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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する F23N |
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管理番号 | 1103517 |
審判番号 | 訂正2004-39150 |
総通号数 | 59 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-11-11 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2004-06-24 |
確定日 | 2004-08-03 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3520154号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第3520154号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.請求の要旨 本件審判請求の要旨は、特許第3520154号(平成8年4月26日特許出願、平成16年2月6日設定登録)に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正するものであって、その訂正の内容は、明細書の【発明の名称】の「給湯器の加熱制御装置」を、「ガス燃焼機器のシステム制御装置」と訂正するものである。 2.当審の判断 上記訂正について検討すると、願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1、2には、「ガス燃焼機器のシステム制御装置」と記載されており、さらに、願書に最初に添付した明細書の【発明の名称】には、「ガス燃焼機器のシステム制御装置」と記載されており、「給湯器の加熱制御装置」なる記載は、平成15年11月28日付手続補正書によりその全文が補正された明細書の【発明の名称】にあるのみで、他の箇所には見当たらない。 したがって、【発明の名称】の「給湯器の加熱制御装置」なる記載は、「ガス燃焼機器のシステム制御装置」の誤記であることは明らかであるから、該訂正は、誤記の訂正を目的とする訂正に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 また、上記訂正は、【発明の名称】の誤記を訂正するだけのものであって、特許請求の範囲の記載は訂正されておらず、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 3.むすび 以上のとおりであるから、本件審判請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に揚げる事項を目的とし、かつ、同条第3項、第4項、及び第5項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 ガス燃焼機器のシステム制御装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 システム制御の電源に乾電池を使用するガス燃焼機器において、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った回数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される回数が所定回数となったか否かを判定する回数判定手段と、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った以降の使用時間を計時する計時手段と、前記計時手段により計時される使用時間が所定時間となったか否かを判定する時間判定手段と、前記回数判定手段により所定回数となったと判定されたとき、又は前記時間判定手段により所定時間となったと判定されたときのいずれか早い判定がなされた時点で電池交換を予告し、あるいはシステムを停止する実行手段とを備えることを特徴とするガス燃焼機器のシステム制御装置。 【請求項2】 点火操作時以外の燃焼中に前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧が検出電圧設定値を下回った時点で電池交換を予告し、あるいはシステムを停止する実行手段を備えることを特徴とする請求項1に記載されるガス燃焼機器のシステム制御装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、テーブルガスコンロ、ガス湯沸器等のガス燃焼機器のシステム制御装置に関し、さらに詳しくは、システム制御の電源に乾電池を使用するガス燃焼機器において乾電池の消耗(交換時期)を検知し、システム(運転)の停止等を行うようにしたシステム制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種のガス燃焼機器においては、システム(運転)制御を司るコントローラの電源に乾電池が一般に使用されている。