• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G03G
管理番号 1098030
異議申立番号 異議2002-72478  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-08-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-10-08 
確定日 2004-04-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3273379号「乾式二成分系現像剤」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3273379号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3273379号の請求項1〜4に係る発明は、平成5年1月26日に特許出願され、平成14年2月1日にその特許の設定登録がなされ、その後、中野まゆみ(以下、「申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年3月25日に訂正請求がされ、再度取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年7月8日に訂正請求がされたものである。(なお、平成15年3月25日付け訂正請求は取り下げられた。)

2. 訂正の適否についての判断
2.1 訂正の内容
a.訂正事項a
特許請求の範囲の
「【請求項1】 キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする乾式二成分系現像剤。」
との記載を、
「【請求項1】 キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする乾式二成分系現像剤。」
と訂正する。
b.訂正事項b
発明の詳細な説明の段落【0006】の
「【課題を解決するための手段】本発明は、キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用乾式二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする。」
との記載を、
「【課題を解決するための手段】本発明は、キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用乾式二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする。」
と訂正する。
c.訂正事項c
発明の詳細な説明の段落【0007】の
「キャリア粒子の核体粒子として表面空孔率が10体積%のマグネタイトを用いることにより、」
との記載を、
「キャリア粒子の核体粒子として表面空孔率が5体積%のマグネタイトを用いることにより、」
と訂正する。
d.訂正事項d
発明の詳細な説明の段落【0008】の
「また、マグネタイト微粒子表面のアルカリ金属塩の表面濃度を15ppm以下とすることにより、親水性の官能基を有するポリエステル樹脂をバインダーとしたトナーを用いた場合でも、湿度の変動に対して安定した帯電特性を維持できるようになる。」
との記載を、
「また、マグネタイト微粒子の表面層のアルカリ金属塩濃度を15ppm以下とすることにより、親水性の官能基を有するポリエステル樹脂をバインダーとしたトナーを用いた場合でも、湿度の変動に対して安定した帯電特性を維持できるようになる。」
と訂正する。

2.2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、請求項1について、発明を特定する事項である「表面空孔率5体積%以下のマグネタイト核体粒子」を「表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子」に限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、また、上記訂正事項b、訂正事項dは、上記訂正事項aと整合を図るものであり、上記訂正事項cは、特許請求の範囲の「表面空孔率5体積%以下」との記載と整合を図るものであるから、それぞれ明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当する。そして、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

2.3 訂正の適否の結論
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き及び第2項、第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3. 特許異議の申立てについての判断
3.1 申立ての理由の概要
申立人は、請求項1〜4に係る発明は、甲第1号証(特開平3-217856号公報)、甲第2号証(特公平2-60186号公報)、甲第3号証(特開昭63-8651号公報)及び甲第4号証(特開昭64-7046号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許を取り消すべき旨主張している。

3.2 本件の請求項1〜4に係る発明
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1〜4に係る発明(以下、「本件発明1〜4」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】 キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする乾式二成分系現像剤。
【請求項2】 前記樹脂被覆層の樹脂がシリコーン樹脂である請求項1記載の乾式二成分系現像剤。
【請求項3】 前記樹脂被覆層が導電性微粉末及びシランカップリング剤を含有している請求項1又は2記載の乾式二成分系現像剤。
【請求項4】 静電潜像を現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤として請求項1〜3のいずれかに記載の乾式二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。」

