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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 A47C |
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管理番号 | 1101086 |
異議申立番号 | 異議2002-70053 |
総通号数 | 57 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-05-10 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-01-10 |
確定日 | 2004-05-14 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3185895号「背も垂れ部の調整装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3185895号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3185895号(請求項の数5)に係る発明についての出願は、平成4年3月5日(パリ条約による優先権主張1991年3月5日、フランス)に特許出願され、平成13年5月11日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、請求項1に係る特許について、申立人・小林陽子より特許異議の申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成14年11月11日に訂正請求がされたものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1における 「上記固定フランジ(1)のセル(50)は、互いにその間隔を120゜であるように取り付けられ、各々上部歯(3a)を有しているブロック(3)のセットを備え」を 「上記固定フランジ(1)のセル(50)は、互いにその間隔を120゜であるように取り付けられ、各々上部歯(3a)を有している3つのブロック(3)を備えるブロックのセットを備え」 と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、ブロックのセットを、特許請求の範囲の請求項1中の「上記ブロック(3)は、可動フランジ(12)の方向に向いている小片(5a)を各々有するブロックプッシャー部材(5)を圧迫しており」、「カム(7)の3つのステップ(6)」及び「アンラッチングリング(18)は、半径方向厚さの厚い部分(18b)を3箇所有し」等の記載内容と整合させるために「3つ」であることを明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、明細書の段落【0014】及び【0016】の記載に基づくものであるから新規事項の追加に該当せず、また、「簡単で、安価で、何等かのアクシデントが起きたときにさえ、非常に信頼性に富み、そして面倒な操作を必要としない装置を提供する」という課題に変更を及ぼすものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 (1)本件発明 上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「シートの背も垂れ部の調整装置であって、 座席の座る位置の枠に取り付けられる固定された環状フランジ(1)を有し、 上記固定フランジは、内部にカップ(2)の形状の凹部を有し、かつ、セル(50)のセットと、環状可動フランジ(12)のかしめられた周縁を受けるための大きな直径を有する環状凹部(26)とを備え、 上記環状可動フランジ(12)は、シートの背も垂れ部の枠に取り付けるための外部固定部材を有し、 上記固定フランジ(1)のセル(50)は、互いにその間隔を120゜であるように取り付けられ、各々上部歯(3a)を有している3つのブロック(3)を備えるブロックのセットを備え、 上記ブロック(3)は、可動フランジ(12)の方向に向いている小片(5a)を各々有するブロックプッシャー部材(5)を圧迫しており、 上記ブロックプッシャー部材(5)は、カム(7)を圧迫しており、該カム(7)は、該カム(7)を回転させる中心シャフト(14)に取り付けられており、かつ、該カム(7)の3つのステップ(6)の延長部として、くぼみ部(8)と、狩猟用ラッパの形状を有するスプリング(10)と共同して働くシャンク(9)のセットとを有しており、 上記スプリング(10)は、固定フランジの内部に形成されたキャビティ(11)に収容される一先端を有し、 上記ブロックプッシャー部材(5)の小片(5a)が、可動フランジ(12)の内部に収容されたアンラッチングリング(18)と共同して働き、該アンラッチングリング(18)は、半径方向厚さの厚い部分(18b)を3箇所有し、これにより、上記カム(7)が、スプリング(10)の動きに対して収縮する方向に回転したときに、上記ブロックプッシャー部材(5)が、シートの背も垂れ部の調整装置の中央に向けて押し戻した状態で保持されることを特徴とする背も垂れ部の調整装置。」 (2)引用刊行物に記載された発明 ア.当審が通知した取消しの理由で引用した刊行物1(特開平2-228914号公報)には、図面と共に以下の事項が記載されている。 ・「この発明は、シートバックの傾斜角度を調整するシートのリクライニング装置に関する。」(公報第1頁右下欄第12〜13行) ・「第1図ないし第3図に示すように、この発明に係るシ-トのリクライニング装置10は、ロック機構12を備えて構成され、ロック機構を介して、シートクッションフレーム14、シートバックフレーム16が連結されている。 ロック機構12は、第1図に加えて第4図を見るとよくわかるように、外周に歯部18を持つロックギヤ20と、ロックギヤの歯部の噛合可能なリング状の内歯22とを具備して構成されている。そして、ロックギヤ20がベースプレート24の内面に配設され、リング状の内歯ギヤ22が回動プレート26の内面に成形されている。 ベースプレート24は、たとえば、120°離反した3ヶ所の凹部28を内面に持ち、ロックギヤ20が、凹部内にそれぞれ摺動可能に配設されている。」(同第3頁左上欄第2〜16行) ・「また、ベースプレート24は、挿通孔34を有し、挿通孔に、シャフト36を遊挿して、カム38が、ベースプレートに回動可能に配設されている。カム38は、ロックギヤ20を半径方向外方に押圧可能な押圧片40を一体的に持ち、偏倚手段、たとえば、一端をベースプレート24に、他端をカムの係止片42にそれぞれ係止したトーションばね44の偏倚力のもとで、ロックギヤが、押圧片を介して半径方向外方に押圧されている。 また、第1図からよくわかるように、回動プレート26は、リング状の内歯22を内面に持ち、ベースプレート24の段部46に遊嵌されて、ベースプレートに対して回転可能に配設されている。このような構成では、ロックギヤ20の摺動によって、ロックギヤの歯部18、内歯22のロック、ロック解除が行なわれる。たとえば、ロックギヤ20は、通常時、カムの押圧片40によって、外方に押圧され、ロックギヤの歯部18が、回動プレートの内歯22に噛合し、回動プレート26がロックされる。また、カム38を回動し、ロックギヤ20への押力を除くと、ロックギヤの歯部18、内歯22間のロックが解除される。 ここで、この発明によれは、回動プレート26の回動によって、ロッグギヤ20の乗り上げ可能な内歯の形成されていない平坦な凸部48が、ロックギヤの幅に対応して、リング状の内歯22に突出して部分的に形成されている。・・・(中略)・・・このような構成では、回動プレート26が反時計方向に回動し、ロッグギヤ20が凸部48に乗り上げると、回動プレートがベースプレート24に対してロックされない状態、いわゆるアンロック状態が設定される。 そして、支持リング52が、ベースプレート24のリム54に嵌装されて、ベースプレートに対して回動プレート26を回転可能に支持するとともに、段部46からの回動プレートの離脱を防止している(第1図、第2図参照)。 このようなロック機構12のベースプレート24、回動プレート26は、第1図、第2図に示すように、相反する方向に延出した一連のボルト56,58をそれぞれ持ち、ボルトは、それぞれ複数箇所で等間隔に設けられている。・・・(中略)・・・ロック機構12のボルト56,58がシートクッションフレーム14、シートバックフレーム16の挿通孔60,62にそれぞれ挿通され・・・(中略)・・・それぞれ固定される。」(同第3頁右上欄第8行〜第4頁左上欄第7行) ・「このような状態から、操作レバー70を操作して、カム38をトーションばね44の偏倚力に抗して反時計方向[注:「時計方向」が正しい]に回動させると、押圧片40によるロックギヤ20への押力が除かれて、ロックギヤがフリーとなる。」(同第4頁右上欄第14〜18行) ・「そして、シートバック15を前方に押圧して回動プレート26を反時計方向に回動させると、・・・(中略)・・・第5図に示すように、ロックギヤが凸部48に乗り上げる。このような状態において、ロックギヤ20は、内歯22から離反した状態で保持されているため、操作レバー70の操作力を除いてカムの押圧片40でロックギヤを半径方向外方に押圧しても、ロックギヤの歯部18は内歯22に噛合せず、アンロック状態が保持される。そして、このような、アンロック状態において、シートバック15が迅速に前倒しされる。」(同第4頁左下欄第8〜19行) ・また、特に第4図及び第5図には、カム38が、3つの押圧片40の延長部として、へこみ部と、狩猟用ラッパの形状を有するトーションばね44と共同して働く係止片42のセットとを有する構成であること、及び、ロックギヤ20がカム38に当接している状態が示されている。 上記記載事項及び図示内容からみて、刊行物1には下記の発明が記載されていると認められる。 