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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B
管理番号 1097769
審判番号 不服2003-2372  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-09-03 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-02-13 
確定日 2004-06-11 
事件の表示 特願2001- 97352「ゴルフ練習用具」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 9月 3日出願公開、特開2002-248192〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成13年2月23日の出願であって、その請求項1乃至4に係る発明は、平成16年2月16日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるとおりのものであり(以下においては、特定事項の意味でも「構成」を用いることがある)、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は次のとおりである。
「ゴルフクラブに取り付けて使用するゴルフ練習用具であって、電源と、前記ゴルフクラブの使用者に視認可能に発光する発光手段と、前記ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出するインパクト検出手段と、前記インパクト検出手段による前記衝突の検出より一定時間の間前記発光手段を前記ゴルフクラブの使用者が間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する発光制御手段とを備えることを特徴とするゴルフ練習用具。」

2.引用刊行物
これに対して、当審が平成15年12月10日(起案日)付けで通知した拒絶の理由1で引用した刊行物とその記載事項は次のとおりである(記載中、「・・・」は中略を示す)。
(1)刊行物1:実願平1-115947号(実開平3-54676号)のマイクロフイルム
1-a.「下記2-1)項から2-9)項までのいずれかの一項目以上にあてはまるように、各々の光る物をゴルフクラブに装着することによるゴルフ練習用取付品であって、全項目ともゴルフクラブに対し直接装着する以外に、着脱可能のアタッチメントとする場合も含める。2-1)・・・2-2)ゴルフクラブの先の方に発光体をとりつける。2-3)アドレス中の練習者から見て、視交線に関して線対称にみえる様、クラブヘッドの近傍に、発光体をとりつける。2-4)スイング中のクラブヘッドが打球位置近辺にきた時点から点灯又は消灯する発光体を、ゴルフクラブの手元部にとりつける。・・・2-5)前記の2-2)項に対して、周期的点滅回路をその発光体に付加する。2-6)前記の2-2)項に対して、スイング中のクラブヘッドが打球位置近辺にきた時点から、設定時間のみ点灯させるタイマー回路を、その発光体に付加する。2-7)・・・2-8)・・・2-9)・・・」(実用新案登録請求の範囲)
1-b.「この考案は、残像現象を利用して、スイングを矯正する為に、ゴルフクラブに発光体・・・を装着することによるゴルフ練習用取付品である。」(3頁3〜6行)
1-c.「従来・・・網で囲まれた練習場での実際の打球、ひも付きボールでの打球、及び、近接センサーとマイコン組合わせ・・・であった。」(3頁8〜11行)
1-d.「シンプルな装置で手軽に且つ狭い場所でも危険性や騒音の少ない条件で、クラブヘッドの軌道、フェースアングル、ヘッドスピード・・・をスイング中に出来るだけ連続性をもって瞬時に把握することが望ましいが・・・無いのが現状である。・・・以上のような問題点を解決する」(3頁17行〜4頁5行)
1-e.「発光体が1ケの場合は点滅する発光体による残像のピッチの大小により、およそのヘッドスピードが分る・・・打球に相当するタイミングをセンサーでキャッチして、直ちに設定時間だけ発光体を発光させる」(8頁5〜14行)
1-f.「第8図は・・・練習者の見方として、直に見る場合だけでなく・・・装着した例である。・・・セットされた発光体(7)を、支持棒(12)及び保持部(3)により、クラブシャフトに装着した状況を示し、電源部(13)と一体化し、着脱容易のアタッチメントとした。」(12頁1〜8行)
1-g.「第12図は2-5)項に該当する発光体(7)を周期的に点滅させるため、支持棒(12)、保持部(3)、及び、周期的点滅回路つきユニット(18)と一体化させたアタッチメントとし、ゴルフクラブに装着した実施例である。・・・第13図は2-6)項に該当する発光体(7)を設定時間のみ点灯させるため、センサー(16)、及び、タイマー回路つきユニット(19)と一体化させたアタッチメントとし、接着テープ等でゴルフクラブに装着した実施例である。」(13頁10〜19行)