3.3 各刊行物に記載された発明
・甲第1号証(特開平3-217856号公報)には、
a.「(2)前記キャリアが磁性を有するキャリア芯材上に導電性微粒子を分散させたコート層を有するコートキャリアである請求項(1)記載の静電潜像用乾式二成分系現像剤。」(特許請求の範囲第2項)
b.「本発明の現像剤における…キャリアとしては、フェライト、鉄粉、マグネタイト等の磁性を持つキャリア芯材をコートせずに用いることもできるし、また該芯材上に樹脂をコーティングして用いることもできる。…
このスペント性を防止するためには、例えば、キャリア芯材上に樹脂をコーティングしたコートキャリアを用いることが好ましい。ところが、通常このコーティングに用いる樹脂は抵抗値が高いものが多いため、コーティングするとキャリアの抵抗値が上昇する。そのためコート層中に導電性物質を分散させ、抵抗値を下げたコートキャリアを用いるのが最も好ましい。」(4頁右下欄2〜19行)
c.「実施例2
シリコーン樹脂(商品名;SR-2400:トーレシリコーン社製)3,000g(固形分20%)と溶媒トルエン3,000gとをホモミキサーで10分間撹拌した後、導電性微粒子アセチレンブラック150g及び磁性体マグネタイト480gを投入し、10分間撹拌した。溶媒を加熱除去し、磁性体分散固形物を得た。得られた固形物を電気炉内で350℃で焼成した後、冷却し、その後ジェット粉砕機で粉砕した後、分級器で分級し、平均粒径65μmの磁性体・導電性微粉末分散シリコーンキャリアを得た。…
このキャリアに実施例1で用いたと同様のトナーを混合し、二成分現像剤を作成した。」(7頁右下欄12行〜8頁左上欄6行)
と記載されている。

・甲第2号証(特公平2-60186号公報)には、
d.「30〜200μmの粒子径、10重量%以下のウスタイト(FeO)含有率及び20容量%以下の表面空孔率を有する実質的に球状のマグネタイト粒子が樹脂被覆されたものよりなる電子写真現像剤用キャリア。」(特許請求の範囲第1項)
e.「本発明は電子写真現像剤、特にトナーとキャリヤーとからなる二成分系現像剤におけるキャリヤー成分として有用なマグネタイト粒子に関する。」(1頁1欄15行〜2欄2行)
f.「本発明のマグネタイトの表面空孔率もキャリヤー性能上及び実用経済性からみて非常に重量であることが判明した。…本発明における球形マグネタイトの表面空孔率は、20容量%以下、特に好ましくは10%以下とすべきである。」(3頁5欄12〜22行)
g.「実施例2
粒子径が75〜150μmで表面空孔率の異なる3種の球形マグネタイトについて、コア材の表面空孔率と、100Vで測定した場合のキャリヤー電流(電気抵抗値)によってみた磁気特性を同一にするために必要な樹脂量との関係を求めた。その結果を表2に示す。
表 2
表面空孔率 被覆樹脂の 100Vでの
(容量%) 必要量 キャリヤー電流
(比率) (μA)
3 1.0 0.61
… … …
球形マグネタイト表面空孔率が高いと低いものに比較して同様の抵抗値を得るために多量の樹脂を必要とする。」(3頁6欄40行〜4頁8欄10行)
と記載されている。

・甲第3号証(特開昭63-8651号公報)には、
h.「本発明に有用な造粒マグネタイト粒子は、粒径が50〜150μmの球形であり、樹脂コーティング層の膜厚が0.1〜10μmであり、…また、電気抵抗の制御は、コーティング樹脂中にマグネタイト微粉末を分散させて行うことができる。」(4頁左上欄9〜18行)
i.「例2
キャリアとして粒径79〜149μmの球形マグネタイト粒子にコーティング樹脂として、1,2-ポリブタジエン(JSR-RB810)、帯電付与剤として四ふっ化エチレン樹脂粉末、抵抗制御剤としてマグネタイト微粉末を用い、ロータリドライ法によって均一コーティングを行い、その後熱硬化して樹脂コートマグネタイトキャリア(コーティング厚約1μm、電気抵抗1×107Ω・cm)を用いる。
例1のトナーA40gに対し、上記キャリア1kgを加えて現像剤B…を調整し、」(7頁左上欄17行〜右上欄8行)
と記載されている。

・甲第4号証(特開昭64-7046号公報)には、
j.「このキャリア芯材の表面には、前記のように、予め低表面エネルギー物質で表面処理された導電性微粒子を含有した樹脂からなる被覆層(キャリアコート層)が形成されている。…
また、低表面エネルギー物質としては(1)弗化炭素基を有する有機酸、(2)シランカップリング剤が代表例としてあげられる。」(2頁左下欄9〜20行)
k.「本発明キャリアを用いた乾式二成分系現像剤によれば、現像剤の長寿命化がもたらされ、トナーのスペントが生じることなく長期にわたって良質画像の作成に有効である。」(6頁左下欄下から4行〜末行)
と記載されている。

