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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B65D
審判 全部申し立て 2項進歩性  B65D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B65D
管理番号 1098054
異議申立番号 異議2003-71283  
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2001-04-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-05-14 
確定日 2004-03-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3349138号「記録媒体用ディスクの収納ケース」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3349138号の請求項1、2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3349138号 の請求項1〜3に係る発明についての出願は、平成11年3月4日に特許出願された特願平11-545603号の一部を平成12年9月7日に新たな特許出願とし、特許法第41条に基づく優先権主張を伴う優先日を平成10年3月9日とする出願であって、平成14年9月13日にその発明についての特許権の設定登録がなされ、その後、異議申立人門直輝、池上祥子より特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年1月26日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
訂正の内容は、平成16年1月26日に提出された訂正請求書及びそれに添付された訂正明細書の記載からみて、以下のとおりである。
1)訂正事項1
請求項1の「・・・両面を覆う収納状態とでき、」と「保持板(2)の上下端縁部の中央部・・・」との間に、以下の記載を追加する。
「前記保持板(2) は、ヒンジ部(2a)を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記カバー体(3) は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記収納状態において、カバー体(3) におけるヒンジ結合側端縁部は、保持板(2) におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁(43)が設けられ、この周壁(43)は指掛け部(44)とされており、」
2)訂正事項2
請求項2を削除する。
3)訂正事項3
請求項3を請求項2として繰り上げる。
4)訂正事項4
明細書の段落【0005】の「・・・両面を覆う収納状態とでき、」と「保持板(2)の上下端縁部の中央部・・・」との間に、以下の記載を追加する。
「前記保持板(2) は、ヒンジ部(2a)を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記カバー体(3) は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記収納状態において、カバー体(3) におけるヒンジ結合側端縁部は、保持板(2) におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁(43)が設けられ、この周壁(43)は指掛け部(44)とされており、」
5)訂正事項5
明細書の段落【0006】から、以下の記載を削除する。
「前記保持板とカバー体とを閉じた状態におけるケースの厚みが、6mm以下であるのが好ましい。」
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、請求項1に記載されている事項の一部を明細書に記載されていた下位概念のものと置換するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、訂正事項3〜5は、上記訂正事項1及び2に付随的に生じる記載の不備を解消するものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)申立ての理由の概要
1)異議申立人門直輝は、本件発明の特許に対して、証拠として甲第1号証(特開平8-90610号公報)、甲第2号証(特開平10-305890号公報)、甲第3号証(国際公開第WO96/14636号パンフレット)、甲第4号証(実願昭63-65164号(実開平1-170684号)のマイクロフィルム)を提出し、請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、請求項3に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、また、請求項2に係る発明の特許は、第36条第6項第2号の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
2)異議申立人池上祥子は、本件発明の特許に対して、証拠として甲第1号証(特開平10-305890号公報)、甲第2号証(特開平11-100086号公報)を提出し、請求項1〜3に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるから、特許を取り消すべき旨主張している。
