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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K |
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管理番号 | 1097240 |
審判番号 | 不服2003-17508 |
総通号数 | 55 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-08-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-09-09 |
確定日 | 2004-05-20 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第349706号「非接触ICメモリーカード及びそれを用いた情報伝送システム」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 8月 4日出願公開、特開平 7-200765〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
(手続の経緯、本件発明) 本願は、平成5年12月28日の出願であって、その請求項1乃至4に係るそれぞれの発明は、平成14年9月2日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)は、次のとおりのものである。 「複数個のコイルが所定の間隔をおいて直線状に連結されたコイル集合体を備え、前記コイル集合体を介して電磁結合により端末装置と信号のやり取りを行う非接触ICメモリカードにおいて、前記コイル集合体を前記端末装置に対するカードの挿入方向に設置したことを特徴とする非接触ICメモリカード。」 (刊行物記載の発明) これに対し、原審において引用された特開昭62-183394号公報(以下、刊行物1という。)には、ICカードに関する発明が記載されており、第1図、第2図と共に、「図において、このICカードは、そのカード基板1の表面および裏面にそれぞれ2組の情報交信用接触端子群2〜7を配設している。前記の接触端子群2〜7はカード基板1の表面、裏面ともに対角の位置に対称に配置されている。本実施例におけるICカードは、カード基板1の表面、裏面のどちらかの面からでも外部端末との情報交換が可能となり、また端末機への差し込みも前、後の区別をすることなく行える。これにより、ICカードを使用者は、カード使用時にカードの表、裏および差し込み方向の判別に注意を払う必要がなくなり、余分な気をつかわないで済むことになる。」(第2頁左上欄第4〜17行)と説明されている。 (対比) 本件発明と上記刊行物1記載の発明とを対比すると、上記刊行物1記載の発明におけるカードの前、後とは、「第3図、第4図は接触方式のICカードの他の例を示したもので、カード基板1の表面および裏面の接触端子群2〜7をカード基板1の前縁および後縁に対称に配置したものである。」(第2頁右上欄第2〜5行)との記述からみて、長方形状のカード(第1図、第2図)の短辺がそれに相当するとするのが自然であり合理性があると考えられ、さらに、上記刊行物1記載の発明においては、このカードを前、後を区別することなく端末機に差し込めるとしていることからすると、上記刊行物1記載の発明の情報交信用端子群は、端末装置に対するカードの挿入方向に設置されているとするのが相当であるから、本件発明と上記刊行物1記載の発明とは、端末装置との信号のやり取りを行うための手段(本件発明では複数のコイル、上記刊行物1記載の発明においては、情報交信用接触端子)を、カードの挿入方向に設置したとする点で一致する ただ、本件発明のICメモリカードが、端末装置との信号のやり取りを、複数個のコイルが所定の間隔をおいて直線状に連結されたコイル集合体を備え、前記コイル集合体を介して行う非接触型のものであるのに対し、上記刊行物1記載の発明のICカードは、端末装置との信号のやり取りを、情報交信用接触端子群を備え、その情報交信用接触端子群を介して行う接触型のものであり、この点で両者は相違する。 (相違点についての検討) しかるに、端末装置との信号のやり取りをコイルにより非接触に行うとすることは、本件出願前ごく普通に知られた技術内容であるから、上記刊行物1記載の発明において、情報交信用接触端子群に替えて、複数のコイルを用いるとすることは当業者が容易になし得ることである。 (まとめ) したがって、本件発明は、上記上記刊行物1記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-03-09 |
結審通知日 | 2004-03-16 |
審決日 | 2004-04-07 |
出願番号 | 特願平5-349706 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 桜井 茂行、前田 仁 |
特許庁審判長 |
川名 幹夫 |
特許庁審判官 |
前田 典之 橋本 正弘 |
発明の名称 | 非接触ICメモリーカード及びそれを用いた情報伝送システム |
代理人 | 武 顕次郎 |