「シートバックの傾斜角度を調整するシートのリクライニング装置10であって、 シートクッションフレーム14に取り付けられるベースプレート24を有し、 上記ベースプレート24は、内部に段部46を有し、かつ、凹部28のセットと、回動プレート26の周縁を受けるための大きな直径を有する支持リング52とを備え、 上記回動プレート26は、シートバックフレーム16に取り付けるためのボルト58を有し、 上記ベースプレート24の凹部28は、互いにその間隔を120゜であるように設けられ、各々歯部18を有しているロックギヤ20のセットを備え、 上記ロックギヤ20は、カム38に当接しており、該カム38は、該カム38を回転させるシャフト36に取り付けられており、かつ、該カム38の3つの押圧片40の延長部として、へこみ部と、狩猟用ラッパの形状を有するトーションばね44と共同して働く係止片42のセットとを有しており、 上記トーションばね44は、ベースプレート24の内部に形成された係止用凹部に収容される一先端を有し、 上記ロックギヤ20が、回動プレート26の内側に一体的に形成された平坦な凸部48と共同して働き、該平坦な凸部48は、半径方向内方に向けて3箇所突出して形成され、これにより、上記カム38が、トーションばね44の動きに対して収縮する方向に回転したときに、上記ロックギヤ20が、シートバックの傾斜角度を調整するシートのリクライニング装置10の中央に向けてアンロック状態で保持されるシートバックの傾斜角度を調整するシートのリクライニング装置10。」(以下、「引用発明1」という。) イ.同じく引用した刊行物2(米国特許第4082352号明細書)には、シートバックリクライナに関し、図面と共に以下の事項が記載されていると認められる。 ・「歯付きドッグ端部の制止ピン68はシートバックアームの端部26に設けた円弧形状の溝穴の中に受容され、後に説明する制止動作を行う。」こと(明細書第3頁第4欄第17〜19行、和訳は異議申立人の提出した甲第2号証に添付された翻訳文参照) ・「図7dに示すように、シートバックアームが前方の乗降しやすい位置に旋回している間に、ドッグ58の制止ピン68が、シートバックアームの端部26の円弧形状の溝穴69の制止面108と摺動可能に係合する。係止ピン68と制止面108の間の係合により、歯付きドッグ端部が、係止用の歯56から反時計回りにリング30上の表面110に係合しないように阻止する。よって、起動カム64の、偏向スプリング86による反時計回りの通常の偏向により、歯付きドッグ端部60がリング面110と係合しないように、また、シートバックアーム20が前方の乗降しやすい位置へ/から旋回する際の歯を磨耗しないように防ぐ。シートバックアーム20が後ろ方向に旋回すると、制止ピン68は制止面108の時計回りの端部に向かって摺動した後、その制止面から離れて大径面112上に移動し、再び歯付きドッグ端部と係止リングの歯56を係合させる。」こと(明細書第4頁第5欄第36〜53行、和訳は同翻訳文参照) 上記記載事項及び第5,6,7d図に示された内容からみて、刊行物2には下記の発明が記載されていると認められる。 「歯付きドッグ58の歯付きドッグ端部60をシートリクライナ16の係止リング30上の表面110に係合しないように阻止する動作を、歯付きドッグ58から突設された制止ピン68が係止リング30の側に係止リング30とは別部材として構成されたシートバックアームの端部26の円弧形状の溝穴69の制止面108と共同して働くことにより行っているシートバックリクライナ。」(以下、「引用発明2」という。) ウ.同じく引用した刊行物3(特開平1-104201号公報)には、車両座席の背もたれの連結部材に関し、図面と共に以下の事項が記載されている。 ・「第5図及び第6図に示す連結部材は、第3図及び第4図を参照して説明した連結部材と略同一であるが、支承板13,14,15は高さがより低く、下部に平坦面13′,l4′,15′を有する。平坦面13′,14′,15′は、中間部22の上部に設けられる略V字形ディスエンゲージメント21の下部に支持される。中間部22,23,24はその下部領域22a,23a,24aにおいて典型的にはカムである制御部材と接触する。支承板13,14,15が歯付環10と係合しないアンロック位置では、支持板は第5図に示す位置を占めるが、支承板が歯付環10のロック位置にある際には支持板13,14,15の歯には環10の歯の底部にあり、支持板14,15の辺縁14b,15aは中間部23,24のV字形ディスエンゲージメント21の横方向側部に支持されるので第3図及び第4図について上述した如く支持板13,14,15の押し付け位置が確実にされる。」(公報第4頁左上欄第1〜19行) ・「第7図及び第8図に示す如く、中央制御シャフト25の作用で回動するカムが凸部26a,26b,26cの回動により中間部22,23,24から係合離脱する際支承板が容易に歯付環10から係合離脱して座席の背もたれ部の座席の座部に対する係合離脱を確実にするよう支承板は歯の底部にある際弾性戻しブレード29を変形させる。」(同第4頁右上欄第14行〜左下欄第1行) ・また、第1〜4図には、上部歯を有するロック部材を、それぞれ一つの部材である支承板3,4,5或いは13,14,15として形成されたものが示され、第5〜8図には、該ロック部材を、それぞれ上部歯12を有する高さの低い支承板13,14,15と中間部22,23,24の二つの部材で構成すると共に、弾性戻しブレード29により該支承板が該中間部を圧迫し、さらに該中間部がカム26を圧迫している態様が示されている。 上記記載事項及び図示内容からみて、刊行物3には下記の発明が記載されていると認められる。 