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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 C23C |
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管理番号 | 1093104 |
異議申立番号 | 異議2002-71349 |
総通号数 | 52 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-08-09 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-05-27 |
確定日 | 2004-01-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3231900号「成膜装置」の請求項1、3、4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3231900号の請求項1、3、4に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.訂正の適否についての判断 1-1.訂正の内容 平成14年12月24日になされた訂正の内容は、以下の通りである。 訂正事項a 特許請求の範囲の記載について、 「【請求項1】 スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きくして位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項2】 ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項3】 基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項4】 基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項5】 スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項6】 ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項7】 基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項8】 基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。」 という記載を、 「【請求項1】スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項2】ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項3】基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項4】基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項5】スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との間の距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項6】ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項7】基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項8】基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。」 と訂正する。 訂正事項(b) 明細書の段落【0006】の記載について、 「【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きくして位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。 本発明の第1の発明では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けら得る。 また、基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。 さらに、本発明の第1の発明では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けら得る。 また、本発明の第2の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。 本発明の第2の発明による装置では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられ得る。 また、基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。 さらに、本発明の第2の発明による装置では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられ得る。」 という記載を、 「【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。本発明の第1の発明では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられ得る。また、基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。さらに、本発明の第1の発明では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられ得る。また、本発明の第2の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。本発明の第2の発明による装置では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられ得る。また基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。さらに、本発明の第2の発明による装置では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられ得る。」 と訂正する。 訂正事項(c) 明細書の段落【0008】の記載について、 「【実施例】 以下添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。 図1には本発明の一実施例を示し、5は真空槽で、放電ガス導入口6及び真空排気口7を備えている。