1-h.「この考案に関るゴルフ練習用取付品により、・・・2-1)項から2-9)項までに関連して、クラブヘッドの軌道・フェースアングル・ヘッドスピード・ヘッドソールと地面との平行性・ヘッドアップなどを・・・瞬時に把握することができる。」(20頁下4行〜21頁3行)
1-i.上記記載事項1-gを参酌して第12図をみれば、周期的点滅回路つきユニット18をクラブシャフトの下端部にスプリング機能を有する保持部3により装着し、発光ダイオードからなる発光体7がクラブヘッドの上方において上向きであることが看取でき、同じく第13図をみれば、タイマー回路つきユニット19をクラブヘッド上面に接着テープ等で装着し、発光ダイオードからなる発光体7が上向きであることが看取できる。
(2)刊行物2:特開平7-155416号公報
2-a.「【請求項1】衝撃を加えることにより所定電力を生成する圧電素子と、前記圧電素子上部に液密に一体に配設され前記圧電素子よりの生成電力を利用して可視表示する表示手段とより成る表示ユニットを、前記表示手段がゴルフクラブ上面より視認可能に前記ゴルフクラブに配設して成ることを特徴とするゴルフ練習用具。【請求項2】表示手段を少なくとも1つの発光素子とすることを特徴とする請求項1記載のゴルフ練習用具。・・・【請求項4】更に電力を蓄積する蓄積手段と、該蓄積手段に電力を供給可能な電力入力端子と、前記蓄積手段よりの電力の供給を受けて発光する発光素子と、圧電素子よりの生成電力により前記蓄積手段に蓄積された電力を前記発光素子に供給する発光制御手段とを備え、衝撃を加え前記圧電素子より電力を生成したタイミングより所定時間前記発光素子を発光させ、ゴルフクラブのインパクト後の軌跡を視認可能とすることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のゴルフ練習用具。」(特許請求の範囲)
2-b.「【産業上の利用分野】本発明はゴルフ練習用具に関し、例えばゴルフクラブのインパクトを視認可能とすることにより、ヘッドアップ等を容易に矯正可能なゴルフ練習用具に関するものである。」(段落【0001】)
2-c.「[第5実施例]以上の各説明では、表示ユニットには圧電素子とLED又はこれにコンデンサを備えるのみであった。このため、LEDの発光時間は圧電素子よりの発生電力により決まり、さほど長い時間とできない。この点を改良した本発明に係る第5実施例を図7及び図8を参照して以下に説明する。・・・図7は本発明に係る第5実施例の表示ユニットの詳細回路図・・・である。図7において、41はLED、42は圧電素子、・・・44は圧電素子42での発生電力の一部を蓄えるコンデンサC1、・・・46はLED41に駆動電力を供給するか否かを制御するFET、・・・48はLED41駆動用電力を蓄積するコンデンサC2・・・である。・・・49,50は電源供給端子であり、・・・外部電池51を接続し、コンデンサ48にLED41駆動用電力を供給するためのものである。・・・」(段落【0023】〜【0025】)
2-d.「・・・第5実施例においては、実際の使用に先立ち電源供給端子に外部電池を接続し、コンデンサ48に電力を蓄える。この状態時において・・・FET46は「オフ」状態で・・・LED41も発光しない状態に維持されている。・・・ボールを打つと、圧電素子42が衝撃を受け、所定電力を発生する。この電力はコンデンサ44にも蓄えられるが、FET46のゲート端子にも供給され・・・圧電素子42よりの発生電力のみでFET46を「オン」させることができ、且つ・・・圧電素子42よりの電力発生が終了した後でも一定の時間FET46をオン状態に維持できる。・・・LED41の駆動電力は大容量のコンデンサ48より供給するため、上述した各実施例に比しはるかに長い時間LED41を発光状態にできる。このため、クラブヘッドの軌跡をはるかに容易且つ確実に視認することができ・・・発光している距離を測定することにより、ヘッドスピードを測定することができる。」(段落【0026】〜【0028】)
2-e.「・・・以上の説明においては、主に表示ユニットを固定するのをウッドクラブとする例に付いて示したが、・・・アイアンクラブに適用した本発明に係る第7実施例を図11に示す。第7実施例においても、表示ユニットの回路構成は上述した各実施例の回路構成とすることができる。しかし、アイアンクラブ上面には、ウッドクラブの様に表示ユニットを固定可能な場所が無い。このため、図11に示す様にアイアンクラブのフェース面の裏側(背面)に表示ユニット300を固定することとしている。」(段落【0034】〜【0035】)
2-f.「【発明の効果】・・・インパクトの瞬間を自分自身で確認することができ、しかも、表示手段の表示を視認するためにはインパクト時にクラブ上面を見ている必要があり、結果としてインパクトまで頭が動くのを防ぐことができ、ヘッドアップに対して有効である。・・・更に、面倒な装置等を使用することなくヘッドスピードも容易に認識でき、スイングチェックにも大いに効果がある。」(段落【0040】〜【0041】)

