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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A41B
管理番号 1096294
異議申立番号 異議2003-71431  
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-02-06 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-06-03 
確定日 2004-02-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3351763号「吸収性物品の製造方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3351763号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.訂正の適否
1-1.訂正の内容
特許権者は本件特許明細書の記載を訂正明細書のとおりに訂正することを求めており、その具体的な内容は以下の通りのものである。
A.特許請求の範囲の【請求項1】の記載、
「【請求項1】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であって、
前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法。」を、
「【請求項1】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して、液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する吸収性物品を製造する方法であって、
前記連続部材が、前記裏面シート形成用の裏面シート形成シートであり、該連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材である、前記吸収体形成用の吸収体形成シートに接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法。」に訂正する。
B.特許請求の範囲の【請求項2】の記載、
「【請求項2】 前記連続部材の繰り出し速度を、前記連続部材が一回切断される間に、前記印刷ピッチ分繰り出されるように制御する請求項1記載の吸収性物品の製造方法。」を、
「【請求項2】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であり、
前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法であって、前記連続部材の繰り出し速度を、前記連続部材が一回切断される間に、前記印刷ピッチ分繰り出されるように制御し、且つ連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する吸収性物品の製造方法。」に訂正する。
C.特許請求の範囲の【請求項3】の記載、
「【請求項3】 前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する請求項1又は2記載の吸収性物品の製造方法。」を、
「【請求項3】 前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する請求項1記載の吸収性物品の製造方法。」に訂正する。
D.明細書の段落【0006】の記載中、5行目の「吸収性物品を製造する方法であって、前記連続部材に、」の記載、及び、10行目の「他の連続部材に接合した後」の記載を、それぞれ、「、液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する吸収性物品を製造する方法であって、前記連続部材が、前記裏面シート形成用の裏面シート形成シートであり、該連続部材に、」、及び、「他の連続部材である、前記吸収体形成用の吸収体形成シートに接合した後」に訂正する。
E.明細書の段落【0006】の次に、段落【0007】として、「また、本発明は、…(中略、【特許請求の範囲】【請求項2】の記載に同じ)…を提供するものである。」の記載を追加する。

1-2.訂正の適否
訂正事項Aは、訂正前の【請求項1】に係る発明を特定する、「吸収性物品」が、「液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する」ものであり、予め模様を印刷された連続部材が裏面シート形成シートであり、これと接合される他の連続シートが吸収体形成シートであると特定するもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。訂正事項Aは、特許明細書の段落【0009】、【0010】、【0017】等に記載されている。
訂正事項Bは、訂正前の【請求項1】に記載された構成に、訂正前の【請求項3】に記載されていた「連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する」という構成を付加するもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の【請求項1】が上記訂正事項Aにより訂正されるため、その表現形式を、独立請求項の形式に訂正するものである。