真空槽5内にはターゲット8の装着されるターゲット電極9と基板10の装着される基板ホルダ11が対向して配置されている。ターゲット電極9は一方では高周波フィルタ12を介して直流電源13にまた整合回路14を介して高周波電源15に接続されている。ターゲット電極9の裏面には磁石16が配置されている。 図示実施例では、ターゲット8は直径250mm 、基板10は直径150mmの寸法であり、ターゲット8と基板10との距離は、基板10の直径150mmより長く、150mm〜1000mmになるように設定されている。真空槽1内は真空排気口7を介して真空ポンプ(図示してない)により減圧状態にされ、そして放電ガス導入口6からはアルゴンガスが導入され、真空槽1内が2〜5×10-2Pa台となるように排気速度とガス導入量とが調節される。ターゲット電極9には直流電源12から直流負電圧約400V、電流約10Aがまた高周波電源14からは100MHz、1.5KWの高周波電力が印加されるように構成されている。」 という記載を、 「【発明の実施例】 以下添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。 図1には本発明の一実施例を示し、5は真空槽で、放電ガス導入口6及び真空排気口7を備えている。真空槽5内にはターゲット8の装着されるターゲット電極9と基板10の装着される基板ホルダ11が対向して配置されている。ターゲット電極9は一方では高周波フィルタ12を介して直流電源13にまた整合回路14を介して高周波電源15に接続されている。ターゲット電極9の裏面には磁石16が配置されている。 図示実施例では、ターゲット8は直径250mm 、基板10は直径150mmの寸法であり、ターゲット8と基板10との距離は、基板10の直径150mmより長く、150mm〜1000mmになるように設定されている。真空槽1内は真空排気口7を介して真空ポンプ(図示してない)により減圧状態にされ、そして放電ガス導入口6からはアルゴンガスが導入され、真空槽1内が2〜5×10-2Pa台となるように排気速度とガス導入量とが調節される。ターゲット電極9には直流電源12から直流負電圧約400V、電流約10Aがまた高周波電源14からは100MHz、1.5KWの高周波電力が印加されるように構成されている。」 と訂正する。 訂正事項(d) 明細書の段落【0011】の記載について、 「【0011】 図2には本発明の別の実施例を示し、図1の装置に対応した部分は図1と同じ符号で示す。この実施例では、基板10の表面及び各穴内に堆積した膜をリフローイングさせて各穴の中まで完全に穴埋めするため、基板ホルダ11に基板加熱用のヒータ17が組み込まれ、このヒータ17は外部ヒータ電源18によって付勢されるように構成されている。」 という記載を、 「【0011】 図2には本発明の別の実施例を示し、図1の装置に対応した部分は図1と同じ符号で示す。この実施の形態では、基板10の表面及び各穴内に堆積した膜をリフローイングさせて各穴の中まで完全に穴埋めするため、基板ホルダ11に基板加熱用のヒータ17が組み込まれ、このヒータ17は外部ヒータ電源18によって付勢されるように構成されている。」 と訂正する。 1-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 訂正事項(a)は、特許請求の範囲の記載を訂正するものであり、具体的には、特許請求の範囲請求項1の「ターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きくして位置決めされた」という記載を「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされた」と訂正し、請求項5の「かつターゲットと基板との距離が」という記載を「かつターゲットと基板との間の距離が」と訂正するものである。 そして、そのような訂正のうち、請求項1における「少なくとも基板の直径より大きくして位置決めされた」という記載を「少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされた」と訂正するものは、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、請求項1及び請求項5における「ターゲットと基板との距離」という記載を「ターゲットと基板との間の距離」と訂正するものは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、かつ、訂正事項(a)は、特許明細書の段落【0008】に記載されていたことであるから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものである。 訂正事項(b)は、発明の詳細な説明を訂正するものであり、訂正事項(a)により特許請求の範囲が訂正されたことに伴って、明細書の発明の詳細な説明における特許請求の範囲に対応する記載を訂正すると共に、「直流電源及び高周波電源が設けら得る。」(特許明細書段落【0006】第11行、特許公報第3ページ第5欄第19行)、「高周波バイアス電源が設けら得る。」(特許明細書段落【0006】第14行、特許公報第3ページ第5欄第22行〜第23行)という記載を、それぞれ「直流電源及び高周波電源が設けられ得る。」、「高周波バイアス電源が設けられ得る。」と訂正するものである。 そして、そのような訂正のうち、特許請求の範囲が訂正されたことに伴って、明細書の発明の詳細な説明における特許請求の範囲に対応する記載を訂正するものは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、特許明細書段落【0006】第11行及び第14行の「設けら得る。」という記載を「設けられ得る。」と訂正するものは、誤記の訂正を目的とするものである。 訂正事項(c)及び訂正事項(d)は、いずれも発明の詳細な説明を訂正するものであり、訂正事項(c)は、「【実施例】」(特許明細書段落【0008】第1行、特許公報第3ページ第6欄第15行)という記載を「【発明の実施例】」と訂正し、訂正事項(d)は、「この実施例では、」(特許明細書段落【0011】第2行、特許公報第4ページ第7欄第22行〜第23行)という記載を「この実施の形態では、」と訂正するものであり、いずれも明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項(b)ないし訂正事項(d)は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でなされたものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 1-3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 2.特許異議申立についての判断 2-1.本件発明 上記「1.