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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C30B
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  C30B
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C30B
審判 全部申し立て 2項進歩性  C30B
管理番号 1098003
異議申立番号 異議2002-70811  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-03-28 
確定日 2004-03-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3216298号「化合物半導体結晶成長用縦型容器」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3216298号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3216298号の請求項1ないし請求項4に係る発明についての出願は、平成5年2月17日に特許出願され、平成13年8月3日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人鈴木 康之及び萩原 洋子より特許異議の申立てがなされ、平成14年8月2日付けで取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年10月9日に訂正請求がされた後、平成15年5月2日付けで再度取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成15年7月18日に再度訂正請求がされると共に、平成14年10月9日にした訂正請求が取り下げられたものである。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
平成15年7月18日になされた訂正の内容は、以下のとおりである。
訂正事項1
特許請求の範囲の、
「【請求項1】 種結晶設置部を底部に備えた化合物半導体結晶成長用縦型容器において、上記容器内面のうち少なくとも種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ酸化物層を予め形成したことを特徴とする化合物半導体結晶成長用縦型容器。
【請求項2】 種結晶設置部を底部に備えた化合物半導体結晶成長用縦型容器において、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ酸化物層を上記容器内面全体に予め形成したことを特徴とする化合物半導体結晶成長用縦型容器。
【請求項3】 上記容器をPBNで構成し、上記酸化物層をB2O3で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物半導体結晶成長用縦型容器。
【請求項4】 上記容器をSiで構成し、上記酸化物層をSiO2で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物半導体結晶成長用縦型容器。」
という記載を、
「【請求項1】 種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器。」
と訂正する。
訂正事項2
願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」ということがある)の段落【0001】の
「【産業上の利用分野】
本発明は、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにより化合物半導体結晶を成長させる縦型容器及びその製造方法に関する。」
という記載を、
「【産業上の利用分野】
本発明は、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにより化合物半導体結晶、すなわち、GaAs単結晶を成長させるPBN製縦型容器に関する。」
と訂正する。
訂正事項3
特許明細書の段落【0004】の
「【0004】
そこで、本発明では、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにおける上記の問題点を解消し、容器内面からの多結晶化することを防止した化合物半導体結晶成長用縦型容器及びその製造方法を提供しようとするものである。」
という記載を、
「【0004】
そこで、本発明では、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにおける上記の問題点を解消し、容器内面からの多結晶化することを防止したGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器を提供しようとするものである。」
と訂正する。
訂正事項4
特許明細書の段落【0005】の
「【課題を解決するための手段】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えた化合物半導体結晶成長用縦型容器において、上記容器内面のうち少なくとも種結晶設置部の内面に、必要に応じて、上記容器内面全体に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ酸化物層を予め形成したことを特徴とする化合物半導体結晶成長用縦型容器である。」
という記載を、
「【課題を解決するための手段】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器である。」
と訂正する。
訂正事項5
特許明細書の段落【0006】の
「本発明で使用される縦型容器は、PBN、Siなどで構成することができ、容器内面に形成する酸化物層は、上記の容器の材料に対応してB2O3、SiO2などで構成することができる。また、酸化物層の厚みは、50〜280μmの範囲が好ましく、100〜200μmの範囲がより好ましい。
なお、本発明の縦型容器は、例えば、酸素を含んだ気体中で500℃以上で酸化処理することにより酸化物層を形成することができる。」
という記載を、
「本発明で使用される縦型容器は、PBNで構成し、容器内面にB2O3層を形成する。また、B2O3層の厚みは、50〜280μmの範囲とし、100〜200μmの範囲が好ましい。
なお、本発明の縦型容器は、例えば、酸素を含んだ気体中で500℃以上で酸化処理することによりB2O3層を形成することができる。」
と訂正する。
訂正事項6
特許明細書の段落【0007】の
「【作用】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えた化合物半導体結晶成長用縦型容器内面のうち少なくとも種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ酸化物層を予め形成することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などで種結晶上部から化合物半導体結晶を成長するときに、種結晶と容器の隙間に原料融液が流れ込み、容器内面に接触して多結晶化するという不都合を防止し、結晶性の優れた化合物半導体結晶の成長を可能にしたものである。」
という記載を、
「【作用】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などで種結晶上部からGaAs単結晶を成長するときに、種結晶と容器の隙間に原料融液が流れ込み、容器内面に接触して多結晶化するという不都合を防止し、結晶性の優れたGaAs単結晶の成長を可能にしたものである。」
と訂正する。
訂正事項7
特許明細書の段落【0008】の
