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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
管理番号 1094534
異議申立番号 異議2002-71359  
総通号数 53 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-03-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-05-27 
確定日 2004-01-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3233838号「後発泡性ゲル状組成物」の請求項1及び2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3233838号の請求項1及び2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3233838号の発明については、平成7年9月14日に出願され、平成13年9月21日にその特許権の設定登録がなされ、その後、柴田香里より特許異議の申し立てがなされ、当審により取り消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年5月2日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
訂正事項a.
本件特許明細書の特許請求の範囲における請求項1及び2の記載を次のとおりに訂正する。
「【請求項1】0.01〜5重量%配合のゲル化剤、後発泡剤、0.05〜5重量%配合の後発泡剤分散剤であるポリエーテル変性シリコーンを必須成分とするヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。
【請求項2】前記ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体から1種または2種以上選ばれてなることを特徴とする請求項1記載のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。」
訂正事項b.
本件特許発明の発明の名称を「ヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物」に訂正する。
訂正事項c.
本件特許明細書の段落番号【0001】の第2行、段落番号【0006】の第4行及び第7行、段落番号【0007】の第2行及び第16行、段落番号【0008】の第6行、段落番号【0009】の第1行、段落番号【0010】の第1行、段落番号【0011】の第1行、段落番号【0012】の第1行、段落番号【0015】の第3行、第6〜7行及び第8行における「後発泡性ゲル状組成物」を、いずれも「ヘアセット剤用後発泡性ゲル組成物」に訂正する。
訂正事項d.
本件特許明細書の段落番号【0006】の第2行及び段落番号【0015】の第2行における「ゲル化剤」を「0.01〜5重量%配合のゲル化剤」に訂正する。
訂正事項e.
本件特許明細書の段落番号【0001】の第4〜5行における「化粧水、ヘアートリートメント剤、ヘアーセット剤、染毛剤、パーマネントウェーブ剤、清拭剤等の」を「ヘアセット剤用」に訂正する。

イ.訂正の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記の訂正事項a.は、請求項1及び2におけるゲル化剤の配合量を限定し、後発泡性ゲル状組成物を「ヘアセット剤用」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項b.〜e.は、上記のように特許請求の範囲を減縮したことに伴い、発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記の訂正事項は、特許明細書に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

ウ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
ア.本件発明
特許第3233838号の請求項1及び2に係る発明は、訂正明細書に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】0.01〜5重量%配合のゲル化剤、後発泡剤、0.05〜5重量%配合の後発泡剤分散剤であるポリエーテル変性シリコーンを必須成分とするヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。
【請求項2】前記ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体から1種または2種以上選ばれてなることを特徴とする請求項1記載のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。」(以下、それぞれ、「本件訂正発明1」及び「本件訂正発明2」ということがある。)。

イ.申立の理由の概要
特許異議申立人柴田香里(以下、「申立人」という。)は、証拠として甲第1号証(米国特許第5,248,495号公報)、甲第2号証(特開平7-25725号公報)、甲第3号証(FRAGRANCE JOURNAL,1990年5月15日、p.27〜33)、甲第4号証(商品カタログ「パーソナルケア用シリコーン」東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、1992年11月、p.10〜11)及び甲第5号証(特開平5-310536号公報)を提出し、訂正前の本件請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ、「訂正前発明1」及び「訂正前発明2」という。)は、甲第1または2号証に記載された発明であるから、訂正前発明1及び2は特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができず(主張1)、また、訂正前発明1及び2は、甲第1、3、4、5号証あるいは2〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反し特許を受けることができないので、訂正前発明の特許を取り消すべき旨主張する(主張2)。