訂正の適否についての判断」で示したように、平成14年12月24日になされた訂正は認められるから、訂正後の本件請求項1ないし請求項8に係る発明(以下、「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明8」という)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲請求項1ないし請求項8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項2】ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項3】基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項4】基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項5】スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との間の距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項6】ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項7】基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項8】基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。」 2-2.取消理由通知の概要及び取消理由通知で引用された刊行物に記載された発明 当審が平成14年10月9日付けで通知した取消の理由は、本件の請求項1,請求項3及び請求項4に係る発明は、取消理由通知で引用した引用刊行物1(特開昭64-28369号公報、特許異議申立人が提出した甲第1号証)、引用刊行物2(特開昭60-43481号公報、特許異議申立人が提出した甲第2号証)、引用刊行物3(VAKUUM-TECHNIK Vol.37 No.2,p.48-53(1988)、特許異議申立人が提出した甲第3号証)、引用刊行物4(米国特許第3461054号明細書、特許異議申立人が提出した甲第4号証)に記載された発明(以下、「引用刊行物1発明」ないし「引用刊行物4発明」という)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるというものである。 そして、上記引用刊行物1ないし引用刊行物4には、以下の事項が記載されている。 引用刊行物1(特開昭64-28369号公報) (1-A)「排気系に接続されている真空槽内に、対向するように設置された陰極ターゲット及び陽極と、上記陰極ターゲットと陽極間に接続される電源と、上記陰極ターゲット近傍に電界と直交する磁界を発生させるよう配置された磁石を備え、上記陰極ターゲットと対向する陽極近傍の基板上に、被スパッタリング粒子を堆積させるように構成するとともに、上記陰極ターゲット近傍に、雰囲気ガス導入口および排気口を備えてなるマグネトロンスパッタリング装置。」(特許請求の範囲) (1-B)「本発明はマグネトロンスパッタリング装置に関し、特にステップカバレッジの特性改善が図れるマグネトロンスパッタリング装置に関するもので ある。」(第1ページ左下欄第17行〜第20行) (1-C)「コンタクトホール等微小段差形状のステップカバレッジ(段差被覆性)の改善は、電離した雰囲気ガスをターゲットに衝突させて、ターゲット材料を被スパッタリング粒子として飛散させ、堆積膜を形成するスパッタリング法において、雰囲気ガスをターゲット近傍に局所化することによって、前記被スパッタリング粒子が雰囲気ガスによって散乱されることが少なく、基板へ垂直に近い入射角度で到達することができる。したがって、コンタクトホール等微小段差形状の開口部に付着することなく、底部へ達することが可能となる。」(第2ページ右上欄第19行〜左下欄第9行) (1-D)「第1図は、本発明の一実施例の雰囲気ガスの局所化を可能とするマグネトロンスパッタリング装置の構造図である。11は基板、12は陽極、13はターゲット、14は陰極、15は電磁石またはソレノイドコイル、16はガス導入口A、17はガス排気口A、18はガス導入口B、19はガス排気口Bである。」(第2ページ左下欄第13行〜第19行) (1-E)「第1図に示す本発明ではガス導入口A16とガス排気口A17を用いて、ターゲット近傍に、雰囲気ガス(例えばAr)を局所化し(1×10-2Torr)、ターゲット13裏側の電磁石または、ソレノイド15による磁界および陰極14と陽極12間の電界による直交電磁界によってマグネトロン状態と することができる。しかし、基板11とターゲット13間は、ガス排気口B19によって低圧(1×10-4Torr)とすることができる。 ターゲット近傍のプラズマ領域の厚さに比べて、基板11とターゲット13間の距離は、十分長いため、基板11へ到達する被スパッタリング粒子は、基板に対して垂直に到達する。 第2図に本発明のマグネトロンスパッタリング装置のターゲット13より飛来した被スパッタリング粒子100が、コンタクトホール30等の段差形状に堆積していく様子を示している。堆積して行く被スパッタリング粒子100は、垂直な入射角を有しているため、段差形状の底部より徐々に付着して行く。即ち、微小なコンタクトホール等段差形状内部へも、被スパッタリング粒子の埋め込みが可能となる。」(第2ページ右下欄第14行〜第3ページ左上欄第15行) (1-F)「第1図」に、「マグネトロンスパッタリング装置の構造図」が記載されている。 「 」 引用刊行物2(特開昭60-43481号公報) (2-A)「高真空下においてターゲットを構成する物質をスパッターさせ、基体の被着面にスパッター粒子を被着させて被膜を形成するスパッタリング法において、ターゲットからスパッターされたスパッター粒子を高周波プラズマ中に通して励起させることを特徴とするスパッタリング法。」(特許請求の範囲) (2-B)「本発明においては、上記した各種スパッタリング法において、スパッター粒子の運動エネルギーを高め、活性化を計るために、基体が配される陽極とターゲットの間に高周波プラズマ励起用コイル又はリングを配置し、この高周波コイル又はリングによって発生されるプラズマ中をスパッター粒子が通過して基体の被着面に到達する様にする。この高周波コイル又はリングは陽極とターゲット(陰極)との間であればよいものであるが、好ましくはターゲット側に近づけて、更に好ましくは局在化したターゲットのプラズマの外側に配するのが最適である。」(第3ページ左上欄第1行〜第12行) (2-C)「又、1×10-4Torr台の高真空でスパッターが可能であるため、ターゲットと基体との間の距離を大きくとることができ、大面積の基体の被着面への膜形成を均一な膜厚分布をもって行うことができる。」