「図1は、本発明の1具体例である化合物半導体結晶成長用縦型容器の概念図である。
図1は、PBN製成長容器1の種結晶設置部内面にB2O3層2を予め形成した容器を使用し、該容器1の底部にGaAs種結晶3を設置し、GaAs多結晶原料4を収納した状態を示した図である。この状態で多結晶原料4を溶融し、GaAs種結晶3上面から固化して結晶化するものである。仮に、溶融した多結晶原料4が種結晶3と容器1の隙間に流れ込んでも、容器1の内面と直接接触することがなく、内面からの多結晶化を防止することができる。」
という記載を、
「図1は、本発明の1具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
図1は、PBN製成長容器1の種結晶設置部内面にB2O3層2を予め形成した容器を使用し、該容器1の底部にGaAs種結晶3を設置し、GaAs多結晶原料4を収納した状態を示した図である。この状態で多結晶原料4を溶融し、GaAs種結晶3上面から固化して結晶化するものである。仮に、溶融した多結晶原料4が種結晶3と容器1の隙間に流れ込んでも、容器1の内面と直接接触することがなく、内面からの多結晶化を防止することができる。」
と訂正する。
訂正事項8
特許明細書の段落【0009】の
「図2は、本発明の他の具体例である化合物半導体結晶成長用縦型容器の概念図である。
図2は、PBN製成長容器1の内面全体にB2O3層2を予め形成した容器を使用した以外は、図1の容器と同じものである。」
という記載を、
「図2は、本発明の他の具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
図2は、PBN製成長容器1の内面全体にB2O3層2を予め形成した容器を使用した以外は、図1の容器と同じものである。」
と訂正する。
訂正事項9
特許明細書の段落【0014】の
「【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法で化合物半導体単結晶を成長するときに、単結晶化率を向上させることができ、結晶製造コストの大幅な低減を可能にした。」
という記載を、
「【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法でGaAs単結晶を成長するときに、単結晶化率を向上させることができ、結晶製造コストの大幅な低減を可能にした。」
と訂正する。
訂正事項10
特許明細書の【図面の簡単な説明】の
「【図1】
本発明の1具体例である化合物半導体結晶成長用縦型容器の概念図である。
【図2】
本発明の他の具体例である化合物半導体結晶成長用縦型容器の概念図である。
【図3】
従来の化合物半導体結晶成長用縦型容器の概念図である。」
という記載を、
「【図1】
本発明の1具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
【図2】
本発明の他の具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
【図3】
従来のGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。」
と訂正する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1は、特許請求の範囲の訂正であって、具体的には、以下の訂正をするものである。
訂正事項(1-1)特許請求の範囲の請求項1の「化合物半導体結晶成長用縦型容器」という記載を「GaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」と訂正する。
訂正事項(1-2)特許請求の範囲の請求項1の「上記容器内面のうち少なくとも種結晶設置部の内面」という記載を「上記容器の種結晶設置部の内面」と訂正する。
訂正事項(1-3)特許請求の範囲の請求項1の「酸化物層」という記載を「厚み50〜280μmのB2O3層」と訂正する。
訂正事項(1-4)特許請求の範囲の請求項2ないし請求項4を削除する。
そして、訂正事項(1-1)は、「化合物半導体結晶成長用縦型容器」の「化合物半導体結晶」を「GaAs単結晶」に限定し、「縦型容器」を「PBN製縦型容器」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、特許明細書には、「上記容器をPBNで構成し、上記酸化物層をB2O3で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物半導体結晶成長用縦型容器」(【特許請求の範囲】【請求項3】)、「本発明で使用される縦型容器は、PBN、Siなどで構成することができ、容器内面に形成する酸化物層は、上記の容器の材料に対応してB2O3、SiO2などで構成することができる。また、酸化物層の厚みは、50〜280μmの範囲が好ましく、100〜200μmの範囲がより好ましい。なお、本発明の縦型容器は、例えば、酸素を含んだ気体中で500℃以上で酸化処理することにより酸化物層を形成することができる。」(段落【0006】、特許第3216298号公報第2ページ第3欄第27行〜第35行)と記載されているから、訂正事項(1-1)は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
訂正事項(1-2)は、請求項1に記載された「容器」の「酸化物層」を形成する部分について、「容器内面のうち少なくとも種結晶設置部の内面」という記載を「容器の種結晶設置部の内面」と訂正するものであり、これは、「酸化物層」を「容器の種結晶設置部の内面」に形成することを明りょうにするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、かつ願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
訂正事項(1-3)は、上記「容器」に形成する「酸化物層」を、「厚み50〜280μmのB2O3層」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、特許明細書には、「本発明で使用される縦型容器は、PBN、Siなどで構成することができ、容器内面に形成する酸化物層は、上記の容器の材料に対応してB2O3、SiO2などで構成することができる。また、酸化物層の厚みは、50〜280μmの範囲が好ましく、100〜200μmの範囲がより好ましい。なお、本発明の縦型容器は、例えば、酸素を含んだ気体中で500℃以上で酸化処理することにより酸化物層を形成することができる。」(段落【0006】、特許第3216298号公報第2ページ第3欄第27行〜第35行)と記載されているから、訂正事項(1-3)は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
訂正事項(1-4)は、訂正事項(1-1)ないし訂正事項(1-3)による特許請求の範囲の請求項1の訂正に伴って、特許請求の範囲の請求項2ないし請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、かつ願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
訂正事項2ないし訂正事項10は、発明の詳細な説明の訂正であって、訂正事項1により特許請求の範囲が訂正されたことに伴って、明細書の発明の詳細な説明における特許請求の範囲に対応する記載を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記のとおり、訂正事項1の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、訂正事項2ないし訂正事項10の訂正もまた、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
そして、これらの訂正は、実質上特許請求の範囲の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立についての判断