ウ.申立人が提出した甲各号証記載の発明
申立人が提出した甲第1号証は、石鹸、揮発性液体後発泡剤、シリコーンコポリマー界面活性剤、および水を含む後発泡性シェービングゲル組成物に関する(第2欄第29〜32行)ものであり、甲第2号証は、発泡型人体用エアゾール製品に関するものであって、「(a)エアゾール用噴射剤の圧縮ガスとしての窒素または圧縮空気、(b)沸点が5〜40℃の範囲にある脂肪族炭化水素、(c)単品または複数の組合せによりHLBの範囲が8〜20のノニオン界面活性剤を含むエアゾール組成物が取り出し可能な密封容器に充填されてなり、該組成物がミスト状に噴霧され、人体適用面に発泡塗布すること、または適用後に発泡することを特徴とする発泡型人体用エアゾール製品」が記載(請求項1)され、甲第3号証には、ポリエーテル変性シリコーンの有する優れた特徴として「レベリング効果、柔軟効果、湿潤効果、浸透効果、離型効果、潤滑効果、帯電防止効果、起泡効果、乳化効果、分散効果など」が記載(第30頁右欄第16〜19行)され、甲第4号証はパーソナルケア用シリコーンに関する商品カタログであって、ポリエーテル変性シリコーンオイルがセット剤などのレジンのべたつきを抑えるとともに、柔らかい仕上がりにすること(第10頁左欄第9〜11行)及びシャンプー、ムース、シェービングフォームなどの泡状製品の整泡効果、潤滑効果も、ポリエーテル変性シリコーンオイルの特長であることが記載(同欄第14〜17行)され、甲第5号証には、「架橋型カルボキシビニルポリマー(A)のゲル化物(I)と、高分子量シリコーン化合物(B)、高分子量シリコーン化合物の溶解剤(C)およびジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体(D)からなる実質的に透明なゲル状整髪剤」が記載(請求項1)されている。

エ.対比・判断
(主張1について)
甲第1号証に記載された発明は、石鹸を必須の成分とする後発泡性シェービングゲル組成物であり、一方、本件訂正発明1及び2は、いずれも石鹸を必須の成分としない「ヘアセット剤用後発泡性ゲル組成物」であるので、両者は別異の発明である。
また、甲第2号証に記載された発明は、「エアゾール用噴射剤の圧縮ガスとしての窒素または圧縮空気」を必須の成分とし、ゲル化剤を必須の成分としない「適用後に発泡することを特長とする発泡型人体用エアゾール製品」であるのに対して、本件訂正発明1及び2は、いずれも「エアゾール用噴射剤の圧縮ガスとしての窒素または圧縮空気」を必須の成分とせず、ゲル化剤を必須の成分とする「ヘアセット剤用後発泡性ゲル組成物」であるので、両者は別異の発明である。
(主張2について)
本件訂正発明1と、甲第1号証に記載された発明とを対比すると、両者は、後発泡性ゲル組成物である点で一致するものの、前者は「ヘアセット剤用」であるために石鹸を必須の成分とするものではないが、後者は「シェービング」用であるため、ひげ剃りの最中に泡が消失しないよう泡の持続性をよくするための石鹸を必須の成分とするものである点で相違する。
そこで、この相違点について検討する。
甲第3号証は、単にポリエーテル変性シリコーンのシャンプー・リンスへの応用を検討するものであり、甲第4号証は、ポリエーテル変性シリコーンのセット剤への応用について「また、セット剤などのレジンのべたつきを抑えるとともに、柔らかい仕上がりにします」と記載(第10頁)するに止まるものであり、甲第5号証は、ポリエーテル変性シリコーンを配合したゲル状整髪剤に関するものであって、いずれも後発泡性のものではないから、甲第1号証に記載された発明と、甲第3〜5号証に記載された発明とを組み合わせてみても、本件訂正発明1を当業者が容易に想到し得たものではない。
また、本件訂正発明1と、甲第2号証に記載された発明とを対比すると、両者は人体適用後に発泡する組成物である点で一致するものの、前者は、いわゆる「後発泡性」、すなわち、「大気圧下で吐出した時はゲル状態で、この吐出後一定時間はゲル状態を保ち、かつ剪断応力をかけると発泡する」(本件明細書の段落番号【0002】)ものであって、圧縮ガスは必須成分として含まず、ゲル化剤を必須成分として含むものであるところ、後者は、後発泡剤としての「沸点が5〜40℃の範囲にある脂肪族炭化水素」に加えて、圧縮ガスとしての窒素または圧縮空気を含むものであるうえ、ゲル化剤を必須の成分として含まない点(相違点1)、さらにはHLBが8〜20のノニオン界面活性剤以外の界面活性剤を用いると、ペンタン等の脂肪族炭化水素の原液中の均一分散が困難となったり、発泡特性、泡性状、破泡性等が劣化することが記載(第3欄第34〜38行)されているものの、上記のノニオン界面活性剤として具体的に示されているのは、POEセチルエーテル等の非シリコーン系のものばかりであり、ポリエーテル変性シリコーンについては全く記載するところがない点(相違点2)で相違する。
そこで、これらの相違点について検討する。
まず、相違点1についてみると、甲第3〜5号証は、上記のとおり、後発泡性ゲル組成物に関するものではないので、これらを甲第2号証に記載された発明と組み合わせてみても、いわゆる後発泡性のゲル組成物を当業者が容易に想到し得たものではない。
申立人は、甲第2号証には、ゲル化剤を配合してゲル化しても良いことが記載されている、と主張するが、甲第2号証に記載のゲル化剤は、具体的記載を伴わないものであり、しかも、特許権者が平成15年5月2日付で提出した特許異議意見書に乙第1号証として添付された実験成績証明書にも示されているように、圧縮ガスを同時に用いる場合、ゲル化剤を配合した組成物の吐出には困難が予想され、仮に配合されるとしてもせいぜい粘度調節程度の目的で用いられると考えられるので、上記記載は、前記判断を左右するものではない。
したがって、相違点2について判断するまでもなく、本件訂正発明1を、甲第2〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が想到することは、困難なものである。
また、本件訂正発明2は、本件訂正発明1を技術的に更に限定したものであるから、上記と同様の理由で、甲第1及び3〜5号証に記載された発明、あるいは甲第2〜5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
したがって、申立人の主張はいずれも妥当でない。