(2)本件発明
特許第3349138号 の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、平成16年1月26日付けの訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「保持板(2)とカバー体(3)とが、それぞれの一端側に設けられたヒンジ部(2a,3a)を介して互いに揺動開閉自在に連結され、保持板(2)には、その板面の略中央部に、記録媒体用ディスク(100)の中央孔(101)に嵌まる保持部(5)が設けられ、これら保持板(2)とカバー体(3)とによって、記録媒体用ディスク(100)の両面を覆う収納状態とでき、
前記保持板(2) は、ヒンジ部(2a)を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記カバー体(3) は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記収納状態において、カバー体(3) におけるヒンジ結合側端縁部は、保持板(2) におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁(43)が設けられ、この周壁(43)は指掛け部(44)とされており、
保持板(2)の上下端縁部の中央部には、該保持板(2)の内側へ入り込む中央凹所(24)が形成され、カバー体(3)には前記中央凹所(24)に嵌合する周壁中央部(38a)が形成され、該中央部(38a)の周壁(38)の高さはケースの厚みとされており、
前記カバー体(3)には前記周壁中央部(38a)の両側に周壁(38)が形成され、該周壁(38)には内側に突出するラベル係止爪(46)が設けられ、
前記保持板(2)には前記中央凹所(24)の両側に周壁(22)が形成され、該周壁(22)には、前記係止爪(46)を内側において迂回する段部(27)が形成されていることを特徴とする記録媒体用ディスクの収納ケース。」
(3)引用刊行物
刊行物1:特開平8-90610号公報(異議申立人門直輝の提出した甲第1号証)
刊行物2:実願昭60-168702号(実開昭62-78687号)のマイクロフィルム
刊行物3:登録実用新案第3011884号公報
(4)刊行物に記載された発明
刊行物1の「【実施例】以下、本発明の一実施例・・・が閉じた状態に保持される。」(【0011】〜【0014】)の記載によれば、刊行物1には、「本体側ケース部材31と蓋側ケース部材32とが、それぞれの一端側に設けられた支軸部38と軸受孔59とからなるヒンジ部を介して互いに揺動開閉自在に連結され、本体側ケース部材31には、その板面の略中央部に、CDの中央孔に着脱自在に嵌合するCD保持部46が設けられ、これら本体側ケース部材31と蓋側ケース部材32とによって、CDの両面を覆う収納状態とでき、前記本体側ケース部材31と蓋側ケース部材32とは、平らなほぼ正方形状に形成されており、本体側ケース部材31の左右両側縁部の中央部には、該本体側ケース部材31の内側へ入り込む切欠き部39が形成され、蓋側ケース部材32には前記切欠き部39に嵌合する凸部67が形成され、前記蓋側ケース部材32には前記凸部67の両側に側面部52が形成され、該側面部52には内側に突出するラベル押さえ部64、65が設けられ、前記本体側ケース部材31には前記切欠き部39の両側に側面部34が形成され、該側面部34には、前記ラベル押さえ部64、65を内側において迂回する凹部41、42が形成されているCD収納ケース」という発明が記載されているものと認められる。
刊行物2には、「記録媒体収納用ケース81において、カード係止用突起90の形成時に形成された孔92が外部に露出している」(第4頁第9-11行)ことが記載されている。
刊行物3には、「CD、FD等のディスク収納ケースにおいて、ケースの厚みが約6mm程度である」(【0003)ことが記載されている。
(5)対比・判断
本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)と上記刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明の「本体側ケース部材31」、「蓋側ケース部材32」、「支軸部38と軸受孔59とからなるヒンジ部(図番なし)」、「CD保持部46」、「切欠き部39」、「側面部52」、「ラベル押さえ部64、65」、「側面部34」、「凹部41、42」はそれぞれ本件発明の「保持板(2)」、「カバー体(3)」、「ヒンジ部(2a,3a)」、「保持部(5)」、「中央凹所(24)」、「周壁(38)」、「ラベル係止爪(46)」、「周壁(22)」、「段部(27)」に相当する。
そこで、本件発明と刊行物1に記載された発明とを比較すると、両者は
「保持板(2)とカバー体(3)とが、それぞれの一端側に設けられたヒンジ部(2a,3a)を介して互いに揺動開閉自在に連結され、保持板(2)には、その板面の略中央部に、記録媒体用ディスク(100)の中央孔(101)に嵌まる保持部(5)が設けられ、これら保持板(2)とカバー体(3)とによって、記録媒体用ディスク(100)の両面を覆う収納状態とでき、
前記保持板(2) は、ヒンジ部(2a)を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記カバー体(3) は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