そして、点火操作時とそれ以外とではその乾電池の消費電流が大きく異なる。図8は、従来一般に知られるガス燃焼機器の点火操作に関する制御回路を示している。この制御回路では、イグナイタ点火スイッチ82がオンされると、イグナイタ84の点火動作によりコントローラ92のマイコン90が起動され、バーナの燃焼が開始されると共に、その燃焼が制御される。 【0003】 そして、そのバーナの燃焼継続中にマイコン90に電力を供給する乾電池86の電圧が低下してくると、その電圧の検出は電圧監視器88により常時行なわれていて、ある検出設定電圧以下にまで下がったときにはトランジスタ96をオンさせて電池交換予告ランプ(LED)94を点灯させ、器具の使用者に乾電池86の交換時期が知らされるようになっており、さらに電圧が低下すると、システム(運転)を停止させる。 【0004】 図7は、この乾電池86の検出電圧とLED94の表示あるいは、この器具の使用可否との関係を示している。乾電池86は、通常、「1.5V×2個=3V」のものを使用するとして、乾電池86の検出電圧レベルとしては乾電池86の交換予告開始電圧(2.2V)と、このシステムを停止させる電圧(2.0V)の2段階が設定される。そして、LED94の表示としては、その検出電圧レベルが電池交換予告電圧(2.2V)まで下がるまでは「消灯」されており、その電池交換予告電圧まで下がると「点灯」(又は「点滅」)させ、さらにシステム停止電圧(2.0V)まで下がれば「点灯」(又は「点滅」)状態とする。 【0005】 一方、この器具の使用は乾電池86の検出電圧レベルが電池交換予告開始電圧(2.2V)を下回っても可能でバーナの燃焼は継続されるが、乾電池86の検出電圧レベルがシステムOFF電圧(2.0V)を下回ったときにはシステム(燃焼)を停止させ、その後は、イグナイタ84による点火動作が行われなくなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、図6にも示したように、乾電池86には等価的に内部抵抗Rが存在し、その電流を取り出すと電圧降下を引き起こす。この電圧降下は、負荷により異なる為、燃焼機器の動作状態によって電源電圧が変動するという現象が発生する。たとえば、テーブルコンロのような低消費電流の燃焼機器の場合、燃焼中においては、コントローラ92の消費電流が10mA程度であるのに対し、点火動作中におけるイグナイタ84の消費電流は50〜100mAであり、イグナイタ84作動時の電圧降下が大きく、点火操作時に大きな電圧変動を起こすことになる。 【0007】 図8はその状態を示したものであるが、イグナイタの点火スイッチ82のコックがオンされたときに電源電圧は大きく下がり、その後、手が離されるまで乾電池86の電圧が検出電圧レベル(予告開始電圧又はシステムOFF電圧)を下回る。そして、手を離した後は、乾電池86の電圧が検出電圧レベル以上に戻る。このように点火操作時のみ検出電圧レベルを下回り、点火操作時以外は検出電圧レベル以上となるため、どの時点の電圧で乾電池交換の予告開始やシステムOFFを判断するかという問題が生じる。 【0008】 この問題を解決する手法として、従来、次のような方法が取られてきた。第1の手法は、点火操作時には乾電池の電圧検出やLEDの表示を行わないとするものであるが、通常、点火操作時は使用者が操作部に最も目をやる時であり、ここで使用者に乾電池の交換を報知することは有効であるのに止めている。これでは使用者が乾電池交換の時期が来たことを見逃してしまい、特に、システムOFF電圧に達した場合には点火操作時に報知する必要性が高いにもかかわらず、乾電池交換を予告できないままシステムOFFされる場合も出てくる。 【0009】 一方、システムOFF時のみ、点火操作時から電圧検出及びマイコン判定を行うようにすると、イグナイタがオン時の電圧変動によって乾電池の交換予告期間にばらつきが大きくなってしまい、使用する乾電池によっては予告できないままシステムOFFしてしまう場合も生じる。 【0010】 また、第2の手法は、点火操作時に乾電池の電圧が検出電圧レベルを下回るとLED表示を行い、点火操作後も燃焼終了まで表示したままにするというものであるが、この場合にはノイズを検出した場合にもLED表示されてしまう為、誤動作の可能性が高くなってしまう。また、使用時間からみると、点火操作はわずかな時間でありコントローラによっては点火操作時の電圧レベルで判定する必要がないのに点火操作時の電圧降下が大きい時点で判定するということは電池寿命を短くしていることになる。 【0011】 さらに、第3の手法は、システムの動作状態の電圧レベルに応じてLED表示するものであるが、これによれば、点火操作時のみLED表示されるという時間が必ず発生し、システムの負荷変動が使用者には分からない為、誤動作しているものと間違いやすい。