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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G01N
管理番号 1102331
審判番号 不服2001-13065  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-06-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-07-26 
確定日 2004-08-26 
事件の表示 平成 9年特許願第343374号「微小異物の検出方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 6月 9日出願公開、特開平10-153603〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、出願日が平成6年6月2日(優先権主張平成5年6月8日)である特願平6-121313号の一部を平成9年12月12日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1-5に係る発明は、平成12年8月25日付け、平成13年8月22日付け、および平成16年5月14日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1-5に記載されたとおりのものであり、請求項1に係る発明は次のものである。
「【請求項1】微小異物検出用のビーム光を前記微小異物に対して絞り込まない状態とすることにより前記微小異物より大きいビームスポット径で試料表面に照射し、暗視野下で前記微小異物による前記ビーム光の乱反射光を2次元画像素子で観察して前記ビームスポット径内における前記微小異物のx-y座標を特定させて前記試料における微小異物のx-y面内の存在位置を検出することを特徴とする微小異物の検出方法。」

2.刊行物
これに対して、当審における平成16年3月16日付けで通知した拒絶の理由に引用した刊行物は次のとおりである。
刊行物1.特開昭63-29537号公報
刊行物2.特開平5-2262号公報
刊行物3.特開昭62-191741号公報

刊行物1には、
「被検査物表面の所定の部位に所定の角度で第1の検査光を照射する第1の光源と、この第1の検査光によって照明される前記被検査物からの散乱光または反射光を自動的に検出する検出部と、……備えたことを特徴とする検査装置」(第1頁左下欄第5行-同頁同欄第15行)、
「第1の検査光が半導体レーザなど…で」(第2頁右上欄第11-12行)、
「所定の平面内において回転および水平移動などが自在に可能な試料台1の上には、たとえば半導体ウエハなどの被検査物2が着脱自在に位置されている。」(第2頁左下欄第1-4行)、
「光-電気変換素子8において検出された散乱光または反射光9の光量を判定部10において所定のしきい値と比較することにより、被検査物2の所定の部位における異物の有無などが判別され、たとえば異物からの散乱光または反射光9が検出された時の試料台1の位置などから、被検査物2における異物の位置が把握されて記録される。」(第3頁右上欄第8-15行)、
が記載されている。

刊行物2には、
「【請求項4】ホトマスクやレチクル等の回路パターンを有する基板試料上に付着した異物を検出する異物検査装置において、前記を載置してX,Y,Zの各方向へ任意に移動可能なステージおよびその駆動制御系からなる検査ステージ部と、前記基板試料を斜方から照射する照明系と、該照明系の照射により前記基板試料の上に発生する散乱光および回折光を集光してフーリエ変換面上に設けた空間フィルタにより前記回路パターンの直線部分からの回折光を遮光して、検出器上に結像させる検出光学系と、該検出値を設定されたしきい値により2値化する2値化回路と、該2値化結果または該2値化結果および2値化前の検出値を前記基板試料上を検出器の数画素から数百あるいは数千画素ごとに分割した領域ごとに対応した記憶回路上へ格納する回路と、格納された異物データを演算表示する信号処理系とを備えたことを特徴とする異物検査装置。」、
「【0027】【実施例】……、Yステージ11をXステージ10の等加速時間および等減速時間に同期してレチクル6を0.5mmずつステップ状にY方向に移送するように構成……」、
「【0029】ここで、第1,第2の照明系2,3の詳細な構成例を図2図および図3図を参照して説明すれば、……。これによると第1の照明系2は半導体レーザを使用したレーザ光源、コリメータレンズ221、1/2波長板222、凹レンズ223、シリンドリカルレンズ224、コリメータレンズ225、集光レンズ226で、符号221〜226により集光レンズ22が形成されたものとなっている。……検査視野15にレーザビームを小さく絞り込む……、レーザビームを約10μmまで絞り込んでいるが、この絞り込みにより焦点深度は約30μmと短くなり、図2に示す検査視野15全域S(500μm)に焦点を合わせることができなくなる。しかし、……シリンドリカルレンズ224を図2に示すX’軸回りに加えて、Y’軸回りにも傾動させると、……、検査視野15の全域S上を高い照度で、かつ均一な分布の直線状の照明をすることが可能である。……検出器51,551に……2次元のもの、……でも使用可能である。……。また、マイクロコンピュータ54は論理積回路53が論理レベル”1”を出力した場合に「異物あり」と判定し、Xステージ10およびYステージ11の位置情報、……画素位置から計算される異物の位置情報……を異物データとして記憶し、その結果を表示手段55に出力するように形成されている。」、
「【0030】……本発明では、検出器の画素を2×2μm2にまで高分解能化し(第4図(C)に示す。)、回路パターンからの影響を極力排除、0.5μmの異物検出を可能とした。……」、
「【0031】……本発明では、レチクル6面上における検出視野15を任意の寸法(例えば2μm×2μm)に設定し、……」、
「【0035】……1μmより大きな異物の領域においても、本発明では大幅な検出個数の向上がみられている。……」、
「【0037】……今回は、図26に示すごとく検出画素を1×1μm2に縮小して行い、各画素の隣接する4つの1×1μm2画素の検出出力を電気的に加算、2×2μm2画素による検出出力をシミュレートする。これを1μmずつ重複して求め(図中でa,b,c,d)、最大値(図中でa)を2×2μm2画素による代表出力として異物の検出判定を行うようにした。……」、
「【0038】さて、図28に4画素加算処理回路の具体例のブロック図を示す。これは、1μmに縮小した場合の画素を512画素並べた1次元型撮像素子で、……」、
が記載されている。