保持板(2)の上下端縁部の中央部には、該保持板(2)の内側へ入り込む中央凹所(24)が形成され、カバー体(3)には前記中央凹所(24)に嵌合する周壁中央部(38a)が形成され、該中央部(38a)の周壁(38)の高さはケースの厚みとされており、
前記カバー体(3)には前記周壁中央部(38a)の両側に周壁(38)が形成され、該周壁(38)には内側に突出するラベル係止爪(46)が設けられ、
前記保持板(2)には前記中央凹所(24)の両側に周壁(22)が形成され、該周壁(22)には、前記係止爪(46)を内側において迂回する段部(27)が形成されていることを特徴とする記録媒体用ディスクの収納ケース。」
である点で一致するが、
本件発明においては、「収納状態において、カバー体(3) におけるヒンジ部結合側端縁部は、保持板(2) におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁(43)が設けられ、この周壁(43)は指掛け部(44)とされて」いるのに対し、刊行物1に記載された発明においては、この構成がない点、において、互いに相違する。
この点については、刊行物2、3を参酌しても、記載も示唆もない。
してみると、本件発明は刊行物1に記載された発明でないばかりか、刊行物1及び刊行物2、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、請求項2が削除され、本件明細書の記載が補正されたことにより、特許異議申立人のいうような記載不備は解消された。
そして、上記のとおり請求項2が削除された結果、元の請求項3は新たな請求項2となったが、この請求項2は、請求項1の従属項であって、請求項1に取消理由がなく、この請求項2においても依然として上記の相違点が存在し、他に取消理由がない以上、請求項2に係る特許を取り消すことはできない。
また、その他の異議申立理由によっては取り消すことはできない。
(6)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては本件請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
記録媒体用ディスクの収納ケース
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 保持板(2)とカバー体(3)とが、それぞれの一端側に設けられたヒンジ部(2a,3a)を介して互いに揺動開閉自在に連結され、保持板(2)には、その板面の略中央部に、記録媒体用ディスク(100)の中央孔(101)に嵌まる保持部(5)が設けられ、これら保持板(2)とカバー体(3)とによって、記録媒体用ディスク(100)の両面を覆う収納状態とでき、
前記保持板(2)は、ヒンジ部(2a)を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記カバー体(3)は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、
前記収納状態において、カバー体(3)におけるヒンジ結合側端縁部は、保持板(2)におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁(43)が設けられ、この周壁(43)は指掛け部(44)とされており、
保持板(2)の上下端縁部の中央部には、該保持板(2)の内側へ入り込む中央凹所(24)が形成され、カバー体(3)には前記中央凹所(24)に嵌合する周壁中央部(38a)が形成され、該中央部(38a)の周壁(38)の高さはケースの厚みとされており、
前記カバー体(3)には前記周壁中央部(38a)の両側に周壁(38)が形成され、該周壁(38)には内側に突出するラベル係止爪(46)が設けられ、
前記保持板(2)には前記中央凹所(24)の両側に周壁(22)が形成され、該周壁(22)には、前記係止爪(46)を内側において迂回する段部(27)が形成されていることを特徴とする記録媒体用ディスクの収納ケース。
【請求項2】 前記カバー体(3)には、前記係止爪(46)に連通する厚み方向に貫通した連通孔(47)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の記録媒体用ディスクの収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽、映像及びコンピュータ等に使用される光学的に読み取られるデジタル情報を記録した記録媒体用ディスクを収納するための収納ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVD、LD等をはじめとする記録媒体用ディスクの収納ケースに関する従来技術として、特公平6-51506号公報(USP4,874,085)に記載のものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のケースの構造では、ケースの厚みが厚くなるという欠点を有していた。
ケースの厚みが厚くなると、保管のためのスペースが大きくなり、また、展示販売等において陳列する枚数が少なくなるため、商品補充の回数が多くなる等の問題が生じる。
従って、この種のケースにおいては、その厚みを薄くすることが要望されていた。
【0004】
しかし、構造を従来のものと同じとしていたのでは、ケースの厚みを薄くすることができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の手段を講じた。