3.4 当審の判断
本件発明1と甲第1号証に記載されたものとを対比すると、甲第1号証に記載の静電潜像用乾式二成分系現像剤は、本件発明1で規定する「キャリア粒子」が、
「表面空孔率5体積%以下」で、「表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下」の「マグネタイト核体粒子」であること
について、甲第1号証に記載されていない点で相違する。
相違点について検討する。
甲第2号証には、特に好ましくは10容量%以下の表面空孔率を有する実質的に球状のマグネタイト粒子が樹脂被覆されたものよりなる電子写真現像剤用キャリアについて記載され、実施例2では、表面空孔率3容量%のものが開示されている。しかし、甲第2号証には、「キャリア粒子が、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子」であることについて、記載も示唆もされていない。甲第3,4号証にも、「キャリア粒子が、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子」であることについての記載も示唆もない。したがって、甲第1号証に記載の静電潜像用乾式二成分系現像剤に対して、甲第2〜4号証を適用しても、本件発明1の構成に到達し得ない。
そして、本件発明1は、明細書記載の顕著な効果を奏するものであるから、本件発明1が各引用刊行物に記載された発明から容易に発明をすることができたものとはいえない。
本件発明1を引用する本件発明2〜4についても同様である。

4. むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件請求項1〜4に係る発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜4に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件請求項1〜4に係る発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対して付与されたものと認めないから、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
乾式二成分系現像剤
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする乾式二成分系現像剤。
【請求項2】 前記樹脂被覆層の樹脂がシリコーン樹脂である請求項1記載の乾式二成分系現像剤。
【請求項3】 前記樹脂被覆層が導電性微粉末及びシランカップリング剤を含有している請求項1又は2記載の乾式二成分系現像剤。
【請求項4】 静電潜像を現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤として請求項1〜3のいずれかに記載の乾式二成分系現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真法、静電印刷法などに用いられる静電潜像現像用乾式二成分系現像剤及びそれを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、キャリア粒子とトナー粒子との混合物からなるいわゆる乾式二成分系現像剤はよく知られている。この乾式二成分系現像剤(以降単に「二成分系現像剤」ということがある)は、比較的大きな粒子表面上に微小なトナー粒子が両粒子の摩擦により発生した電気力により保持されており、静電潜像に接近すると、静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対する潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキャリア粒子との間の結合力に打ち勝って、トナー粒子は静電潜像上に吸引付着されて静電潜像が可視化されるものである。そして、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。従って長時間の使用中、キャリアは常にトナー粒子を所望する帯電量に摩擦帯電しなければならない。
【0003】
二成分系現像剤用キャリア材料として広く使用されているのはマグネタイト、フェライトなどの金属酸化物であり、鉄粉キャリアなどに比べて見かけ密度が小さく現像剤として軽量化が可能であるため、現像器内において現像剤を撹拌する場合その撹拌抵抗が小さくなるという利点を有している。更に鉄粉キャリアに比べて磁気特性上、残留磁束密度が低く、また抗磁力も小さく結果的にヒステリシスループの面積が小さい特徴を有し、磁化反転及び磁化履歴に対して常に初期特性を保持する特性を有している。またマグネタイト、フェライトなどは酸化物であるため化学的に安定であり、複写機内で発生するオゾン、NOX等による化学変化が起きにくいという利点を有している。更に近年はエコロジーに対する関心の高まりから現像剤の環境安全性が重要な品質の一つになっており、重金属酸化物を含むフェライトよりもマグネタイトの優位性が高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら金属酸化物をキャリアとした現像剤は、鉄粉キャリアの問題点である重さをある程度解消し得るが、高速現像や多数枚複写による現像剤粒子間の衝突、または現像剤粒子と現像機械との衝突等の機械的衝突、またはこれらの作用による発明でキャリア表面上にトナー膜が形成される、いわゆるスペント化が報じ、キャリアの帯電特性が使用時間とともに低下しトナー飛散、地かぶり等が発生するという欠点があった。