(第3ページ右上欄第14行〜第18行) (2-D)「実施例1 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DCスパッター装置の真空槽内にターゲットとの距離が14cmとなる様に配置した。上記ターゲットとしては、純度99.9%、直径202mm、厚さ5mmの金属チタン円板を用いた。又、高周波プラズマ励起用コイルはターゲットとガラス板の間に該ガラス板の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。」(第5ページ右下欄第17行〜第6ページ左上欄第7行) 引用刊行物3(VAKUUM-TECHNIK Vol.37 No.2,p.48-53(1988)) (3-A)「a(粒子放出の角度分布パラメータ)を決定するにあたって、堆積速度を実験により正確に決定する可能性を高めるよう基板の幾何学的配置を選択した。12枚の平面状シリコン基板(直径2cm)を、ターゲットの前に7cmの距離をおいて平坦なトラック上に配置した。こうした条件の下(図1によるところのz基板方向)では、粒子流密度のz成分のみが堆積速度に寄与する。4kWの一定出力とアルゴン圧力0.10、0.31及び0.85Paで堆積を行った。Tiラインのプラズマ放出強度が一定になるようにN2流を制限した。(純粋アルゴン中でスパッタリングすることによって)化学混合物TiN層に加えて金属のTi層も作製した。堆積速度は、スパッタ時間及び基板当たりの層質量で決まる。本研究は、相対的概念にのみ関係付けられているので、理想的な中央位置(つまり上部にあるターゲット中央に対して垂直位置)にある基板に対して決まる値が意味ある堆積速度とされる。」(第50ページ右欄第2行〜第51ページ左欄第10行) 引用刊行物4(米国特許第3461054号明細書) (4-A)「本発明の方法の次ステップには、基板ホルダー15及び基板17に電圧を印加することが含まれる。これにより、基板ホルダー15及び基板17は、アース電立に維持されるか、あるいはベース板14に対して電気的に負又は正になっていることは上述の通りである。これは、上述の通り、ホルダー15に、(a)アース電圧を印加する、(b)正又は負の直流電位差をかける、(c)交流電圧を印加する、(d)高周波電圧を印加する、又は(e)高周波及び直流電圧を印加することにより達成される。」(第3欄第14行〜第22行) ここで、引用刊行物1(1-A)、(1-B)の記載からみて、引用刊行物1には、「排気系に接続されている真空槽内に、対向するように設置された陰極ターゲット及び陽極と、上記陰極ターゲットと陽極間に接続される電源と、上記陰極ターゲット近傍に電界と直交する磁界を発生させるよう配置された磁石を備え、上記陰極ターゲットと対向する陽極近傍の基板上に、被スパッタリング粒子を堆積させるように構成するとともに、上記陰極ターゲット近傍に、雰囲気ガス導入口および排気口を備えてなるマグネトロンスパッタリング装置」が記載されており、当該「マグネトロンスパッタリング装置」は、「ステップカバレッジの特性改善」が図れるものである。 そして、引用刊行物1(1-C)の記載からみて、上記「ステップカバレッジの特性改善」は、「雰囲気ガスをターゲット近傍に局所化する」ことによって、「被スパッタリング粒子が雰囲気ガスによって散乱されることが少なく、基板へ垂直に近い入射角度で到達する」ことにより可能となるものであって、具体的には、引用刊行物1(1-D)ないし(1-F)の記載からみて、上記「マグネトロンスパッタリング装置」は、「基板」、「陽極」、「ターゲット」、「陰極」、「電磁石またはソレノイドコイル」、「ガス導入口A」、「ガス排気口A」、「ガス導入口B」、「ガス排気口B」及び「真空槽」を有していて、上記「基板」は「陽極」に、「ターゲット」は「陰極」に、それぞれ装着され、上記「陽極」及び「陰極」は、「ガス導入口A」、「ガス排気口A」、「ガス導入口B」及び「ガス排気口B」を備える「真空槽」内に対向して配置されるものであり、そのような「マグネトロンスパッタリング装置」において、「ターゲット近傍に、雰囲気ガス(例えばAr)を局所化(1×10-2Torr)」し、「基板11とターゲット13間は、ガス排気口B19によって低圧(1×10-4Torr)」とすると、「ターゲット近傍のプラズマ領域の厚さに比べて、基板11とターゲット13間の距離は、十分長いため、基板11へ到達する被スパッタリング粒子は、基板に対して垂直に到達する」ことにより、「堆積して行く被スパッタリング粒子100は、垂直な入射角を有しているため、段差形状の底部より徐々に付着」して行き、「微小なコンタクトホール等段差形状内部へも、被スパッタリング粒子の埋め込みが可能となる」ものである。 ここで、「ターゲット近傍に、雰囲気ガス(例えばAr)を局所化(1×10-2Torr)」し、「基板11とターゲット13間は、ガス排気口B19によって低圧(1×10-4Torr)」とすることは、すなわち、「真空槽」が、スパッタリング成膜時に、ターゲット近傍は1×10-2Torrの圧力に維持され、基板とターゲット間は1×10-4Torrの圧力に維持されることを意味し、かつ、「ターゲット近傍のプラズマ領域の厚さに比べて、基板11とターゲット13間の距離は、十分長いため、基板11へ到達する被スパッタリング粒子は、基板に対して垂直に到達する」場合には、「陰極」及び「陽極」は、「ターゲット」から飛び出した原子が「基板」に対して垂直に近い角度で入射するように、「基板」と「ターゲット」間の距離が、「ターゲット」近傍のプラズマ領域の厚さに比べて十分長くなるように位置決めされるものである。 そこで、引用刊行物1発明を、本件訂正発明1の記載ぶりに則って整理すると、引用刊行物1には、 「スパッタリングにより基板上の微小なコンタクトホール等段差形状内部へ、被スパッタリング粒子の埋め込みを行うようにしたマグネトロンスパッタリング装置において、 ガス排気口A、B及びガス導入口A、Bを備え、スパッタリング成膜時には、ターゲット近傍は1×10-2Torrの圧力に維持され、基板とターゲット間は1×10-4Torrの圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するように、基板とターゲット間の距離が、ターゲット近傍のプラズマ領域の厚さに比べて十分長くなるように位置決めされた陰極及び陽極とを有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置」 の発明が記載されていると云える。 2-3.対比 引用刊行物1(1-C)の記載からみて、引用刊行物1発明における「スパッタリング装置」は、「基板」上に「ターゲット材料」の「堆積膜」を形成するものであるから、本件訂正発明1における「成膜装置」に相当し、かつ、「基板上の微小なコンタクトホール」は、「基板上の微細な穴」であるから、「基板上の微小なコンタクトホール等段差形状内部へ、被スパッタリング粒子の埋め込みを行う」ことは、「基板上の微細な穴埋めを行う」ことであると云える。 