保持板とカバー体とが、それぞれの一端側に設けられたヒンジ部を介して互いに揺動開閉自在に連結され、保持板には、その板面の略中央部に、記録媒体用ディスクの中央孔に嵌まる保持部が設けられ、これら保持板とカバー体とによって、記録媒体用ディスクの両面を覆う収納状態とでき、前記保持板は、ヒンジ部を有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、前記カバー体は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されており、前記収納状態において、カバー体におけるヒンジ結合側端縁部は、保持板におけるヒンジ結合側端縁部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁が設けられ、この周壁は指掛け部とされており、保持板の上下端縁部の中央部には、該保持板の内側へ入り込む中央凹所が形成され、カバー体には前記中央凹所に嵌合する周壁中央部が形成され、該中央部の周壁の高さはケースの厚みとされており、前記カバー体には前記周壁中央部の両側に周壁が形成され、該周壁には内側に突出するラベル係止爪が設けられ、前記保持板には前記中央凹所の両側に周壁が形成され、該周壁には、前記係止爪を内側において迂回する段部が形成されている。
【0006】
前記カバー体には、前記係止爪に連通する厚み方向に貫通した連通孔が設けられているのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本発明に係る収納ケース1は、保持板2とカバー体3とが、それぞれの一端側に設けられたヒンジ部2a,3aを介して互いに揺動開閉自在に連結されたもので、これら保持板2とカバー体3とによって、記録媒体用ディスク100の両面を覆う収納状態とできるようになっている。これら保持板2やカバー体3は、それぞれ透明樹脂や不透明樹脂等により形成されている。
【0008】
保持板2には、その板面の略中央部に、ディスク100の中央孔101に嵌まる保持部5が設けられている。また保持板2には、前記保持部5を囲むリング形状となって隆起した中央載置部6と、更にこの中央載置部6の外側を囲むリング形状となって隆起した外周載置部7とが設けられている。
これら中央及び外周載置部6,7は、図3に示すように、ディスク100の記録面102側に対し、その記録領域(図示は省略するが、ディスク100の中心付近及び外周付近を除いたドーナツ状の領域となっている)を除く部分に当接可能となるものである。
【0009】
なお、各載置部6,7の隆起高さは、1mm以下でも十分である。本実施形態では0.7mm程度とした。
図3〜図6に示すように、前記保持部5は、前記保持板2の中央部に設けられた孔9の内周面から延出する基部10と、該基部10から周方向に延出する拡大部12と、該拡大部12の端部から径外方向に突出する突起13とを具備している。そして、前記突起13先端の包絡円の直径は、前記ディスク100の中央孔101の直径よりも大きくされ、前記拡大部12の外径は、前記ディスク100の中央孔101に嵌合し得る大きさとされている。
【0010】
即ち、突起13の位置が基部10の位置より周方向に変位して設けられている。
更に詳しく説明すれば、前記基部10は、前記保持板2の孔9の内周面から、径内方向で且つ軸方向上方に傾斜状に設けられ、かつ、周方向所定間隔を有して複数設けられている。前記拡大部12は、前記基部10の内端部から軸方向に立ち上がった立ち上がり部11を介して周方向一方に同心円上に延出している。そして、前記拡大部12の端部には、径内方向に延出する押動部14が設けられている。前記突起13は、前記拡大部12の端部の上端部に設けられている。
【0011】
前記保持板2の中央部に設けられた孔9は、前記中央載置部6の内周部に略一致している。
前記各押動部14は分断部15によって相互に分離されてり、独立操作可能とされている。
前記周方向に相隣接する基部10と基部10の間には、防塵片16が設けられている。即ち、この防塵片16は、前記孔9の内周面から、前記基部10の傾斜と同じ傾斜で一体突出成形されている。この防塵片16の周方向端部は、径方向切欠17を介して基部10と分離され、また防塵片16の径方向内端部は、周方向切欠18を介して前記拡大部12と分離されている。
【0012】
この防塵片16により、ゴミが保持部5内に進入するのが防止されている。また、万一進入したゴミは、中央載置部6によてディスク100の記録面102に達しないよう保護されている。
この実施例では、前記基部10は、周方向3等分位置に配置されている。従って、前記突起13や押動部14も、前記基部10とは周方向に位置ズレした位置の周方向3等分位置に配置されている。前記押動部14の軸方向(保持板の厚み方向)の移動量は約2mm程度と、非常に大きく移動可能とされている。そして、押動部14をこのように大きく押動操作しても、前記拡大部12や基部10は破損することなく、弾性変形可能とされている。
【0013】
この種のケースをハイインパクトPS樹脂の混ざっていない、透明なPS樹脂のみの構成とする場合、割れやすいというPS樹脂の特徴から、バネ性を持たせるのには限界があり、ワンタッチでCD・DVD等のディスクを取り出す機能等にバネ性を持たせるのに実用的にうまくいかなかったが、上記構成の収納ケースに示すような中央の保持部5の形状にすることによってそれを解決し、可能にしたのである。