また、センサー付きコンロ等が使用されている時に、他のコンロが点火されると、その点火操作時にのみ表示され誤動作と誤解されやすい。 【0012】 また、動作状態の電圧レベルに応じるようにすると、点火時のみ表示する場合と点火時も含め使用中表示する場合とが発生するようになり、使用者にとって、交換時期の判断がつきにくく、点火操作時の電圧降下が大きくなってしまった場合には、点火操作時のみ表示が付く報知で、システムOFFに至ってしまう場合も発生する。このように、いろいろな手法が試みられているにも関わらず、電源電圧の変動に応じた乾電池交換予告ができないという問題点は解決されていない。 【0013】 本発明の解決しようとする課題は、点火操作時の電源電圧の変動に応じて適切に乾電池の交換時期の予告を行うとともに安全な燃焼制御ができるガス燃焼機器のシステム制御装置を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために本発明に係るガス燃焼機器のシステム制御装置は、システム制御の電源に乾電池を使用するガス燃焼機器において、電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った回数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される回数が所定回数となったか否かを判定する回数判定手段と、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った以降の使用時間を計時する計時手段と、前記計時手段により計時される使用時間が所定時間となったか否かを判定する時間判定手段と、前記回数判定手段により所定回数となったと判定されたとき、又は前記時間判定手段により所定時間となったと判定されたときのいずれか早い判定がなされた時点で電池交換を予告し、あるいはシステムを停止する実行手段とを備えることを要旨とするものである。 【0015】 この発明によれば、システム制御の電源に乾電池を使用するガス燃焼機器において、電源電圧が電源電圧検出手段により検出され、その検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った場合には、その回数が記憶手段に記憶され、その回数が所定回数となったか否かは回数判定手段により判定されるが、一方、前記電源電圧検出手段により検出された電源電圧が検出電圧設定値を下回った以降の使用時間は計時手段により計時され、その使用時間が所定時間となったか否かは時間判定手段により判定される。そして、前記回数判定手段により所定回数となったと判定されたとき、又は前記時間判定手段により所定時間となったと判定されたときのいずれか早い判定がなされた時点で、電池交換が予告され、あるいはシステムが停止される。電池寿命の到来が検出電圧設定値を下回った回数とその下回った時間との両方でチェックされているのでより正確に電池寿命の到来が把握される。 【0016】 このようなガス燃焼機器のシステム制御装置において、点火操作時以外の燃焼中に前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧が検出電圧設定値を下回った時点で電池交換を予告し、その後は、点火操作時から電池交換予告を行う、あるいは、システムを停止するようにすると、さらによい。そうすれば、コントローラの実動作電圧で検知、報知を行う手段が追加される為、信頼性が高い。 【発明の実施の形態】 【0017】 以下、本発明の好適な実施の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係るシステム制御装置がガスコンロ10に適用された例の概略構成を示したものである。このガスコンロ10は、バーナ16のヘッド部分に鍋12の鍋底の温度を検知するサーミスタ14が設けられると共に、そのバーナ16のヘッド部分に近接して点火装置(イグナイタ)28の点火動作により火花を散らしてバーナ16に点火させる放電電極30及びそのバーナ16の火炎を検知する熱電対34が設けられている。バーナ16のガス管路には手動弁20及びマグネット電磁弁22が設けられている。 【0018】 操作パネル(図示せず)面には前記手動弁20及びマグネット電磁弁22、イグナイタ点火スイッチ24の操作ボタン18が設けられている。このガスコンロ10の燃焼を制御するコントローラ32の入力側には前記サーミスタ14、熱電対34が接続され、また該コントローラ32の出力側には、このコントローラ32の駆動電源である乾電池26の電圧が低下したときに点灯する表示ランプ(LED)36、マグネット電磁弁22が設けられている。この実施例では1.5Vの乾電池を2個直列につなげた3Vの電源電圧のものが使われている。 【0019】 このガスコンロ10では、操作ボタン18によりガス手動弁20を開き、マグネット電磁弁22を押し開いた状態でイグナイタ点火スイッチ24をオンさせることによりイグナイタ28が点火動作を開始し、放電電極30に火花が飛んで、ガスバーナ20が点火される。