また、引用刊行物1(1-D)ないし(1-F)の記載からみて、引用刊行物1発明における「ガス排気口A、B」は、真空槽に備えられて当該真空槽内部を真空排気するものであり、「ガス導入口A、B」は、真空槽に備えられて当該真空槽に放電ガスを導入するものであるから、当該「ガス排気口A、B」及び「ガス導入口A、B」は、それぞれ、本件訂正発明1における「真空排気部」及び「放電ガス導入部」に相当し、かつ、引用刊行物1発明における圧力の単位を「Pa」に直すと、ターゲット近傍の圧力及び基板とターゲット間の圧力は、それぞれ「1.3Pa」及び「1.3×10-2Pa」である。 さらに、引用刊行物1発明における「陰極」及び「陽極」は、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着されものであるから、それぞれ、本件訂正発明1における「ターゲット電極」及び「基板電極」に相当する。 そうすると、引用刊行物1には、「スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には、ターゲット近傍は1.3Paの圧力に維持され、基板とターゲット間は1.3×10-2Paの圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するように、基板とターゲット間の距離が、ターゲット近傍のプラズマ領域の厚さに比べて十分長くなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有することを特徴とする成膜装置」が記載されていると云える。 そこで、本件訂正発明1と、引用刊行物1発明とを比較すると、両者は、「スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備える真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有することを特徴とする成膜装置」である点で一致し、 相違点1 本件訂正発明1においては、真空槽が、スパッタリング成膜時に「1×10-1Pa以下の圧力に維持」されるのに対して、引用刊行物1発明においては、真空槽が、スパッタリング成膜時に「ターゲット近傍は1.3Paの圧力に維持され、基板とターゲット間は1.3×10-2Paの圧力に維持」される点、 相違点2 本件訂正発明1は、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極」を有するのに対して、引用刊行物1発明が、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極」を有するとは云えない点 で相違している。 2-4.判断 まず、上記相違点1について検討する。 引用刊行物2(2-A)、(2-C)、(2-D)の記載からみて、引用刊行物2には、「高真空下においてターゲットを構成する物質をスパッターさせ、基体の被着面にスパッター粒子を被着させて被膜を形成するスパッタリング法において、ターゲットからスパッターされたスパッター粒子を高周波プラズマ中に通して励起させることを特徴とするスパッタリング法」の発明が記載されており、当該「スパッタリング法」は、「1×10-4Torr台の高真空でスパッターが可能であるため、ターゲットと基体との間の距離を大きくとることができ、大面積の基体の被着面への膜形成を均一な膜厚分布をもって行うことができる」ものであって、具体的には、「ガラス板(寸法:75mm×75mm×2mm)」を、「マグネトロン型DCスパッター装置」の「真空槽」内に、「ターゲット」との距離が14cmとなる様に配置してスパッタリングを行うものである。 そして、「マグネトロン型DCスパッター装置」は「成膜装置」であり、「1×10-4Torr」は「1.3×10-2Pa」であるから、引用刊行物2発明は、真空槽が、スパッタリング成膜時に「1×10-1Pa以下の圧力に維持される」「成膜装置」であると云える。 ところが、引用刊行物2(2-B)、(2-D)の記載からみて、引用刊行物2発明は、「スパッター粒子の運動エネルギーを高め、活性化を計るために、基体が配される陽極とターゲットの間に高周波プラズマ励起用コイル又はリングを配置」するものであり、当該「高周波プラズマ励起用コイル又はリング」によりスパッター粒子を励起することにより、「1×10-4Torr台の高真空」でのスパッターを可能とするものである。 そうすると、引用刊行物2発明は、基体が配される「陽極」と「ターゲット」の間に、スパッター粒子を励起する「高周波プラズマ励起用コイル又はリング」を配置することにより、「1×10-4Torr台の高真空」でのスパッターを可能とするものである。 また、引用刊行物2発明は、「基板上の微細な穴埋め」を行うものではない。 一方、引用刊行物1発明は、そのような「高周波プラズマ励起用コイル又はリング」を有するものではないから、たとえ引用刊行物2発明において、真空槽がスパッタリング成膜時に「1×10-1Pa以下の圧力に維持される」ことが云えるとしても、「高周波プラズマ励起用コイル又はリング」を有しない引用刊行物1発明において、真空槽を、スパッタリング成膜時に「1×10-1Pa以下の圧力に維持」することにより「基板上の微細な穴埋めを行う」ことを、上記引用刊行物2発明に基づいて当業者が容易になし得るとは云えない。 更に、引用刊行物3発明及び引用刊行物4発明は、真空槽を、スパッタリング成膜時に「1×10-1Pa以下の圧力に維持」するものではない。 次に、上記相違点2について検討する。 上記のとおり、引用刊行物2発明は「成膜装置」であって、かつ引用刊行物2(2-C)、(2-D)の記載からみて、引用刊行物2発明は、「ターゲットと基体との間の距離を大きくとる」ものであり、具体的には、「ガラス板(寸法:75mm×75mm×2mm)」を「ターゲットとの距離が14cmとなる様に配置」するものである。 そして、引用刊行物2発明における「ターゲット」及び「基体」は、それぞれ本件訂正発明1における「ターゲット」及び「基板」に相当し、かつ上記「ターゲット」及び「基体」は、それぞれ「ターゲット電極」及び「基板電極」に装着されるものであるから、引用刊行物2発明は、「ターゲット電極」及び「基板電極」が、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決め」された「成膜装置」であると云える。 また、引用刊行物3(3-A)の記載からみて、引用刊行物3発明は、「純粋アルゴン中でスパッタリング」するものであって、「12枚の平面状シリコン基板(直径2cm)を、ターゲットの前に7cmの距離をおいて平坦なトラック上に配置」してスパッタリングを行うものである。 