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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 F24F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24F
管理番号 1092777
審判番号 不服2002-14035  
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-07-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-07-25 
確定日 2004-03-04 
事件の表示 平成9年特許願第348152号「空気調和機」拒絶査定に対する審判事件[平成11年7月6日出願公開、特開平11-182895]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年12月17日の出願であって、平成14年6月18日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年8月26日付で手続補正がなされたものである。
2.平成14年8月26日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年8月26日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のように補正された。「【請求項1】圧縮機、凝縮器、膨張弁及び前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次配管で接続して冷媒を循環される冷媒回路と、前記圧縮機の吸入部に接続されたアキュムレータと、前記冷媒回路に設けられ、前記蒸発器の出口側、前記アキュムレータの入口側、前記圧縮機の吐出側および前記凝縮器の入口側にそれぞれ接続された四方弁と、前記膨張弁をバイパスする開閉弁を有した膨張弁バイパス回路と、空調空間の空気を前記蒸発器に送風する蒸発器用ファンと、外気を前記凝縮器に送風する凝縮器用ファンと、前記空調空間の空気温度を検知する温度センサとを備え、前記冷媒としてフロンR410A(R32/R125=50/50重量%)を用いて、強制循環運転から自然循環運転に切換える際に、前記開閉弁を開として前記膨張弁バイパス回路を接続すると共に前記四方弁で前記圧縮機と前記アキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成し、前記温度センサにより検知した空調対象空間の温度に基づいて前記凝縮器用ファンと前記蒸発器用ファンのうち少なくとも一方のファンの風量を可変としたことを特徴とする空気調和機。」
これを補正前の請求項1の記載と対比すると、請求項1について、「強制循環運転の際には前記開閉弁を閉として前記膨脹弁を接続すると共に、前記四方弁で前記蒸発器と前記アキュムレータを接続しかつ前記圧縮機と前記凝縮器を接続して冷媒回路を構成すること」なる構成、すなわち、補正前の発明を特定するために必要な事項を削除する補正を含むものとなっている。
(2)補正の適否
上記補正は、発明を特定する事項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。
また、この補正は、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明、又は請求項の削除のいずれを目的とするものにも該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項の規定により読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
3.本願発明について
平成14年8月26日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成14年3月22日付の手続補正の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものである(以下、「本願発明」という。)。
「圧縮機、凝縮器、膨張弁及び前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記圧縮機の吸入部に接続されたアキュムレータと、前記冷媒回路に設けられ、前記蒸発器の出口側、前記アキュムレータの入口側、前記圧縮機の吐出側および前記凝縮器の入口側にそれぞれ接続された四方弁と、前記膨張弁をバイパスする開閉弁を有した膨張弁バイパス回路とを備え、自然循環運転の際には前記開閉弁を開として前記膨張弁バイパス回路を接続すると共に前記四方弁で前記圧縮機と前記アキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成し、強制循環運転の際には前記開閉弁を閉として前記膨張弁を接続すると共に、前記四方弁で前記蒸発器と前記アキュムレータを接続しかつ前記圧縮機と前記凝縮器を接続して冷媒回路を構成することを特徴とする空気調和機。」