3.刊行物1に記載された発明の認定
刊行物1には、クラブヘッドの軌道やフェースアングルやヘッドスピード等を瞬時に把握してスイングの矯正ができるように、ゴルフクラブに装着し、その発光体の残像現象を利用するゴルフ練習用取付品が記載されている(記載事項1-b,d)。
該ゴルフ練習用取付品は、記載事項1-aによれば、「下記2-1)項から2-9)項までのいずれかの一項目以上にあてはまるように」とあることから、2-1)項から2-9)項に示された構成や機能のうち、同時に備えることが可能なことが明らかなものは同時に備えて良いものであり、2-2)項と2-5)項と2-6)項とは同時に備えてよいことが明らかなため、スイング中の練習者が見ることができる発光体と、スイング中のクラブヘッドが打球位置近辺にきた時点から設定時間のみ発光体を点灯させるタイマー回路と、周期的点滅回路とを備えたものを含むことは明らかである。
そして、記載事項1-e,gによれば、上記タイマー回路は、打球に相当するタイミングをセンサーでキャッチすることに基づいて、直ちに設定時間だけ発光体を発光させるものであり、上記周期的点滅回路は、発光体が1ケの場合は点滅する発光体による残像のピッチの大小によってヘッドスピードが分かるように発光体を点滅させるものである。
以上のことから、刊行物1には、記載事項1-a〜iを含む明細書及び図面の全記載によれば、次の発明(以下、「刊行物1発明」という)が記載されているものと認められる。
「ゴルフクラブに装着して使用するゴルフ練習用取付品であって、前記ゴルフクラブを使用してスイング中の練習者が見ることができるように発光する発光ダイオードなどの発光体からなる手段と、打球に相当するタイミングをキャッチするセンサーからなる手段と、前記センサーからなる手段による前記打球に相当するタイミングのキャッチよりタイマーにより設定した設定時間の間前記発光体からなる手段を前記ゴルフクラブを使用してスイング中の練習者が点滅する発光体による残像のピッチの大小によってヘッドスピードが分かるような間隔で発光体を点滅させるタイマー回路と周期的点滅回路とからなる手段を備えるゴルフ練習用取付品。」

また、上記2-5)項と2-6)項とを同時に備えた実施例が具体的には明記されていないことに鑑み、いずれか一方、例えば2-6)項に係る実施例(タイマー回路を備えたもの)に着目するならば、刊行物1には次の発明(以下、「刊行物1発明の2」という)が記載されているものと認められる。
「ゴルフクラブに装着して使用するゴルフ練習用取付品であって、前記ゴルフクラブを使用してスイング中の練習者が見ることができるように発光する発光ダイオードなどの発光体からなる手段と、打球に相当するタイミングをキャッチするセンサーからなる手段と、前記センサーからなる手段による前記打球に相当するタイミングのキャッチよりタイマーにより設定した設定時間の間前記発光体からなる手段を発光させるように制御するタイマー回路からなる手段を備えるゴルフ練習用取付品。」

