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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1097303
審判番号 不服2002-10439  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-10-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-06-11 
確定日 2004-05-19 
事件の表示 平成 2年特許願第321649号「マイクロプロセッサ及びその周辺機能設定方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 3年10月 2日出願公開、特開平 3-223979]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は平成2年11月26日(優先権主張 平成1年12月7日)の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成15年5月12日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「 マイクロプロセッサの周辺機能を設定する方法であって、
上記マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能を実現するための情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意する工程と、
上記マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能の機能一覧を、上記コンピュータシステムの画面上に表示する表示工程と、
上記機能一覧の中から選択された周辺機能を定義する情報を上記コンピュータシステムの上記記憶媒体から抽出する抽出工程と、
上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子を電気的に書き込むための書き込み装置へ上記抽出された情報を転送する転送工程と、
上記転送された情報を、上記書き込み装置によって上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子へ書き込む書き込み工程と、
上記周辺機能実現手段に一旦設定された周辺機能の変更が必要な場合に上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に書込まれている情報を消去し、上記表示工程、抽出工程及び転送工程を繰返すことによって得られた新たな情報を、上記書き込み装置によって、上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に電気的に書き込む書込工程と、を含むことを特徴とするマイクロプロセッサの周辺機能設定方法。」(以下、「本願発明」という)

2.引用刊行物記載の発明
これに対し、当審の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である昭和58年4月18日に頒布された特開昭58-64698号公報(以下、「引用刊行物1」という)には次の事項が記載されている。
(1)「ミニフロッピー等からなる補助メモリー部42には(中略)データにファイル名を付して複数の書込データが格納される。キーボード部52には(中略)補助メモリ部42のファイルNOを指定するための設定キーSk1(中略)が設けられており、各種の入力操作を行う。表示部54ではキーボード部52により入力されたデータなどの表示が行われる。」(第3頁左下欄第19行〜同頁右下欄第13行)
(2)「CPU58はプログラムメモリ部60に格納されている制御プログラムに基づき外部入力装置44と補助メモリ部42とのデータ入出力制御、補助メモリ部42から主メモリ部40へのデータ転送及び表示部54の表示制御を行う共に(中略)コントロール部インターフェイス62に各種制御指令を送出する。」(第3頁右下欄第17行〜第4頁左上欄第9行)
(3)「書込制御部88はコントロール部インターフェイス62から出力されたデータを受けてP-ROM1に所定の順序で所定のアドレスにデータの書込みを行う」(第4頁左上欄第18行〜同頁右上欄第1行)
(4)「第3図において、ステップ100,102でキーボード部52のキー操作により補助メモリ部42内のデータファイル名の指定(中略)が行われる。」(第4頁右上欄第12行〜同欄第16行)
(5)「スタートキーSRKが押されると先ずステップ106では補助メモリ42内におけるステップ100で指定されたファイル名の書込みデータが主メモリ部40に転送される。」(第4頁右上欄第17行〜同頁左下欄第1行)
(6)「該ステップ142でP-ROM1にデータの書込みが行われ」(第5頁右上欄第16行〜同欄第17行)

