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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16K
管理番号 1095982
審判番号 不服2002-20724  
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-24 
確定日 2004-04-30 
事件の表示 平成5年特許願第85778号「流体制御器」拒絶査定不服審判事件〔平成6年9月27日出願公開、特開平6-272771〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成5年3月18日の出願であって、本願の請求項1に係る発明は、平成14年3月28日付けと平成14年8月5日付けと平成14年11月21日付けの手続補正書によって補正された明細書の、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのもの(以下、「本願発明」という。)と認める。
「入口流路と出口流路を有してなる弁箱と弁本体とからなりこの弁箱と弁本体の間隙に挟持部材を介して挟着状態に固定されてなるダイアフラムと、このダイアフラムを伸縮させる操作機構とからなる流体制御器であって、前記弁箱には前記挟持部材の周側面に当接して前記入口流路、出口流路内を封止する無端状の封止突部が形成され、該封止突部により囲まれた凹部に前記挟持部材が入り込んでなるとともに、該挟持部材の下面は封止突部の上面に当接することなくダイアフラムの上面に当接しており、前記挟持部材の周側面の上方部は前記封止突部の上端面より上方に位置していることを特徴とする流体制御器。」

2.引用刊行物およびその記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に日本国内において頒布された実公昭55-35497号公報(以下、「引用例」という。)には「隔膜弁装置」に関して、第1〜4図とともに以下の記載がある。
A)「1は隔膜弁の下部筐体、2は流体の入口、3は中心孔で、中心孔3の上端面は弁座4を形成する。5は側孔で、流体の出口6に連通し、7は隔膜弁8を保持する溝である。隔膜8は第2図に示すように上部にピン孔9を有する芯杆10とひだ状の膜部、その外周の鍔11の全てが硬質合成樹脂で一体に形成されていて、芯杆10を緩衝輪12を介して、作動杆13の下部に設けた支持孔14に嵌装し、作動杆13の支持孔14と直交するピン受孔15内に、適当な間隔を保って、隔膜弁8に設けた芯杆10のピン孔9に貫通支持した支持ピン16を遊嵌して、作動杆13と隔膜弁8とが連結されている。又隔膜弁8の外周の鍔11は下部筐体1の保持溝7と上部筐体17の下部突出縁18の間に嵌入挟持されて完全に気密に保持される。作動杆13は上部筐体の案内孔19に沿って上下すべくなし、常時は弾機20により下方に押圧され、弁座4の開口時は上部機構によって扛上される。而して、常時の弁座閉塞時にあっては、作動杆13を下方に押圧する弾機20の圧力は、作動杆13の下端面に接する緩衝輪12を介して隔膜弁8の背面に作動し、隔膜弁8の底面を弁座4に圧着させるものである。」(第1頁第2欄2〜24行)

上記A)の記載と併せて第1図を参酌すれば、上記引用例の隔膜弁装置は、中心孔3から入口2に至る入口2側の流路と側孔5から出口6に至る出口6側の流路とを有する下部筐体1と、上部筐体17と、下部筐体1と上部筐体17の間隙に上部筐体17の下部突出縁18を介して挟持(挟着状態に固定)された隔膜弁8と、隔膜弁8を伸縮させるための作動杆13等からなる操作機構と、から構成されるものと認められ、下部筐体1には隔膜弁8の鍔11を保持する保持溝7が形成されるとともに、第1図から明らかなように、保持溝7の外側には該保持溝7の側壁を構成する突部が形成され、該突部は、下部突出縁18の周側面に当接して前記入口2側の流路と出口6側の流路内を外部に対して封止するとともに、該突部によって囲まれた保持溝7内に前記下部突出縁18が入り込んでその下面が隔膜弁8の鍔11の上面に当接し、該保持溝7と下部突出縁18の間に隔膜弁8の鍔11が嵌入挟持されているものと認める。
また、第4図からみて、鍔11は無端状であるから、鍔11を嵌入保持する保持溝7の側壁である突部もまた、鍔11を囲む無端状であるものと認める。

