殆ど残存しないので、上記水や空気等を吸収してブリスターを防止する、従来の樹脂モルタル層に比べて、厚みを薄くすることができ、その分だけ、コストを低く、工事所要時間を短くすることができると共に、層の厚みを考えて下地としての多孔質体を形成する必要がない等、施工効率が向上する。」(3頁6欄16〜30行)、
ツ.「下地層用塗布液中に含有されると共に、下地調整剤2用の合成樹脂エマルションとして好適に使用される、水系の架橋型エポキシ樹脂エマルションとしては、1液硬化タイプ、或いは2液硬化タイプ等の種々のタイプの架橋型エポキシ樹脂エマルションを使用することができる。2液硬化タイプの架橋型エポキシ樹脂エマルションを例にとると、末端にエポキシ基を有するエポキシ樹脂を水系エマルション化した主剤と、上記エポキシ樹脂の末端エポキシ基を開環させて架橋、硬化させるための硬化剤とからなるものが挙げられる。」(3頁6欄37〜47行)、
テ.「架橋型エポキシ樹脂エマルションと共に下地層用塗布液中に含まれる水硬性微小セメント系フィラーとしては、ポルトランドセメント、アルミナセメント等の水硬性セメントや、生石灰(酸化カルシウム)、消石灰、石膏等の気硬性セメント、ケイ酸塩粉末、ホワイトカーボン、セピオライト、ゼオライト、ケイ砂、ジルコニウム錯体、粉末チタン、フッ化ケイ素酸塩等が挙げられる。」(4頁7欄31〜38行)。

(3)同じく刊行物3(特開平3-69538号公報、異議申立人三井化学産資株式会社の提出した甲第5号証)には、「エポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物」に関し、以下のとおり記載されている。
ト「本発明は土木建築の分野において、例えば舗装材、床材・・・充填材、補修材等多目的に使用されるエポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物に関する。」(1頁右下欄11〜14行)
ナ.「本発明のエポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物はエポキシ樹脂水分散体、液状エポキシ樹脂硬化剤、ポルトランドセメント、カルシウムアルミネート、石膏、凝結調節剤、細骨材及び水を必須成分として含有する。」(2頁左下欄8〜12行)、
ニ.「ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強セメント・・・等の混合セメントが使用できる。」(3頁左上欄1〜7行)

4.対比・判断
(1)請求項1に係る発明について
請求項1に係る発明と刊行物1記載の発明を対比すると、刊行物1記載の「親水性エポキシ樹脂混合物、セメント、水及び細骨材を配合したエポキシ樹脂混合物」は、請求項1に係る発明の「水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材」に相当するから、両者は、「水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材を塗装などの下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し、その上に仕上材を施すコンクリートの表面処理方法。」である点で一致し、次の点で相違する。
相違点:請求項1に係る発明は、水可溶性エポキシ樹脂の水溶液をシーラー材として下地コンクリート面に塗布して含浸させた後、水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材を施工するのに対し、刊行物1記載の発明はこのようなシーラー材を塗布していない点。
相違点について検討すると、刊行物2には、上記3.(2)サ、シに示すように、従来下地処理において使用される樹脂モルタル等の層は、ブリスター等の発生を有効に防止し得るものであるが、厚みを数mm程度に設定する必要があることから、コンクリートの表面に水可溶性エポキシ樹脂と水硬性のセメント等の混合物を下地材として施工する際に、水可溶性エポキシ樹脂の水溶液を下地調整材として塗布することにより塗布面を整え、下地層用塗布液中のエポキシ樹脂エマルションの多孔質下地への浸透を防止し、ブリージングのない密着性に優れた下地層を形成できることが記載されており、刊行物1記載の発明において、刊行物2記載の発明を適用して、請求項1に係る発明の相違点に係る構成とすることは当業者が容易になしうることである。
したがって、請求項1に係る発明は、刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

また、刊行物1には、コンクリートの表面処理方法を「コンクリート欠損部の断面修復材」の下地処理として施工することは具体的に記載されていないが、水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材を、コンクリート欠損部等の断面修復材の下地処理材として施工することは、刊行物3、特開昭54-91927号公報(異議申立人浅野幸一の提出した甲第6号証)に記載のように周知であり、エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材を用いた下地処理材をコンクリート欠損部の断面修復材の下地処理に適用することも当業者が容易になしうることである。

(2)請求項2に係る発明について
