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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08L
管理番号 1099748
異議申立番号 異議2002-70415  
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-09-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-02-19 
確定日 2004-06-18 
異議申立件数
事件の表示 特許第3201206号「ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその成形品」の請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3201206号の請求項1ないし7に係る特許を取り消す。 
理由 [1]手続の経緯
本件特許第3201206号の発明は、平成7年3月1日に特許出願され、平成13年6月22日にその特許の設定登録がなされたものであり、その後請求項1〜4に係る特許に対し東レ株式会社より、請求項1〜7に係る特許に対し紀 啓之より特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年8月8日付けで特許異議意見書と訂正請求書が提出され、訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内である平成15年7月1日付けで意見書が提出されたものである。
[2]訂正の適否
[訂正の内容]
訂正事項a:
特許請求の範囲の請求項1の
「下記(A)成分100重量部及び下記(B)成分1〜30重量部含有することを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物。
(A):軟質成分粒子の含有量が10〜40重量%であり、該粒子の平均粒子径が0.1〜1.2μmであるゴム変性スチレン系樹脂
(B):平均粒子径が0.1〜5μmであり、ガラス転移温度が-130〜90℃に存在しない微粒子」を
「下記(A)成分100重量部及び下記(B)成分1〜30重量部含有することを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物。
(A):軟質成分粒子の含有量が10〜40重量%であり、該粒子の平均粒子径が0.1〜1.2μmであるゴム変性スチレン系樹脂であって、スチレン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂、又は、スチレン系単量体とメタクリル酸、メチルメタクリレート、さらには無水マレイン酸を共重合して得られた共重合体である。
(B):平均粒子径が0.1〜5μmであり、ガラス転移温度が-130〜90℃に存在しない微粒子」と訂正する。
(以下の訂正事項は省略する。)
[訂正の適否]
上記訂正事項aは、本件特許請求の範囲の請求項1において、訂正前「・・・(A):軟質成分粒子の含有量が・・・であるゴム変性スチレン系樹脂」を「・・・(A):軟質成分粒子の含有量が・・・であるゴム変性スチレン系樹脂であって、スチレン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂、又は、スチレン系単量体とメタクリル酸、メチルメタクリレート、さらには無水マレイン酸を共重合して得られた共重合体である」と訂正しようとするものである。
ところで、本件訂正前の特許明細書において、「ゴム変性スチレン系樹脂」について記載されている箇所は次のとおりである。
「ゴム変性スチレン系樹脂」(請求項1、請求項5)
「・・本発明で用いる(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体又は、スチレン系単量体及びスチレン系単量体と共重合可能な化合物を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂である。」(段落【0007】)
「本発明で用いる(A)ゴム変性スチレン系樹脂としては、例えばスチレン樹脂、αーメチルスチレン樹脂などの・・・核置換アルキルスチレン樹脂などが挙げられる。また、スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体と共重合可能な化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチルメタクリレートなどのビニルモノマー、さらには無水マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどを共重合して得られた共重合体を用いてよい。」(段落【0008】)
「実施例1〜11及び比較例1〜7 ・・・。なお、用いた(A)ゴム変性スチレン系樹脂は、塊状重合法により製造したゴム変性スチレン系樹脂を用いた。」(段落【0032】)
また、軟質成分粒子の平均粒子径、重量%、モルホロジーの異なる4種類の(A)成分、A1、A2、A3,A4が実施例に記載されている。(段落【0037】の表4)