オ.むすび
以上のとおりであるので、本件特許は、特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。
また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 0.01〜5重量%配合のゲル化剤、後発泡剤、0.05〜5重量%配合の後発泡剤分散剤であるポリエーテル変性シリコーンを必須成分とするヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。
【請求項2】 前記ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体から1種または2種以上選ばれてなることを特徴とする請求項1記載のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に係り、その目的は後発泡剤をゲル中に均一分散させ、かつ、使用後の界面活性剤によるべたつき感がなく、後発泡性能を維持できるヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、後発泡性ゲル状組成物とは、大気圧下で吐出した時はゲル状態で、この吐出後一定時間はゲル状態を保ち、かつ剪断応力をかけると発泡する化粧料組成物をいう。
このような後発泡性ゲル状組成物としては、特公昭49-34912号公報に開示されるシェービングフォームやクレンジングフォームのように石鹸によりゲルを形成しそれにより、容易に後発泡剤をゲル中に可溶化・分散させた後発泡性ゲル状組成物が存在する。
また他の例として後発泡性ゲル状組成が特開平3-31389号公報に石鹸を使用しないタイプとして、HLBが10以上の非イオン性界面活性剤を使用し後発泡剤を可溶化・分散させた後発泡性ゲル組成物が存在する。
前記特公昭49-34912号公報開示の後発泡性ゲル状組成物は、水40%以上、石鹸、水溶性ゲル化助剤及び後発泡剤としての飽和脂肪族炭化水素とハロゲン化炭化水素から選ばれた単独あるいは混合物からなる後発泡性ゲル状組成物である。
また後記特開平3-31389号公報開示の後発泡性ゲル状組成物は、水、ゲル化剤、界面活性剤、後発泡剤、及び必要に応じて添加されるアルコール類からなる後発泡性ゲル状組成物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の後発泡性ゲル状組成物はそれぞれ欠点があった。
まず、前記後発泡性ゲル状組成物は、手の平に組成物を取り出し、そのまま放置するとゲル状態を維持し、指でゲルを擦ると発泡するが、この後発泡性ゲル状組成物は、石鹸成分を含む為に、泡が何時までも消えないという欠点があり、トリートメント剤等の商品には不向きであるという欠点があった。
【0004】
一方、後記後発泡性ゲル状組成物は、手の平に組成物を取り出し、そのまま放置するとゲル状態を維持し、指でゲルを擦ると発泡するが、消泡するにはさらに指で泡を擦り続けなければならず、即ち後記後発泡性ゲル状組成物は、使用時に剪断応力をかけると発泡するが、さらに剪断応力をかけ続けないと消泡しないので、使用する際、十分に剪断応力をかけてから髪や皮膚に塗布しないと、泡が消えずに残っているという欠点がある。
従って、従来の後発泡性ゲル状組成物は、取り出し時はゲル状態を維持し、使用直前に発泡させて使用するが、髪や皮膚に使用後も消泡しにくいという欠点をいずれも持つものであった。
しかも、前記後発泡性ゲル状組成物は、多量の石鹸を使用する為に、「べたつき」が著しく、後記後発泡性ゲル状組成物も、ゲル中に後発泡剤を容易に分散させるためには、多量の界面活性剤量を必要とし、それによる「べたつき」が著しく、「べたつき」を抑えた界面活性剤量であると後発泡剤を容易にゲル中に分散させることは困難であった。
【0005】
そこで本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、前記問題点である「べたつき」がなく、ゲル中に後発泡剤を容易に分散し後発泡性を維持できる後発泡性ゲル状組成物を創出し、この発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであって、0.01〜5重量%配合のゲル化剤、後発泡剤、0.05〜5重量%配合の後発泡剤分散剤であるポリエーテル変性シリコーンを必須成分とするヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物及び前記ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体から1種または2種以上選ばれてなることを特徴とする請求項1記載のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に係る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物の実施形態について説明する。
この発明で使用するゲル化剤は、化粧料組成物をゲル化できる成分であれば全てよく例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の合成成分、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、アルギン酸プロピレングリコール等の半合成成分、グアーガム、ローカストビーンガム、クィンスシード、カラゲーナン、ガラクタン、アラビアゴム、トラガント、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストリン、サクシノグルカン、カードラン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の天然成分が挙げられるがこれらに限定されず、水溶液のゲル化が可能であればこれらのみに限定されるものではなく、これらを1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