3-1.本件発明
上記2.で示したように、平成15年7月18日に提出の訂正請求書による訂正は認められるから、訂正後の本件請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明」という)は、上記訂正に係る訂正明細書(以下、「本件訂正明細書」という)の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項に特定される、以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器。」
3-2.取消理由通知に記載した引用刊行物及び取消理由通知の概要
当審が平成14年8月2日付けで通知した取消しの理由に記載した引用刊行物は、以下の通りである。
引用刊行物1:「Journal of Crystal Growth 」110(1991)、第395ページ〜第404ページ(特許異議申立人鈴木 康之が提出した甲第1号証、特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第1号証)
引用刊行物2:「Journal of Crystal Growth 」94(1989)、第643ページ〜第650ページ(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第2号証)
引用刊行物3:「化合物半導体デバイス」日本産業技術振興協会新材料技術委員会編、1973年、第22ページ(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第3号証)
引用刊行物4:特公平2-44798号公報(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第4号証)
引用刊行物5:米国特許第4923561号明細書(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第5号証)
引用刊行物6:特開昭62-176998号公報(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第6号証)
そして、上記取消しの理由の概要は、
理由1
本件の請求項1ないし請求項3に係る発明は、上記取消しの理由で引用した引用例1に記載された発明であるか、引用例1ないし引用例6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと云えるから、特許法第29条第1項第3号または特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
理由2
本件の請求項4に係る発明は、上記取消しの理由で引用した引用例1ないし引用例6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと云えるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
理由3
特許明細書には、容器がSiで酸化層がSiO2の実施例やその技術的な意味、効果について何ら記載されていないから、本件の請求項4に係る発明についての明細書の記載は、特許法第36条第4項及び第5項の規定を満たしていない、
というものである。
3-3.取消理由通知で引用された刊行物の記載内容
上記取消しの理由で引用した引用刊行物1(「Journal of Crystal Growth 」110(1991)、第395ページ〜第404ページ(特許異議申立人鈴木 康之が提出した甲第1号証、特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第1号証))の記載を翻訳すると、同刊行物には、以下の事項が記載されていると云える。
(1-A)「B2O3(酸化ホウ素)の総液体封止を使用し、垂直温度勾配凝固法により、PBN(熱分解窒化ホウ素)ルツボ内で直径50mmのGaAs単結晶を成長させた。B2O3層によって、ルツボとGaAs投入との直接接触は効果的に防止され、再生可能な単結晶の成長が可能であった。B2O3の水分が、結晶の構造的および電気的特性に対して与える影響を調査した。結晶とルツボの間に水蒸気が捕捉され、結晶の表面形態に影響を与えることがあった。封止剤B2O3の水分は、液体封止チョクラルスキ(LEC)法によるGaAs結晶の成長で観察される場合と同様、結晶の電気的特性に影響を与えることが判明した。乾燥B2O3によって封止され成長する結晶に、ケイ素のイオンを注入した。注入の活性化は、LEC法により成長した結晶で得られる活性化に匹敵した。垂直勾配凍結において総液体封止を使用した場合、デバイス用品質レベルの基板の製造が可能である。」旨(第395ページ第6行〜第13行「Total liquid encapsulation…produce device quality substrates.」)
(1-B)「1序
PBNルツボは、GaAs融液と本質的に反応せず、高温まで構造的に安定しているため、チョクラルスキ法による半絶縁GaAs単結晶の成長に広く使用されている。垂直勾配凍結法では、結晶はルツボの壁に接触して成長する。そのため、ルツボは不活性であることが必要で、GaAs融液の水分で濡れてはならない。清浄なPBNがGaAsの水分によって部分的に濡れると、再生可能な成長は行えない。GaAsに適用される勾配凍結垂直ブリッジマン法に関する文献[1-3]では、PBNルツボを使用する場合必要な注意事項について特に報告されていない。しかし、GaAs融液の水分によってPBNが濡れ、低角度粒界のランダム結晶核が形成されることが発見された。そこで、我々は総液体封止法を開発し、PBNルツボで再生可能な単結晶の成長が可能となった。最近、ホシカワら[4]は液体封止垂直ブリッジマン法(LE-VB)を使用して直径75mmの結晶を成長させた。約200gの酸化ホウ素をGaAsの上に置いて融液を封止して、不純物が混じらない半絶縁の結晶を形成させた。結晶の転移密度は5000〜40,0000mー2の範囲内にあり、電気的特性は不純物が混じらない半絶縁LEC結晶に類似すると報告されている。また、再生可能な成長には、(1)種子結晶よりやや大きい直径の種子結晶受けを使用して種子結晶を適切に確保し、(2)ルツボとGaAsの間に酸化ホウ素の層を連続させ、(3)冷却時の結晶内に比較的均一な温度分布を保持して割れを防止するという、3つの重要な問題が記述されている。GaAsの液体封止チョクラルスキ成長には、ホウ素、炭素、ケイ素など不純物の混入に対してB2O3の水分含有量が影響を与え、化学量からの偏差の原因となり、双晶の形成に影響することがよく知られている(たとえば[5、6]を参照)。
本書では、液体酸化ホウ素により完全な封止を確保する手順と、結晶の特性に対する影響を説明する。特に、B2O3の水分含有量が結晶の構造的および電気的特性に対して与える影響を調査した。」旨(第395ページ左下欄第1行〜右下欄第25行「1.Introduction…and electrical properties of the crystals.」)
(1-C)「2.実験
2.1.結晶成長の実験
図1(a)は、GaAs単結晶を直径2インチに成長させる研究に使用した実験装置の図である。この実験装置の詳細は、参考文献[7]に詳述される。この実験装置では、密封石英アンプルからドナー不純物ケイ素が供給される。半絶縁GaAs結晶が成長するには、あらゆる徴量不純物の源から融液を隔離する必要がある。これまでの調査[8]では、B2O3による液体封止が効果的であることが示されている。このため、液体封止の2つの目的は、(1)石英アンプルからのケイ素による汚染の防止、および(2)単結晶成長の保証となる。」旨(第396ページ左欄第1行〜右欄第4行「2.Experimental…and(2)to ensure single crystal growth.」)
(1-D)図1.
