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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09B
管理番号 1097082
審判番号 不服2003-13243  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-11-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-10 
確定日 2004-05-13 
事件の表示 平成 9年特許願第 16476号「地点特定方法及び装置と、これらを利用した地図表示方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年11月28日出願公開、特開平 9-305108〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.本願発明
本願は、平成9年1月30日の出願であって(優先権主張 特願平8-53161号 優先日 平成8年3月11日)、その請求項1ないし14に係る発明は、平成14年1月23日付け、平成14年6月10日付け、平成15年5月8日付け、平成15年7月30日付け及び平成16年2月2日付けの手続補正書により補正された明細書及び出願当初の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載されたとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】 同一サイズの単位升目を縦横に配置してなるメッシュの各単位升目に1元の複数桁の固有コードを定義する固有コード定義手段と、
前記メッシュを構成する各単位升目と地図上の領域との対応関係を定義する対応関係定義手段と、
コード番号を入力するコード入力手段と、
該コード入力手段によって固有コードが入力されたとき、該固有コードと前記固有コード定義手段の定義内容とに基づいて単位升目を特定すると共に、該特定された単位升目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定する地点特定手段とを備える地点特定装置であって、
前記固有コード定義手段は、地図中の所定の地域に対応する前記単位升目の複数桁の固有コードについて使用頻度の高いエリアが小さな数字となるように地域を優先して固有コードのコード体系中における若い番号を振り分け、頭に付く0を省くことで固有コード全体としての実質的な桁数が小さくなるように各固有コードを定義しており、
前記地点特定手段は、前記コード入力手段によって固有コードが入力されたとき、該固有コードと前記固有コード定義手段の定義内容とに基づいて単位升目を特定すると共に、該特定された単位升目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定すること
を特徴とする地点特定装置。」

2.引用文献
2-1 引用文献1
(1)当審で通知した拒絶理由に引用した特開昭63-197986号公報(昭和63年8月16日公開、以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。

ア.「日本全国を1000以内の互いに重なりや、すきまのないように矩形の地域に分割された地図のそれぞれの地域に000から999までの間の3桁の番号をつける。つぎに分割された各地域の縦および横をそれぞれ100以内の碁盤目に区切り・・・桝目に行列の関係に00から99までの間の2桁の数字を付ける。そしてその属する地域の3桁の番号数字と、行および列の各2桁の番号を組み合わせて出来る合計7桁の数字を地点番号として全国の地点を統一的、一元的に表わすことを特徴とする地点表示方法。」(請求項1)

イ.「特許請求の範囲第1項において縦横に区切った碁盤目を更に縦横に10等分して区切り、横および縦に1桁づつを加え、それぞれ000から999までの3桁の数字として、その地域番号と合わせ計9桁の数字で地点番号として表現するようにした地点表示方法」(請求項2)

ウ.「・・・各地域の地図または部分図を画像記憶装置に登録しておき、・・・送信機より発進された信号を受信し、その地点番号に該当する地図を自動的にディスプレイに表示し、受信した行と列の番号から画面上の該当部分を発光、発色、点滅等をさせることにより、当該発信地点を表示できるようにした・・・」(請求項12)

エ.「本発明の根幹となるものは、地名には頼らない交通システムである。これを具体的に説明すると特許請求の範囲第1項に示すように日本全国を1000以内の地域に分割する。・・・分割方法は・・・出来れば正格子状に分割する方が望ましい。・・・そして分割された各地域に000から999までの間の3桁のそれぞれ異なった地域番号を順につける。そして分割された各地域の縦横を100以内の桝目に区切って各々に00から99までの2桁の番号をつけるわけであるが、縦、横につける番号は、・・・桝目の番号を表わしていてもよい。実際には区切った各桝目は・・・正方形の方が都合が良く、・・・」(3頁左下欄15行〜4頁左上欄欄1行)

オ.「・・・もっと詳細な地点を表す必要がある場合には、・・・各桝目の縦横を更に10等分して縦、横を各々3桁の数字で表せば、上記の例では1つの桝目が50m四方となり、非常に詳細な部分を表現出来ることになる。・・・このように・・・全国の地点が統一的、一元的に表現される・・・」(4頁左上欄14行〜右上欄4行)

カ.「・・・従来の道路地図が地形に合わせて千鳥格子状に全国の地域割りをしていることが多かったが、この場合には適当な方法ではなく正格子状の分割が好ましい。」(5頁左上欄15行〜18行)