この発明に係るヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物においては、この様なゲル化剤は0.01〜5重量%配合するのが望ましい。
その理由は、0.01重量%未満では十分なゲルが得られないことがあり、逆に5重量%を超えて配合するとゲル化剤のベタツキにより使用時の不快感があることがあるからである。
【0008】
この発明で使用する後発泡剤としては、大気圧下でゲル状組成物を発泡させる成分であればすべて良く、その具体例を例示するとたとえば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などがあげられるが、これらのみに限定されるものではなく、これらを1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
この発明に係るヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物においては、この様な後発泡剤を0.1〜10重量%配合するのが望ましい。
その理由は、0.1重量%未満では十分な後発泡性能が得られないことがあり、逆に10重量%を超えて配合すると大気圧下で直ちに発泡してしまい良好な後発泡性能が得られないことがあるからである。
【0009】
この発明に係るヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物においては、後発泡剤分散剤としてポリエーテル変性シリコーンを0.05〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%配合する。
この理由は、配合量が0.05重量%未満であると毛髪または皮膚に塗布後の界面活性剤のべたつき感をなくす潤滑効果を示すのに十分でなく、一方、5重量%を超えるとポリエーテル変性シリコーンの潤滑効果が出すぎ、そのぬるつき感が顕著に現れ、いずれの場合も好ましくないからである。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体などがあげられ、これらのみに限定されるものではなく、これらを1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
このようなポリエーテル変性シリコーンは、毛髪または皮膚に塗布後のべたつき感をなくし風合いを向上させる潤滑効果を示す。また、後発泡後の泡状において整泡効果を持ち化粧料の添加剤としては好適に機能する。
【0010】
この発明に係るヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物においては、必要に応じアルコール類、界面活性剤、香料等所要の成分を配合すればよい。
アルコール類の具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコールが挙げられる。
【0011】
この発明で使用する界面活性剤としてはべたつき感をヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に与えない成分であればよい。
具体例を示すと、非イオン性界面活性剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・アミド、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
更に、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N-アシルアミノ硫酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アシルコラーゲンペプチド、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン性界面活性剤を挙げることができ、更に加えて塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤を挙げることができ、またさらに塩酸アルキルジアミノエチレングリシン、ヤシ油アルキルベタイン等の両性界面活性剤も挙げることができる。
【0012】
この発明のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に、その系の安定性を損なわない範囲であれば上記必須成分のほかに油性物質、多価アルコール、ガム質、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、香料などを適宜配合することも可能で、その製品形態としてはエアゾールタイプ、ポンプタイプ等特に限定されることはない。
【0013】
【実施例】
以下この発明に係る実施例によって、この発明をさらに詳細に説明する。
この発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に示されている配合量は特に記載のない場合は重量%である。
実施例1〜4及び比較例1〜4
次の表1に示す組成の実施例1〜4及び表2に示す比較例1〜4のヘアセット剤を調製した。
【表1】

