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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H04B
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H04B
管理番号 1100284
審判番号 訂正2004-39065  
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1992-11-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-04-02 
確定日 2004-05-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2610545号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2610545号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第2610545号発明(平成2年12月18日特許出願、平成9年2月13日設定登録)の明細書及び図面を次のとおりに訂正しようとするものである。
(A)【請求項1】中に、
「・・・データを格納するデータメモリー手段と、
スイッチ操作によってデータ用のメモリーのバンクを選択できるスイッチ操作手段と・・・」
とあるのを、
「・・・データを格納するデータメモリー手段と、
バンクへの格納を受けて、受信したことを知らせる受信メッセージを流す手段と、
スイッチ操作によってデータ用のメモリーのバンクを選択できるスイッチ操作手段・・・」
と訂正する。(下線部は訂正箇所を示す。)
(B)【請求項1】中に、
「・・・スイッチ操作手段によって前記表示手段に表示された通話者に対応する受信メッセージを音声に変換して出力する音声手段と、」
とあるのを
「・・・スイッチ操作手段によって前記表示手段に表示された通話者に対応する音声メッセージを音声に変換して出力する音声手段と、」
と訂正する。(下線部は訂正箇所を示す。)
2.当審の判断
上記訂正について検討するに、訂正事項(A)は特許請求の範囲の減縮に該当し、訂正事項(B)は、不明瞭な記載の釈明に該当する。
また、上記訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。
そして、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする証拠も見あたらない。
3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号ないし3号に掲げる事項を目的とし、同条第2項ないし第4項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ボイスページャー
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 データが少なくとも音声情報と、その発信者(電話をかける者)のIDや電話番号と、からなるデータがA/D変換器によりディジタル化され、ディジタル信号として無線で送出される電波を受信する受信手段と、
受信手段によって受信したディジタル信号を1人の発信者に対して1バンクとして割当てられた複数のバンクにデータを格納するデータメモリー手段と、
バンクへの格納を受けて、受信したことを知らせる受信メッセージを流す手段と、
スイッチ操作によってデータ用のメモリーのバンクを選択できるスイッチ操作手段と、
スイッチ操作によって選択される通信者のIDや電話番号を表示させる表示手段と、
スイッチ操作手段によって前記表示手段に表示された通話者に対応する音声メッセージを音声に変換して出力する音声手段と、
を備えたことを特徴とするボイスページャー。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話回線網を使用して外出者に多量の情報を送出することのできるボイスページャーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポケットベルで呼び出しをうけると、ポケットベルの呼び出しを行った相手を知っているときに限り、近くの電話機から記憶している相手の電話番号に電話をするのであった。
【0003】
最近では、ビジネスの複雑化から複数の呼出番号を備え、呼出者の番号に対応する鳴音パターンまたは表示ランプを定めておき、誰が呼んだかを識別して呼んだ相手のところに電話するマルチコール機能を持つものがある。
【0004】
しかし、複数の相手の電話番号を記憶しているのは煩雑であり、間違った、相手の電話番号にかけてしまう等の誤りを誘発する。
【0005】
このため、例えば、特開昭62-68332号公報に開示されるように、レジスタ内に予め複数の電話番号を記憶させておき、呼出番号がレジスタと一致すれば、呼び出し音とともに対応する電話番号がポケットベルに自動的に表示されるもの、また、パルス方式により符号化した信号を無線に乗せて送信し、ポケットベルに呼び出し音とともに電話番号が表示されるものがある。
【0006】
しかし、電話番号でどのような要件であるかを確認できない時は、その要件の重要度がわからず、マルチコールの場合は、より煩雑となる。
【0007】
また、相手に電話までかけて聞く情報ではなく、一方的に呼出者から伝える内容のものも多い。
【0008】
そこで、実開平2-55745号公報のように音声等を高能率符号化された音声信号として無線で送信し、そのデータを受信し、表示部に受信したデータを表示し、RAMに蓄積した後に直にD/A変換してスピーカから音声が拡声されるものも存在する。しかし、この従来技術では複数の受信ができないばかりか、即座に音声が流れ、後で再生して音声メッセージを聞くことができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、既存の送信情報である電話番号等に加え、発信者の音声メッセージを適時聞くことのできるボイスページャーであり、特に肉声を送る発信者のIDを確認してからその音声メッセージを聞けるボイスページャーを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