また、当審の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である平成1年6月27日に頒布された特開平1-162971号公報(以下、「引用刊行物2」という)には、次の事項が記載されている。
(7)「各ユーザが独自の要求仕様をもつシングルチップマイコンのハードウエアとしては、キー入力エンコーダ(キーボードからの入力情報を変換してシングルチップマイコンに取り込むためのエンコーダ),表示デコーダ( シングルチップマイコンの出力情報を変換して表示装置を駆動するためのデコーダ),計時用タイマー等種々のものがある。
従って、本発明の目的とするところは、シングルチップマイクロプロセッサのハードウエアに関係する論理装置(ランダムロジック回路装置)を該マイクロプロセッサ内部に構成し、該マイクロプロセッサ外部からの書込み情報に従って該論理装置の論理機能を任意に構成することにある。」(第4頁左上欄第1行〜同欄第13行)
(8)「PLA6はシングルチップマイコンのハードウエアを実現するための論理装置として動作し、このPLA6は電気的に書込み可能な不揮発性メモリ素子を含んでいる。」(第4頁左下欄第11行〜同欄第14行)
(9)「第5図に示すような種々の使い方が可能になる。
(A)(中略)
(D)(中略)
なお、上記(A)〜(D)は2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。」(第5頁第右下欄第1行〜第6頁左上欄第4行)
(10)「また、PLAを紫外線消去型の電気的に書込み可能なPROM素子で構成したから、窓付きパッケージに封入し、窓から紫外線を照射して情報を消去した後に、新しく論理情報を電気的に書き直して繰り返し利用することも可能である。」(第6頁左上欄第11行〜第15行)
(11)「以下に第2の実施例としてプログラマブル回路にプロセッサ構造の第2のプログラマブル論理回路(サブプロセッサ)を付加して、第1実施例より複雑な機能を実現できる半導体集積回路の例を述べる。(中略)本実施例では上記PSG109およびROM101は電気的に書込み可能なPROM素子を用いて構成する。」(第6頁右上欄第4行〜同頁左下欄第17行)

また、当審の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である昭和61年12月16日に頒布された特開昭61-285560号公報(以下、「引用刊行物3」という)には、次の事項が記載されている。
(12)「第1図は、本発明の一実施例を示す図であり、図において(1)はホスト計算機、(2)は外部記憶装置であり、ダウンラインロード用のファームウエアとして、例えば日本語ディスプレイファームウエア(4A)とグラフィックディスプレイ用ファームウエア(4B)が格納されている」(第2頁左下欄第3行〜同欄第8行)
(13)「この例の場合には、不揮発メモリ(12)の内容はスイッチ(10)の操作によりクリアされているので、ホスト計算機(1)との交信に先立ち、端末入出力装置(9)の表示部に端末情報設定メニューを表示し、ローディングを希望するファームウェアの情報の設定を促す。」(第2頁右下欄第14行〜同欄末行)
(14)「そこで、利用者がグラフィックディスプレイ用ファームウェア(4B)を指定すると、(中略)すると、ホスト計算機(1)は端末側から受信した情報に応答して、外部記憶装置(2)内にあるグラフィックディスプレイ用ファームウェア(4B)を選択し、通信回線を通して要求のあった端末装置(5-A)の記憶装置(8)にダウンラインロードする。これにより、端末装置(5-A)はファームウェア(4B)に従った動作を行うようになる。」(第2頁右下欄末行〜第3頁左上欄第16行)

上記引用刊行物2について検討する。
上記引用刊行物2の記載事項(7)の「キー入力エンコーダ」、「表示デコーダ」、「計時タイマー」はシングルチップマイクロコンピュータ1が有する周辺機能を実現するハードウエアであり、上記引用刊行物2の記載事項(8)によると、PLA6はシングルチップマイコンの上記ハードウエアを実現するための論理装置として動作し、電気的に書き込み可能な不揮発性メモリ素子を含んでいる。
上記引用刊行物2の記載事項(9)の(A)〜(D)の使用形態及び(A)〜(D)を2つ以上組み合わせた使用形態は入出力ポート7とプロセッサ5間にPLA6が介在させる、もしくは入出力ポート7とPLA6間で処理するもので、これらもシングルチップマイクロコンピュータ1の周辺機能であり、PLA6は周辺機能実現手段である。
上記引用刊行物2の記載事項(11)の「プログラマブル回路にプロセッサ構造の第2のプログラマブル論理回路(サブプロセッサ)を付加した」例も、PLA6の他にさらに電気的に書き込み可能な不揮発性メモリ素子PSG109およびROM101を用いて構成するものである。
よって、上記ハードウエアを実現するための論理装置であるPLA6及び第2のプログラマブル論理回路はシングルチップマイクロコンピュータの周辺機能実現手段であって、電気的な書き込み可能な不揮発性メモリ素子を含むものである。