刊行物3には、
「被検査体表面に存在する欠陥を光学的に検出する方法であって、面状……の光源の実像を結像光学系を用いて前記被検査体表面に結像させ、前記実像のうち前記被検査体表面の平坦部に結像した部分からの光が入射しない位置に設けられた画像観測手段によって前記欠陥からの反射光を観測し、前記観測に基づいて前記欠陥を検出する」(第1頁左下欄第5-12行)、
「この発明は、半導体ウエハ等の被検査体について、その表面に存在する微小な凹凸などの欠陥を光学的に検出する装置に関する。」(第1頁左下欄第20行-同頁右下欄第2行)、
「欠陥の影を検出する方法よりは、光源からの光を被検査体表面で反射させ、平坦部からの反射光が入射しない位置に画像観測手段を設けて、欠陥からの反射光をとらえる方法、すなわち「暗視野法」の方がより優れている」(第2頁右上欄第11-16行)、
「被検査体表面2の平坦部に結像した部分からの光が入射しない領域内の位置に第1図の撮像装置20を設ける。この撮像装置20は被検査体表面2の全体をカバーする画角を有している。そして、このような配置とすると、第2図(b)の欠陥10からの反射光14のみが撮像装置20に入射することになり、撮像装置20では、被検査体表面2のうち欠陥が存在する箇所のみが輝点として観測されることになる。」(第3頁左上欄第19行-同頁右上欄第7行)、
「まず、仮に単なる平行光線を被検査体表面2に照射した場合を考える。この場合には、……特定の傾斜角をもつ欠陥のみからの光が撮像装置20に入射し、他の傾斜角を持つ欠陥からの反射光をとらえることは困難となる。」(第3頁右上欄第14-20行)、
「被検査体表面2の全体を一度に照射できる面状光源が最も望ましいが、…被検査体表面2の一部分を照射する面状光源……を使用してもよい。これらを採用した場合、被検査体表面2の全体についての欠陥検出を行なうためには走査を必要とする」(第3頁右下欄第11-17行)、
「撮像装置に取込まれた画像情報は、画像処理装置に与えられ、欠陥に対応する輝点の強度や数など、欠陥検出の目的に応じた量が取出される。」(第4頁左上欄第1-4行)、
「上記実施例では食込み状欠陥10を例にとったが、さらに細かな凹凸を有する欠陥の場合には、反射光として散乱光が観察されることになる。この場合でもこの発明は適用可能であり」(第4頁右上欄第14-17行)、
「画像観測手段として上記撮像装置や画像処理装置を用いることによって、欠陥検出の自動化に適したものとなるが、第3図に示したような顕微鏡を画像観測手段として用いて肉眼で欠陥を観測する場合にもこの発明は適用可能である。」(第4頁右下欄第12-16行)、
が記載されている。