「上部歯を有するロック部材を、それぞれ一つの部材で形成された支承板3,4,5或いは13,14,15に代えて、上部歯12を有する高さの低い支承板13,14,15とそれらに圧迫される中間部22,23,24の二つの部材で構成し、さらに該中間部がカム26を圧迫するようにした車両座席の背もたれの連結部材。」(以下、「引用発明3」という。) (3)対比・判断 本件発明1と引用発明1とを対比すると、後者の「シートバックの傾斜角度を調整するシートのリクライニング装置10」は、その意味、機能又は作用等からみて前者の「シートの背も垂れ部の調整装置」に相当し、以下同様に、「シートクッションフレーム14」が「座席の座る位置の枠」に、「ベースプレート24」が「固定された環状フランジ」或いは「固定フランジ」に、「段部46」が「カップの形状の凹部」に、「凹部28」が「セル」に、「回動プレート26」が「環状可動フランジ」或いは「可動フランジ」に、「支持リング52」が「環状凹部」に、「シートバックフレーム16」が「シートの背も垂れ部の枠」に、「ボルト58」が「外部固定部材」に、「歯部18」が「上部歯」に、「カム38」が「カム」に、「シャフト36」が「中心シャフト」に、「押圧片40」が「ステップ」に、「へこみ部」が「くぼみ部」に、「トーションばね44」が「スプリング」に、「係止片42」が「シャンク」に、「係止用凹部」が「キャビティ」に、「平坦な凸部48」が「半径方向厚さの厚い部分」に、「アンロック状態」が「中央に向けて押し戻した状態」に、それぞれ相当している。 また、引用発明1において、「平坦な凸部48」を3箇所有した「回動プレート26」の内径側部分が、本件発明1の「可動フランジの内部(の)アンラッチングリング」に相当している。 さらに、引用発明1における「ロックギヤ20」と、本件発明1の「ブロック又はブロックプッシャー部材」或いは「ブロック及びブロックプッシャー部材」は、共に「ロック部材」という概念で共通し、引用発明1における「ロックギヤ20は、カム38に当接」している状態と本件発明1の「ブロックプッシャー部材は、カムを圧迫」している状態は、共に「ブロックプッシャー部材は、カムに接触」している状態という概念で共通している。 したがって、両者は、 「シートの背も垂れ部の調整装置であって、 座席の座る位置の枠に取り付けられる固定された環状フランジを有し、 上記固定フランジは、内部にカップの形状の凹部を有し、かつ、セルのセットと、環状可動フランジの周縁を受けるための大きな直径を有する環状凹部とを備え、 上記環状可動フランジは、シートの背も垂れ部の枠に取り付けるための外部固定部材を有し、 上記固定フランジのセルは、互いにその間隔を120゜であるように取り付けられ、各々上部歯を有している3つのロック部材を備えるロック部材のセットを備え、 上記ロック部材は、カムに接触しており、該カムは、該カムを回転させる中心シャフトに取り付けられており、かつ、該カムの3つのステップの延長部として、くぼみ部と、狩猟用ラッパの形状を有するスプリングと共同して働くシャンクのセットとを有しており、 上記スプリングは、固定フランジの内部に形成されたキャビティに収容される一先端を有し、 上記ロック部材が、可動フランジの内部(の)アンラッチングリングと共同して働き、該アンラッチングリングは、半径方向厚さの厚い部分を3箇所有し、これにより、上記カムが、スプリングの動きに対して収縮する方向に回転したときに、上記ロック部材が、シートの背も垂れ部の調整装置の中央に向けて押し戻した状態で保持される背も垂れ部の調整装置」、 において一致し、 a.環状可動フランジの周縁に関し、本件発明1が「かしめられた」周縁としたのに対し、引用発明1では、支持リングによりその周縁を受けている点(以下、「相違点1」という。)、 b.上部歯を有するロック部材に関し、本件発明1では、ブロックとブロックプッシャー部材の二つの部材で構成し、ブロックは、ブロックプッシャー部材を圧迫しているのに対して、引用発明1では、一つの部材であるロックギヤ20で構成している点(以下、「相違点2」という。)、 c.ロック部材のカムへの接触に関し、本件発明1では、「カムを圧迫」しているのに対し、引用発明1では、その態様が明確にされていない点(以下、「相違点3」という。)、 d.アンラッチングリングに関し、本件発明1では、可動フランジの内部に「収容」されているのに対し、引用発明1では、可動フランジの内部に一体的に形成されている点(以下、「相違点4」という。) e.アンラッチングリングと共同して働く部材に関し、本件発明では、各々のロック部材に設けられた「可動フランジの方向に向いている小片」であるのに対し、引用発明1では、そのような構成を有していない点(以下、「相違点5」という。)、 で相違している。 以下、上記相違点について検討する。 ・相違点1について 引用発明1において、環状可動フランジの周縁を支持リングで受ける際に、該支持リングでかしめるように構成することは、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計的事項にすぎない。 ・相違点2について 上記引用発明3に見られるように、背も垂れ部の調整装置(「背もたれの連結部材」が相当)において、上部歯を有するロック部材を、一つの部材で構成することに代えて、二つの部材に分割し、上部歯を有する部材が他方の部材を圧迫して構成することが知られている以上、引用発明1における一つの部材で構成されているロックギヤ20を引用発明3に倣ってブロックとそれに圧迫されるブロックプッシャー部材の二つの部材で構成する程度のことは、当業者が容易になし得ることと認められる。 ・相違点3について 上記引用発明3に見られるように、背も垂れ部の調整装置(「背もたれの連結部材」が相当)において、ロック部材がカムを圧迫するようにしているものが知られている以上、引用発明1において、かかる構成を採用することは当業者にとって容易である。 ・相違点4について アンラッチングリングを可動フランジと一体に形成するか、別体に形成するかは、当業者が必要に応じて適宜選択しうる設計的事項にすぎない。 ・相違点5について 上記引用発明2に見られるように、背も垂れ部の調整装置(「シートリクライナ16」が相当)において、ロック部材(「歯付きドッグ58」が相当)の小片(「制止ピン68」が相当)が可動フランジ(「係止リング30」が相当)側に形成された半径方向厚さの厚い部分(「円弧形状の溝穴69の制止面108」が相当)と共同して働くようにしたものが知られている以上、引用発明1において、引用発明2に倣い、ロック部材の一部材である小片を、半径方向厚さの厚い部分を備えたアンラッチングリングと共同して働くように構成する程度のことは、当業者が容易に推考し得たものと認められる。 そして、本件発明1により奏される効果は、上記引用発明1乃至3から予測し得る範囲内のものである。 したがって、本件発明1は、上記刊行物1乃至3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)むすび 以上のとおりであるから、本件発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件発明1についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 背も垂れ部の調整装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートの背も垂れ部の調整装置であって、 座席の座る位置の枠に取り付けられる固定された環状フランジ(1)を有し、 上記固定フランジは、内部にカップ(2)の形状の凹部を有し、かつ、セル(50)のセットと、環状可動フランジ(12)のかしめられた周縁を受けるための大きな直径を有する環状凹部(26)とを備え、 上記環状可動フランジ(12)は、シートの背も垂れ部の枠に取り付けるための外部固定部材を有し、 上記固定フランジ(1)のセル(50)は、互いにその間隔を120°であるように取り付けられ、各々上部歯(3a)を有している3つのブロック(3)を備えるブロックのセットを備え、 上記ブロック(3)は、可動フランジ(12)の方向に向いている小片(5a)を各々有するブロックプッシャー部材(5)を圧迫しており、 上記ブロックプッシャー部材(5)は、カム(7)を圧迫しており、該カム(7)は、該カム(7)を回転させる中心シャフト(14)に取り付けられており、かつ、該カム(7)の3つのステップ(6)の延長部として、くぼみ部(8)と、狩猟用ラッパの形状を有するスプリング(10)と共同して働くシャンク(9)のセットとを有しており、 上記スプリング(10)は、固定フランジの内部に形成されたキャビティ(11)に収容される一先端を有し、 上記ブロックプッシャー部材(5)の小片(5a)が、可動フランジ(12)の内部に収容されたアンラッチングリング(18)と共同して働き、該アンラッチングリング(18)は、半径方向厚さの厚い部分(18b)を3箇所有し、これにより、上記カム(7)が、スプリング(10)の動きに対して収縮する方向に回転したときに、上記ブロックプッシャー部材(5)が、シートの背も垂れ部の調整装置の中央に向けて押し戻した状態で保持されることを特徴とする背も垂れ部の調整装置。 【請求項2】 前記アンラッチングリング(18)に、このリング(18)の位置を保持するために可動フランジ(12)内に形成された凸部(20)と共同して働くくぼみ部(18a)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の背も垂れ部の調整装置。 【請求項3】 固定フランジ(1)の内部に配置された前記各々のブロック(3)が、通常、リーフスプリング(4)によって装置の中央に向かって押し戻していることを特徴とする請求項1記載の背も垂れ部の調整装置。 【請求項4】 固定フランジ(7)と、可動フランジ(12)との間のブロックプッシャー部材(5)のカム(7)の位置保持が、中央ワッシャー(22)の介入によって回転することを特徴とする請求項1記載の背も垂れ部の調整装置。 【請求項5】 前記歯(112a)と共同して働くブロック(3)の上部歯(3a)が、可動フランジ(12)のキャビティ(112)の内側面に割り込んでいることを特徴とする請求項1記載の背も垂れ部の調整装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、座席の背も垂れ部の適切な傾斜を可能にする装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術およびその課題】 使用者の需要により、現在いわゆるスリードア車と呼ばれる車、すなわちの側方の2つドアと、リアハッチバアックを有する車が多く製造されている。