即ち、前記基部10は、図6に示すように、径方向内方に行くに従い保持板2の板面よりも高くなる傾斜を有しており、この傾斜分が、撓み代となっている。
【0014】
従って、図9に示すように保持部5を押込み操作する場合、押動部14に押圧力が加えられることになり、立ち上がり部11の径方向内方へ向けた傾きや、拡大部12の撓み、及び基部10の撓み等が生じるようになる。その結果、保持部5の全体として、沈み込み作用と縮径作用とが生じるものである。
なお、これら沈み込み作用と縮径作用とは、弾性復元力に抗しつつ生じるため、押動部14の押込み操作をやめれば、保持部5は、自ずと、沈み込みを解消すべく盛り上がりを起こし、また縮径作用を解消すべく拡大化することになる。
【0015】
このような構造の拡大部12において延長先となる部分、即ち、押動部14の根元となる位置で、径方向外方へ向くようにして前記突起13が突設されている。
この突起13は、常態ではディスク100における中央孔101の開口縁部と干渉する、即ち、中央孔101の嵌め込み時に邪魔となるようになっている。
即ち、前記各突起13の先端の包絡円の直径は、前記ディスク100の中央孔101の直径よりも大きくされている。具体的には、ディスク100の中央孔101の直径15mmに対して、約0.2mm程度大きくされている。前記立ち上がり部11及び拡大部12の外径は、前記ディスク100の中央孔101に嵌合し得る大きさとされているが、この実施例では、ディスク100の中央孔101の直径よりも僅かに小さい径とされている。具体的には、約0.1mm程度小さくされている。
【0016】
そして、前記保持部5に前記ディスク100が嵌合した状態において前記突起13は前記ディスク100の上面側に位置し、前記押動部14を押圧したとき、前記突起13は、前記ディスク100の下面側に移動するよう、前記基部10と拡大部12及び立ち上がり部11が弾性変形可能に設けられている。
前記保持部5に前記ディスク100を嵌合するとき、及び、押動部14を押動操作して該ディスク100の嵌合を解除するとき、カチと音が発するよう、前記突起13の突出量を設定するのが好ましい。
【0017】
前記突起13の上面が前記保持部5の上面を形成し、前記ディスク100を保持部5に嵌合したとき該ディスク100上面と前記保持部5上面間の距離は、前記ディスク100の厚み以下とされている。具体的には、1.2mmのディスク100の厚みに対し、ディスク100上面と前記保持部5上面間の距離は約0.5mm程度とされている。即ち、突起13の厚みが約0.5mm程度とされている。
また、保持板2の裏面から保持部5の上面までの距離は4mm程度が好ましく、この実施例では約3.8mmとされている。
【0018】
前記突起13下面と前記中央載置部6上面との距離は、前記ディスク100の厚みと略同じか僅かに大きくされている。
図10〜図12に示すように、前記保持板2は、ヒンジ部2aを有するヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されている。
前記保持板2は、前記ディスク100に対面する上面と、該上面とは反対側の裏面とを有し、前記裏面は、前記保持部5の部分を除いて平坦面に形成されている。この裏面の外周縁部には、図13に示すように、僅かに突出した裏面リブ20が形成されている。また、保持板2の側面にも側面リブ21が形成されている。
【0019】
前記保持板2上面の周縁部には、所定厚みの周壁22が突出成形されている。また、前記保持板上面には、ディスク100の外周面を囲う部分に、所定厚みの円弧状壁23が突出形成されている。これらのリブ20,21、周壁22、及び、円弧状壁23は、保持板2の補強部材としての作用を発揮し、保持板2の厚みを薄くしている。
前記上下端縁部の周壁22は、中央部で所定距離だけ分断され、該分断された周壁22の端部は前記円弧状壁23に連続している。前記周壁22が分断された位置の保持板2には、中央凹所24が形成されている。この中央凹所24は、ディスク100を取り出すときの逃げ部とされている。
【0020】
また、自由端縁部側の保持板2の上下端縁部に、端部凹所25が形成されている。
前記保持板2の上下端縁部の前記周壁22は、該上下端縁より少し内側に入り込む第1段部26と更に内側に入り込む第2段部27とを有する屈曲部に形成されている。前記第1段部26に係合凹部28が形成されている。
図14〜16に示すように、前記保持板2には、前記係合凹部28に連通する厚み方向に貫通した連通孔29が設けられている。このような連通孔29を保持板2に設けることにより、保持板成形用金型を上下2分割の型とすることができる。
【0021】
従来は、このような連通孔29を有しないため、保持板成形用金型は、上下及び左右にも分割した四分割型とされていたが、連通孔29を設けることにより、二分割型とすることができる。
更に、前記保持板2の前記自由端縁部の周壁22の中央部は内側に凹んでおり、この凹部が、開閉操作時の指係止部30とされている。
そして、前記ヒンジ部2aは、ヒンジ結合側端縁部の上下端部から突出成形されたヒンジ片と、該ヒンジ片の対向内面に突出成形されたヒンジ軸31とから構成されている。前記ヒンジ片は肉厚に形成され、強度の向上が図られている。
【0022】
図17〜19に前記カバー体3の詳細が示されている。前記カバー体3は、その一端部においてヒンジ結合されるヒンジ結合側端縁部と、該ヒンジ結合側端縁部とは反対側の自由端縁部と、これら両端縁部を介して対向する上下端縁部とを有する矩形状に形成されている。
カバー体3のヒンジ結合端縁部の上下端縁部は、前記保持板2のヒンジ部2aを受け入れる凹部が形成され、該凹部にカバー体3のヒンジ部3aが形成されている。
