現在、審決メルマガは配信を一時停止させていただいております。再開まで今暫くお待ち下さい。

  • ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A41B
管理番号 1091171
審判番号 不服2002-7921  
総通号数 51 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-10-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-05-07 
確定日 2004-01-28 
事件の表示 平成11年特許願第540395号「体への改良されたフィットを有する使い捨て引き上げ装着衣類」拒絶査定に対する審判事件[平成11年12月 2日国際公開、WO99/60971、平成12年10月17日国内公表、特表2000-513643]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 [1]手続の経緯・本願発明
本願は、平成10年5月28日の出願であって、その請求項1乃至請求項9に係る発明は、平成13年12月11日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項9に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項2に記載された発明(以下「本願発明」という)は、次のとおりのものと認める。(ここで請求項2に記載された発明は、請求項1を引用する引用形式で記載されているから、本願発明の認定に際し、独立形式に書き直した。)
「長手方向中心線、前部、後部、及び前部と後部との間にある股部を有する使い捨て引き上げ装着衣類であって、
前部、後部、及び股部に設けられ、かつ前部と後部に縁線を有しているシャシーであって、液体透過性トップシート、このトップシートと組合わされた液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャシーと、
前部又は後部においてシャシーから側面方向に外側に延びている少なくとも一対の延伸性耳パネルとを備えており、
耳パネルの少なくとも一対が、前部においてシャシーから側面方向に外側に延びている一対の延伸性前部耳パネルと、後部においてシャシーから側面方向に外側に延びている一対の延伸性後部耳パネルとを含んでおり、
これらの耳パネルの各々が、最も外側の縁線を有しており、最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、この衣類の非収縮状態において長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有しており、シームは、各々対応する縁線に沿って前部耳パネルと後部耳パネルとを接合して、ふたつの脚部開口部とウエスト開口部とを形成する使い捨て引き上げ装着衣類。」
[2]引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前である平成5年12月9日に頒布された国際公開第93/24085号パンフレット(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「本発明の実施には、機械的に伸張されていない外方端部を有する弾性化部材を作製し、吸収性シャーシーを作製して吸収性シャーシーの端部に弾性化部材を付着させ、非弾性化外方端部の間に縫目を形成して弾性化サイドパネルを持つトレーニングパンツを形成する手順を含むトレーニングパンツ(図1)を作製することを包含する。」(第3頁下から4行〜第4頁第2行の訳文)
(2)「次いで、弾性化部材10を、シャーシーの各側端35a、35bで非機械的伸張外縁部51が遠方端になるように前腰部40および後腰部41に取付ける。弾性化部材10の内方取付け端17は、該取付け端17の一面、好ましくは両面に塗布した接着剤18によって吸収性シャーシー30のトップシート33とバックシート32の間に取付けることが好ましい。或いは、弾性化部材の内方取付け端17をシャーシーのバックシートと他の材料の構造体または層の間、例えば、図6に示すように、バックシートと内方弾性化障壁脚カフ55の間に取付けることもできる。一般に、トップシートとバックシートの間に挿入され、取付けられた取付け端17の巾は約5-20mm、更に好ましくは、約10-15mmである。接着剤は、連続的若しくは断続的に、直線または曲線状に、または渦巻き模様等、任意の有効な手段で塗布できる。」(第9頁第27行-第10頁第2行の訳文)
(3)「最後に、弾性化部材10を取付けた吸収性シャーシー30を長手方向中心42の近辺で機械的に折り曲げて、前腰部40の身体側面34を後腰部41の身体側面と接近させる。次いで、前後腰部に取付けた対抗する弾性化部材10の外縁部51の身体側に面した表面をシール52で接合して弾性化側方パネル5を形成し、トレーニングパンツが完成する。シール52は吸収性シャーシーの長手方向側面35と平行にさせるか、図5に示すように僅かに角度をつけることができる。」(第10頁第3-11行の訳文)
(4)「側部縫目50が作られた後、シールの外側にある過剰の材料がシール52の外側の線53に沿ってトリム切断される。さらに、シールパネルの部分が、特に、脚開口端の回りでトリム切断されて、改良された着用感とよりよい快適さを賦与する。弾性化部材10は縫い合わされる直前または直後の両方でトリム切断されるが、前後の弾性化部材は、吸収シャーシーへの取付けの前か後に別々にトリムされる。」(第10頁第30-36行の訳文)
(5)「(1) -液体透過性トップシート
?液体不透過性バックシート、および
-前記トップシートと前記バックシートの間に位置する吸収性芯を含み、側縁と前後の腰部区域を有する吸収性シャーシー、
(2) 夫々が
-(i) 少くとも1層の不織布と少くとも1層の弾性層を含む非弾性化積層物材料を含む外方端部と(ii)弾性化積層部とを含む、前部弾性化部材および後部弾性化部材、
および
-前記の前部弾性化部材と前記後部弾性化部材の前記外側端部に接合する側部縫目とを含み、吸収性シャーシーの各長さ方向の側部に沿って、前部腰区域と後部腰区域に付着し接合する、横方向に伸縮自在な弾性化サイドパネルとを含む使い捨てトレーニングパンツ。」(第12頁、【請求項1】の訳文)
[3]対比・判断