したがって、上記引用例には、
「入口2側の流路と出口6側の流路を有してなる下部筐体1と上部筐体17とからなりこの下部筐体1と上部筐体17の間隙に上部筐体17の下部突出縁18を介して挟着状態に固定されてなる隔膜弁8と、この隔膜弁8を伸縮させる操作機構とからなる隔膜弁装置であって、前記下部筐体1には前記下部突出縁18の周側面に当接して前記入口2側の流路と出口6側の流路内を封止する無端状の突部が形成され、該突部により囲まれた保持溝7に前記下部突出縁18が入り込んでなるとともに、該下部突出縁18の下面は隔膜弁8の上面に当接している隔膜弁装置。」の発明(以下、「引用例記載の発明」という。)が記載されているものと認める。

3.本願発明と引用例記載の発明との対比
本願発明と引用例記載の発明とを対比すれば、引用例記載の発明の「入口2側の流路」、「出口6側の流路」、「下部筐体1」、「上部筐体17」、「上部筐体17の下部突出縁18」、「隔膜弁8」、「突部」、「保持溝7」は、それぞれ本願発明の「入口流路」、「出口流路」、「弁箱」、「弁本体」、「挟持部材」、「ダイアフラム」、「封止突部」、「凹部」に相当しており、さらに引用例記載の発明の「隔膜弁装置」は、流体の流路をダイアフラムである隔膜弁8で開閉して流量を制御する弁装置であるから、本願発明の「流体制御器」に相当している。
したがって、本願発明と引用例記載の発明は、
「入口流路と出口流路を有してなる弁箱と弁本体とからなりこの弁箱と弁本体の間隙に挟持部材を介して挟着状態に固定されてなるダイアフラムと、このダイアフラムを伸縮させる操作機構とからなる流体制御器であって、前記弁箱には前記挟持部材の周側面に当接して前記入口流路、出口流路内を封止する無端状の封止突部が形成され、該封止突部により囲まれた凹部に前記挟持部材が入り込んでなるともに、該挟持部材の下面はダイアフラムの上面に当接している流体制御器。」
である点で一致し、以下の相違点で相違しているものと認める。
<相違点>
本願発明では、挟持部材の下面が封止突部の上面に当接することなくダイアフラムの上面に当接するとともに、挟持部材の周側面の上方部が封止突部の上端面より上方に位置するように構成されているのに対し、引用例記載の発明では、挟持部材である下部突出縁18の下面がダイアフラムである隔膜弁8の上面に当接しているものの、封止突部である突部の上面にも当接しており、さらに、挟持部材である下部突出縁18の周側面の上方部が、封止突部である突部の上端面より上方に位置するようにもなっていない点。

4.相違点の検討
弁筺に側壁で囲まれた凹部を形成し、該凹部内にダイアフラムを収容して挟持部材を介して挟着状態に固定保持するダイアフラム弁において、挟持部材の下面が凹部側壁の上面に当接することなくダイアフラムの上面に当接するとともに、挟持部材の周側面の上方部が凹部側壁の上端面より上方に位置するように構成することは周知技術(例えば、実公昭37-7467号公報(該公報では凹部側壁が特に突状に形成されてはいないが、この部分を突状部とするか否かは単なる設計事項である。)、実公昭26-490号公報(特に図面を参照されたい。)、実公昭48-39701号公報(円錐弁7はゴム製であってダイアフラムとして機能している。)、実願平2-73831号(実開平4-32364号)のマイクロフィルム(本体2の弁室9外周に形成された突部とその上部の蓋体3周縁部分とは、若干の隙間をもって配置されている。)などを参照されたい。)であるから、引用例記載の発明において、挟持部材である下部突出縁18の下面が封止突部である突部の上面に当接することなくダイアフラムである隔膜弁8の上面に当接するとともに、下部突出縁18の周側面の上方部が突部の上端面より上方に位置するように構成することは、上記周知技術から当業者が容易に行うことができたものである。

そして、本願発明が奏する作用効果は、上記引用例記載の発明と上記周知技術に示唆された事項から予測される程度以上のものではない。
したがって、本願発明は、上記引用例記載の発明に上記周知技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上詳述したとおり、本願の請求項1に係る発明は、上記引用例記載の発明と上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-02-25 
結審通知日 2004-03-01 
審決日 2004-03-19 
出願番号 特願平5-85778
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川本 真裕  
特許庁審判長 八日市谷 正朗
特許庁審判官 鈴木 久雄
ぬで島 慎二
発明の名称 流体制御器  
代理人 清原 義博  
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