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の「水可溶性エポキシ樹脂」を、「乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したもの」に限定した発明であるが、刊行物1には、水可溶性エポキシ樹脂として、「乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したもの」を用いることが記載されている。
したがって、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明と同様の理由により、刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)請求項3に係る発明について
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、さらに「セメントモルタル」を「早強セメント又は超早強セメント」に限定した発明であるが、刊行物1には、エポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物に「早強セメント」を用いることが記載されている。また、刊行物3には、エポキシ樹脂含有セメントモルタル組成物に用いる「ポルトランドセメント」として「早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント」を用いることが記載されており、「早強セメント」又は「超早強セメント」を使用することは、当業者が適宜選択しうる程度のことである。
したがって、請求項3に係る発明は、刊行物1ないし3記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4.特許権者の意見書に対して
特許権者は、平成15年4月28日付け意見書において、「刊行物1に記載の発明では、前述したように、『エポキシ樹脂セメント混合物』の厚さが例えば1〜3mmなどに設定されるから、コンクリートの材令や乾燥状態に関係なく付着性、耐水性に優れた下地層を形成することができ、よって、刊行物2に記載の発明のように水系の架橋型合成樹脂エマルションまたは水を塗布して、コンクリート表面の湿潤状態を整える必要はないのである。つまり、刊行物1では、刊行物2に記載の発明が解決しようとする課題が生じることは想定できないのである。このことから、このような刊行物1に対して刊行物2を組み合わせることはきわめて困難なのである。」(12頁3〜10行)と主張するが、刊行物2には、上記したように、従来下地処理において使用される樹脂モルタル等の層は、ブリスター等の発生を有効に防止し得るものであるが、さらに下地処理層の塗布前に、水系の架橋型合成樹脂エマルションを塗布することにより、下地層用塗布液中のエポキシ樹脂エマルションの下地への浸透を防止できる等の効果が得られることが示されているのであり、刊行物1記載の発明において刊行物2記載の発明を適用することに困難性は認められない。
特許権者は、さらに「刊行物2記載の発明は、コンクリート面に対する下地層用塗布液、特に架橋型エポキシ樹脂エマルションの吸い込みを防止するために、予めコンクリート表面に水系の架橋型合成樹脂エマルションまたは水を塗布して、コンクリート表面の湿潤状態を整えるものである。このことから、この技術を刊行物1記載の発明に適用しても、……本件特許の請求項1に係る発明のように、水可溶性エポキシ樹脂の水溶液を塗布して含浸させることによって、コンクリート表面上に、下地と強固に一体化するとともに、下地モルタルと複合化した一種の遮水層を形成するといった作用効果を得るのはきわめて困難である。」(12頁3〜10行)と主張するが、刊行物2記載の発明の下地調整用の水系の架橋型合成樹脂エマルションは、本件請求項1に係る発明の水可溶性エポキシ樹脂と同様の樹脂であって、下地コンクリートに塗布されることにより下地の多孔質内に含浸するものであるが、このように下地コンクリートに塗布された水可溶性エポキシ樹脂が下地に浸透し硬化して、下地と強固に一体化した遮水性の層を形成することは周知であり(例えば、特開平8-218588号公報:異議申立人浅野幸一の提出した甲第2号証、特開昭63-51982号公報:同甲第4号証参照)、本件請求項1に係る発明の作用効果は、刊行物1及び刊行物2から予測できない格別のものとは認められない。

第5.むすび
以上のとおり、本件請求項1ないし3に係る発明についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
コンクリートの表面処理方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 水可溶性エポキシ樹脂の水溶液をシーラー材として下地コンクリート面に塗布して含浸させた後、水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材をコンクリート欠損部の断面修復材や塗装などの下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し、その上に仕上材を施すことを特徴とするコンクリートの表面処理方法。
