• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1100743
審判番号 不服2001-23638  
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-06-18 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-12-28 
確定日 2004-07-29 
事件の表示 平成 4年特許願第107676号「カラー画像処理システム、画像処理システム及び画像処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 5年 6月18日出願公開、特開平 5-153384〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願出願日及び本願発明
本件審判請求に係る出願は、平成4年4月27日に出願されたものであって(なお、本件出願は先の出願に基づく優先権主張を伴うものであるが、平成16年4月2日付で補正された明細書の特許請求の範囲に記載された発明は、先の出願に記載されたものとは認められないので、先の出願に基づく優先権は認められない。)、明細書については、平成11年4月23日付、平成13年10月9日付、平成14年1月28日付及び当審で通知した拒絶の理由に対応して提出された平成16年4月2日付の各手続補正書で補正されている。そして、平成16年4月2日付の手続補正書で補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1の記載は
「【請求項1】 画像入力装置により入力されたRGBカラー画像データを、輝度、色信号に変換する第1の変換手段と、前記変換後の輝度、色信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮された輝度、色信号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した圧縮された輝度、色信号を伸張し画像形成用のYMCKに変換する伸張手段が直列に接続された画像処理装置であって、
インターフェイスを介し外部装置から入力された、カラー画像信号の種類に応じて、前記カラー画像信号を前記第1の変換手段、前記圧縮手段、前記記憶手段のいずれに入力するかを切り替る切り換え手段、前記カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行ない、色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得ることを特徴とするカラー画像処理装置。」となっている。
しかし、この中の後の段落の文章における「切り換え手段」については「カラー画像処理装置」との関係が限定されておらず、カラー画像処理装置全体においてどのように位置づけられるべきものか明らかでないこととなる。そこで、この補正前の請求項1の記載を参酌すると、本願請求項1の発明は、
「【請求項1】 画像入力装置により入力されたRGBカラー画像データを、輝度、色信号に変換する第1の変換手段と、前記変換後の輝度、色信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮された輝度、色信号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した圧縮された輝度、色信号を伸張し画像形成用のYMCKに変換する伸張手段が直列に接続された画像処理装置であって、
インターフェイスを介し外部装置から入力された、カラー画像信号の種類に応じて、前記カラー画像信号を前記第1の変換手段、前記圧縮手段、前記記憶手段のいずれに入力するかを切り替る切り換え手段を有し、前記カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行ない、色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得ることを特徴とするカラー画像処理装置。」とすべきものと認められるので、以下そのように記載されているものとして検討する。(以下、この発明を「本願発明1」という。)

2.当審で通知した拒絶の理由に引用した刊行物に記載された発明
一方、当審で通知した拒絶の理由は、本件出願の各請求項に係る発明はその出願前日本国内において頒布された刊行物に記載された発明に基づいてその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものであるが、引用した刊行物には、それぞれ次のような技術が記載されている。
刊行物1:特開平1-106687号公報
画像入力装置により入力されたRGBカラー画像データを、輝度、色信号に変換する第1の変換手段と、前記変換後の輝度、色信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮された輝度、色信号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した圧縮された輝度、色信号を伸張し画像形成用のYMCKに変換する伸張手段とが直列に接続された画像処理装置。
刊行物2:特開平1-129664号公報
画像入力装置により入力された多値のカラー画像データを多値のまま画像処理する画像処理部と、画像処理された多値信号を2値化処理する2値化処理部とを有し、画像入力装置により入力されるカラー画像データと外部装置からパラレルI/Fを介して入力される多値画像データを合成することができるようにするために画像処理部の前段に多値合成部を、2値化処理部の後段にこれから出力される2値画像データと外部装置からパラレルI/Fを介して入力される2値画像データを合成することができる2値合成部を設け、外部装置から入力される画像データが多値のものか2値のものかに応じて、多値のものは画像処理部に画像入力装置により入力されるカラー画像データと合成して出力できるように多値合成部に入力するようにし、2値のものは前記2値化処理部で2値化処理されたデータと合成して出力できるように2値合成部に入力するようにした画像処理装置。(とくに第9図および第25図に基づく説明箇所参照。)