このようなスペント化を防止するために、従来から核体粒子表面に種々の樹脂を被覆する方法が提案されている。例えばスチレン-メタクリレート共重合体、スチレン重合体、四フッ化エチレン重合体、シリコーン樹脂のような低表面エネルギーを有する材料で被覆する方法が考え出されている。しかし、これら樹脂被覆キャリアにおいては、核体粒子の表面に凹凸が存在すると、核体粒子の凸部分での被覆層の厚みが薄くなり、多数枚の複写によりキャリア同士の摩擦あるいはトナー中の添加剤による摩耗等によりこの薄い被覆層の部分が摩耗し、結果として核体粒子面の露出によるスペント化が問題となり、結局ね廃棄による環境汚染の生じるおそれがある。
その他、球形マグネタイトを部分還元してその表面層を金属鉄とし、内部はマグネタイトからなるキャリア(特開昭61-284774号公報)、ヘマタイトを含有するマグネタイトの球状粒子に樹脂を被覆したキャリア(特開昭62-238580号)も提案されている。だが、これらのキャリアとトナーとを混合した現像剤によっても前記の欠点・問題点がすべて解決することはできないのが実情である。
【0005】
従って、本発明は上記のごとき欠点・問題点などを解消し、▲1▼現像剤廃棄時においても環境を汚染することがなく、▲2▼現像剤の繰り返し使用によっても現像剤特性の変化が少なく、良好な画像を多数枚にわたって維持でき、▲3▼ソリッド画像の画像性が良く、エッジ効果の少ない画像を得ることができ、更に▲4▼塩ビマットへのトナー移行を生じさせない、新規な静電潜像現像用乾式二成分系現像剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、キャリア粒子とトナー粒子とからなる静電潜像現像用二成分系現像剤において、該キャリア粒子が表面空孔率5体積%以下で、表面層のアルカリ金属塩濃度が15ppm以下のマグネタイト核体粒子の表面に導電性微粉末を含有する樹脂被覆層を設けてなることを特徴とする乾式二成分系現像剤。
【0007】
キャリア粒子の核体粒子として表面空孔率が5体積%のマグネタイトを用いることにより、核体粒子表面の凹凸を小さくすることができ、樹脂被覆層(キャリア表面層)の厚みを均一にすることができるため、キャリア表面層の摩耗による核体粒子面の露出を防止することができるようになる。
更に、キャリア表面層の樹脂をシリコーン樹脂とすることによりキャリア表面へのトナーのスベント化を有効に防止できる。更に、キャリア表面層中に導電性微粉末を添加することにより、キャリア粒子の電気抵抗を低くすることができ、エッジ効果のない良好な画像を得ることができる。更にまた、キャリア表面層中に尊電性徴粉末及びシランカップリング剤を添加することにより、一経時使用によるキャリア表面からの導電性微粉末の脱離を防止でき、より安定した画像を得ることができる。
【0008】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に係るキャリア粒子において使用されるマグネタイト微粒子(核体粒子)は、例えば湿式法により生成したマグネタイト微粒子をボールミル等により適当な溶媒(PVA水溶液など)と混合スラリー化した後、スプレードライヤーにより噴霧造粒し、次いで電気炉等の焼成炉中で熱処理することにより製造し得る。
ここで、マグネタイト微粒子の表面空孔率の調整はスラリー化する際のマグネタイトの粒子径によって行うことができる。マグネタイト微粒子の表面空孔率は5体積%以下である。また、このマグネタイト微粒子の大きさは粒径30〜200μm、好ましくは50〜100μmが適当である。
また、マグネタイト微粒子の表面層のアルカリ金属塩濃度を15ppm以下とすることにより、親水性の官能基を有するポリエステル樹脂をバインダーとしたトナーを用いた場合でも、湿度の変動に対して安定した帯電特性を維持できるようになる。
【0009】
本発明のキャリアで被覆層(表面層)を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体;スチレン-アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素-ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもトナースペントを防止する点で好ましいのはシリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂またはその変成品である。
【0010】
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記の一般式(1)で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
【化1】

(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、R2およびR3は水素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数2〜4のアリケニル基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グルシジル基または