訂正事項Cは、引用する請求項を訂正後の【請求項1】のみとするものであり、訂正事項Aと同じく構成要件を特定し、引用する請求項を減ずるものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項D及びEは、上記訂正事項A及びBにより訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを整合させるためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
上記の訂正事項は、いずれも、訂正前の明細書に記載された範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおりであるから、上記の訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

2.特許異議の申立てについて
2-1.本件発明
上記のとおり訂正が認められたので、本件請求項1乃至3に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して、液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する吸収性物品を製造する方法であって、
前記連続部材が、前記裏面シート形成用の裏面シート形成シートであり、該連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材である、前記吸収体形成用の吸収体形成シートに接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法。
【請求項2】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であり、
前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法であって、前記連続部材の繰り出し速度を、前記連続部材が一回切断される間に、前記印刷ピッチ分繰り出されるように制御し、且つ連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する吸収性物品の製造方法。」
【請求項3】 前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する請求項1記載の吸収性物品の製造方法。」

2-2.取消理由通知で引用された刊行物に記載された事項
当審が通知した取消しの理由に引用された刊行物1(国際公開WO97/24094号明細書)には、「位置合わせ図柄を有する使い捨て吸収性物品及び製造方法」の発明について、連続的に供給される伸張性の連続部材(第1の材料層)に予め模様、及び/または、基準マークを位置合わせして印刷しておき、該模様が製品としての吸収性物品の所定の部位に位置するように上記連続部材の送り速度を制御する方法であって、連続部材の基準マーク(模様で変えることができる)の反復長さすなわち印刷ピッチを機械製品の反復長さすなわち一つの製品の長さよりも短くすること、該連続部材は速度または張力を変えることで伸張されて模様が位置決めされること、上記(模様を印刷された)連続部材が他の連続部材(第2の材料層)に接合した後に連続して動く複合層として切断される、すなわち搬送経路中で切断されることなどが記載されており、図5には、基準マーク74(模様)を印刷された連続部材66が供給手段64から駆動ロール68を介して連続的に繰り出され搬送され、搬送中に、連続部材54と接合し、さらに個々に切断される位置へと搬送されることが示されている。

2-3.対比・判断
2-3-1.請求項1に係る発明について
本件請求項1に係る発明と、刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、「長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であって、前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法。」である点で一致しているが、本件請求項1に係る発明において、予め模様を印刷された連続部材が裏面シート形成シートであり、これと接合される他の連続シートが吸収体形成シートであると特定しているのに対し、刊行物1には、予め模様を印刷された連続部材が、吸収性物品の2層からなる液体不透過性カバーすなわち裏面シートを構成する層の一方であり、他の連続部材が上記裏面シートを構成する層の他方であって、予め切断された吸収体が配設されていることが示されているものの、他の連続部材が吸収体形成シートであることについては、記載も示唆もされていない。そして本件請求項1に係る発明は、上記の構成により、模様を形成した裏面シートの切断時の伸長率の変動等のトラブルを吸収体形成シートの剛性により回避できるというような刊行物1に記載された発明からは予期し得ない効果を奏するものであり、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