キ.「・・・送信機から発せられた現在地の信号を受信することによって、その地域番号から自動的に該当する地図を検索し、ブラウン管画面上に表示し、受信した縦横の番号から、地図上の該当部分を発光や発色、点滅などをさせることによって、自分のいる現在地点を表示できるディスプレイ装置が出来る。」(6頁右下欄6行〜13行)

ク.「なおこれらの装置に、入力装置をつけておき目的地の地点番号を入力すればその部分も点滅したり、地域番号を入力すれば任意に他の地域の地図を表示することも出来るようにしておけば更に便利である。」(7頁左上欄9行〜13行)

(2)引用文献1に記載のものにおいては、次のことが明らかである。
上記2-1(1)ア.、イ.、エ.、オ.より、
各単位桝目は、縦横にメッシュ状に配置された同一サイズのものであり、
各単位桝目には、3桁の地域番号とそれに続く各地域をさらに細分化したものを表す番号とからなる計7桁又は計9桁の地点番号が振り分けられ、地点番号により全国の地点を統一的、一元的に表わすものであって、
各単位桝目に1元の複数桁の地点番号を定義する地点番号定義手段を有すること、及び各単位桝目と地図上の領域との対応関係を定義する対応関係定義手段を有すること。
さらに、上記2-1(1)キ.、ク.より、地点番号を入力する入力装置によって地点番号が入力されたとき、地図上の領域をもって地点を特定するものであって、
その際、入力された地点番号と上記地点番号定義手段の定義内容とに基づいて単位桝目を特定すると共に、その特定された単位桝目と上記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定するものであること。

(3)以上から、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
「同一サイズの単位桝目を縦横に配置してなるメッシュの各単位桝目に1元の複数桁の地点番号を定義する地点番号定義手段と、
前記メッシュを構成する各単位桝目と地図上の領域との対応関係を定義する対応関係定義手段と、
地点番号を入力する入力装置と、
該入力装置によって地点番号が入力されたとき、該地点番号と前記地点番号定義手段の定義内容とに基づいて単位桝目を特定すると共に、該特定された単位桝目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定する地点特定手段とを備える地点特定装置であって、
地図中の所定の地域に対応する単位桝目の複数桁の地点番号の上位3桁(地域番号)について分割された各地域に異なった番号を順につけるものであり、
前記地点特定手段は、前記入力装置によって地点番号が入力されたとき、該地点番号と前記地点番号定義手段の定義内容とに基づいて単位升目を特定すると共に、該特定された単位升目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定すること
を特徴とする地点特定装置。」(以下、「引用発明」という。)


3.周知の手段について
一般に、複数桁の番号を振り分けるに際し、使用頻度が高いものが小さな数字となるようにコード体系中における若い番号を振り分けることは、周知の手段である(下記、(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)等参照)。
さらに、頭に付く0を省くことで全体としての実質的な桁数が小さくなるようすることも、数字の取り扱い方として周知の手段である(下記、(お)、(か)、(あ)、(う)等参照)。

(あ)事例α:フランス国パリ市における1区〜20区の番号の振り分けにつき、もと王宮であったルーブルのあたりを1区として、都心部に若い番号が、周辺部に大きい番号が、振り分けられた。使用頻度の高いエリアである都心部に若い番号を振り分けることで、番号全体としての実質的な桁数が小さくなるように、番号が振り分けられた事例である。
(なお、パリ市における1区〜20区の番号をコードとして取り扱う場合、2桁のコードの番号として取り扱うことも慣用されてきた。(例えば、郵便番号においては、1区〜20区に末尾の2桁の01〜20を対応させた。)
また、1区から9区については、1区、9区とする表記自体が、01区、09区等と頭に0をつける方法と比べて、頭に付く0を省くことで実質的に桁数を小さくなるようにした数字の取り扱いであって、このように頭に付く0を省くことはパリ市の区の表記においてそもそも日常的になされてきたと言うことができる。
そして、都心部の区は、1桁の番号であり、覚え易く、表記等の際の手間も少なくなっている。)

(い)事例β:日本の国道の路線番号は、東京-大阪間が国道1号、大阪-北九州間が国道2号というように東海道、山陽道といった主要道に若い番号が振り分けられ、国土の骨格を形づくるように58号(2桁)までの番号が振り分けられ、101号以降(3桁)の番号は政令公布毎に順次概ね北から南に番号が振り分けられていた。(巨視的に見て)使用頻度が高い(ことが想定された)主要道の路線番号を若い番号とすることで、全体としての実質的な桁数が小さくなるように、番号が振り分けられた事例である。
(例えば、主要道である国道1号、国道2号は、若い番号の数字であるので、覚え易く、表記等の際の手間も少なくなっている。)
(なお、出願人が意見書に記載した423号、466号についてみると、大阪都心部から新大阪・千里ニュータウン方面への新御堂筋、環八通り・目黒通り方面から横浜新道方面への第3京浜は、現在においては確かに使用頻度の高い主要道となっているが、国道の路線番号体系を作った当初ではなく大都市部の発展によりそれ以降に整備が進んだ路線であって、比較的新しい政令公布により組み入れられたものであるので、路線番号も3桁の大きな番号となっているものである。)