(R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基又はフェノキシ基)、R5はR4と同じである。k、l、m、n、p、qは1以上の整数を示す。)
これらの各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有していてもよい。
【0011】
市販品としのストレートシリコーン樹脂には、信越化学社製のKR271,KR255,KR152、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2411,SR2405等がある。また、市販品としての変性シリコーン樹脂には、信越化学社製のKR206(アルキッド変性),KR5208(アクリル変性),ES1001N(エポキシ変性),KR305(ウレタン変性),東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性),SR2110(アルキッド変性)などがある。
【0012】
被覆層中に分散される導電性微粉末は従来より公知のものでよく、例えばシリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。この中でも特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いることにより、少量の導電性微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層の耐摩耗性に優れたキャリアを得ることが可能となる。これらの導電性微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましくは、被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部が好ましく、5〜20重量部添加されるのが好ましい。
【0013】
被覆層中に含有されるシランカップリング剤としては、下記の一般式(2)
Y1R6SiX13 (2)
で表される化合物が効果的である。式中、X1はけい素原子に結合している加水分解基でクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基などであり、Y1は有機マトリックスと反応する有機官能基でビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基など、R6は炭素数1〜20のアルキル基またはアルキレン基である。
このシランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像像を得るにはYにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るにはYにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては下記表1のごときものが挙げられる。
【0014】
【表1-(1)】

【表1-(2)】

【表1-(3)】

【0015】
樹脂被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒子の表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。
【0016】
キャリアと共に現像剤を構成するトナーとしては、従来の公知の方法で製造されたものを使用できる。具体的には、バインダー樹脂、着色剤及び極性制御剤、更に必要に応じて任意の添加物よりなる混合物を熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化せしめ、これを粉砕分級して得られる。
【0017】
このバインダー樹脂としては、公知のものがすべて使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリp-スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化ポラフィン、パラフィンワックスなどがあげられ、これらは単独あるいは混合して使用される。
【0018】
特にバインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いることにより耐塩ビマット融着性やカラートナーの色材の本来の色を損なうことのない、電子写真用現像剤を得ることができる。
かかる本発明においてバインダーとして有用なポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、そこで用いられるアルコールにはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等のジオール類、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0019】
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体だけでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナルタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
【0020】
極性制御剤としては従来より公知のものでよく、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸又はジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料等があげられる。
特に下記の一般式(3)で示される含フッ素4級アンモニウム塩を含有することにより良好な帯電性が得られる。
【化2】

この含フッ素4級アンモニウム塩の代表的なものとしては、下記表2のごとき例示化合物が挙げられる。
【表2-(1)】

【表2-(2)】

【表2-(3)】

【表2-(4)】

【表2-(5)】

【表2-(6)】

【表2-(7)】

【表2-(8)】

【表2-(9)】

【0021】
極性制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めてたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部好ましくは1〜10重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、トナーの帯電量が不足し実用的でない。また20重量部を越える場合にはトナーの帯電量が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0022】
黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの結着剤としては、例えばクロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0023】
トナーには更に磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としてはバインダー樹脂100重量部に対し約20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部である。
【0024】
トナーは、必要に応じて添加物を混合してもよい。添加物としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるいは例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニウムなどの流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリオレフィンなどの定着助剤等があげられる。
【0025】
本発明のキャリア並びにトナーの使用量としては、トナー粒子がキャリア粒子のキャリア表面に付着して、その表面積の30〜90%を占める程度に両粒子を混合するのが好ましい。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでの部はすべて重量部である。
【0027】
実施例1〜16及び比較例1〜3(実施例1〜11は参考例)
(トナーの製造)
製造例1
スチレン-アクリル樹脂(ハイマー75:三洋化成社製) 88部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
含金属アゾ染料(ボントロンS-34:オリエント化学社製) 2部
これら処方の混合物を140℃の熱ロールで溶融混練した後、冷却固化せしめ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径約10μmのトナーaとした。
製造例2
ポリエステル樹脂(ルナペール1447:荒川化学社製) 93部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 5部
含金属アゾ染料(ボントロンS-34:オリエント化学社製) 2部
これら処方の混合物を用い製造例1と同様にして平均粒径約10μmのトナーbとした。
製造例3
スチレン-アクリル共重合樹脂(ハイマー75:三洋化成社製) 88部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 10部
含フッ素4級アンモニウム塩(例示化合物3-1) 2部
これら処方の混合物を用い製造例1と同様にして平均粒径約10μmのトナーcとした。
製造例4
ポリエステル樹脂(R-6361:花王(株)社製) 93部
カーボンブラック(#44:三菱化成社製) 5部
含フッ素4級アンモニウム塩(例示化合物3-1) 2部
これら処方の混合物を用い製造例1と同様にして平均粒径約10μmのトナーdとした。
【0028】
(マグネタイト核体粒子の製造例)
湿式法により作成したマグネタイト100部に対してポリビニルアルコール2部、水60部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調製した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し平均粒径約80μmの球形粒子とした。
この粒子を窒素雰囲気中で1000〜1200℃の温度で1〜3時間焼成後冷却し下記の表3に示すマグネタイト核体粒子を得た。
【表3】