【0023】
図20、図21に示すように、カバー体3のヒンジ部3aは、軸受部に形成され、該軸受部は、前記保持板2のヒンジ部2aのヒンジ軸31を係脱自在に係合して、かつ、回動自在に枢支するものである。
前記軸受部は、前記ヒンジ軸31の先端部を回動自在に枢支する孔35を有すると共に、前記ヒンジ軸31の基端部の半円周部を支持し、残り半円周部を開放する切欠部36が設けられている。前記孔35は、カバー体2の表面側にも開口している。
前記カバー体3の自由端縁部の上下方向中央部に、凹部37が設けられている。この凹部37は、前記保持板2の指係止部30に対応している。
【0024】
一方、前記カバー体3の上下端縁部には、ケースの厚み方向に立ち上がる周壁38が設けられている。
図18に示す如く、前記周壁38の高さは、中央部38aと自由端縁部側38bが高く形成されている。即ち、前記中央部38aと自由端縁部側38bは、前記保持板2の中央凹所24及び端部凹所25に嵌合するものであり、この部分の周壁38の高さは、収納ケース1の厚みとされている。そして、自由端縁部側38bの周壁外面にはローレット39が形成され、カバー体3の開閉操作時の滑り止めがなされている。
【0025】
前記周壁38には、係合突部40が突設されている。さらにこの係合突部40に隣接して前記係合突部40よりも突出量の少ない位置決め突部41が前記周壁38に設けられている。この係合突部40は、カバー体3を閉じたとき、前記保持板2に設けられた係合凹部28に係脱自在に係合するものであり、位置決め突部41は、保持板2の周壁22内面に当接するものである。
図22〜図24に前記係合突部40と位置決め突部41の詳細が示されている。即ち、前記カバー体3には、前記係合突部40に連通する、厚み方向に貫通した連通孔42が設けられている。この連通孔42は、カバー体3を閉じたとき、前記保持板2の周壁22の第1段部26の上面によって閉じられる位置に設けられている。従って、この連通孔42からゴミがケース内部に進入することが防止されている。
【0026】
図25、26に示すように、前記カバー体3は、前記保持板2を完全に覆うべく、保持板2よりも大きく形成されている。即ち、カバー体3におけるヒンジ部3a寄りの端部は、保持板2におけるヒンジ部2a寄りの端部よりも外方へ突出するようになっており、この突出部分に周壁43が設けられている。
この周壁43は、この収納ケース1をケースラック(図示略)等へ収納した場合にあって、個別に引き出すときの指掛け部44として便利に活用できるものとなっている。また、この周壁43には、その内側又は外側にラベルシール(図示略)等を貼り付けるようにして、インデックスとして使用することもできる。
【0027】
前記保持板2とカバー体3とを、互いのヒンジ部2a,3aで揺動させて閉じた状態にしたとき、該カバー体3の内面と前記保持板2の保持部5の上面とは、当接するか、又は、前記ディスク100の厚み以下の間隙が形成されている。そして、前記保持板2とカバー体3とを閉じた状態におけるケース1の厚みは、6mm以下であることが好ましい。
即ち、上記のように、本実施形態において収納ケース1は、保持板2とカバー体3との2枚構成になっていることと、保持部5の形状を図4に示す形状としたこととがあいまって、全体厚を極めて薄く形成できるものとなっている。すなわち、従来のこの種、収納ケースの多くでは、一対のカバー体と、その中に入れる保持板とを有した3枚構成であったため、その全体厚は、10.4mm前後となっていたが、本実施形態の場合は、その半分の5.2mm程度に抑えることに成功している。また、現在公知の2枚構成のCD・DVD等のケ-スも存在するが、現状では上記構成の収納ケ-ス1に示す様な中央の保持部5の形状を持つものは存在しないことから、従来の約半分である5.2mm程度の厚みのこの種のケ-スは存在しない。それゆえ、この種のケ-スの50%のスリム化というのは上記構成の収納ケ-ス1により、実用的な形で実施することが可能になったのである。尚、実用的には、6mm以下であれば、薄型ケースとして充分な効果を奏する。本発明によれば、ケース1の厚みを5mm以下にすることもできる。
【0028】
前記保持板2とカバー体3とには、前記カバー体3を180°開いた状態において、互いに当接して当該開き状態を維持する当接部45(図1参照)が設けられ、前記当接部45は、前記開き状態から更に開き方向の力を作用させたとき、前記保持板2とカバー体3の相対回動が可能となる形状に形成されている。
具体的には、この当接部45は、カバー体3のヒンジ結合側端縁部と保持板3のヒンジ結合側端縁部の側面リブ21とで構成され、両端縁部が互いに当接可能とされている。
【0029】
前記カバー体3の上下端縁部に設けられた前記周壁38には、内側に突出するラベル係止爪46が設けられている。この係止爪46にラベルや歌詞カードが係止される。
図27に示すように、前記カバー体3には、前記係止爪46に連通する厚み方向に貫通した連通孔47が設けられている。
前記係止爪47は、前記保持板2の周壁22の第2段部27に対応した位置に設けられている。然して、前記連通孔47から進入するゴミは周壁22によってその進入が防止されている。
【0030】
このような構成の収納ケース1において、その使用状況を説明する。
まず、記録媒体用ディスク100を収納するには、カバー体3を開く、そして、図8に示すように、保持部5の突起13の上面にディスク100を乗せ、その中央孔101を位置合わせする。このとき、拡大部12の外周部に設けられた各突起13が邪魔となるため、そのままではディスク100が保持部5に嵌まり込むことはない。