4.刊行物1発明との対比・判断
本願発明(前者)と刊行物1発明(後者)とを対比するに、後者の「ゴルフ練習用取付品」は「ゴルフ練習用具」と言い換えることができ、その「装着して」、「ゴルフクラブを使用してスイング中の練習者」、「見ることができるように」、及び「発光する発光ダイオードなどの発光体からなる手段」は、それぞれ、前者の「取り付けて」、「ゴルフクラブの使用者」、「視認可能に」、及び「発光する発光手段」に対応する。
また、後者の「キャッチ」、「センサーからなる手段」はそれぞれ「検出」、「検出手段」ということができるから、後者の「打球に相当するタイミングをキャッチするセンサーからなる手段と、前記センサーからなる手段による前記打球に相当するタイミングのキャッチより」は、「打球との関連を検出する検出手段と、前記検出手段による前記打球との関連の検出より」といえる点で、前者の「ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出するインパクト検出手段と、前記インパクト検出手段による前記衝突の検出より」と共通する。
さらに、後者の「タイマーにより設定した設定時間」は設定を変えない限り「一定時間」であり、後者の「点滅する発光体による残像のピッチの大小によってヘッドスピードが分かるような間隔で発光体を点滅させる」ことは「間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する」ことであり、後者の「タイマー回路と周期的点滅回路とからなる手段」は「発光制御手段」といえる。
そうすると、両者は、「ゴルフクラブに取り付けて使用するゴルフ練習用具であって、前記ゴルフクラブの使用者に視認可能に発光する発光手段と、打球との関連を検出する検出手段と、前記検出手段による前記打球との関連の検出より一定時間の間前記発光手段を前記ゴルフクラブの使用者が間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する発光制御手段とを備えることを特徴とするゴルフ練習用具。」の点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>前者が「電源」を備えているのに対して、後者は定かでない点。
<相違点2>「打球との関連を検出する検出手段」とその検出より「一定時間」について、前者が、ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出するインパクト検出手段とし、その検出より一定時間としているのに対して、後者は打球に相当するタイミングを検出(即ちキャッチ)する検出手段(即ちセンサーからなる手段)とし、その検出より一定時間としている点。

以下、相違点について検討する。

<相違点1について>
刊行物1には、ゴルフ練習用具が電源部を備えた例も示されており(記載事項1-f)、これを刊行物1発明に適用することに阻害要因があるわけでもないから、この点は当業者が容易になし得た設計の変更である。
<相違点2について>
刊行物1発明が、打球に相当するタイミングを検出しているのは、打球の時点から発光手段を発光させようとの意図に基づくことは明らかであり、そのためには、実際の打球、すなわち、ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出することが最も想起しやすいことの一つであるし、事実、ゴルフ練習用具において、ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出することに基づいて発光手段を発光させることは、刊行物2により既に知られた技術的事項でもある(記載事項2-c,d)。
刊行物1発明が、実際に打球することなく、実際に打球があったものと想定して発光するようにしているのは、網で囲まれた練習場で実際の打球等を行う従来の方法に代えて、狭い場所でも危険性や騒音の少ない条件で練習を行えるようにするためである(記載事項1-c,d)。
しかしながら、そうであるからといって、刊行物1発明に接した当業者が、上記条件によって自らの思考を縛らなければならないとする理由はなく、特に、刊行物1発明のゴルフ練習用具における発光制御が実際に打球する練習においても有用であることを当業者ならば容易に理解できるときに、刊行物1発明のゴルフ練習用具で実際に打球してみようとの発想を閉ざさなければならないとする理由はないのであり、むしろ、上述したように、従来は実際に打球して練習することが普通であって、かつ、インパクトの感触が得られるなど、実際に打球する方が実戦により役立つであろうことは当然に理解できることであるから、上記発想をすることはより自然なことといえる。
加えて、刊行物1に記載された第12,13図などの実施例をみると、クラブヘッドの前面が打球可能なように開放されており(記載事項1-g,iも参照)、実際の打球の衝撃に耐えられるようにする程度のことは当業者において容易であって、かつ、発光制御手段の作動の契機となるセンサーによる検出を実際の打球の検出とするように回路を変更する程度のことも当業者ならば容易になし得ることであるから、刊行物2に記載された上記技術的事項を刊行物1発明に適用することに阻害要因があるとはいえない。
そして、刊行物1発明において、その発光制御手段の作動の契機が実際の打球の検出であるような回路にしたときには、その「打球との関連を検出する検出手段」は「ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出するインパクト検出手段」ということができ、その「一定時間」も「衝突の検出より一定時間」となるから、相違点2は当業者が容易になし得た設計の変更であるといえる。
しかも、相違点1,2に係る構成を含む本願発明の作用効果も刊行物1及び2の記載から容易に予測できるものにすぎない。