「(a)成長アンプルと制御用熱電対を示す実験装置の図
(b)成長アンプルの外側で成長時に測定した温度分布」
(第396ページFig.1)
(1-E)「2.2.総液体封止プロセス
ルツボの内面と投入GaAsが直接接触する結果、結晶核となった低角度粒界の特性を図2に示す。総液体封止では、薄いB2O3層によって、投入GaAsとルツボ内壁が分離され、低角度粒界の形成が防止される。このプロセス[9]を図3aと3bに示す。下記のように、2つのプロセスを組み合わせて使用する。両方のプロセスで、PBNルツボは、ます最初に王水で洗浄し、脱イオン水て洗浄し、次に窒素の炉で650℃の温度下2時間乾燥する。
(a)プロセス1:B2O3の密度はGaAsより軽いため、液状に溶融されると大部分がGaAs融液の上に浮かぶ。投入GaAs上に、特に注意しないでB2O3のペレットを置くと、ルツボの壁面に沿っていくつかのB2O3が流れ落ちることもあるが、連続コーティングが形成されることはない。ホシカワらの記述[4]のように、種子結晶と融液の境界も、適切な結晶によって封止する必要がある。このため、少量のB2O3を種子結晶の直上に置くと、B2O3が液化し、GaAsが溶解され、液化B2O3が上昇してルツボを薄く均一にコーティングする。B2O3の正確な使用量は、ルツボを完全にコーティングするのに十分な量として算出する。直径5cmのルツボにlkgのGaAsを投入する場合、約40gのB2O3を使用した。B2O3がルツボを上昇して流出することを防止するために、B2O3の液化温度(約450℃)に達する前に、成長槽の圧力をlatmまで上げる必要がある。
簡単な試験によって、さまざまな水分のB2O3によるPBNの濡れを測定した。B2O3の小片をPBN上に置き、窒素ガス内で1100℃まで加熱した。濡れ角は直接測定できないため、PBN基材上に形成される層の平均厚さを濡れの側定結果とした。測定結果は、図4に示す。B2O3の水分が600ppmを超えると、B2O3によるPBNの濡れは明らかに増加する。この結果は、傾向を示唆するものとしてのみ捉える必要がある。しかし、これは以下の実験の観察と一致する。これらを検証するには、定着性液滴の側定を行う必要がある。
(b)プロセス2:上記の投入手順により、「乾燥」([OH]<600ppm)B2O3を使用した場合、ルツボ壁が再現性をもって完全に覆われることはなかった。「乾燥」B2O3をPBNルツボにうまく付着させるには、まず最初にルツボの内壁を酸化して、薄い酸化ホウ素の層を形成する必要がある。900℃を超える温度に加熱したルツボの内部に酸素の流れ(100cm3/分)を向ける(図3)。ルツボの外面は、窒素またはアルゴンの流れ(500cm3/分)によって酸化を防止する。ルツボは、高純度の低密度アルミナによって支え、水平に置く。温度が高いほど、酸化は早くなる(図5)。ただし、温度が高すぎると、低粘度の酸化層が流れて不均一になることがある。1100℃で14時間行う酸化サイクルにより、適切なコーティングに要する最小厚さと考えられる約0.05mm厚さのB2O3の層が形成される。同じ厚さの層が、高温ではより短時間で形成できる。たとえば、1400℃ではわずか30分でルツボを処理できる。これは参照文献[10]によって最近公開されたプロセスに類似している可能性がある。参照文献[10]の詳細は、本書の執筆時には利用できなかった。
酸化によって形成されたB2O3の層は、ルツボと投入GaAsの直接接触を防止するのに十分であり、処理されたルツボはB2O3をさらに追加しなくても単結晶の成長に使用して再現性が得られた。ただし、このような層では融液の上面が封止されない。「乾燥」B2O3による総液体封止が必要な場合、この手順は前述のプロセス1の手順による原料投入と組み合わせて使用する。」旨(第397ページ左欄第6行〜第399ページ左欄第8行「2.2.Total liquid encapsulation processes…with the loading procedure described above as process 1.」)
(1-F)図3
「総封止プロセスのスケッチ:(a)B2O3投入手順;(b)るつぼの内部を酸化する実験装置」旨(第398ページFig.3)
上記取消しの理由で引用した引用刊行物2(「Journal of Crystal Growth 」94(1989)、第643ページ〜第650ページ(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第2号証))の記載を翻訳すると、同刊行物には、以下の事項が記載されていると云える。
(2-A)「2.結晶成長装置及び方法
LE-VB法によるGaAs結晶の成長に用いられた装置の模式的な図が、図1に記載されている。ホットゾーンには、その領域の温度プロファイルを制御する3つのグラファイトのヒーターが備わっている。熱分解窒化ホウ素(PBN)るつぼ内の温度分布は、るつぼ保持器に埋め込まれた5つの熱電対で測定され、そして、ヒーターへの電力供給の調節及び/又はるつぼの位置の調節により制御される。るつぼは、るつぼのシャフト駆動システムにより輸送され、回転される。ホットゾーンは、水冷高圧容器に納められている。PBNるつぼは、直径約80mmであるが、現在の成長に使用されている。
成長方法は、以下の通りである。<100>方向の種結晶がるつぼの種結晶設置部にセットされる。約1700gのGaAs多結晶と、200gの固体B2O3が、種結晶の上にこの順で載置される。原材料のGaAs多結晶は、他のPBNるつぼ内での直接合成法[16]を用いて、ほぼ化学量論組成のものが用意される。構成要素により組み立てられたるつぼは、るつぼ保持器に装填される。るつぼ内の原材料は、グラファイトのヒーターから供給される熱によって、8kg/cm2のアルゴン雰囲気中で溶融される。5つの熱電対で測定される、3つの代表的なプロセスである、(a)シーディング、(b)結晶体の成長そして(c)冷却の、るつぼ保持器内の典型的な温度プロファイルは、図2に示されている。」旨(第644ページ左欄第31行〜右欄第16行「2.Crystal growth apparatus and process…are shown in fig.2.」)
(2-B)図1
「GaAs単結晶の成長に用いられたLE-VB装置の模式図」旨(第644ページFig.1)
(2-C)「3結果および考察
LE-VB法で成長した3インチ径のGaAs単結晶を図3aに示す。結晶表面の金属光沢は、LEC法[17、18]およびVGF法[4]で成長したものと区別される特徴の一つである。この金属光沢は、全面的に封止されたチョクラルスキ法(Czochralski)(FEC)[19]で成長した結晶の場合と同様に、成長および冷却プロセスの間にB2O3が完全に結晶表面を覆っているという事実によって発生している。LE-VB法で成長した結晶は、図3Cに示されるように、最後に成長する部分において4回対称という晶癖を持つ。この晶癖は、低温度勾配のもとで成長した<100>成長方向を持つ単結晶の特徴である。図3Cに示される結晶は、結晶の中心からずれた対称中心を有する。これは、成長方向からわずかにそれて傾いた方向でるつぼ内に設置された<100>配向した種結晶が原因である(しかし、これは単結晶の成長には重大な問題ではない)。