しかし、ディスク100を軽く押え付けるだけで、図7に示すように、ディスク100の中央孔101の内面で突起13が径方向内方へ押し込められるようになる。そして、中央孔101は突起13を通過して、図5及び図6に示すように、立ち上がり部11及び拡大部12に対してディスク100が確実に嵌まり込むようになる。この嵌まり込みのとき、カチと音が発するので、嵌合状態を確認できる。
【0031】
この嵌合状態でディスク100に抜け出し方向の力が作用した場合、ディスク100の上面が突起13に当接し、拡大部12の径を広げるように作用するので、ディスク100は不慮に脱落することはない。
そして、カバー体3を閉じる。このとき、係合凹部28と突部40とが係合し、閉じ状態を維持する。また、カバー体3を閉じたとき、ディスク100の上面とカバー体3の内面との間に、ディスク100の厚み以下の間隙しかないので、ケース1内でディスク100が保持部5から不慮に脱落する恐れはない。
【0032】
ディスク100を収納した当該ケース1は、収納ラック等に収納される。
収納ラックから当該ケース1と取り出すとき、図25、26に示すように、指掛け部44に指を掛けてケース1を引き出すことにより、ケース1の取出が容易になる。
一方、当該ケース1からディスク100を取り出すには、カバー体3を開く。この開き操作に際して、図26に示す如く、指係止部30に指を掛け、更にローレット39を握ってカバー体3を開けば、開き操作が容易になる。
【0033】
このとき、カバー体3の周壁38に設けられた位置決め突部41により、前記係合凹部28と突部40との係合が、左右均一となっているので、開き操作が容易となる。
そして、カバー体3を180°開けば、カバー体3と保持板2とは、当接部45により当接して180°の開き状態を維持する。この時、不慮の開き方向の外力が作用しても、当該当接部45はその当接状態を乗り越えて、カバー体3と保持板2との相対回動を許容するので、ヒンジ部2a,3aの破損が生じない。
【0034】
次に、カバー体3を開いたのち、図9に示すように保持部5の押動部14を押込み操作する。すると、図5に二点鎖線で示すように、突起13には、ディスク100の中央孔101の内面に当接することによる反力が作用し、この反力によって拡大部12が径方向内方への縮径作用を生じることになる。従って、保持部5はその全体として縮径した状態となり、突起13は、ディスク100における中央孔101の下側へと移動する。この時、カチと音が発するので、嵌合解除が確認できる。
突起13がディスク100の中央孔101の下側へ移動した後、前記押動部14の押動操作をやめれば、図8に示したように、拡大部12の径が拡大して突起13の上面にディスク100が支持され、拡大部12及び基部10の上方への復元動作により、ディスク100は、突起13によって持ち上げられるものである。
【0035】
そこで、このディスク100を把持して取り出せばよいものである。即ち、押動部14のワンタッチ押し込み操作のみでディスク100の取り出しができる。
従来は、前記ディスク100の取り出しは、ケースを机の上において中央保持機構を押動操作しても、中央保持機構の弾性変形代が小さかったため、簡単には取り出せなかった。従って、従来は、ケースを宙に浮かせた状態で中央保持機構を押動操作して大きく変形させて取り出していた。
しかし、本発明では、保持板2を平らな机の上面に置いた状態において、押動部14を押動操作しても、基部10や拡大部12の弾性変形代が大きいため、突起13の移動量が大きくなるため、極めて簡単に取り出せる。
【0036】
図28に示すものでは、保持板2は、互いに揺動開閉自在に連結された一対のカバー体50,51とは別体として形成され、いずれか一方のカバー体50の内面側へ中敷き状に装填する構造とされている。この保持板2の保持部5の構造は、前記第1実施形態と同じである。
図29〜図38に示すものは、保持部5の各種変形例であり、前記実施形態の保持部5として置換可能なものである。
即ち、図29に示すものは、突起13等が二個のものであり、保持板2の孔9の内周面に周方向二等分位置に基部10が設けられ、該基部10の内端に立ち上がり部13を介して半円弧状の拡大部12が延設され、該拡大部13の端部の外周部に突起13が設けられると共に、内周部に押動部15が突設されている。
【0037】
前記二つの突起13は、立ち上がり部13に近接している。この実施例では防塵片は設けられていない。
図30に示すものは、保持板2の孔9に防塵片16が設けられたものであり、その他は前記図29のものと同じである。
図31に示すものは、前記拡大部12の周方向延出長さが、前記図30のものに比べ約半分と短くされたものである。図32に示すものは、防塵片16を大きくして孔9の空間を可能な限り小さくしたのものであり、その他は図31と同じである。
【0038】
図33に示すものは、突起13等の数を四つとしたものであり、この場合、防塵片は設けられていない。図34に示すものは、防塵片16を設けたものであり、その他は図33と同じである。
図35に示すものは、突起13等の数を五つとしたものであり、この場合、防塵片は設けられていない。図36に示すものは、防塵片16を設けたものであり、その他は図35と同じである。
図37に示すものは、突起13等の数を六つとしたものであり、この場合、防塵片は設けられていない。図38に示すものは、防塵片16を設けたものであり、その他は図37と同じである。
【0039】