2-3-2.請求項2に係る発明について
本件請求項2に係る発明と、刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、上記「2-3-1.請求項1に係る発明について」の項で述べたと同じ点で一致しているが、本件請求項2に係る発明において、「連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する」と規定しているのに対し、刊行物1には、そのような規定に係る事項は記載されておらず、またそれを示唆する記載もない。そして本件請求項2に係る発明は、上記の構成により、繰り出し速度を制御することによる模様の位置合わせがより容易になるという明細書記載の効果を奏するものであり、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

2-3-3.請求項3に係る発明について
本件請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の構成を全て含んでいるので、上記「2-3-1.請求項1に係る発明について」で述べたと同じ理由により、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。

3.異議申立の主張
異議申立人は、甲第1及び2号証を提示して、本件の訂正前の請求項1乃至3に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当するか、あるいは、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件請求項1乃至3に係る特許を取り消すべきである旨を主張しているが、異議申立人の提示した甲第1及び2号証のいずれにも、上記、本件請求項1及び2に係る発明と上記刊行物1に記載された発明との相違点に係る事項については、記載も示唆もされていないので、当該異議申立人の主張は採用できない。

4.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1乃至3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1乃至3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
吸収性物品の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して、液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する吸収性物品を製造する方法であって、
前記連続部材が、前記裏面シート形成用の裏面シート形成シートであり、該連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材である、前記吸収体形成用の吸収体形成シートに接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法。
【請求項2】 長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であり、
前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法であって、
前記連続部材の繰り出し速度を、前記連続部材が一回切断される間に、前記印刷ピッチ分繰り出されるように制御し、且つ前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する吸収性物品の製造方法。
【請求項3】 前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する請求項1記載の吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の位置に所定の模様が配されている吸収性物品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨ておむつ等の吸収性物品には、その前後の判別を容易とする等の理由から、所定の位置に所定の模様が付けられている場合がある。子供用パンツ型おむつの前後の区別には、横流しの加工方法でパンツ型おむつが製造される場合、後身頃に連続する模様を施したものや後身頃の中央部にワンポイント模様を施したものが用いられた。また、ウエストの弾性部材に色づけしたり、ウエスト部にマーキングを入れたり、着色糸を接着したものも用いられているが、一般にパンツ型おむつの材料に印刷模様を施すことで前後が区別され、印刷模様も母親や子供に親しまれてきた。例えば、子供用おむつの模様としては、動物画や乗り物、文字、食べ物などが好んで用いられている。
【0003】
従来、所定の位置に所定の模様を付ける技術としては、製造ラインの途中にインライン印刷機を配置し、防漏シート等の吸収性物品の形成材にインラインで模様を印刷し、これを吸収性物品の所定の位置に配する技術が知られている。