上記引用刊行物2の記載事項(10)によると、上記周辺機能実現手段(PLA)に一旦設定された周辺機能を変更する場合に上記周辺機能実現手段(PLA)の書き込み可能な不揮発性メモリ素子に書込まれている情報を消去し、新たな情報を、上記周辺機能実現手段の書き込み可能な不揮発性メモリ素子に電気的に書き込むことによって新たな論理情報による新しい周辺機能を実現するものである。

したがって、上記引用刊行物2には、本願発明の記載形式にそって表現すると、
「シングルチップマイクロコンピュータの周辺機能を設定する方法であって、
上記シングルチップマイクロコンピュータ内に周辺機能実現手段を有し、
上記周辺機能実現手段の電気的に書き込み可能な不揮発性メモリ素子へ周辺機能を定義する情報を書き込む書き込み工程と、
上記周辺機能実現手段に一旦設定された周辺機能を変更する場合に上記周辺機能実現手段の書き込み可能な不揮発性メモリ素子に書込まれている情報を消去する工程と、新たな情報を、上記周辺機能実現手段の書き込み可能な不揮発性メモリ素子に電気的に書き込み工程を含むことを特徴とするマイクロプロセッサの周辺機能設定方法。」(以下、「引用発明1」という)が記載されている。

3.本願発明と上記引用発明1との対比
引用発明1の「シングルチップマイクロコンピュータ」、「電気的に書き込み可能な不揮発性メモリ素子」は、それぞれ、本願発明の「マイクロプロセッサ」、「書き込み可能な記憶素子」に相当するので、
両者は
「マイクロプロセッサの周辺機能を設定する方法であって、
上記マイクロプロセッサ内に周辺機能実現手段を有し、
周辺機能を定義する情報を上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子へ書き込む書き込み工程と、
上記周辺機能実現手段に一旦設定された周辺機能の変更が必要な場合に上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に書込まれている情報を消去し、新たな情報を上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に電気的に書き込む書込工程と、を含むことを特徴とするマイクロプロセッサの周辺機能設定方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点
[相違点1] 上記引用発明1には、書き込み可能な記憶素子へ周辺機能を定義する情報を書き込む際に、本願発明が有する以下の工程がない。
(A)上記マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能を実現するための情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意する工程
(B)上記マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能の機能一覧を、コンピュータシステムの画面上に表示する表示工程
(C)上記機能一覧の中から選択された周辺機能を定義する情報を上記コンピュータシステムの記憶媒体から抽出する抽出工程
[相違点2]上記引用発明1には、書き込み工程において本願発明が有する「書き込み装置によって」いる構成がないので、本願発明が有する下記(D)の工程がない。
(D)上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子を電気的に書き込むための書き込み装置へ上記抽出された情報を転送する転送工程
[相違点3]引用発明1には、上記相違点1,2で上述した「書き込み装置」及び上記(B)〜(D)の工程がないので、「新たな情報を上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に電気的に書き込む書込工程」において、「書き込み装置」による点及び新たな情報を得るのに上記(B)〜(D)を繰り返す点がない。

4.当審の判断
4-1 上記相違点1について
「マイクロプロセッサの周辺機能」を、ソフトウエア・ライブラリとすることは、例えば、本願出願前に頒布されたインターフェース1987年10月号 第13巻第10号 の特集「周辺LSI実用プログラミング」の第198頁左欄第10行〜第29行)には、「ゲートアレイ、スタンダード・セル・システム、ASICなどCAD(Computer Aided Design)の発達によりLSI開発の自由度が増大し、開発コストは低下する。(中略)(a)ユーザの設計自由度が増大するため、小規模なものはユーザの希望によりCPUチップ内に納められることが多くなるであろう。さらに、パッケージ化された物理的LSIではなく、ライブラリという形でCPU設計ソフトウエアの一部となることも多くなるであろう。結局、いくつかの周辺LSIをCPUに組み込んだカスタム仕様のものがますます多く作られるようになり、「CPUと周辺LSIの組合せ」という作業はプリント基板上の作業からシリコン・チップ上の作業へと移行するであろう。(中略)物理的パッケージに納められた形式で独立に存在する形からソフトウエア・ライブラリとして存在する形式へ移行するだけのことである。」と記載されているように、当業者が期待し得る程度のことにすぎない。