本願発明と引用例記載の発明(以下、「引用発明」という)は、いずれも「使い捨て引き上げ装着衣類」である点で同じである。
そして、引用発明の「前腰部40」、「後腰部41」、「吸収性シャーシー30」、「トップシート33」、「バックシート32」、「吸収性芯31」、「弾性化側方パネル(サイドパネル)5」、「シール52」は、それぞれ本願発明の「前部」、「後部」、「シャシー」、「液体透過性トップシート」、「液体不透過性バックシート」、「吸収性コア」、「延伸性耳パネル」、「シーム」に相当する。
ここで、引用発明の「外側の線53」について検討する(カッコ内は本願発明の用語である)。
引用発明の使い捨てトレーニングパンツ(使い捨て引き上げ装着衣類)は、弾性化部材10が前後腰部に取り付けられた吸収性シャーシー30(シャシー)を、長手方向中心42の近辺で機械的に折り曲げて、前腰部40(前部)の身体側面34を後腰部41(後部)の身体側面と接近させ、前後腰部に取付けた対抗する弾性化部材10の外縁部51の身体側に面した表面をシール52(シーム)で接合して弾性化側方パネル5を形成することによってつくられるものであり([2]の(2)、(3)参照)、図6にその説明図が記載されている。
そこで、引用発明の使い捨てトレーニングパンツ(使い捨て引き上げ装着衣類)は、弾性化部材10の外縁部51が、僅かに角度をつけられたシール52の外側の線53に沿ってトリム切断される。そして、このトリム切断された「外側の線53」は、本願発明にいう「最も外側の縁線」に相当するものとなる。([2]の(2)、(3)及び図5参照。)
してみれば、本願発明と引用発明とは、本願発明の用語を用いると、
1)「長手方向中心線、前部、後部、及び前部と後部との間にある股部を有する使い捨て引き上げ装着衣類であって」、
2)「前部、後部、及び股部に設けられ、かつ前部と後部に縁線を有しているシャシーであって、液体透過性トップシート、このトップシートと組合わされた液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャシーと」、
3)「前部又は後部においてシャシーから側面方向に外側に延びている少なくとも一対の延伸性耳パネルとを備えており」、
4)「耳パネルの少なくとも一対が、前部においてシャシーから側面方向に外側に延びている一対の延伸性前部耳パネルと、後部においてシャシーから側面方向に外側に延びている一対の延伸性後部耳パネルとを含んでおり」、
5)「耳パネルの各々が、最も外側の縁線を有しており」、
6)「シームは、各々対応する縁線に沿って前部耳パネルと後部耳パネルとを接合して、ふたつの脚部開口部とウエスト開口部とを形成する使い捨て引き上げ装着衣類。」
の点で一致し、
本願発明が、「最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、この衣類の非収縮状態において長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有する」のに対し、
引用発明のものは、「最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、この衣類の非収縮状態において、長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有する」ものか否か明かでない、
点で相違する。
そこで、相違点について検討する。
最初に、実願平5-70039号(実開平7-39816号)のCD-ROMには、【図面の簡単な説明】の欄に「【図5】サイドフラップに切込部を設けたおむつの伸張状態を防漏層側から示す平面図である。」と記載され、図5において、「おむつの伸張状態」すなわち「衣類の非収縮状態において」、「最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有する」ものとなっている状態を示すパンツ型の使捨ておむつの平面図が示されている。そして、特開昭62-243807号公報には、「図面の簡単な説明」の欄に「第2図は横方向に伸長した組み立て平面図」と記載され、さらに第1頁左欄下から3行-末行には「前身頃および後身頃のそれぞれの下部の横幅は、前身頃および後身頃のそれぞれの前記ウエストバンド部の横幅よりも広く形成され」と記載され、さらに図面第2図および第3図において、使い捨て吸収性パンツの「横方向に伸長した」状態すなわち、「衣類の非収縮状態において」、「最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有する」ものであることが示されている。
してみれば、一般に、パンツ型衣類の非収縮状態において、ウエストを構成する最も外側の縁線のうちの少なくともひとつが、長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有することは上記に示したとおり、本願出願前周知の技術手段であるものといえる。
そうすると、本願発明は、本願出願前周知の技術手段を単に引用発明の耳パネルの縁線に適用して、耳パネルの「外側の縁線のうちの少なくともひとつが、長手方向中心線から不均一な側面方向距離を有する」ものとなるように設計変更したにすぎない。
[4]むすび
したがって、本願発明は、引用例に記載された発明および周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
それ故、本願は他の請求項に係る発明について判断するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-09-01 
結審通知日 2003-09-02 
審決日 2003-09-17 
出願番号 特願平11-540395
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A41B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 千葉 成就  
特許庁審判長 鈴木 公子
特許庁審判官 松縄 正登
山崎 豊
発明の名称 体への改良されたフィットを有する使い捨て引き上げ装着衣類  
代理人 風間 鉄也  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 橋本 良郎  
代理人 村松 貞男  
代理人 白根 俊郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