このような構造からなる車は、車体が短くて済むので、町中で使用するには都合がよい。さらに、車体後部には、シングルバックシート、またはそれに類似した物が取り付けられているため、少なくとも4人移送することができる。 【0003】 しかしながら、後席の人が、容易に乗り降りするためには、上記構造からなる車は、側面のドアの長さを非常に長くする必要があった。さらに、前席(運転席と、助手席)は、座席部分を折り畳み、後席の人の乗り降りを円滑にしなければならなかった。 【0004】 このため、車の前席の背も垂れ部は、助手席、および運転席に座る者に最大の心地よさを提供するために、傾斜を調節できると言うことは非常に昔から知られていた。 【0005】 背も垂れ部の適切な傾斜を可能にする関節装置は、このために従来から知られていた。これらの装置は、また、後席の人が乗り降りするとき、その正しい位置に背も垂れ部を戻すための記憶部材を取り付けることにより、座席の背も垂れ部を上記位置に保持できるように設計されていた。しかしながら、上記装置は、複雑で、さらに高価であった。 【0006】 EP-A-0,250,290(Cousin)、FR-A-2,231,538(Keiper)に開示されているものは、特に顕著な例である。とくに後者には、ピンを介して上記ブロックに固定され、それらを動かすカーブ形状を有するスロット手段によって背も垂れ部に掛け金をかけるカム手段により、リングの歯にロックする歯が形成されたブロックを使用した位置手段が開示されている。しかし、リングの歯にそれらが入らないようにするための所定の角度幅にブロックを保持する手段は知られていなかった。 【0007】 事実、車の製造おいては、以下のことが望まれていた。つまり、信頼性があり、簡単で、より安価で、かつ種々のタイプのシートに取り付けることができることと、さらに基礎的な機能として▲1▼座席に取り付けられる背も垂れ部の傾斜の調整と、▲2▼後席の人が乗り降りするとき、その正しい位置に背も垂れ部を戻すための記憶部材が取り付けられた座席の背も垂れ部を折り畳めることとが望まれていた。 【0008】 そしてついに、種々のタイプの車に取り付けることができ、簡単な方法で制御可能で、背も垂れ部の傾斜を調整するため、さらに座席の背も垂れ部を保持するための装置が研究された。 【0009】 さらになお、これらの装置は、搭乗車が心地よく座れるように不快感を取り除くべく、面倒な操作を必要としない装置である。 【0010】 本発明の装置は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡単で、安価で、何等かのアクシデントが起きたときにさえ、非常に信頼性に富み、そして面倒な操作を必要としない装置を提供する。 【0011】 【課題を解決するための手段】 本発明にかかる背も垂れ部の調整装置は、以下に示す構造を有する装置である。その構造とは、座席の座る位置の枠に取り付けられる固定環状フランジと、一方では、この固定フランジの内部にはカップ形状の凹部が設けられ、さらにがセルのセットを備えたものであり、そして他方では、大きな直径を有する環状凹部を有し、この環状凹部は、シートの背も垂れ部の枠に取り付けるための凹部であり、さらに固定フランジのセルを有する。これは、互いにその間隔を120°であるように取り付けられたセットを有しており、各々上部歯を有し、これらのブロックは、ブロックプッシャー部材を圧迫しており、この部材は各々可動フランジの方向に向いている小片を有するもので、これらブロックプッシャー部材は、ステップを3つ有し、そして中央シャフトに取り付けられているもので、この中央シャフトは、カムの回転を操縦するもので、さらにこのカムは、3ステップの延長部を有する。この延長部の一方は、くぼみ部であり、他方は狩猟用ラッパの形状をし、一先端固定フランジの内部に形成されたキャビティに収容されているスプリングのセットと共同するシャンクのセットであり、そのブロックプッシャー部材の小片は、アンラッチングリングと共同して動き、このアンラッチングリングは、可動フランジの内部に形成され、カムが、スプリングの動きに対して収縮する方向に回転したとき、シートの背も垂れ部の調整装置の中央に押し戻した状態で保持するために形成されている半径方向厚さの厚い部分を3箇所有するアンラッチングリングと共同して働くものである。 【0012】 【実施例】 以下、図面を参照して本発明の背も垂れ部の調整装置を詳しく説明する。 【0013】 図1は、本発明の背も垂れ部の傾斜を調整する装置を示すものであり、この装置には、固定フランジ1が必須である。この固定フランジ1は、接続部材(図示せず)によって座席の枠に取り付けられている。 【0014】 上記固定フランジ1は、カップ2形状の凹部の中に取り付けられている。そして、このカップ2の中には、互いにその間隔が120°の角度であるようにブロック3の歯が3つ収容されている。 【0015】 ブロック3は、狭い幅を有するリーフスプリング4によって、固定フランジ1の中央部に向かって不変的に付勢されている。このため、ブロック3の上部歯3aは、一部自由な状態となっている。 【0016】 ブロック3は、通常、各々小片5aを有しているブロックプッシャー部材5に対して圧迫している。