そして、ガスバーナ10が点火され熱電対34によりバーナ16の炎が感知されると、コントローラ32からの指令によりマグネット電磁弁22は開放保持される。 【0020】 図2はこのシステム制御装置の回路構成を示している。尚、図1に示した構成と同一のものについては、同じ符号を付している。また、イグナイタ点火スイッチとしては、実際には、左コンロ用、右コンロ用及びグリル用の3個(24,40,42)設けられているのでここでは図示している。 【0021】 この図2に示す制御回路ではコントローラ32のマイコン38の入力ポートP1にはイグナイタ点火スイッチ24によってオンされるトランジスタTr1の出力側が接続され、イグナイタ点火スイッチ24がオンされることによりトランジスタTr1がオンされると、そのオン信号は入力ポートP1を介して点火動作信号としてマイコン38により検出される。 【0022】 マイコン38の入力ポートP2には電圧比較器COMPの出力側が接続され、該電圧比較器COMPを介して供給される信号は電圧判定用信号としてマイコン38により検出される。ここで、電圧比較器COMPの入力側のプラス端子には、乾電池26の電源電圧VDDを分圧した電圧V2が供給され、マイナス端子には、検出電圧判定用の基準電圧VCCとしてのレギュレータREGの出力電圧を抵抗R1,R2で分圧した電圧V1が供給される。 【0023】 電圧V2について更に説明すると、乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧以上か否かが判断される場合には、電界効果トランジスタ(FET)がオンされた状態で、数1に示される式に基づく抵抗R3,R4の分圧電圧値V21(電池交換予告電圧)が電圧V2として電圧比較器COMPのプラス端子へ供給され、乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧以上か否かが判断される場合、FETがオフされた状態で、数2に示される式に基づく抵抗R3,R4+R5の分圧電圧値V22(システムOFF電圧)が電圧V2として電圧比較器COMPのプラス端子へ供給される。尚、抵抗R1〜R5の値は上述の数1及び数2によって求められるV21及びV22が、各々、電池交換予告電圧、システムOFF電圧となるように予め設定されている。 【0024】 【数1】 【0025】 【数2】 【0026】 出力ポートP3はFETに接続され、所定の発振周波数のパルス信号をマイコン38から該FETに供給するためのインタフェースである。これにより、前記パルス信号の値に応じてFETのオンオフが繰り返され、電圧比較器COMPのプラス端子に供給される分圧電圧値V2は、前記パルス信号の値に応じて、電池交換予告電圧とシステムOFF電圧とが交互に切り替わるように制御される。 【0027】 乾電池26の電源電圧が十分高いと、FETのオンオフに関係なく乾電池26の電源電圧が電池予告開始電圧よりも高くなるため、図3に示す比較結果としての電圧判定用信号(入力ポートP2に供給される信号、以下単に「電圧判定用信号」とする)はHiになる。乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧とシステムOFF電圧との間にあると、比較結果としての電圧判定用信号は出力ポートP3からのパルス信号に応じて発振する。乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧よりも低いと、比較結果としての電圧判定用信号はLoになる。 【0028】 出力ポートP4はトランジスタTr2を介してLED36に接続されるとともに、該LED36は出力ポートP5に接続されている。LED36はトランジスタTr2がオンされると「点灯」(または「点滅」)させ、乾電池26が新たな乾電池に取り替えられるまで、「点灯」(または「点滅」)状態を維持する。かくして、電圧判定用信号に応じた信号が出力ポートP4からトランジスタTr2に供給されることで、コントローラ32の指令により、乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧以上のときはLED36が「消灯」され、該電源電圧が電池交換予告電圧とシステムOFF電圧との間のときはLED36が「点灯」(または「点滅」)され、該電源電圧がシステムOFF電圧よりも低いときはLED36が点灯されるとともに、ガスコンロ10はシステムオフの制御がなされる。 【0029】 このように構成された燃焼機器のコントローラ32において、乾電池交換時期の報知がどのようになされるかを以下に各種の実施例について説明する。初めに、第1の実施例であるが、図3は使用時間に伴う乾電池26の電源電圧の減少及び入力ポートP2に供給される電圧判定用信号を示しているが制御状態により多少の変動はある。