しかし、斯かる方法は、製造ラインを汚染し易く、また、複数の製造ラインを有する場合に、各製造ライン毎に印刷機が必要となるため、模様印刷に伴う費用が高くなる。しかも、多色印刷をする場合には、その数の版や印刷設備が必要になり、設備導入に日数を要し、しかも高価である。また、印刷変更においては、同様にライン数、版数の出費がかかるとともに導入には長い日数を要する。また、溶剤系印刷インクを用いると、雰囲気が悪くなり、乾燥工程を併設すると、ライン長が極めて長くなる。
また、インクジェットを用いた印刷装置もあるが、高速において印刷品質が粗悪であり、多色印刷では位置合わせが極めて困難であった。
【0004】
一般に、フィルム、不織布、紙、エラストマーなど、予め一定のピッチで印刷を施したシートは、原反をロール状に巻きとる際に巻外から巻尻まで均一なテンションで巻き取ることは困難である。そして、その不均一なテンションのために、巻き取ったロールからシートを繰り出す際には印刷ピッチが変化する。
従って、斯かるシートを用いて吸収性物品に模様を付けようとする場合には、シート繰り出し時の印刷ピッチの変化を補正して、シートの印刷の位置を吸収性物品の所定位置に配置させなくてはならない。即ち、繰り出したシートの印刷ピッチがバラついているために、シートの送りを早くしたり、遅くしたりして、シートの繰出量を変化させる必要がある。しかし、その時にシートの繰り出しが過ぎるとシートのテンションがゼロとなってしまい、シートはたるみ、シワ(縦、横、斜め)が生じ、蛇行する。シートテンションをフリーにすると、製品不良や製造ラインのトラブルにつながっていた。
即ち、予め模様が印刷されたシートを用いて、吸収性物品の所定の位置に位置決めされた模様を付けることは、従来は極めて困難であった。
【0005】
従って、本発明の目的は、所定の位置に所定の模様が配されている吸収性物品を、効率的且つ経済的に、製品不良を生じることなく安定して製造し得る吸収性物品の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して、液保持性の吸収体及び模様を有する裏面シートを具備する吸収性物品を製造する方法であって、前記連続部材が、前記裏面シート形成用の裏面シート形成シートであり、該連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材である、前記吸収体形成用の吸収体形成シートに接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本明細書において、「伸張性を有する」とは、長手方向に引き伸ばすことができることを意味し、「切断された連続部材」とは、連続部材が切断されて生じる個々の短尺部材を意味する。尚、連続部材は、弾性伸びを有するものがより好ましい。
【0007】
また、本発明は、長尺状で伸張性を有する連続部材を、所定位置から連続的に繰り出して搬送し、搬送経路における所定の位置において該連続部材を吸収性物品一枚分の長さに切断し、切断された該連続部材を、吸収性物品の所定の位置に配設固定して吸収性物品を製造する方法であり、前記連続部材に、予め所定の模様を、該連続部材の切断長さよりも短い印刷ピッチで印刷しておき、該連続部材の繰り出し速度を、該連続部材が長手方向に伸張し、切断時における前記印刷ピッチが前記連続部材の切断長さと一致するように且つ切断された該連続部材の所定の部位に該所定の模様が位置するように制御すると共に、前記連続部材の切断を、切断前の連続部材を伸張状態で他の連続部材に接合した後に行い、切断した該連続部材を、切断した該他の連続部材と共に吸収性物品の所定の位置に配設固定して、前記所定の模様が所定の位置にそれぞれ配されている吸収性物品を多数連続的に製造する吸収性物品の製造方法であって、前記連続部材の繰り出し速度を、前記連続部材が一回切断される間に、前記印刷ピッチ分繰り出されるように制御し、且つ前記連続部材を繰り出す所定の位置から該連続部材を切断する所定の位置までの該連続部材の搬送経路の長さを一定の長さに固定する吸収性物品の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の製造方法は、着用時に着用者の背側に位置される背側部Aの非肌当接面側に、動物の図形等の非連続的な模様4が配されている使い捨ておむつ1を製造する方法である。
【0009】
先ず、本製造方法により製造される使い捨ておむつについて簡単に説明する。
図2(a)に示す使い捨ておむつ1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性本体2と、吸収性本体2の非肌当接面側に配され、着用者の背側に位置される背側部Aの左右両側縁部に止着用のファスニングテープ(図示せず)を有する外層シート3とからなる。
【0010】
そして、使い捨ておむつ1における背側部Aの非肌当接面側の中央部に、非連続的な模様4が配されている。模様4は、前記吸収性本体2の非肌当接面側の片面を形成する裏面シート22上に印刷されており、該模様4が、該裏面シート22を覆って配された外層シート3上から透けて見えるようになっている。模様4は、縦長形状の裏面シート22の一端部近傍に印刷されており、裏面シート22は、該模様4が背側部A側に配されるように、該背面部Aと着用時に着用者の腹側に位置される背側部Bとを結ぶ方向に沿って配されている。