そして、「純粋アルゴン中でスパッタリング」する装置は「成膜装置」と云え、引用刊行物3発明における「平面状シリコン基板」及び「ターゲット」は、それぞれ本件訂正発明1における「基板」及び「ターゲット」に相当し、かつ上記「平面状シリコン基板」及び「ターゲット」は、それぞれ「基板電極」及び「ターゲット電極」に装着されるものであるから、引用刊行物3発明もまた、「ターゲット電極」及び「基板電極」が、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決め」された「成膜装置」であると云える。 ところが、引用刊行物2及び引用刊行物3には、「ターゲット電極」及び「基板電極」を、「ターゲットと基板との間の距離」が「150mmより大となるように位置決め」することは記載されておらず、かつ、引用刊行物2発明及び引用刊行物3発明は、「基板上の微細な穴埋めを行う」ものでもない。 そうすると、引用刊行物1発明において、「ターゲット電極」及び「基板電極」を、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決め」することにより「基板上の微細な穴埋めを行う」ことを、引用刊行物2発明及び引用刊行物3発明に基づいて当業者が容易になし得るとは云えない。 更に、引用刊行物4発明も、「ターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極」を有するものではない。 そして、本件訂正発明1は、「ターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きく設定」し、「しかもスパッタリング成膜時の真空槽内の圧力を1×10-1Pa以下に維持しているので、スパッタ原子の平均自由行程が長くなり、スパッタ原子がターゲットから出て基板へ到達するまでの飛行中に衝突する確率を低く抑えることができることによってターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射する確率が増大され、その結果基板上の微細な穴の開口付近への堆積は減少され、穴の底への堆積を増大させることができるようになり、基板上の微細な穴埋めを有効に行うことができる」(段落【0015】)という優れた効果を奏するものである。 以上のとおりであるから、本件訂正発明1を、引用刊行物1発明ないし引用刊行物4発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとは云えない。 更に、本件訂正発明3及び本件訂正発明4は、本件訂正発明1の構成要件を全て含み、更に他の構成要件を付加したものに相当するから、本件訂正発明1と同様の理由により、引用刊行物1発明ないし引用刊行物4発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとは云えない。 2-5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件訂正発明1、本件訂正発明3及び本件訂正発明4を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正発明1、本件訂正発明3及び本件訂正発明4についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 成膜装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項2】 ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項3】 基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項4】 基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項1に記載の成膜装置。 【請求項5】 スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、 内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、 真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との間の距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極と を有することを特徴とする成膜装置。 【請求項6】 ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項7】 基板電極が、基板を加熱する基板加熱手段を備えている請求項5に記載の成膜装置。 【請求項8】 基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられている請求項5に記載の成膜装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、特に半導体及び電子機器の製造工程で基板上の微細な穴埋めを行うのに使用される成膜装置に関するものである。 【0002】 【従来技術】 半導体や電子機器等の製造工程では多層配線を行うために薄膜上の小さな穴に金属を埋め込む技術が重要となってきている。この穴埋めの方法としては従来スパッタリング法やCVD法等が知られている。特に、基板上に開いた微細な穴を埋めるには後者のCVD法が有効であるが、金属材料のうちガス化できないものには使用できないという欠点がある。すなわちCVD法はガスの反応により基板上に膜を堆積させるもので、微細な穴でも埋めることができる。しかしながら、CVD法では、反応して堆積物を生成できるガスを作ることが前提条件となる。例えば、Si基板上にTiN膜を成長させる場合にTi膜はTiN/Ti/Siのサンドイッチ構造として必要な膜であるが、Ti膜を成長できるようなガス源は現在のところ提供されてない。そのためこのような場合には物理的な方法であるスパッタリング法に頼るしかないのが実状である。 スパッタリング法においては、真空槽内に成膜させたい物質のターゲットと基板とを対向させて配置し、真空槽内には放電ガスを導入すると共に真空槽内を一定の減圧状態に維持し、ターゲット側に負電圧を印加して放電を起こさせ、放電中の電離されたガス分子(イオン)が負電圧で加速されてターゲットに入射し、ターゲット表面の原子を叩き出し、こうしてターゲットから叩き出され、余弦則によって様々な方向に飛び出していく原子の内の一部が基板上に堆積して薄膜を形成する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 図5のAにはスパッタリング法でターゲットから叩き出された原子が基板1上の微細な各穴2に入る様子を示し、ターゲット原子は矢印3で示すように様々の方向から基板に入射して堆積していく。