3.本願発明1と刊行物に記載の発明との対比・判断
そこで、本願発明1と刊行物1に記載の発明とを対比すると、両者は、「画像入力装置により入力されたRGBカラー画像データを、輝度、色信号に変換する第1の変換手段と、前記変換後の輝度、色信号を圧縮する圧縮手段と、前記圧縮された輝度、色信号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した圧縮された輝度、色信号を伸張し画像形成用のYMCKに変換する伸張手段とが直列に接続された画像処理装置。」の点で一致し、本願発明1が「インターフェイスを介し外部装置から入力された、カラー画像信号の種類に応じて、前記カラー画像信号を前記第1の変換手段、前記圧縮手段、前記記憶手段のいずれに入力するかを切り替る切り換え手段を有し、前記カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行ない、色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得る」ようにするものであるのに対し、刊行物1に記載の発明は、そのようなものでない点で相異する。
そこで,この相異点について検討する。
刊行物2の第25-d図、第25-e図、第25-f図、第25-g図の信号伝達経路および各図についての説明からみて、刊行物2のものにおいても、パラレルI/Fを介して外部装置から入力される信号が多値のものか2値のものかに応じて、この信号を多値合成器に入力するか2値合成器に入力するかを切り替る切換手段に相当する機能を有しているべきことは明らかである。そうすると、刊行物2から、I/Fを介して外部装置から入力される信号が画像処理装置の順次処理される信号の何れかの形態と同じであれば、その信号と同じ形態の信号を入力する箇所の前段に合成部を設け、接続を切り替えてそこからI/Fを介して外部装置から入力される信号を画像処理装置に入力するという着想が把握できる。
本願発明1における「カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行ない、色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得る」点に関しては、前半の「カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行ない」については、これだけみると意味するところが理解しがたい。そこで明細書及び図面の記載を参照すると、読み取り装置で読み取った信号は第1の圧縮方式で圧縮するもの(ベクトル量子化)に対して外部から入力する信号はそれと異なる第2の圧縮方式で圧縮されたもの(ADCT)であることを前提として、明細書で第3の実施例といっている図7に示されているように外来信号を第1の圧縮回路に入力する前に第2の圧縮方式から読み取り装置の信号と同じ信号に伸張するようにしてこれを圧縮回路に入力するするのではなく、第4の実施例といっている図8に示されるように第1の圧縮方式で圧縮された信号を伸張する伸張回路に並列的に第2の圧縮方式で圧縮された信号を伸張する伸張回路を設けるようにして外部からの信号を第1の圧縮回路の後(図8ではメモリ部の前)に入力することを意図したものと解される。
しかるに、外来信号が圧縮されたものであれば、プリンタ信号とするまでの何れかの段階でその信号を伸張する回路が必要なことは当然かつ自明のことである。そして、外来信号の圧縮方式がその装置における圧縮方式と同じであればその装置の伸張回路で伸張すればすむから外来信号を圧縮回路の後で伸張回路の前に入力するようにすればよいが、その装置の圧縮方式と異なるときはその圧縮方式にあった伸張方式の伸張回路が必要であることも自明のことである。ところが、画像信号をメモリに一旦記憶してから再生する装置において伸張回路を複数種の圧縮方式のそれぞれに対応して複数種並列に設けるようにしその圧縮方式の種類に応じて複数の伸張回路が選択的に駆動されるようにすることが公知であること(例えば特開平2-280481号公報参照)を考慮すると、外来信号の圧縮方式に対応した伸張回路をその装置本来の伸張回路と並列に設けて外来信号を圧縮回路の後で伸張回路の前に入力するようにすることは、当業者であれば自ずと推考できる程度のものと認められるから、そのようにすることを意味する「カラー画像信号が圧縮された画像データの場合、伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行な」うようにすることは当業者が適宜容易になし得る事項程度のことと認められる。(ちなみに、本願第3の実施例のようにすれば、外来の圧縮信号がその装置の圧縮信号と方式が異なるものであっても記憶装置に記憶する信号はすべて同じ形式のものとなる利点があり、本願第4の実施例のようにすれば画像が劣化することを多少でも防止できる利点がある、などの両立し得ない作用効果があることも自明程度のことであり、いずれを採用するかは、いずれの作用効果を優先するかにより適宜決め得ることである。)
また、「色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得る」については、本願図面の図2に記載されているようにYMCKなど色毎の作像するステーションのある位置が異なっていて、コピー紙をこれらの位置に順次送ることによりコピー紙にフルカラー画像を形成させるものであることを前提にこのようにするものであるが、このようなデジタルカラー複写機は、例えば、特開昭63-246979号公報、特開平1-137877号公報等のほか、本件出願において優先権が認められないことによって出願前頒布の刊行物となる特開平4-10764号公報に記載があるように、周知のものである。(ちなみに、特開平4-10764号公報の第1図、第5図、第17図、第19図等には、外部機器からの信号を選択入力あるいは合成することも記載されている。)
そうすると、刊行物1に開示のものに、刊行物2に開示の着想を適用して、I/Fを介して外部装置から入力される信号の種類をみ、その種類に応じてその信号を、第1の変換手段、圧縮手段、記憶手段の何れかに切り換え手段を切り替えて入力するようにすることとし、カラー画像信号が圧縮された画像データの場合「伸張、圧縮の繰り返しを行なうことなく複数の前記伸張手段により伸張を行な」うようにして、色材毎の作像ステーションの動作タイミングに合わせてYMCKの画像信号を得るようにすることに格別困難な点があるとは認められず、また、このようにすることにより当業者が予測できないような作用効果を生じるとも認められないから、結局、本件発明1は、刊行物1に記載の発明に刊行物2に記載の発明及び公知技術を適用することにより容易になし得たものと認められる。

4.結び
以上から明らかなとおり、本願発明1は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願請求項2の発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-05-25 
結審通知日 2004-06-01 
審決日 2004-06-14 
出願番号 特願平4-107676
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加内 慎也  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 井上 信一
江頭 信彦
発明の名称 カラー画像処理システム、画像処理システム及び画像処理装置  
代理人 内尾 裕一  
代理人 西山 恵三  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