【0011】
本発明において「模様が配されている」とは、模様が外部から認識できれば良く、吸収性物品の外表面に配される部材に直接模様が印刷されている場合のみならず、内部の部材に印刷されている模様が外部に透けて見える場合も含まれる。また、「印刷」には、グラビア印刷、フレキソ印刷等の狭義の印刷の他、シート部材に物理的又は化学的な処理を加えて模様を生じさせる場合も含まれる。更に、視覚的に判別しうる模様のみならず、例えば、部分的に親水/撥水処理や微少なパターンでの開口加工等、物性や機能のパターンを施すことも含まれる。また、模様とは、製品1枚1枚の決まった位置に、製造者の意図したパターンの印刷が施されることを意味する。尚、図2においては、外層シート3に覆われ、外部からの識別が容易ではない吸収性本体2の輪郭を、便宜的に誇張して示してある。
【0012】
次に、本実施形態の製造方法の実施に用いられる装置について説明する。
図1に示す装置は、長尺状で伸張性を有する前記連続部材としての第1シート部材5を、所定位置から連続的に繰り出させる第1シート部材5の繰り出し機構と、該繰り出し機構から繰り出された第1シート部材5を、第2部材6との合流部Cに搬送する第1の搬送機構と、前記他の連続部材としての第2部材6を、第1シート部材5とは別に合流部Cに搬送する第2の搬送機構と、合流した第1シート部材5と第2部材6とを接合一体化させて、長尺状の複合材7を形成する一体化機構と、該複合材7を、該複合材7の流れ方向の所定の位置に存する切断部Dにおいて、吸収性物品一枚分の長さに切断する切断機構と、前記繰り出し機構からの第1シート部材5の繰り出し速度を制御する制御装置10とからなる。尚、吸収性物品一枚分の長さとは、製品としての吸収性物品一枚に用いられる長さをいう。また、第2部材は長尺状のシート材である。
【0013】
繰り出し機構は、動力源11、差動装置12及び繰出ベルト13等からなり、ロール状物50が、繰出ベルト13の摩擦係合により回転させられ、該ロール状物50から第1シート部材5が連続的に繰り出されるようになっている。繰り出しベルト13を回転させる駆動ローラ13aの回転速度は、差動装置12により調節される。差動装置12は、制御装置10から入力された制御信号E1に基づいて駆動ローラ13aの回転速度を増減するようになっている。尚、駆動入力は、図示された動力源11、差動装置12及び繰り出しベルト13に限られるものではなく、独立したサーボモータ等が制御信号を受けるようにしても良い。
【0014】
第1の搬送機構及び第2の搬送機構は、それぞれ、動力源11、駆動ローラ14,14・及び案内ローラ15,15・等からなる。
【0015】
一体化機構は、対向配置された一対の無端状の搬送ベルト18,19と、第1及び第2部材5,6の合流部Cよりも上流側において、第1シート部材5に接着剤を塗布する塗布手段20とからなり、合流した両シート5,6の上下面間を、両搬送ベルト18,19に挟持して両シートを接合一体化させ、形成された長尺状の複合材7を更に下流に搬送するようになっている。
切断機構は、動力源11の動力を受けて、周期的な運動を繰り返すカッターロール等の切断部材21を備え、複合材7の流れ方向の所定の位置に存する切断部Dにおいて、一定の速度で連続搬送される長尺状の複合材7を、吸収性物品一枚分の長さの所定の切断長さ(製品ピッチP1)に切断するようになされている。
【0016】
制御装置10は、機械位置を検出する機械位置検知手段10Aと、印刷位置を検出する印刷位置検出手段10Bと、両検知手段10A,10Bからの検知信号信号E2、E3に基づいて、印刷を配すべき位置と現在位置を合わせるために、所定の演算を行い、その演算結果に基づいて差動装置12に対して制御信号E1を出力する演算部10Cとからなる。
機械位置を検知する方法としては、周期的な運動を繰り返す切断部材21の一部にドグを設けて近接スイッチにより検知する方法や、切断部材21の駆動部(1回転/枚の軸)に角度検出器を設けて検知する方法、製品や材料の決まった位置を検出することで機械位置を検知する方法等を用い得るが、本実施形態においては、機械位置検知手段10Aに角度検出器を用いた。
また、印刷位置を検出する方法としては、フォトセンサーやCCDカメラで印刷部分を直接みる方法があり、本実施形態においては、印刷位置検出手段10Bにフォトセンサーを用いた。
【0017】
次に、図1に示す装置を用いた使い捨ておむつ1の製造方法について説明する。
本実施形態の製造方法においては、第1シート部材5として、裏面シート22を形成する長尺状の裏面シート形成シートを用い、第2部材6として、前記吸収体を形成する長尺状の吸収体形成シートを用いる。即ち、第1シート部材5により裏面シート22が形成され、第2部材6により前記吸収体が形成される。
そして、所定の模様4が所定の位置Pに配されている図2(a)に示すような使い捨ておむつ1を製造するために、第1シート部材5には、所定の模様4を予め所定の印刷ピッチで等間隔に印刷しておき、該第1シート部材5をロール状に巻回してなるロール状物50を用いる。
