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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K |
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管理番号 | 1094332 |
審判番号 | 不服2002-20194 |
総通号数 | 53 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-09-02 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-10-17 |
確定日 | 2004-03-25 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第 24079号「カード処理機」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 9月 2日出願公開、特開平 6-243300]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
(手続の経緯、本件発明) 本願は、平成5年2月12日の出願であって、その請求項1乃至3に係るそれぞれの発明は、平成12年12月1日付け、平成14年11月14日付けの各手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)は、次のとおりのものである。 「料金自動収受機において、各種のカードを同一挿入口より取り込めるカード処理機であって、各種のカードを同一挿入口より取り込み同一搬送路で搬送した後、各種のカードの判別を行う判別機能を有すると共に、カード挿入の順序にかかわらず、各種のカードの処理を可能とすることを特徴とするカード処理機。」 (刊行物記載の発明) これに対し、原審において周知技術として引用された特開平4-195490号公報(以下、刊行物1という。)には、乗越精算機に関する発明が記載されており、「第1図の乗越精算機1の内部機構図において、・・・前面の上方に券及びカードの単一の投入口4が、・・・、後部の上方にカード保留部10が、同じく下方に券集札部12を付設した券保留部11が、・・・それぞれ配設されている。」(第4頁右上欄第5〜12行)、「次に、券及びカードは整列搬送部19から中間搬送ベルトを介して磁気情報読み取り部20へ搬送される。磁気情報読取部20は・・・第1磁気ヘッド45、第2磁気ヘッド46及び中間搬送ベルトで構成されている。第1磁気ヘッド45では券であるか、カードであるかを判別し、券である場合に普通券か定期券かを判別し、更に普通券である場合に他社券か自社券を含む他社券以外かを判別すると共に、各券有効区間、乗越区間等の乗越情報を読み取って乗越金額を算出し、精算表示部7等へ伝送する。また第2磁気ヘッド46ではカードに付与された磁気情報が読み取られ、カードの有効残金情報は精算表示部等へ伝送され、前記の乗越金額に対する精算処理内容を表示させる。磁気情報読取り部20で券であると判別されたときは、・・・券保留部11まで搬送され、一時保留される。その間に、該券の乗越金額に対する現金またはカードによる精算処理が行われる。」(第5頁左上欄第12行〜右上欄第15行)、「前記の磁気情報読み取り部20でカードであると判別されてときは、・・・カード保留部10まで搬送される。・・・一時保留されて、乗り越し金額に対する精算処理を行う。」(第5頁第20行〜右下欄第14行)、「本機は券とカードに仕分けて処理する単純かつ確実な処理機構である」(第6頁左下欄第18〜19行)と説明されている。 (対比) そこで、本件発明と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、 (1)上記刊行物1記載の処理機構は、単一の投入口4から投入される券、カードを仕分けて処理する処理機構であるから、本件発明の各種のカードを同一挿入口より取り込めるカード処理機であるとする点と軌を一にする。 (2)上記刊行物1記載の発明は、単一の投入口4から投入される券、カードを第1搬送通路で搬送し、磁気情報読み取り部20で券であるか、カードであるかを判別するようにしており、本件発明が、各種のカードを同一挿入口より取り込み同一搬送路で搬送した後、各種のカードの判別を行う判別機能を有するとする点と実質的な差異はない。 (3)上記刊行物1記載の発明は、券であるかカードであるかに応じて、それぞれ所定の処理を行うようにしているところ、本件発明が、カード挿入の順序にかかわらず、各種のカードの処理を可能とするとする点と実質的な差異はない。 したがって、本件発明と上記刊行物1記載の発明とは、次の点で相違し、その余では一致する。 本件発明が料金自動収受機であるのに対し、上記刊行物1記載の発明が乗越精算機である点 (相違点についての判断) しかるに、料金自動収受機といったものは、本件出願前普通に知られたものであり、また、発明の課題解決のために、関連する技術分野の技術手段の適用を試みることは、当業者の通常の創作能力の発揮であるから、上記刊行物1記載のカード処理技術を料金自動収受機に適用することは、当業者が容易になし得ることにすぎない。 (まとめ) したがって、本件発明は、上記上記刊行物1記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-01-14 |
結審通知日 | 2004-01-20 |
審決日 | 2004-02-09 |
出願番号 | 特願平5-24079 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 桜井 茂行、前田 仁、相崎 裕恒 |
特許庁審判長 |
川名 幹夫 |
特許庁審判官 |
吉見 信明 橋本 正弘 |
発明の名称 | カード処理機 |
代理人 | 光石 忠敬 |
代理人 | 田中 康幸 |
代理人 | 光石 俊郎 |
代理人 | 松元 洋 |