高い歩留まりで大きな径の単結晶を成長させるためには、次のような配慮が特に重要であるということが判明した。」旨(第645ページ右欄第4行〜第646ページ右欄第7行「3.Results and discussion…large-diameter single crystals with high yield.」)
(2-D)「(1)単結晶成長を開始するためのシーディング。
種結晶およびるつぼの種結晶設置部のサイズは、高い歩留まりの単結晶成長のための適切なシーディングの状態を確保するために、注意深く選択される。図4aに示すように、るつぼのシールド設置部は、その内径が種結晶の直径よりわずかに大きくなるように設計する必要がある。これによって隙間が発生し、そこに、融解したGaAs上の表面張力で、シーディングプロセス中に、種結晶全体にメニスカスが形成される。この構成により、シーディングプロセスにおいて、種に決定された<100>成長方向を持つ単結晶の成長が助長される。さらに、B2O3はその隙間を流れ、種および成長した結晶の両方とるつぼ壁との直接の接触を妨げるバリアとして作用し、これによって、シーディング部分における粒界の発生が防止される。このように成長した結晶のシーディング部分が図3bに示されており、これは図4aの模式図に対応している。シーディングプロセスにおいて、上記の状態が一旦確立されると、シーディング部分が種の長さの範囲内である限り、極めて正確に温度を管理する必要はない。」旨(第646ページ右欄第8行〜第32行「(1)Seeding to initiate single crystal grpwth.…within the range of the seed length.」)
(2-E)「(2)B2O3による融解物の完全封入。
成長プロセスにおいてB2O3で完全に封入された結晶のコーン部と不完全に封入された結晶の変換領域の拡大写真を図5に示す。図5bに示すように、特にコーン部において、融解物とるつぼ壁とが直接接触している間、晶出した結晶表面で粒界の核化がしばしば観察される。したがって、融解物とるつぼ壁との直接接触を防ぐことが不可欠である。図4に模式的に示した通り、B2O3で融解物を完全に封入することにより、融解物は高い歩留まりで単結晶に成長できる。これは、図4bに模式的に示したように、るつぼ壁に若干の凹凸が存在する場合でも、濡れ性のあるB2O3および融解したGaAsの表面張力が融解物をるつぼ壁から離す充分な効果を持っているためである。
上に考察した配慮(1)および(2)から、B2O3は、融解物からのヒ素の蒸発の防止のみならず、単結晶の成長においても重要な役割を果たすという結論に達する。」旨(第645ページ右欄第33行〜第647ページ左欄第8行「(2)Complete encapsulation of the melt with B2O3.…but also in the growth of single crystals.」)
(2-F)図4
「拡大した、種結晶設置部(a)及び溶融GaAsとるつぼ壁の接触面部分(b)の模式図」旨(第647ページFig.4)
上記取消しの理由で引用した引用刊行物5(米国特許第4923561号明細書(特許異議申立人萩原 洋子が提出した甲第5号証))の記載を翻訳すると、同刊行物には、以下の事項が記載されていると云える。
(5-A)「要約
熱分解窒化ホウ素るつぼ(11)内で、III-V属化合物半導体の大きな結晶を成長させるための垂直温度勾配凝固(VGF)法において、るつぼの主部分の内側表面が、最初に、酸化ボロンの層(12)を形成すべく酸化される。」(第1ページ右欄「ABSTRACT…to form a bornic oxide layer(12).」)
(5-B)「図1に示されるように、酸化物層12の形成は主部分Mおよび変換部分Tに限られるのが好ましい。シード設置部Sの直径は円筒形の種結晶を密着して含むよう注意深く寸法を決められるため、シード設置部においては、内面の酸化および酸化物の蓄積から生じる直径の変動は、避けられなければならない。」旨(第3欄第55行〜第62行「As shown in FIG.1,…the inner surface of the seed well portion of the crucible11.」)
(5-C)「図2は、本発明に応じた酸化ボロン層の選択的成長のために使用した装置の図である。るつぼ11はシリンダ14に含まれ、シリンダ14は炉15内に含まれている。炉がるつぼを熱するのに応じて、酸素(O2)が管16によってるつぼ内部へ導入される。同時に、逆の流れの窒素(N2)などの不活性ガスがシリンダ14内に導入される。こうして窒素がるつぼ11のシード設置部の開口端に入り、反対側の端から酸素が入るのを防ぐ。このようにして、ガス流を表す矢印で示されるように、酸素と窒素の両方がシリンダ14の同じ端で排出される。簡単な実験により、るつぼ11のシード設置部の内面を酸化させることなく、適切な窒素の流れで裁頭円錐形の変換部分を熱酸化させる管16の位置を迅速に得ることができる。」旨(第4欄第7行〜第19行「FIG.2 is an illustration of…that designate gas flow.」)
(5-D)図2
3-4.対比及び判断
3-4-1.理由1について
引用刊行物1には、引用刊行物(1-A)の記載によれば、「B2O3(酸化ホウ素)の総液体封止を使用し、垂直温度勾配凝固法により、PBN(熱分解窒化ホウ素)ルツボ内で直径50mmのGaAs単結晶を成長」させる技術が報告され、その詳細が引用刊行物1(1-B)〜(1-F)に記載されている。
具体的には、当該「垂直温度勾配凝固法」に用いるルツボとして、引用刊行物(1-B)及び(1-C)と、図1(a)、図3(a)及び(b)との記載によれば、ルツボ本体の外に、種子結晶を収容する種子結晶収容部をその下端に有するものが利用されるものである。そして、当該ルツボを用いる総液体封止方法につき、引用刊行物(1-E)と図3(a)及び(b)の記載によれば、「総液体封止では、薄いB2O3層によって、投入GaAsとルツボ内壁が分離され、低角度粒界の形成が防止」されるものであり、かつ「種子結晶と融液の境界も、適切な結晶によって封止する必要がある」ものであるが、「「乾燥」B2O3をPBNルツボにうまく付着させるには、まず最初にルツボの内壁を酸化して、薄い酸化ホウ素の層を形成する」必要があるものであって、この酸化は、具体的には、「ルツボは、高純度の低密度アルミナによって支え、水平に」置かれ、「900℃を超える温度に加熱したルツボの内部に酸素の流れ(100cm3/分)」を向け、「ルツボの外面は、窒素またはアルゴンの流れ(500cm3/分)によって酸化を防止」することによりなされることが示される。更に、当該酸化につき、引用刊行物(1-E)の記載によれば、「1100℃で14時間行う酸化サイクルにより、適切なコーティングに要する最小厚さと考えられる約0.05mm厚さのB2O3の層」が形成されることにより、「酸化によって形成されたB2O3の層は、ルツボと投入GaAsの直接接触を防止するのに十分であり、処理されたルツボはB2O3をさらに追加しなくても単結晶の成長に使用して再現性が得られた」ことが示される。