【0029】
(キャリア粒子の製造例)
製造例1
アクリル樹脂(BR-83:三菱レーヨン社製) 100部
トルエン 100部
からなる処方の被覆層形成液をホモミキサーで混合後、流動床型コーティング装置を用いてマグネタイト核体粒子(I)に塗布、乾燥しキャリア粒子Aとした。
製造例2〜8
下記の表4に示す処方で、前記のキャリア粒子の製造例1と同様な方法でキャリア粒子B〜Hを得た。但し、核体粒子量はいずれも1000部とし被覆層形成液の分散溶媒としてはトルエンを100部とした。
【0030】
【表4】

【0031】
続いて、後記の表5に示すキャリア粒子:97部とトナー粒子:3部とをボールミルで混合して現像剤とし、この現像剤について次に示す試験を行った。
(試験)
現像剤を市販の電子写真複写機(リコー社製FT-6950)を用いて30万枚の画像出しを行い、キャリア付着、帯電量の環境変動率、および塩ビマットへの移行性を調べた。また、試験開始時及び20万枚後、30万枚コピー後の現像剤をサンプリングしてブローオフ帯電量とスペント化率を測定した。
下記に各評価方法を示す。
(環境安定性)
(1)低温低湿帯電量
10℃・20%RHの環境下に各々の現像剤を3時間調湿する。その後120mlステンレスポット中にそれらキャリア及びトナーを入れ10分間撹拌し、ブローオフ法により帯電量を求める。
(2)高温高湿帯電量
30℃・80%RHの環境下に各々の現像剤を3時間調湿する。その後120mlステンレスポット中にそれらキャリア及びトナーを入れ10分間撹拌し、ブローオフ法により帯電量を求める。
次に下記式により環境変動率を算出し、判定条件により評価した。
環境安定性(%)=〔(低温低湿帯電量-高温高湿帯電量)/低温低湿帯電量〕×100
◎:0〜5% ○:5〜10%
△:10〜30% ×:30%<
(スペント化率)
30万枚複写試験後の現像剤からブローオフによりトナーを除去し、残ったキャリアの重量を測定しW1とする。次に、このキャリアをトルエン中に入れて融着物を溶解し、洗浄、乾燥後重量を測定しW2とする。そして下記式よりスペント化率を求め評価した。
スペント化率(wt%)=〔(W1-W2)/W1〕×100
◎: 0〜0.01wt% ○:0.01〜0.02wt%
△:0.02〜0.05wt% ×:0.05wt%<
(塩ビマット移行性)
複写画像を市販の塩ビマットで挾み、これに200g/cm2の荷重を加え、40℃の環境化で6時間保存しトナーの移行の有無を評価した。
【0032】
【表5】

【0033】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、核体粒子表面の凹凸を小さくすることができ、樹脂被覆層(キャリア被覆層)の厚さを均一にすることができるため、キャリア被覆層の摩耗による核体粒子面の露出を防止することができる。また、キャリアの電気抵抗を低くすることができ、エッジ効果のない良好な画像を得ることができる。
請求項2の発明によれば、キャリア表面へのトナーのスペント化が有効に防止できる。
請求項3の発明によれば、経時使用によるキャリア表面からの導電性微粉末の脱離を防止できる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-03-16 
出願番号 特願平5-31261
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G03G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菅野 芳男磯貝 香苗  
特許庁審判長 矢沢 清純
特許庁審判官 阿久津 弘
秋月 美紀子
登録日 2002-02-01 
登録番号 特許第3273379号(P3273379)
権利者 株式会社リコー
発明の名称 乾式二成分系現像剤  
代理人 池浦 敏明  
代理人 池浦 敏明  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