(う)事例γ:日本における市外局番は、近年まで、東京、大阪に03,06の2桁の番号(若い番号)を、その他主要都市に3桁の番号を、他の地域に4桁以上の番号を振り分けることで、番号全体としての実質的な桁数が大きくならないように振り分けられてきた。
また、海外から日本に国際電話をする際には、日本の国番号に続けて、市外局番としては頭に付く0を省くことが必要であるが、頭に付く0を省く取り決めは、桁数を1つ小さくするものである。

(え)特開平5-258126号公報(「・・・圧縮されたコードを数字キーで入力する方法は・・・。またこの方法においては、ゴールデンアワーの番組等録画の頻度が高いと思われる番組を人為的に選んで、この選ばれた番組には桁数の少いコードを割当てるようにし、録画の頻度が低いと思われる番組には桁数の多いコードを割当てるようにしているが、・・・」(0005段落)と記載されている。)
(使用頻度が高いものが小さな桁数となるようにコード体系中における若い番号を振り分けることでコード全体としての実質的な桁数が小さくなるようにした事例である。)

(お)特開平6-6690号公報(次の事項が記載されている。
ア.「チャンネルコードを2桁とし主要チャンネルの上位桁を0、録画時間を示す時間コードを3桁とし出現頻度が高い時間コードの最上位桁を0とする。・・・これが0のときは、これをバーコードで表示しないようにして、バーコードの桁数を小さくする。・・・」(要約)
イ.「・・・バーコードを、チャンネルを表すと共に主要チャンネルに対する最上位桁を0にしたチャンネルコードと、・・・、番組時間を表すと共に出現頻度の高い番組時間の最上位桁を0にした時間コードとで構成すると共に、バーコードの最上位2桁にチャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁を配列し、チャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁が共に0のときには、チャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁をバーコードで表記しないようにした・・・」(請求項1)
ウ.「【従来の技術・・・】・・・前記方法では、必要な情報として大きな桁の録画予約データをキー入力する必要があるため、煩雑で時間を要する上に入力エラーが生じ易いという欠点がある。
前記方法の欠点を解消する方法として、圧縮された予約コードを使用する方法が提案されている。この方法では、録画予約データを番組録画の利用頻度に基づいて統計的に処理し、利用頻度が高い番組が桁数の少ない予約コードになるようにしている。
キー入力方式においては、前述のコード圧縮方式は有効である・・・」(0003段落〜0005段落)
エ.「チャンネルコードは、チャンネルを表すと共に主要チャンネルに対する最上位桁が0にされている。主要チャンネルとしては、日本全国をネットする7つの放送網を採用することができ、主要チャンネルに対するチャンネルコードとして、上位桁を0にした2桁、例えば00、01、・・・06等を採用することができ、実質1桁で表記できる。なお、チャンネルコードとしては、最上位桁を0にすれば3桁以上でもよい。」(0017段落)
オ.「番組時間を表す時間コードは、請求項1〜請求項4の発明では、実際の番組欄に出現する時間を調べ、出現頻度の高い番組時間について最上位桁を0にする。・・・」(0021段落)
カ.「・・・主要チャンネルでかつ出現頻度の高い番組時間や大部分の番組時間に対しては、チャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁が各々0になる。これらの0は、特別な意味をもたないため、省略してもチャンネルコード及び時間コードを認識することができる。従って、チャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁が共に0のときに、これらの0を省略してチャンネルコードの最上位桁及び時間コードの最上位桁をバーコードで表記しないようにすると、バーコードの桁数を2桁小さくすることができ、・・・」(0023段落)
キ.「チャンネルコードは、2桁とし、日本全国をネットする7つの放送網を主要チャンネルとして、主要チャンネルの各々に対して例えば、00、01、・・・06の7つのコードを対応させ、他のチャンネルには、残りのコードを対応させる。このように、00を第1番目のチャンネル、99を第100番目のチャンネルに対応させることにより、2桁のチャンネルコードで100チャンネルまで表記可能である。」(0026段落))
(以上から、使用頻度が高いものが小さな数字となるようにコード体系中における若い番号を振り分け、頭につく0を省くことでコード全体としての実質的な桁数が小さくなるようにした事例である。)