【請求項2】 前記水可溶性エポキシ樹脂は、乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したものであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの表面処理方法。
【請求項3】 前記セメントモルタルに早強セメント又は超早強セメントを用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリートの表面処理方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート表面に断面欠損部を修復する修復材、または塗装などの下地処理材を施すコンクリートの表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジャンカや塩害等による鉄筋の錆に起因してかぶりコンクリートが剥がれる等のコンクリート断面欠損が生じることがある。このような断面欠損部を修復する方法として、▲1▼セメントモルタルを充填すること、▲2▼アクリル樹脂エマルジョン等を塗布した後にセメントモルタルを充填すること、▲3▼アクリル樹脂等を配合したポリマーセメントモルタルを充填すること等が行われている。また、厨房など、常時水を使用している場所の樹脂塗床改修工事では、下地が湿潤しているため、表面の旧仕上材を剥がし、湿潤した下地をある程度乾燥させてから、湿潤面用プライマーを塗布したり、アクリル樹脂等を配合したポリマーセメントモルタルを下地処理材として施工したりすることが行われている。このように、前記材料は塗装などの下地処理材としても一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のコンクリートの表面処理材にあっては、その上に塗装仕上げなどを行う場合、仕上げ塗膜に剥がれや膨れを生じさせないためには、断面修復材の施工後に一週間以上の乾燥期間が必要であるため、工期の短縮が要求される補修、改修工事、例えばスパーマーケットの厨房改修工事のように土曜日及び日曜日の2日間といった極めて短期間で行わなければならない工事に用いられる断面修復材や下地処理材としては適切なものとはいい難い。また、該種表面処理材は強度があまり大きくないし、既存下地との付着性があまり強固でないため、特に床面に施工した場合には台車等の走行によって壊れたり剥がれたりするおそれがあった。さらに、水分遮断性が不十分であるため、塗装などの下地処理材として用いた場合には、下地水分の作用で塗膜等が膨れるおそれがあった。
【0004】
この発明は以上の欠点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、強度や下地との付着性に優れ、施工後に長い乾燥期間を必要とすることなく、遮水性、仕上げ材との付着性に優れたコンクリートの表面処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載のコンクリートの表面処理方法は、水可溶性エポキシ樹脂の水溶液をシーラー材として下地コンクリート面に塗布して含浸させた後、水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材をコンクリート欠損部の断面修復材や塗装などの下地処理材として1〜3mmの厚さで施工し、その上に仕上材を施すものである。水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとを複合してなる表面処理材をコンクリート断面欠損部の修復材や塗装などの下地処理材として用いれば、強度、並びに下地との付着性に優れ、施工後、仕上げまでの乾燥期間も1〜2日ですみ、さらには遮水性、仕上げ材との付着性に優れた複合材層が形成される。
【0006】
【0007】
なお、水可溶性エポキシ樹脂とは、水に溶解ないしは分散するエポキシ樹脂のことである。アミンやアミド等の硬化剤を配合することによって、水の存在下やアルカリ環境条件下でも化学反応によって硬化し、三次元的な架橋構造を有する堅固な硬化樹脂層が形成される。
【0008】
本発明で用いられる水可溶性エポキシ樹脂は、その具体例としては、▲1▼ベコポックスEP128(商品名:ヘキストジャパン株式会社製)およびD・E・R331C(商品名:ダウケミカル株式会社製)のように、水に混ぜても乳化しない非乳化タイプエポキシ基材、▲2▼ベコポックスEP122W(商品名:ヘキストジャパン株式会社製)、ディックファインEM-60(商品名:大日本インキ化学工業株式会社製)およびエピコートDX-255(商品名:油化シェルエポキシ株式会社製)のように、水に混ぜて乳化するか、または既に乳化している乳化タイプエポキシ基材が好適に用いられる。また、水可溶性エポキシ樹脂は、乳化可能な二液反応形エポキシ樹脂を含む。
【0009】
一方、硬化剤としては、▲1▼トーマイドTXS-53C(商品名:富士化成工業株式会社製)およびACRハードナーH-4121(商品名:ACR株式会社製)のように、それ自身が乳化しているもの、▲2▼アデカハードナーEHE-027(商品名:旭電化工業株式会社製)およびエポルジョンEBI(商品名:カネボウNSC株式会社製)のように、それ自身は乳化していないが、基材を乳化させることができる自己乳化型のもの、▲3▼ダイトクラールX-985(商品名:大都産業株式会社製)およびラッカマイドEA-240(商品名:大日本インキ化学工業株式会社製)のように、無溶剤または溶剤型エポキシ樹脂に使用される通常タイプのものが好適に用いられる。