その結果微細な各穴2の部分の堆積は図5のBに示すように基板1に対して斜め方向から入射してきた原子が穴の開口部付近に堆積し、穴の底の部分にはほとんど堆積しない。従ってこれを加熱してリフローイングしても図5のCに示すように穴2の中にボイドが発生してしまう。またバイアスを掛けた場合でも同様に図5のDに示すように穴2の中にボイドが発生してしまう。従って従来のスパッタリング法では完全な穴埋めはできないという問題があった。 すなわち、従来のスパッタリング装置ではターゲットと基板との間隔は、使用するターゲットの寸法にもよるが数cmから10cm程度までが多く、ほとんどの場合使用される基板の直径より短い。このため基板上に斜めに入射する成分が多くなり上述のような問題が生じていた。図6を参照して基板1対して斜めに入射する場合について考察すると、最も大きな影響の出るのは図5のAに示すようにターゲット4の一端から飛び出した原子が基板1の他端に入射する場合であり、その時の入射角Θは最も小さくなる。図6のBに示すように入射角Θで基板1に入射してくる原子は基板1上の穴2に飛び込むが、その際穴2の径aと深さbとの比b/aと入射角Θとの関係がb/a>tanΘにある場合には穴2に入射した原子は穴2の側壁に付着してしまうものが支配的となる。そこで穴2に入射する原子を全て穴2の底に付着させるためには の関係が成り立たなければ成らない。 またターゲット4から出たターゲット原子は実際には基板1に到達するまでにガス分子と衝突し、進行方向が変わることになる。従来のスパッタリング装置ではスパッタリングは1×10-1Pa以上のガス圧力で行われており、1×10-1Pa以上のガス圧力の時の原子の平均自由行程は数cmであり、これは従来のスパッタリング装置におけるターゲットと基板との間隔にほぼ等しい値である。そのため、ターゲット4から出た原子は一回衝突するかしないかのうちに基板1に到達することになる。平均自由行程がターゲットと基板との間隔より小さな値の場合には、ターゲット原子は基板に到達する前に多数回ガス分子に散乱され、成膜速度が落ちてしまう。 【0004】 この問題を解決して有効な穴埋めを実施できるようにするために、ターゲットと基板との間に、細長い穴を多数設けたフィルタを配置し、基板上の微細な穴に対して垂直方向の気体分子のみを入射させるようにした成膜装置が提案されている(米国特許第4,824,544号明細書参照)。 しかしながら、このような装置ではターゲットから飛び出したスパッタ原子の大部分がターゲットと基板との間に設けたフィルタに付着し、これが基板上に剥がれ落ちてダストとなる問題があった。 【0005】 そこで、本発明は、従来のスパッタリング法による微細な穴埋めに伴う上記の問題点を解決して、ダストの発生等の問題なしに基板上の微細な穴埋めを有効に実施できる成膜装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射するようにターゲットと基板との間の距離を少なくとも基板の直径より大きくしかも150mmより大となるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。本発明の第1の発明では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられ得る。また、基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。さらに、本発明の第1の発明では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられ得る。本発明の第2の発明によれば、スパッタリングにより基板上の微細な穴埋めを行うようにした成膜装置において、内部を真空排気する真空排気部及び内部に放電ガスを導入する放電ガス導入部を備え、スパッタリング成膜時には1×10-1Pa以下の圧力に維持される真空槽と、真空槽内に対向して配置され、それぞれターゲット及び基板が装着され、しかも基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入射角をΘとしたとき、 の関係が成り立つような位置にターゲットと基板とを位置させ、かつターゲットと基板との距離が少なくとも基板の直径より大きくなるように位置決めされたターゲット電極及び基板電極とを有する。本発明の第2の発明による装置では、ターゲット電極に負電圧を印加して高周波・直流結合バイアススパッタリングを行わせる直流電源及び高周波電源が設けられ得る。また基板電極は、基板を加熱する基板加熱手段を備えることができる。さらに、本発明の第2の発明による装置では、基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源が設けられ得る。 【0007】 【作用】 本発明による成膜装置においては、ターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きく設定したことにより、ターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射する確率は増大し、それにより基板上の微細な穴の開口周囲への堆積は減少され、穴の底への堆積を増大させることができるようになる。また、スパッタリング成膜時の真空槽内の圧力を1×10-1Pa以下に維持することにより、スパッタ原子の平均自由行程は長くなり、スパッタ原子がターゲットから出て基板へ到達するまでの飛行中に衝突する確率を低く抑えることができるようになる。さらに、基板を加熱する基板加熱手段または基板電極に高周波バイアス電圧を印加する高周波バイアス電源を設けることにより、前者の場合には基板を加熱してリフローイングさせることまた後者の場合にはバイアスを印加することによって基板の穴の中まで完全に穴埋めすることができるようになる。 【0008】 【発明の実施例】 以下添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。 図1には本発明の一実施例を示し、5は真空槽で、放電ガス導入口6及び真空排気口7を備えている。真空槽5内にはターゲット8の装着されるターゲット電極9と基板10の装着される基板ホルダ11が対向して配置されている。ターゲット電極9は一方では高周波フィルタ12を介して直流電源13にまた整合回路14を介して高周波電源15に接続されている。ターゲット電極9の裏面には磁石16が配置されている。 図示実施例では、ターゲット8は直径250mm、基板10は直径150mmの寸法であり、ターゲット8と基板10との距離は、基板10の直径150mmより長く、150mm〜1000mmになるように設定されている。真空槽1内は真空排気口7を介して真空ポンプ(図示してない)により減圧状態にされ、そして放電ガス導入口6からはアルゴンガスが導入され、真空槽1内が2〜5×10-2Pa台となるように排気速度とガス導入量とが調節される。