(か)事例δ:平成5年1月より供用されているCD-ROMによる特許及び実用新案の公開公報において、番号入力規約として、元号記号と和暦年(2桁)と一連番号(6桁)のうち一連番号については、前ゼロは省略できる仕様である(例えば、(本願出願前の)平成6年1月14日発行のCD-ROM版の特許及び実用新案の公開公報(6(1994)-002[91])に収められた特開平6-3501号を端末において番号で検索する場合、H06の後は003501でも3501でも許容される。)。頭につく0を省くことで実質的に入力する桁数を減らしてコードを入力する手間を緩和した事例である。


4.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、後者における「単位桝目」、「地点番号」、「地点番号定義手段」、「地点番号を入力する入力装置」、「入力装置」は、それぞれ前者における「単位升目」、「固有コード」、「固有コード定義手段」、「コード番号を入力するコード入力手段」、「コード入力手段」に相当することから、
両発明は、
「同一サイズの単位升目を縦横に配置してなるメッシュの各単位升目に1元の複数桁の固有コードを定義する固有コード定義手段と、
前記メッシュを構成する各単位升目と地図上の領域との対応関係を定義する対応関係定義手段と、
コード番号を入力するコード入力手段と、
該コード入力手段によって固有コードが入力されたとき、該固有コードと前記固有コード定義手段の定義内容とに基づいて単位升目を特定すると共に、該特定された単位升目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定する地点特定手段とを備える地点特定装置であって、
前記地点特定手段は、前記コード入力手段によって固有コードが入力されたとき、該固有コードと前記固有コード定義手段の定義内容とに基づいて単位升目を特定すると共に、該特定された単位升目と前記対応関係定義手段の定義内容とに基づいて地図上の領域を特定し、該特定された領域をもって地点を特定すること
を特徴とする地点特定装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点)本願発明は、地図中の所定の地域に対応する単位升目の複数桁の固有コードについて使用頻度の高いエリアが小さな数字となるように地域を優先して固有コードのコード体系中における若い番号を振り分け、頭に付く0を省くことで固有コード全体としての実質的な桁数が小さくなるように各固有コードを定義しているものであるのに対し、
引用発明は、地図中の所定の地域に対応する単位升目の複数桁の固有コードの上位3桁(地域番号)について分割された各地域に異なった番号を順につけるものである点


5.判断
上記相違点について以下に検討する。
(1)相違点に係る本願発明の構成に関して、「地図中の所定の地域に対応する単位升目の複数桁の固有コードについて使用頻度の高いエリアが小さな数字となるように地域を優先して固有コードのコード体系中における若い番号を振り分け、頭に付く0を省くことで固有コード全体としての実質的な桁数が小さくなるように各固有コードを定義する」ことそれ自体は、技術的な事項といえるものではなく、コード体系中における数字の振り分け・取り扱いに関するものであるところ、
一般に、複数桁の番号を振り分けるに際し、使用頻度が高いものが小さな数字となるようにコード体系中における若い番号を振り分けることは、上記3.のとおり、周知の手段であり、
さらに、頭に付く0を省くことで全体としての実質的な桁数が小さくなるようすることも、数字の取り扱い方として、上記3.のとおり、周知の手段である。

したがって、引用発明における地図中の所定の地域に対応する単位升目の複数桁の固有コード(地点番号)の上位3桁(地域番号)について、上記の両周知の手段を適用し、使用頻度の高い地域が小さな数字となるように地域を優先してコード体系中における若い番号を振り分け、さらに、頭に付く0を省くことで、コード全体としての実質的な桁数が小さくなるように取り決めることは、当業者が必要に応じて適宜になし得た程度の事項である。

以上のとおり、上記相違点に関する本願発明の構成とすることに、格別の困難性は認められない。

(2)また、本願発明を全体としてみても、引用文献1に記載の発明及び周知の手段から予測される以上の格別の効果を奏するとも認められない。


6.むすび
したがって、本願発明は引用文献1に記載された発明及び周知の手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-03-15 
結審通知日 2004-03-16 
審決日 2004-03-29 
出願番号 特願平9-16476
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G09B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松川 直樹榎本 吉孝  
特許庁審判長 城戸 博兒
特許庁審判官 村上 哲
大野 覚美
発明の名称 地点特定方法及び装置と、これらを利用した地図表示方法及び装置  
代理人 伊藤 高順  
代理人 加藤 大登  
代理人 碓氷 裕彦  

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