そして、上記引用刊行物3の記載事項(12)には、外部記憶装置(2)はコンピュータシステムの記憶媒体であり、「日本語ディスプレイファームウエア」及び「グラフィックディスプレイ用ファームウエア」は当該端末装置の機能実現手段によって実現可能な機能を実現するための情報であるので、「端末装置内の機能実現手段によって実現可能な機能を実現するための情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意する工程」が記載されているものと認められる。
また、同記載事項(13)には、端末入出力装置(9)の表示部は「コンピュータシステムの画面」であり、「メニュー」は選択項目を一覧表示するものであり、そして、ファームウエアがローディングされると端末が「日本語ディスプレイ」または「グラフィックディスプレイ」になるものであるから、「端末装置内の機能実現手段によって実現可能な複数の機能の内のいずれをコンピュータシステムの記憶媒体から抽出するかを促すための一覧を、コンピュータシステムの画面上に表示する表示工程」が記載されているものと認められる。
また、同記載事項(14)には、「ファームウエア」は「機能を定義する情報」に相違ないから、「一覧の中から選択された機能を定義する情報をコンピュータシステムの記憶媒体から抽出する抽出工程」と「抽出された情報を端末装置に転送する転送工程」と「端末装置内の記憶装置に書き込む書き込み工程」が記載されているものと認められる。

したがって、上記刊行物3には、
「装置の機能を設定する工程であって
(a)上記装置内の機能実現手段によって実現可能な機能を実現するための情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意する工程と、
(b)上記装置内の機能実現手段によって実現可能な機能の内のいずれをコンピュータシステムの記憶媒体から抽出するかを促すための一覧を、コンピュータシステムの画面上に表示する表示工程と、
(c)上記一覧の中から選択された機能を定義する情報をコンピュータシステムの記媒体から抽出する抽出工程と、
抽出された情報を上記装置に転送する転送工程」(以下、上記(a)〜(c)の工程を「機能選択抽出工程」という)が示されている。

よって、引用発明1において周辺機能を設定する際に、
マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能を実現するための情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意する工程、
上記マイクロプロセッサ内の周辺機能実現手段によって実現可能な周辺機能のいずれをコンピュータシステムの記憶媒体から抽出するかを促すための一覧を、コンピュータシステムの画面上に表示する表示工程、
上記機能一覧の中から選択された周辺機能を定義する情報を上記コンピュータシステムの記憶媒体から抽出する抽出工程
を適用することは当業者が容易になしえたものと認められる。

そして、一覧の中から選択するメニュー形式において選択すべき対象の名称をメニュー項目とすることは一般に行われていることにすぎない。
また、プログラム名称として、そのプログラムが実現する機能を名称とすることは一般に行われていることにすぎない。(上記刊行物3においてもファームウエアの種類を表現するのに「日本語ディスプレイファームウエア」、「グラフィックディスプレイ用ファームウエア」と機能を名称としている。また、例えば、特開昭59-123051号公報の第3頁左上欄第1行〜第7行「状態テーブル11は、例えば第3図図示の如く、各個別処理機能部3-1、3-2、・・・に対応して、その機能の識別番号である機能コードと、プログラム名等の機能名称とその機能が登録されて使用可能となっているかまたは削除されて使用不可能になっているかを示す選択状態情報とを保持するように構成される。」には「プログラム名等の機能名称」という記載がある。)
さらに、システム構築の際の機能設定において、設定可能な機能一覧から選択することも知られている。(例えば、上記特開昭59-123051号公報の第3頁左上欄第13行〜同頁右上欄第2行「システム作成状態表示部15は、システム作成処理部1’の起動によって、状態テーブル11をメモリ上に読み出し、各個別処理機能部3-1,3-2,・・・ごとに、その選択状態等をCRTディスプレイ装置18に表示する。(中略)すなわち登録するか削除するかの指示ができる。この操作は、例えばメニュー選択方式により、簡単に行うことができるようになっている。」及び同公報第4頁左上欄第14行〜同欄第18行「システム作成処理部1’を起動すると、CRTディスプレイ装置18に機能一覧が表示される。すべての処理機能は削除状態になっているので、外気取入制御部32-1から順次登録モードに切り替えていく。」参照)
よって、「実現可能な周辺機能のいずれをコンピュータシステムの記憶媒体から抽出するかを促すための一覧」を「実現可能な周辺機能の機能一覧」とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことにすぎないものと認められる。

