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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  H04N
審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  H04N
管理番号 1090988
審判番号 不服2001-10313  
総通号数 51 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-01-12 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-18 
確定日 2004-02-16 
事件の表示 平成 7年特許願第 85363号「画像処理装置およびその方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成 8年 1月12日出願公開、特開平 8- 9179、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成7年4月11日に出願(優先権主張平成6年4月18日)したものであって、平成13年3月6日にした手続補正に対して、平成13年5月18日付けで補正却下の決定がされると共に、同日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月18日付けで拒絶査定に対する審判請求がされ、平成13年7月18日付けで手続補正がされたものである。

2 平成13年7月18日付け手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成13年7月18日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1) 補正の内容
平成13年7月18日付けの手続補正は、請求項1の記載を、補正前の「画像形成装置の出力画像をモニタでプレビューするための画像処理方法」を「画像形成装置の出力画像をモニタにプレビュー表示し、前記画像形成装置に出力される画像処理方法」とし、「前記モニタに表示された複数のプレビュー画像からユーザによって選択されるプレビュー画像に施された色空間圧縮処理を前記入力画像データに施し、選択されるプレビュー画像に対応する画像形成装置に前記色空間圧縮処理を施した画像データを出力すること」を付加するものである。
(2) 特許法第17条の2第3項第2号違反について
先ず、特許法第17条の2第3項第2号でいう「補正前発明」は、どの手続補正による発明であるかについて検討すると、平成13年5月18日付けでなされた平成13年3月6日付け手続補正の補正却下の決定は、後述するように取り消すべきものと認められるから、「補正前発明」は平成13年3月6日付けの手続補正により補正された請求項1〜8に係る発明である。
そこで、前記補正が、特許法第17条の2第3項第2号の要件を満たしているか否かについて以下に検討する。
平成13年3月6日付けの手続補正により補正された請求項1〜8に係る発明のいずれも、プレビュー表示のための画像処理に関する事項を記載するだけであるから、前記補正は、前記プレビュー表示のための画像処理に関する事項の全部または一部を限定するものとはなっていない。請求項4に対する補正も同様である。
なお、平成12年11月6日付け手続補正による請求項1〜10を「補正前発明」とした場合であっても同様である。
(3) まとめ
したがって、前記補正は、特許法第17条の2第3項第2号の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
3 平成13年5月18日付けでなされた補正却下の決定について
平成13年3月6日付け手続補正でした明細書又は図面についての補正は、平成13年5月18日付けで、原審において、補正却下の決定がなされているので、その当否について以下に検討する。
(1)補正却下の決定の理由の概要
上記補正による請求項1-8に係る発明は、先に示した引用例1(特開平5-48885号公報)、及び引用例2(特開平4-78896号公報)に基き当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、この補正は、特許法第17条の2第3項第2号の補正後における請求項に記載されている事項により特定されている発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなく、特許法第17条の2第4項において準用する同法第126条第3項の規定に違反しているので却下する、というものである。
(2) 当審の判断
上記補正による請求項1〜4に係る発明は、「複数の画像形成装置それぞれの色再現範囲に応じ、同一アルゴリズムに基づく色空間圧縮処理を含むプレビュー処理を入力画像データに施し」、同請求項5に係る発明は、「画像形成装置それぞれの色再現範囲に応じ、同一アルゴリズムに基づく色空間圧縮処理を含むプレビュー処理を入力画像データに施す処理手段」、同請求項6〜8に係る発明は、「色空間圧縮処理のアルゴリズムを含む複数のプレビュー処理の条件をユーザの指示に基づき設定する設定手段と、設定された複数のプレビュー処理の条件に基づき、画像形成装置の色再現範囲に応じた色空間圧縮処理を含む複数の異なるプレビュー処理を入力画像データに施す処理手段」との技術事項を含むものであるが、引用例1は、印刷装置で実際に印刷される画像と同じ画像を表示装置に表示する発明を開示するにすぎず、また、引用例2は、複数の処理条件の画像を並べて表示する発明を開示するにすぎず、本願請求項1〜8が要件とする前記技術事項については、開示も示唆もしない。
したがって、本願の請求項1〜8に記載された発明は、引用例1、及び引用例2に記載された発明に基き当業者が容易に発明することができたものとすることはできないので、これを理由とした前記補正の却下の決定は誤りであり、取り消す。
4 本願発明
前記したとおり、平成13年7月18日付けの手続補正は却下され、平成13年5月18日付けでなされた補正却下の決定は、取り消すべきものとなったので、その請求項1〜8に係る発明は、平成10年12月22日付け、平成12年11月6日付け、及び平成13年3月6日付け手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1〜8に記載されたとおりのものである。
5 原査定の概要
原査定は、この出願の請求項1〜10に係る発明は、引用例1(前掲)、及び引用例2(前掲)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
6 当審の判断
原査定は、平成13年3月6日付け手続補正を却下した結果、平成12年11月6日付け手続補正の請求項1〜10に係る発明を本願発明と認定し拒絶査定したものであるから、本願発明の認定を誤っており、取消しを免れない。
前記3(2)で述べたように、本願の請求項1〜8に記載された発明は、引用例1、及び引用例2に記載された発明に基き当業者が容易に発明することができたものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶する理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2004-01-30 
出願番号 特願平7-85363
審決分類 P 1 8・ 121- WYA (H04N)
P 1 8・ 572- WYA (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加藤 恵一  
特許庁審判長 東 次男
特許庁審判官 井上 信一
江頭 信彦
発明の名称 画像処理装置およびその方法  
代理人 大塚 康徳  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康弘  
代理人 高柳 司郎  

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