これらの記載事項には、ゴム変性スチレン系樹脂として、スチレン系単量体とメタクリル酸、メチルメタクリレート、さらには無水マレイン酸を共重合体して得られた特定の4元共重合体に関しての直接的・一義的記載はなく、これがゴム変性スチレン系樹脂として本件訂正前の明細書の記載から自明なものであるとする記載も根拠もない。
したがって、本件訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正とはいえないものである。
したがって、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号。以下「平成六年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成六年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書の規定に適合しない。
よって、本件訂正は認められない。
尚、特許権者は、訂正拒絶理由通知に対する平成15年7月1日付けの意見書において、再訂正案を示しているが、この案でも、スチレン系単量体を必須成分としていない場合がある等、依然として願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正とはいえないものであることから、この主張は採用しないこととして決定した。
[3]本件発明
特許請求の範囲の請求項1〜7に係る発明(以下、「本件発明1〜7」という。)は、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】下記(A)成分100重量部及び下記(B)成分1〜30重量部含有することを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物。
(A):軟質成分粒子の含有量が10〜40重量%であり、該粒子の平均粒子径が0.1〜1.2μmであるゴム変性スチレン系樹脂
(B):平均粒子径が0.1〜5μmであり、ガラス転移温度が-130〜90℃に存在しない微粒子
【請求項2】 (B)成分が、平均粒子径が0.1〜5μmである、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸、アルミナ、タルク、ポリスチレン架橋ビーズ、ジビ二ルベンゼン架橋ビーズ、ポリメチルメタクリレート架橋ビーズ又はスチレン-メチルメタクリレート共重合体架橋ビーズである請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【請求項3】 (A)成分の軟質成分粒子の含有量が18〜40重量%であり、該粒子の平均粒子径が0.1〜0.3μmであり、(B)成分の平均粒子径が0.1〜3μmである請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【請求項4】 (B)成分が、平均粒子径が0.1〜3μmである、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸、アルミナ、タルク,ポリスチレン架橋ビーズ、ジビ二ルベンゼン架橋ビーズ、ポリメチルメタクリレート架橋ビーズ又はスチレン-メチルメタクリレート共重合体架橋ビーズである請求項3記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【請求項5】 (A)成分100重量部に対して、有機ポリシロキサン0.5重量部以下を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた成型品。
【請求項7】 成形品が、射出成形品、押出成形品または発泡成形品である請求項6記載の成形品。」
[4]取消理由4の概要
本件請求項1〜7に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記刊行物6〜9に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

刊行物6:特開平4-126771号公報(特許異議申立人、紀 啓之の甲第1号証)
刊行物7:特開平3-124757号公報(特許異議申立人、紀 啓之の甲第2号証)
刊行物8:特開平4-277549号公報(特許異議申立人、紀 啓之の甲第3号証)
刊行物9:特開昭53-49052号公報(特許異議申立人、紀 啓之の甲第4号証)
参考資料1:JSR HANDBOOK、日本合成ゴム株式会社、1988年3月、第138〜139頁(特許異議申立人、紀 啓之の参考資料1)
参考資料2:12394の化学商品、化学工業日報社、1994年1月26日、第809〜810頁(特許異議申立人、紀 啓之の参考資料2)
[5]引用刊行物記載の事項
刊行物6:
「熱可塑性樹脂30〜99重量%および架橋中空ポリマー粒子1〜70重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。」(特許請求の範囲)。
「本発明の熱可塑性樹脂は、・・・。本発明において有用なゴム強化スチレン系樹脂としては、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂」(3頁左下欄15行〜右下欄18行)。
実施例には、熱可塑性樹脂の例として、ABS樹脂「T-1(ポリブタジエンゴム含有量が20%、スチレン単量体単位としての含有量が60%、アクリロニトリル単量体単位としての含有量が20%であり、かつグラフト率が35%のABS樹脂)」を用いることが開示されている(6頁下左欄1〜5行)。