3.対比・検討
本願請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明を対比すると、刊行物1に記載の「第1の検査光」、「第1の検査光によって照明される前記被検査物からの散乱光または反射光を自動的に検出し、散乱光または反射光9が検出された時の試料台1の位置などから、被検査物2における異物の位置が把握され」が、請求項1の発明の「微小異物検出用のビーム光」、「ビーム光の乱反射光を観察して前記試料における微小異物のx-y面内の存在位置を検出する」に相当し、また、刊行物1に記載の発明は、被検査物からの正反射光が入射しない位置に散乱光観測手段(光-電気変換素子8)を設けているから、暗視野下で観察していることが明かであり、刊行物1に記載の発明は装置発明であるが、そのカテゴリーを単に方法発明に置き換えて表現できるから、両者はともに「微小異物検出用のビーム光を前記微小異物に対してビームスポット径で試料表面に照射し、暗視野下で前記微小異物による前記ビーム光の乱反射光を観察して前記試料における微小異物のx-y面内の存在位置を検出することを特徴とする微小異物の検出方法」である点で一致し、次の点で相違する。

相違点
本願請求項1に係る発明は、微小異物検出用のビーム光を前記微小異物に対して絞り込まない状態とし、微小異物より大きいビームスポット径で試料表面に照射し、微小異物による乱反射光を2次元画像素子で観察して前記ビームスポット径内における微小異物のx-y座標を特定させて試料における微小異物のx-y面内の存在位置を検出するものであるのに対し、刊行物1には、試料台1の位置などから、被検査物2における異物の位置を把握する(本願請求項1に係る発明の「試料における微小異物のx-y面内の存在位置を検出する」に相当)ことが記載されているに過ぎない点。

前記相違点について検討すると、
ビームスポットの径を微小異物より大きなものとし、微小異物による散乱光を2次元画像素子で観察し、ビームスポット径内における微少異物のx-y座標を特定させて、ビームスポットからの散乱光により微小異物の試料上のx-y座標位置を検出することが刊行物2、3により従来周知[刊行物2のものは、光ビームを10ミクロンに絞りこんで、検査視野の任意の寸法として例えば10ミクロン×10ミクロンを採用して、画素寸法2×2μm2からなる多数画素からなる2次元検出器を用いて、1ミクロンの大きさの微小異物が、該10ミクロン×10ミクロンの検査視野中のどの位置であるかの情報を得ることができるものであり、刊行物3のものは、第1図をみると面状光源3からビームスポットの径が欠陥10より大きなことが明かであり、また、被検査体表面2を撮像装置20で凹凸欠陥に係る散乱光を輝点として捉えることができるものであり、該撮像装置20は、被検査体表面2の全体をカバーする画角を有しているというのであるから、2次元画像素子を用いていると認められ、また画像処理装置21によって、視野内の凹凸欠陥に係る輝点位置は、当然に、特定されるものと認められる。]であり、刊行物3の明細書段落【0029】には『……「異物あり」と判定し、Xステージ10およびYステージ11の位置情報、……画素位置から計算される異物の位置情報……を異物データとして記憶し、その結果を表示手段55に出力する……』ことが記載されており、また、散乱光を用いての異物検知の技術分野において、ビームスポットの径を微小異物より大きなものとすること自体は、普通のことである(例えば上記刊行物2,3以外に特開昭61-191946号公報を挙げることができる。同公報第2頁左下欄第6-8行に従来技術の紹介として「被検査面に光スポットを形成する。スポット径はほぼ100μmである」、同公報第2頁右下欄第14-18行に「従来装置の場合、スポット径を10μm以下にして使用することができず、数μm以下の欠陥が同時に複数個検出された場合、それを分離することができず、欠陥の大きさ、個数が不正確になる」と記載がある。)から、刊行物1に記載の発明において、試料表面に照射するビームスポットの径を微小異物より大きなものとし、ビーム光を微小異物に対して絞りこまない状態とし、微小異物による散乱光を検出する光-電気変換素子として多数の画素からなる2次元画像素子を採用して観察し、ビームスポット径内における微小異物のx-y座標を特定させて試料台の位置などから試料における異物のx-y面内の存在位置を検出するようにすることは、当業者が容易に想到できたものである。

4.むすび
したがって、本願請求項1に係る発明は刊行物1-3に記載された発明および従来周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、その余の請求項について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-06-08 
結審通知日 2004-06-15 
審決日 2004-07-09 
出願番号 特願平9-343374
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 郡山 順▲高▼見 重雄山口 剛  
特許庁審判長 渡部 利行
特許庁審判官 長井 真一
菊井 広行
発明の名称 微小異物の検出方法  
代理人 村上 加奈子  
代理人 稲葉 忠彦  
代理人 中鶴 一隆  
代理人 高橋 省吾  

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