5.刊行物1発明の2との対比・判断
本願発明(前者)と刊行物1発明の2(後者)とを対比するに、上記「4.刊行物1発明との対比・判断」における対比について述べたことと、後者の「発光させるように制御するタイマー回路からなる手段」が、「制御する発光制御手段」といえる点で、前者の「前記ゴルフクラブの使用者が間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する発光制御手段」と共通することとから、両者は、「ゴルフクラブに取り付けて使用するゴルフ練習用具であって、前記ゴルフクラブの使用者に視認可能に発光する発光手段と、打球との関連を検出する検出手段と、前記検出手段による前記打球との関連の検出より一定時間の間前記発光手段を制御する発光制御手段とを備えることを特徴とするゴルフ練習用具。」の点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>前者が「電源」を備えているのに対して、後者は定かでない点。
<相違点2>「打球との関連を検出する検出手段」とその検出より「一定時間」について、前者が、ゴルフクラブとゴルフボールとの衝突を検出するインパクト検出手段とし、その検出より一定時間としているのに対して、後者は打球に相当するタイミングを検出(即ちキャッチ)する検出手段(即ちセンサーからなる手段)とし、その検出より一定時間としている点。
<相違点3>「発光手段を制御する」ことについて、前者が「ゴルフクラブの使用者が間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する」のに対して、後者は「発光させるように制御する」としている点。

以下、相違点について検討する。

<相違点1,2について>
相違点1,2についての判断は、上記「4.刊行物1発明との対比・判断」における相違点1,2についての判断と同様であり、共に当業者が容易になし得た設計の変更であるといえる。
<相違点3について>
刊行物1には、記載事項1-e,gからみて、周期的点滅回路により点滅する発光体による残像のピッチの大小によってヘッドスピードが分かるような間隔で発光体を点滅させることについて記載があり、これは「間欠表示状態と認識する周期で点滅制御する」ことであって、これをタイマー回路による一定時間の間の発光と組み合わせることに阻害要因があるとはいえず、そのような回路構成にすることも当業者であれば適宜なし得ることであるから、相違点3も当業者が容易になし得た設計の変更であるといえる。
しかも、相違点1乃至3に係る構成を含む本願発明の作用効果も刊行物1及び2の記載から容易に予測できるものにすぎない。

6.むすび
したがって、本願発明即ち請求項1に係る発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-03-26 
結審通知日 2004-04-06 
審決日 2004-04-19 
出願番号 特願2001-97352(P2001-97352)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 小沢 和英
特許庁審判官 中村 圭伸
番場 得造
発明の名称 ゴルフ練習用具  
代理人 丸山 幸雄  

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