「本発明の架橋中空ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120〜200℃である。・・・。本発明の架橋中空ポリマー粒子の平均外径は、・・・、特に好ましくは0.1〜1μである。この範囲の粒子を用いると、機械的強度が一段と優れるので好ましい。」(3頁左下欄1〜10行)
実施例には、架橋中空ポリマー粒子の具体例として、下記の架橋中空ポリマー粒子AおよびBが開示されている(6頁上左欄1行〜上右欄下から6行)。
<架橋中空ポリマー粒子A>
メチルメタクリレート30部、ジビニルベンゼン50部、α-メチルスチレン20部をシード重合した架橋中空ポリマー粒子(外径0.44μm、内径0.3μm、Tg150℃以上)
<架橋中空ポリマー粒子B>
メチルメタクリレート50部、ジビニルベンゼン30部、α-メチルスチレン20部をシード重合した架橋中空ポリマー粒子(外径0.72μm、内径0.48μm、Tg150℃以上)
実施例では、例えば、実施例1及び6の場合、ゴム強化樹脂(T-1:ABS樹脂)が80重量%、上記架橋中空ポリマー粒子A又はBが20重量%
(即ち、ゴム強化樹脂100重量部当たり上記架橋中空ポリマー粒子A又はBが25重量部)用いられている。同様に、実施例7の場合、ゴム強化樹脂(T-1:ABS樹脂)が90重量%、上記架橋中空ポリマー粒子Aが10重量%(即ち、ゴム強化樹脂100重量部当たり上記架橋中空ポリマー粒子Aが11重量部)用いられている。(甲第1号証、7頁表-1)。
「既知の滑剤、例えばシリコーンオイルを・・・添加することができる。」(5頁左下欄17〜右下欄14行)
実施例1〜8に「押出成形した」との記載があり(甲第1号証、6頁下右欄1行)、甲第1号証の熱可塑性樹脂組成物は、少なくとも押出成形品に用いられることが開示されている。
刊行物7:
「重量平均粒子径0.05〜0.13μmであるブタジエン系ゴム質重合体40〜75重量%の存在下に、芳香族ビニル80〜65重量%およびシアン化ビニル20〜35重量%からなる単量体混合物60〜25重量%をグラフト重合してなるグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル66〜50重量%およびシアン化ビニル34〜50重量%からなる共重合体(B)からなる組成物であり、・・・熱可塑性樹脂組成物。」(特許請求の範囲)
「射出成形等により成形品に加工することができる。」(4頁左下欄1〜2行)。
刊行物8:
「ゴム状弾性体を分散粒子として含有するゴム変性スチレン系樹脂に於いて・・・であり、(イ)分散相の分散粒子径が0.1〜1.2μm、ゴム状弾性体の含有量が1〜20重量%であり、(ウ)ゴム変性スチレン系樹脂100重量部当たり0.002〜3重量部の有機ポリシロキサンを含有することを特徴とする・・・ゴム変性スチレン系樹脂」(特許請求の範囲、請求項1)
「本発明で使用する有機ポリシロキサンは・・・。例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン・・・が使用できる。」(段落【0046】〜【0048】)。
「有機ポリシロキサンの含有量はゴム変性スチレン系樹脂100重量部当たり、0.002〜0.3重量部、より好ましくは0.005〜0.2重量部である。0.002重量部未満の場合は強度補強効果が発現せず、0.3重量部を越える場合は強度補強効果が小さくなり、透明性も低下し、剛性も低下するので好ましくない。」(段落【0049】)
一般衝撃強度を測定するためのサンプルを「射出成形する」記載がある。(段落【0068】)
「【発明の効果】・・・スチレン系樹脂を成形した発泡体は、加熱二次発泡成形性に優れ、発泡成形品の強度に優れたスチレン系樹脂発泡体を与える。」(段落【0122】)
[6]対比・判断
本件発明1と刊行物6に記載された発明とを対比・検討する。
刊行物6には、熱可塑性樹脂30〜99重量%および架橋中空ポリマー粒子1〜70重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の発明が記載されている。
そして、熱可塑性樹脂としては、ゴム強化スチレン系樹脂であるハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂が用いられ、これは、本件発明1の(A)ゴム変性スチレン系樹脂に相当する。
また、架橋中空ポリマー粒子は、その平均外径(平均粒径に該当)の特に好ましい範囲が0.1〜1μで、ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以上と記載され、具体的実施例もその範囲のものであり、本件発明1の(B)平均粒子径が0.1〜5μmであり、ガラス転移温度が-130〜90℃に存在しない微粒子に一致する。
そこで、本件発明1と刊行物6に記載された発明とを比較、検討すると、(A):ゴム変性スチレン系樹脂と(B):平均粒子径が0.1〜5μmであり、ガラス転移温度が-130〜90℃に存在しない微粒子とゴム変性スチレン系樹脂組成物で、その配合割合が重複・一致する点で一致し、本件発明1は、(A):ゴム変性スチレン系樹脂として、軟質成分粒子の含有量が10〜40重量%であり、該粒子の平均粒子径が0.1〜1.2μmであるものに限定しているのに対し、刊行物6に記載された発明では、これらの限定についての記載がない点で相違するものと認める。