【表2】

【0014】
評価
次の試験を行い、実施例1〜4、比較例1〜4で得た、後発泡性ゲル状組成物の分散性1、分散性2、べたつき感について試験した。
分散性1
透明耐圧容器中の組成物を目視で観察し、後発泡剤の他の成分への分散性を次の判定基準により評価した。
(判定基準)
○・・・均一に分散しているもの
×・・・不連続相を認め、均一に分散していないもの
分散性2
透明耐圧容器中の組成物を充填し、これを全量ガラス板上に吐出させ後発泡剤の他の成分への分散性を次の判定基準により目視で評価した。
(判定基準)
○・・・均一に分散しているもの
×・・・不連続相を認め、均一に分散していないもの
試験方法
上記実施例及び比較例とをパネル10名に実際に使用させ、毛髪または皮膚上に塗布した後のべたつき感を点数で評価した。
なお、それぞれの項目について平均を算出し、4.5以上を◎、4以上4.5未満を○、3以上4未満を△、1以上3未満を×とした。この結果を表3にまとめて記載する。
(判定基準)
5点:べたつき感がない
3点:ややべたつき感がある
1点:べたつき感がある
【表3】

【0015】
【発明の効果】
この発明は0.01〜5重量%配合のゲル化剤、後発泡剤、0.05〜5重量%配合の後発泡剤分散剤であるポリエーテル変性シリコーンを必須成分とするヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物及び前記ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体から1種または2種以上選ばれてなることを特徴とする請求項1記載のヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物に係るから、使用時のべたつき感がなく且つ後発泡剤をゲル中に均一に分散させて後発泡性能を維持できるすぐれたヘアセット剤用後発泡性ゲル状組成物となる効果を奏する。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2003-12-24 
出願番号 特願平7-262330
審決分類 P 1 651・ 113- YA (A61K)
P 1 651・ 121- YA (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大宅 郁治  
特許庁審判長 竹林 則幸
特許庁審判官 小柳 正之
深津 弘
登録日 2001-09-21 
登録番号 特許第3233838号(P3233838)
権利者 株式会社マンダム
発明の名称 後発泡性ゲル状組成物  
代理人 清原 義博  
代理人 清原 義博  
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