ターゲット電極9には直流電源12から直流負電圧約400V、電流約10Aがまた高周波電源14からは100MHz、1.5KWの高周波電力が印加されるように構成されている。 【0009】 このように構成した図示装置の動作について説明すると、高周波-直流結合バイアスによるマグネトロン放電が発生され、これにより雰囲気ガスすなわちアルゴンガスのイオン化が促進される。イオン化されたアルゴンガスは、負電圧によって加速され、ターゲット8に入射し、ターゲット8の表面の原子をスパッタする。こうして叩き出された原子は余弦則によって種々の方向へ飛んで行くことになり、その一部は基板10上に堆積して膜を形成する。ここでターゲット8と基板10との距離が1000mmの場合には基板10上に入射するターゲット原子の入射角Θは約85°となる。しかもスパッタリング中の圧力が十分に低いため、ターゲット8から飛び出したターゲット原子の平均自由行程は長くなり、雰囲気ガスと衝突する確率は低下し、その結果基板10に対してほぼ垂直に叩き出された原子はそのまま基板10に入射する確率が高くなる。それにより基板10の穴の開口付近の堆積は減少し、穴の底の部分に基板の表面上の堆積膜の厚さとほぼ同じ厚さに堆積させることができる。 【0010】 成膜圧力を従来のスパッタリング装置で使用されている3×10-1Paにした場合と本発明に従って3×10-2Paにした場合とにおいてターゲット8と基板10との種々の距離における成膜速度を下表に例示する。 この表に示されるように、ターゲット8と基板10との距離が77mmの時(これは通常のスパッタリング装置の場合と同じ程度)には圧力3×10-1Paでは平均自由行程と同程度となるので3×10-2Paの場合と比較して成膜速度にはあまり差がないことが認められる。 距離が300mmになると、圧力3×10-1Paの場合には平均自由行程より十分に長い距離となるので、ターゲットから基板に到達するまでにターゲット原子は散乱され、3×10-2Paの場合と比較して成膜速度が落ちている。 本発明では、成膜圧力を低く設定することにより、ターゲットから基板に到達するまでに散乱されて基板に入射しなくなるのを低減すると共に、散乱されて基板に対して斜めに入射するターゲット原子を低減することができる。 【0011】 図2には本発明の別の実施例を示し、図1の装置に対応した部分は図1と同じ符号で示す。この実施の形態では、基板10の表面及び各穴内に堆積した膜をリフローイングさせて各穴の中まで完全に穴埋めするため、基板ホルダ11に基板加熱用のヒータ17が組み込まれ、このヒータ17は外部ヒータ電源18によって付勢されるように構成されている。 【0012】 図3には本発明のさらに別の実施例を示し、図1の装置に対応した部分は図1と同じ符号で示す。この実施例では、基板10の各穴の中まで完全に穴埋めするため、基板ホルダ11にバイアス電圧を掛けている。すなわち基板ホルダ11には整合回路19を介して高周波バイアス電源20が接続され、高周波電力が印加されるように構成されている。 【0013】 図4には上記各実施例による装置を用いて成膜、穴埋めした状態を示し、Aは成膜中の状態であり、またBは穴埋め後の状態である。これらの図面から穴中にボイドを生じることなしに完全に穴埋めされているのが認められる。 【0014】 ところで図1及び図2に示す実施例では、RF-DC結合バイアススパッタリング装置として構成しているが、1×10-1Pa以下の真空雰囲気中でも放電を維持できるように構成した装置であればいかなる方式のスパッタリング装置として構成してもよい。 【0015】 【発明の効果】 以上説明してきたように、本発明による成膜装置においては、ターゲットと基板との距離を少なくとも基板の直径より大きく設定するかまたは基板上の微細な穴の径をa、深さをbとし、ターゲットからのターゲット原子の基板に対する入 パッタリング成膜時の真空槽内の圧力を1×10-1Pa以下に維持しているので、スパッタ原子の平均自由行程が長くなり、スパッタ原子がターゲットから出て基板へ到達するまでの飛行中に衝突する確率を低く抑えることができることによってターゲットから飛び出した原子が基板に対して垂直に近い角度で入射する確率が増大され、その結果基板上の微細な穴の開口付近への堆積は減少され、穴の底への堆積を増大させることができるようになり、基板上の微細な穴埋めを有効に行うことができる。また本発明による成膜装置においては、基板を加熱してリフローイングさせたり、或いは基板に高周波バイアスをかけることにより、基板上の微細な穴をボイドを生じることなしに完全に穴埋めすることができるようになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例を示す要部の概略部分断面図。 【図2】 本発明の別の実施例を示す要部の概略部分断面図。 【図3】 本発明のさらに別の実施例を示す要部の概略部分断面図。 【図4】 本発明により基板に成膜、穴埋めした状態を示す拡大部分断面図。 【図5】 Aは従来のスパッタリング装置において基板上の微細な穴へ飛来してくるターゲット原子の様子を示す拡大部分断面図。 Bは従来のスパッタリング装置において基板上の微細な穴の穴埋め状態を示す拡大部分断面図。 Cは従来のスパッタリング装置において加熱処理によるリフローイングで得られた基板上の微細な穴の穴埋め状態を示す拡大部分断面図。 Dは従来のスパッタリング装置において高周波バイアスにより得られた基板上の微細な穴の穴埋め状態を示す拡大部分断面図。 【図6】 Aはターゲットから基板へ入射する原子の最小入射角を示す概略正面図。 Bは原子の入射角と基板上の微細な穴の寸法との関係を示す拡大部分断面図。 【符号の説明】 5:真空槽 6:放電ガス導入口 7:真空排気口 8:ターゲット 9:ターゲット電極 10:基板 11:基板ホルダ 12:高周波フィルタ 13:直流電源 14:整合回路 15:高周波電源 16:磁石 17:基板加熱用ヒータ 18:ヒータ電源 19:整合回路 20:高周波バイアス電源 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-12-09 |
出願番号 | 特願平5-162573 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YA
(C23C)
|
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
石井 良夫 |
特許庁審判官 |
金 公彦 岡田 和加子 |
登録日 | 2001-09-14 |
登録番号 | 特許第3231900号(P3231900) |
権利者 | 株式会社アルバック |
発明の名称 | 成膜装置 |
代理人 | 八木田 茂 |
代理人 | 八木田 茂 |
代理人 | 浜野 孝雄 |
代理人 | 森田 哲二 |
代理人 | 浜野 孝雄 |
代理人 | 平井 輝一 |
代理人 | 平井 輝一 |
代理人 | 森田 哲二 |