印刷ピッチは、模様4,4同士間のピッチであり、互いに隣合う模様4,4の前端同士等、隣合う模様4,4における同位置同士間の距離である。
また、ダンサーロールは配置せず、第1シート部材5の繰り出し位置から第2部材6に合流するまでの搬送経路の長さを一定の長さに固定しておく。
【0018】
シートをたるませると、一般にシワ、蛇行等の除去は困難である。また、シートを張りすぎてもシワ、幅縮み等の除去は困難である。従って、シートは適正な範囲でテンションをかけて搬送する必要があり、そうすることによって、シワがなく、蛇行調整ができ、幅縮みのないシート材の供給が可能となり、品質のよい製品を製造できる。従って、原反の印刷ピッチは、製品ピッチよりも短いピッチで印刷されていることが好ましく、その印刷ピッチは原反のヒステリシスなどの物性や原反巻きテンションなどから決定される。
第1シート部材5の印刷ピッチは、切断された第1シート部材5の長さ(製品ピッチP1に同じ)に対して、0.5〜50%短いことが好ましく、0.5〜10%短いことがより好ましい。ここで、印刷ピッチは、無負荷の状態で使用前の第1シート部材5から、複数の模様を含むように、その一部を切り出し、互いに隣合う模様における対応位置同士間の距離を測定することにより得られる。
第1シート部材5の印刷ピッチを斯かる範囲とすることで、第シート部材5を、常時弛ませることなく伸ばして使用することができ、加工中のテンションが最適な状態に常時維持される。
【0019】
そして、本実施形態の製造方法においては、ロール状物50からの第1シート部材5の繰り出し速度を、第1シート部材5が伸張状態で切断され、切断された該第1シート部材5の所定の部位に前記所定の模様が位置するように、制御する。より具体的には、前記第1シート部材5の繰り出し速度を、該第1シート部材5の切断部Dにおける速度、即ち前記複合材7の搬送速度よりも低速にして、第1シート部材5を伸張状態とすると共に、第1シート部材5が、該切断部Dにおいて一回切断される間に、該第1シート部材5が印刷ピッチ分繰り出されるようにする。そして、切断された該第1シート部材5の所定の模様が予め定められた所定の部位からずれた場合にはそれをズレを補正する。
【0020】
更に具体的に説明すると、ロール50から繰出ベルト13により送り出された第1シート部材5の模様の印刷位置を、巻き出された直後に印刷位置検出手段10Bとしての検出センサにより検出する。検出センサから合流部Cまでの間においては、基本的にテンション変動がないと考え、印刷位置ずれがない。そして、検出センサで検出した印刷位置と、機械位置検出手段10Aとしての検出センサで検出した機械位置との差を演算部10Cで演算し、その差が算出された時に差動装置12により、誤差を修正するように繰出しベルト13を加減速するシステムをとっている。
【0021】
本実施形態の方法では、予め設定した機械位置に対する印刷を配すべき位置と加工中の材料の印刷位置との差を演算し、予め設定した印刷を配すべき位置に加工中の材料の印刷位置を合わせるように差動装置12を動作させている。
【0022】
図1に示す装置を作動させると、繰り出し機構によりロール状物50から第1シート部材5が連続的に繰り出され、繰り出された第1シート部材5は第1の搬送機構により合流部Cを通り更に切断部Dへと搬送される。第1シート部材5は、繰り出し時に長手方向に引き延ばされ、伸張状態とされて切断部Dへと搬送される。
また、第2の搬送機構により、長尺状の第2部材6が合流部Cに搬送され、該合流部Cにおいて合流する。
そして、一体化機構により、合流された第1シート部材5と第2部材6が接合一体化され、その片面に所定のピッチで所定の模様4を位置合わせされた複合材7が形成される。
そして、複合材7が、前記切断機構により、複合材7の流れ方向の下流の切断部Dにおいて所定の切断長さ(製品ピッチP1)に切断される。この複合材7の切断により、第1シート部材5は第2部材と共に切断される。
【0023】
本装置の作動中においては、制御装置10により、ロール状物50からの第1シート部材5の繰り出し速度が、上述のように制御される。そのため、製品ピッチP1で切断された複合材7’は、その長手方向の予め定められた所定の位置に前記の模様4が配されたものとなる。
【0024】
従って、切断された複合材7’を、使い捨ておむつの予め決められている所定の部分、即ち本実施形態においては、外層シート3の肌当接面側の中央部に、その模様4が背面部Aに位置するように配設することにより、所定の模様4が予め決められた所定の位置Pに配された使い捨ておむつ1が得られる。尚、本実施形態においては、切断された複合材7’は、別に搬送されてきた長尺状の外層シート形成用シート上に載置接合させ、更にその上に長尺状の表面シート形成用シートを接合させた後、その長尺物を個々の製品寸法に切断して使い捨ておむつ1を得る。尚、止着用のファスニングテープ等、他の必要な部材は適宜の段階において取り付ける。
【0025】
本実施形態の使い捨ておむつの製造方法によれば、所定の模様4を確実に目的とする所定の位置Pに配することができ、模様4が図2(b)(c)に示すように所定の位置からずれることがない。