そこで、この相違点について検討する。
刊行物6では、その実施例に、熱可塑性樹脂の例として、ABS樹脂「T-1(ポリブタジエンゴム含有量が20%、スチレン単量体単位としての含有量が60%、アクリロニトリル単量体単位としての含有量が20%であり、かつグラフト率が35%のABS樹脂)」を用いることが開示されている。
これは、ポリブタジエンゴム含有量が、概ね軟質成分粒子に相当すると推定できるので、その量が20%というのは、本件発明1の軟質成分粒子の含有量が10〜40重量%に該当するといえるし、格別の相違点とはいえない。
また、該粒子の平均粒子径が0.1〜1.2μmであるものに限定している点でも、本件発明1と同様の樹脂において、そのような平均粒子径のものであることは、刊行物7、刊行物8に記載されているように、通常のものであることから、このような限定をすることに格別の困難性があるとはいえない。
そして、本件特許明細書における効果である「面衝撃強度と剛性に優れた成型品」は、成型品に通常必要な物性であり、刊行物6〜8も衝撃強度や機械的強度の良好な成形品に関するものであることを勘案すると、本件発明1は、刊行物6〜8に記載された発明に比べ格別顕著な効果を奏するものとはいえない。
したがって、本件発明1は、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明2は、本件発明1の組成式(1)の(B)成分をさらに具体的なものに限定したゴム変性スチレン系樹脂組成物の発明であるが、この具体的なものは、刊行物6の架橋中空ポリマー粒子として例示されている、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、スチレンーメタクリレートからの架橋中空ポリマー粒子(2頁左下欄の末行、同頁左下欄11,12行、3頁左上欄5行、実施例参照)と一致しているから、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明3は、本件発明1の(A)成分の軟質成分粒子の含有量と平均粒子径及び(B)成分の平均粒子径を限定したゴム変性スチレン系樹脂組成物の発明であるが、それらは本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載されたものから容易になしえたものであり、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明4は、本件発明1の(B)成分の平均粒子径を限定した具体的なものにしたゴム変性スチレン系樹脂組成物の発明であるが、それは刊行物6に記載されており、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明5は、本件発明1の(A)成分に対して、特定量以下の有機ポリシロキサンを含有するゴム変性スチレン系樹脂組成物の発明であるが、刊行物6には滑剤として、シリコーンオイルを添加することができるとの記載があり、これは、滑剤として通常の量の有機ポリシロキサンの添加・含有に相当するものであるから、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明6は、本件発明1〜5のゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた成型品の発明であるが、成型品は刊行物6〜8に記載されており、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
本件発明7は、本件発明6の成型品が、射出成形品、押出成形品または発泡成形品の発明であるが、押出成型品は刊行物6に、射出成型品は刊行物7に、射出成形品、発泡成形品は刊行物8に記載されており、本件発明1と同様の理由により、刊行物6〜8に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものといえる。
[7]むすび
以上のとおりであるから、本件発明1〜7は、特許法第29条第2項の違反により特許を受けることができない。
したがって、本件発明1〜7についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2004-04-27 
出願番号 特願平7-41892
審決分類 P 1 651・ 121- ZB (C08L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 佐藤 邦彦  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 船岡 嘉彦
石井 あき子
登録日 2001-06-22 
登録番号 特許第3201206号(P3201206)
権利者 住友化学工業株式会社
発明の名称 ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその成形品  
代理人 榎本 雅之  
代理人 神野 直美  
代理人 中山 亨  
代理人 久保山 隆  

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