ブロック3と、ブロックプッシャー部材5とは、この効果を与えているセル50の固定フランジ1の内側に収容されている。ブロックプッシャーメンバー5は、ブロック3と同様に、他のメンバーと間隔が120°となるように配置され、その下部は、厚さの薄いシェイプ5bとなっている。また、カム7の3つのステップ6に噛み合っている水平面5cもまた、互いに間隔が120°となるように配置されている。このステップ6は、くぼみ部8につながっているので、この3つのくぼみ部8もまた互いに120°の角度を有するように配置されている。さらにステップ6は、シャンク9にもつながっているので、シャンク9もまた互いに間隔が120°となるように形成されている。このシャンク9は、カム7の部分で一番突出した部分である。 【0017】 各々のシャンク9は、スプリング10の戻りの動きを利用している。このスプリング10は、好ましくは狩猟用ラッパの形状を有することが望ましく、最外部の先端10aは、この装置の固定フランジ1の内側面に形成されているキャビティー11に収容されていることが望ましい。 【0018】 ブロックプッシャー部材5の先端表面51は、微かに凸状に形成されており、ブロック3の下端表面3bは、凹状に形成されている。 【0019】 カム7は、固定フランジ1の中央に形成されている中央開口部15を通って伸びているシャフト14のスリーブ13を中心にして取り付けられている。 【0020】 シャフト14は、可動フランジ12の中央に形成されている環状凹部16を通って伸びている。 【0021】 可動フランジ12は、内部に凹部17が形成されている。この凹部17内には、アンラッチングリング18が収容されており、このリング18は、可動フランジ12にしっかりと固定されている凸部20によって、凹部17を収容している。凸部20は、互いに120°の間隔を保つように配置されているもので、リング18を可動フランジ12にしっかりと固定するために、リング18のくぼみ部18a内に配置されている。 【0022】 リング18の内側面には、3箇所半径方向厚さの厚い部分18bが形成されている。この半径方向厚さの厚い部分18bは、ブロック3を運ぶブロックプッシャー部材5の小片5aと共同して働くための縁が丸みを帯びるように形成されている。 【0023】 中央ワッシャー22は、環状の凹部16の中央に配置されており、この中央ワッシャー22は、正面に向かって背も垂れ部が傾いたり、またはアンラッチングになっている間、ブロックプッシャー部材5と、カム7との位置を保持している。このため、背も垂れ部が動く角度すべてに渡って、継続してアンラッチング状態が保持されることを避けることができる。 【0024】 さらに、固定フランジ1上の可動フランジ12は、中空リング24によって保持されている。この中空リング24は、固定フランジ1の内部に形成され、大きな直径を有する環状凹部26内の可動フランジ12の外周縁を保持している縁部がかしめられたリングである。 【0025】 この場合、可動フランジ12は、固定フランジ1内を摺動する。これは、環状凹部26と、可動フランジ12の外部周縁の基部表面の正確さに基づいて摺動するものである。しかし、ローラーベアリング、またはニードルベアリングのような周知の方法で、固定フランジ1の環状凹部26と、可動フランジ12の外周縁部の間に、一時停止させることは可能である。 【0026】 可動フランジ12は、また、周知の方法のように、背も垂れ部の枠の下部に取り付けるための取り付け部材(図示せず)を有している。 【0027】 シャフト14の回転制御、カム7の回転角度の規定は、手動では、シャフトスタッド114を介して行われ、電気的、機械的には、シャフト14の中央ポーション214を介して行われる。 【0028】 可動フランジ12に形成されているキャビティ112が、その表面112aにセル50に収容されているブロック3の上部歯3aと共同して働くための歯車に噛み合う部分を有していることもまた注意すべきである。 【0029】 図1において、関節装置は、掛け金のかかる位置に存在する。これは、ブロック3の上部歯3aが可動フランジ12の噛み合わせ112aに噛み合うためである。 【0030】 ブロックプッシャー部材5の小片5aは、リング18の半径方向厚さの厚い部分18bに対して配置されている。そしてブロックプッシャー部材5は、カム7のステップ6上のそれらの小片5aによって支持するために形成されている。 【0031】 外されたいとき、例えば、図1のラインA1によって示された背も垂れ部の通常の位置から、ラインA2によって示される背も垂れ部が折り畳まれる(矢印F1の方向)まで、ブロックプッシャー部材5は、矢印F2の方向で回転することによってアンラッチングされる。 【0032】 矢印F2の方向によれば、シャンク9は、戻ってきたスプリング10圧縮させるため、上記動きによる効果は、戻ってきたスプリング10を圧縮することにある。 【0033】 ブロックプッシャー部材5は、カム7のくぼみ部8上を圧迫するが、これによりカム7は、シャフト14に向かって後方に移動する。そして、シャフト14は、リング18の半径方向厚さの厚い部分18bによってその場に保持される。 【0034】 ブロック3は、リーフスプリング4によって奥へ偏っている。