このように、ルツボには、その内面に、「適切なコーティングに要する最小厚さと考えられる約0.05mm厚さのB2O3の層」が、単結晶の成長前に予め形成されたものである。
これらのことから、引用刊行物1に記載された発明を、本件訂正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用刊行物1には、
「種子結晶収容部を下部に備えたGaAs単結晶成長用PBN(熱分解窒化ホウ素)ルツボにおいて、上記ルツボの内面に、適切なコーティングに要する最小厚さと考えられる約0.05mm厚さのB2O3の層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN(熱分解窒化ホウ素)ルツボ」の発明が記載されていると云える。
また、引用刊行物1に記載された「種子結晶収容部」は「種結晶設置部」と云え、かつ、それは「PBN製容器」の底部に設けられていると云える。
そうすると、引用刊行物1には、
「種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ、適切なコーティングに要する最小厚さと考えられる約0.05mm厚さのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」
の発明(以下、「引用刊行物1発明」という)が記載されていると云える。
そこで、本件訂正発明と、引用刊行物1発明とを比較すると、発明の構成が、両者は、
「種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」である点で一致し、
相違点1
前者においては、「B2O3層」が「PBN製縦型容器」の「種結晶設置部の内面」に予め形成されているのに対し、後者においては、「B2O3層」が「PBN製縦型容器」の「種結晶設置部の内面」に予め形成されていることは明確に示されていない点、
相違点2
前者においては、容器の種結晶設置部の内面の「B2O3層」が「厚み50〜280μm」であるのに対して、後者においては、そのことが具体的に示されない点
で相違している。
以下、上記相違点について検討する。
引用刊行物(1-E)と図3(a)及び(b)の記載によれば、ルツボの酸化は、「ルツボは、高純度の低密度アルミナによって支え、水平に」置かれ、「900℃を超える温度に加熱したルツボの内部に酸素の流れ(100cm3/分)」を向け、「ルツボの外面は、窒素またはアルゴンの流れ(500cm3/分)によって酸化を防止」することによりなされることが示される。
ところが、引用刊行物1には、ルツボの内部における酸素の流れ方についての記載がなされておらず、かつ、引用刊行物1の記載から、ルツボの内部における酸素の流れ方が明らかであるとも云えないから、引用刊行物1発明において、「種結晶設置部」の内部表面も、ルツボの本体の内部表面と同様に酸化されるかどうかは、不明である。
そうすると、引用刊行物1発明において、「B2O3層」が「容器の種結晶設置部の内面」に予め形成されていると云うことはできない。
なお、ルツボの酸化方法につき、引用刊行物5の記載をみると、引用刊行物(5-C)及び図2の記載によれば、「るつぼ」は、「シリンダ」に含まれ、「シリンダ」は「炉」内に含まれていて、「炉」が「るつぼ」を熱するのに応じて、酸素(O2)が「管」によって「るつぼ」内部へ導入され、同時に、逆の流れの窒素(N2)などの不活性ガスが「シリンダ」内に導入され、窒素が「るつぼ」の「シード設置部」の開口端に入り、反対側の端から酸素が入るのを防ぎ、ガス流を表す矢印で示されるように、酸素と窒素の両方が「シリンダ」14の同じ端で排出されること、更に、簡単な実験により、「るつぼ」の「シード設置部」の内面を酸化させることなく、適切な窒素の流れで裁頭円錐形の「変換部分」を熱酸化させる「管」の位置を迅速に得ることができることが示されている。
このように、引用刊行物5に記載される酸化方法では、るつぼのシード設置部には、実質上酸化物層が形成されず、そして、引用刊行物1発明におけるルツボの酸化のプロセスは、引用刊行物5によって公開されたプロセスに類似する。
そうすると、この点からみても、引用刊行物1発明において、「B2O3層」が「容器の種結晶設置部の内面」に形成されていると、認めることはできない。
一方、引用刊行物2には、引用刊行物(2-A)及び図1の記載により、「LE-VB法によるGaAs結晶の成長に用いられた装置」が示されており、当該装置は、「ホットゾーンには、その領域の温度プロファイルを制御する3つのグラファイトのヒーターが備わっている」ものであり、「熱分解窒化ホウ素(PBN)るつぼ内の温度分布は、るつぼ保持器に埋め込まれた5つの熱電対で測定され、そして、ヒーターへの電力供給の調節及び/又はるつぼの位置の調節により制御される」ものであることが示されている。
さらに、その成長方法は、「<100>方向の種結晶がるつぼの種結晶設置部にセット」され、「約1700gのGaAs多結晶と、200gの固体B2O3が、種結晶の上にこの順で載置」され、「るつぼ」が、「るつぼ保持器に装填」され、「るつぼ内の原材料」は、「グラファイトのヒーターから供給される熱によって、8kg/cm2のアルゴン雰囲気中で溶融」されるものであることが示されている。
また、引用刊行物2には、引用刊行物2(2-C)ないし(2-E)及び図4の記載により、「高い歩留まりで大きな径の単結晶を成長」させるためには、「種結晶およびるつぼの種結晶設置部のサイズは、高い歩留まりの単結晶成長のための適切なシーディングの状態を確保するために、注意深く選択される」ものであって、「図4aに示すように、るつぼの種結晶設置部は、その内径が種結晶の直径よりわずかに大きくなるように設計する必要がある」ものであり、「これによって隙間が発生し、そこに、融解したGaAs上の表面張力で、シーディングプロセス中に、種結晶全体にメニスカスが形成」され、「この構成により、シーディングブロセスにおいて、種に決定された<100>成長方向を持つ単結晶の成長が助長」され、「さらに、B2O3はその隙間を流れ、種および成長した結晶の両方とるつぼ壁との直接の接触を妨げるバリアとして作用し、これによって、シーディング部分における粒界の発生が防止される」ことが示されている。
更に、引用刊行物(2-E)によれば、引用刊行物2における「成長プロセス」では、「融解物とるつぼ壁との直接接触を防ぐことが不可欠」であって、「B2O3で融解物を完全に封入することにより、融解物は高い歩留まりで単結晶に成長できる」ことが示されている。
ここで、引用刊行物2に示された、「LE-VB法によるGaAs結晶の成長に用いられた装置」は、「熱分解窒化ホウ素(PBN)るつぼ」を有するものである。
そして、当該「PBNるつぼ」はGaAs単結晶の成長に用いられるものであるから、上記「PBNるつぼ」は「GaAs単結晶成長用」のものである。
更に、上記「PBNるつぼ」は、「PBN製」の「縦型容器」であり、「<100>方向の種結晶がるつぼの種結晶設置部にセットされる」ものであって、その「種結晶設置部」は「PBNるつぼ」の底部に設けられるものである。