データが少なくとも音声情報と、その発信者(電話をかける者)のIDや電話番号と、からなるデータがA/D変換器によりディジタル化され、ディジタル信号として無線で送出される電波を受信する受信手段と、受信手段によって受信したディジタル信号を1人の発信者に対して1バンクとして割当てられた複数のバンクにデータを格納するデータメモリー手段と、スイッチ操作によってデータ用のメモリーのバンクを選択できるスイッチ操作手段と、スイッチ操作によって選択される通信者のIDや電話番号を表示させる表示手段と、スイッチ操作手段によって前記表示手段に表示された通話者に対応する受信メッセージを音声に変換して出力する音声手段と、を備えたことを特徴とするボイスページャー。
【0011】
【作用】
本発明の特徴によれば、ディジタル化された発信者の肉声のデータおよび発信者がだれであるかのデータが、1人の発信者に与えられた1バンク内に格納され、このようなバンクが複数の発信者に対して与えられている。利用者は蓄積された複数のバンクをスイッチにより選択し、表示部に表れた聞きたい、または重要性の高い発信者を選び、その表示部に表れた発信者の肉声データをいつでも再生して聞くことができる。
【0012】
【実施例】
図1〜図5を用いて、本発明の実施例を以下に説明する。図1には、発信者からボイスページャーを携帯している利用者に伝言を伝えるシステムの概要が示されている。
【0013】
利用方法を図2〜図3に示されるシステムフローチャートとともに説明すると、始めに、発信者は、電話1と、その電話回線網2を利用して、中央制御局3を呼び出す(ステップ1)。
【0014】
録音された中央制御局3からの応答メッセージが、発信者の電話1に流れ(ステップ5)、利用者のID、および必要に応じて利用者にかけて欲しい電話番号を入力する旨の指示、続いて伝言メッセージを入力するようにとの指示が流れる。
【0015】
発信者は利用者のIDおよび必要に応じて電話番号を入力し(ステップ2)、続いて、電話1の受話器から伝言メッセージを入力して(ステップ3)電話を切り(ステップ4)、終了する。
【0016】
中央制御局3では、利用者のIDを受付け(ステップ6)、確認すると、音声メッセージを受付ける(ステップ7)。
【0017】
受付けた音声メッセージ、その他のデータを、A/D変換器を利用して、全てコンピュータ4でディジタル化し(ステップ8)、受付け終了(ステップ9)とともに、各送信局5、5…にディジタルデータを、送出する(ステップ10)。
【0018】
送信局5では、ディジタル化された音声データ等を、ディジタル信号として無線(電波)での利用者のボイスページャー6に対して送出する。
【0019】
図4はボイスページャー6の機構を示すブロック図であり、7はアンテナ、8は受信部、9は数字、文字等を液晶等で表示する表示部、10はCPU、11は受信したことを知らせる受信メッセージを予め録音したROM、12は複数のバンクを備えたデータ用メモリー、13はディジタルデータを音声としてのアナログデータに変換する音声変換部、14はアンプ、15はスピーカー、16はボイスページャー6のボックスに設けられた制御用の操作スイッチである。
【0020】
図4、図5を用いたボイスページャー6の使用方法を説明すると、まずアンテナ7で無線を受け、受信部8にデータが送り込まれると、CPU10で自身のIDかどうか判断する(ステップ11)。
【0021】
自身のIDで無い場合は、そのデータを捨て、終了し、自身のIDの場合は、データ用メモリー12の例えばバンク1に書き込む(ステップ12)。
【0022】
それを受けて、ROM11に記録された受信メッセージを音声変換部13、アンプ14を介してスピーカー15から音声として流す(ステップ13)。
【0023】
利用者は、受付けを確認し(ステップ14)、スイッチ16を押して音声を切り、次のスイッチ操作で表示部9に電話番号や誰からの呼出しかを画面表示で確認する。続いてスイッチ操作でスピーカー15からその音声メッセージを再生することができる。
【0024】
このようにスイッチ操作でそれそれのバンクのデータ(受信時刻、TD等)を表示部に表示し、バンク内のディジタルデータを音声変換部13のD/A変換によりアナログデータに再生し、スピーカー15から発信者のメッセージを聞くことができるので、利用者は、任意の時に、適当な場所で、又、何度でも受信データを再生することができる。
【0025】
バンクはそれぞれ1発信者に対して割当てられ、バンクが不足する時は、1番古いバンクからデータを消去させるようにしてもよい。
【0026】
ディジタルデータを利用して、メッセージを送信するので、移動通信の秘話性が格段に向上する。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、次の効果を有する。本発明の特徴によれば、ディジタル化された発信者の肉声のデータおよび発信者がだれであるかのデータが、1人の発信者に与えられた1バンク内に格納され、このようなバンクが複数の発信者に対して与えられている。利用者は蓄積された複数のバンクをスイッチにより選択し、表示部に表れた聞きたい、または重要性の高い発信者を選び、その表示部に表れた発信者の肉声データをいつでも再生して聞くことができる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】
システム概要図である。
【図2】
発信者のフローチャートである。
【図3】
中央制御局のフローチャートである。
【図4】
ボイスページャーのブロック図である。
【図5】
利用者のフローチャートである。
【符号の説明】
1 電話
2 電話交換網
3 中央制御局
4 コンピュータ
5 送信局
6 ボイスページャー
7 アンテナ
8 受信部
9 表示部
10 CPU
12 データ用メモリー
13 音声変換部
14 アンプ
15 スピーカー
16 操作スイッチ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-05-10 
出願番号 特願平2-417921
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H04B)
P 1 41・ 851- Y (H04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 桑江 晃  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 山中 実
橋本 正弘
登録日 1997-02-13 
登録番号 特許第2610545号(P2610545)
発明の名称 ボイスページャー  
代理人 升永 英俊  
代理人 升永 英俊  

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