したがって、上記相違点1は格別なものではない。

4-2 上記相違点2について
マイクロプロセッサ内に書き込み可能な記憶素子を有するものにおいて、前記書き込み可能な記憶素子を電気的に書き込むための書き込み装置によって、書き込み可能な記憶素子に書き込むことは周知慣用手段にすぎない(例えば、特開昭61-48195号公報、特開昭61-126685号公報、特開昭64-19592号公報、特開平1-181146号公報等が挙げられる)。
そして、前記書き込み装置を用いる場合に、前記書き込み装置に書き込むべき情報を転送することは当然なし得ることにすぎない。
また、書き込むべき情報がコンピュータシステムの記憶媒体から抽出された情報であることに格別の困難性は認められない。
たとえば、上記引用刊行物1を参照すると、データにファイル名を付して複数の書き込みデータを予め補助メモリ部42に格納しておくこと及びキーボード部52には補助メモリ部42のファイルNOを指定するための設定キー、表示部54ではキーボード部52により入力されたデータ等の表示が行われること(上記記載事項(1)参照)、キー操作により補助メモリ部42内のデータファイル名の指定がなされること(同記載事項(4)参照)、前記指定されたファイル名の書き込みデータを補助メモリ部42から主メモリ部40に転送すること(同記載事項(2)及び(5)参照)、書込制御部88はインターフェース62から出力されたデータを書き込み可能な記憶素子(P-ROM)へ書き込むこと(同記載事項(3)及び(6)参照)が記載されており、上記補助メモリ部42はコンピュータシステムの記憶媒体であり、上記複数の書き込みデータは書き込むべき情報であり、指定されたファイル名の書き込みデータを補助メモリ部42から主メモリ部40に転送することは指定された書き込むべき情報を記憶媒体から抽出することであり、インタフェース62は抽出された書き込むべきデータを書込制御部88に転送しているものであり、そして書込制御部88はP-ROMに書き込む書き込み装置であるので、上記引用刊行物1には、書き込むべき情報を予めコンピュータシステムの記憶媒体にライブラリとして用意し、ライブラリから抽出された情報を書き込み可能な記憶素子に電気的に書き込むために書き込み装置を用いる形態において、
「書き込み可能な記憶素子を電気的に書き込むための書き込み装置へ抽出された情報を転送する転送工程
上記転送された情報を、上記書き込み装置によって上記書き込み可能な記憶素子へ書き込む書き込み工程」を設けることが示されている。

したがって、上記相違点2は、上記刊行物1に記載されている上記技術事項を上記引用発明1に適用し当業者が容易になし得たにすぎないものと認められる。
よって、上記相違点2も格別なものではない。

4-3 相違点3について
「新たな情報を上記周辺機能実現手段の書き込み可能な記憶素子に電気的に書き込む書込工程」においても、書き込み装置によること及び新たな情報を得るのに上記(B)の表示工程、(C)の抽出工程、(D)の転送工程を繰り返し適用することは、上記4-1、4-2で述べたと同様に、当業者が容易になし得たものと認められる。
よって、相違点3は格別のものではない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用刊行物1-3に記載された発明及び周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
 
審理終結日 2003-08-19 
結審通知日 2003-08-26 
審決日 2004-03-30 
出願番号 特願平2-321649
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 酒井 恭信  
特許庁審判長 徳永 民雄
特許庁審判官 村上 友幸
平井 誠
発明の名称 マイクロプロセッサ及びその周辺機能設定方法  
代理人 玉村 静世  
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