そうすると、上記「PBNるつぼ」は、「種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」と云える。
更に、引用刊行物2には、引用刊行物(2-D)によれば、「LE-VB法」で「GaAs単結晶」を成長させる場合、「高い歩留まりで大きな径の単結晶を成長させる」ためには、「るつぼの種結晶設置部は、その内径が種結晶の直径よりわずかに大きくなるように設計する必要」があり、「これによって隙間が発生し、そこに、融解したGaAs上の表面張力で、シーディングプロセス中に、種結晶全体にメニスカスが形成」され、「さらに、B2O3はその隙間を流れ、種および成長した結晶の両方とるつぼ壁との直接の接触を妨げるバリアとして作用し、これによって、シーディング部分における粒界の発生が防止される」ことが示されている。
これらのことから、引用刊行物2には、「種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」により「LE-VB法」で「GaAs単結晶」を成長させる場合、「るつぼの種結晶設置部」を、その内径が「種結晶」の直径よりわずかに大きくなるように設計して、「B2O3」をその隙間に流し、「種」および「成長した結晶」の両方と「るつぼ壁」との直接の接触を妨げるバリアとして作用させることによって、「シーディング部分における粒界の発生を防止」することが示されていると云える。
ところが、引用刊行物2に示された上記の事項は、本件訂正明細書に「従来の技術」として記載された「種結晶とPBN製容器の隙間にB2O3を流し込む方式」(訂正明細書段落【0002】第4行〜第5行)に他ならず、故に引用刊行物2は、従来技術を示しているに過ぎず、PBN製縦型容器の種結晶設置部の内面に、B2O3層を予め形成することを開示するものではない。
また、引用刊行物3、引用刊行物4及び引用刊行物6にも、PBN製縦型容器の種結晶設置部の内面にB2O3層を予め形成することは、記載も示唆もされていない。
そして、本件訂正明細書の記載によれば、本件訂正発明は、「種結晶設置部を底部に備えた単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成する」との構成を採択することにより、単結晶の成長時に、種結晶と容器の隙間にB2O3を均一に付着させることができ、これにより結晶性の優れたGaAs単結晶の成長を可能にするものである。
そうすると、引用刊行物1発明において、「PBN製縦型容器の種結晶設置部の内面に、B2O3層を予め形成する」ことを、引用刊行物2ないし引用刊行物6に記載された発明に基づいて、当業者が容易になし得るとは云えない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明が、引用刊行物1発明であると云うことはできず、かつ、本件訂正発明を、引用刊行物1ないし引用刊行物6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとも云えない。
3-4-2.理由2及び理由3について
上記取消理由の通知に記載された理由2及び理由3は、共に請求項4に係る発明に関するものであって、当該請求項4に係る発明は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項4に記載されたとおりの、「上記容器をSiで構成し、上記酸化物層をSiO2で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の化合物半導体結晶成長用縦型容器。」と認められる。
ところが、「2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否」の「訂正事項(1-4)」に記載の通り、平成15年7月18日になされた訂正により、特許明細書の特許請求の範囲の請求項4は削除され、かつ、「訂正事項(1-1)」、「訂正事項(1-3)」に記載のとおり、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1の「化合物半導体結晶成長用縦型容器」という記載は、上記訂正により、「GaAs単結晶成長用PBN製縦型容器」と訂正され、同請求項1の「酸化物層」という記載は、上記訂正により、「厚み50〜280μmのB2O3層」と訂正されたものである。
そして、上記訂正は認められるものであるから、本件訂正発明は、「容器をSiで構成」し、「酸化物層をSiO2で構成」するものとは云えない。
故に、上記理由2及び理由3により、本件訂正発明1を取り消すことはできない。
また、その他の異議申立理由及び証拠は、本件訂正発明を取り消すべき理由として採用することができない。
3-5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件訂正発明を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
化合物半導体結晶成長用縦型容器
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにより化合物半導体結晶、すなわち、GaAs単結晶を成長させるPBN製縦型容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにより化合物半導体結晶を成長する方式には、▲1▼PBN製の結晶成長用縦型容器を使用し、種結晶設置部に特別の対策を施さない方式、▲2▼種結晶とPBN製容器の隙間にB2O3を流し込む方式に大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼の方式では、容器内面と種結晶の隙間に、結晶原料が流れ込んで多結晶化するという問題がある。
図3は、▲2▼の方式の1例を説明するための図であり、PBN製容器1の底部に種結晶3を設置し、B2O3材5及び化合物半導体結晶原料である多結晶4を収容し、B2O3材5を溶融し、不活性ガスで加圧することにより、溶融B2O3を種結晶とPBN製容器の隙間に流し込んだ後、上記多結晶4を溶融し、下方より結晶化するものである。この方式では、種結晶と容器の隙間に流し込んだ溶融B2O3が種結晶設置部の内面に均一に付着させることが難しく、付着しなかった容器内面に結晶溶融原料が流れ込むと、その部分から多結晶化するという問題があり、化合物半導体結晶の歩留りを低下する原因となっていた。
【0004】
そこで、本発明では、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などにおける上記の問題点を解消し、容器内面からの多結晶化することを防止したGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器において、上記容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成したことを特徴とするGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器である。
【0006】
本発明で使用される縦型容器は、PBNで構成し、容器内面にB2O3層を形成する。また、B2O3層の厚みは、50〜280μmの範囲とし、100〜200μmの範囲が好ましい。