また、使い捨ておむつ1の製造ラインの途中にインライン印刷機を配置する必要がないので、使い捨ておむつの製造ラインが複雑化しない。また、使い捨ておむつの製造ラインとは異なる場所において、シート状物5に模様4を印刷しておき、これを製造ラインに持ち込んで用いることができるので、使い捨ておむつの製造ラインの汚染を防止できる。また、複数の製造ラインを有する場合であっても、各製造ライン毎に印刷機を設ける必要がないため、模様を付けることに伴うコストを抑制でき、経済的に使い捨ておむつを製造できる。
【0026】
また、第1シート部材5の繰り出し速度を、繰り出された第1シート部材5が伸張状態で切断されるように制御することで、搬送中におけるシート部材5に、シワや幅変動、蛇行等が生じることを防止できる。そのため、品質のよい使い捨ておむつ1を安定して製造することができる。
また、第1シート部材5を繰り出す所定の位置から第1シート部材5を切断する所定の位置までの該第1シート部材5の搬送経路の長さを一定の長さに固定したため、繰り出し速度を制御することによる、模様位置の位置合わせがより容易である。
【0027】
図3に、本発明の他の実施形態を示す。以下、図1の実施形態と異なる点について主として説明し、特に説明しない点については上記した実施形態と同様である。
図3の実施形態においては、第1シート部材5のロール状物50から該第1シート部材5を繰出ベルト13により送り出し、検出手段10Bで、その印刷位置をみながら繰出ベルト13の送りを調整する。更に、合流部Cの直前において検出手段10Dで印刷位置を検出し、E4の信号を得た差動装置31を動作させて印刷位置を合わせる。検出器10Bから合流部Cまでの距離が長い時は、このように検出手段10D及び位置合わせシステムを追加するとが極めて有効である。さらに工程が長い時には、複数個の検出器、位置合わせ装置を用いたシステムを導入することが有効である。
【0028】
尚、表面シート形成用シートは、吸収体形成用シートである第2部材6に予め一体化させておいても良い。また、裏面シート3(第1シート部材5)、吸収体(第2部材6)、表面シート2等は、それぞれ従来吸収性物品に使用されるものを特に制限なく用いることができる。また、模様には、図形、文字、図形と文字との結合等も含まれる。模様は、展開型又はパンツ型使い捨ておむつの廃棄方法や透湿性の表示としても良い。
【0029】
また、本発明は、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等にも適用可能である。また、前後の判別用の模様に限られず、例えば、おむつにおいては、中心位置表示やランディングゾーンの位置表示などにも適用でき、ナプキンにおいては、リリーステープや個装フィルム等にブランド名や処理方法を表示するのにも適用できる。
【0030】
また、模様を印刷する連続部材としては、印刷した模様の位置検出な様々な部材を用いることができ、該連続部材と一又は二以上の他の連続部材と接合することによって、例えば、部分的に親水/撥水処理した不織布、部分的に大きなまたは多数の小さな開口を設けたフィルム/紙/不織布、連続部材としての剥離紙やフィルムにパターンエンボスを施し、部分的に凹凸のある複合材等を製造することができ、これらを用いて種々の吸収性物品を製造することもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の位置に所定の模様が配されている吸収性物品を、効率的且つ経済的に、製品不良を生じることなく安定して製造し得る吸収性物品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施形態に係る装置を模式的に示す概略図である。
【図2】
図2(a)は、本発明の吸収性物品の製造方法により得られる吸収性物品の一例を示す図である。図2(b)、(c)は、所定の位置からずれた位置に模様が配された吸収性物品の例を示す図である。
【図3】
図3は、本発明の吸収性物品の製造方法の他の実施形態に係る装置を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 吸収性本体
22 裏面シート
3 外層シート
4 模様
5 第1シート部材
6 第2部材
7 複合材
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-01-30 
出願番号 特願平11-205319
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A41B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 二ッ谷 裕子  
特許庁審判長 鈴木 美知子
特許庁審判官 杉原 進
山崎 勝司
登録日 2002-09-20 
登録番号 特許第3351763号(P3351763)
権利者 花王株式会社
発明の名称 吸収性物品の製造方法  
代理人 松嶋 善之  
代理人 岩本 昭久  
代理人 岩本 昭久  
代理人 羽鳥 修  
代理人 羽鳥 修  
代理人 松嶋 善之  

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