(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-264620号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。
・「【請求項1】冷媒液が冷媒ガスとなる際の気化熱を被冷却部から吸収する蒸発器と、この蒸発器に接続され冷媒ガスを上昇させるガス配管と、このガス配管に接続されこれにより導かれた冷媒ガスを液化して冷媒液とする凝縮器と、この凝縮器に接続されこれにより生成された冷媒液を重力によって下降させて前記蒸発器へ導く液配管と、この液配管の途中に挿入され冷媒液を減圧する膨張弁と、前記ガス配管の途中に挿入され冷媒ガスを断熱的に圧縮する圧縮機と、これをバイパスする圧縮機バイパス管と、冷媒ガス流路を圧縮機経由と圧縮機バイパス管経由とのいずれかに切り換えるガス流路切換手段とを含み、冷媒循環系を蒸気圧縮冷凍サイクルと自然循環ループとに切り換え可能な冷房装置において、前記膨張弁をバイパスする液配管である膨張弁バイパス管と、冷媒液流路を前記膨張弁を通る液配管と前記膨張弁バイパス管との間で任意に制御できる冷媒液流路制御手段と、を有することを特徴とする冷房装置。【請求項2】請求項1記載の冷房装置において、前記冷媒流路制御手段は、前記膨張弁に流れる冷媒液を自然循環ループによる運転時には遮断する液配管弁と、前記膨張弁バイパス管を開閉する弁であって自然循環ループによる運転時には開くバイパス液配管弁と、を有することを特徴とする冷房装置。」(特許請求の範囲【請求項1】、【請求項2】)
・「さて本装置の自然循環ループの大半は以上述べた蒸気圧縮冷凍サイクルと共通である。自然循環ループは、1つには従来技術同様、サクションアキュムレータ76と圧縮機72とをバイパス管78でバイパスする点、もう1つには膨張弁54をバイパス管56でバイパスする点が蒸気圧縮冷凍サイクルと異なる。この後者は本装置の特徴的な点である。・・・(中略)・・・。室外ユニット70内において圧縮機72をバイパスする部分の冷媒ガス流路の制御は切換弁80、82により行われる。本装置を蒸気圧縮冷凍サイクルとして運転する場合、すなわち強制循環運転では、切換弁80を開き、切換弁82を閉じる。これにより、蒸発器52からの冷媒ガスは圧縮機72に導かれる。一方、本装置を自然循環ループに切り換える場合には、切換弁80を閉じ、切換弁82を開く。これにより、蒸発器52からの冷媒ガスは圧力損失の少ないバイパス管78を経由して直接、凝縮器74に導かれる。また強制循環運転時に冷却されたサクションアキュムレータ76に、それより温度の高い自然循環運転時の冷媒ガスが流入し液化してその中に滞留するということが防止される。室内ユニット50内において膨張弁54をバイパスする部分の冷媒液流路の制御は液配管弁58、バイパス液配管弁60により行われる。強制循環運転時は、液配管弁58を開き、バイパス液配管弁60を閉じる。これにより、凝縮器74からの冷媒液は膨張弁54に導かれる。一方、自然循環ループを使用する場合には、液配管弁58を閉じ、バイパス液配管弁60を開く。これにより、凝縮器74からの冷媒液は、直接、蒸発器52に導かれる。」(段落【0020】〜【0022】)
・「本装置ではさらに、自然循環ループにおいては、冷媒圧の圧力段差を生じさせる膨張弁54をバイパスして圧力損失を低減することとした。また、同様の理由で自然循環ループの冷媒流路に位置するバイパス液配管弁60及び切換弁82には、圧力損失の低い弁、例えばボールバルブなどを使用するのがよい。本装置では、例えば流路に設けられた閉止板をギヤドモーターで回転して開閉する機構を有する弁を用いる。この弁は開状態では、閉止板が流れに平行になるので圧力損失が小さい。このようにバイパス液配管弁60には開状態での圧力損失が小さい弁が特に適しているが、必ずしもそれに限られず十分な冷媒循環駆動力が得られるなら多少の圧力損失は許容される。ちなみに、蒸気圧縮冷凍サイクルの冷媒流路に位置する液配管弁58、切換弁80は流路を遮断できればよく、開状態での圧力損失はあまり問題にならず様々な弁を用いることができる。ここでは、低価格なソレノイドバルブが用いられている。これは、ポートに対してニードルが電磁力によって開閉される電磁弁である。」(段落【0024】)