なお、本発明の縦型容器は、例えば、酸素を含んだ気体中で500℃以上で酸化処理することによりB2O3層を形成することができる。
【0007】
【作用】
本発明は、種結晶設置部を底部に備えたGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の種結晶設置部の内面に、上記容器を構成する元素の少なくとも1種以上を含んだ厚み50〜280μmのB2O3層を予め形成することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法などで種結晶上部からGaAs単結晶を成長するときに、種結晶と容器の隙間に原料融液が流れ込み、容器内面に接触して多結晶化するという不都合を防止し、結晶性の優れたGaAs単結晶の成長を可能にしたものである。
【0008】
図1は、本発明の1具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
図1は、PBN製成長容器1の種結晶設置部内面にB2O3層2を予め形成した容器を使用し、該容器1の底部にGaAs種結晶3を設置し、GaAs多結晶原料4を収納した状態を示した図である。この状態で多結晶原料4を溶融し、GaAs種結晶3上面から固化して結晶化するものである。仮に、溶融した多結晶原料4が種結晶3と容器1の隙間に流れ込んでも、容器1の内面と直接接触することがなく、内面からの多結晶化を防止することができる。
【0009】
図2は、本発明の他の具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
図2は、PBN製成長容器1の内面全体にB2O3層2を予め形成した容器を使用した以外は、図1の容器と同じものである。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
図1のPBN製縦型成長容器を用いて垂直ブリッジマン法でSiドープGaAs単結晶を成長させた。該成長容器は、種結晶設置部の内径が12mm、結晶成長部の内径が52mm、結晶成長部の長さが200mm、容器壁の厚みが2mmのものを使用し、予め、種結晶設置部内面を酸化して100〜200μmのB2O3層を形成した。該成長容器には、<100>成長方位の種結晶とドーパントSi30mg及びGaAs多結晶1100gを収容した後、垂直ブリッジマン炉中で昇温し、まず、GaAs多結晶を溶解し種付けし、温度勾配を10℃/cmに設定した炉を移動速度5mm/hrで移動して約72時間で単結晶化させた。
得られたSiドープGaAs単結晶は650gであり、固化率が0.15、キャリア濃度が3×1017cm-2、転位密度が1200cm-2の高品質のn型単結晶であった。また、同一条件で18回成長を実施したが、全て600〜800gの単結晶を得ることができた。
【0011】
(実施例2)
図1のPBN製縦型成長容器を用いて垂直ブリッジマン法でZnドープGaAs単結晶を成長させた。該成長容器は、種結晶設置部の内径が21mm、結晶成長部の内径が78mm、結晶成長部の長さが300mm、容器壁の厚みが1.5mmのものを使用し、予め、種結晶設置部内面を酸化して100〜150μmのB2O3層を形成した。該成長容器には、<100>成長方位の種結晶とドーパントZn2850mg及びGaAs多結晶1100gを収容した後、垂直ブリッジマン炉中で昇温し、まず、GaAs多結晶を溶解し、種付けし、温度勾配を10℃/cmに設定した炉を移動速度5mm/hrで移動して約81時間で単結晶化させた。
得られたZnドープGaAs単結晶は1930gであり、固化率が0.37、キャリア濃度が1.7×1019cm-2、転位密度が2270cm-2の高品質のp型単結晶であった。また、同一条件で13回成長を実施したが、全て1430〜2001gの単結晶を得ることができた。
【0012】
(実施例3)
図2のPBN製縦型成長容器を用いて垂直ブリッジマン法でSiドープGaAs単結晶を成長させた。該成長容器は、種結晶設置部の内径が12mm、結晶成長部の内径が82mm、結晶成長部の長さが200mm、容器壁の厚みが2mmのものを使用し、予め成長容器内面全体を酸化して50〜280μmのB2O3層を形成した。該成長容器には、<100>成長方位の種結晶とドーパントSi450mg及びGaAs多結晶5000gを収容した後、垂直ブリッジマン炉中で昇温し、まず、GaAs多結晶を溶解し、種付けし、温度勾配を10℃/cmに設定した炉を移動速度5mm/hrで移動して約83時間で単結晶化させた。
得られたSiドープGaAs単結晶は3200gであり、固化率が0.15、キャリア濃度が1.5×1018cm-2、転位密度が300cm-2の高品質のn型単結晶であった。また、同一条件で29回成長を実施したが、全て2001〜3311gの単結晶を得ることができた。
【0013】
(比較例)
図3のPBN製縦型成長容器を用いて、実施例1と同様にSiドープGaAs単結晶を成長させた。該成長容器の形状は実施例1と同様であるが、種結晶設置部内面のB2O3層は省略した。そして、図2に示すように、GaAs多結晶の下に20gのB2O3を挿入し、垂直ブリッジマン炉中で昇温し、まず、B2O3を溶融した後、実施例1と同様にして結晶化させたが、種結晶設置部内面にB2O3が均一に付着させることができず、付着しなかった箇所から<100>成長方位と異なる成長面で結晶成長が始まり、多結晶化してしまった。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、垂直ブリッジマン法や垂直温度勾配凝固法でGaAs単結晶を成長するときに、単結晶化率を向上させることができ、結晶製造コストの大幅な低減を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
【図2】
本発明の他の具体例であるGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
【図3】
従来のGaAs単結晶成長用PBN製縦型容器の概念図である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-03-01 
出願番号 特願平5-27735
審決分類 P 1 651・ 531- YA (C30B)
P 1 651・ 121- YA (C30B)
P 1 651・ 534- YA (C30B)
P 1 651・ 113- YA (C30B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 五十棲 毅  
特許庁審判長 多喜 鉄雄
特許庁審判官 金 公彦
山田 充
登録日 2001-08-03 
登録番号 特許第3216298号(P3216298)
権利者 住友電気工業株式会社
発明の名称 化合物半導体結晶成長用縦型容器  
代理人 萩原 亮一  
代理人 内田 明  
代理人 加藤 公清  
代理人 加藤 公清  
代理人 萩原 亮一  
代理人 内田 明  

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