本発明の記録媒体用ディスクの収納ケースは、コンピュータ関連、ゲームソフト関連、音楽関連、映画ビデオ関連等のCDを収納するケースとして最適である。
尚、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。例えば、保持板2に設ける載置台6,7は、いずれか一方だけとしてもよい。また、その形状は、リング形状にすることが限定されるものではなく、多角形状としてもよいし、またディスク100の周方向に沿って点在させた小ブロック状のものとして設けてもよい。
【0040】
ディスク100は、円盤状のものに限定されるものではなく、多角形状その他のものでもよい。
保持板2の周壁22に設けた係合凹部28と、カバー体3の周壁38に設けた突部40は、これとは逆に、カバー体3の周壁38に係合凹部28を設け、保持板2の周壁22に突部40を設けてもよい。また、ヒンジ部2aのヒンジ軸31を保持板2に設け、その軸受をカバー体3に設けたが、カバー体3にヒンジ軸31を設け、保持板に軸受部を設けてもよい。
【0041】
また、保持部5の基部10、拡大部12、押動部14の形状は、前記実施例のものに限定されず、渦巻きや螺旋に沿ったような形状であってもよい。
本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定的なものでない。発明の範囲は「請求の範囲」によって示されており、それらの請求の範囲の意味の中に入る全ての変形例及び均等物は本願発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る収納ケースの第1実施形態を示し、該収納ケースを展開状態にして示した正面図である。
【図2】
前記第1実施形態を概略的に示した斜視図である。
【図3】
図1のA線断面図である。
【図4】
保持板の保持部を拡大して示す正面図である。
【図5】
図4のB-B線拡大断面図である。
【図6】
図4のC-C線拡大断面図である。
【図7】
記録媒体用ディスクを保持部に嵌め込む状況を説明したものである。
【図8】
記録媒体用ディスクを保持部へ嵌め込む前の段階と取り出した後の段階とを説明したものである。
【図9】
記録媒体用ディスクを取り出す際の保持部への押込み操作状況を示した断面図である。
【図10】
保持板の平面図である。
【図11】
保持板の側面図である。
【図12】
保持板の底面図である。
【図13】
図12のD-D断面図である。
【図14】
係合凹部の詳細を示す部分拡大図である。
【図15】
図14のE-E線断面図である。
【図16】
図14のF-F線断面図である。
【図17】
カバー体の内面側を示す平面図である。
【図18】
カバー体の側面図である。
【図19】
カバー体の表面図である。
【図20】
カバー体のヒンジ部を示す部分拡大図である。
【図21】
図17のG-G線断面図である。
【図22】
係合突部の詳細を示す部分拡大図である。
【図23】
図22のI-I断面図である。
【図24】
図22のH-H断面図である。
【図25】
保持板とカバー体とを閉じた状態にしたヒンジ部まわりを示した断面図である。
【図26】
保持板とカバー体とを閉じた状態にした断面図である。
【図27】
ラベル係止爪の部分を示す断面図である。
【図28】
収納ケースの第2実施形態を概略的に示した斜視図である。
【図29】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図30】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図31】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図32】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図33】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図34】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図35】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図36】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図37】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【図38】
保持部の変形例の一つを示す平面図である。
【符号の説明】
2 保持板
3 カバー体
5 保持部
21 側面リブ
45 当接部
100 ディスク
101 中央孔
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-02-24 
出願番号 特願2000-272058(P2000-272058)
審決分類 P 1 651・ 121- YA (B65D)
P 1 651・ 113- YA (B65D)
P 1 651・ 537- YA (B65D)
最終処分 維持  
特許庁審判長 松縄 正登
特許庁審判官 山崎 豊
山崎 勝司
登録日 2002-09-13 
登録番号 特許第3349138号(P3349138)
権利者 明晃化成工業株式会社
発明の名称 記録媒体用ディスクの収納ケース  
代理人 安田 敏雄  
代理人 安田 敏雄  
代理人 野口 繁雄  

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