この図3のタイミングチャートにおいて、この第1の実施例では予め乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧(2.2V)を下回る回数と時間及び該電源電圧がシステムOFF電圧(2.0V)を下回る回数と時間を設定しておく。 【0030】 そして、点火操作がされた際に、乾電池26の電源電圧が低下して電池交換予告電圧を所定回数より多くあるいは所定時間より長く下回ると判断されたときに、コントローラ32からの指令によりLED36が点灯されるとともに、該乾電池26の電源電圧が更に低下してシステムOFF電圧を所定回数より多くあるいは所定時間より長く下回ると判断されたときに、コントローラ32からの指令により燃焼停止がされるものである。 【0031】 図4はその制御フローチャートを示している。このフローチャートでは、操作ボタン18が押される(S301)と、イグナイタ点火スイッチ24のオンを経て燃焼制御が開始される(S302)。そして、入力ポートP2に供給される電圧判定用信号値に基づいて、コントローラ32により乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧以上か否かが判断され(S303)、電池交換予告電圧以上と判断されれば(S303:「YES」)、操作ボタン18が離された後も、安定した燃焼制御が継続され(S308)、その後、操作ボタン18による燃焼停止の操作がなされると(S312)、コントローラ32の指令により燃焼停止(S313)される。 【0032】 また、コントローラー32により燃焼制御開始直後に乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧より低いと判断されても(S303:「NO」)、電池交換予告電圧より低いと判断された回数が所定回数に満たないと判断され(S304:「NO」)、かつ、最初に電池交換予告電圧より低いと判断された時点からの継続時間が所定時間に満たないと判断されれば(S324:「NO」)、操作ボタン18による燃焼停止の操作がなされるまで、安定した燃焼制御運転が維持される(S308)。 【0033】 一方、コントローラ32により燃焼制御開始直後に乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧より低いと判断された回数が所定回数より多いと判断される(S304:「YES」)か、あるいは、最初に電池交換予告電圧より低いと判断された時点からの継続時間が所定時間より長いと判断されると(S324:「YES」)、コントローラ32の指令により電池交換サインとして、LED36の点灯がなされる(S305)。 【0034】 次いで、LED36が点灯されても、電圧判定用信号値に基づいてコントローラ32により乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧以上であると判断されれば(S306:「YES」)、そのまま燃焼制御が継続され(S308)、安定した運転状態が維持される。この期間は、通常約2週間〜1カ月程度である。 【0035】 逆に、LED36の点灯後、乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧より低いと判断され(S306:「NO」)、電池交換予告電圧より低いと判断された回数が所定回数を満たしておらず(S307:「NO」)、しかも、継続時間が所定時間に満たないと判断されれば(S327:「NO」)、そのまま燃焼制御が継続される(S308)。 【0036】 しかし、通常の使用が続けられると暫時の後、該回数が所定回数を満たすと判断される(S307:「YES」)か、あるいは、該継続時間が所定時間より長いと判断されるようになる(S327:「YES」)。そうすると、操作ボタン18から手が離された(S309)後、コントローラ32の指令により燃焼停止がなされる(S310)。 【0037】 次に、第2の実施例であるが、これは前述の第1の実施例に加え、さらに、点火操作後の燃焼制御中に、乾電池26の電源電圧が低下して電池交換予告電圧又はシステムOFF電圧を下回ると、コントローラ32からの指令によりLED36が点灯されるとともに、該点灯の後、操作ボタン18による新たな操作がコントローラ32によって検出されるとLEDが点灯されるようにしたものである。 【0038】 図5はその制御フローチャートを示している。このフローチャートのS401〜S411は、前述の図4のフローチャートのS301〜S311に示したものを兼用できるので、S401〜S411までのその詳細な説明は割愛して説明する。点火操作後(S401〜S407)、操作ボタン18から手が離されると燃焼制御が継続され(S408)、乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧以上あると判断される限り(S412:「YES」)、操作ボタン18が押されて燃焼停止がなされる(S415,S416)まで、安定した燃焼制御が行われる。 