【0010】
そして、水可溶性エポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせは、非乳化タイプエポキシ基材と通常タイプの硬化剤との組み合わせを除いて任意に行うことができるが、請求項2に記載されたように、前記水可溶性エポキシ樹脂を、乳化タイプのエポキシ基材と、自己乳化タイプの硬化剤とを配合したものであることが好ましい。請求項2における水可溶性樹脂は、乳化不能エポキシ樹脂基材と乳化形硬化剤を配合したもの、および乳化可能エポキシ樹脂基材と乳化形あるいは通常タイプの硬化剤とを配合したものを含む。
【0011】
また、請求項3に記載したように、前記セメントモルタルに早強セメント又は超早強セメントを用いれば、早強セメント又は超早強セメントの急速な水和反応によって、セメントモルタルが急速に硬化進行して工期の短縮を図れるとともに、その反応生成熱によって乾燥の促進を図ることができ、気温が低く乾燥しにくい冬期等においても高い施工性を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施例について添付図面に基づいて説明する。
【0013】
まず、水可溶性エポキシ樹脂として、EP2およびESをそれぞれ作成する。EP2は、水可溶性エポキシ樹脂基材であるエピコートDX-255(商品名:油化シェルエポキシ株式会社製)と、硬化剤であるトーマイドTXS-53C(商品名:富士化成工業株式会社製)とを重量比100:100で配合したものである(なお、配合後の固形分量は100%である)。
【0014】
一方、ESは、固形分量100%のエポキシ樹脂エマルジョンと、固形分量20%の硬化剤(いずれも株式会社エービーシー商会製)とを重量比50:100で配合したものである(なお、配合後の固形分量は47%である)。
【0015】
そして、上記EP2およびESの固形分濃度を例えば20%に設定した樹脂水溶液を作成してシーラー材とするとともに、表1の配合にしたがったEP2ベースまたはESベースの複合材であるエポキシポリマーセメント(以下、EPCMと称する)を作成する。
【0016】
【表1】

【0017】
本実施例では、表2に示される下地モルタルの表面にシーラー材200g/m2を塗布し、その直後にEPCMを金ごてにより1〜3mmの厚みで施工した。また、シーラー材の硬化後にEPCMを同様に施工した。
【0018】
【表2】

【0019】
以下、EPCMを3mmの厚みに施工した場合の実験結果について述べる。
図1は、EP2ベースおよびESベースのEPCM、並びにQQI(株式会社エービーシー商会製)の施工翌日から13日間における施工時の下地材令(日)と蒸発水分量(g/100cm2)との関係を示している。なお、ブランクは、未処理の蒸発水分量を示している。
【0020】
同図によれば、EPCMの蒸発水分量が下地材令に拘わらず低く、特に下地材令が0〜1,2日程度における蒸発水分量が未処理の場合の蒸発水分量に対して著しく抑えられており、水和反応が促進されることが分かる。なお、QQIは、例えば特公平1-6147号公報または特公平3-35275号公報に示されるような、いわゆるクイックボーデン工法(登録商標:株式会社大林組)で用いられる下地処理材であって、下地材令が0〜1日である場合のみしか施工しないので、下地材令が2日以降は実験を行っていない。
【0021】
図2(a)はEP2ベースのEPCM、同図(b)はESベースのEPCM、同図(c)はQQIをそれぞれ施工した場合の下地含水率(%)と付着力(kg/cm2)との関係であり、含水率は105°C乾燥による全乾法で算出したものである。なお、全乾法による含水率10%は、材令0日(8時間)のモルタル下地に相当しており、飽和水分条件の下地である。また、図3は、目粗しをした場合のEPCM,QQI施工時における下地材令(日)と付着力(kg/cm2)との関係を示している。EP2,ESのいずれをベースにしたEPCMにあっても、高い付着力が得られた。下地モルタルの表面にEPCMを施工した後、試験ピースを採取して破断状況を確認した結果、いずれの試験ピースでも、EPCM内や界面で破断することなく、下地モルタルの内部で破断することが確認された。
【0022】
図4は、EPCMを施工した場合の下地材令と半水浸20日後における各層の含水率との関係をプロティメータで測定したものである。同図(a)はEP2ベースのEPCM、同図(b)はESベースのEPCM、同図(c)はQQIをそれぞれ施工した場合の下地モルタル材令(日)と含水率(%)との関係を示している。ここで、“半水浸”とは、供試体をその上面より20mm下まで水中に浸漬した状態である。EPCMの表面含水率は、下地材令に拘わらず、下地水分の影響を受けることなく常に低い値を維持しており、下地モルタル側からの毛管上昇水分の遮断性が高いことが分かる。
【0023】
図5(a)は、半水浸20日後における下地含水率(%)に対するEP2べースのEPCMの付着力を示し、同図(b)はESベースのEPCMの付着力を示している。なお、含水率は、図2と同様に、105°C乾燥による全乾法で算出したものである。また、図6は、EPCM,QQI施工時における下地材令(日)と付着力(kg/cm2)との関係を示している。EP2,ESのいずれをベースにしたEPCMにあっても、含水率および各材令における下地とEPCMとの付着力は半水浸前に比べて大幅に増大した。これは、下地の水和反応が促進されたためであると思われる。もちろん、前述した破断試験を行った結果、いずれの試験ピースでも、下地モルタルの内部で破断することが確認された。
