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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1095813
審判番号 不服2002-1567  
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-04-21 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-02-01 
確定日 2004-04-22 
事件の表示 平成 5年特許願第265552号「液晶プロジェクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 4月21日出願公開、特開平 7-104237〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明についての出願は、平成5年9月30日に特許出願したものであって、その請求項に係る発明は、平成12年8月30日付け、平成13年10月24日付け及び平成14年2月1日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のものである。
「【請求項1】
温度により特性変化を生じる液晶セルの温度を検出する温度検出部材を有する液晶パネルユニットに於いて、
前記液晶パネルユニットはバネ力を有する押え部材を備え、該押え部材のバネ力により前記温度検出部材を前記液晶セルに圧接したことを特徴とする液晶パネルユニット。」
2.刊行物記載の発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である引用文献4の実願平3-12841号(実開平4-104625号)のCD-ROM(以下、引用例という。)には、図面とともに、
「【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】二体に分けられるハウジングの一方に収納された液晶パネルと、他方に収納され、外部信号を取り入れて前記液晶パネルに与える信号を作成する制御回路とから構成され、前記ハウジングを投影機の光源とレンズの間に装着して拡大表示を行う投射用液晶表示装置において、液晶駆動のための信号回路チップおよび走査回路チップとともに、感温素子がペーストを介して前記液晶パネルを構成するガラス基板上の電極に、直接接続されていることを特徴とする投射用液晶表示装置。」、
「【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案の構成は、液晶パネルを構成するガラス基板上の電極に、液晶駆動のための信号回路チップ、走査回路チップとともに感温素子をペーストを介して直接接続したことを特徴とする。」(段落【0004】)、
「ハウジング200は、液晶パネル収納部220と制御回路収納部210からなっており、それぞれ液晶パネルと制御回路を収納している。」(段落【0005】)、
「感温素子330は、ガラス320上の透明電極にペーストによって接続されている。感温素子330は、フレキシブル・プリント基板380を介して制御回路の温度補償回路と接続されている。」(段落【0007】)、
「【考案の効果】
以上の説明で明らかなように、本考案によれば、感温素子を画像表示部の近傍で、光の照射される部分に配置し、かつ液晶パネルのガラス基板上の電極に直接接続しているので、液晶パネルの温度補償が的確に行われ、その結果いつでもコントラストの良い画像を得ることができる。特に、光量の多い光源を使用した映写機に装着する場合、急激に温度が上昇するので、本考案の構成は、きわめて有益である。さらに、ガラス基板上に感温素子を配置することによって、装置内のスペースを有効利用することもでき、装置をコンパクトにまとめることができる。」(段落【0010】)、
との記載が認められる。
3.対比
そこで、本願発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明の「液晶パネル」、「感温素子」、「ハウジング」は、本願発明の「液晶セル」、「温度検出部材」、「液晶パネルユニット」に、それぞれ相当し、また、液晶セルが温度により特性変化を生じることは技術常識であるので、両者は、
「温度により特性変化を生じる液晶セルの温度を検出する温度検出部材を有する液晶パネルユニットに於いて、
前記温度検出部材は前記液晶セルに固定された液晶パネルユニット」の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]本願発明では、温度検出部材を液晶セルに固定する方法として、液晶パネルユニットに備えられた押え部材のバネ力により圧接しているのに対し、引用例発明は、ペーストによって接着されている点。
4.判断
従来、押え部材のバネ力により温度検出部材を被温度検出部表面に圧接する点は周知であり(例えば、実願昭56-18064号(実開昭57-132987号)のマイクロフィルム、3頁8〜18行、第3図には、温度検出器の感温筒が弾性保持具により被検温対象物であるu字管に圧接されている点を参照。)、この点は任意に設計し得る程度の事項である。
そして、本願発明の効果は、上記引用例に記載された発明及び、周知の事項から当業者であれば予測できる程度のものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-02-18 
結審通知日 2004-02-24 
審決日 2004-03-08 
出願番号 特願平5-265552
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小牧 修橿本 英吾  
特許庁審判長 瀧本 十良三
特許庁審判官 町田 光信
森 正幸
発明の名称 液晶プロジェクタ  

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