以上の記載によれば、引用例には、圧縮機、凝縮器、膨脹弁、及び前記凝縮器より下方に配置した蒸発器を順次配管して冷媒を循環させる冷媒循環系と、前記圧縮機の入口側に接続されたサクションアキュムレータと、前記冷媒循環系に設けられ、前記蒸発器の出口側、前記サクションアキュムレータの入口側、前記圧縮機の吐出側および前記凝縮器の入口側にそれぞれ接続された切換弁(80)、(82)と、前記膨脹弁をバイパスするバイパス液配管弁とを有したバイパス管とを備え、自然循環ループの際には前記バイパス液配管弁を開として前記バイパス管を接続すると共に前記切換弁(82)で前記圧縮機と前記サクションアキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成し、蒸気圧縮サイクルの際には前記バイパス液配管弁を閉として前記膨脹弁を接続すると共に、前記切換弁(80)で前記蒸発器と前記サクションアキュムレータを接続して冷媒回路を構成することを特徴とする冷房装置が記載されている。
(2)対比・判断
本願発明(前者)と引用例記載の発明(後者)とを対比すると、後者の「冷媒循環系」は、前者の「冷媒回路」に、以下、「圧縮機の入口側」は「圧縮機の吸入部」に、「サクションアキュムレータ」は「アキュムレータ」に、「バイパス液配管弁」は「開閉弁」に、「バイパス管」は「膨脹弁バイパス回路」に、「自然循環ループの際」は「自然循環運転の際」に、「蒸気圧縮サイクルの際」は「強制循環運転の際」に、「冷房装置」は「空気調和機」に、それぞれ相当している。そして、後者の蒸発器は膨脹弁の次であって凝縮器よりも下方に配置されていることは明らかである。
したがって、両者は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び前記凝縮器よりも下方に配置した蒸発器を順次配管で接続して冷媒を循環させる冷媒回路と、前記圧縮機の吸入部に接続されたアキュムレータと、前記冷媒回路に設けられ、前記蒸発器の出口側、前記アキュムレータの入口側、前記圧縮機の吐出側および前記凝縮器の入口側にそれぞれ接続された弁と、前記膨張弁をバイパスする開閉弁を有した膨張弁バイパス回路とを備え、自然循環運転の際には前記開閉弁を開として前記膨張弁バイパス回路を接続すると共に前記弁で前記圧縮機と前記アキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成し、強制循環運転の際には前記開閉弁を閉として前記膨張弁を接続すると共に、前記弁で前記蒸発器と前記アキュムレータを接続しかつ前記圧縮機と前記凝縮器を接続して冷媒回路を構成することを特徴とする空気調和機の点で一致し、次の点で相違している。
[相違点]
前者が、蒸発器の出口側、アキュムレータの入口側、圧縮機の吐出側および凝縮器の入口側にそれぞれ接続された弁を四方弁とし、自然循環運転の際には四方弁で圧縮機とアキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成すると共に、強制循環運転の際には四方弁で蒸発器とアキュムレータを接続しかつ圧縮機と凝縮器を接続して冷媒回路を構成するものであるのに対し、後者が、蒸発器の出口側、アキュムレータの入口側、圧縮機の吐出側および凝縮器の入口側にそれぞれ接続された弁を切換弁とし、自然循環の際には一方の切換弁で圧縮機とアキュムレータをバイパスする冷媒回路を構成すると共に、強制循環運転の際には他方の切換弁で蒸発器とアキュムレータを接続しかつ圧縮機と凝縮器を接続して冷媒回路を構成するものである点。
そこで、上記相違点について検討する。
空気調和機の分野において、熱交換器への冷媒流路の方向を切り換える弁として四方弁を用いることは、本願出願前、周知の技術である(必要であれば、特開平8-178358号公報、特開平6-337138号公報、特開平7-301433号公報参照。)。
そして、上記相違点についての構成上の差異は、実質的に、切換弁を用いるか、四方弁を用いるかの差異に基づくものであり、引用例記載の発明における切換弁に替えて四方弁を用いる程度のことは、当業者であれば、必要に応じて容易に想到しえたことである。
また、四方弁を用いたことにより引用例記載の発明及び周知技術から予測することのできない格別の作用効果を奏するものとも認められない。
したがって、本願発明は、引用例記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-12-24 
結審通知日 2004-01-06 
審決日 2004-01-19 
出願番号 特願平9-348152
審決分類 P 1 8・ 572- Z (F24F)
P 1 8・ 121- Z (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 近藤 裕之青木 良憲  
特許庁審判長 橋本 康重
特許庁審判官 岡本 昌直
今井 義男
発明の名称 空気調和機  
代理人 高瀬 彌平  
代理人 宮田 金雄  

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