【0039】 一方、燃焼制御が開始された(S408)後、乾電池26の電源電圧が電池交換予告電圧より低いと判断されれば(S412:「NO」)、コントローラ32の指令により電池交換サインとして、LED36の点灯がなされる(S413)。次いで、LED36が点灯されても電圧判定用信号値に基づいてコントローラ32により乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧以上である限り(S414:「YES」)、そのまま燃焼制御が継続され(S412,S413)、LED36の点灯状態下で運転状態が維持され、コントローラ32により操作ボタン18が押されたことが検出され(S415)、燃焼停止がなされる(S416)まで、LED36点灯状態で燃焼制御が行われる。 【0040】 逆に、乾電池26の電源電圧がシステムOFF電圧より低いと判断されれば(S414:「NO」)、コントローラ32の指令により燃焼停止される(S410)。 【0041】 以上、各実施例の説明からもわかるように、操作ボタン18の操作の際に、乾電池26の電源電圧が低下して電池交換予告電圧を所定回数より多く又は所定時間より長く下回ると、コントローラ32の指令によりLED36が点灯され、乾電池26の電源電圧が更に低下してシステムOFF電圧を所定回数より多く又は所定時間より長く下回ると、燃焼が停止される。したがって、この器具の利用者は電池交換時期を確実に察知できることはもとより、突発的なノイズ等による誤報知や誤判定が回避されることによりその判断は確実なものとなる。 【0042】 しかも、LED36が点灯されてもシステムOFF電圧に至るまでは燃焼制御が可能であるから電池電源が有効に活用され電池寿命が延びるという利点がある。また、点火操作時には乾電池の電圧低下がなくとも燃焼制御中に、乾電池26の電圧が低下して電池交換予告電圧を下回ったときにはコントローラ32の指令によりLED36が点灯され、さらに、LED表示後に乾電池26の電圧が低下してシステムOFF電圧を下回ったときには燃焼が停止されるようにすれば、利用者は突然のシステムOFFを気にすることなく安心してこの器具を使用できる利便さを有することになる。 【0043】 尚、本発明は、上記した実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。たとえば、上記実施例では、ガスコンロの例で説明したが、ガスストーブ、ガスファンヒータ、ガス湯沸器等の各種のガス燃焼器具に適用されるものである。また、乾電池の電圧が設定電圧を下回った回数とその時間とを組み合わせて制御する等の設計変更は当然に考えられることである。 【0044】 【発明の効果】 本発明に係るガス燃焼機器のシステム制御装置によれば、バーナ点火操作時の乾電池の電圧値を検出して、検出電圧設定値と比較することにより、乾電池の交換時期を報知することができるようにしたものであるから、ガス燃焼機器の安全性が担保されるばかりでなく、電源電圧の変動に応じて、適切に乾電池の交換予告を行うことができる。また、点火操作時に報知されるようにする等、使用者の使い勝手の向上というメリットも有するものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施の形態に係るシステム制御装置がガスコンロに適用された例の概略構成を示す図である。 【図2】 図1に示したガスコンロの点火操作に関連した制御回路図である。 【図3】 乾電池26の電源電圧及び入力ポートP2へ供給される電圧判定用信号のタイミングチャートである。 【図4】 本発明の第1の実施例の制御フローチャートである。 【図5】 本発明の第2の実施例の制御フローチャートである。 【図6】 従来一般に知られる燃焼機器の点火操作に関する制御回路の構成を示す図である。 【図7】 図6に示した制御回路における乾電池の検出電圧とLEDの表示及び燃焼機器の使用可否との関係を示す図である。 【図8】 点火操作時の乾電池の電圧変動を説明した図である。 【符号の説明】 10 ガスコンロ 18 操作ボタン 24 イグナイタ用スイッチ 26 乾電池 28 イグナイタ 32 コントローラ 36 LED 38 マイコン REG レギュレータ COMP 電圧比較器 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2004-07-22 |
出願番号 | 特願平8-130676 |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(F23N)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 川向 和実 |
特許庁審判長 |
橋本 康重 |
特許庁審判官 |
長浜 義憲 櫻井 康平 |
登録日 | 2004-02-06 |
登録番号 | 特許第3520154号(P3520154) |
発明の名称 | ガス燃焼機器のシステム制御装置 |
代理人 | 上野 登 |
代理人 | 上野 登 |