そして可動フランジ12の歯車が噛み合う部分112aは、これにより自由になっている。 【0035】 背も垂れ部は、このために、半径方向厚さの厚い部分18bの長さに対応したA2で示す位置である30°前方に容易に移動できる。 【0036】 一方、ブロックプッシャー部材5の小片5aは、リング18の半径方向厚さの厚い部分18bによって下部に維持されているので、シャフト14に配置されている制御部材に基づくことは必要ない。 【0037】 この動きは、搭乗者が乗り降りするとき、背も垂れ部が通常位置に戻ることによって起こる。ついで、背も垂れ部は、ラインA1で示される部分にもどる。つまり、カム7は、図1で示されるそのラッチング位置に戻る。そしてブロックプッシャー部材5と、ブロック3も図1で示されるそれぞれの位置に戻る。さらに、ブロック3の歯は、可動フランジ12の歯112aに再び噛み合う。そしてスプリング10は、減圧されることにより、背も垂れ部の戻りの動きに助力する。 【0038】 かりに、背も垂れ部の傾斜において、異なる調整が得たい場合、例えば、ラインA3に向かう場合、ブロックプッシャー部材5は、矢印F2の方向に、カム7が回転することによって止め金が一時的に外される。小片5aは、ブロック3を自由状態にすることによって、降りることができる。背も垂れ部の特定の位置は、ラインA3の方向でセットされる。背も垂れ部が上記特定位置まで傾斜してくると、カム7の動きは緩まり、カム7の通常位置に戻る。ブロック4は、可動フランジ12の歯112aに噛み合うことができるようになる。 【0039】 【発明の効果】 本発明のかかる背も垂れ部の調整装置は、以下に示す構造を有する装置である。その構造とは、座席の座る位置の枠に取り付けられる固定環状フランジと、一方では、この固定フランジの内部にはカップ形状の凹部が設けられ、さらにがセルのセットを備えたものであり、そして他方では、大きな直径を有する環状凹部を有し、この環状凹部は、シートの背も垂れ部の枠に取り付けるための凹部であり、さらに固定フランジのセルを有する。これは、互いにその間隔を120°であるように取り付けられたセットを有しており、各々上部歯を有し、これらのブロックは、ブロックプッシャー部材を圧迫しており、この部材は各々可動フランジの方向に向いている小片を有するもので、これらブロックプッシャー部材は、ステップを3つ有し、そして中央シャフトに取り付けられているもので、この中央シャフトは、カムの回転を操縦するもので、さらにこのカムは、3ステップの延長部を有する。この延長部の一方は、くぼみ部であり、他方は狩猟用ラッパの形状をし、一先端固定フランジの内部に形成されたキャビティに収容されているスプリングのセットと共同するシャンクのセットであり、そのブロックプッシャー部材の小片は、アンラッチングリングと共同して動き、このアンラッチングリングは、可動フランジの内部に形成され、カムが、スプリングの動きに対して収縮する方向に回転したとき、シートの背も垂れ部の調整装置の中央に押し戻した状態で保持するために形成されている半径方向厚さの厚い部分を3箇所有するアンラッチングリングと共同して働くものである。従って、本発明の背も垂れ部の調整装置は、簡単で、安価で、何等かのアクシデントが起きたときにさえ、非常に信頼性に富み、そして面倒な操作を必要としない装置となった。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、背も垂れ部の調整のための装置を一部断面視した図である。 【図2】 図2は、図1の装置を図1中II-IIの線に沿って断面視した図である。 【符号の説明】 1 固定フランジ 2 カップ 3 ブロック 4 リーフスプリング 5 ブロックプッシャー部材 6 ステップ 7 カム 8 くぼみ部 9 シャンク 10 スプリング 12 可動フランジ 13 スリーブ 14 シャフト 15 中央開口部 16 凹部 17 凹部 20 凸部 22 中央ワッシャー 24 中空リング 50 セル 51 先端表面 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-01-09 |
出願番号 | 特願平4-48737 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
ZA
(A47C)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 稲村 正義 |
特許庁審判長 |
田中 秀夫 |
特許庁審判官 |
平上 悦司 千壽 哲郎 |
登録日 | 2001-05-11 |
登録番号 | 特許第3185895号(P3185895) |
権利者 | フォルシア・シエジュ・ドートモービル・ソシエテ・アノニム |
発明の名称 | 背も垂れ部の調整装置 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 成瀬 重雄 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 成瀬 重雄 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 末成 幹生 |
代理人 | 渡辺 隆 |
代理人 | 末成 幹生 |