【0024】
次に、下地材令1日(打設翌日)〜20日と、EPCM施工後エポキシ塗材施工までの養生日数1日(施工翌日)〜14日との組み合わせでEPCMとエポキシ塗材との層間付着性を検討したところ、付着力測定時にすべての試験ピースが下地内部で破断し、EPCMとエポキシ塗材との界面破断は全く生じなかった。
【0025】
また、半水浸20日での膨れ発生の有無と付着劣化の有無を検討したところ、エポキシ塗材に膨れは発生せず、また付着力測定時にはすべての試験ピースが下地内部で破断し、EPCMとエポキシ塗材との界面破断は全く生じなかった。
【0026】
以上のことから、EPCMは下地の材令や乾燥程度の如何に関わりなく、いつでも施工できて下地に強固に付着し、また、EPCMを施工した翌日にエポキシ塗材などの仕上げ材を施工しても強固な層間付着性が得られることが分かった。また、下地モルタルからの浸透水に対する遮断性に優れるだけでなく、浸透水によって付着劣化することもなく、さらには仕上げ材に膨れや剥がれを生じさせないことも分かった。
【0027】
また、前記セメントモルタルのセメント材料には、普通ポルトランドセメント以外に、早強セメント又は超早強セメントを用いても良い。セメントモルタルに早強セメント又は超早強セメントを用いれば、その急速な水和反応によって、セメントモルタルが急速に硬化進行して工期の短縮を図れるとともに、その反応生成熱によって乾燥の促進を図ることができ、気温が低く乾燥しにくい冬期等においても高い施工性を得ることができ、翌日の仕上げ作業をも可能にすることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、最初に塗布したシーラー材は既存下地表層に含浸した後、エポキシ樹脂と硬化剤の反応によって下地と強固に一体化するとともに、下地モルタルと複合化した一種の遮水層を形成する。この上に施工した水可溶性エポキシ樹脂とセメントモルタルとの複合材は、水和反応によってセメントモルタルが硬化進行するとともに、樹脂と硬化剤の反応によって三次元的に形成される樹脂硬化物がセメント水和生成物の間隙を埋め、緻密で強度的にも優れた複合材の硬化体層を形成する。
【0029】
このため、次のような効果が得られる。
▲1▼湿潤状態から乾燥状態まで、下地の乾燥程度の如何にかかわりなく施工することができる。
▲2▼下地側からの浸透水によっても付着劣化せず、むしろ水和反応の進行によって付着性が向上する。
▲3▼施工した翌日に仕上げ材を施工しても、強固な付着が確保される。また、施工後、乾燥させてから仕上げ材を施工しても同様の付着が確保される。
▲4▼優れた遮水性が得られ、仕上げ材の施工後、下地側から水が浸透しても仕上げ材に膨れが生じることもなく、また付着劣化が生じることもない。
【0030】
また、前記セメントモルタルに早強セメント又は超早強セメントを用いることにより、早強セメント又は超早強セメントの急速な水和反応によって、セメントモルタルが急速に硬化進行して工期の短縮を図れるとともに、その反応生成熱によって乾燥の促進を図ることができ、気温が低く乾燥しにくい冬期等においても高い施工性を得ることができ、翌日の仕上げ作業をも可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
EPCM,QQI施工時の下地材令と蒸発水分量との関係を示すグラフである。
【図2】
EPCM,QQI施工時の下地含水率と付着力との関係を示すグラフである。
【図3】
目粗しをした場合のEPCM,QQI施工時における下地材令と付着力との関係を示すグラフである。
【図4】
EPCM施工時の下地材令と半水浸20日後における各層の含水率との関係を示すグラフである。
【図5】
半水浸20日後における下地含水率に対するEPCMの付着力を示すグラフである。
【図6】
EPCM,QQI施工時における下地材令と付着力との関係を示すグラフである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-09-01 
出願番号 特願平9-160706
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (E04G)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 忠夫  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 山口 由木
長島 和子
登録日 2001-11-09 
登録番号 特許第3248454号(P3248454)
権利者 株式会社大林組
発明の名称 コンクリートの表面処理方法  
代理人 原島 典孝  
代理人 一色 健輔  
代理人 黒川 恵  
代理人 中嶋 重光  
代理人 黒川 恵  
代理人 一色 健輔  
代理人 山口 和  
代理人 原島 典孝  

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